JP2012073488A - 光学部材、面光源装置、および、表示装置 - Google Patents

光学部材、面光源装置、および、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた光学特性を確保し得る第1光学シートおよび第2光学シートを接合してなる光学部材を提供する。
【解決手段】光学部材30の第2光学シート40は、二次元配列された第1単位光学要素50と、一次元配列された第2単位光学要素55と、を含む。第1単位光学要素の突出高さは、第2単位光学要素の突出高さよりも高く、第1単位光学要素の頂部を介して第1および第2光学シートが互いに接合され、第2単位光学要素は第1光学シート35から離間している。第2光学シートの法線方向からの観察において、第1単位光学要素が占めている領域の割合は30%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、第1光学シートおよび第2光学シートを接合してなる光学部材に係り、とりわけ、優れた光学特性を確保し得る光学部材に関する。
面状に光を発光する面光源装置が、種々の用途で、例えば液晶表示パネル等の透過型表示部を背面側から照明するバックライトとして、使用されている。面光源装置は、光源と、光源からの光の進行方向を変化させるための多数の光学シート(光学フィルム)と、を有している。多くの場合、複数の光学シートの中には、光源からの光を拡散させて光源の像を隠す(目立たなくさせる)光拡散シートと、光の進行方向を正面方向へ絞り込み正面方向輝度を向上させる機能(集光機能)を有した集光シート(光制御シート)と、が含まれている。
集光シートとしては、線状に延びる単位光学要素(単位光学要素)をその長手方向に直交する方向に配列(いわゆるリニア配列、一次元配列)してなる光学シートが多く用いられている。単位光学要素は、通常、その長手方向に延びる稜線部(線状に延在する頂部)を有し、又、長手方向に直交する断面においては、三角形形状、楕円形または円形の一部分に相当する形状を有している。このうち、断面が三角形形状、とりわけ直角二等辺三角形形状となっている単位光学要素を含んでなる光制御シート(プリズムシート)が、優れた集光機能を発揮し得る光学シートとして、広く用いられている。
ところで、面光源装置が設置される場所の環境条件(例えば、温度や湿度)が変化すると、面光源装置に含まれている光学シートに反り、曲がり、撓み等の変形が生じ得る。このような変形は、一方の主面側と他方の主面側との間で形状や材料等の構成が大きく異なっている光学シート、例えば、片側の面のみにプリズム面やレンズ面と呼ばれる面を有した集光シートにおいて、顕著に生じる。そして、光学シートに変形が生じると、種々の不具合が生じ得る。例えば、隣り合う二枚の光学シート間の距離が面内でばらつき、輝度の面内分布にばらつきが生じ、さらには、縞模様(干渉縞)が視認されるようになることすらある。
更に近年では、消費電力が少なく薄型で軽い液晶ディスプレイ装置が求められており、上下左右4辺または上下2辺さらには1辺入光タイプのLEDを光源とする面光源装置を用いたTV受像機も普及しつつある。斯かるTV受像機の場合、面光源内の温度分布にバラツキが生じ易く、これにともなって、光学シートの反り、曲がり、撓み等の変形が生じ得る。このような傾向は、40インチ以上の大型サイズで特に顕著となる。
このような不具合に対処するため、隣り合う二枚の光学シートを、予め接合した状態で、面光源装置に組み込むことも検討されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。このような態様によれば、上述した不具合への対処が可能となるだけでなく、二枚の光学シートを正確に位置決めされた状態で容易且つ迅速に面光源装置へ組み込むことも可能となる。
JP2007−76069A WO2008/093819Aの図18
特許文献1では、重ねた二枚の光学シートの周縁部を互いに熔着している。しかしながら、この特許文献1に開示された方法では、二枚の光学シートは、周縁部において互いに対して不動であるものの、最も重要となる中央部において互いに拘束されていない。このため、各光学シートに反り等が生じた場合、中央部近傍に於いて光学シートの歪、或は両シート間の距離の増大が集中した変形を生じ、光学シートの変形に起因した不具合の発生を防止することができない。
一方、特許文献2では、入光側に位置する集光シートの単位光学要素の頂部が、出光側に位置する集光シートの入光面に積層された接着材の層を介して、出光側に位置する集光シートに接着されている。特許文献2に開示された方法では、二枚の光学シートが面内の各位置において互いに接合されることになり、光学シートの変形に起因した不具合の発生を効果的に防止することができる。
しかしながら、特許文献2に開示された方法では、入光側に位置する光制御シートの各単位光学要素が、その各稜線部を全て接着材で覆われることになるため、稜線部近傍の光学的機能が低下して、期待された光学機能を十分に発揮できなくなる。結果として、特許文献2に開示された二枚の光学シートからなる光学部材を用いた場合、正面方向輝度が大幅に低下してしまうといった不具合が生じることもある。また、単位光学要素の稜線部およびその近傍が接着材の層を介して出光側の光学シートに密着するため、視認され得るモアレが生じやすくなり、さらには、ストライプ状の筋模様も視認されやすくなる。
さらに、本件発明者は、特許文献2に開示された方法での接着剤層に代え、接着剤で被覆された拡散粒子を、入光側に位置する光制御シートの単位光学要素上に配置し、この拡散粒子を介して二枚の光学シートを接合することも試みた(特開2009−9078号公報)。しかしながら、この方法では、該拡散粒子の散布位置を所定の位置に確実に制御することが困難の為、二枚の光学シート間の距離を、面内の各位置において、十分に一定とすることができなかった。結果として、この方法を採用した面光源装置では、輝度の面内分布にばらつきが生じ、さらには、縞模様(干渉縞)が視認されることもあった。また、二枚の光学シート間の接合状態も、安定せず、取り扱い中に剥がれてしまうこともあった。さらに、特許文献2の方法と比較して、二枚の光学シート間の接合面積を小面積化したにもかかわらず、正面方向輝度は同程度にとどまった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、第1光学シートおよび第2光学シートを接合してなる光学部材に係り、とりわけ、優れた光学特性を確保し得る光学部材を提供することを目的とする。また、本発明は、このような光学部材を有する面光源装置および表示装置を提供することを目的とする。
本発明による光学部材は、
第1光学シートと、前記第1光学シートに対向して配置された第2光学シートと、を備え、
前記第2光学シートは、
シート状の本体部と、
前記本体部の前記第1光学シートの側となる一方の面上に設けられ、互いに間隔をあけて配列された三個以上の第1単位光学要素と、
前記本体部の前記一方の面上のうち前記第1単位光学要素で覆われて無い領域を覆うように配列され、各々が、前記本体部の前記一方の面上の一方向と平行に延びる、複数の第2単位光学要素と、を有し、
前記第1単位光学要素の前記一方の面からの高さは、前記第2単位光学要素の前記一方の面からの高さよりも高く、
前記第2光学シートは、前記第1単位光学要素の頂部において、前記第1光学シートと接合され、前記第2単位光学要素は前記第1光学シートから離間しており、
前記第2光学シートの法線方向から前記第2光学シートを観察した場合に、前記一方の面上において前記第1単位光学要素が占めている領域の割合は、30%以下である。
本発明による光学部材の第2光学シートにおいて、前記複数の第1単位光学要素の前記一方の面からの高さは一定となっていてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートの法線方向から前記第2光学シートを観察した場合に、前記一方の面上において前記第1単位光学要素が占めている領域の割合は、0より大きくなっており、また、0.1%以上となっていてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、前記第2光学シートの前記本体部の前記一方の面上に規則的な配列で設けられていてもよい。このような本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記本体部の前記一方の面上において前記第1単位光学要素が一定のピッチで配列されている方向のうちの最短ピッチでの配列方向は、前記第2光学シートの前記第2単位形状要素の配列方向と交差していてもよい。また、このような本発明による光学部材において、前記本体部の前記一方の面上において前記第2光学シートの前記第1単位光学要素が一定のピッチで配列されている複数の方向は、すべて、前記第2光学シートの前記第2単位光学要素の配列方向と交差していてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、前記第2光学シートの前記本体部の前記一方の面上に不規則的な配列で設けられていてもよい。このような本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記第1単位光学要素の前記一方の面上における各配置位置は、前記本体部の前記一方の面上に規則的な配列で位置決めされた基準点の位置、または、前記基準点から別の第1単位光学要素と接触乃至交叉しないようにずらされた位置に、それぞれ、決定されていてもよい。このような本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記本体部の前記一方の面上において前記基準点が一定のピッチで配列されている方向のうちの最短ピッチでの配列方向は、前記第2光学シートの前記第2単位光学要素の配列方向と交差していてもよい。また、このような本発明による第1の光学シートにおいて、前記本体部の前記一方の面上において前記基準点が一定のピッチで配列されている複数の方向は、すべて、前記第2光学シートの前記第2単位光学要素の配列方向と交差していてもよい。
本発明による光学部材の第2光学シートにおいて、ある一つの第1単位光学要素と、前記本体部の前記シート面に沿って当該一つの第1単位光学要素に最も近接して配置された他の第1単位光学要素と、の間の前記第2光学シートのシート面に沿った離間間隔の平均を表す第1単位光学要素の平均最小間隔が、前記第2光学シートの前記シート面上における前記一方向へ直交する方向への前記第2単位光学要素の配列ピッチ以上であるようにしてもよい。このような本発明による光学部材の第2光学シートにおいて、前記複数の第1単位光学要素は、前記本体部のシート面上の第1方向に沿って一定のピッチで配列されているとともに、前記第2光学シートのシート面上の第2方向に沿っても前記一定のピッチで配列されており、前記第1方向は、前記一方向に対して直交しており、且つ、前記第2方向に対して60°傾斜していてもよい。あるいは、このような本発明による光学部材の第2光学シートにおいて、前記第1単位光学要素は、前記本体部の前記一方の面上にランダムに配置されていてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、前記第2光学シートの法線方向と平行な断面において、楕円の一部分または円の一部分に相当する形状を含んでいてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートの法線方向と平行であり且つ前記一方向と直交する断面において、前記第2光学シートの前記第2単位光学要素は三角形形状となっていてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、回転楕円体の一部に相当する形状または球の一部に相当する形状を有するようにしてもよい。
本発明による光学部材において、前記第2光学シートは、前記第1光学シートに接着剤を介して接合されていてもよい。
本発明による光学部材において、前記接着剤層の屈折率が、前記第1単位光学要素の屈折率よりも小であってもよい。
本発明による面光源装置は、
光源と、
前記光源からの光を受ける、上述した本発明による光学部材のいずれかと、を備える。
本発明による第1の表示装置は、
透過型表示部と、
前記透過型表示部に対向して配置された、上述した本発明による面光源装置のいずれかと、を備える。
本発明による第2の表示装置は、
上述した本発明による光学部材のいずれかを備え、
前記第1光学シートは、特定の偏光成分の光を透過し前記特定の偏光成分とは異なる他の偏光成分の光を吸収する偏光板である。
本発明によれば、第1光学シートおよび第2光学シートを接合してなる光学部材に優れた光学特性を付与することができる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、表示装置および面光源装置の概略構成を示す断面図である。 図2は、図1の面光源装置に組み込まれた光学部材を示す断面図であって、とりわけ、光学部材の光学作用を説明するための図である。なお、図2は、図3におけるA−A線に沿った断面に相当する光学部材の断面を示している。 図3は、図2の光学部材をなす第2光学シート(入光側光学シート)を出光側から示す平面図である。 図4は、図2に対応する断面(図3のA−A線に沿った断面)において、第2光学シートに含まれる単位光学要素の作用を説明するための図である。 図5は、第2光学シートの製造方法および第2光学シートの成型装置を説明するための模式図である。 図6は、図5の成型装置に組み込まれた成型用型を模式的に示す斜視図である。 図7は、図3に対応する図であって、光学シートの一変形例を示す図である。 図8は、図3に対応する図であって、光学シートの他の変形例を示す図である。 図9は、図3に対応する図であって、光学シートのさらに他の変形例を示す図である。 図10は、図3に対応する図であって、光学シートのさらに別の変形例を示す図である。 図11は、比較例Bに係る光学部材の構成を説明するための図であって、図2と同様の断面において比較例Bに係る光学部材を示す図。 図12は、比較例C1および比較例C2に係る光学部材の構成を説明するための図であって、図2と同様の断面において、比較例1および比較例C2に係る光学部材を示す図。 図13は、充填率と正面方向輝度との関係を調査した結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1乃至図6は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、表示装置および面光源装置の概略構成を示す断面図であり、図2は、面光源装置に組み込まれた光学部材の法線方向に沿った断面図であり、図3は、光学部材に含まれた第2光学シートの上面図であり、図4は、第2光学シートの法線方向に沿った拡大断面図である。
図1に示された透過型表示装置10は、透過型表示部15と、透過型表示部15の背面側に配置され透過型表示部15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備えている。透過型表示部15は、例えば、液晶表示パネル(LCDパネル)から構成され、この場合、透過型表示装置10は液晶表示装置として機能する。ここでLCDパネルとは、ガラス等からなる一対の支持板と、支持板間に配置された液晶と、液晶分子の配向を一つの画素を形成する領域毎に電場によって制御する電極と、を有するパネルである。支持板間の液晶は、一つの画素を形成する領域毎にその配列を変化させられ得るようになっている。この結果、液晶表示パネル15は、面光源装置20からの略均一な明るさ分布の面状光を画素毎に透過させるか又は遮断することによって画像を形成するシャッターとして、機能するようになる。
一方、面光源装置20は、図1に示すように、光源25と、光源25からの光をその進行方向を変化させて透過させる光学部材30と、を有している。光学部材30は、互いに接合された第1光学シート35と、第1光学シート35の入光側に配置された第2光学シート40と、を有している。また、光学部材30の入光側には、更に光を拡散させる拡散板22が設けられている。面光源装置20は、例えばエッジライト(サイドライト)型等の種々の形態で構成され得るが、本実施の形態においては、直下型のバックライトユニットとして構成されている。このため、光源25は光学部材30の入光側において光学部材30と対面するようにして配置されている。また、光源25は、光学部材30の側に開口部(窓)を形成された箱状の反射板28によって背面側から覆われている。
なお、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25から光学部材30等を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、図1、図2および図4においては上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25から光学部材30等を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側(光源側)のことである。
また、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、シート状の部材として構成された光学部材30のシート面、第1光学シート35のシート面、第2光学シート40のシート面、拡散板22の板面、面光源装置20の発光面21、および、透過型表示装置10の表示面11は、互いに平行となっている。また、シート状の部材に対する「法線方向」とは、当該シート状の部材のシート面への法線方向ndのことを意味する。さらに、「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21の法線方向ndであり、本実施の形態では、表示装置10の表示面11の法線方向nd等にも一致する。
光源25は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球、面状のEL(電場発光体)等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態においては、図1に示すように、光源25は、線状に延びる複数の冷陰極管を有している。反射板28は、光源25からの光を光学部材30の側へ向けるための部材であり、反射板28の少なくとも内側表面は、例えば金属等の高い反射率を有する材料からなっている。
拡散板22は、入射光を拡散させ、好ましくは入射光を等方拡散させ、光源25の構成に応じた明るさのムラ(光源の像、管ムラとも云う)を緩和し、明るさ(輝度)の面内分布を均一化させるためのシート状部材である。このような拡散板22として、基部と、基部内に分散され光拡散機能を有した光拡散性粒子と、を含むシートが用いられ得る。一例として、反射率の高い材料から光拡散性粒子を構成することにより、あるいは、基部をなす材料とは異なる屈折率を有する材料から光拡散性粒子を構成することにより、光拡散性粒子に、光拡散機能を付与することができる。
次に、光学部材30について説明する。
図2によく示されているように、光学部材30は、入射光に対して光学作用を及ぼし得る第1光学シート35および第2光学シート40を有している。第1光学シート35および第2光学シート40は、正面方向ndに対面するようにして並べて配置され、互いに対して接合され且つ互いに対して固定された状態となっている。第1光学シート35は、第2光学シート40の出光側の配置されている。このうち、まず、第1光学シート35について説明し、次に、第2光学シート40について説明する。
本実施の形態において、第1光学シート35は、入射光を拡散させ、好ましくは入射光を等方拡散させる機能を有した光拡散シートとして構成されている。この第1光学シート35は、第2光学シート40を透過した光を拡散させて、面光源装置20の発光面21での輝度の角度分布を滑らか変化させるように機能する。このような第1光学シート35として、基部と、基部内に分散され光拡散機能を有した光拡散性粒子と、を含むシートが用いられ得る。一例として、反射率の高い材料から光拡散性粒子を構成することにより、あるいは、基部をなす材料とは異なる屈折率を有する材料から光拡散性粒子を構成することにより、光拡散性粒子に、光拡散機能を付与することができる。
図1に示すように、本実施の形態において、光学部材30の第1光学シート35は、面光源装置20の最出光側に配置されており、第1光学シート35の出光面35aが、面光源装置20の発光面21を画成している。一方、第1光学シート35の入光面35bには、接着剤からなる接着剤層38が設けられている。図示する例において、接着剤層38は、第1光学シート35の入光面35bの全面を覆うように形成されている。そして、この接着剤層38を介して、第1光学シート35および第2光学シート40が、互いに対して固着されている。接着剤層38の厚みは、2μm以上20μm以下とすることができ、さらに好ましくは3μm以上5μm以下としてもよい。なお、本明細書においては、粘着を接着から区別せず、「接着」との用語を「粘着」の意味を含むものとして使用している。
次に、第2光学シート40について説明する。図2および図3に示すように、第2光学シート40は、シート状の本体45と、シート状の本体部45の一方の面(出光側面)46上に設けられた少なくとも三個以上の第1単位光学要素(点状単位光学要素、第1単位形状要素)50と、シート状の本体部45の一方の面46上に配列された多数の第2単位光学要素(線状単位光学要素、第2単位形状要素)55と、を有している。図3に示すように、第1単位光学要素50は、本体部45の一方の面46上に隙間を空けて配列されている。一方、第2単位光学要素55は、本体部45の一方の面46上のうちの第1単位光学要素50の間に配置されている。
なお、本明細書における「単位光学要素」とは、屈折、反射、回折等の光学作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、呼称の違いのみに基づいて、「単位形状要素」、「単位プリズム」および「単位レンズ」といった要素から区別されるものではない。
本実施の形態においては、本体部45の一方の面46の全領域が、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55によって覆われている。さらに詳細には、本体部45の一方の面46のうちの一部の領域が第1単位光学要素50によって覆われ、本体部45の一方の面46のうちの前記一部の領域以外のその他の全領域が、第2単位光学要素55によって覆われている。このような第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の配置によれば、第2光学シート40へ入射した光が、光学作用を及ぼされることなく、第2光学シート40の出光面42から出射すること、いわゆる「素抜け」を防止することができる。
本実施の形態においては、図2および図4に示すように、本体部45は、前記一方の面46に対向する他方の面47として、第2光学シート40の入光面41をなす平滑な面を有している。なお、「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものである。すなわち、ここでは、或る程度の割合の可視光が、第2光学シート40の入光面41(本体部45の他方の面47)において散乱することなくスネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。したがって、例えば、本体部45の他方の面47(第2光学シート40の入光面41)の十点平均粗さRz(JISB0601)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑に該当する。
次に、第1単位光学要素50について説明する。複数の第1単位光学要素50は、本体部45の一方の面46上に二次元配列、すなわち面46上に分散されるように配列、さらに言い換えると、少なくとも異なる二方向に間隔をあけて配列されている。したがって、二次元配列された複数の第1単位光学要素50には、その配置中心51によって本体部45の一方の面46上に三角形を画定するようになる三つの第1単位光学要素50が、少なくとも含まれている。すなわち、三つの第1単位光学要素50のうちの二つは、その配置中心位置が一方の面46上におけるある一つの方向に沿ってずれるように、配置されており、且つ、他の組み合わせからなる二つの第1単位光学要素は、その配置中心位置が一方の面46上において前記一つの方向と交差する他の方向に沿ってずれるように、配置されている。
一例として、図3に示す態様では、多数の第1単位光学要素50が、本体部45の一方の面46上に規則的に配列されている。図3に示す例において、多数の第1単位光学要素50の平面内における配列は、各第1単位光学要素50の面46上への射影に相当する合同な円を、最密に平面充填した構造から各円同士を引き離した配列を以って、本体部45の一方の面46上に配列されている。即ち、一つの第1単位光学要素50が、等間隔を空けて円周状に6回対称に配置された六つの第1単位光学要素50によって周囲から取り囲まれるようになっている。これは所謂結晶に於ける二次元の六方最密充填構造から各単位光学要素を引き離した配列に対応する。言い換えると、多数の第1単位光学要素50は、60°の角度で互いに対して傾斜した本体部45の一方の面46上の異なる二つの方向に、共通の一定ピッチで、配列されている。つまり、図3に示すように、多数の第1単位光学要素50は、本体部45のシート面上の第1方向d1に沿って一定のピッチで配列されているとともに、本体部45のシート面上の第2方向d2に沿っても一定のピッチで配列されており、この第1方向d1と第2方向d2とは互いに対して60°の角度だけ傾斜している。さらに言い換えると、本体部45の一方の面46上において、最も近接した三つの第1単位光学要素50の配置中心51が、本体部45の一方の面46上で、正三角形の頂点上にそれぞれ位置するように、多数の第1単位光学要素50が配列されている。
なお、図3に図示する例においては、第2光学シート40の法線方向(光学部材30の法線方向)ndから観察した場合に、各光源25の長手方向daと、第1単位光学要素50の配列方向の一つd1が、直交するようになっている。
また、本実施の形態においては、図2に示すように、第2光学シート40の法線方向(光学部材の法線方向)ndに平行である断面において、各第1単位光学要素50は、出光側に突出する円の一部分(例えば、半円)または出光側に突出する楕円の一部分(例えば、半楕円)に相当する形状を有している。さらに詳細には、各第1単位光学要素50は、回転楕円体の一部(例えば、回転楕円体)に相当する形状または球体の一部(例えば、半球)に相当する形状を有する単位レンズとして、形成されている。
なお、第1単位光学要素50の断面形状が楕円の一部分に相当する場合、正面方向を中心として対称的な輝度の角度分布を確保するという観点から、当該断面楕円形状の長軸または短軸のいずれかが第2光学シート40の法線方向(つまり、正面方向)ndと平行に延びていることが好ましい。
第1単位光学要素50の具体例として、本体部45の一方の面46上における第1単位光学要素50の配置ピッチP1(図3参照)を10μm〜10000μmとすることができる。また、本体部45の一方の面46上での第1単位光学要素50の配列方向に沿った、第1単位光学要素50の底面の幅W1(図3参照)を10μm〜200μmとすることができる。さらに、第2光学シート40の法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第1単位光学要素50の突出高さH1(図4参照)を5μm〜100μmとすることができる。なお、図示する例において、多数の第1単位光学要素50は互いに同一に構成されている。
なお、本実施の形態においては、第2光学シート40の法線方向ndに沿って単位光学要素50,55が設けられている側(つまり、出光面42の側)から第2光学シート40を観察した場合に本体部45の一方の面46上において第1単位光学要素50が占めている領域の割合(以下において、単に「充填率」とも呼ぶ)が、30%以下となるように、当該一方の面46上に設けられている。この充填率は、言い換えると、第2光学シート40の出光側面のうちの第2単位光学要素55によって覆われていない部分を、第2光学シート40の法線方向ndに沿って一方の面46へ投影した領域の、一方の面46に対する面積比に相当する。
第1単位光学要素50の配置ピッチP1、幅W1および高さH1等は、この充填率の条件を満たすように設定される。実際の充填率の特定においては、例えば顕微鏡により観察された第2光学シート40の出光面42上の一区画であって、第1単位光学要素50の配置ピッチP1や幅W1等を考慮した上で全体の充填率を反映し得ると期待される面積を持つ一区画(例えば、上述の寸法例で構成された第1単位光学要素を含む光学シートにおいては、10mm×10mmの部分)についての充填率を算出し、算出された値を当該光学シートの充填率として取り扱うようにしてもよい。
次に、第2単位光学要素55について説明する。多数の第2単位光学要素55は、リニアアレイプリズム部を構成するようになっている。本実施の形態においては、図3に示すように、各第2単位光学要素55は、本体部45のシート面に平行な一方向に直線状に延びている。且つ、多数の第2単位光学要素55は、其の延びる方向(前記一方向)に直交する他方向に隙間無く並べて配列されている。なお、図示する例においては、第2光学シート40の法線方向(光学部材30の法線方向)ndから観察した場合に、第2単位光学要素55は、第1単位光学要素50の一つの配列方向d1に直交して、各光源25の長手方向daと平行に延びている。
本実施の形態においては、図2および図4に示すように、第2光学シート40の主切断面(第2単位光学要素55の配列方向に平行であるとともに第2光学シート40の法線方向ndにも平行である断面)において、すなわち、図3のA−A線に沿った断面において、各第2単位光学要素55は、出光側に突出する三角形形状となっている。すなわち、各第2単位光学要素55はいわゆる三角柱の単位プリズムとして形成されている。そして、正面方向輝度を集中的に向上させるという観点からは、当該断面形状がとりわけ二等辺三角形形状であるとともに、等辺の間に位置する頂角が本体部45の一方の面46から出光側に突出するように、各第2単位光学要素55が構成されていることが好ましい。
第2単位光学要素55の具体例として、本体部45の一方の面46上での第2単位光学要素55の配列方向に沿った、第2単位光学要素55の底面の幅W2(図4参照)を1μm〜200μmとすることができる。また、第2光学シート40の法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第2単位光学要素55の突出高さH2(図4参照)を0.5μm〜50μmとすることができる。なお、図示する例において、多数の第2単位光学要素55は互いに同一に構成されている。さらに、第2単位光学要素55の断面形状が二等辺三角形状である場合には、正面方向輝度を集中的に向上させる観点から、等辺の間に位置するとともに出光側に突出する頂角の角度θ(図4参照)が、80°以上120°以下となっていることが好ましく、90°であればさらに好ましい。
なお、本明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみではなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。同様に、本明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「円」、「楕円」、「平行」、「直交」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
ところで、図2および図4に示すように、第2光学シート40の法線方向(光学部材30の法線方向)ndに沿った本体部45の一方の面46からの第2単位光学要素55の突出高さH2は、第2光学シート40の法線方向ndに沿った本体部45の一方の面46からの第1単位光学要素50の突出高さH1よりも低くなっている。この結果、本体部45の一方の面46上において、各第2単位光学要素55は、第1単位光学要素50によって分断されており、第2単位光学要素55の長手方向に沿って隣り合う二つの第1単位光学要素50の間を延びている。
このように第2単位光学要素55の本体部45からの高さH2が、円形または楕円形の一部に相当する断面形状を有した第1単位光学要素50の本体部45からの高さH1よりも低くなっているため、第2光学シート40の本体部45から出光側に突出する第2単位光学要素55は、第2光学シート40の出光側に位置する第1光学シート35から離間して配置されている。また、上述したように本実施の形態では、第1光学シート35の入光面35bに、接着剤層38が形成されている。このため、第2光学シート40の第1単位光学要素50が接着剤層38に接触しているのに対し、第2単位光学要素55は、接着剤層38から離間している。
すなわち、第2光学シート40は、第1単位光学要素50の頂部50aにおいて、接着剤層38を介し、第1光学シート35に接合されている。一方、第2単位光学要素55は、第1光学シート35および接着剤層38から離間して配置されている。
ところで、図11示すように、線状の各単位光学要素155がその稜線部155aにおいて接着剤層138を介して他のシート部材135に接着される従来の態様では、上述したように、ストライプ状の筋模様が視認される傾向があった。また、この従来の態様では、正面方向輝度も大きく低下することになった。一方、本実施の形態によれば、図に示す如く、二次元配列された点状の第1単位光学要素50が接着剤層38に接触して、すなわち、二次元的に分散された点状の接着箇所を介して、第1光学シート35および第2光学シート40が固着されている。このような態様によれば、各接着箇所は点状であることから接着面積(接触面積)は少ないが、接着箇所は平面内に二次元的に分散されている。したがって、総接着面積を小さくしながら、第1光学シート35および第2光学シート40を強固に接合することができる。同時に、詳しくは後述する第2光学シート40の出光面42での光学機能、とりわけ、接着剤層38と接触していない第2単位光学要素55の表面での光学機能が、効果的に発揮されるようになり、第2光学シート40に優れた光学特性を付与することができる。また、各接着箇所の接触面積が小さくなっているため、接着箇所が視認されにくくなり、外観上の不具合を解消することもできる。
とりわけ本実施の形態の図示する具体例において、第1単位光学要素50は円形または楕円形の一部に相当する断面形状を有している。したがって、第1単位光学要素50の頂部50aが接着剤層38や第2光学シート40と擦れ合った際の摩擦も低減される。すなわち、環境条件の変化等にともなって第1光学シート35および第2光学シート40に変形が生じたとしても、第1単位光学要素50の頂部50aに、擦れ、潰れ、その他の変形等が生じてしまうことを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態においては、先鋭であって外力による損傷を受けやすい頂部(稜線部)を有した第2単位光学要素55が、接着剤層38および第1光学シート35から離間している。したがって、環境条件の変化等にともなって第1光学シート35および第2光学シート40が擦れ合うように変形した場合であっても、第2単位光学要素55が損傷してしまうことを効果的に防止することができる。これにより、第2単位光学要素55が、後述する期待された光学機能を安定して発揮し続けることができる。
さらに、図12に示すように、周囲に接着剤161を塗布された粒子160が集光シート140の単位光学要素155上に配置され、当該接着剤付き粒子160を介して、集光シート140が他のシート状部材135に接着される従来の態様では、上述したように、集光シート140と他のシート状部材135との間隔が面内でばらつく傾向があった。二枚の光学シート135,140の間隔がばらついていると、環境条件の変化等にともなって二枚の光学シート135,140が変形した際に、局所的な応力の発生による接着剥がれ等が生じやすくなる。また、二枚の光学シート135,140の間隔がばらつくと、結果として、面内輝度分布にばらつきが生じ、さらには、貼合ムラや縞状模様(干渉縞)が視認されるようになることもあった。さらに、図12に示す態様では、正面方向輝度が低下してしまう傾向がある。
一方、本実施の形態では、高さH1が一定となっている第1単位光学要素50を分散させることにより、第1光学シート35と第2光学シート40との間隔を一定にすることができ、これにより、従来の不具合を解消することができる。とりわけ図示された態様においては、詳しくは後述するように第1単位光学要素50と第2単位光学要素55との協働により、正面方向輝度の改善を図ることが可能となる。
なお、以上の作用効果を確保する観点からは、第2単位光学要素55の突出高さH2が、第1単位光学要素50の突出高さH1の9/10以下となっていることが好ましく、第1単位光学要素50の突出高さH1の2/3以下となっていることがより好ましい。
また、以上のような作用効果は、第2光学シート40の本体部45上に三個以上の第1単位光学要素50が設けられている場合に、確保され得るようになる。三つの第1単位光学要素50の頂部50aによって、第2単位光学要素55が接触し得ない唯一の面が幾何学的に画成され、この面の位置に、第2光学シート40の出光側に隣接する他の部材、本実施の形態では第1光学シート35の入光面35bに積層された接着剤層38が配置されるようになるからである。ただし、本件発明者が鋭意研究を重ねたところ、第1単位光学要素50の充填率が0.1%以上となる場合に、さらに好ましくは第1単位光学要素50の充填率が0.3%以上となる場合に、第1光学シート35と第2光学シート40との間隔が安定して一定となり且つ第1光学シート35と第2光学シート40とが安定して接合された状態に保たれるようになることができた。
ここで、以上のような構成からなる第2光学シート40の製造方法の一例について説明する。以下の例においては、図5に示すような成型装置60を用いた賦型によって、第1単位光学要素50と第2単位光学要素55とを一体的にシート材48上に形成し、第2光学シート40を作製することができる。第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の形成に用いられる材料としては、成型性が良好であるとともに入手が容易であり且つ優れた光透過性を有する樹脂(一例として、硬化物の屈折率1.57の透明な多官能ウレタンアクリレートオリゴマーとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート系モノマーとの組成物の架橋硬化物)が好適に用いられる。
まず、成型装置60について説明する。図5に示すように、成型装置60は、略円柱状の外輪郭を有した成型用型70を有している。図6に示すように、成型用型70の円柱の外周面(側面)に該当する部分に円筒状の型面(凹凸面)72が形成されている。円柱状からなる成型用型70は、円柱の外周面の中心を通過する中心軸線CA、言い換えると、円柱の横断面の中心を通過する中心軸線CAを有している。そして、成型用型70は、中心軸線CAを回転軸線として回転しながら(図5参照)、成型品としての第2光学シート40を成型するロール型として構成されている。
図6に示すように、型面72には、第2光学シート40の第1単位光学要素50に対応する凹部74と、第2単位光学要素55に対応する溝76と、が形成されている。溝76は、型面72の中心軸線CAを中心として円周状に延びている、あるいは、型面72の中心軸線CAを中心として螺旋状に延びている。いずれの場合においても、溝76は、型面72の中心軸線CAに対して概ね垂直な方向(中心軸線に対する溝76の角度は、90°±1×10−2°程度)に延びている。凹部74は、例えばフォトリソグラフィ技術を利用したエッチングにより、例えば、中空の鉄芯表面に銅層を被覆して成る円柱状基材の円周面上の所望の位置に形成され得る。その後、例えば切削バイトを用いた切削加工により、凹部74が形成された円柱状基材の円周面上に、凹部74を横切るようにして延びる溝76を形成することができる。
図5に示すように、成型装置60は、帯状に延びるシート材(成型用基材シート)48を供給する成型用基材供給装置62と、供給されるシート材48と成型用型70の型面72との間に流動性を有した材料49を供給する材料供給装置64と、シート材48と成型用型70の凹凸面72との間の材料49を硬化させる硬化装置66と、をさらに有している。硬化装置66は、硬化対象となる材料49の硬化特性に応じて適宜構成され得る。
次に、このような成型装置60を用いて第2光学シート40を作製する方法について説明する。まず、成型用基材供給装置62から、例えば透明性を有した樹脂からなるシート材48が供給される。供給されたシート材48は、図5に示すように、成型用型70へと送り込まれ、成型用型70と一対のローラ68とによって、型70の凹凸面72と対向するようにして保持されるようになる。
また、図5に示すように、シート材48の供給にともない、シート材48と成型用型70の型面72との間に、材料供給装置64から流動性を有する材料49が供給される。ここで、「流動性を有する」とは、成型用型70の型面72へ供給された材料49が、型面72の凹部74および溝76内に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。
供給される材料49としては、成型に用いれ得る種々の既知な材料(例えば、上述した、硬化物の屈折率1.57の透明な多官能ウレタンアクリレートオリゴマーとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート系モノマーとの組成物からなる電離放射線硬化型樹脂)を用いることができる。以下に示す例においては、材料供給装置64から電離放射線硬化型樹脂が供給される例について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線(UV)を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線(EB)を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。
その後、成型用シート材48は、型70の型面72との間を電離放射線硬化型樹脂材料49によって満たされた状態で、硬化装置66に対向する位置を通過する。このとき、硬化装置66からは、電離放射線硬化型樹脂材料49の硬化特性に応じた電離放射線が放射されており、電離放射線はシート材48を透過して電離放射線硬化型樹脂材料49に照射される。この結果、型面72の凹部74内および溝76内に充填されていた電離放射線硬化型樹脂が硬化して、硬化した電離放射線硬化型樹脂からなる第1単位光学要素50および第2単位光学要素55がシート材48上に形成されるようになる。
その後、図5に示すように、シート材48が型70から離間し、これにともなって、型面72の凹部74内および溝76内に成型された単位光学要素50,55がシート材48とともに型70から引き離される。この結果、上述した第2光学シート40が得られる。
なお、上述してきた方法において、シート材48は型70の表面(片面72)に接触していない。この場合、作製された第2光学シート40の本体部45は、シート材48とシート状に硬化した材料49とから構成されるようになる。このような方法によれば、成型された第2単位光学要素55および第1単位光学要素50が、離型時に、型70内に部分的に残留してしまうことを効果的に防止することができる。
以上のようにして、ロール型として構成された成型用型70がその中心軸線CAを中心として一回転している間に、流動性を有した材料49を型70内に供給する工程と、型70内に供給された材料49を型70内で硬化させる工程と、硬化した材料49を型70から抜く工程と、が型70の型面72上において順次実施されていき、第2光学シート40が得られる。
ただし、以上のような賦型法による第2光学シート40の作製は一例に過ぎず、例えば転写成型法等の成型法や、その他の製造方法によって、第2光学シート40を作製してもよい。
次に、以上のような光学部材30、面光源装置20および表示装置10の作用について説明する。
まず、表示装置10および面光源装置20の全体的な作用について説明する。
光源25で発光された光は、直接または反射板28で反射した後に観察者側に進む。観察者側に進んだ光は、拡散板22で等方拡散された後に、光学部材30の第2光学シート40に入射する。第2光学シート40において、光の進行方向と正面方向(第2光学シート40のシート面への法線方向)ndとによってなされる角度が、主として、0°に近付くように、光が偏向される。また、第2光学シート40においては、輝度の面内分布が均一化するように、光が拡散するようになる。なお、第2光学シート40での光学作用については、後に詳述する。
第2光学シート40を出光した光は、その後、接着剤層38を介して第1光学シート35を透過する。第1光学シート35は光拡散シートとして構成されており、第1光学シート35によってなされる面光源装置20の発光面21上での輝度の角度分布が滑らかとなるように、第2光学シート40で集光された光が第1光学シート35で拡散される。このようにして発光面21をなす光学部材30から光が出射し、面光源装置20は透過型表示部15を面状に照明するようになる。透過型表示部15は、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させる。これにより、透過型表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
次に、第2光学シート40の作用についてさらに詳述する。
まず、第2光学シート40の出光面42の大部分を構成するようになる第2単位光学要素(単位プリズム)55による作用について説明する。図2および図4に示すように、リニアアレイプリズム部を形成する第2単位光学要素55を介して、第2光学シート40から出射する光L26,L45−L48は、第2単位光学要素(単位プリズム)55の出光側面(プリズム面)において屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L26,L45−L48の進行方向は、第2光学シート40へ入射する際における光の進行方向と比較して、主として、第2光学シート40のシート面への法線方向ndに対する角度が小さくなる側へ曲げられる。このような作用により、上述したように、第2単位光学要素55は、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、第2単位光学要素55は、透過光に対して集光作用を及ぼすようになる。
その一方で、正面方向ndから大きく傾斜しない方向へ進む光L27は、図2に示すように、第2単位光学要素55の出光側面(プリズム面)において全反射を繰り返し、その進行方向を入光側(光源側)へ転換する。
上述したように、本実施の形態において、第2単位光学要素55の配列方向は、光源25の配列方向と平行になっている。したがって、隣り合う二つの光源25の中間点に対面する位置を中心とした第2光学シート40の領域であって、光源25からの光が大きな入射角度で入射する傾向のある第2光学シート40の領域に入射する光の進行方向を、当該光の進行方向と正面方向ndとによってなされる角度が0°に近付くように、第2単位光学要素55の出光側面(プリズム面)での屈折により、変化させることができる。この結果、隣り合う二つの光源25の中間点に対面する位置を中心とした領域であって輝度が低下する傾向のある第2光学シート40の領域において、輝度が低くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、光源25の直上に位置する第2光学シート40の領域であって、光源25からの光が小さな入射角度で多く入射するようになる第2光学シート40の領域に入射する光を、第2単位光学要素55の出光側面(プリズム面)での全反射により、光源側へ戻すことができる(図2の光L27を参照)。このため、光源25の直上に位置する領域であって輝度が高くなり過ぎる傾向のある第2光学シート40の領域において、輝度が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
この結果、第2単位光学要素55によって、正面方向輝度を向上させるだけでなく、光源25の発光部の配列に応じて発生する明るさのムラ(輝度ムラ、管ムラ)を効果的に低減し、光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることができる。
次に、第1単位光学要素(単位レンズ)50による作用について説明する。図2および図4に示すように、第1単位光学要素50は、法線方向ndに対して大きく傾斜した方向に進む光L21,L41−L44に対して、主として集光作用を及ぼすようになる。その一方で、図2に示すように、第1単位光学要素50は、法線方向ndに対して大きく傾斜しない方向に進む光L22を全反射により、入光側へ戻すように機能する。すなわち、第1単位光学要素50は、第2単位光学要素55と概ね、同様に輝度の面内分布を均一化させながら、正面方向輝度を向上させる機能を有している。
なお、上述したように、第1単位光学要素50は、大部分において法線方向ndを中心として対称的に構成されている。また、第1単位光学要素50は、本体部45の一方の面46上に二次元配列されている。したがって、第1単位光学要素50は、第2光学シート40のシート面上の任意の方向に沿った面内において、光の進行方向を変化させることができる。この結果、光源25の配列方向を考慮することなく第2光学シート40を光源25上に配置したとしても、第1単位光学要素50による集光機能および光拡散機能が有効に発揮されるようになる。
ところで、図4に示すように、断面三角形形状を有するように構成された第2単位光学要素55に入射する光は、その進行方向が正面方向ndから傾斜している場合、正面方向ndを基準として当該光L45−L48の進行方向とは逆側に傾斜した一方側の出光側面(一方側のプリズム面)56aに多く入射するようになる。そして、当該光L45−L48の進行方向の正面方向ndに対する傾斜角度が一定であれば、当該光L45−L48が一方側の出光側面(一方側のプリズム面)56a上のどの位置に入射するかに依らず、第2単位光学要素55から出射する際における当該光L45−L48の出射方向の正面方向ndに対する傾斜角度も一定となり、尚且つ正面方向ndとなす角度も面56aに対する出射角の方が入射角よりも小さく、より正面方向に集光されることになる。すなわち、第2単位光学要素55から出射する光の進行方向は、概ね、当該第2単位光学要素55の構成(例えば、形状や屈折率等)に起因して決定されるようになる。
なお、図4における光L41−L49の光学シート内における進行方向の正面方向ndに対する傾斜角度は、同一となっている。
このような第2単位光学要素55の光学的特性に対し、図4に示すように、曲線状の外輪郭を有する第1単位光学要素50、例えば断面円形状または断面楕円形状を有するように構成された第1単位光学要素50に入射する光L41−L44は、当該光の進行方向の正面方向ndに対する傾斜角度が一定であったとしても、当該光が第1単位光学要素50の出光側面(レンズ面)上のどの位置に入射するかによって、第1単位光学要素50から出射する際における当該光の出射方向の正面方向ndに対する傾斜角度が異なってくる。したがって、第1単位光学要素50から出射する光の進行方向は、当該第1単位光学要素50の構成(例えば、形状や屈折率等)だけでなく、当該第1単位光学要素50への入射位置にも大きく影響を受けるようになる。
そして、第1単位光学要素50の配置間隔および第2単位光学要素55の配置間隔は、光源25の配置間隔と比較して、非常に狭くなっている。したがって、一つの単位光学要素50,55へ向けて光源25から入射する光の傾斜角度は略同一となる。この結果、第2単位光学要素(単位プリズム)55は、光の進行方向の正面方向ndに対する角度を、0°を中心とする比較的に狭い角度範囲内に絞り込むことを可能にする。すなわち、第2単位光学要素55は、その構成を適宜設計されることにより、極めて優れた集光機能を発揮し得るようになる。一方、第1単位光学要素(単位レンズ)50は、光の進行方向の正面方向ndに対する角度を比較的に広い角度範囲内に絞り込むとともに、当該絞り込まれた角度範囲内における輝度分布を滑らかに変化させるようにすることが可能となる。
つまり、第2単位光学要素(単位プリズム)55は、第1単位光学要素(単位レンズ)50と比較して、より強い集光機能を発揮することができるとともに、第1単位光学要素(単位レンズ)50は、第2単位光学要素(単位プリズム)55と比較して、より強い光拡散機能を発揮することができる。実際に、断面直角二等辺三角形状の単位光学要素(単位プリズム)のみからなる集光シート(プリズムシート)が、正面方向輝度の向上に最も寄与し得るものとして、広く利用されてきている。
このような第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の光学特性からすると、第2単位光学要素55のみを有した集光シート(プリズムシート)140をシート状部材135に接着剤層138を介して貼り付けてなる図11の光学部材130aと比較して、第1単位光学要素50と第2単位光学要素55とを有する第2光学シート40を第1光学シート35に接着剤層38を介して貼り付けてなる本実施の形態による光学部材30においては、正面方向輝度が低下してしまうものと予想される。しかしながら、この点について本件発明者が研究を重ねたところ、次のことが知見された。
本発明の光学部材30を用いた場合、本件発明者が実験を重ねたところ、確かに、第1光学シート35に接着された第2光学シート40における第1単位光学要素50の充填率が増加するにつれて、しだいに、正面方向輝度が低下していくといった全体的な傾向があるものの、充填率が比較的に低い場合に、全体的な傾向とは異なる異質な傾向を有することが確認された。具体的には、後述する実施例において実験結果の一部が示されているように、第2単位光学要素55とともに第1単位光学要素50を低充填率で配置することによって、第2単位光学要素55のみを有した従来の集光シート(プリズムシート)130aを含んで構成された従来の光学部材130aを用いた場合と概ね同等の正面方向輝度を確保し得ることが知見された。さらには、第1単位光学要素50を0より大きく30%以下の充填率で、第2単位光学要素55とともに、光学部材30の第2光学シート40に設けた場合には、第2単位光学要素55のみを有した従来のプリズムシート140を含んでなる光学部材130aと比較して、正面方向輝度を維持することだけでなく、正面方向輝度をさらに上昇させることすら可能となることが知見された。これは、従来の技術常識の延長では予想し難い意外な結果である。
尚、後述の実施例(実施例1)によれば、当該充填率が0.01〜20%の範囲で、第2単位光学要素55のみの光学シートに比べ輝度101%以上を得ることが出来ることが判明しており、高い正面輝度確保の為には、当該充填率が0.01〜20%、特に0.3〜1%の範囲が好ましい。
このように第1単位光学要素50を低充填率で第2単位光学要素55とともに光学部材30の第2光学シート40に設けることによって、第2単位光学要素55のみを含んだ集光シート140が用いられた従来の光学部材130aと比較して、正面方向輝度を向上させることが可能となるメカニズムは明らかではないが、以下にその一要因と考えられ得るメカニズムについて説明する。ただし、本件発明は、以下の推定メカニズムに限定されるものではない。
まず、図11に示された従来の光学部材130aにおいては、優れた集光機能を発揮し得るものと考えられてきた集光シート140の単位光学要素155が、線状の稜線部において、接着剤層138を介して、集光シート140に隣接する他のシート状の部材135に接合されている。すなわち、優れた集光機能を発揮し得る単位光学要素155の出光側面(プリズム面)の一部が、接着剤層138によって被覆されるようになる。
接着剤層138の屈折率は、材料にもよるが、何れも空気(或いは真空)の屈折率1.00に比べて大きく、単位光学要素155の前後の値(大体1.45〜1.65程度)となる。其の結果、出光側面(単位光学要素のプリズム面(切子面)とこれと隣接する層との境界面)の内外での屈折率差は、接着剤層が無い場合(空気と接する場合)に比べて、接着剤層が有る場合の方が小さくなる。例えば、単位光学要素155の屈折率が1.50、接着剤層138の屈折率が1.51の場合、単位光学要素155の出光側面が接着剤層と接している場合は、出光側面の内外の屈折率差は、1.51−1.50=0.01となり、単位光学要素155の出光側面が空気と接している場合の同屈折率差の、1.50−1.00=0.50よりも0.49も縮小する。そもそも、図4に図示の如くの単位光学要素の出光側面での光の屈折或いは反射により集光や拡散機能は、出光側面内外での屈折率差に起因する。出光側面内外での屈折率差が縮小すると、必然的に、単位光学要素の集光或いは拡散機能は低下する。極端な場合、単位光学要素155と接着剤層138とが全く同じ屈折率の場合、光は出光側面を素通りし、反射も屈折も全く生じ無いことになる。特に、接着剤層138の屈折率が単位光学要素155の屈折率よりも大きくなると、出光面に於いて全反射現象が起き無くなり、図2の光L22或いは図4の光L49aの如き全反射に基づく光学特性付与は不能となる。
このため、当該単位光学要素155によって期待された光学作用を及ぼされることなく、すなわち、進行方向を大きく変化させることなく、単位光学要素155を介して集光シート140から接着剤層138およびシート状部材135へと進む光が多く含まれるようになる。すなわち、集光シート140を隣接する他のシート状部材135へ接合した従来光学部材130aによれば、上述した変形の拘束や取り扱いの容易化といった利益を享受することができるものの、光学的機能は低下してしまう。
一方、本実施の形態によれば、第2光学シート40の本体部45の出光側面46には、優れた集光機能を発揮し得る第2単位光学要素55とともに、第2単位光学要素55よりも第1光学シート35に向けて大きく突出した第1単位光学要素50が設けられている。したがって、優れた集光機能を発揮し得る第2単位光学要素55の出光側面(プリズム面)は、接着剤層38によって被覆されることはない。すなわち、第2単位光学要素55は、第1単位光学要素50によって第1光学シート35および接着剤層38から離間し、其の出光面は全て空気と接するようになるので、上述したように第1光学シート35や接着剤層38等との擦れや押圧等に起因した第2単位光学要素55の損傷を防止することができ、さらには、第2単位光学要素55の出光側面(プリズム面)が設計通りの光学機能を安定して発揮することができる。
結果として、第1単位光学要素50の充填率が30%以下と比較的に低い場合には、有効に集光作用を発揮し得る第2単位光学要素55の出光側面(プリズム面)が多く確保されるため、正面方向輝度を効果的に向上させることができる。さらに、第1単位光学要素50は、頂部50aにおいて接着剤層38に接触するが、接着剤層38と接触していない領域では、既に説明したように、集光機能および拡散機能の両方を、拡散機能の方がやや強めとなるようにして、発揮することができる。このため、本実施の形態に係る光学部材30を用いた場合、図11に示された従来の光学部材130aを用いた場合と比較して、高い正面方向輝度および広い視野角の両方を確保することも可能となる。すなわち、本実施の形態による光学部材30によれば、限られた光源光を有効に利用し得ると言える。
なお、第2単位光学要素(単位プリズム)155のみを有した集光シート140を、接着剤161によって被覆された粒子160を介して、当該集光シート140の隣接する他のシート状部材135に接合してなる光学部材130bでは、接着剤161によって被覆された粒子160は、効果的に集光機能を発揮することは不可能であり、拡散機能しか発揮し得ない。また、既に説明したように、図12に示された従来の光学部材130bのシート面に沿った各位置において、集光シート140とシート状部材135との間隔がばらつき、集光シート140とシート状部材135との平行度もばらついている。この結果、この光学部材130b内において、集光シート140の単位光学要素155自体の集光機能も有効に機能し得なくなるものと推測される。実際に、図12に示された従来の光学部材130bを用いた場合には、後述する実施例でも説明するように、高い正面方向輝度を確保することはできなかった。
ところで、既に説明したように、第1単位光学要素50は、本体部45の出光側面46上に二次元的に分散して配置されている。すなわち、第1光学シート35および第2光学シート40は、光学部材30のシート面において、二次元的に分散された接合箇所で接合されている。したがって、総接合面積を小さくしながら、すなわち、充填率を低くして第2単位光学要素55による光学機能が効果的に発揮されるようにしながら、第1光学シート35および第2光学シート40を強固に接合することができる。同時に、各接合箇所の接合面積が小さくなるので、接合箇所の存在を原因とする外観上の不具合を直接的に目立たなくさせることができる。
加えて、本実施の形態における光学部材30においては、以下に説明する第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の相乗的な作用効果にも起因して、光源光の有効利用を図って正面方向輝度を大幅に上昇させ得るものと推察される。
断面三角形形状を有するように構成された第2単位光学要素55に入射する光の多くは、当該光の進行方向が正面方向ndから傾斜している場合、正面方向ndを基準として当該光L45−L48の進行方向(図示する例では、出光側に向けて紙面の左側に傾斜する方向)とは逆側に傾斜した(図示する例では、紙面の左側に配置され出光側に向けて紙面の右側に倒れた)一方側の出光側面(一方側のプリズム面)56aに多く入射するようになる。しかしながら、図4に示すように、第2単位光学要素55に入射する光の一部L49は、正面方向ndを基準として当該光L49の進行方向と同一側に傾斜した他方側の出光側面(他方側のプリズム面)56bにも入射することがある。他方側の出光側面56bに入射した光の多くは、当該出光側面56bで全反射する。そして、当該光の一部L49は、全反射した後に、極めて大きな出射角度で第2単位光学要素(単位プリズム)55から出射し得る。そして、このような光は、いわゆるサイドローブを形成する光であり、透過型表示装置10において有効に利用されることなく、むしろ、映像の画質を劣化させることにもなる。
この点、上述してきた本実施の形態によれば、本体部45の一方の面46上には、第2単位光学要素55だけでなく、第1単位光学要素50も設けられている。そして、図4に示すように、第1単位光学要素50の本体部45からの突出高さH1が第2単位光学要素55の本体部45からの突出高さH2よりも高くなっている。したがって、極めて大きな出射角度で第2単位光学要素(単位プリズム)55から出射した光L49は、第1単位光学要素50内へ入射し得る(光L49a参照)、或いは、第1単位光学要素50の出光側面で反射し得る(光L49b参照)。
第1単位光学要素50へ入射した光L49aは、第1単位光学要素50の出光側面で一回以上全反射し、その進行方向を逆側(光源側、入光側)に転換し得る。とりわけ、本実施の形態においては、第1単位光学要素50は、主切断面において円の一部または楕円の一部分に相当する形状を有している。このため、第1単位光学要素50へ入射した光L49aは、その後、法線方向ndに対して非常に大きく傾斜した第1単位光学要素50の出光側面に入射するようになり、結果として、全反射されて進行方向を逆側に転換する傾向を強く持つようになる。このような光L49aは、反射板28等での反射により、再び出光側(観察者側)へ進行方向を転換し再利用され得る。すなわち、第1単位光学要素50は、サイドローブをなす不要光としていったん第2光学シート40から出射した光を、第2光学シート40内に回収し、正面方向輝度の向上に寄与し得る光として再利用するように働く。
一方、第1単位光学要素50の出光側面で反射する光L49bは、第1単位光学要素50での反射によって、進行方向を変化させる。図示する例のように、第1単位光学要素50の基端部側(入光側)から先端部側(出光側)に向けて第1単位光学要素50の幅がしだいに狭まっていく場合、第1単位光学要素50での反射によって、多くの光L49bが、正面方向ndに対してその進行方向がなす角度が小さくなるように、進行方向を曲げられる。すなわち、サイドローブをなす不要光としていったん第2光学シート40から出射した光L49の多くに対し、第1単位光学要素50の出光側面によって集光作用を及ぼし、法線方向nd近傍の光に転換することができる。
以上のように、低充填率で設けられた第1単位光学要素50は、第2単位光学要素55に起因して発生し従来不要光となっていた光の進行方向を偏向させ、当該光を正面方向輝度の向上に寄与させるように機能すると推測される。実際に、第1単位光学要素50が低充填率で設けられた本実施の形態に係る第2光学シート40の輝度の角度分布を測定したところ、第2単位光学要素55のみを有した従来のプリズムシートについての輝度の角度分布に見られていた広角度域のサブピークが、存在していなかった。言い換えると、第1単位光学要素50が低充填率で設けられた本実施の形態に係る第2光学シート40の輝度の角度分布では、従来のプリズムシートの輝度の角度分布に見られるサイドローブを低減、さらには消失させることができた。つまり、本実施の形態による第2光学シート40を含んで成る光学部材30によれば、第2光学シート40内における、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の単独の光学機能だけでなく、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の相乗的な光学機能が有効に発揮されることによっても、実際に表示装置に組み込まれている集光シートのうち最も正面方向輝度を向上させることができるとされているプリズムシート140を含んでなる光学部材130a,130bと比較して、正面方向輝度を向上させることができるものと推測される。
なお、光学部材30を用いた場合における正面方向輝度を向上させる観点からは、第2単位光学要素55の突出高さH2が、第1単位光学要素50の突出高さH1の9/10以下であり1/10以上となっていることが好ましく、第1単位光学要素50の突出高さH1の2/3以下であり1/3以上となっていることがより好ましいことが知見された。
また、本件発明者が鋭意実験を重ねたところ、隣り合う二つの第1単位光学要素50の間の距離と、第2単位光学要素55の配列ピッチP2と、を調節することにより、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の相乗的な光学的機能をより効果的に発揮されるようにすることができた。具体的には、第1単位光学要素50の平均最小間隔Saが、本体部45のシート面上における一方向(すなわち、第2単位光学要素55の長手方向)へ直交する方向(すなわち、第2単位光学要素55の配列方向)に沿った第2単位光学要素55の配列ピッチP2以上となっていることが好ましい。好ましくは、第1単位光学要素50の平均最小間隔Saが、第2単位光学要素55の配列ピッチP2の2倍以上となっていることが好ましい。
ここで平均最小間隔Saとは、任意に選択したある一つの第1単位光学要素50と、本体部45のシート面に沿って当該一つの第1単位光学要素50に最も近接して配置された他の一つの第1単位光学要素50と、の間における本体部45のシート面に沿った離間間隔の平均値のことをいう。上述した実施の形態では、同一の幅(図示する例では、本体部45の一方の面46上における直径)W1を有した第1単位光学要素50が、同一の配列ピッチP1で、本体部45の一方の面46上に配列されている。したがって、平均最小間隔Saは、配列ピッチP1と幅W1との差(=P1−W1)となる(図3参照)。他の例として、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上にランダム(不規則)に配列されている場合には、任意に選択したある一つの第1単位光学要素50と、本体部45のシート面に沿って当該一つの第1単位光学要素50に最も近接して配置された他の第1単位光学要素50と、の間における離間間隔を、多数、例えば20〜100箇所測定し、測定値の平均をとることにより、平均最小間隔Saを求めることができる。
一方、本実施の形態においては、第2単位光学要素55は互いに隙間をあけることなく配列されている。したがって、本体部45のシート面上における一方向へ直交する方向に沿った第2単位光学要素55の配列ピッチP2は、第2単位光学要素55の幅W2に相当する。
第1単位光学要素50の平均最小間隔Saが、第2単位光学要素55の配列ピッチP2以上となっている場合、必ず、第2単位光学要素55の配列方向(前記一方向に直交する方向)に沿って隣り合う二つの第1単位光学要素50の間に、少なくとも一つの第2単位光学要素55が存在するようになる(図3参照)。言い換えると、図3によく示されているように、一方向に沿って隣り合う二つの第1単位光学要素50の間を、その他の第1単位光学要素50によって覆われること無く延びる一つの第2単位光学要素55(厳密には、一つ分の第2単位光学要素55に相当する出光側面)が延在することになる。この結果、第1単位光学要素50によって害されることなく、隣り合う二つの第1単位光学要素50の間で、第2単位光学要素55が期待された光学的機能を発揮しているものと推定される。第2単位光学要素55の光学的機能が十分に発揮されると、正面方向輝度の向上や輝度の面内分布の均一化といった本来的な目的が実現されるだけでなく、上述したように、法線方向に大きく傾斜した方向に進みサイドローブをなすようなる光も発生するようになる。そして、このサイドローブをなすようなる光は、第1単位光学要素50からの上述した光学作用を及ぼされ、正面方向輝度の向上に寄与するようになるものと推測される。ただし、本件発明はこの推測に限定されるものではない。
以上のような本実施の形態によれば、集光機能を有した第2光学シート40が、第2光学シート40の出光側に配置された第1光学シート35と接合されて、第1光学シート35と第2光学シート40とからなる光学部材30が形成されている。第2光学シート40は、本体部45と、本体部45の出光側面46に二次元配列された第1単位光学要素50と、本体部45の出光側面46に一次元配列された第2単位光学要素55と、を有している。第1単位光学要素50の本体部40から出光側への突出高さH1は、第2単位光学要素55の本体部40から出光側への突出高さH2よりも高い。この結果、第2光学シート40は、第1単位光学要素50の頂部50aを介して第1光学シート35へ接合され、第2単位光学要素55は第1光学シート35から離間している。
このような本実施の形態によれば、第1光学シート35と第2光学シート40が互いに接合されているので、光学部材30の置かれている場所での環境条件(温度や湿度等)に変化が生じたとしても、第1光学シート35および第2光学シート40が互いに拘束し合い、光学部材30に反り、曲がり、ねじれ等の変形が生じることを防止することができる。
また、第1光学シート35および第2光学シート40の接合箇所は、各第1単位光学要素50の頂部50aによって画成され、光学部材30の面内に二元的に分散している。このため、各第1単位光学要素50によって画成される各接合箇所の面積が小さくとも、第1光学シート35および第2光学シート40を強固に接合することができる。これにより、各第1単位光学要素50によって画成される接合箇所に起因したモアレや、各第1単位光学要素50によって画成される接合箇所そのものが視認されることを効果的に防止することができる。
また、第1単位光学要素50の突出高さH1を一定とすることにより、第1光学シート35および第2光学シート40との間隔を光学部材30の面内で一定とすることができる。これにより、縞状の模様や皺状の模様、さらには干渉縞が視認されるといった不具合を効果的に防止することができる。
さらに、第2単位光学要素55が第1光学シート35から離間して配置されているので、第1光学シート35との接触とに起因した第2単位光学要素55の光学性能の劣化を回避することができ、第2単位光学要素55が期待された光学機能を発揮することができる。また、第2光学シート40において、第1単位光学要素50は比較的に低い充填率で設けられている。したがって、第2単位光学要素55の集光機能が有効に発揮され、結果として、光学部材30として、上述した作用効果とともに高い正面方向輝度を合わせて確保することが可能となる。とりわけ、第2光学シート40における第1単位光学要素50の充填率を30%以下とすることにより、光学部材の入光側の光学シートとして、第2単位光学要素のみが設けられ第1単位光学要素が設けられていない光学シートを用いた場合(例えば、図11または図12に示された光学部材130a,130bが用いられた場合)と比較して、正面方向輝度を向上せることができた。
とりわけ、上述した実施の形態によれば、第1単位光学要素50の主切断面における断面形状が円形状の一部または楕円形状の一部に相当する形状を、出光側頂部50aを含む領域に、含んでおり、且つ、第2単位光学要素55の主切断面における断面形状が三角形形状となっている。このような例によれば、第2単位光学要素55からの光学作用によって、優れた正面方向輝度を確保し得るだけでなく、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55からの相乗的な光学作用によって、この優れた正面方向輝度をさらに向上させることができる。また同時に、第1単位光学要素50によって、第2単位光学要素55が他の部材と接触することを防止し、先鋭な先端部を有する第2単位光学要素55を保護することができる。したがって、第2単位光学要素55の頂部に面取り加工等を施す必要もなく、光学特性を追求した形状を第2単位光学要素55に付与することができる。
さらに、以上のようにして正面方向輝度を向上させることができるため、第1光学シート35に強い拡散機能を付与したり面光源装置20に別途の光拡散シートを配置したとしても、面光源装置20の出光面21において或る程度の正面方向輝度を確保することができる。すなわち、面光源装置20の出光面21における正面方向輝度を維持しながら、面光源装置20の出光面21で測定される輝度の角度分布の変化をより滑らかにすること、輝度の面内部分をさらに均一化させること、光源25の像を目立たなくさせること、表示装置10の視野角を拡大させることが可能となる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
上述した実施の形態において、第1単位光学要素50が、球体の一部分または回転楕円体の一部分に相当する形状を有している例を示したが、これに限られない。例えば、第1単位光学要素が、本体部45から突出する円錐台と、この円錐台上に配置された半球と、を組み合わせてなる形状を有するようにしてもよい。また、上述した実施の形態において、第2光学シート40の法線方向ndに沿った断面において、第1単位光学要素50が、円形状の一部分または楕円形状の一部分に相当する形状を有する例を示したが、これに限られない。例えば、第1単位光学要素が、第2光学シート40の法線方向ndに沿った断面において、本体部45から突出する台形と、この台形上に配置された半球と、を組み合わせてなる形状を有するようにしてもよい。さらに、上述した実施の形態において、第1単位光学要素50の底面(本体部45に接続する面)が円形状からなる例(図3参照、即ち第2光学シート40のシート面の法線ndを回転軸とする回転体となる例)を示したが、これに限られない。例えば、第1単位光学要素の底面が、楕円となる形状、或は三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形形状として形成されてもよい。さらに、上述した実施の形態において、第2光学シート40の第1単位光学要素50がすべて同一の構成を有する例を示したが、これに限られない。例えば、高さ、断面形状および底面形状等の少なくとも一つが互いに異なる複数種類の第1単位光学要素50が、第2光学シート40に含まれていてもよい。
また、上述した実施の形態において、第1単位光学要素50が、本体部45の一方の面46上において、互いから60°傾斜した二つの方向に沿って、当該二つの方向間で互いに同一な一定のピッチで並べて配列されている例を示したが、これに限られず、その他の態様で、第1単位光学要素50が、本体部45の一方の面46上に規則的な配列で設けられていてもよい。例えば、第1単位光学要素50が、本体部45の一方の面46上において、直交する二方向に沿って、二方向間で互いに同一の一定ピッチで並べて配列されるように(正方格子状に配列されるように)してもよい。なお、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上に規則的な配列で設けられる場合、例えば、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上において異なる複数方向の各々に、方向間で互いに同一または異なる一定のピッチで、配列されている場合には、図7および図8に示すように、本体部45の一方の面46上において第1単位光学要素50が一定のピッチで配列されている複数の方向のうちの最短ピッチでの配列方向が、第2単位光学要素55の配列方向と交差していること、すなわち、第2単位光学要素55の配列方向に傾斜または直交していること、さらに言い換えると、第2単位光学要素55の配列方向と非平行となっていることが好ましい。なお、最短ピッチでの配列方向が複数ある場合には、最短ピッチでの配列方向のすべてが第2単位光学要素55の配列方向と交差していることが好ましい。さらに、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上に規則的な配列で設けられる場合には、例えば、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上において異なる複数方向の各々に一定ピッチで配列されている場合には、図8に示すように、本体部45の一方の面46上において第1単位光学要素50が一定のピッチで配列されている複数の方向が、すべて、第2単位光学要素55の配列方向と交差していることが好ましい。
このように第1単位光学要素50の配列方向を第2単位光学要素55の配列方向に対して位置決めすることによれば、第1単位光学要素50の配列および第2単位光学要素55の配列に起因した第2光学シート40内におけるモアレ、即ち、両単位光学要素50、55相互の干渉によるモアレ(以下、単にモアレと呼称する)を目立たなくせることができる。
なお、図7および図8に示す例においては、第1単位光学要素50は、図3に示す例と同様に、互いに対して60°ずつ傾斜した第1方向d1、第2方向d2および第3方向d3のそれぞれに同一の一定ピッチP1で配置されており、これにともなって、第1〜第3方向d1,d2,d3とは異なるその他の方向(例えば図8における第4方向d4)にも、第1〜第3方向d1,d2,d3における配列ピッチP1よりも長い一定ピッチ(例えば図7および図8におけるピッチP1a)で、配列されている。そして、図7および図8に示す例では、本体部45の一方の面46上において第1単位光学要素50が一定のピッチで配列されている複数の方向のうちの最短ピッチでの三つの配列方向d1〜d3のすべてが、第2単位光学要素55の配列方向に対して交差している(但し、図7の形態に於いては、第4方向d4のみ第2単位光学要素55の配列方向と一致する)。さらに図8に示す例では、本体部45の一方の面46上において第1単位光学要素50が一定のピッチで配列されている複数の方向(例えば第1〜第4方向d1〜d4)が、全て、第2単位光学要素55の配列方向に対して交差している。
また、上述した実施の形態によれば、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上に規則的な配列で設けられている例を示したが、これに限られず、第1単位光学要素50が本体部45の一方の面46上に不規則的な配列で設けられていてもよい。第1単位光学要素50を本体部45の一方の面46上にランダムに配列する方法の一例として、次の方法を挙げることができる。
まず、本体部45の一方の面46上に規則的な配列で位置決めされた基準点52を、第1単位光学要素50の配置中心を決定する上での(仮想的な)基準位置として、決定する。例えば、本体部45の一方の面46上において異なる複数方向の各々に、方向間で互いに同一または異なる一定間隔で、基準点52が位置決めされるようにする。一例としての図9に示す例での基準点52は、上述の図7の第2光学シート40における第1単位光学要素50の各配置中心51と同一の位置に決定されており、図10に示す例での基準点52は、上述の図8の第2光学シート40における第1単位光学要素50の各配置中心51と同一の位置に決定されている。
次に、基準点52の位置、または、別の第1単位光学要素と接触しないように基準点52からずらされた位置に、第1単位光学要素50の一方の面46上における各配置位置51が決定される。具体的な手法としては、まず、各基準点52から、任意の方向へ、0以上所定の上限値(例えば、隣り合う二つの基準点の最小間隔)以下の長さだけずれた位置に、第1単位光学要素50の配置中心53(これも仮想的な位置)を仮決めする。この方法においてずれ量が0の場合には、基準点52の位置に、第1単位光学要素50の配置中心53が仮決めされることになる。そして、仮決めされた各配置中心53に第1単位光学要素50を配置しても、当該第1単位光学要素50と別の第1単位光学要素50とが接触乃至は交叉しない場合には、当該仮決めされた配置中心53を、第1単位光学要素50の配置中心51(現実的な位置)として採用する。一方、仮決めされた各配置中心に第1単位光学要素50を配置すると、当該第1単位光学要素50と別の第1単位光学要素50とが接触乃至は交叉してしまう場合には、再度、対応する基準点52から、任意の方向へ、0以上所定の上限値(例えば、隣り合う二つの基準点の最小間隔)以下の長さだけずれた位置に、第1単位光学要素50の配置中心53を仮決めし、仮決めされた配置中心53に第1単位光学要素50を配置した場合に、第1単位光学要素50同士の接触が生じるかどうかを確認する。
以上の作業を繰り返して、図9および図10に示すように、本体部45の一方の面46上における第1単位光学要素50の各配置中心が決定され、第1単位光学要素50を本体部45の一方の面46上に不規則な配列で配置することができる。このようにして第1単位光学要素50を本体部45の一方の面46上にランダムに配列した場合には、第1単位光学要素50が本体部45上に偏って配置されることに起因した明るさ(輝度)の面内ばらつきの発生を防止しながら、第1単位光学要素50の配列および第2単位光学要素55の配列に起因した第2光学シート40内におけるモアレを目立たなくせることができる。
ところで、上述した方法において基準点52を規則的な配列で位置決めする場合、例えば、本体部45の一方の面46上において異なる複数方向の各々に一定ピッチで基準点52を位置決めする場合には、図9および図10に示すように、本体部45の一方の面46上において基準点52が一定のピッチで配列されている複数の方向のうちの最短ピッチでの三つの配列方向d1〜d3が、第2単位光学要素55の配列方向と交差(傾斜または直交)していることが好ましい。さらに、上述した方法において基準点52を規則的な配列で位置決めする場合、例えば、本体部45の一方の面46上において異なる複数方向の各々に一定ピッチで基準点52を位置決めする場合には、図10に示すように、本体部45の一方の面46上において基準平面52が一定のピッチで配列されている複数の方向(例えば第1〜第4方向d1〜d4)が、すべて、第2単位光学要素55の配列方向と交差しているが好ましい。
このように第1単位光学要素50を配置する上での基準となる基準点52の配列方向を第2単位光学要素55の配列方向に対して位置決めすることによれば、第1単位光学要素50の配列および第2単位光学要素55の配列に起因した第2光学シート40内におけるモアレをさらに効果的に目立たなくせることができる。
さらに、上述した実施の形態において、第2単位光学要素55が、断面において、二等辺三角形形状を有する例を示したが、これに限られない。例えば、第2単位光学要素55の断面形状が、諸特性付与等の目的で、三角形形状に変調、変形を加えた形状であってもよい。具体例として、光学機能を適宜調整するために第2単位光学要素55の断面形状が、三角形のいずれか一以上の辺が折れ曲がった(屈曲した)形状、三角形のいずれか一以上の辺が湾曲した形状(所謂扇形)、三角形の頂点近傍を湾曲させて丸みを帯びさせた形状、三角形のいずれか一以上の辺に微小凹凸を付与した形状であってもよい。また、第2単位光学要素55の断面形状が、三角形形状以外の形状、例えば台形等の四角形、五角形、或は六角形等の種々の多角形形状を有するようにしてもよい。さらに、第2単位光学要素55が、断面において、円または楕円形状の一部分に相当する形状を有するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第2光学シート40の第2単位光学要素55がすべて同一の構成を有する例を示したが、これに限られない。高さ及び断面形状等の少なくとも一つが互いに異なる複数種類の第2単位光学要素が、第2光学シート40に含まれていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、隣り合う第2単位光学要素55が、隣接して隙間無く配置される例を示したが、これに限られず、隣り合う第2単位光学要素55が隙間を空けて配置され、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55のいずれも配置されていない領域が、本体部45の一方の面46に設けられるようにしてもよい。
さらに、第2光学シート40が光を拡散させる拡散機能を有するようにしてもよい。例えば、本体部45が一方の面46と他方の面47との間に光拡散層(中間マット層)を有するようにしてもよい。このような光拡散層(中間マット層)は、基部と、基部中に分散された光拡散剤と、を有する層として構成され得る。光拡散剤を含む光拡散層は、例えば、光拡散剤が光反射機能を有することにより、あるいは、光拡散剤が基部とは異なる屈折率を有することにより、光拡散機能を付与され得る。また他の例として、本体部45の他方の面47が光拡散層(裏面マット層)によって形成されるようにしてもよい。このような光拡散層(裏面マット層)は、上述した中間マット層と同様の光拡散剤を有した層、あるいは、エンボス加工やヘアライン加工等によって形成された凹凸面を有した層として構成され得る。
さらに、光学部材30が帯電防止層を含むようにしてもよい。例えば、第2光学シート40または第1光学シート35に帯電防止層を加えることにより、光学部材30全体に帯電防止機能を発現させることもできる。この変形例によれば、埃等の異物付着を低減することができ、光学特性に与える悪影響を抑制することができる。
さらに、光学部材30が、最入光側面(入光面)をなす反射防止層を含むように形成されていてもよい。例えば、第2光学シート40の最入光側面が反射防止層によって形成されることにより、光の利用効率を向上させることができる。なお、反射防止層は、出光側に隣接する層(例えば本体部45)よりも屈折率が低い層(低屈折率層)の単層として形成されていてもよい。あるいは、反射防止層が、屈折率の低い層(低屈折率層)と、当該屈折率の低い層と比較して屈折率の高い層(高屈折率層)と、が交互に配置された複数の層であって、最入光側が屈折率の低い層(低屈折率層)となっている複数の層として、形成されていてもよい。さらに、反射防止層が、特開昭50−70040号公報記載の如くの、光波長以下のピッチで配列された複数の入光側の突出する突起であって、各々が入光側に向けて次第に本体部45のシート面と平行な断面での断面積を小さくしていく、複数の突起を有したモスアイ(moss-eye)型の層として形成されていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第1光学シート35の入光面35bを面状に覆う接着剤層38が設けられ、この接着剤層38に、第2光学シート40の各第1単位光学要素50の頂部50aが接着している例を示したが、これに限られない。点状の接着剤層が、二次元的に分散して、第1光学シート35の入光面35b上に多数設けられ、各接着剤層に、第2光学シート40の各第1単位光学要素50の頂部50aが接着しているようにしてもよい。このような変形例に係る光学部材は、例えば、まず、グラビアコーターによって接着剤を第2光学シート40の第1単位光学要素50の頂部50a上のみに塗布し、その後、接着剤を塗布された第2光学シート40に第1光学シート35を重ね合わせることにより、作製され得る。
ところで、上述した実施の形態における接着剤層38および変形例として説明した接着剤層38を構成する接着剤の材料としては、公知の材料の中から適宜選択すれば良く、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、ゴム等の樹脂からなる粘着剤が挙げられる。必要に応じて、適宜、公知の粘着付与剤、可塑剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
尚、上述してきたように第2光学シート40に於いては、光学的機能、特に集光機能の主要部分を受け持つ第2単位光学要素55の出光側面は全て空気層との接触が確保され、其の光学機能は全うされる。但し、前記の如き理由によって、第1単位光学要素50と接着剤層38とが接する領域に於いては、出光側面内外の屈折率差が、第1単位光学要素155が空気と接している領域に比べて縮小する。このた為、出光側面に入射する図2及び図4のL22、L41〜L44及びL49aの如き光に対する反射光量及び屈折(透過)光量は共に低下する。
本明細書で説明する第2光学シート40に於いて、斯かる第1単位光学要素50と接着剤層38との接触領域に於ける集光機能及び光拡散機能の低下も改善し、2枚重ねた光学シートの変形防止と各光学シートの光学機能の完全な発現とを両立させる為には、接着剤層38の屈折率を第1単位光学要素50の屈折率よりも小さく設定することが好ましい。接着剤層38の屈折率を第1単位光学要素50の屈折率よりも小さくすることによって、第1単位光学要素50の出光側面に於いて、図2の光L22或いは図4の光L49aの如き光に対する全反射を確保することができる。其の為、光L22或いはL49aの全反射によって発現される、サイドローブ光の正面方向光への転換及び再利用の効果が保持される。
若し、逆に、接着剤層38の屈折率が第1単位光学要素50の屈折率よりも大の場合は、第1単位光学要素50から出光側面に入射する光L22或いはL49aに対する全反射が生じ無くななり、その結果、斯かるサイドローブ光の正面方向光への転換及び再利用の効果も奏さ無くなるか或いは大幅に低減する。
又、第1単位光学要素50の出光面に於ける図2或いは図4に図示の如き光の屈折及び反射をより確実に維持する為には、接着剤層38の屈折率と第1単位光学要素50の屈折率との差はできるだけ大きい方が良く、此の點も考慮すると、接着剤層38の屈折率はできるだけ小さい方が(できるだけ空気の屈折率1.00に近い方が)良い。具体的には、接着剤層38の屈折率は、第1単位光学要素50の屈折率よりも0.10以上小さくすることが好ましく、0.14以上小さくすることが更に好ましい。
尚、接着剤層38の屈折率を第1単位光学要素50の屈折率を低下させ、所望の低屈折率のものとするに際して、前記樹脂系の接着剤単体では不十分な場合は、前記樹脂系の接着剤中に、低屈折率材料からなる平均粒径0.01〜1μm程度の粒子を0.1〜30質量%程度添加する。斯かる低屈折率材料としては、SiO(屈折率n=1.45)、MgF(屈折率n=1.38)、LiF(屈折率n=1.36)、NaF(屈折率n=1.33)、CaF(屈折率n=1.44)、3NaF・AlF(屈折率n=1.4)、AlF(屈折率n=1.37)、NaAlF(屈折率n=1.33)等が用いられる。
また、そもそも、第1光学シート35および第2光学シート40は、接着剤を用いて、互いに対して接合される必要はなく、その他の既知の接合方法、一例として超音波接合により、互いに対して接合されるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第1光学シート35が、光を拡散させる機能を有した光拡散シートとして機能する例を示したが、これに限られず、第1光学シートは、入射光に対して種々の光学作用を及ぼし得る種々の光学シートとして構成され得る。例えば、第1光学シートは、配列方向の並べられた複数の単位光学要素であって各々が配列方向と交差する方向に延びている複数の単位光学要素を有した光学シート(プリズムシート、レンズシート)であってもよい。この場合、光学部材30の法線方向ndからの観察において、第1光学シートの単位光学要素の配列方向と、第2光学シートの第2単位光学要素との配列方向とが交差するようにして、第1光学シートおよび第2光学シートが配置されるようにしてもよい。
また、第1光学シートが、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55を含んでなる上述の第2光学シート40と同様に構成されていてもよい。この場合、光学部材30の法線方向からの観察において、第1光学シートの第2単位光学要素の配列方向と第2光学シートの第2単位光学要素との配列方向とが交差するようにして、第1光学シートおよび第2光学シートが配置されるようにしてもよい。
さらに、第1光学シートが、二次元配列された単位光学要素(単位レンズ)を含むマイクロレンズシート(フライアイレンズシート)として構成されていてもよい。
さらに、第1光学シートが、特定の偏光成分の光を透過し前記特定の偏光成分とは異なる他の偏光成分の光を反射する反射型の偏光分離フィルムとして構成されていてもよい。偏光分離フィルムとしては、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。また、「DBEF」以外にも、韓国Shinwha Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」や、あるいは、ワイヤーグリッド偏光子等を用いることができる。
さらに、第1光学シートが、特定の偏光成分の光を透過し前記特定の偏光成分とは異なる他の偏光成分の光を吸収する偏光板として構成されていてもよい。例えば透過型表示部15が液晶表示パネルとして構成されている場合のように、透過型表示部15の再入光側に、偏光板が配置されることがある。この偏光板が、第1光学シートとして、第2光学シート40と接合されるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、細長状の第2単位光学要素55の配列方向と、細長状の光源25の配列方向が、平行となっている例を示したが、これに限れない。細長状の第2単位光学要素55の配列方向と、細長状の光源25の配列方向が、交差していてもよく、一例として直交していてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、面光源装置20の光源25の発光部が、線状に延びる冷陰極線管からなる例を示したが、これに限られない。光源25として、点状のLED(発光ダイオード)や面状のEL(電場発光体)等からなる発光部を用いることも可能である。また、上述した実施の形態において、光学部材30が直下型の面光源装置20に適用されている例を示したが、これに限られない。上述した光学部材30を、例えばエッジライト型(サイドライト型等とも呼ばれる)の面光源装置に適用することも可能であり、このような場合においても、光学部材30は直下型の面光源装置20に適用された場合と略同様の作用効果を奏することができる。
さらに、上述した実施の形態において、光学部材30が組み込まれた面光源装置20および表示装置10の全体構成の一例を説明したが、これに限られない。一例として、拡散板22を削除または別の部材と置き換えてもよいし、反射型の偏光分離フィルムや集光シート等の他のシート状部材を追加して面光源装置20および表示装置10に組み込むようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜9に係る面光源装置、比較例A1〜A3に係る面光源装置、比較例Bに係る面光源装置、並びに、比較例C1〜C2に係る面光源装置を作製した。作製された各面光源装置について、正面方向輝度、変形の有無、および、外観異常の有無を評価した。
〔面光源装置の構成〕
(実施例1〜9および比較例A1〜A3)
実施例1〜9に係る面光源装置および比較例A1〜A3に係る面光源装置は、上述した実施の形態と同様に、細長状に延びる複数の冷陰極管からなる光源と、光源を取り囲む反射板と、光源の出光側に配置された拡散板と、拡散板の出光側に配置された光学部材と、を有するようにした。また、光学部材は、上述した実施の形態と同様に、第1光学シートと、第2光学シートと、第1光学シートおよび第2光学シートを互いに接合するための接着剤層とした。実施例1〜9に係る面光源装置および比較例A1〜A3に係る面光源装置の間において、第2光学シート以外の面光源装置の部材は、互いに同一のものを使用した。光源、反射板、拡散板、および、光学部材の第1光学シートは、市販されている液晶表示装置に組み込まれていたものを使用した。なお、光学部材の第1光学シートとして、面光源装置の発光面をなす拡散機能を有した部材(いわゆる上拡散シート)を用いた。
光学部材の接着剤層は、屈折率1.49のアクリル系接着剤からなる厚さ5μmの層として、第1光学シートの入光面に積層し、各面光源装置間で共通の構成とした。
光学部材の第2光学シートは、上述した実施の形態における第2光学シートと同様に、シート状の本体部と、本体部の一方の面上に設けられた第1単位光学要素と、本体部の一方の面上に配列され、各々が本体部のシート面上の一方向と平行に延びる、複数の第2単位光学要素と、を有するように構成した。各面光源装置間に含まれた第1単位光学要素を互いに同一に構成し、また、各面光源装置間に含まれた複数の第2単位光学要素を互いに同一に構成した。第1単位光学要素の突出高さは、第2単位光学要素の突出高さよりも高くなるようにした。このため、上述した実施の形態と同様に、第1単位光学要素のみが接着剤層に接触し、第2単位光学要素が接着剤層から離間するようにした。
実施例1〜9に係る面光源装置および比較例A1〜A3に係る面光源装置における光学部材の第2光学シートにおいて、第1単位光学要素は、図9または10を参照しながら説明した不規則的な配列で、本体部の一方の面上に配置した。また、第1単位光学要素は概ね球の一部分に相当する形状に構成した。実施例1〜9に係る面光源装置および比較例A1〜A3に係る面光源装置における光学部材の第2光学シートにおいて、第2単位光学要素の配列方向と光源(冷陰極管)の配列方向とが平行となるようにした。また、各面光源装置に係る第2光学シートにおいて、第2単位光学要素は、その配列方向にそって隙間なく並べた。さらに、各面光源装置に係る第2光学シートにおいて、第2単位光学要素は、正面方向を中心として対称となるようにして配置された直角二等辺三角形状を断面形状として有すようにし、且つ、断面三角形形状の直角の頂角に面取りを施さなかった。
各面光源装置における、第2光学シートの形状寸法および配列間隔等の構成は、表1に示すとおりとした。表1において、「屈折率」は、第1単位光学要素および第2単位光学要素をなす材料の屈折率であり、何れも接着剤層の屈折率よりも0.10小さく設定されている。表1中の「W1」は、本体部上において第1単位光学要素の底面をなす円の直径の値であり、図3および図4に示されたW1に対応する寸法である。表1中の「H1」および「H2」は、それぞれ、第1単位光学要素および第2単位光学要素の本体部からの法線方向に沿った高さであり、図4に示されたH1およびH2に対応する寸法である。表1中の「充填率」は、第2光学シートを法線方向ndに沿って出光面側から観察した場合における、本体部の一方の面のうちの第1単位光学要素が占めている領域の割合である。表1中の「P2」は、第2単位光学要素の配列方向に沿った第2単位光学要素の配列ピッチの大きさであり、図3および図4に示されたP2に対応する寸法である。
(比較例B)
比較例Bに係る面光源装置は、実施の形態に係る面光源装置の光学部材に代えて図11を参照しながら説明した光学部材を含む点において、実施例1〜9に係る面光源装置および比較例A1〜A3に係る面光源装置とは異なり、その他において同一とした。したがって、比較例Bに係る面光源装置においては、第2光学シートに第1単位光学要素が設けられておらず、第2光学シートの第2単位光学要素(単位プリズム)の頂部が、第1光学シートの入光面に形成された面状の接着剤層に接触することにより、第1光学シートおよび第2光学シートが互いに接合されるようにした。
比較例Bに係る面光源装置の第2光学シートの形状寸法および配列間隔等の構成は、表1に示すとおりとした。表1において、「屈折率」は、第2単位光学要素をなす材料の屈折率である。表1中の「H2」および「P2」は、第2単位光学要素の高さおよび配列ピッチを示している。
(比較例C1〜C2)
比較例C1〜C2に係る面光源装置は、実施の形態に係る面光源装置の光学部材に代えて図12を参照しながら説明した光学部材を含む点において、実施例1〜9に係る面光源装置および比較例A1〜A3に係る面光源装置とは異なり、その他において同一とした。したがって、比較例C1〜C2に係る面光源装置においては、第2光学シートに第1単位光学要素を設けなかった。また、第1光学シートの入光面に接着剤層を形成することに代えて、接着剤で被覆された粒子を第2光学シートの第1単位光学要素上に設けた。そして、接着剤で被覆された粒子を介して第1光学シートおよび第2光学シートが互いに接合されるようにした。
比較例C1〜C2に係る面光源装置において、粒子は、屈折率が1.49で平均粒径が30μmのアクリル系ビーズを用いた。粒子を被覆する接着剤として、アクリル系接着剤を用いた。比較例C1〜C2に係る面光源装置のその他の形状寸法および配列間隔等の構成は、表1に示すとおりとした。表1における「充填率」は、第2光学シートを法線方向ndに沿って出光面側から観察した場合における、本体部の一方の面のうちの接着剤付き粒子が占めている領域の割合である。表1において、「屈折率」は、第2単位光学要素をなす材料の屈折率である。表1中の「H2」および「P2」は、第2単位光学要素の高さおよび配列ピッチを示している。
〔評価方法〕
(評価方法1)
発光した状態の各面光源装置について、発光面で正面方向輝度(cd/m2)を測定した。輝度の測定には、トプコン製のBM−7を用いた。輝度測定結果を表1に示す。表1においては、比較例Bの面光源装置についての測定値に対する、各面光源装置についての測定値の割合を百分率で表している。また、実施例1〜9に係る面光源装置、比較例A1〜A3に係る面光源装置および比較例Bに係る面光源装置についての正面方向輝度の測定結果を、図13に示す。
(評価方法2)
発光した状態の各面光源装置について、外観異常の有無を調査した。比較例C1〜C2に係る面光源装置については、縞状模様(干渉縞)が生じていた。この干渉縞は、光学部材の厚さばらつき、言い換えると、光学部材における第1光学シートと第2光学シートとの間隔のばらつきに起因しているものと推測された。また、比較例Bに係る面光源装置については、うっすらと、ストライプ状の模様が視認された。
(評価方法3)
各面光源装置の光学部材を加熱炉で80℃まで加熱し、反り、曲がり、ねじれ等の変形の有無を調査した。比較例C1〜C2の光学部材について、変形が生じていた。また、比較例C1〜C2の光学部材では、第1光学シートと第2光学シートとの接合が部分的に剥がれ、第1光学シートと第2光学シートとの接合状態が部分的に弱くなっていた。また、実施例1,2に、実際の面光源装置としての使用に支障を来さない程度の変形が生じていた。その他の面光源装置については、変形が生じていなかった。
Figure 2012073488
10 表示装置
15 透過型表示部
20 面光源装置
25 光源
30 光学部材
35 第1光学シート
38 接着剤層
40 第2光学シート
41 入光面
42 出光面
45 本体部
46 一方の面(出光側面)
47 他方の面(入光側面)
50 第1単位光学要素
50a 頂部
51 配置中心
52 基準点
55 第2単位光学要素

Claims (11)

  1. 第1光学シートと、
    前記第1光学シートに対向して配置された第2光学シートと、を備え、
    前記第2光学シートは、
    シート状の本体部と、
    前記本体部の前記第1光学シートの側となる一方の面上に設けられ、互いに間隔をあけて配列された三個以上の第1単位光学要素と、
    前記本体部の前記一方の面上のうち前記第1単位光学要素で覆われていない領域を覆うように配列され、各々が、前記本体部の前記一方の面上の一方向と平行に延びる、複数の第2単位光学要素と、を有し、
    前記第1単位光学要素の前記一方の面からの高さは、前記第2単位光学要素の前記一方の面からの高さよりも高く、
    前記第2光学シートは、前記第1単位光学要素の頂部において、前記第1光学シートと接合され、前記第2単位光学要素は前記第1光学シートから離間しており、
    前記第2光学シートの法線方向から前記第2光学シートを観察した場合に、前記一方の面上において前記第1単位光学要素が占めている領域の割合は、30%以下である、光学部材。
  2. 前記複数の第1単位光学要素の前記一方の面からの高さは一定となっている、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、前記第2光学シートの前記本体部の前記一方の面上に不規則的な配列で設けられている、請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、前記第2光学シートの法線方向と平行な断面において、楕円の一部分または円の一部分に相当する形状を含んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記第2光学シートの法線方向と平行であり且つ前記一方向と直交する断面において、前記第2光学シートの前記第2単位光学要素は三角形形状となっている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記第2光学シートの前記第1単位光学要素は、回転楕円体の一部に相当する形状または球の一部に相当する形状を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 前記第2光学シートは、前記第1光学シートに接着剤を介して接合されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学部材。
  8. 前記接着剤の屈折率が、前記第1単位光学要素の屈折率よりも小である、請求項7に記載の光学部材。
  9. 光源と、
    前記光源からの光を受ける請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学部材と、を備える、面光源装置。
  10. 透過型表示部と、
    前記透過型表示部に対向して配置された請求項9に記載の面光源装置と、を備える、表示装置。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学部材を備え、
    前記第1光学シートは、特定の偏光成分の光を透過し前記特定の偏光成分とは異なる他の偏光成分の光を吸収する偏光板である、表示装置。
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