JP4380795B1 - レンズシート、光学シート及びそれを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、従来のプリズムシートで生じるサイドローブを低減し、高輝度で且つ視野範囲を制御可能な新規なレンズシート、該レンズシートと拡散板とが積層一体化され薄型で高強度、高表示品位な光学シート、その光学シートを用いたバックライト・ユニット、ディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】
入射面と出射面とを備える光透過性の基材17において、前記出射面に一定のピッチで配列された第1のレンズアレイ3を備え、該第1のレンズアレイ3の頂部3aには第2のレンズアレイ5が形成された形状であることを特徴とするレンズシート。
【選択図】図1
Description
画像表示素子と光源との間に光散乱性の強い拡散板が用いられて、光源としての冷陰極管やLEDなどが視認されないようにされている。
拡散板は、光拡散効果により光を全方位に拡散するため、液晶表示装置を暗くする。また、拡散板の板厚は、光散乱性を高めるために、また拡散板の上に構成される光学フィルムの支持をするために、通常1〜5mm程度の厚さを必要とするので、拡散板で少なからず光吸収され、液晶画面表示が暗くなる。
図14は、BEFの配置の一例を示す断面模式図であり、図15は、BEFの斜視図である。図14、15に示すように、BEF185は、部材186上に、断面三角形状の単位プリズム187が一方向に周期的に配列された光学フィルムである。この単位プリズム187は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)とされている。
BEFに代表されるプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイに採用する旨が開示されている特許文献としては、特許文献1乃至3に例示されるように多数のものが知られている。
図16の線Bは、BEF185の特性を示したものだが、光強度と視野方向F’に対する角度が0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高められるが、F’に対する角度が±90°近辺には小さな光強度ピーク(サイドローブ)が発生し、横方向から無駄に出射される光も増えてしまっている。
この様な光強度ピークを有する輝度分布は望ましくはなく、±90°近辺での光強度ピークのない図16の線Aのような滑らかな輝度分布の方が望ましい。
特に、近年、目覚しい発展をみるカラー液晶表示装置においては、液晶パネルのパネル透過率がモノクロ対応の液晶パネルに比べ格段に低く、そのため、バックライトユニットの輝度向上を図ることが、カラー液晶表示装置自体の低消費電力を得るために必須となっている。
すなわち請求項1の発明は、透光性の基材の一方の面に第1レンズアレイを備え、前記第1レンズアレイは、前記基材の一方の面に、一方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズを備え、前記第1レンズの頂部に、前記第1レンズアレイとは交差する方向に沿って互いが平行に配置された複数の第2レンズを備える第2レンズアレイが形成されてなることを特徴とするレンズシートである。
図1は本発明のレンズシート、バックライトユニットおよびディスプレイ装置の一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態であるディスプレイ装置70は、画像表示素子35とバックライトユニット55とから構成されている。また、本発明の実施形態であるバックライトユニット55は、ランプハウス(反射板)43内に複数の光源41が配置され、その上(観察者側方向F)に、光源41から入射する光を拡散して射出する拡散板25、本発明の実施形態であるレンズシート1が配置されて構成されている。
光源41から射出された光Hは、拡散板25で拡散され、その上に配置されたレンズシート1で集光され、バックライトユニット55から射出される光Kが、画像表示素子35に入射し、観察者側Fへと射出される。
反射板43は、複数の光源41の観察者側Fと反対側に配置され、光源41から全方向に出射された光のうち、観察者側Fと反対側の方向に出射された光を反射させて観察者側Fに出射させることができる。その結果、観察者側Fに出射された光Hは、ほぼ光源41から全方向に出射された光となる。このように反射板43を用いることによって、光の利用効率を高めることができる。反射板43としては、光を高効率で反射させる部材であればよく、たとえば、一般的な反射フィルム、反射板などを使用することができる。
第1のレンズアレイ3のレンズ形状は、台形プリズム形状であることが望ましい。台形プリズムの頂部3aには第2のレンズアレイ5が形成される。台形プリズムは、傾斜面3bは略直線となるため、三角プリズムと同等の効果が得られる。そのため、観察者側Fへの集光効果が高いため、高輝度なディスプレイ装置70を得ることができる。高輝度なディスプレイ装置70を得るための該台形プリズムの頂角θ1は70度〜110度、更には80度〜100度の範囲であることが望ましい。頂角θ1が70度より小さい場合、サイドローブが大きくなり輝度が低下し、110度より大きい場合、半値角が広がって輝度が低下するためである。
台形プリズムの短辺部(頂部3a)に三角プリズムが形成されてなる。レンズシートに形成されるレンズが一方向の場合、レンズ配列方向側にのみ集光効果が得られる。従って視野の狭い方向と広い方向とが存在することとなる。図3(a)は本発明のレンズシート1において、第1のレンズアレイ3の断面形状を平面視できる方向から見た図であり、図3(b)は第2のレンズアレイ5の断面形状を平面視できる方向から見た図である。第2のレンズアレイ5の頂部5aは第1のレンズアレイ3である台形プリズムの頂部3aとが一致する。
まずレンズシート1の第1のレンズアレイ3の配列方向を、観察者側Fからディスプレイ装置70を平面視したときの水平方向Hoと設定したとき、以下の数式1を満たすことが望ましい。
第1のレンズアレイ3の台形プリズムの頂角をθ1、第2のレンズアレイ5の三角プリズムの頂角をθ2としたとき、
図6(a)は本発明のレンズシート1のVe方向の、図6(b)はHo方向の最大傾斜率を示すグラフである。第1のレンズアレイ3の頂角θ1を80度から90度まで変化させ、第2のレンズアレイ5の頂角θ2は90度である。
α(a)=MAX〔{L(a、0)−L(a、1)}/L(a、0)、{L(a、1)
−L(a、2)}/L(a、0)、{L(a、2)−L(a、3)}/L(a、0)、…
{L(a、n)−L(a、n−1)}/L(a、0)、…{L(a、88)−L(a、8
9)}/L(a、0)、{L(a、89)−L(a、90)}/L(a、0)〕とする。
即ち、視野角度が1度変化したときに、輝度がどれだけ変化するかを表すもので、この値が大きいほど、視野角度変化による輝度変化が大きい(カットオフが生じる)結果となる。
レンズシート1の第1レンズアレイの配列方向を水平方向Hoと設定した場合は、図5(b)で示されるそれぞれVe方向とHo方向の半値角は逆となる。
第1のレンズアレイ3の台形プリズムの頂角をθ1、第2のレンズアレイ5の三角プリズムの頂角をθ2としたとき、
従って、第1のレンズアレイ3の頂部3aの幅Lと単位レンズのピッチとの比はなるべく小さくすることが望ましい。正面輝度と最大傾斜率αとの両方を最適化する場合、第2のレンズアレイ5の頂角θ2は80度を超えて90度以下であることが望ましく、更には85度であることが好ましい。
上述のディスプレイ装置70との違いは、レンズシート1の観察者側Fと反対側の面に、ドット状の突起部29が形成され、拡散板25と固定層20を介して接合された光学シート52が配置されている点である。
上述のように、賦形性及び金型剥離性がよく、固定層20との密着性が良い突起部29をレンズシート1の入射面に形成することで、固定層20の表面平滑性及び内部に拡散粒子を含有する場合においても、輝度低下の生じない光学シート52を提供することが出来る。
さらに、固定層20内にフィラーを分散してもよい。固定層20内にフィラーを分散することで、接合層の弾性率を増加することが可能となる。
固定層20の形成方法において、接合面へ直接塗布する方法や、あらかじめドライフィルムとして準備したものを貼り合わせる方法がある。固定層20をドライフィルムとして準備した場合、製造工程上、簡易的に扱うことが可能となるため好ましい。
また、完全拡散とは、吸収が0で、かつ、どの方向にも一定の強度をもつとする理想的な拡散体のことを示す。つまり、光学利得が1以上であるということは、その測定する方向に光を集める効果を持つことを示し、その値が大きいほど集光効果が強いことを示す。
透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いることができる。
光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができる。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えば、シリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを用いることができる。
また、上述した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。さらにまた、透明粒子の大きさ、形状は、特に規定されない。
拡散板25の厚みが0.1〜5mmである場合には、最適な拡散性能と輝度を得ることができる。逆に、0.1mm未満の場合には、拡散性能が足りず、5mmを超える場合には、樹脂量が多いため吸収による輝度低下が生じる。
熱可塑性樹脂の内部に形成された気泡の内部表面が光の乱反射を生じさせ、光拡散粒子を分散させた場合と同等以上の光拡散機能を発現させることができる。そのため、拡散板25の膜厚をより薄くすることが可能となる。
このような拡散板25として、白色PETや白色PPなどを挙げることができる。白色PETは、PETと相溶性のない樹脂や酸化チタン(TiO2)、硫酸化バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウムのようなフィラーをPETに分散させた後、該PETを2軸延伸法で延伸することにより、該フィラーの周りに気泡を発生させて形成する。
拡散板25の厚さが25μm未満の場合には、シートのこしが不足し、製造工程やディスプレイ内でしわを発生しやすくなるので好ましくない。また、拡散板25の厚さが500μmを超える場合には、光学性能についてはとくに問題ないが、剛性が増すためロール状に加工しにくい、スリットが容易にできないなど、従来の拡散板と比較して得られる薄さの利点が少なくなるので好ましくない。
例えば、UV成形により第1のレンズアレイ3、第2のレンズアレイ5及び突起部29を形成した場合、その支持基材フィルムの基材厚さTは、50um以下だとシワが出てしまうので、50μm<Tである必要がある。
さらにまた使用するバックライト・ユニットやディスプレイ装置のサイズによりその基材厚みは変化する。例えば、対角37インチサイズ以上のディスプレイ装置では基材厚さTは0.05mmから3mmが望ましい。
またモアレを防ぐ別の方法として、第1のレンズアレイ3及び第2のレンズアレイ5のレンズピッチをランダムとする方法もある。この場合、レンズの高さとピッチを変えてランダムとする方法とレンズの高さを変えずにピッチのみをランダムとする方法、そして前記プリズムレンズのシフト量Δをランダムとする方法があるが、外観上におけるムラの観点からレンズの高さを変えないランダムにする方法が望ましく、またその場合のランダム率(標準ピッチに対するピッチの増減率)は20%以下が望ましく、更に望ましくは10%以下が望ましい。
このようにして作製されたレンズシート1の突起部29の表面には、例えば白色顔料からなる光反射層を付与してもよい。ここで白色顔料としては、酸化チタンや酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられ、印刷法などによって形成する。
画像表示素子35は、2枚の偏光板(偏光フィルム)31、33と、その間に狭持された液晶パネル32とからなる。液晶パネル32は、たとえば、2枚のガラス基板の間に液晶層が充填されて構成されている。
バックライトユニット55から出射された光Kは、偏光フィルター33を介して液晶部32に入射され、偏光フィルター31を介して観察者側Fに出射される。
画像表示素子35は、液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
作製したレンズシート1を粘着材にて市販のPC樹脂製拡散板と積層一体化し、液晶TVの画素と第1のレンズアレイ3とのなす角度が15度となるようにセットした結果、バックライトの熱によっても剥れが生じず、モアレの生じない液晶TVが得られた。
Claims (8)
- 透光性の基材の一方の面に、
第一レンズアレイとして、頂角が70度〜110度に設定された台形プリズムアレイが配置され、
前記台形プリズムアレイの頂部には、
第二レンズアレイとして、頂角が70度〜110度に設定された三角プリズムアレイが、
交差角70度〜110度の範囲で配置されてなり、
前記台形プリズムアレイのレンズ高さに比べ、前記三角プリズムアレイの高さが低く設定されてなり、前記台形プリズムアレイの頂部と、前記三角プリズムアレイの頂部とが一致してなることを特徴とするレンズシート。 - 表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、光源と、光源から発せられた光を入射し、入射した光を拡散させることで光量むらを低減させ、拡散光を射出する拡散板と、請求項1〜6の何れか1項に記載のレンズシートを少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライトユニット。 - 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に請求項7に記載のディスプレイ用バックライトユニットを備えることを特徴とする表示装置。
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