JP2011090104A - 光学シート、面光源装置、及び透過型表示装置 - Google Patents

光学シート、面光源装置、及び透過型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フライアイ(蠅の目)レンズを含み、集光性能、光拡散性能、光源像の不可視性能に優れ且つサイドローブも少ない優れた光学的機能を持ち、しかも予期したとおりの性能で製造できる光学シートを提供する。
【解決手段】光学シート40は、シート状の本体部45と、本体部の一方の面46上に配列されフライアイレンズを構成する複数の第1単位形状要素50と、本体部の一方の面上に配列され、本体部のシート面上の一方向と平行に延びる複数の第2単位形状要素55と、を備える。しかも、第2単位形状要素の断面形状が、三角形形状の片斜辺、両斜辺、頂点のいずれか1以上を、外側に突出した丸みを帯びた凸曲線となる形状に変形した断面形状にする。例えば、両斜辺が突出した湾曲線としたり、更に頂点も曲率半径が可視光線の最大波長以上の丸みを帯びた凸曲線としたりする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光の進行方向を変化させる光学シートに関し、特に、集光機能と光拡散機能とを有すると共にサイドローブが少なく優れた光学的機能を有し、且つ安定して製造され得る光学シートに関する。また、本発明は、該光学シートを用いた面光源装置と、該面光源装置を用いた透過型表示装置に関する。
透過型表示装置に用いられる面光源装置は、光源と、光源からの光の進行方向を変化させる複数の光学シート(光学フィルム)と、を備えている。例えば、光学シートとして、光源光を拡散させて光源の像を目立たなくさせる光拡散シート、光の進行方向を正面方向へ絞り込み、正面方向輝度を向上させる集光シート等である。そして、面光源装置は、光拡散シートと集光シートとを適宜組み合わせることで、所望の正面方向輝度と視野角を実現し且つ光源の像を目立たなくしている。
なお、光拡散シートとしては、光を等方拡散させる光拡散性粒子を含有した光学シートや、凹凸面(マット面)を有した光学シート等が、汎用されている。
また、集光シートとしては、線状に延びる単位形状要素(単位光学要素)をその長手方向に直交する方向に配列(いわゆる線状配列)してなる光学シートが汎用されている。単位形状要素は、その長手方向に直交する断面において、代表的には、三角形形状、楕円形状又は円形状の断面形状を有している。このような集光シートは、正面方向輝度を向上させる機能以外に、光源の配置構成に起因した正面方向輝度の面内ばらつきを減らして光源の像を目立たなくさせる機能、及び、正面方向を中心とした輝度の角度分布を滑らかに変化させる機能も有する。つまり、このような集光シートは光拡散機能も有する。
例えば、特許文献1の集光シートは、断面形状が三角形の単位形状要素と断面形状が楕円又は円の単位形状要素とを交互に配列するものである。ここで、単位形状要素の断面形状が三角形形状の単位形状要素は、一般的に、正面方向輝度を向上させる機能(集光機能)が強く、正面方向を中心とした輝度の角度分布を滑らかに変化させる機能は殆どない。一方、単位形状要素の断面形状が楕円形状または円形状の要素は、輝度分布の変化を滑らかにするとともに輝度の面内分布を均一化させる機能(光拡散機能)が強い。但し、単に両単形状要素を併用しても、光学性能は、光拡散機能及び集光機能とも、全面断面三角形の単位形状要のみの光学シートと断面楕円又は円のみの光学シートとの中間となり、中途半端な性能しか得られなかった。
また、特許文献2では、集光シートに光拡散機能も付与する為に、各単位形状要素(プリズム体)に、単位形状要素から突出した曲面を設けている。そして、この集光シートを用いることによって、面光源装置に組み込まれる光学シートの枚数を減らしている。
しかしながら、特許文献2は、その段落0036,0059,0060等における記載からすると、単位形状要素(プリズム体)の光学機能(主として集光機能)と、突出した曲面の光学機能(主として光拡散機能)と、が各々単独で機能することのみを開示している。すなわち、特許文献2で開示する技術では、単位形状要素(プリズム体)の光学機能、突出した曲面の光学機能と、の相乗効果を期待することはできない。特許文献2では、突出した曲面は、各単位形状要素に対し、当該単位形状要素の延在方向に配列されている。したがって、集光機能と光拡散機能とのいずれを重視するかで、各単位形状要素の表面上における、突出した曲面が占める割合を調節することなる。すなわち、特許文献2での開示内容からすれば、特許文献2に開示された集光シートを用いることによって、面光源装置に組み込まれる光学シートの枚数を減らせたとしても、当該面光源装置の光学特性については、突出曲面を有していない通常の集光シートと、通常の光拡散シートと、を用いた通常の面光源装置に比べて優れた光学特性を呈することはできない、といったことが推察される。
また、特許文献2の単位形状要素(プリズム体)の断面形状は、請求項2及び図2によれば、直角二等辺三角柱形状である。
なお、このような集光シートは、単位形状要素の配列方向に沿った面内において、光の進行方向を変化させることができる。そして、二枚の集光シートを各々の単位形状要素の配列方向が互いに直交する様にして面光源装置に組み込めば、表示面上の直交する二方向(典型的には、鉛直方向および水平方向)に沿って輝度の分布を調節できる。
一方、特許文献3の様に、最近では、半球状の単位形状要素(単位光学要素)が異なる二方向にランダムまたは規則的に配列されてなるフライアイレンズ(蠅の目レンンズ)が注目されている。このフライアイレンズを有する光学シート(フライアイレンズシート)では、原理的に、複数の光学シートを用いずに、一枚の光学シートによって、表示面上の二方向(典型的には、鉛直方向と水平方向)において、透過光を集光及び拡散させることができる。この結果、面光源装置に組み込まれる光学シートの枚数を減らせることは、面光源装置の低コスト化に直結するので、非常に好ましい。
ただ、現在用いられているフライアイレンズシートの集光機能及び光拡散機能は、どちらも十分に満足できるレベルまでは達していない。その結果、二枚以上のフライアイレンズシートが、面光源装置に組み込まれ、面光源装置の低コスト化は実現されていない。
ところで、光学シートの製造は、通常、型を用いた賦型により、放射線硬化性樹脂(一般的には、紫外線硬化性性脂)から成形し作製される。そして、フライアイレンズを成形する場合には、フライアイレンズの単位形状要素(単位レンズ)は半球状であり、その成形型は該半球状の形状の全周方向に於いて閉じた形状をしている。このため、型と放射線硬化性樹脂との間に空気が入り込んで残留しやすい。この場合、成形された単位形状要素内に気泡が形成され、あるいは、成形された単位形状要素の表面に凹陥部が形成されてしまい、フライアイレンズが予定した光学的機能を発揮できなくなる可能性もある。
そこで、本願発明者らは、先に、特許文献4(本願出願時点に於いては未公開)を出願し、集光機能及び光拡散機能との両立性が高く、面光源装置内に組み込む光学シートの枚数の削減が可能で、且つ型を使った作製時にフライアイレンズ内に気泡が殘留し難い光学シート400Aを提案した。この光学シートは図6の断面図(シート面及び第2単位形状に直交する断面)に示すように、シート状の本体部45の一方の面46上に半球状の第1単位形状要素50を互いに間隔を空けて複数配列させ、且つ該一方の面46上の該第1単位形状要素50同士の間の空隙部上に三角柱形状の第2単位形状要素55を配列させた構造を有する。
但し、このような光学シート400Aに於いては、出光面(該光学シートのシート面)の法線方向に輝度の最大値を有するが、これ以外に、該法線からの角度で60度から90度の間の方向にも、サイドローブと呼称される不要な輝度の極大値を生じると云う問題が有った。
この為、光源光の利用効率向上の為、サイドローブの低減が要解決課題として殘っていた。
特許第3309173号公報 特開2008−70456号公報 特開2006−301582号公報 特願2009−168851号明細書
本発明の課題は、上述のような問題点を踏まえ、フライアイレンズを含み集光機能と光拡散機能とを有すると共に、サイドローブ光を抑えつつ優れた光学的機能が実現でき、且つ安定して製造され得る光学シートを、提供することである。また、本発明は、このような光学シートを用いた面光源装置及び透過型表示装置を提供することである。
本発明による光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部の一方の面上に配列され、フライアイレンズを構成する複数の第1単位形状要素と、前記本体部の前記一方の面上に配列され、前記本体部のシート面上の一方向と平行に延びる複数の第2単位形状要素と、を備え、前記第1単位形状要素は、前記本体部の前記一方の面上に、隙間を空けて配列され、前記第2単位形状要素は、前記本体部の前記一方の面上のうちの前記第1単位形状要素の間に配置されており、且つ、前記本体部のシート面への法線方向と平行な断面であって前記一方向と直交する断面に於ける断面形状が、底辺をシート面に平行に且つ本体部側とする三角形形状を基準として、該三角形形状の片斜辺、両斜辺、頂点のいずれか1以上を、外側に突出した丸みを帯びた凸曲線となる形状に変形した断面形状であり、A)三角形形状の片斜辺又は両斜辺が、突出した湾曲線となっている断面形状、B)三角形形状の頂点近傍が、曲率半径が可視光線の最大波長(780nm)以上の丸みを帯びた凸曲線となっている断面形状、C)上記A)及びB)である断面形状、D)三角形形状の両斜辺と頂点を含む全体の形状が、楕円又は円の一部分に相当する半楕円又は半円形状、のいずれかになっている、構成とした。
また、上記構成において、前記本体部の前記一方の面のうちの一部の領域が前記第1単位形状要素によって覆われ、前記本体部の前記一方の面のうちの前記一部の領域以外のその他の全領域が、前記第2単位形状要素によって覆われていてもよい。
本発明による面光源装置は、光源と、該光源からの光を受ける上記いずれかの光学シートと、を備えた構成とする。
また、本発明による面光源装置は、上記構成に於いて、断面三角形形状の複数の単位形状要素を有する集光シートをさらに備えた構成としてもよい。
また、本発明による面光源装置は、前記構成に於いて、光学シートの出光側に配置された偏光分離フィルムをさらに備えた構成としてもよい。
本発明による透過型表示装置は、透過型表示部と、該透過型表示部に対向して配置された上記いずれかの面光源装置と、を備えた構成とする。
本発明によれば、フライアイレンズを含む光学シートが集光機能と光拡散機能とが適度に配分され且つサイドローブ光も少ない光学的機能を発揮できる。しかも、光学シートの成形時に凹陥部の欠点発生も無しに安定して製造され得る形状なので、予期した光学的機能を発揮できる。
また、単位形状要素が異なる二方向に配列されているフライアイレンズシートを作製する成形型は、単位形状要素がリニア配列されている光学シートを作製する成形型に比べて高価で、フライアイレンズシートの製造コストも高価となるが、本発明によれば、従来のフライアイレンズシートと比較して、製造コストを大幅に増加させることなく製造できる。
本発明による一実施形態を説明する説明図であり、光学シートが組み込まれた透過型表示装置及び面光源装置の概略構成を示す断面図。 図1の面光源装置に組み込まれた光学シートを示す上面図(平面図)。 図2の光学シートの作用を説明する図であり、図2のIII−III線に沿った光学シートの断面図。 光学シートに含まれる第2単位形状要素の各種形状形態を例示する断面図。 図1に対応して、実施例の透過型表示装置及び面光源装置の概略構成を説明する断面図。 本発明に於ける出射光輝度のサイドローブ低減化を検討する過程で試作、評価した光学シートの断面図。 本発明に於ける出射光輝度のサイドローブの低減化を検討する過程で試作、評価した光学シートの断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
《透過型表示装置、面光源装置、及びその構成要素》
先ず、光学シートが組み込まれた、透過型表示装置及び面光源装置、更にその構成要素について、全体的なことを説明する。図1に例示する形態の透過型表示装置10は、透過型表示部15と、透過型表示部15の背面側に配置され透過型表示部15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備える。
透過型表示部15は、例えば、液晶表示パネル(LCDパネル)から構成され、この場合、透過型表示装置10は液晶表示装置となる。なお、液晶表示パネルは、ガラス等からなる一対の支持板と、支持板間に保持された液晶と、液晶の分子配向を一画素領域毎に制御する電極と、を有するパネルで、液晶が一画素領域毎のシャッターとして機能する結果、液晶表示パネル15が面光源装置20からの均一な面内輝度分布の面状光の透過光量を調整して、目的とする画像を表示する。
図1に例示する形態の面光源装置20は、光源25と、光源25からの光の進行方向を偏向して透過させる光学シート40と、光学シート40の出光側に配置された集光シート30と、集光シート30のさらに出光側に配置された偏光分離フィルム35と、を有している。更に、光学シート40の入光側には、光を拡散させる光拡散シート38を有している。
面光源装置20は、例えばエッジライト(サイドライト)型等の種々の形態で構成され得るが、図1例示の本実施形態は、直下型のバックライトユニットとして構成した例である。従って、光源25は光学シート40の入光側に、光学シート40と対面するようにして配置してある。また、光源25は、光学シート40の側に開口部(窓)が形成された箱状の反射板28によって背面側から覆われている。
なお、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25から光学シート40等を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側は図1及び図3では図面上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25から光学シート40等を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
また、本発明において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、本発明において「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面(凹凸面の場合は包絡面にも相当)のことを指す。
そして、本実施形態においては、光学シート40のシート面、集光シート30のシート面、偏光分離フィルム35のフィルム面、光拡散シート38のシート面、面光源装置20の発光面、および、透過型表示装置10の表示面は、互いに平行となっている。
さらに、本発明において「正面方向」とは、光学シート40のシート面に対する法線の方向nd(図3参照)の観察者側(乃至は出光側)であり、また、面光源装置20の発光面の法線方向等にも一致する。
光源25は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球、面状のEL(電場発光体)等で構成する。本実施形態では、図1、及び図3(二点鎖線)で例示する様に、光源25は、複数の線状の冷陰極管で構成してある。なお、反射板28は、光源25からの光を光学シート40側へ向ける部材で、少なくとも内側表面は例えば金属等の高反射率の材料で構成してある。
集光シート30は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向の輝度を集中的に向上させるためのシート状光学部材である。図1に例示の形態に於ける、集光シート30は、そのシート面上のある方向(配列方向)に沿って並べて配列された複数の単位形状要素(単位光学要素)を有している。単位形状要素は、集光シート30のシート面上において、その配列方向に直交する方向に直線状に延びている。単位形状要素は、その長手方向に直交する断面における断面形状が、直角二等辺三角形形状となっている。なお、このような集光シート30としては、米国3M社から入手可能な「BEF」(登録商標)を用いることができる。
偏光分離フィルム35は、入射光の偏光状態に基づいて、入射光のうち特定の偏光成分を透過させるとともに、その他の偏光成分を反射して再び光源側へ戻す機能を有したシート状光学部材である。なお、この様な偏光分離フィルム35としては、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。
光拡散シート38は、入射光を拡散させ、好ましくは入射光を等方拡散させ、光源25の構成に応じた輝度ムラ(光源の像、管ムラとも言う)を緩和し、輝度の面内分布を均一化させるためのシート状光学部材である。このような光拡散シート38としては、基部と、基部内に分散され光拡散機能を有する光拡散性粒子と、を含むシートを用いることができる。例えば、反射率の高い材料から光拡散性粒子を構成することにより、或いは、基部の材料とは異なる屈折率の材料から光拡散性粒子を構成することにより、光拡散性粒子に光拡散機能を付与することができる。
《光学シート》
光学シート40は、図2および図3に示すように、シート状の本体部45、シート状の本体部45の一方の面46上に二次元配列された多数の第1単位形状要素(第1単位光学要素)50と、シート状の本体部45の一方の面46上に配列された多数の第2単位形状要素(第2単位光学要素)55と、を有している。しかも、第1単位形状要素50は、本体部45の一方の面46上に隙間を空けて配列されている。そして、第2単位形状要素55が、本体部45の一方の面46上のうちの第1単位形状要素50の間に配置されている。
しかも、第2単位形状要素55は、その配列方向に平行で本体部のシート面に対する法線方向ndを含む断面に於ける断面形状が、底辺をシート面に平行に且つ本体部側とする三角形形状を基準として、該三角形形状の片斜辺、両斜辺、頂点のいずれか1以上を、外側に突出した丸みを帯びた凸曲線となる形状に変形した断面形状となっている。該断面形状は具体的には、A)三角形形状の片斜辺又は両斜辺が、突出した湾曲線となっている断面形状、B)三角形形状の頂点近傍が、曲率半径が可視光線の最大波長(780nm)以上の丸みを帯びた凸曲線となっている断面形状、C)上記A)及びB)である断面形状、D)三角形形状の両斜辺と頂点を含む全体の形状が、楕円又は円の一部分に相当する半楕円又は半円形状、のいずれかになっている、
また、図2及び図3例示の本実施形態においては、本体部45の一方の面46の全領域が、第1単位形状要素50および第2単位形状要素55によって覆われている。さらに詳細には、本体部45の一方の面46のうちの一部の領域が第1単位形状要素50によって覆われ、本体部45の一方の面46のうちの前記一部の領域以外のその他の全領域が、第2単位形状要素55によって覆われている。
また、本実施の形態においては、図3に示すように、本体部45は、前記一方の面46に対向する他方の面47として、光学シート40の入光側面41をなす平滑な面を有する。
なお、本発明で用いる「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものである。すなわち、ここでは、或る程度の割合の可視光が、光学シート40の入光側面41(本体部45の他方の面47)においてスネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。したがって、例えば、本体部45の他方の面47(光学シート40の入光側面41)の十点平均粗さRz(JISB0601)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑に該当する。
[第1単位形状要素]
第1単位形状要素50は、多数の第1単位形状要素50によってフライアイレンズを構成するようになっている。本発明におけるフライアイレンズとは、蝿(ハエ)の目レンズとも呼ばれ、平面上の異なる二方向の夫々に、規則的な間隔または非規則的(ランダム)な間隔で、配列された多数の単位レンズを有するレンズ部材を意味する。
(平面配置)
図2に例示する本実施形態においては、多数の第1単位形状要素50の平面内に於ける配列は、各第1単位形状要素50の面46上への射影に相当する合同な円を、最密に平面充填した構造から少し各円同士を離した配列を以って、本体部45の一方の面46上に配列されている。
即ち、一つの第1単位形状要素50が、等間隔を空けて円周状に6回対称に配置された六つの第1単位形状要素50によって周囲から取り囲まれるようになっている。これは所謂、結晶に於ける六方最密充填構造から少し各単位形状要素を離間した配列に対応する。
言い換えると、多数の第1単位形状要素50は、60°の角度で互いに対して傾斜した本体部45の一方の面46上の異なる二つの方向に、共通の一定ピッチで、配列されている。つまり、図2に示すように、多数の第1単位形状要素50は、本体部45のシート面上の第1方向d1に沿って一定のピッチで配列されているとともに、本体部45のシート面上の第2方向d2に沿っても一定のピッチで配列されており、この第1方向d1と第2方向d2とは互いに対して60°の角度だけ傾斜している。
さらに言い換えると、本体部45の一方の面46上において、最も近接した三つの第1単位形状要素50の配置中心51が、本体部45の一方の面46上で、正三角形の頂点上にそれぞれ位置するように、多数の第1単位形状要素50が配列されている。
なお、光源25は、前述したように、線状に延びる複数の冷陰極管から構成されている。一方、多数の第1単位形状要素50からなるフライアイレンズは、単位レンズ(第1単位形状要素50)が面46内に於いて、円対称、等方的である為、光学シート40のシート面上の任意の方向に沿った面内において、光の進行方向を同様に変化させることができる。したがって、仮に、細長状の光源25の長手方向da(図2参照)や光源25の配列方向(daと直交方向)を考慮しないで、第1単位形状要素50の配列方向を設定したとしても、光源25の配列方向に沿った面内で光の進行方向を同様に且つ等方的に変化させることができる。この結果、光源25の配列構成に起因して生ずる輝度の面内ばらつき(管ムラ)を低減し、光源25の配列構成に応じて視認されるようになる光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることができる。
なお、図2に例示の形態では、光学シート40のシート面への法線方向ndの図面上方から観察した場合に、各光源25の長手方向daと、第1単位形状要素50の配列方向の一つd1が、平行となっている。
(断面形状)
本実施形態においては、図3に示すように、光学シート40のシート面への法線方向ndに平行である断面において、各第1単位形状要素50は、出光側に突出する円の一部分、または出光側に突出する楕円の一部分に相当する断面形状を有している。すなわち、各第1単位形状要素50は単位レンズとして形成されている。なお、第1単位形状要素50の断面形状が楕円の一部分に相当する場合、正面方向輝度を集中的に向上させるという観点から、当該断面楕円形状の長軸または短軸のいずれかが、光学シート40のシート面への法線方向(つまり、正面方向)ndと平行であることが好ましい。
(配置及び寸法の具体例)
第1単位形状要素50の配置及び寸法の具体例を挙げれば、本体部45の一方の面46上における第1単位形状要素50の配列ピッチP1(図2参照)を10〜400μmとすることができる。また、本体部45の一方の面46上での第1単位形状要素50の配列方向に沿った、第1単位形状要素50の底面の幅W1(図2参照)を5〜200μmとすることができる。さらに、光学シート40のシート面への法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第1単位形状要素50の突出高さH1(図3参照)を5〜100μmとすることができる。なお、例示の各図においては、多数の第1単位形状要素50は互いに同一に構成されている。
なお、図2中で、配列ピッチP1と幅W1との差(=P1−W1)である、平均最小間隔Saについては、後で説明する。
[第2単位形状要素]
第2単位形状要素55は、多数の第2単位形状要素55によって、リニアアレイプリズム部を構成するようになっている。図2に例示の本実施形態においては、多数の第2単位形状要素55は、一方向に隙間無く並べて互いに並行に配列されるとともに、各第2単位形状要素55はその配列方向(前記一方向)に直交する他方向に直線状に延びている。なお、図2の形態では、光学シート40のシート面への法線方向ndの図面上方から観察した場合に、第2単位形状要素55は、第1単位形状要素50の配列方向の一つd1、および、各光源25の長手方向daと平行に延びている。
本実施形態においては、図3および図4に示すように、第2単位形状要素55の配列方向に平行であるとともに光学シート40のシート面への法線方向ndにも平行である断面(第2単位形状要素55を基準とした主切断面とも呼ぶ)において、各第2単位形状要素55は、出光側に突出する所定の凸形状となっている。なお、該主断面は、言い換えると、光学シート40の本体部のシート面への法線方向ndと平行な断面であって前記一方向(第2単位形状要素55はその配列方向)と直交する断面である。
すなわち、各第2単位形状要素55はいわゆる単位プリズムとして形成されている。そして、正面方向輝度を集中的に向上させる観点からは、当該断面形状は、特許文献4に記載される如く、又本願の図6に図示される如く、頂角が本体部45の一方の面46から出光側に突出するような二等辺三角形形状など三角形状が好ましい。但し、これでは、サイドローブが生じるので、本発明では、下記する様に、サイドローブを低減させる為に、第2単位形状要素の主切断面を単なる三角形状とはせずに、三角形状の少なくとも頂点又は斜辺を変形して、出光側に突出して丸みを帯びた凸曲線とした形状とする。
すなわち、第2単位形状要素55の主断面に於ける該断面形状は、底辺をシート面に平行に且つ本体部側とする三角形形状を基準として、該三角形形状の片斜辺、両斜辺、頂点のいずれか1以上を、外側に突出した丸みを帯びた凸曲線となる形状に変形した断面形状であり、
A)三角形形状の片斜辺又は両斜辺が、突出した湾曲線となっている断面形状{図4(A−1)、図4(A−2)参照}、
B)三角形形状の頂点近傍が、曲率半径が可視光線の最大波長(780nm)以上の丸みを帯びた凸曲線となっている断面形状{図4(B)参照}、
C)上記A)及びB)である断面形状{図4(C)参照}、
D)三角形形状の両斜辺と頂点を含む全体の形状が、楕円又は円の一部分に相当する半楕円又は半円形状{図4(D)参照}、
のいずれかの形状とする。
なお、上記にて、D)の形状は、C)の形状に於ける輪郭曲線の曲率半径が該輪郭曲線の全域に亙って一様なときが半円形状に相当し、半楕円形状は該曲率半径が輪郭曲線で滑らかに漸増又は漸減する場合に相当する、C)の形状に於ける極限の形状でもある。また、D)の形状はレンチキュラーレンズと呼ぶこともできる。
また、A)の形状にて、片斜辺が突出した湾曲線となった第2単位形状要素55を配列する形態として、図4(A−2)例示の様に、湾曲線の斜辺の向きを同じ側にして配列する形態以外に、湾曲線の斜辺の向きを交互にして配列する形態でも良いし、或いは配列方向についてランダムな順序で各斜面の湾曲の有無を割り当てた形態でも良い。但し、出射光のサイドローブ低減化をより完全にする為には、図4(A−1)、図4(C)、或いは図4(D)の如く、両斜面とも湾曲、突出させた形態が好ましい。
また、本明細書における形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「円」、「楕円」、「平行」、「直交」等の用語は、厳密な意味に縛られることなく、製造技術における限界や成型時の誤差も含めて、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差乃至は均等範囲を含めて解釈することとする。
(配置及び寸法の具体例)
第2単位形状要素55の配置及び寸法の具体例を挙げれば、本体部45の一方の面46上での第2単位形状要素55の配列方向に沿った、第2単位形状要素55の底面の幅W2(図3参照)を1〜200μmとすることができる。また、光学シート40のシート面への法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第2単位形状要素55の突出高さH2(図3参照)を0.5〜50μmとすることができる。なお、図示する例において、多数の第2単位形状要素55は互いに同一に構成されている。
さらに、第2単位形状要素55の断面形状が、頂点に丸みにを持たせた二等辺三角形状{図4(B)参照}である場合には、正面方向輝度を集中的に向上させる観点から、等辺の間に位置するとともに出光側に突出する、形状変形前の基準三角形形状の頂点であって、両斜辺が交わる仮想上の頂点Tの頂角の角度θは80〜120°が好ましく、90°がさらに好ましい。
(突出高さH2)
さらに、図3に示すように、光学シート40のシート面への法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第2単位形状要素55の突出高さH2は、光学シート40のシート面への法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第1単位形状要素50の突出高さH1よりも低くなっている。突出高さH2は、後述する作用効果を期待する上で、第1単位形状要素50の突出高さH1の1/10〜9/10が好ましい。すなわち、本体部45の一方の面46上において、各第2単位形状要素55は、第1単位形状要素50によって分断されており、第2単位形状要素55の長手方向に沿って隣り合う二つの第1単位形状要素50の間を延びている。
また、第2単位形状要素55の頂部が他のシート状部材と接触する場合、頂部が削れる、干渉縞やWet−Out(光滲潤;濡れた染みの如く見える輝度の面内ムラ)が視認されやすくなる、といった種々の不具合が生じる。しかし、本実施形態のように、第2単位形状要素55の突出高さH2が、フライアイレンズを構成する第1単位形状要素45の突出高さH1よりも低くなっている場合には、このような不具合の発生を回避できる。
《光学シートの製造方法の一例》
ここで、上述した様な光学シート40の製造方法の一例について説明しておく。
なお、光学シート40は、本体部45と第1単位形状要素50との間の界面、及び、本体部45と第2単位形状要素55との間の界面において、透過光に対して積極的に光学的作用を発現させる必要はない。したがって、この様な光学シート40は公知の成形方法、例えば、成形用型 (成形型)を用いる下記の方法などである。
a)円筒状の成形用型(型ロール)の型面に未硬化では液状の電離放射線硬化性樹脂を塗布後、塗布面に樹脂シートを押し付けた後、型面上で樹脂を硬化させ、その後樹脂シートを剥がして該硬化性樹脂面に賦型する賦型法、
b)円筒状の成形用型(ロール型)と押圧ロール間にTダイ等から押し出した溶融樹脂を供給して成形する溶融押出成形法、
c)射出成形法、
d)加熱された成形用型と金属板や金属ロール間に樹脂を挟んで加熱加圧する熱プレス法、
e)成形用型に樹脂を積層後、成形用型を剥がして樹脂面に型面の形状を転写する転写法。
なお、成形用型はシート型や射出成形型よりも円筒状の成形用型(型ロール)用いる方が生産性、コストの点で有利であり、更に、下記の様にすることで、凹陥部の欠点発生も無く安定して製造でき、予期した光学的機能を発揮できる利点もある。
[賦型法]
そこで、ここでは、a)賦型法について更に説明する。賦型法では、成形用型によって、同一の材料から光学シート40を一体的に形成することができる。なお、賦型される電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型性脂、電子線硬化型性脂を使用できる。具体例を挙げれば、成形性が良好であるとともに入手が容易であり、且つ優れた光透過性を有する樹脂(一例として、硬化物の屈折率1.57の透明な多官能ウレタンアクリレートオリゴマーとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート系モノマーとの組成物の架橋硬化物)が好適に用いられる。
成形用型としては、本方法でも上記のとおり、円柱状乃至は円筒状の外輪郭を有する型(ロール型とも言う)を用いのが好ましく、その外周面が型面(凹凸面)となっているため、回転させながら連続的に成形していくことができる。
そして、成形用型の型面には、光学シート40の第1単位形状要素55に対応する凹部と、第2単位形状要素55に対応する溝と、が形成されている。溝は、型面の円周方向に平行に延びているか、或いは、型面の円周方向に対して斜めに螺旋状に延びている。いずれの場合においても、溝は、型面の円周方向に対して概ね水平な方向(該水平方向に対する溝の角度は、0°±1×10-2°程度)に延びている。一方、前記凹部は、例えばフォトリソグラフィ技術を利用したエッチングにより、型面上の所望の位置に形成することができる。その後、例えば、切削バイトを用いた切削加工により、凹部形成済みの型面上に、凹部を横切るようにして延びる溝を形成することができる。
そして、回転させた成形用型(ロール型)の型面に連続帯状の透明な樹脂シートを供給し押し付ける前に、樹脂シートと型面との間に流動性を有する未硬化の電離放射性硬化性樹脂材料を供給する。なお、供給は樹脂シート面でも良いが、型面の方が凹陥部発生が少ないので好ましい。そこで、ここでは型面に供給する例で説明する。また、「流動性を有する」とは、型面へ供給された樹脂材料が、型面の凹部および溝内に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。
なお、上述したように、型面に形成された溝は、型面上において、円筒状の成形用型の型面の演習方向(円筒の中心軸線に対して垂直な方向)に延びている。したがって、回転する成形用型の型面に供給される樹脂材料は、製造する光学シート40の第2単位形状要素55の長手方向(前記一方向であって、図2における紙面の左右方向)に対応する方向に沿うようにして、成形用型の型面上に充填されていく。つまり、第2単位形状要素55を形成するための溝に沿って樹脂材料が供給されていく。そして、本件発明者らが実験を行ったところ、このような方法によれば、光学シート40のフライアイレンズをなす第1単位形状要素50に気泡が形成されること、或いは、第1単位形状要素50の表面に凹陥部が形成されてしまうこと、を極めて効果的に防止することができた。
なお、このようにフライアイレンズを構成する単位レンズへの気泡や凹陥部等の発生を効果的に抑制できるメカニズムは定かではないが、その一要因と考えられ得るメカニズムを説明する。
すなわち、型面上で略円周方向に延びる溝は、第1単位形状要素50を形成するための凹部内を通過して延びている。このため、型面の凹部内に樹脂材料が入り込む際に、それまで凹部内を埋めていた気体(典型的には空気)が、樹脂材料の供給にともなって当該凹部内から溝内へ移動しやすくなっている。すなわち、型面の凹部内に樹脂材料を充填する際に凹部内の気泡が特定の経路をたどって凹部内から抜け出す傾向がつくり出される。この結果、型面内に充填された樹脂材料中に、気泡が混入してしまうことを効果的に防止できるものと想定される。ただ、本発明はこの推定メカニズムに限定されるものではない。
ここで、元の説明に戻ると、型面に樹脂材料が供給され溝及び凹部に充填された後、樹脂シートが型面に供給され、樹脂シートと型面との間は電離放射線硬化性樹脂によって満たされた状態となり、その状態で、成形用型(ロール型)が樹脂シートを伴って回転し、樹脂シートを通して、電離放射線硬化性樹脂の硬化特性に応じた電離放射線を照射する。すると、型面の凹部内及び溝内に充填されていた電離放射線硬化性樹脂が硬化して、硬化した電離放射線硬化性樹脂からなる第1単位形状要素50及び第2単位形状要素55が樹脂シート上に形成されることになる。
その後、樹脂シートを成形用型から離間(離型)し、これにともなって、型面の凹部内および溝内に成形された単位形状要素50,55が樹脂シートとともに成形用型から引き離される。この結果、上述した光学シート40が得られる。
なお、成形された単位形状要素50,55(硬化した樹脂材料)を成形用型の型面から抜く(離す)工程において、単位形状要素50,55(硬化した樹脂材料)は、成形された第2単位形状要素55の長手方向(前記一方向)に沿うようにして、成形用型からしだいに引き離されていくようになる。上述したように、第2単位形状要素55は第1単位形状要素50と一体的に成形されて長細く延びている。したがって、このような方法によれば、成形された第2単位形状要素55および第1単位形状要素50の離型がスムースの行われるようになり、成形された第2単位形状要素55および第1単位形状要素50に亀裂が生じることや、成形された第2単位形状要素55および第1単位形状要素50が樹脂シート上から剥がれてしまうこと等を、効果的に防止できる。
また、このような方法によれば、樹脂材料を成型用型との間の全面に介在させることで、樹脂シートは成形用型の型面に接触していない状態で、樹脂材料を硬化させて光学シートを製造することもできる。この結果、作製された光学シートの本体部45は、樹脂シートとシート状に硬化した樹脂材料とから構成されるようになる。このような方法によれば、成形された第2単位形状要素55および第1単位形状要素50が、離型時に、成形用型の型面の溝や凹部内に部分的に残留してしまうのを効果的に防止できる。
以上のようにして、ロール型の形態での成形用型が一回転している間に、流動性を有した樹脂材料を成形用型内に供給する工程と、成形用型内に供給された樹脂材料を該型内で硬化させる工程と、硬化した樹脂材料を該型から抜く工程とが、該型の型面上において順次実施されていき、光学シート40を連続的に製造できる。
しかも、得られた光学シート40への気泡の混入および光学シート40の表面への穴の発生が効果的に抑制されているので、得られた光学シート40は、期待された所望の光学的特性を発揮できることになる。また、成形用型内からの気泡の排出が促進される為、フライアイレンズを含む光学シート40を通常のフライアイレンズシートよりも高速で効率よく生産することもできる。これにより、フライアイレンズを含む光学シート40の製造コストを削減できる。なお、光学シート40を成形するための成形用型の製造コストは、通常のフライアイレンズシートを成形するための成形用型の製造コストに対して大幅に上昇することはない。
なお、本件発明者らが実験を重ねたところ、このような成形用型内からの気体の排出を促進する上で、第2単位形状要素55の突出高さH2を、第1単位形状要素50の突出高さH1の1/10に設定することが有効であることが知見された。
《光学シート、面光源装置、透過型表示装置の作用》
次に、以上説明したような光学シート40、面光源装置20および透過型表示装置10の作用について説明する。
[面光源装置と透過型表示装置]
まず、図1を参照して、透過型表示装置10および面光源装置20の全体的な作用について説明する。
光源25で発光された光は、直接又は反射板28で反射した後に観察者側に進む。観察者側に進んだ光は、光拡散シート38で等方拡散された後に、光学シート40に入射する。光学シート40では、光の進行方向と透過型表示装置の正面方向(光学シート40のシート面への法線方向)ndとによってなされる角度が、主として、0°に近付くように、光が集光される。また、光学シート40では、輝度の角度分布が滑らかに変化するように、且つ、輝度の面内分布が均一化するように、光が拡散するようになる。なお、光学シート40の作用については、後に詳述する。
そして、光学シート40を出光した光は、集光シート30および偏光分離フィルム35を透過し、さらに正面方向輝度が高められる。透過型表示部15は、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させる。これにより、透過型表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
[光学シート]
次に、図3を参照して、光学シート40の作用についてさらに詳述する。
(第1単位形状要素)
先ず、フライアイレンズを構成する第1単位形状要素(単位レンズ)50の作用を説明する。光学シート40の第1単位形状要素50から出射する光L31は、第1単位形状要素(単位レンズ)50の出光側面(レンズ面)において屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L31の進行方向(出射方向)は、光学シート40へ入射する際における光の進行方向と比較して、主として、光学シート40のシート面への法線方向ndに対する角度が小さくなる側へ曲げられる(図3のL31を参照)。このような作用により、上述したように、第1単位形状要素50は、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、第1単位形状要素50は、透過光に対して集光作用を及ぼす。
なお、光学シート40の光源25から離れた領域、換言すると、光学シート40のうちの、隣り合う二つの光源25の中間点に対面する領域へ光源25から直接入光する光は、正面方向ndから大きく傾斜した方向に進む(図3の光L31を参照)。そして、上述した第1単位形状要素50の集光作用は、このように正面方向ndから大きく傾斜して進む光に対して、効果的に作用する。この結果、輝度が低下しやすくなる傾向にある光源から離れた領域において、輝度を向上できる。
一方、光学シート40のうちの光源25の直上に位置する領域には、光源25と光学シート40との間における拡散の程度にもよるが、主として、小さな入射角度で多量の光L32が入射するようになる。そして、このような光の一部L32は、第1単位形状要素50の出光側面(レンズ面)において全反射を繰り返し、その進行方向を入光側(光源側)へ転換する。この結果、光源25の発光部の直上位置での輝度が高くなり過ぎるのを防げる。
以上のように、光源25からの離間距離に依存して透過光に対して第1単位形状要素50から主として及ぼされる光学的作用が相違することから、光源25の発光部の配列に応じて発生する輝度ムラ(管ムラ)を効果的に低減し、光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることができる。
なお、前述したように、第1単位形状要素50は、フライアイレンズを構成し、本体部45の一方の面46上の異なる二方向に配列されている(図2参照)。つまり、第1単位形状要素50は、本体部45の一方の面46上において、二次元配列されている。したがって、第1単位形状要素50から構成されるフライアイレンズは、光学シート40のシート面上の任意の方向に沿った面内において、光の進行方向を変化させることができる。この結果、光源25の配列方向を考慮することなく光学シート40を光源25上に配置したとしても、第1単位形状要素50による集光機能および光拡散機能が発揮されるようになる。
(第2単位形状要素)
次に、リニアアレイプリズム部を構成する第2単位形状要素(単位プリズム)55の作用について説明する。光学シート40の第2単位形状要素55から出射する光L36も、第2単位形状要素(単位プリズム)55の出光側面(プリズム面)において屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L36の進行方向は、光学シート40へ入射する際における光の進行方向と比較して、主として、光学シート40のシート面への法線方向ndに対する角度が小さくなる側へ曲げられる。このような作用により、上述したように、第2単位形状要素55は、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、第2単位形状要素55は、透過光に対して集光作用を及ぼす。
一方、第1単位形状要素50と同様に、正面方向ndから大きく傾斜しない方向へ進む光L37は、第2単位形状要素55の出光側面(プリズム面)において全反射を繰り返し、その進行方向を入光側(光源側)へ転換する。
ところで、前述した様に本実施形態では、第2単位形状要素55の配列方向は、光源25の配列方向と平行になっている。したがって、隣り合う二つの光源25の中間点に対面する位置を中心とした光学シート40の領域であって、光源25からの光が大きな入射角度で入射するようになる光学シート40の領域に入射する光の進行方向を、当該光の進行方向と正面方向ndとによってなされる角度が0°に近付くように、第2単位形状要素55の出光側面(プリズム面)での屈折により、変化させることができる。この結果、隣り合う二つの光源25の中間点に対面する位置を中心とした光学シート40の領域において、輝度が低くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、光源25の直上に位置する光学シート40の領域であって、光源25からの光が小さな入射角度で多く入射するようになる光学シート40の領域に入射する光を、第2単位形状要素55の出光側面(プリズム面)での全反射により、光源側へ戻すことができる(図3の光L37を参照)。この結果、光源25の直上に位置する光学シート40の領域において、輝度が高くなり過ぎてしまうことを防げる。
この結果、本実施形態では、第2単位形状要素55によっても、光源25の発光部の配列に応じて発生する輝度ムラ(管ムラ)を効果的に低減し、光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることができる。
ところで、第2単位形状要素55は、その断面形状が、図4(B)の様な頂点部分のみが丸みを帯びた断面形状の場合では、両側斜面は頂点近傍を除けば平面であるので、頂点近傍以外の斜面部分では、断面三角形形状を有する場合の作用を及ぼす。すなわち、断面三角形形状を有するように構成された第2単位形状要素55に入射する光は、その進行方向が正面方向ndから傾斜している場合、正面方向ndを基準として、当該光の進行方向とは逆側に傾斜した一方側の出光側面(一方側のプリズム面)に多く入射するようになる。そして、当該光の進行方向の正面方向ndに対する傾斜角度が一定であれば、斜面は平面で該斜面の何処でも正面方向ndに対して一定の角度を成す為に、当該光が一方側の出光側面(一方側のプリズム面)上のどの位置に入射する(当たる)かによらず、当該光の光学シート内における進行方向の正面方向ndに対する傾斜角度が同一であれば、第2単位形状要素55から出射する際における当該光の出射方向の正面方向ndに対する傾斜角度も一定となる。すなわち、第2単位形状要素55から出射する光の進行方向は、概ね、当該第2単位形状要素55の構成(例えば、形状や屈折率等)に起因して決定されるようになる。
(第2単位形状要素に対する第1単位形状要素の作用の違い)
ところで、上記のような第2単位形状要素55の光学的特性に対し、断面円形状または断面楕円形状の一部を有するように構成された第1単位形状要素50に入射する光は、当該光の進行方向の正面方向ndに対する傾斜角度が一定であったとしても、当該光が第1単位形状要素50の出光側面(レンズ面)上のどの位置に入射するかによって、第1単位形状要素50から出射する際における当該光の出射方向の正面方向ndに対する傾斜角度が異なってくる。したがって、第1単位形状要素50から出射する光の進行方向は、当該第1単位形状要素55の構成(例えば、形状や屈折率等)だけでなく、当該第1単位形状要素55への入射位置にも大きく影響を受けるようになる。又、前記の如く、第1単位形状要素50は光学シート40のシート面(に平行な面)内に於いて、等方的乃至等方的に近い集光性を発現する。一方、第2単位形状要素55はその延在方向の集光性は弱く延在方向と直交する主切断面内方向の集光性は強く、集光性に異方性を発現する。
(各単位形状要素と光源の配置間隔と組合せ作用)
そして、第1単位形状要素50の配置間隔および第2単位形状要素の配置間隔は、光源25の配置間隔と比較して、非常に狭くなっている。したがって、一つの単位形状要素50,55へ向けて光源25から入射する光の傾斜角度は略同一となる。この結果、第2単位形状要素(単位プリズム)55は、正面方向ndを中心とする比較的に狭い角度範囲内に、光の進行方向の正面方向ndに対する角度を絞り込むことが可能となる。すなわち、第2単位形状要素55は、その構成が適宜設計されることにより、極めて優れた集光機能を発揮し得るようになる。
一方、第1単位形状要素(単位レンズ)50は、光の進行方向の正面方向ndに対する角度を比較的に広い角度範囲内に絞り込むとともに、当該絞り込まれた角度範囲内における輝度分布を滑らかに変化させるようにできる。つまり、第2単位形状要素(単位プリズム)55は、第1単位形状要素(単位レンズ)50と比較して、より強い集光機能を発揮でき、第1単位形状要素(単位レンズ)50は、第2単位形状要素(単位プリズム)55と比較して、より強い光拡散機能を発揮できる。
このような第1単位形状要素50と第2単位形状要素55とを有する光学シート40によれば、透過光を集光させて正面方向輝度を効果的に向上でき、さらに、透過光を適度に拡散させて輝度の面内分布を均一化させるとともに輝度の角度分布を滑らかに変化させることもできる。したがって、このような光学シート40が組み込まれた面光源装置20および透過型表示装置10では、光源光を有効に活用して正面輝度を高めることが出来るとともに、映像を視認することが可能な正面方向ndに対する角度範囲(視野角)を広角化させることも出来る。すなわち、極めて理想的な省エネルギーが実現される。また、光源25の構成(配置)に起因した輝度ムラ(管ムラ)の発生を防ぎ、優れた画質で映像を表示できる。
(平均最小間隔Sa)
そして、本件発明者らが鋭意実験を重ねたところ、隣り合う二つの第1単位形状要素50の間の距離と、第2単位形状要素55の配列ピッチP2と、を調節することにより、正面方向輝度の向上および輝度の面内ばらつきの抑制(光源像の隠蔽)を同時に実現することが明かになった(図2参照)。具体的には、第1単位形状要素50の平均最小間隔Saが、本体部45のシート面上における一方向(すなわち、第2単位形状要素55の長手方向)へ直交する方向(すなわち、第2単位形状要素55の配列方向)に沿った第2単位形状要素55の配列ピッチP2以上となっていることが好ましい。好ましくは、第1単位形状要素50の平均最小間隔Saが、第2単位形状要素55の配列ピッチP2の2倍以上となっていることが好ましい。
ここで、平均最小間隔Saとは、任意に選択したある一つの第1単位形状要素50と、本体部45のシート面に沿って当該一つの第1単位形状要素50に最も近接して配置された他の一つの第1単位形状要素50と、の間における本体部45のシート面に沿った離間間隔の平均値のことをいう。上述した実施形態では、同一の幅(図示する例では、本体部45の一方の面46上における直径)W1を有した第1単位形状要素50が、同一の配列ピッチP1で、本体部45の一方の面46上に配列されている。したがって、平均最小間隔Saは、配列ピッチP1と幅W1との差(=P1−W1)となる(図2参照)。他の例として、第1単位形状要素50が本体部45の一方の面46上にランダム(不規則)に配列されている場合には、任意に選択したある一つの第1単位形状要素50と、本体部45のシート面に沿って当該一つの第1単位形状要素50に最も近接して配置された他の第1単位形状要素50と、の間における離間間隔を、多数、例えば20〜100箇所測定し、測定値の平均をとることにより、平均最小間隔Saを求めることができる。
一方、本実施形態においては、第2単位形状要素55は互いに隙間を空けることなく配列されている。したがって、本体部45のシート面上における一方向へ直交する方向に沿った第2単位形状要素55の配列ピッチP2は、第2単位形状要素55の幅W2に相当する。
第1単位形状要素50の平均最小間隔Saが、第2単位形状要素55の配列ピッチP2以上となっている場合に、正面方向輝度の向上および輝度の面内ばらつきの抑制を両立させることを可能にするメカニズムについては、明らかではない。ただし、本件発明者らが行った実験の結果からすると、第1単位形状要素50の間に配置された第2単位形状要素55によって第1単位形状要素50の光学機能が阻害されることなく、当該第2単位形状要素55が光学機能を発揮しているものと推定される。一方で、上記条件を満たす場合には、必ず、第2単位形状要素55の配列方向(前記一方向に直交する方向)に沿って隣り合う二つの第1単位形状要素50の間に、少なくとも一つの第2単位形状要素55が存在するようになる(図3参照)。言い換えると、図2によく示されているように、一方向に沿って隣り合う二つの第1単位形状要素50の間を、その他の第1単位形状要素50によって覆われること無く延びる一つの第2単位形状要素55(厳密には、一つ分の第2単位形状要素50に相当する出光側面)が延在することになる。つまり、第2単位形状要素55が、有効に光学的機能を発揮し得るようにして第1単位形状間50の間に配置されている。このような構成上の特徴は、上記推定と合致するものである。
なお、第1単位形状要素50の平均最小間隔Saが非常に大きくなると、第1単位形状要素50によって構成されるフライアイレンズの光学機能が低下してしまう。そして、通常用いられているフライアイレンズをなす単位形状要素の寸法や線状プリズムの寸法等も考慮すると、第1単位形状要素50の平均最小間隔Saは、第2単位形状要素55の配列ピッチP2の10倍以下となっていることが好ましい。
(突出高さ比)
第2単位形状要素55の突出高さH2は第1単位形状要素50の突出高さH1よりも低く(H1>H2)することが、両単位形状要素と隣接面との接触時の耐擦傷性向上の面で好適である。即ち、第2単位形状要素55は、その斜面上に付与される凸曲面如何にも依存はするが、一般に第1単位形状要素50に比べて頂部が先鋭である(図3及び図4参照)。その為、第2単位形状要素55は第1単位形状要素50に比べて頂部近傍が傷付き易い。
その為、第2単位形状要素55の突出高さH2を第1単位形状要素50の突出高さH1よりも低くすると、光学シート40の両単位形状要素50、55形成面と液晶表示板、他のプリズム(乃至レンズ)配列シート、光拡散板、或いは偏光分離膜等の他の光学シートとが隣接して配置され、両者間が擦れ合った際に、より傷付き易い第2単位形状要素55が隣接する他の光学シートとの接触及び/又は摩擦を防止する。この為、第2単位形状要素55の耐擦傷性は向上する。一方、その代わり、第1単位形状要素50は隣接する他の光学シートとの接触及び/又は摩擦を一手に引き受けることになる。但し、第1単位形状要素50は図3の如く、頂部近傍(は勿論それ以外の表面も)球面、回転楕円体面乃至これに類する滑らかな曲面である。その為、隣接する他の光学シートと接触し摩擦を生じても、第2単位形状要素55に比べて傷付き難い。故に、光学シート40の両単位形状要素全体を総合して評価したときに、耐擦傷性は、第2単位形状要素55の突出高さH2が第1単位形状要素50の突出高さH1と同等以上(H1≦H2)の場合に比べて、向上する。
両単位形状要素全体での耐擦傷性を向上させる為には、第2単位形状要素55の突出高さH2は第1単位形状要素50の突出高さH1の9/10以下とすることが有効であり、2/3以下に設定することが更に有効である。
(第1単位形状要素の被覆面積率)
又、両単位形状要素全体での耐擦傷性を向上させる為には、光学シート40の一方の面46の全表面積に対する第1単位形状要素50の被覆面積率を0.1〜20%、より好ましくは0.3〜15%とする。ここで、該第1単位形状要素50の被覆面積は、第1単位形状要素50(半球乃至はこれに類似する立体形状)を該本体部の一方の面46上に射影した面積で評価する。
即ち、第1単位形状要素50は前記の如く相対的に第2単位形状要素55よりも耐擦傷性が高い。しかしながら、やはり接触摩擦時の傷付きは皆無では無い。従って、傷付きを一手に受ける第1単位形状要素50自体の個数を減らすことによって、第1単位形状要素50の傷付きの影響自体を最小化することが好ましい。
尚、この様に被覆面積率を0.1〜20%とする形態に於いては、必然的に、光学シート40全体の光学特性に占める第1単位形状要素50自体の光学特性の寄与率も低下し、第2単位形状要素55のみの光学特性に近付く。
その為、この様な形態に於いては、専ら第2単位形状要素55に起因するサイドローブ光量低減の為、第2単位形状要素55の斜面上に付与される凸曲面状突出の付与の必要性が、より一層、高まる。
(サイドローブ)
ところで、上述したように、第2単位形状要素55の主断面形状が、図4(B)に例示の様な頂角近傍のみが丸みを帯びた略三角形形状を有する場合、該第2単位形状要素55に入射する光の多くは、その進行方向が正面方向ndから傾斜している場合、正面方向ndを基準として当該光(図3で言えばL36)の進行方向とは逆側に傾斜した一方側の出光側面(一方側のプリズム面)56aに多く入射するようになる。しかしながら、第2単位形状要素55に入射する光の一部(図3で言えばL38)は、正面方向ndを基準として当該光の進行方向と同一側に傾斜した他方側の出光側面(他方側のプリズム面56b)に入射する。他方側の出光側面に入射した光の多くは、当該出光側面で全反射する。そして、当該光の一部は、全反射した後に、極めて大きな出射角度で第2単位形状要素(単位プリズム)55から出射することがある。そして、このような光は、出射光輝度の角度分布特性(配光特性)に於いて、いわゆるサイドローブと呼ばれる光であり、透過型表示装置10において有効に利用されることなく、むしろ、映像の画質を劣化させるようになる。
一方、本実施形態によれば、本体部45の一方の面46上には、第2単位形状要素部55だけでなく、第1単位形状要素部50も設けられている。そして、第1単位形状要素50の本体部45からの突出高さH1が第2単位形状要素55の本体部45からの突出高さH2よりも高くなっているため、極めて大きな出射角度で第2単位形状要素(単位プリズム)55から出射した光は、第1単位形状要素50へ入射することができる。そして、第1単位形状要素50の出光側面での反射及び屈折により、当該光の進行方向を、正面方向ndに対する角度が小さくなるように曲げる、或いは光源25側に戻すことにより、サイドローブ光量を低減することが可能となる。
なお、本件発明者らが実験を重ねたところ、このようなサイドローブ抑制作用を効果的に発揮し得るようにする上で、第2単位形状要素55の突出高さH2は、第1単位形状要素50の突出高さH1の9/10以下とすることが有効であり、2/3以下に設定することがさらに有効であることが知見された(尚、この様な両単位形状要素の高さH1とH2の比は、前記の様に、両単位形状要素と隣接面との接触時の耐擦傷性向上の面での好適範囲とも合致する)。
以上に加えて、本発明に於いては、以下の様な考察の結果、出光面に形成される2種類の単位形状要素のうち、専ら第2単位形状要素(柱状体プリズム)がサイドローブ光量に寄与しているとの知見を得て、第2単位形状要素の出光側斜面(56a乃至56b)の形状を改良するこことによって、更なるサイドローブ光低減を実現したものである。
即ち、先ず、図6の断面図に図示する如く(特許文献4(本願に対する先願発明)に対応する形態)、本体部45の一方の面46上に、半球形状の第1単位形状要素50を間に間隙を介して配置し、該間隙部に三角柱形状の第2単位形状要素55を稜線(延在方向)が互いに平行になるように配列した光学シート400Aを製作した。
具体的には、第1単位形状要素として、突出高さH1が28μm、本体部45に接する部分の幅W1が78μm、ピッチP1が90μm、平均最小間隔Saが12μm、全表面積に対する第1単位形状要素の被覆面積率(以下、単に被覆面積率とも呼称する)が68.1%の半球面状のレンズを図2の如くの六方最密充填に類する平面内配置にて、配列した。一方、第2単位形状要素55として、主切断面の頂角θが90度、ピッチP1が37μmの直角二等辺三角形となる三角柱をその稜線同士が互いに平行になる様にして隣接して配列させて、且つ第1単位形状要素50同士の間隙部のみを充填する様にして配置し、図6の断面図及び図2の平面図(但し、第2単位形状要素55の斜面及び頂点に突出曲面がない点は異なる)の如き構成の試験サンプルAを作製した。
又、試験サンプルAに於いて、第1単位形状要素について、ピッチP1が120μm、平均最小間隔Saが42μm、被覆面積率が38.3%に変更した他は試験サンプルAと同様にして、試験サンプルBを作製した。
又、試験サンプルAに於いて、第1単位形状要素について、ピッチP1が180μm、平均最小間隔Saが102μm、被覆面積率が17.0%に変更した他は試験サンプルAと同様にして、試験サンプルCを作製した。
又、試験サンプルAに於いて、第1単位形状要素について、ピッチP1が240μm、平均最小間隔Saが162μm、被覆面積率が9.6%に変更した他は試験サンプルAと同様にして、試験サンプルDを作製した。
そして、以上の各試験サンプルについて、同一の面光源装置(蛍光管を用いた直下型面光源)上に同様に配置して、サイドローブ発生の程度を比較した。サイドローブは、輝度計(フランス国、ELDIM社製のEZ−contrast)を用いて、出射光輝度の角度分布を測定し、出光面(光学シート40のシート面)の法線方向(θ=0度)から外れた角度方向(0度<θ<90度)に生じた輝度I(θ)の極大値の大小を相対比較した。
又、各試験サンプルについて以下の耐擦傷性試験を行い結果を比較した。即ち、各試験サンプルを長さ150mm、幅40mmに切断したものを試験片とした。先ず、耐摩耗試験機(商品名:AB−301、テスター(株)製)の荷重部の可動盤側の面に面積12cm2の下偏光フィルム(商品名:H25、大日本印刷(株)製)のマット層とは反対側の面を向け、当該荷重部に対して当該下偏光フィルムを巻き込むように固定した。次に、可動盤の上に、上記試験片を設置した。そして、各試験サンプルの第1及び第2単位形状要素の頂部が荷重部側を向くように載置した。当該試験片の2第1及び第2単位形状要素の頂部に、当該下偏光フィルム13のマット層が擦り合さるように荷重部に250gの荷重をかけ、可動盤を一方向に20秒間で移動距離100mmを速度5mm/sの条件で移動させた後、試験片の頂部の傷の有無を目視で評価した。
その結果は;
〔サイドローブの大小〕
試験サンプルA(被覆面積率68.1%)<試験サンプルB(被覆面積率38.3%)<試験サンプルC(被覆面積率17.0%)<試験サンプルD(被覆面積率9.6%)
尚、試験サンプルA<試験サンプルB、は試験サンプルBのサイドローブ輝度が試験サンプルAのサイドローブ輝度よりも大であることを意味する。
〔傷の量の多少〕
各試験サンプルA〜Dとも目視で傷を認め無かった。但し、試験サンプルA及びBについては、光学顕微鏡観察(倍率500)で傷が確認された。
以上の結果から、図2、図3、図6、或いは図7の如き第1単位形状要素及び第2単位形状要素から構成される光学シートに於いては、サイドローブの程度は、第1単位形状要素(半球状蠅の目レンズ)の被覆率が減少する程、図で示すと、図6の形態よりも図7の形態の方が増加することがわかる。第2単位形状要素(半球状蠅の目レンズ)の被覆率が減少すると云うことは、即ち、第2単位形状要素(柱状プリズム)の被覆率が増加することに他ならない。従って、サイドローブの量は第2単位形状要素に起因する部分が多いことが判明した。
そこで、本発明者らは、第2単位形状要素(柱状プリズム)の形状を各種試行錯誤した結果、第2単位形状要素として、1方向に向かって延在する柱状体の主切断面が、其の底辺がシート面に平行な三角形形状の片斜面、両斜面、或いは頂点の何れか1以上を、外側に突出した凸曲線としたものを採用した。これによって、他方側のプリズム面56b(図3参照)に対する入射角が、突出に伴って減少し、突出が無い場合に他方側のプリズム面56bで全反射してサイドローブ光を構成していた入射光線(例えばL38)が他方側のプリズム面で屈折して、その法線方向Ndに対して、より小さな角度で出射し、その結果、サイドローブ光量が、より一層低減することを見出した。
尚、両単位形状要素が隣接する他の光学シートとの接触乃至摩擦した際の耐擦傷性に関しては、第1単位形状要素の高さH1が第2単位形状要素の高さH2よりも高く(H1>H2)、且つ第1単位形状要素の被覆面積率が0.1〜20%の範囲であれば、通常の使用条件下で単位形状要素の傷つきは無視出来ることも判明した。
(素抜けの防止など)
以上のような本実施形態によれば、本体部45の一方の面46上における隣接する第1単位形状要素50間の隙間に、第2単位形状要素55が形成されている。従来のフライアイレンズシートの多くでは、製造上の問題から必然的に、隣接する第1単位形状要素50間に隙間が形成され、該隙間の領域は平坦面となっていた。そして、この平坦面の領域に入射した光源光が直進し、この結果、光源25の像が目視されやすくなる、といった不都合が生じていたと推測される。しかし、本発明の光学シート40に於いては、本体部45の一方の面46上における第1単位形状要素50の間の領域に向かう光は、光拡散機能および集光機能を有し得る第2単位形状要素55によって、その進路方向を変更され適度な拡散を受ける。すなわち、本体部45の一方の面46上における第1単位形状要素50間から、光が、その進行方向を変更されることなく、そのままの進行方向で出光すること、いわゆる「素抜け」を防止することができる。したがって、従来のフライアイレンズシートと比較して、光学シート40の集光機能および光拡散機能の少なくとも一方を改善することができる。この結果、面光源装置20(透過型表示装置10)の光学特性、例えば正面輝度や視野角の大きさを改善できる。さらには、面光源装置20に組み込まれる光学シート40の枚数も削減でき、この場合、面光源装置20の製造コストを効果的に削減できる上、面光源装置20の作製を容易化できる。
また、本実施形態によれば、第1単位形状要素50と第2単位形状要素55とが互い異なる光学特性を有する形状要素として形成されている。したがって、第1単位形状要素50と第2単位形状要素55の構成を適宜設計すること、また、本体部45の一方の面46において第1単位形状要素50が形成される領域の範囲および第2単位形状要素55が形成される領域の範囲を適宜調節すること等によって、所望の光学特性を光学シート40に付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、本体部45の一方の面46の全領域が、第1単位形状要素50と第2単位形状要素55とによって覆われている。このような本実施形態によれば、「素抜け」をさらに効果的に防げ、面光源装置20(透過型表示装置10)の光学特性をさらに改良できる。
さらに、本実施形態によれば、第1単位形状要素50は、最密に平面充填した構造状態から少し各要素同士を離間させた配置によって、本体部45の一方の面46上に配列されている。このような本実施形態によれば、本体部45の一方の面46上に第1単位形状要素50を密に配列することが可能となる。これにより、第1単位形状要素50による光学作用を透過光に対して効果的に及ぼすことができる。
また、第1単位形状要素50を密に配置すれば、本体部45の一方の面46上における第1単位形状要素50が配置されていない領域を必要最小限に縮小化することができ、これにより、「素抜け」をさらに効果的に防げる。
(気泡や穴などの欠点発生の抑制)
また、第2単位形状要素55の長手方向(前記一方向)が、前述ロール型の円周方向、つまり連続的に成形する成形装置の樹脂シートの搬送方向である機械方向に沿う様にして、この様な光学シート40を成形することによって、光学シート40への気泡の混入、及び、光学シート40の表面への穴の発生を、効果的に抑制することができる。
《変形例》
なお、本発明では、上述した実施形態に対して種々の変更を加えた形態とすることができる。以下、変形の一例について説明する。
上述実施形態においては、第1単位形状要素50が、断面において、円形状の一部分または楕円形状の一部分に相当する形状(立体形状で言うと、球又は回転楕円体の一部)である例を示したが、これに限られない。例えば、第1単位形状要素50が、断面三角形形状を有する(立体形状で言うと、円錐)ようにしてもよい。その他、該断面形状が、双曲線、放物線、サイクロイド、カージオイド、正規分布曲線、正弦曲線、双曲線正弦曲線、楕円函数曲線(sn函数、cn函数等)、ベッセル函数曲線、或はランキンの卵型の一部に相当する立体形状を、所望の光学特性(集光機能、光拡散機能、収差、再帰反射性等)に応じて適宜採用する事もできる。また、上述した実施形態において、第1単位形状要素50の底面(本体部45に接続する面)が円形状からなる例(図2参照、即ち光学シート40のシート面の法線ndを回転軸とする回転体となる例)を示したが、これに限られない。例えば、第1単位形状要素50の底面が、楕円となる形状、或は三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形形状として形成されてもよい。さらに、上述した実施形態において、光学シート40の第1単位形状要素50がすべて同一の形状及び大きさを有する例を示したが、これに限られない。高さ、断面形状および底面形状等の少なくとも一つが互いに異なる複数種類の第1単位形状要素50が、光学シート40に含まれていてもよい。
また、上述した実施形態において、フライアイレンズを構成する第1単位形状要素50が、本体部45の一方の面46上において、互いに60°傾斜した二つの方向に沿って、一定のピッチで並べて配列されている例を示したが、これに限られない。例えば、第1単位形状要素50が、本体部45の一方の面46上において、直交する二方向に沿って、一定ピッチで並べて配列されるように(正方格子状に配列)してもよい。また、第1単位形状要素50が、本体部45の一方の面46上にランダムに配列されるようにしてもよい。第1単位形状要素50を本体部45の一方の面46上にランダムに配列する方法の一例として、次の方法を挙げることができる。まず、例えば上述した実施形態のようにして、隣り合う二つの第1単位形状要素の間の離間間隔が一定となるよう、多数の第1単位形状要素について、基準となる仮の配置位置を規則的に決定する。次に、隣り合う二つの第1単位形状要素が重ならない範囲で、一例として、基準となる仮の配置位置に第1単位形状要素を配列した場合における隣り合う二つの第1単位形状要素の間の離間間隔の半分以下の種々長さで、各第1単位形状要素を基準となる仮の配置位置からそれぞれ乱数によって変移させて本体部45の一方の面46上に位置決めする。このようにして第1単位形状要素50を本体部45の一方の面46上にランダムに配列した場合には、第1単位形状要素50が本体部45上に偏って配置されることに起因した輝度の面内ばらつきの発生を防止しながら、第1単位形状要素50の配列に起因したモアレ(干渉縞)が目立ってしまうことを防止することができる。
さらに、上述した実施形態において、光学シート40の第2単位形状要素55がすべて同一の形状及び大きさを有する例を示したが、これに限られない。高さ及び断面形状等の少なくとも一つが互いに異なる複数種類の第1単位形状要素50が、光学シート40に含まれていてもよい。
さらに、上述した実施形態において、隣り合う第2単位形状要素55が、隣接して隙間無く配置される例を示したが、これに限られず、前記素抜け等の光学特性上の支障を生じ無い範囲に於いて、隣り合う第2単位形状要素55が隙間を空けて配置され、第1単位形状要素50および第2単位形状要素55のいずれも配置されていない領域が、本体部45の一方の面46に設けられるようにしてもよい。
さらに、光学シート40が、フライアイレンズを構成する第1単位形状要素50と共に第1単位形状要素50以外の要素によって、光を拡散させる光拡散機能を付加してもよい。例えば、本体部45が一方の面46と他方の面47との間に光拡散層(中間マット層)を有するものとしてもよい。このような光拡散層(中間マット層)は、基部と、基部中に分散された光拡散剤と、を有する層として構成することができる。光拡散剤を含む光拡散層は、例えば、光拡散剤が光反射機能を有することによって、あるいは、光拡散剤が基部とは異なる屈折率を有することによって、光拡散機能を付与され得る。また他の例として、本体部45の他方の面47が光拡散層(裏面マット層)によって形成されるようにしてもよい。このような光拡散層(中間マット層)は、上述した中間マット層と同様の光拡散剤を有した層、あるいは、エンボス加工やヘアライン加工等によって形成された凹凸面を有した層として構成され得る。
さらに、光学シート40が帯電防止層を含むものとしてもよい。光学シート40に帯電防止層を加えることによって、本体部45全体に帯電防止機能を発現できる。この変形例によれば、埃等の異物付着を低減でき、光学特性に与える悪影響を抑制できる。また、上述した光拡散層が帯電防止機能を有するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、細長状の第2単位形状要素55の配列方向と、細長状の光源25の配列方向が、平行となっている形態例を示したが、これに限れない。細長状の第2単位形状要素55の配列方向と、細長状の光源25の配列方向とが、交差していてもよく、一例として直交していてもよい。
さらに、上述した実施形態では、面光源装置20の光源25の発光部が、線状に延びる冷陰極管からなる例を示したが、これに限られない。光源25として、点状のLED(発光ダイオード)や面状のEL(電場発光体)等からなる発光部を用いてもよい。また、上述実施形態では、光学シート40が直下型の面光源装置20に適用されている例を示したが、これに限られない。上述した光学シート40を、例えばエッジライト型(サイドライト型等とも呼ばれる)の面光源装置に適用することも出来、このような場合でも、光学シート40は直下型の面光源装置20に適用された場合と略同様の作用効果を奏することができる。
さらに、上述した実施形態では、光学シート40が組み込まれた面光源装置20及び透過型表示装置10の全体構成の一例を説明したが、これに限られない。例えば、集光シート30、偏光分離フィルム35及び光拡散シート38の配置位置を適宜変更してもよいし、集光シート30、偏光分離フィルム35及び光拡散シート38の一以上を削除してもよいし、他のシート状部材を追加して面光源装置20及び透過型表示装置10に組み込むようにしてもよい。
なお、以上において、上述した実施形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[透過型表示装置の構成]
市販の液晶表示装置(32インチ型)を利用して、面光源装置と、液晶表示パネル(透過型表示部)と、からなる透過型表示装置を作製した。面光源装置20は、図5に示すように、細長状に延びる複数の冷陰極管からなる光源25と、光源25の液晶表示パネル方向以外を取り囲む反射板28と、光源の出光側に配置された光拡散シート38と、光拡散シートの出光側に配置された光学シート40と、を有し、液晶表示パネル15は光学シート40の出光側に配置されている。また、光拡散シート38は、基部と、基部とは異なる屈折率を有し基部中に分散された光拡散性粒子と、から構成されている。
そして、光学シート40以外の、光拡散シート、光源、反射板および透過型表示部は、この市販の液晶表示装置に組み込まれていたものを使用した。
[実施例1] <頂点に丸み及び両斜面を凸曲面:図4(C)>
光学シート40として、上述実施形態で述べたものを用いた。すなわち、光学シートは、シート状の本体部と、本体部上に配列されフライアイレンズを構成する第1単位形状要素と、第1単位形状要素間に配置され本体部上の一方向に沿って延びる第2単位形状要素と、から構成されている。
第1単位形状要素は、図2のように、いわゆる最密に平面充填した構造から少し各要素同士を離間させた配列で、本体部の一方の面(出光側の面)上に配列してある。また、この第1単位形状要素は、直径80μmの球の一部分に相当する形状を有する。最も近接して隣り合う二つの第1単位形状要素のピッチP1は100μmとした。また、第1単位形状要素の底面円形状の直径即ち幅W1は78μmとした(平均最小間隔Saは22μm)。さらに、第1単位形状要素の本体部からの突出高さH1は32μmとした。
第2単位形状要素はその長手方向(一方向)に直交する方向(他方向)に並べて配列した。この第2単位形状要素の配列方向と光源(冷陰極管)の長手方向daとが図2の如く直交するように、光学シートを面光源装置内に組み込んだ。第2単位形状要素は、長手方向に直交する主切断面において、ピッチP2(=底辺の幅W2)は50μm、高さH2は25μmで、頂角の角度θが90°の二等辺三角形状を基準として、これに対して頂点を面取りして曲率半径7.5μmで丸みを帯びさせ、且つ両斜面も曲率半径50μmで外方に湾曲突出させた図4(C)の如き形状とした。
[実施例2] <頂点に丸み及び両斜面を凸曲面:図4(C)>
実施例1に於いて、第1単位形状要素のピッチP1を300μm(平均最小間隔Saは222μm)、第2単位形状要素の高さH2を20μm、基準となる三角形の頂角θを103度、及び頂点の曲率半径を25μmとした以外は、実施例1と同一に構成した。
[実施例3] <頂点に丸み及び両斜面を凸曲面:図4(C)>
実施例1に於いて、第1単位形状要素のピッチP1を700μm(平均最小間隔Saは622μm)、第2単位形状要素の頂点の曲率半径を25μmとした以外は、実施例1と同一に構成した。
[実施例4] <両斜面を凸曲面:図4(A−1)>
実施例1に於いて、第2単位形状要素の頂点の曲率半径を0μmとした以外は、実施例1と同一に構成した。
[比較例1] <第1単位形状要素のみ、第2単位形状要素無し>
実施例1に於いて、光学シートを次のものに取り替えた以外は、実施例1と同一に構成した。すなわち、光学シートは単位形状要素がフライアイレンズを構成する多数の第1単位形状要素のみで第2単位形状要素は設けず、また、第1単位形状要素は本体部の一方の面(出光側の面)上に、図2のように、所謂最密に平面充填した構造から少し各要素同士を離間させた配列で、単位形状要素の形状は、直径80μmの球の一部分に相当する形状を有する。最も近接して隣り合う二つの第1単位形状要素のピッチP1は700μmとした。また、単位形状要素の底面円形状の平均直径即ち幅W1は78μm(平均最小間隔Saは622μm)、突出高さH1は平均で32μmである。
また、本体部の第1単位形状要素が配置されていない領域では、本体部の平滑な出光側面が露出している。
[比較例2] <第2単位形状要素のみ:図4(B)、第1単位形状要素無し>
実施例1に於いて、光学シートを次のものに取り替えた以外は、実施例1と同一に構成した。すなわち、光学シートは単位形状要素が三角柱プリズムを構成する多数の第2単位形状要素のみで第1単位形状要素は設けなかった。又、第2単位形状要素は長手方向に直交する主切断面に於いて、ピッチP2(=底辺の幅W2)は50μm、高さH2は25μmで、頂角の角度θが90°の二等辺三角形状とした。そして、頂点は面取りして曲率半径25μmで丸みを帯びさせたが、両斜面は直線のままとし湾曲突出は形成しなかった。
[比較例3] <光学シート無し>
実施例1に於いて、光学シートを組み込まなかった以外は、実施例1と同一の構成とした。
《性能評価》
正面輝度、光源の像の有無、及びサイドローブの状態を次の様にして評価した。
[1.正面輝度]
透過型液晶表示装置に全面白色を表示させた状態で、正面方向の輝度(cd/m2)の測定を行った。輝度の測定には、(株)トプコン製のBM−7を用いた。
輝度測定結果は表1に示す。なお、表1では、比較例3(光学シート無し)の測定値を基準(100)とした百分率で表す。正面輝度は、各実施例及び比較例2(何れも第2単位形状要素を含む)は、基準の比較例3より高かった。比較例1(第2単位形状上要素は無い)のみ基準よりも低かった。
[2.光源像の有無]
透過型表示装置に全面白色を表示させた状態で、光源の像が視認されるか否かを目視で確認した。表1中、光源の像が視認できなかったものは○を記載し、通常の注意力で観察して光源の像が明らかに視認されたものは×を記載し、通常の注意力で観察した場合には光源の像が気にならなかったが、凝視すると光源の像が視認できるものは△と記載した。
評価結果は表1に示す。各実施例及び比較例1(何れも第1単位形状要素を含む)は何れも〇、比較例2(第1単位形状上要素は無い)は△、比較例3(光学シート無し)は×となった。
[3.サイドローブの状態]
表示画面の鉛直と水平方向の関係は、透過型表示装置を、面光源装置の発光面(光学シートのシート面)が、鉛直方向に沿うとともに、光源の長手方向及び第2単位形状要素の長手方向が水平方向に延びるような配置で測定した。また、測定は、透過型表示装置に全面白色を表示させた状態で、正面方向(出光面の法線方向)に対する上下方向、即ち出光面の法線を含む鉛直面内の角度を変化させるようにして種々の測定方向から輝度を測定し、輝度の角度分布を得た。測定には、フランス国、ELDIM社製のEZ−contrastを用いた。
また、サイドローブについての評価は、輝度の角度分布曲線(輝度Iを上記出光面法線を含む鉛直面内の角度θ(法線方向を±0度とする)の函数I(θ)をθ軸及びI軸からなる座標平面(直交座標又は極座標)に描いた曲線)に於いて、正面方向(θ=0度)以外の方向、即ち、0<θ(度)<90の領域に於いて有意な極大(ピーク)が有る場合をサイドローブ有りと評価し、有意な極大(ピーク)が無い場合をサイドローブ無しと評価した。
サイドローブの状況は表1に示す。各実施例及び比較例1(何れも第1単位形状要素を含む)は何れも無しであり、比較例2(第1単位形状上要素は無い)のみ有りとなった。
Figure 2011090104
10 透過型表示装置
15 透過型表示部
20 面光源装置
25 光源
28 反射板
30 集光シート
35 偏光分離フィルム
38 光拡散シート
40 光学シート
41 入光側面
45 本体部
46 一方の面
47 他方の面
50 第1単位形状要素
51 配置中心
55 第2単位形状要素
400A 光学シート
400B 光学シート

Claims (6)

  1. シート状の本体部と、
    前記本体部の一方の面上に配列され、フライアイレンズを構成する複数の第1単位形状要素と、
    前記本体部の前記一方の面上に配列され、前記本体部のシート面上の一方向と平行に延びる複数の第2単位形状要素と、を備え、
    前記第1単位形状要素は、前記本体部の前記一方の面上に、隙間を空けて配列され、
    前記第2単位形状要素は、前記本体部の前記一方の面上のうちの前記第1単位形状要素の間に配置されており、且つ、前記本体部のシート面への法線方向と平行な断面であって前記一方向と直交する断面に於ける断面形状が、
    底辺をシート面に平行に且つ本体部側とする三角形形状を基準として、該三角形形状の片斜辺、両斜辺、頂点のいずれか1以上を、外側に突出した丸みを帯びた凸曲線となる形状に変形した断面形状であり、
    A)三角形形状の片斜辺又は両斜辺が、突出した湾曲線となっている断面形状、
    B)三角形形状の頂点近傍が、曲率半径が可視光線の最大波長(780nm)以上の丸みを帯びた凸曲線となっている断面形状、
    C)上記A)及びB)である断面形状、
    D)三角形形状の両斜辺と頂点を含む全体の形状が、楕円又は円の一部分に相当する半楕円又は半円形状、
    のいずれかになっている、光学シート。
  2. 前記本体部の前記一方の面のうちの一部の領域が前記第1単位形状要素によって覆われ、
    前記本体部の前記一方の面のうちの前記一部の領域以外のその他の全領域が、前記第2単位形状要素によって覆われている、請求項1記載の光学シート。
  3. 光源と、該光源からの光を受ける請求項1又は2記載の光学シートと、を備える、面光源装置。
  4. 断面三角形形状の複数の単位形状要素を有する集光シートをさらに備える、請求項3記載の面光源装置。
  5. 前記光学シートの出光側に配置された偏光分離フィルムをさらに備える、請求項3記載の面光源装置。
  6. 透過型表示部と、該透過型表示部に対向して配置された請求項3〜5のいずれか一項に記載の面光源装置と、を備える、透過型表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011158914A (ja) * 2008-12-05 2011-08-18 Toppan Printing Co Ltd 光学部品、照明装置、及び表示装置
CN108758555A (zh) * 2018-07-30 2018-11-06 华域视觉科技(上海)有限公司 用于车灯的三角形曲面单元、配光花纹及其设计生成方法

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