JP2010152276A - 面光源装置、表示装置および光学部材 - Google Patents

面光源装置、表示装置および光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】正面方向輝度を効果的に向上させることができる安価な面光源装置を提供する。
【解決手段】面光源装置10は、光源25と、光源からの光を透過させる第1光学シート40と、第1光学シートの出光側に配置された第2光学シート50と、を有する。第1光学シートは、第1のフライアイレンズ46を構成する複数の第1単位形状要素45を有する。第2光学シートは、第2のフライアイレンズを構成する複数の第2単位形状要素55を有する。第1形状要素をなす材料の屈折率n1と、第2形状要素をなす材料の屈折率n2と、は異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、正面方向輝度を効果的に向上させることができる安価な面光源装置、表示装置および光学部材に関する。
透過型表示装置に用いられる面光源装置は、光源と、光源からの光の進行方向を変化させるための多数の光学シート(光学フィルム)と、を有している。光源は、代表的には、線状の冷陰極管から構成される。一般的に、多数の光学シートの中には、光源からの光を拡散させて光源の構成に応じた輝度分布を均一化させる(目立たなくさせる)光拡散シートと、光の進行方向を正面方向へ絞り込み、正面方向輝度を向上させる集光シートと、が含まれている。
集光シートとしては、線状に延びる単位形状要素(単位光学要素)をその長手方向に直交する方向に配列してなる光学シート(以下において、リニアアレイレンズシートとも呼ぶ)が広く用いられている(例えば、特許文献1および特許文献2)。単位形状要素は、その長手方向に直交する断面(主切断面)において、典型的には三角形形状としての断面形状を有している。このような集光シートは、正面方向輝度を集中的に向上させる機能だけでなく、光源の構成に起因した正面方向輝度の面内ばらつきを低減して光源の像を目立たなくさせる機能も有している。すなわち、このような集光シートは、光拡散機能も有している。
ただし、この集光シートによって進行方向を制御され得る光は、実質的に、単位形状要素の配列方向と平行な方向に進む成分だけである。したがって、各々の単位形状要素の配列方向が直交するようにして、二枚の集光シートが面光源装置に組み込まれることがある。この場合、表示面上の直交する二方向(典型的には、鉛直方向および水平方向)に沿って輝度の分布を調節することができるようになる。
また、最近では、単位形状要素(単位光学要素)がランダムまたは規則的に二次元配列されてなるフライアイレンズ(蝿の目レンズ)が注目を浴びている(例えば、特許文献3)。フライアイレンズを有する集光シート(フライアイレンズシートまたはマイクロレンズシートとも呼ばれる)によれば、原理的には、複数の光学シートを用いることなく、一枚の光学シートにより、表示面上の直交する二方向だけでなく表示面上の任意の方向において、光の進行方向を変化させることが可能となる。すなわち、一枚のフライアイレンズシートを用いることによって、二枚のリニアアレイレンズシートを用いた場合よりも、表示面と平行な種々の方向間での異方性を減じることができる。
なお、面光源装置を用いる透過型表示装置、代表的には液晶表示パネルを用いた液晶表示装置はこれまで急速に普及してきたが、さらなる普及のための重要課題の一つとして、低コスト化が挙げられてきた。そして、線状に延びる単位形状要素を有するリニアアレイレンズシートや二次元配列された単位形状要素を有するフライアイレンズシートは、製造コストを安価に抑えるため、通常、基材シート上に単位形状要素を賦型することによって作製されている。
特表平10−506500号公報 特開平1−37801号公報 特開2006−301582号公報
ところで、集光シート(リニアアレイレンズシートおよびフライアイレンズシート)のレンズをなす材料の屈折率を変化させることにより、形状的な構成を同一に保ちながら集光シートの集光特性を変化させることができる。しかしながら、安価に入手可能な材料の屈折率は、極めて狭い範囲(1.4〜1.6)内に集中している。このため、屈折率を変化させることにより面光源装置(透過型表示装置)の正面方向輝度を十分な範囲で調整しようとすると、屈折率が比較的に低い高価な材料または屈折率が比較的に高い高価な材料を用いる必要が生じてしまう。
このため、集光シート(リニアアレイレンズシートおよびフライアイレンズシート)を用いて正面方向輝度を調節しようとすると、集光シートに含まれる単位形状要素の形状や単位形状要素の配列(形状的な構成)を変化させる必要が生じる。したがって、作製されるべき面光源装置(透過型表示装置)に要求される特性に応じて、形状的な構成が異なる集光シート、これにともなって型面の構成が異なる多数の集光シート作製用の型を準備しておく必要がある。とりわけ、特定の方向に進む光の成分のみに集光作用を及ぼし得るリニアアレイレンズシートについては、光源の種類毎に、集光シート作製用の型を準備しておく必要もある。しかしながら、多数の型を保有するためには、型の作製コストや、型の保有(管理)に関連するコスト等が、高価となってしまう。
また、フライアイレンズシートについては、そもそも、現状において集光機能が十分なレベルまでに達していないという問題がある。すなわち、一枚のフライアイレンズシートによって所望の正面方向輝度を実現することができていない。その一方で、フライアイレンズシートを作製するための型は、リニアアレイレンズシートを作製するための型と比較して高価となる。したがって、フライアイレンズシートを面光源装置(透過型表示装置)に用いる場合には、フライアイレンズシートの作製に必要となる型の数量を減じることが、極めて重要となる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、正面方向輝度を効果的に向上させることができる安価な面光源装置を提供することを目的とする。また、正面方向輝度を効果的に向上させることができる安価な透過型表示装置を提供することを目的とする。さらに、光の進行方向を変化させながら当該光を透過させる光学部材であって、正面方向輝度を安価に調整し得る光学部材を提供することを目的とする。
従来、二枚のリニアアレイレンズシートを組み合わせて用いる場合、二枚のリニアアレイレンズシートのレンズの形状及び材料の屈折率は、互いに同一としていた。一般的に、二枚のリニアアレイレンズシート間でレンズをなす材料の屈折率を変化させたとしても、正面方向輝度に大きな影響を与えることができないと考えられていたからである。実際に本件発明者らが実験(シミュレーション)を繰り返したところ、二枚のリニアアレイレンズシートからなる光学部材の集光機能を最も効果的に変化させることができたのは、二枚のリニアアレイレンズシートをなす材料を互いに同一屈折率の材料としながら、当該材料の屈折率を増加させていった場合であった(実験(シミュレーション)の一例を図7に示す)。即ち、上下何れのリニアアレイレンズシートとも、単に屈折率を挙げれば其の分だけ集光効果により輝度が向上すると云う当然の現象であり、高輝度化追求の為には、合成が難しく、合成できたとしても高価で量産の難しいような特別な高屈折率材料が要求されることになってしまう。
その一方で、本件発明者らがフライアイレンズシートに対して同様の実験を行ったところ、以下のことが見出された。まず第1に、同一形状のフライアイレンズシートを複数枚重ねて用いることにより、正面方向輝度を効果的に向上させることができることである。第2に、複数枚のフライアイレンズシートを用いた場合に、少なくとも一方のフライアイレンズシートをなす材料の屈折率を変化させ、上下2枚のフライアイレンズシート同士の相対的な屈折率差を変化させることで、特別高価で入手困難な程度の高屈折率材料を用い無くても、二枚のフライアイレンズシートからなる光学部材の集光機能を極めて効果的に変化させることが可能なことである。すなわち、リニアアレイレンズシートとは異なり、二枚のフライアイレンズシートのフライアイレンズをなす材料を別個に調整して互いに異なる値とすることにより、効果的に正面方向輝度を向上させることができることである。
本発明は、このような本件発明者らの知見に基づいたものである。
本発明による光学部材は、光の進行方向を変化させながら当該光を透過させる光学部材であって、第1のフライアイレンズを構成する複数の第1単位形状要素を有する第1光学シートと、前記第1光学シートの出光側に配置された第2光学シートであって、第2のフライアイレンズを構成する複数の第2単位形状要素を有する第2光学シートと、を備え、前記第1形状要素をなす材料の屈折率と、前記第2形状要素をなす材料の屈折率と、が異なることを特徴とする。
本発明による光学部材において、前記第1単位形状要素をなす材料の屈折率は、前記第2単位形状要素をなす材料の屈折率よりも大きくなっていることが好ましい。
また、本発明による光学部材において、前記第2単位形状要素をなす材料の屈折率は1.5以下となっていることが好ましい。
さらに、本発明による光学部材において、前記第1単位形状要素と前記第2単位形状要素とは同一形状に構成されており、前記1フライアイレンズにおける前記複数の第1単位形状要素の配列と前記2フライアイレンズにおける前記複数の第2単位形状要素の配列とは同一であることが好ましい。
さらにまた、本発明による光学部材において、前記第1光学シート又は前記第2光学シートの少なくとも一方の光学シートは、其の単位形状要素の底面形状が円状形状であり、且つ各々の該円状形状は最密充填状の配列をなすことが好ましい。
本発明による面光源装置は、光源と、前記光源の出光側に配置された上述したいずれかの本発明による光学部材と、を備え、前記光学部材の第1光学シートが第2光学シートよりも前記光源側に位置することを特徴とする。
本発明による表示装置は、上述した本発明による面光源装置と、前記面光源装置の出光側に配置された透過型表示部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、屈折率が異なる材料を用いて構成されたフライアイレンズを含む二枚の光学シートにより、面光源装置(透過型表示装置)の正面方向輝度を効果的に向上させることができる。この際、二枚の光学シートに用いられる材料として、安価に入手可能な材料を用いることができるとともに、多数の光学シート作製用の型を保有する必要もない。これにより、二枚の光学シートを安価に作製することが可能となり、結果として、光学部材、面光源装置、透過型表示装置の製造コストを安価にすることができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図6は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は透過型表示装置および面光源装置の概略構成を示す断面図であり、図2は光学部材の斜視図であり、図3は光学シートの上面図であり、図4は図3のIV−IV線の沿った光学シートの断面図である。
図1に示された透過型表示装置10は、透過型表示部15と、透過型表示部15の背面側に配置され透過型表示部15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備えている。透過型表示部15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、画像を形成する装置である。
本実施の形態において、透過型表示部15は、液晶パネル(液晶セル)から構成されている。つまり、透過型表示装置10は液晶表示装置として機能する。液晶パネル(透過型表示部)15は、一対の偏光板16,17と、一対の偏光板間に配置された液晶と、を有している。偏光板16,17は、入射した光を直交する二つの偏光成分に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分を吸収する機能を有している。
液晶には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印可された液晶の配向は変化するようになる。入光側に配置された下偏光板16を透過した特定方向の偏光は、電界印加された液晶を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、電界印加されていない液晶を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶への電界印加の有無によって、下偏光板16を透過した特定方向の偏光が、下偏光板16の出光側に配置された上偏光板17をさらに透過するか、あるいは、上偏光板17で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル(透過型表示部)15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御して所望の画像を得るようになっている。なお、液晶パネル(液晶セル)の構成は、従来の液晶表示装置に組み込まれている装置(部材)と同様に構成することができ、ここでは、これ以上の詳細な説明を省略する。
ところで、この明細書において、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25から光学部材30等を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、図1および図4においては紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25から光学部材30等を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
図1に示すように、面光源装置20は、光源25と、光源25からの光を受ける光学部材30と、を有している。光学部材30は、光源25からの光の進行方向を偏向して、当該光を透過させるシート状の部材である。本実施の形態において、光学部材30は、第1光学シート40および第2光学シート50を含んでいる。また、図1に示す例においては、シート状の光学部材30の入光側に、つまり、シート状の光学部材30と光源25との間に、光を拡散させる光拡散シート22がさらに設けられている。面光源装置20は、例えばエッジライト(サイドライト)型等の種々の形態で構成され得るが、本実施の形態においては、直下型のバックライトユニットとして構成されている。このため、光源25は光学部材30の入光側において光学部材30と対面するようにして配置されている。また、光源25は、反射板28によって背面側から覆われている。反射板28は、光学部材30の側に開口部(窓)を有する箱状に形成されている。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、本明細書において「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、第1光学シート40のシート面、第2光学シート50のシート面、光拡散シート22のシート面、第1光学シート40の後述する本体部42のシート面、第2光学シート50の後述する本体部52のシート面、光学部材30の入光側面、光学部材30の出光側面、面光源装置20の発光面(出光側面)、および、透過型表示装置10の表示面は、互いに平行となっている。
光源25は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球、面状のEL(電場発光体)等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態においては、図1および図4(二点鎖線)に示すように、光源25は、これらの図において紙面に直交する方向に線状に延びる複数の冷陰極管を有している。反射板28は、光源25からの光を透過型表示部15の側へ向けるための部材であり、反射板28の少なくとも内側表面は、例えば金属等の高い反射率を有する材料からなっている。
光拡散シート22は、入射光を拡散させ、好ましくは入射光を等方拡散させ、光源25の構成に応じた輝度ムラ(管ムラとも呼ぶ)を緩和し、輝度の面内分布を均一化させて光源25の像を目立たなくさせるためのシート状部材である。このような光拡散シート22として、基部と、基部内に分散され光拡散機能を有した光拡散性粒子と、を含むシートが用いられ得る。一例として、反射率の高い材料から光拡散性粒子を構成することにより、あるいは、基部をなす材料とは異なる屈折率を有する材料から光拡散性粒子を構成することにより、光拡散性粒子に、光拡散機能を付与することができる。
次に、光学部材30について説明する。本実施の形態における光学部材30は、主に、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ正面方向の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を発揮するように、構成されている。なお、本明細書において「正面方向」とは、光学シート30のシート面に対する法線の方向nd(図4参照)であり、また、面光源装置20の発光面の法線方向等にも一致する。
図2および図4に示すように、光学部材30は、入光側に位置する第1光学シート40と、第1光学シートの出光側に配置された第2光学シート50と、を有している。図1に示すように、第2光学シート50は、面光源装置10の最も出光側に配置されており、第2光学シート50の単位形状要素55が透過型表示部15(とりわけ、図示する例では、透過型表示部15の下偏光板16)と隣り合っている。
第1光学シート40は、シート状の本体部42と、本体部42の出光側面42a上に二次元配列された多数の第1単位形状要素(第1単位光学要素)45と、を有している。多数の第1単位形状要素45は、第1フライアイレンズ46を構成している。同様に、第2光学シート50は、シート状の本体部52と、本体部52の出光側面52a上に二次元配列された多数の第2単位形状要素(第2単位光学要素)55と、を有している。多数の第2単位形状要素55は、第2フライアイレンズ56を構成している。
なお、本実施の形態において、第1光学シート40および第2光学シート50は、用いられる材料を除き、同一の形状的な構成を有している。すなわち、本実施の形態において、第1光学シート40の本体部42と、第2光学シート50の本体部52とは同一の形状を有している。また、本実施の形態において、第1光学シート40における第1単位形状要素45の形状および第1単位形状要素45の配列は、それぞれ、第2光学シート50における第2単位形状要素55の形状および第2単位形状要素55の配列と同様に構成されている。
図1〜図5において、第1光学シート40に対しては40番台で符号を付すとともに、第1光学シート40と形状的に同様に構成され得る第2光学シート50の部分に対しては、50番台で同様の符号を付している。また、以下において、単に「光学シート40,50」とは、第1光学シート40および第2光学シート50の両方についての説明であり、その他についても同様とする。例えば、「単位形状要素45,55」とは、第1光学シート40の第1単位形状要素45および第2光学シート50の第2単位形状要素55の両方を指し示し、「フライアイレンズ46,56」とは、第1光学シート40の第1フライアイレンズ46および第2光学シート50の第2フライアイレンズ56の両方を指し示している。
光学シート40,50の本体部42,52は、単位形状要素45,55を支持するシート状部材として機能する。図2および図4に示すように、本実施の形態において、本体部42,52の一方の面42a,52a上には、多数の単位形状要素45,55が並べられている。その一方で、図4に示すように、本実施の形態において、本体部42,52は、前記一方の面(出光側面)42a,52aに対向する他方の面(入光側面)42b,52bとして、光学シート40,50の入光側面41a,51aをなす平滑な面を有している。
なお、本明細書で用いる「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものである。すなわち、ここでは、或る程度の割合の可視光が、光学シート40,50の入光側面41a,51a(本体部42,52の他方の面42b,52b)においてスネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。したがって、例えば、本体部42,52の他方の面42b,52b(光学シート40,50の入光側面41a,51a)の十点平均粗さRz(JISB0601)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑に該当する。
次に、単位形状要素(単位光学要素、単位レンズ)45,55について説明する。多数の単位形状要素44,55は、フライアイレンズ46,56を構成するようになっている。本願におけるフライアイレンズ46,56とは、蝿の目レンズとも呼ばれ、平面上の異なる二以上の方向のそれぞれに、規則的な間隔または非規則的(ランダム)な間隔で、配列された多数の単位レンズを有するレンズ部材のことを意味している。
本実施の形態においては、図3に示すように、本体部42,52の一方の面42a,52a上における多数の単位形状要素45,55の配列は、本体部42,52の一方の面42a,52a上へ各単位形状要素45,55を射影した形状、即ち各単位形状要素の底面に相当する合同な円を最密に平面充填した配列構造、あるいは、円を最密に平面充填した構造から少し各円同士を離した配列構造となっている。すなわち、一つの単位形状要素45,55が、等間隔を空けて円周上に6回対称に配置された六つの他の単位形状要素45,55によって周囲から取り囲まれるようになっている。このような単位形状要素45、55の配列は、所謂結晶における六方最密充填構造または六方最密充填構造から少し各単位要素を離間させた配列構造に対応する。言い換えると、多数の単位形状要素45,55は、60°の角度で互いに対して傾斜した本体部42,52の一方の面42a,52a上の異なる三つの方向に、共通の一定ピッチで、配列されている。つまり、図3に示すように、多数の単位形状要素45,55は、本体部42,52のシート面上の第1方向d1に沿って一定のピッチで配列されているとともに、本体部42,52のシート面上の第2方向d2に沿っても一定のピッチで配列されており、さらに、本体部42,52のシート面上の第3方向d3に沿っても一定のピッチで配列されている。そして、これらの第1方向d1、第2方向d2および第3方向d3は、本体部42,52の一方の面42a,52a上において、互いに対して60°の角度をなして傾斜している。さらに言い換えると、本体部42,52の一方の面42a,52a上において、最も近接した三つの単位形状要素45,55の配置中心45a,55aが、本体部42,52の一方の面42a,52a上で、正三角形の頂点上にそれぞれ位置するように、多数の単位形状要素45,55が配列されている。
また、本実施の形態においては、図2および図4に示すように、光学シート40,50のシート面への法線方向ndに平行である断面において、各単位形状要素45,55は、実質的に、出光側に突出する円の一部分または出光側に突出する楕円の一部分に相当する形状を有している。すなわち、各単位形状要素45,55は、実質的に、光学シート40,50のシート面への法線方向ndと平行な軸を中心として任意の角度回転した場合に回転前と同一の形状となる回転対称性を有した単位レンズとして、形成されている。また、本実施の形態において、光学シート40,50内に含まれる多数の単位形状要素45,55は、同一の形状を有するように形成されている。なお、単位形状要素45,55の断面形状が楕円の一部分に相当する場合、正面方向輝度を集中的に向上させるという観点から、当該断面楕円形状の長軸または短軸のいずれかが光学シート40,50のシート面への法線方向(つまり、正面方向)ndと平行に延びていることが好ましい。
ところで、上述したように、光源25は、平行に配列された複数の線状に延びる冷陰極管から構成されている。一方、単位形状要素45,55からなるフライアイレンズ46,56は、光学シート40,50のシート面への法線方向ndを対称軸とした6回対称、言い換えると、光学シート40,50のシート面への法線方向ndを中心として1/6回転(60°回転)させると同一な構成となる回転対称性を有している。このため、このフライアイレンズ46,56(これにともなって光学部材30)によれば、概ね等方的(目視判断では異方的とは視認することができない程度)な光学的作用を及ぼすことができる。すなわち、光学シート40,50のシート面への法線方向ndと平行な任意の面において、光の進行方向(結果として、輝度の角度分布を)を概ね同一(目視判断では相違を視認することができない程度)に変化させることができる。
したがって、細長状の光源25の長手方向da(図3参照)や光源25の配列方向(daと直交する方向)に対する単位形状要素45,55の配列方向を考慮しなくとも、すなわち、光学シート40,50を光源25に対してどのように配置したとしても、光源25から光拡散シート22を透過して光学シート40,50に入射する光に対して光学シート40,50から及ぼされる光学的作用は概ね同一(目視判断では異方的とは視認することができない程度)となる。つまり、光源25に対する光学シート40,50の配置を考慮しなくとも、同様に、第1光学シート40に対する第2光学シート50の配置を考慮しなくとも、光源25の配列構成に起因して生ずる輝度の面内ばらつき(管むら)を低減し、光源25の配列構成に応じて視認されるようになる光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることができる。なお、図3に図示する例においては、光学シート30のシート面への法線方向ndから観察した場合に、各光源25の長手方向daと、単位形状要素45,55の配列方向の一つd1が、平行となっている。
単位形状要素45,55の具体例として、本体部42,52の一方の面42a,52a上における単位形状要素45,55の配置ピッチP1(図3参照)を10μm〜400μmとすることができる。一例として、76μmとすることができる。また、本体部42,52の一方の面42a,52a上での単位形状要素45,55の配列方向に沿った、単位形状要素45,55の底面の幅W(図3参照)を10μm〜200μmとすることができる。さらに、光学シート40,50のシート面への法線方向ndに沿った本体部42,52の一方の面42a,52aからの単位形状要素45,55の突出高さH(図4参照)を5μm〜100μmとすることができる。
ところで、本実施の形態においては、第1光学シート40の第1フライアイレンズ46を構成する多数の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値と、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値と、が異なる値を採っている。このような屈折率n1,n2の設定は、本件発明者らの研究で得られた知見に基づいており、安価に入手可能な樹脂材料を用いてフライアイレンズ46,56を形成することを可能にしながら、光学部材30の出光側面(面光源装置装置の出光側面)における正面方向輝度を向上させるためである。
とりわけ本実施の形態によれば、第1光学シート40の第1フライアイレンズ46を構成する多数の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値が、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値よりも高くなっている。また、本実施の形態においては、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値が1.5以下となっている。このように、単位形状要素45,55をなす材料の屈折率n1,n2が設定されている場合、屈折率が1.4〜1.6の範囲内にある安価に入手可能な材料を用いながら、二つのフライアイレンズ46,56を構成する単位形状要素45,55が同一の屈折率を有する材料を用いて作製された光学部材で得られる正面方向輝度以上の正面方向輝度を確保することができる。
なお、本発明における「単位形状要素をなす材料の屈折率」は、単位形状要素をなした状態での材料の屈折率を指し示し、単位形状要素として所定の形状を付与される前の状態における材料自体の屈折率(例えば、硬化される前の樹脂材料の屈折率)を指し示すものではない。このような屈折率は、例えば、高性能かつ測定が容易であることからアッベ屈折計によって特定され得る。そして、屈折計での測定値により、第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1および第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の大小が比較されればよい。アッベ屈折計としては、例えば、(株)アタゴのDR−M2を用いることができる。
なお、実際の製品(光学部材、光学シート)については、屈折率は小数第2位までの値で取り扱われ且つ調整されることが多い。すなわち、屈折率の大小は、小数第3位を四捨五入することによって得られた小数第2位までの数値として評価されることが多くある。また、本発明における屈折率の大小についても、後述する実験結果(図6および図7)から明らかなように、小数第2位までで判断したとしても、十分な作用効果を期待することができる。
次に、以上のような構成からなる光学シート40,50の製造方法の一例について説明する。なお、第1光学シート40の製造方法と第2光学シート50の製造方法は、上述したように、第1単位形状要素45の屈折率n1と第2単位形状要素55の屈折率n2とを異ならせる点、具体的には、屈折率が異なる材料を用いて第1単位形状要素45および第2単位形状要素55を形成する点において異なる。ただし、用いられる材料が異なる点以外においては、以下に説明するようにして、同一の装置を用いて同一の方法により、第1光学シート40および第2光学シート50を作製することができる。とりわけ、異なる材料を同一の型で成型加工することにより、第1光学シート40および第2光学シート50を作製することができる。
まず、第1光学シート40および第2光学シート50の作製に用いられ得る成型装置60について説明する。図5に示すように、成型装置60は、略円柱状の外輪郭を有した成型用型70を有している。成型用型70の円柱の外周面(側面)に該当する部分に円筒状の型面(凹凸面)72が形成されている。円柱状からなる成型用型70は、円柱の外周面の中心を通過する中心軸線CA、言い換えると、円柱の横断面の中心を通過する中心軸線CAを有している。そして、成型用型70は、中心軸線CAを回転軸線として回転しながら(図5参照)、成型品としての光学シート40,50を成型するロール型として構成されている。
型面72には、光学シート40,50の単位形状要素45,55に対応する凹部(図示せず)が形成されている。この凹部は、例えばフォトリソグラフィ技術を利用したエッチングにより、円筒状基材または円柱状基材の円周面上の所望の位置に形成され得る。
図5に示すように、成型装置60は、帯状に延びる基材シート(成型用基材シート)36を供給する成型用基材供給装置62と、供給される基材シート36と成型用型70の型面72との間に流動性を有した材料38を供給する材料供給装置64と、基材シート36と成型用型70の凹凸面72との間の材料38を硬化させる硬化装置66と、をさらに有している。硬化装置66は、硬化対象となる材料38の硬化特性に応じて適宜構成され得る。
次に、このような成型装置60を用いて光学シート30を作製する方法について説明する。まず、帯状に延びる基材シート36が、成型用基材供給装置62から供給される。供給される基材シート36としては、例えば、機械的特性(強度等)、化学的特性(安定性等)および光学的特性(透過性等)が良好であるとともに安価に入手可能なPETフィルムやTACフィルム等を用いることができる。また、基材シート36の材料は、単位形状要素45,55をなすようになる材料を考慮して決定してもよい。供給された基材シート36は、図5に示すように、成型用型70へと送り込まれ、成型用型70と一対のローラ68とによって、型70の凹凸面72と対向するようにして保持されるようになる。
また、図5に示すように、基材シート36の供給にともない、基材シート36と成型用型70の型面72との間に、材料供給装置64から流動性を有する材料38が供給される。この材料は、単位形状要素45,55と、基材シート36とともに本体部42,52をなすようになる本体部42,52の一部分と、を形成するようになる。ここで、「流動性を有する」とは、成型用型70の型面72へ供給された材料38が、型面72の凹部(図示せず)内に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。
供給される材料38としては、成型に用いれ得る種々の既知な材料(例えば、透明な多官能ウレタンアクリレートオリゴマーとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート系モノマーとの組成物の架橋硬化物)を用いることができる。以下に示す例においては、材料供給装置64から電離放射線硬化型樹脂が供給される例について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線(UV)を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線(EB)を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。
また、単位形状要素45,55を形成するために供給される材料38は、作製された第1単位形状要素45の屈折率n1および第2単位形状要素55の屈折率n2が上述した条件、具体的には以下の二式を満たすように、選択される。
条件1: n1 > n2
条件2: n2 ≦ 1.5
このような条件を満たす一例として、第1単位形状要素45を形成するための樹脂材料38として、ウレタンアクリレートを用いるとともに、第2単位形状要素55を形成するための樹脂材料38として、ウレタンアクリレートを用いることができる。
なお、作製される光学シート40,50の本体部42,52内において、例えば、基材シート36と材料38からなる層との界面において、透過光に対して積極的に光学的作用を及ぼす必要はない。したがって、上述したように、第1光学シート40または第2光学シート50を作製する際に材料供給装置64から供給される材料38を考慮して、成型用基材供給装置62から供給される基材シート36の種類を選択してもよい。
その後、成型用基材としての基材シート36は、型70の型面72との間を電離放射線硬化型樹脂によって満たされた状態で、硬化装置66に対向する位置を通過する。このとき、硬化装置66からは、電離放射線硬化型樹脂38の硬化特性に応じた電離放射線が放射されており、電離放射線は基材シート36を透過して電離放射線硬化型樹脂38に照射される。この結果、型面72と基材シート36との間に充填されている電離放射線硬化型樹脂38が硬化して、硬化した電離放射線硬化型樹脂からなる単位形状要素45,55および本体部42,52の一部分をなす樹脂材料38からなる層が基材シート36上に形成されるようになる。
その後、図5に示すように、基材シート36が型70から離間し、これにともなって、型面72の凹部内に成型された単位形状要素45,55が、基材シート36に接合された樹脂材料38からなる層とともに型70から引き離される。このようにして、上述した光学シート40,50が得られる。
上述した製造方法において、基材シート36は型70の表面72に接触していない。このため、上述してきたように、作製された光学シート40,50の本体部42,52は、基材シート36と、基材シート36と面接合してシート状に硬化した樹脂材料38からなる層と、から構成されるようになる。このような方法によれば、成型された単位形状要素45,55が、離型時に、型70の凹部内に部分的に残留してしまうことを効果的に防止することができる。
以上のようにして、ロール型として構成された成型用型70がその中心軸線CAを中心として一回転している間に、流動性を有した材料38を型70内に供給する工程と、型70内に供給された材料38を型70内で硬化させる工程と、硬化した材料38を型70から抜く工程と、が型70の型面72上において順次実施されていき、光学シート40,50が得られる。
次に、以上のような光学部材30、面光源装置20および表示装置10の作用について説明する。
光源25で発光された光は、直接または反射板28で反射した後に観察者側に進む。観察者側に進んだ光は、光拡散シート22で等方拡散された後に、光学部材30に入射する。
光拡散シート22を透過した光は、まず、光学部材30の第1光学シート40へ入射する。第1光学シート40へ入射した光は、本体部42を透過して、第1フライアイレンズ46を構成する第1単位形状要素45へ向かう。図4に示すように、第1光学シート40の第1単位形状要素45へ到達し、その後、第1単位形状要素45から出射する光L41,L42は、第1単位形状要素(単位レンズ)45の出光側面(レンズ面)において屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L41,L42の進行方向(出射方向)は、主として、第1光学シート40へ入射する直前における光の進行方向と比較して、第1光学シート40のシート面への法線方向ndに対する角度が小さくなるように、曲げられる(図4参照)。このような作用により、第1単位形状要素45は、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、第1フライアイレンズ46をなす第1単位形状要素45は、透過光に対して集光作用を及ぼして、正面方向輝度が集中的に高くなるように輝度の角度分布に変化をもたらす。
なお、このような第1単位形状要素45の集光作用は、正面方向ndから大きく傾斜して進む光に対してより効果的に及ぼされる。このため、第1光学シート40よりも光源側に配置された光拡散シート22による拡散の程度にも依るが、光源25から大きな入射角度で多くの光が入射するようになる傾向がある光源25から離れた領域において、効果的に正面方向輝度を上昇させることができる(図4の光L41参照)。
その一方で、図4に示すように、正面方向ndに対する進行方向の傾斜角度が小さい光L43は、第1単位形状要素45の出光側面(レンズ面)において全反射を繰り返し、その進行方向を入光側(光源側)へ転換することもある。このため、第1光学シート40よりも光源側に配置された光拡散シート22による拡散の程度にも依るが、光源25から小さな入射角度で多くの光が入射するようになる傾向がある光源25の直上位置において、輝度が高くなり過ぎることを防止することができる。
このように、面光源装置20の発光面と平行な方向における光源25からの離間距離に依存して、透過光に対して第1単位形状要素(第1単位レンズ)45から主として及ぼされる光学的作用が相違する。これにより、光源25の発光部の配列に応じて発生する輝度ムラ(管ムラ)を効果的に低減し、光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることもできる。すなわち、第1光学シート40は、透過光に対して光拡散作用も及ぼし、輝度の面内バラツキを均一化させるようにも機能する。
第1光学シート40から出射した光は、その後、第2光学シート50へ入射する。第2光学シート50は、第1光学シート50と同一の形状的な構成を有している。したがって、第2光学シート50へ入射した光は、第1光学シート40で及ぼされた光学的作用と同様の光学的作用を及ぼされる。
すなわち、図4に示すように、第2光学シート50の第2単位形状要素55から出射する光L41,L42は、第2単位形状要素(単位レンズ)55の出光側面(レンズ面)において屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L41,L42の進行方向(出射方向)は、主として、第2光学シート50へ入射する直前における光の進行方向と比較して、第2光学シート50のシート面への法線方向ndに対する角度が小さくなるように、曲げられる(図4参照)。すなわち、第2フライアイレンズ56をなす第2単位形状要素55は、透過光に対して集光作用を及ぼして、正面方向輝度が集中的に高くなるように輝度の角度分布に変化をもたらす。
また、第1光学シート40の第1単位形状要素45から及ぼされる光学的作用と同様に、面光源装置20の発光面と平行な方向における光源25からの離間距離に依存して、透過光に対して第2光学シート50の第2単位形状要素55から主として及ぼされる光学的作用は相違する。具体的には、光源25から大きな入射角度で多くの光が入射するようになる傾向がある光源25から離れた領域において、正面方向輝度を効果的に上昇させるように作用し(図4の光L41参照)、光源25から小さな入射角度で多くの光が入射するようになる傾向がある光源25の直上位置において、輝度が高くなり過ぎることを防止するように作用する。これにより、光源25の発光部の配列に応じて発生する輝度ムラ(管ムラ)を効果的に低減し、光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることもできる。すなわち、第2光学シート50は、透過光に対して光拡散作用も及ぼし、輝度の面内バラツキを均一化させるようにも機能する。
ところで、上述したように、第1光学シート40の第1単位形状要素45は、第1フライアイレンズ46をなし、本体部42の一方の面42a上において二次元配列されている。同様に、第2光学シート50の第2単位形状要素55は、第2フライアイレンズ56をなし、本体部52の一方の面52a上において二次元配列されている。したがって、第1単位形状要素45からなる第1フライアイレンズ46および第2単位形状要素55からなる第2フライアイレンズ56は、光学部材30のシート面上の任意の方向に沿った面内において、光の進行方向を変化させることができる。この結果、光源25の配列方向を考慮することなく光学部材30(すなわち、第1光学シート40および第2光学シート50)を光源25上に配置したとしても、光源25の構成に起因した輝度の面内バラツキを、効果的に均一化させることができる。
とりわけ本実施の形態においては、上述したように、単位形状要素45,55からなるフライアイレンズ46,56は、光学シート40,50のシート面への法線方向ndを対称軸とした6回対称、言い換えると、光学シート40,50のシート面への法線方向ndを中心として1/6回転(60°回転)させると同一な構成を有するようになる。このため、このフライアイレンズ46,56によれば、概ね等方的(目視判断では異方的とは視認することができない程度)に光に作用を及ぼすことができる。すなわち、光学シート40,50のシート面上の任意の方向に沿った面内において、光の進行方向を概ね同程度(目視判断では相違を視認することができない程度)に変化させることが可能となる。
このように、細長状の光源25の長手方向da(図3参照)や光源25の配列方向(daと直交する方向)に対する単位形状要素45,55の配列方向を考慮しなくとも、すなわち、光学シート40,50を光源25に対してどのように配置したとしても、光源25から光拡散シート22を透過して光学シート40,50に入射する光に対して光学シート40,50から及ぼされる光学的作用は概ね同程度(目視判断では異方的とは視認することができない程度)となる。つまり、本実施の形態によれば、光源25に対して光学部材30(すなわち、第1光学シート40および第2光学シート50)をどのように配置したとしても、光源25の配列構成に起因して生ずる輝度の面内バラツキ(管むら)を一定のレベルに効果的に低減することができる。
以上のようにして、光源25の構成に起因した輝度の面内バラツキを解消しながら、光学部材30から出射する光の出射角度を、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むことができる。
光学部材30を出光した光は、その後、透過型表示部15に入射する。透過型表示部15は、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させる。これにより、透過型表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
ところで、上述したように、光学部材30は、各々が集光機能を有した二枚の光学シート40,50を含んでいる。この結果、光学部材30の出光側における正面方向輝度を極めて効果的に向上させることが可能となる。そして、この光学部材30において、第1光学シート40の第1フライアイレンズ46を構成する多数の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値と、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値と、は異なっている。
一方、線状に延びる細長状の単位形状要素を並列配列(リニアアレイ)で多数設けてなる集光シート(リニアアレイレンズシートとも呼ぶ)を二枚重ねて用いることは、従来、広く行われてきた。そして、従来、リニアアレイレンズシートを複数枚用いる場合、各リニアアレイレンズシートの線状の単位形状要素(線状の単位レンズ、線状の単位プリズム)の屈折率は互いに同一にすることが有効であるとされてきた。なぜなら、わずかな屈折率の変化で、集光シートの集光機能を効果的に調節することが可能となる、と考えられてきたからである。この点については、本件発明者が行った実験(シミュレーション)の結果によっても裏付けされている。
図7には、本件発明者らが様々なリニアアレイレンズシートを用いて行ったシミュレーション結果のうちの代表的な一例が示されている。この実験では、断面形状が底辺(=配列周期)50μmで頂角90度の直角二等辺三角形形状となっている単位形状要素(単位プリズム)を多数、其の稜線と直交方向に、平行配列してなる典型的なリニアアレイレンズシートを、単位形状要素の配列方向が互いに直交するようにして二枚重ねて光学部材を構成した。二枚のリニアアレイレンズシートは、形状的に同一の構成を有するようにした。また、得られた光学部材を、光拡散シートを介して、並列配置された線状光源と対向するようにして配置することにより、面光源装置を構成した。面光源装置を構成する光源および光拡散シートは、実際に市販されている表示装置(液晶テレビ)に組み込まれていた光源および下拡散板と同様の仕様とした。光学部材に含まれる入光側のリニアアレイレンズシートの単位形状要素の屈折率の値および出光側のリニアアレイレンズシートの単位形状要素の屈折率の値を0.1ずつ変化させ、各屈折率の組み合わせにおける正面方向輝度を調査した。図7には、各屈折率の組み合わせにおける正面方向輝度が、二枚のリニアアレイレンズシートからなる光学部材を設けなかった場合の正面方向輝度(すなわち、並列配置された光源に対向して配置された光拡散シートの出光側面における正面方向輝度)に対する割合として示されている。
図7に示すように、本件発明者らによる実験の結果からも、従来支持されてきたように、二枚のリニアアレイレンズシートの単位形状要素をなす材料の屈折率を互いに同一としながら、当該屈折率を変化させることにより、光学部材の屈折角度・集光機能を有効に調節することができた。図7に示すように、二枚のリニアアレイレンズシートの単位形状要素をなす材料の屈折率を同時に変化させる場合(例えば、図7のポイントAからポイントBまで屈折率を変化させる場合)、一方のリニアアレイレンズシートの単位形状要素をなす材料の屈折率を一定に保ちながら他方のリニアアレイレンズシートの単位形状要素をなす材料の屈折率を変化させる場合(例えば、図7のポイントAからポイントCまで屈折率を変化させる場合または図7のポイントAからポイントDまで屈折率を変化させる場合)と比較して、二枚のリニアアレイレンズシートからなる光学部材の正面方向輝度を大幅に向上させることができた。逆に言えば、二枚のリニアアレイレンズシート間で単位形状要素をなす材料の屈折率を異ならせたとしても、二枚のリニアアレイレンズシートからなる光学部材の正面方向輝度を効果的に増大させることができないだけでなく、リニアアレイレンズシートの作製に使用する材料が二種類となり、光学部材の製造コストが増大に見合う効果が無い。さらに、目標とする正面方向輝度を確保しようとすると、いずれか一方のリニアアレイレンズシートの単位形状要素をなす材料の屈折率を、安価に入手可能な樹脂材料の屈折率の範囲(例えば1.4〜1.6)を超えて変化させる必要が生じ得り、この場合、当該リニアアレイレンズシートの製造コストが高価となってしまう。
このような二枚のリニアアレイレンズシートからなる光学部材に対して、二枚のフライアイレンズシート40,50を含んでなる本実施の形態における光学部材30においては、第1光学シート40の第1フライアイレンズ46を構成する多数の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値と、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値と、が異なっている。このような屈折率n1,n2の設定は、本件発明者らの研究で得られた知見に基づいており、安価に入手可能な樹脂材料を用いてフライアイレンズ46,56を形成することを可能にしながら、光学部材30の出光側面(面光源装置装置の出光側面)における正面方向輝度を向上させるためである。
また、本実施の形態によれば、入光側に位置する第1光学シート40の第1フライアイレンズ46を構成する多数の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値が、出光側に位置する第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値よりも大きくなっている。また、本実施の形態においては、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値が1.5以下となっている。このように、単位形状要素45,55をなす材料の屈折率n1,n2が設定されている場合、屈折率が1.4〜1.6の範囲内にある安価に入手可能な材料を用いながら、二つのフライアイレンズ46,56を構成する単位形状要素45,55が同一の屈折率を有する材料を用いて作製された光学部材で得られる正面方向輝度以上の正面方向輝度を確保することができる。
図6には、本件発明者らが様々なフライアイレンズを有する光学シートを用いて行ったシミュレーション結果のうちの代表的な一例が示されている。この実験では、図1〜図5を参照しながら説明してきた二枚の光学シート40,50を用いて光学部材30を構成した。つまり、光学部材30をなす二枚の光学シート40,50は、フライアイレンズ46,56を構成する単位形状要素45,55をなす材料の屈折率n1,n2の相違を除き、同一に構成した。また、得られた光学部材30を、光拡散シート22を介して、並列配置された線状光源25と対向するようにして配置することにより、図1に示された面光源装置20を構成した。面光源装置を構成する光源および光拡散シートは、実際に市販されている表示装置(液晶テレビ)に組み込まれていた光源および下拡散板と同様の仕様とした。光学部材30に含まれる第1光学シート40の第1単位形状要素45の屈折率n1の値および第2光学シート50の第2単位形状要素55の屈折率n2の値を0.05または0.1単位で変化させ、各屈折率の組み合わせにおける正面方向輝度を調査した。
図6には、各屈折率の組み合わせにおける正面方向輝度が、基準値に対するに対する割合として示されている。ここで、基準値は、市販されている表示装置(液晶テレビ)に組み込まれていた一枚のフライアイレンズシートを光拡散シートおよび光源と組み合わせることによって作製した面光源装置の正面方向輝度の値とした。図6に示されたグラフにおいて、横軸は、第1光学シート40の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1を示している。図6に示されたグラフにおいて、縦軸は、第2光学シート50の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2を示している。
尚、此の場合のフライアイレンズは、図3の如く、単位形状要素45、55は底部が直径70μmの真円となる半球形状であり、各単位形状要素は、完全な最密充填の状態から相互に6μmの間隔を空けて、配列周期Pが76μmで配列させたものを用いた。
シミュレーション結果においては、例えば図6に示すように、二つのフライアイレンズ46,56を含む光学部材30の正面方向輝度はすべて100%を超えていた。すなわち、二枚のフライアイレンズ46,56を重ねて用いることにより、フライアイレンズを一枚しか使用しない場合と比較して、正面方向輝度を効果的に向上させることができることできた。
また、フライアイレンズ46,56を含んだ二枚の光学シート40,50を組み合わせてなる光学部材30の出光側面における正面方向輝度は、例えば図6にも示されているように、全体的に、入光側に配置された第1光学シート40に含まれるフライアイレンズ46を構成する第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1が大きくなるに連れて、上昇していく傾向があった。一方、二枚の光学シート40,50を組み合わせてなる光学部材30の出光側面における正面方向輝度は、例えば図6にも示されているように、全体的に、出光側に配置された第2光学シート50に含まれるフライアイレンズ56を構成する第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2が小さくなるに連れて、上昇していった。以上の傾向からすると、二枚のフライアイレンズシート40,50を含んでなる光学部材30を用いる場合には、二枚のリニアアレイレンズシートを含んでなる光学部材を用いる場合(図7に示された場合)とは異なり、二つのレンズシート40,50に含まれる単位形状要素45,55の屈折率n1,n2の値を同一に保ちながら、当該屈折率n1,n2の値を増減させることによっては、正面方向輝度を効果的に調節することができない。二枚のフライアイレンズシート40,50を含んでなる光学部材30を用いる場合には、単に、一方のフライアイレンズシート40,50をなす材料の屈折率n1,n2を変化させることで、光学部材30の集光機能を効果的に調節することが可能となる。したがって、リニアアレイレンズシートとは異なり、二枚のフライアイレンズシート40,50のフライアイレンズ46,56をなす材料を別個に調整して互いに異なる適切な屈折率n1,n2の値とすることにより、効果的に正面方向輝度を向上させることができる。
より具体的に評価すると、二枚の光学シート40,50のフライアイレンズ46,56をそれぞれ形成する単位形状要素45,55の屈折率n1,n2が互いに同一である場合よりも、第1光学シート40の第1フライアイレンズ46を構成する多数の第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値が、第2光学シート50の第2フライアイレンズ56を構成する多数の第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値よりも高い場合に、正面方向輝度は高い値をとるようになる傾向がある。とりわけ、安価に入手可能な屈折率が1.4以上1.6以下の樹脂材料であって実際に通常使用されている樹脂材料を用いる場合には、従来行われてきたように同一の材料で二枚の光学シートを作製するよりも、入光側の光学シート40の単位形状要素45の屈折率n1を出光側の光学シート50の単位形状要素55の屈折率n2よりも大きく設定することにより、面光源装置20(透過型表示装置10)の正面方向輝度を上昇させることができる。
また、安価に入手可能な屈折率が1.4以上1.6以下の樹脂材料であって実際に通常使用されている樹脂材料を用いる場合には、出光側に配置された第2光学シート50のフライアイレンズ56を構成する単位形状要素55の屈折率n2を1.5以下に設定することにより、同一の材料を用いて作製された二枚の光学シートを含んでなる従来の光学部材を用いるよりも、面光源装置20(透過型表示装置10)の正面方向輝度を向上させることができる。
なお、このように、二枚のフライアイレンズシートを含んでなる光学部材と二枚のリニアアレイレンズシートを含んでなる光学部材との間で、レンズシートの単位形状要素(単位レンズ)をなす材料の屈折率の変化に応じた光学部材の正面方向輝度の変化挙動が大きく相違する詳細なメカニズムは不明であるが、その一要因と考えられ得るメカニズムについて以下に説明する。ただし、本件発明は以下のメカニズムの限定されるものではない。
上述してきたように、線状の単位形状要素を並列配列(リニアアレイ)で複数配置してなるリニアアレイレンズシートは、その単位形状要素の配列方向と平行な方向に進む光の成分に対して集光作用および拡散作用を及ぼし得る。したがって、単位形状要素の配列方向が交差するようにして二枚のリニアアレイレンズシートを重ねて用いる場合には、各リニアアレイレンズシートによって光学的作用を及ぼされ得る光の成分は互いに異なる。したがって、二枚のリニアアレイレンズシートの単位形状要素(単位レンズ)をなす材料の屈折率をいずれか一方だけ変化させた場合には、光学部材を透過する光のうちの一部分(概ね半分)のみに対し、屈折率を変化させた影響がもたらされるようになる。その一方で、二枚のリニアアレイレンズシートの単位形状要素(単位レンズ)をなす材料の屈折率の両方を同時に変化させた場合、光学部材を透過する概ねすべての光に対し、屈折率を変化させた影響がもたらされるようになる。とりわけ、光学部材の入光側に光拡散シート等の輝度の面内分布を均一化させる成分が配置されている場合には、すなわち、光源の構成に応じた輝度の面内ばらつきが抑えられている場合には、光学部材の出光側面における正面方向輝度を上昇させる上で、二枚のリニアアレイレンズシートの単位形状要素(単位レンズ)をなす材料の屈折率を同一に保つことが有効であると推測される。そして、この傾向は、二枚のリニアアレイレンズシートに含まれる単位形状要素の形状および単位形状要素の配列が互いに同一である場合に、より顕著になると考えられる。
一方、点状の単位形状要素を二次元配列してなるフライアイレンズシートにおいては、単位形状要素は、透過光の進行方向に影響を受けることなく、当該光の進行方向を変化させることができる。したがって、フライアイレンズシートでは、単位形状要素から出射する光の概ね全てに対して、光学的作用が及ぼされる。すなわち、光学部材を透過する多くの光(隣り合う二つの単位形状要素の間を透過する光、いわゆる「素抜け」する光以外の透過光)は、二枚のフライアイレンズシートの両方から光学的作用を及ぼされる。したがって、入光側に配置されたフライアイレンズシートへの入射光と、出光側に配置されたフライアイレンズシートへの入射光(入光側に配置されたフライアイレンズからの出射光)との間で、当然に、輝度の面内分布および輝度の角度分布は異なる。このため、入光側に配置されたフライアイレンズシートから透過光に対して及ぼされる光学的作用と、出光側に配置されたフライアイレンズシートから透過光に対して及ぼされる光学的作用は、同一である必要はなく、むしろ異っている方が好ましいと考えられる。このため、光学部材の出光側面における正面方向輝度を上昇させる上で、二枚のフライアイレンズシートの単位形状要素(単位レンズ)をなす材料の屈折率が相違していることが有効であると推測される。そして、この傾向は、二枚のフライアイレンズシートに含まれる単位形状要素の形状および単位形状要素の配列が互いに同一である場合に、より顕著になると考えられる。
以上のように本実施の形態によれば、光学部材30は、第1フライアイレンズ46を構成する第1単位形状要素45を有した第1光学シート40と、第2フライアイレンズ56を構成する第2単位形状要素55を有した第2光学シート50と、を有している。このような光学部材30においては、第1単位形状要素45をなす材料の屈折率n1の値および第2単位形状要素55をなす材料の屈折率n2の値の両方を別個に調節して異なる値とすることにより、二枚の光学シート40,50を透過した透過光の正面方向輝度を効果的に向上させることができる。結果として、屈折率が極端に高い材料または屈折率が極端に低い材料を用いることなく、安価に入手可能な屈折率の異なる二つの材料を用いることにより、面光源装置20(透過型表示装置10)の正面方向輝度を効果的に向上させることができる。
また、フライアイレンズ46,56を有する光学シート40,50は、通常、型70を用いた成型加工によって作製される。そして、フライアイレンズ46,56を作製するための型70は、リニアアレイレンズ46,56を作製するための型70と比較して高価となる。このことは、リニアアレイレンズ46,56では奏することのできない有用な機能、すなわち、一枚のレンズシートによって異なる二以上の方向で光の進行方向を制御し得るといった機能を有したフライアイレンズ46,56の普及を妨げる、一つの大きな理由であった。一方、本実施の形態によれば、単位形状要素45,55の形状や、フライアイレンズ46,56内での複数の単位形状要素45,55の配列等を変更することなく、単位形状要素45,55を形成する材料を変更することのみによって、二枚の光学シート40,50を透過した透過光の正面方向輝度を調節することができる。すなわち、材料が異なるものの、単位形状要素45,55の形状や単位形状要素45,55の配列が同一であるフライアイレンズ46,56を含んだ複数の光学シート40,50(光学部材30)を用いて、種々の集光特性を有した面光源装置20(透過型表示装置10)を作製することができる。したがって、種々の光学特性を有する面光源装置20(透過型表示装置10)を作製するために必要となる型70の数を激減させることができる。これにより、高価な型70の製造および型70の保管に必要となるコストを削減することができ、結果として、面光源装置20用の光学部材30、面光源装置20および透過型表示装置10の製造コストを低減することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
上述した実施の形態において、単位形状要素45,55が、光学シート40,50のシート面への法線方向と平行な断面において、円形状の一部分または楕円形状の一部分に相当する形状(立体形状では、球の一部分または回転楕円体の一部分に相当する形状)である例を示したが、これに限られない。例えば、所望の光学特性(集光機能、光拡散機能、収差、再帰反射性)等を光学シート40,50に付与することを目的として、単位形状要素40が、断面三角形形状を有する(立体形状では、円錐形状や角錐形状を有する)ようにしてもよい。また、上述した実施の形態において、単位形状要素45,55の底面(本体部42,52に接続する面)が円形状からなる例(図3参照)、より詳細には、単位形状要素45,55が光学シート40,50のシート面の法線ndを回転軸とする回転体からなる例を示したが、これに限られない。例えば、単位形状要素45,55の底面が、楕円、ランキンの卵形、カージオイド形(心臓形)等の真円と類似する乃至は真円を少し変形させた形状(これらを包括して円状形状と呼稱する)となる形状、或は三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形形状として形成されてもよい。さらに、上述した実施の形態において、一つの光学シート40,50内に含まれる多数の単位形状要素45,55がすべて同一の構成を有する例を示したが、これに限られない。高さ、断面形状および底面形状等の少なくとも一つが互いに異なる複数種類の単位形状要素45,55が、光学シート40,50に含まれていてもよい。
また、上述した実施の形態において、フライアイレンズ46,56を構成する単位形状要素45,55が、本体部42,52の一方の面42a,52a上において、互いから60°傾斜した二つの方向に沿って、一定のピッチで並べて配列されている例を示したが、これに限られない。例えば、単位形状要素45,55が、本体部42,52の一方の面42a,52a上において、直交する二方向に沿って、一定ピッチで並べて配列されるように(正方格子状に配列されるように)してもよい。また、単位形状要素45,55が、本体部42,52の一方の面42a,52a上にランダムに二次元配列される、すなわち、一方の面42a,52a上の異なる二方向のそれぞれに一定ではないピッチで配列されるようにしてもよい。さらに、上述した実施の形態において、フライアイレンズ46,56をなす単位形状要素45,55の配置位置が、光学シート40,50のシート面への法線方向ndを対称軸とした6回対称、言い換えると、光学シート40,50のシート面への法線方向ndを中心として1/6回転(60°回転)させると同一な位置構成となる回転対称性を有している例を示したが、これに限られない。例えば、1/n(nは6以外の自然数)回転させると同一な配置位置となる回転対称性を有するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、該単位形状要素45,55を光学シート40、50のシート面上に射影した形状の配置が、図3の如く、最密充填構造から一定の距離だけ各射影を離間した配列の場合を例示したが、これに限られ無い。例えば、各射影形状の離間距離を0とし、各射影相互が接触した完全な最密充填構造の配置でも良い。或いは、各射影形状間の離間距離を各々一定では無くランダムに分布した配置(これらを総称して最密充填状の配列と呼稱する)としても良い。
さらに、上述した実施の形態において、図4に示すように、本体部42,52の入光側面42b,52bを平滑な面をとした場合を例示したが、これに限られ無い。例えば、本体部42,52の入光側面42b,52bの十点平均粗さRz(JISB0601)を可視光線の最大波長0.8μm以上の値の粗面としても良い。此の様な粗面を形成することにより、該光学シート40、50が導光板等の他の平滑な光学部材と接触する場合に、他の光学部材と光学密着したり、干渉縞を生じたりする問題を解決できる。
さらに、上述した実施の形態において、第1光学シート40および第2光学シート50が単に重ね合わされて光学部材30が形成される例を示したが、これに限られず、例えば、第1光学シート40および第2光学シート50が互いに接合されていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第1光学シート40と第2光学シート50が同一の型70を用いて同一の形状的な構成を有するように作製される例を示したが、これに限られない。例えば、第1光学シート40の第1単位形状要素45と第2光学シート50の第2単位形状要素55との間で、形状や配列等が異なっていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、単位形状要素45,55を支持する本体部42,52が、基材シート36と、樹脂材料38からなる層と、からなる例を示したが、これに限られない。例えば、本体部42,52がさらに他の層を含んでいてもよいし、あるいは、本体部42,52が基材シート36のみからなっていてもよい。本体部42,52が基材シート36のみからなっている場合、単位形状要素45,55は、基材シート36上に直接配置されるようになる。
さらに、上述した実施の形態において、面光源装置20の光源25の発光部が、線状に延びる冷陰極管からなる例を示したが、これに限られない。光源25として、点状のLED(発光ダイオード)や面状のEL(電場発光体)等からなる発光部を用いることも可能である。また、上述した実施の形態において、光学部材30が直下型の面光源装置20に適用されている例を示したが、これに限られない。上述した光学部材30を、例えばエッジライト型(サイドライト型等とも呼ばれる)の面光源装置に適用することも可能であり、このような場合においても、光学部材30は直下型の面光源装置20に適用された場合と略同様の作用効果を奏することができる。
さらに、上述した実施の形態において、光学部材30、光学部材30が組み込まれた面光源装置20、並びに、透過型表示装置10の全体構成の一例を説明したが、これに限られない。例えば、配置位置を適宜変更したり、他のシート状部材を追加したりしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、表示装置および面光源装置の概略構成を示す断面図である。 図2は、図1の面光源装置に組み込まれた光学部材を示す斜視図である。 図3は、図2の光学部材の第1光学シートまたは第2光学シートを示す上面図である。 図4は、図3の第1光学シートまたは第2光学シートを示すシート面の法線方向に沿った断面図であって、第1光学シートおよび第2光学シートの作用を説明するための図である。 図5は、光学シートの製造方法の一例を説明するための模式図である。 図6は、入光側に配置されたフライアイレンズシートの単位形状要素の屈折率および出光側に配置されたフライアイレンズシートの単位形状要素の屈折率と、出光側に配置されたフライアイレンズシートの出光側面における正面方向輝度と、の関係を示すグラフである。 図7は、入光側に配置されたリニアアレイレンズシートの単位形状要素の屈折率および出光側に配置されたリニアアレイレンズシートの単位形状要素の屈折率と、出光側に配置されたリニアアレイレンズシートの出光側面における正面方向輝度と、の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 表示装置
15 透過型表示部
16 下偏光板
17 上偏光板
20 面光源装置
25 光源
30 光学部材
40 第1光学シート
42 本体部
45 第1単位形状要素
46 第1フライアイレンズ
50 第2光学シート
52 本体部
55 第2単位形状要素
56 第2フライアイレンズ

Claims (7)

  1. 光の進行方向を変化させながら当該光を透過させる光学部材であって、
    第1のフライアイレンズを構成する複数の第1単位形状要素を有する第1光学シートと、
    前記第1光学シートの出光側に配置された第2光学シートであって、第2のフライアイレンズを構成する複数の第2単位形状要素を有する第2光学シートと、を備え、
    前記第1形状要素をなす材料の屈折率と、前記第2形状要素をなす材料の屈折率と、が異なる
    ことを特徴とする光学部材。
  2. 前記第1単位形状要素をなす材料の屈折率は、前記第2単位形状要素をなす材料の屈折率よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記第2単位形状要素をなす材料の屈折率は1.5以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記第1単位形状要素と前記第2単位形状要素とは同一形状に構成されており、
    前記1フライアイレンズにおける前記複数の第1単位形状要素の配列と前記2フライアイレンズにおける前記複数の第2単位形状要素の配列とは同一である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記第1光学シート又は前記第2光学シートの少なくとも一方の光学シートにおいて、その単位形状要素の底面形状が円状形状であり、且つ、各々の該円状形状は最密充填状の配列をなす
    ことを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 光源と、
    前記光源の出光側に載置された請求項1乃至5記載のいずれか一項に記載の光学部材と、を備え、
    前記光学部材の第1光学シートが第2光学シートよりも前記光源側に位置している
    ことを特徴とする面光源装置。
  7. 請求項6に記載された面光源装置と、
    前記面光源装置の出光側に配置された透過型表示部と、を備える
    ことを特徴とする表示装置。
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