JP6020687B1 - 導光板、面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
面光源装置は、大きく分けて、各種光学シート等の光学部材の直下に光源を配置する直下型のものと、光学部材の側面側に光源が配置されるエッジライト型のものがある。このうち、エッジライト型の面光源装置は、光源を導光板等の光学部材の側面側に配置することから、直下型のものに比べて面光源装置をより薄型化できるという利点を有し、近年広く用いられている。
そして、導光板の背面に設けられた拡散パターンやプリズム形状等によって光の進行方向を変化させることにより、出光面の導光方向に沿った各位置から少しずつ光がLCDパネル側へ出光していく(例えば、特許文献1)。
このような導光板は、表示装置に用いられる場合に、導光板の出光面上にプリズムシート等の偏向光学シートが積層されるため、上述のように導光板の出光面に出光側単位光学形状が設けられている場合、偏向光学シートは、導光板の隣り合う出光側単位光学形状間の境界部と接触することとなり、導光板及び偏向光学シートの接触面積が非常に狭くなる。
請求項1の発明は、光が入射する入光面(13a)と、前記入光面に交差し光が出射する出光面(13c)と、前記出光面に対向する背面(13d)とを有し、前記入光面から入射した光を導光方向に導光しながら前記出光面から出射する導光板(13)であって、前記出光面には、出光側単位光学形状(135)が、前記導光方向(X方向)に垂直であって該導光板の厚み方向(Z方向)に垂直な方向(Y方向)に複数配列されており、前記出光側単位光学形状は、前記導光方向に延在し、前記出光面から窪んだ溝形状に形成されており、隣り合う前記出光側単位光学形状間には、該導光板の厚み方向において最も出光側(Z2側)に位置し、前記出光面に略平行な平坦部(136)が設けられており、前記平坦部(136)は、前記出光側単位光学形状(135)の配列方向(Y方向)における幅寸法tが、0.5μm≦t≦2.5μmであること、を特徴とする導光板である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の導光板(13)において、前記平坦部(136)は、前記出光側単位光学形状(135)の配列方向(Y方向)における幅寸法tが、0.5μm≦t≦2.0μmであること、を特徴とする導光板である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の導光板(13)において、前記出光側単位光学形状(135)は、前記溝形状の底部(135c)が前記背面(13d)側に凹となる凹曲面(135a)に形成されていること、を特徴とする導光板である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の導光板(13)において、前記背面(13d)に、背面側単位光学形状(131)が前記導光方向に複数配列され、前記背面側単位光学形状は、背面側に凸であり、その配列方向に平行であって該導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が略四角形形状であり、入光面側に位置する第1斜面部(132)と、これに対向して他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部(133)と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間に位置する頂面部(134)とを有し、前記頂面部は、該導光板の背面側に配置される反射部材と接触する接触部(134d)を備えること、を特徴とする導光板である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の導光板(13)と、前記導光板の前記入光面(13a)に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部(12)と、前記導光板の出光面(13c)側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シート(15)と、を備える面光源装置(10)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の面光源装置(10)と、前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部(11)と、を備える透過型表示装置(1)である。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態の透過型表示装置1を説明する図である。
本実施形態の透過型表示装置1は、LCDパネル11と面光源装置10とを備えている。透過型表示装置1は、LCDパネル11を背面側から面光源装置10で照明し、LCDパネル11に形成される映像情報を表示する。
なお、図1を含め以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、透過型表示装置1の使用状態において、透過型表示装置1の画面に平行であって互いに直交する2方向をX方向(X1−X2方向)、Y方向(Y1−Y2方向)とし、透過型表示装置1の画面に直交する方向をZ方向(Z1−Z2方向)とする。なお、Z方向においてZ1側が背面側であり、Z2側は観察者側である。
本実施形態の透過型表示装置1の画面は、LCDパネル11の最も観察者側の面(以下、表示面という)11aに相当し、透過型表示装置1の「正面方向」とは、この表示面11aの法線方向であり、Z方向に平行であり、後述するプリズムシート15のシート面への法線方向や導光板13の板面等への法線方向と一致するものとする。
このLCDパネル11は、略平板状である。LCDパネル11の外形及び表示面11aは、Z方向から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
この面光源装置10を構成する導光板13、反射シート14、プリズムシート15、光拡散シート16等は、正面方向(Z方向)から見て矩形形状であり、X方向に平行な対向する2辺と、Y方向に平行な対向する2辺とを有している。
光源部12は、点光源121がY方向に所定の間隔で複数配列されて形成されている。この点光源121は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いている。なお、光源部12は、例えば、冷陰極管等の線光源としてもよいし、Y方向に延在するライトガイドの端面に光源を配置した形態としてもよい。また、光源部12の発する光の利用効率を向上させる観点から、光源部12の外側を覆うように不図示の反射板を設けてもよい。
この導光板13は、光源部12が発する光を入光面13aから入射させ、出光面13cと背面13dとで全反射させながら、入光面13aに対向する対向面13b側(X2側)へ、主としてX方向に導光しながら、出光面13cからプリズムシート15側(Z2側)へ適宜出射させる。
以下、導光板13の各部について説明する。
図3は、本実施形態の出光側単位光学形状135の詳細を説明する図である。図3では、図2(a)に示す導光板13のYZ面に平行な断面の一部をさらに拡大して示している。
導光板13は、図2に示すように、出光面13cには、出光側単位光学形状135が複数配列して形成され、背面13dには、背面側単位光学形状131が複数配列されて形成されている。
出光側単位光学形状135は、図2(a)及び図3に示すように、その溝形状の底部135cに背面13d側に凹となる凹曲面135aが形成されており、また、その凹曲面135aのY方向の両端に、溝形状の端縁部135dから底部135c側へと傾斜する平坦な傾斜面135bが形成されている。出光側単位光学形状135は、図3に示す断面において、底部135cを通り厚み方向(Z方向)に平行な線を境に左右対称に形成されている。
また、本実施形態の出光側単位光学形状135をこのような形態にすることにより、導光板13の出光面に付着した塵等の異物をエアーブロー等によって容易に除去することが可能になる。
ここで、図1に示すように、導光板の出光面上には、プリズムシート15等の偏向光学シートが配置される。そのため、導光板の出光面上に出光側単位光学形状が形成されている場合、導光板の出光面とプリズムシートとの接触面積が狭くなってしまう。
例えば、図4に示すように、導光方向に直交する面(YZ面)における断面形状が略円弧状に形成された溝形状が、導光板の出光面のY方向に隙間なく配列されている場合、各溝形状の境界部s1がプリズムシートとの接触部となり、導光板とプリズムシートとの接触面積は非常に狭くなる。
また、導光板やプリズムシートに付着した微細な塵等が接触部分に挟まってしまい、導光板やプリズムシートが傷付いたり、破損したりする場合もあった。
このように出光側単位光学形状135間に平坦部136を設けることによって、導光板13は、出光面13cとプリズムシート15の導光板13側の面との接触面積を増やすことができる。これにより、導光板13は、出光側単位光学形状135の境界部(平坦部136)や、プリズムシート15の導光板13側の面が傷付いたり、破損したりしてしまうのを大幅に抑制することができる。
また、平坦部136とは、完全に平坦な面だけでなく、Z1側に微少に湾曲した凹曲面状や、Z2側に微少に湾曲した凸曲面状に形成される面(凹曲面及び凸曲面の曲率半径は、例えば、10μm以上)も含むものをいう。
また、出光側単位光学形状135の端縁部135dに接する面(傾斜面135b)と導光板13の出光面13c(導光板13の出光側の板面、XY面に平行な面、図3中の一点鎖線)とがなす端部角度は、θである。更に、導光板13の出光面13c(導光板13の出光側の板面、XY面に平行な面、図3中の一点鎖線)から出光側単位光学形状135の底部135cまでの距離(以下、出光側単位光学形状135の深さという)は、h2である。また、出光側単位光学形状135に形成される凹曲面135aの配列方向(Y方向)の幅は、W22である。
配列ピッチP2がこの範囲よりも小さいと、出光側単位光学形状135の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなる。また、配列ピッチP2がこの範囲よりも大きいと、LCDパネル11の画素とのモアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、出光側単位光学形状135のピッチが認識されやすくなったりする。従って、配列ピッチP2は、上記範囲とすることが好ましい。
背面側単位光学形状131は、図1,図2(b),図5に示すように、背面側(Z1側)に凸となる柱状であり、長手方向(稜線方向)をY方向とし、導光方向となるX方向に複数配列されている。
背面側単位光学形状131は、図2(b)に示すように、その配列方向に平行であって導光板13の板面に直交する方向における断面(XZ面)における断面形状が略台形形状である。背面側単位光学形状131は、入光面側(X1側)に位置する第1斜面部132と、対向面側(X2側)に位置し、入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部133と、第1斜面部132及び第2斜面部133との間に位置する頂面部134とを有している。
この背面側単位光学形状131の配列ピッチは、P1であり、配列ピッチP1は、背面側単位光学形状131の配列方向の幅W1に等しい(P1=W1)形態となっている。本実施形態では、配列ピッチP1は、配列方向において一定である。
第1斜面部132は、背面側単位光学形状131内において入光面13a側に位置し、入光面側端部よりも対向面側(頂面部側)端部が背面側となるように傾斜しており、第1斜面部132には、入光面13a側から対向面13b側へ(X1側からX2側へ)導光する光が入射しにくい。
仮に、α≦1°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が小さくなり過ぎ、十分に光を取り出すことができず、光の取り出し効率が低下する。
また、仮に、α>5°であると、導光方向(X方向)に進む光が、第2斜面部133で全反射したとき、全反射前後での出光面13c(XY面に平行な面)となす角度の変化量が大きくなり過ぎ、輝度ムラや、入光面13aから遠い領域での明るさの低下を招く。また、導光板13からの出光方向のばらつきも大きくなるので、後述するプリズムシート15での偏向作用が不十分となり、収束性が低下して、正面輝度が低下する。
以上のことから、角度αは、1°<α≦5°を満たすことが好ましい。
一例として、図5に示す頂面部134は、面134a,134b,134c,134dを有している。この面134a〜134dは、出光面13c(導光板13の板面)に平行な面であり、背面側単位光学形状131の長手方向(Y方向)を長手方向とし、背面側単位光学形状131の配列方向(X方向)に沿って配列されている。また、面134a〜134dは、それぞれ、背面側への高さhがそれぞれ異なる。
また、面134a〜134dの間に斜面134eが形成されている。この斜面134eは、導光板13の板面(XY面に平行な面)と角度βをなし、第1斜面部132に平行な斜面である。
なお、本実施形態では、面134a〜134dは、その配列方向における幅が等しい例を挙げて説明するが、配列方向における幅は、等しくなくてもよい。
背面側単位光学形状131の配列方向において、背面側単位光学形状131の幅W1とし、頂面部134の寸法Wa、第1斜面部132及び第2斜面部133が占める寸法Wbとする。
背面側単位光学形状131は、その配列方向において、配列ピッチP1、幅W1、角度α,βは一定である。しかし、背面側単位光学形状131の幅W1に対する、第1斜面部132及び第2斜面部133の寸法Wbの比Wb/W1が、配列方向に沿って入光面13aから離れるにつれて大きくなっている。また、背面側単位光学形状131の幅W1に対する頂面部134の寸法Waの比Wa/W1は、配列方向に沿って入光面13aから離れるにつれて小さくなっている。
対向面側(X2側)へ進むにつれて、図6(b)に示すように、次第に比Wa/W1が小さく、比Wb/W1が大きくなる。そして、図6(c)に示すように、対向面13b近傍では比Wb/W1が大きく、比Wa/W1が小さい。
このように、対向面側へ向かうにつれて、両斜面部(特に、第2斜面部133)が占める比率を大きくすることにより、効率よく光を出光させることができ、導光方向における明るさの均一性も向上する。
しかし、これに限らず、頂面部134を形成する面の数を一定とし、各面の幅を調整することにより、頂面部134の寸法Waを調整する形態としてもよい。
また、最も対向面側及びその近傍においては、頂面部134の幅Waは十分に小さく、反射シート14と頂面部134との光学密着による影響が小さいので、最も対向面側やその近傍に位置する背面側単位光学形状131では、頂面部134が、1つの面から形成される形態としてもよい。
このとき、背面側単位光学形状131の配列ピッチP1に対する接触部(もっとも背面側へ高さの高い面134d)の幅をWcとすると、比Wc/P1は、0.09≦Wc/P1≦0.40を満たすことが、反射シート14と導光板13との光学密着を防止する観点から好ましい。
また、仮に、Wc/P1>0.40である場合、接触部の寸法が大きく、導光板13と反射シート14との接触面積が大きくなり、光学密着が生じやすくなるという問題がある。
従って、比Wc/P1は、0.09≦Wc/P1≦0.40を満たすことが好ましい。
仮に、配列ピッチP1が、この範囲よりも小さいと、背面側単位光学形状131の製造が困難となり、設計通りの形状が得られなくなる。また、仮に、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、配列ピッチP1に比例して、接触部となる面134dの面積も大きくなり、光学密着が生じやすくなる。また、配列ピッチP1がこの範囲よりも大きいと、モアレが生じやすくなったり、面光源装置10等としての使用状態において、背面側単位光学形状131のピッチが認識されやすくなったりする。
従って、配列ピッチP1は、上記範囲とすることが好ましい。
導光板13の頂面部134は、入光面側に位置する面134aから対向面側に向かって次第に背面側への高さhが高くなる階段状であり、各面の間に位置する斜面134eが出光面13cに平行な面と角度βをなしているので、入光面側から導光する光は、入射しにくく、仮に入射したとしても、その影響は小さい。そのため、本実施形態の頂面部134は、光学設計上は、出光面13cに平行な1つの面からなる頂面部に略等しくなる。
従って、本実施形態によれば、図8に示すように、頂面部134に入射した光L2は、全反射することができ、光学設計外の方向へ進む光が殆ど生じない。よって、明るさの面内均一性が高い良好な導光板13、及び、面光源装置10、透過型表示装置1とすることができる。
なお、これに限らず、押出成形等により成形したシート状の部材の両面に、紫外線成形法によって、背面側単位光学形状131及び出光側単位光学形状135を一体に形成して、導光板13としてもよい。
反射シート14は、光の利用効率等を高める観点等から、主として鏡面反射性(正反射性)を有するものが好ましい。反射シート14は、例えば、少なくとも反射面(導光板13側の面)が金属等の高い反射率を有する材料により形成されたシート状の部材、高い反射率を有する材料により形成された薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート状の部材等を用いることができる。なお、これに限らず、反射シート14は、例えば、主として拡散反射性を有し、反射率の高い白色の樹脂製のシート状部材等としてもよい。
プリズムシート15は、導光板13よりもLCDパネル11側(Z2側)に配置されている(図1参照)。プリズムシート15は、導光板13の出光面13cから出射した光の進行方向を、正面方向(Z方向)又は、Z方向となす角度が小さい方向へ偏向(集光)する作用を有する偏向光学シートである。
プリズムシート15は、プリズム基材層152と、プリズム基材層152の導光板13側(Z1側)に複数配列されて形成された単位プリズム151とを有している。
単位プリズム151は、導光板13側(Z1側)に凸となる三角柱形状であり、プリズム基材層152の背面側(Z1側)の面に、長手方向(稜線方向)をY方向とし、X方向に複数配列されている。即ち、単位プリズム151の配列方向は、透過型表示装置1の表示面の法線方向(Z方向)から見て、導光板13の背面側単位光学形状131の配列方向に平行であり、出光側単位光学形状135の配列方向と直交している。
単位プリズム151は、配列ピッチがP3、配列方向の幅がW3であり、配列方向において配列ピッチと配列方向のレンズ幅が等しい(P3=W3)形状となっている。
プリズムシート15は、導光板13から出射し、一方の面(例えば、面151a)から入射した光L1を他方の面(例えば、面151b)で全反射させることにより、その進行方向を正面方向(Z方向)又は正面方向に対してなす角度が小さくなる方向へ偏向(集光)する。
なお、これに限らず、例えば、プリズムシート15は、PC樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合体)樹脂、PET樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂を押し出し成形することにより形成してもよい。
このような光拡散シート16を設けることにより、視野角を適度に広げたり、LCDパネル11の不図示の画素と単位プリズム151等とによって生じるモアレ等を低減したりする効果が得られる。
光拡散シート16は、各種汎用の光拡散性を有するシート状の部材を、面光源装置10及び表示装置1として所望される光学性能や、導光板13の光学特性等に合わせて、適宜選択して用いてよい。
また、光拡散シート16に限らず、レンチキュラーレンズシート等の各種光学シート等を配置してもよい。
さらに、光拡散シート16のLCDパネル11側に、さらに、上述のような偏光選択反射シートや各種光学シート等を配置してもよい。
次に、出光面の平坦部の幅W23が相違する複数種類の導光板を作製し、各導光板にプリズムシート(図7参照)を積層した各試験体(試験体1〜18)をそれぞれ加振器により振動させて、導光板及びプリズムシートのそれぞれに生じる傷や、破損の評価試験の結果について説明する。
図9は、評価に用いた試験体の振動試験の状態を示す図である。
図10は、各試験体の評価結果をまとめた図である。
各試験体は、図9に示すように、加振器100の加振台101上に粘着テープT2により固定される。加振器100は、アイデックス株式会社製のBF−50UCを使用しており、鉛直方向及び水平方向の3方向にランダムに加振台を所定の周波数及び加速度で振動させることができる。本評価試験では、加振器100は、周波数67Hz、加速度10Gにより、試験体を固定した加振台101を振動させる。各試験体に用いられる導光板及びプリズムシートは、それぞれが対角8インチの大きさに形成されている。
各試験体に使用されるプリズムシートは、アクリル酸2エチルヘキシル、フェノキシエチルアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、アクリル酸2ヒドロキシエチル、ヘキサメチレンジイソシアネート、ルシリンTPO、リン酸トリフェニル、フッ素系界面活性剤から構成されている。
試験体2〜6、試験体8〜12、試験体14〜18に使用される導光板は、出光面に、凹曲面及び傾斜面から構成される出光側単位光学形状(溝形状)と、平坦部が交互にY方向に複数配列されている(図2(a)等参照)。試験体2〜6の相違点は、平坦部の幅W23の寸法がそれぞれ相違している点である。同様に、試験体8〜12の相違点は、平坦部の幅W23の寸法がそれぞれ相違している点である。同様に、試験体14〜18の相違点は、平坦部の幅W23の寸法がそれぞれ相違している点である。
試験体3に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=1.5μmである。
試験体4に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=2.0μmである。
試験体5に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=2.5μmである。
試験体6に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=3.6μmである。
試験体8に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=0.5μmである。
試験体9に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=1.5μmである。
試験体10に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=2.0μmである。
試験体11に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=2.5μmである。
試験体12に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=3.6μmである。
試験体15に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=1.5μmである。
試験体16に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=2.0μmである。
試験体17に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=2.5μmである。
試験体18に使用される導光板の平坦部の幅W23は、W23=3.6μmである。
各試験体に使用される導光板は、熱可塑性のアクリル系樹脂により形成されており、そのヤング率は3.0GPaである。
また、図10中の「ホットスポット」は、各試験体に用いた導光板の入光面に光源を配置して光を入射させた場合に、出光面の入光面近傍に輝度ムラ(ホットスポット)が生じるか否かを目視により確認した結果である。ホットスポットの評価は、ホットスポットが確認されなかった場合を「○」とし、ホットスポットが若干確認されたが製品として十分に使用できる場合を「△」とし、ホットスポットが明確に確認された場合を「×」とした。
図10中の総合評価は、導光板やプリズムシートに傷等が生じず、かつ、ホットスポットの評価が「○」となる場合を「○」とし、導光板やプリズムシートに傷等が生じないが、ホットスポットの評価が「△」となる場合を「△」とし、導光板やプリズムシートに傷等が生じてしまうか、若しくは、ホットスポットの評価が「×」となる場合を「×」とした。
図10に示すように、平坦部を有しない導光板を備える試験体1は、ホットスポットの評価が「○」となったが、導光板や、プリズムシートに傷等が3カ所認められたため、総合評価が「×」となった。
また、試験体5は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったが、ホットスポットの評価が「△」となったため、総合評価が「△」となった。
試験体6は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったが、ホットスポットの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。
これに対して、試験体2〜4は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったとともに、ホットスポットの評価が「○」であったため、総合評価が「○」となった。
図10に示すように、平坦部を有しない導光板を備える試験体7は、ホットスポットの評価が「○」となったが、導光板や、プリズムシートに傷等が2カ所認められたため、総合評価が「×」となった。
また、試験体11は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったが、ホットスポットの評価が「△」となったため、総合評価が「△」となった。
試験体12は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったが、ホットスポットの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。
これに対して、試験体8〜10は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったとともに、ホットスポットの評価が「○」であったため、総合評価が「○」となった。
図10に示すように、平坦部を有しない導光板を備える試験体13は、ホットスポットの評価が「○」となったが、導光板や、プリズムシートに傷等が2カ所認められたため、総合評価が「×」となった。
また、試験体17は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったが、ホットスポットの評価が「△」となったため、総合評価が「△」となった。
試験体18は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったが、ホットスポットの評価が「×」となったため、総合評価が「×」となった。
これに対して、試験体14〜16は、導光板や、プリズムシートに傷等が認められなかったとともに、ホットスポットの評価が「○」であったため、総合評価が「○」となった。
したがって、導光板の平坦部の幅W23は、0.5μm≦W23≦2.5μmを満たすことで、傷等を防ぐとともに、導光板の良好な出光特性を得ることができることが確認され、また、0.5μm≦W23≦2.0μmを満たすことで、ホットスポットの発生をより抑制し、導光板の更に良好な出光特性を得ることができることが確認された。
また、プリズムシートの単位プリズムの頂角εが相違する場合においても、試験体1〜6と、試験体7〜12と、試験体13〜18との傷等の発生と、ホットスポットの発生の傾向が同様になり、試験体1〜6のように頂角εがより鋭角になった場合においても、傷等を防ぐとともに、導光板の良好な出光特性を得ることができることが確認された。
(1)本実施形態の導光板13は、隣り合う出光側単位光学形状135間に、出光面13cに略平行な平坦部136が設けられている。これにより、導光板13の出光面13c上にプリズムシート15等の偏向光学シートが配置された場合に、プリズムシート15や、出光側単位光学形状135間の境界部(平坦部136)が傷付いたり、破損したりしてしまうのを大幅に抑制することができる。
(2)本実施形態の導光板13は、平坦部136の出光側単位光学形状135の配列方向における幅寸法tが、0.5μm≦t≦2.5μmであるので、導光板や、プリズムシートの傷付き等をより効率よく抑制するとともに、導光板から出光する光にホットスポットが生じてしまうのを抑制することができる。
(3)本実施形態の導光板13は、平坦部136の出光側単位光学形状135の配列方向における幅寸法tが、0.5μm≦t≦2.0μmであるので、導光板や、プリズムシートの傷付き等をより効率よく抑制するとともに、導光板から出光する光にホットスポットが生じてしまうのをより効率よく抑制することができる。
(4)本実施形態の導光板13は、出光側単位光学形状135(溝形状)の底部135cが背面側(Z1側)に凹となる凹曲面135aに形成されているので、導光板内において導光される光をよりY方向に広げて出光することができ、光源部12に使用されるLEDに色ムラや輝度ムラが存在していたとしても、出光面の中央部分に筋状のムラが生じてしまったり、入光面近傍にホットスポットが生じてしまったりするのを抑制することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
図11は、変形形態の出光側単位光学形状を示す図である。
図12は、変形形態の出光側単位光学形状を示す図である。
図11及び図12の各図は、それぞれ図2(a)に対応する図である。
(1)上述の実施形態において、出光側単位光学形状135は、その溝形状の底部135cに背面13d側(Z1側)に凹となる凹曲面135aが形成される例で説明したが(図2(a)参照)、これに限定されるものでない。
例えば、出光側単位光学形状135は、図11(a)に示すように、導光方向に直交する面(YZ面)における断面形状が、二つの斜面135a、135bから構成される三角形状の溝形状に形成されるようにしてもよい。また、出光側単位光学形状135は、図11(b)に示すように、YZ面における断面形状が複数の斜面(135a、135b、135e、135f)から構成される五角形状の溝形状に形成されるようにしてもよい。これらの場合でも、各出光側単位光学形状135(溝形状)間に平坦部136を設けることによって、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、角度αに関しても、同様に、背面側単位光学形状131の配列方向において、段階的又は連続的に、変化する形態としてもよい。良好な光学性能を得るために、角度α、β、配列ピッチP1等は適宜設定してよい。
使用環境や所望の光学性能に合わせて、面光源装置10として導光板13と組み合わせて用いる各種光学シート等は、適宜選択して用いることができる。
10 面光源装置
11 LCDパネル
12 光源部
121 点光源
13 導光板
131 背面側単位光学形状
132 第1斜面部
133 第2斜面部
134 頂面部
134a〜134d 面
135 出光側単位光学形状
135a 凹曲面
135b 傾斜面
135c 底部
135d 端縁部
136 平坦部
14 反射シート
15 プリズムシート
16 光拡散シート
Claims (6)
- 光が入射する入光面と、前記入光面に交差し光が出射する出光面と、前記出光面に対向する背面とを有し、前記入光面から入射した光を導光方向に導光しながら前記出光面から出射する導光板であって、
前記出光面には、出光側単位光学形状が、前記導光方向に垂直であって該導光板の厚み方向に垂直な方向に複数配列されており、
前記出光側単位光学形状は、前記導光方向に延在し、前記出光面から窪んだ溝形状に形成されており、
隣り合う前記出光側単位光学形状間には、該導光板の厚み方向において最も出光側に位置し、出光面に略平行な平坦部が設けられており、
前記平坦部は、前記出光側単位光学形状の配列方向における幅寸法tが、0.5μm≦t≦2.5μmであること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1に記載の導光板において、
前記平坦部は、前記出光側単位光学形状の配列方向における幅寸法tが、0.5μm≦t≦2.0μmであること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1又は請求項2に記載の導光板において、
前記出光側単位光学形状は、前記溝形状の底部が前記背面側に凹となる凹曲面に形成されていること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の導光板において、
前記背面に、背面側単位光学形状が前記導光方向に複数配列され、
前記背面側単位光学形状は、背面側に凸であり、その配列方向に平行であって該導光板の厚み方向に平行な断面において、その断面形状が略四角形形状であり、入光面側に位置する第1斜面部と、これに対向して他方側に位置して入射する光の少なくとも一部を全反射する第2斜面部と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との間に位置する頂面部とを有し、
前記頂面部は、該導光板の背面側に配置される反射部材と接触する接触部を備えること、
を特徴とする導光板。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の導光板と、
前記導光板の前記入光面に対面する位置に設けられ、前記入光面へ光を投射する光源部と、
前記導光板の出光面側に配置され、前記導光板から出射した光を、そのシート面の法線方向又は法線方向となす角度が小さくなる方向へ向ける偏向作用を有する偏向光学シートと、
を備える面光源装置。 - 請求項5に記載の面光源装置と、
前記面光源装置によって背面側から照明される透過型表示部と、
を備える透過型表示装置。
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