JP6089429B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
このようなエッジライト型の面光源装置は、各種光学シートの背面側に光源部を配置する直下型の面光源装置に比べて、面光源装置の厚さを薄くできる等の利点がある。また、このようなエッジライト型の面光源装置やこれを備える表示装置の光学性能を向上させるための各種開発も、盛んに行われている(例えば、特許文献1)。
一般的に、液晶表示パネルは、その厚み方向における光の入光側と出光側に、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を吸収する偏光板を備えている。従って、光源部からの光が無偏光状態であった場合には、面光源装置から出射した光の約半分が、入射側に設けられた偏光板によって吸収されてしまう。
そこで、映像の輝度を高めるために光源部の出力を上げると、消費電力の増大や筐体内の温度の上昇による光学シートの湾曲等を招き、好ましくない。そのため、光源部から出射した光の利用効率向上及び輝度の向上を実現することが求められている。
請求項1の発明は、光の入射方向に依存した指向性を持つ反射特性を有する反射板(23)と、前記反射板に対面する位置に設けられる液晶透過型表示部(11)と、前記液晶透過型表示部と前記反射板との間の領域に、側方から光を出射する光源部(20)と、を備え、前記液晶透過型表示部は、前記反射板に対面する位置に設けられ、前記反射板側に凸となる単位光学要素(171)が複数配列された偏向光学シートと、前記偏向光学シートの前記反射板側とは反対側に設けられる第1偏光子(15)と、前記第1偏光子の前記反射板側とは反対側に設けられる第2偏光子(13)と、前記第1偏光子と前記第2偏光子との間に設けられる液晶層(12)と、を備え、前記偏向光学シートと前記第1偏光子とが、一体に積層されており、前記光源部は、特定の偏光成分をそれ以外の偏光成分に比べて多く含み、前記単位光学要素の配列方向に沿って進む光を出射し、前記特定の偏光成分の偏光軸は、前記第1偏光子の透過軸に平行であること、を特徴とする表示装置(1)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記単位光学要素(171)の配列方向において、前記光源部(20)と対面する位置に設けられた第2反射板(24)を備えること、を特徴とする表示装置(1)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、前記単位光学要素は、三角柱状であり、一方の面から入射した光の少なくとも一部を、他方の面で全反射して、前記第1偏光子(15)側へ向けること、を特徴とする表示装置(1)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の表示装置において、前記偏向光学シート(17)と前記第1偏光子(15)との間には、光を拡散する作用を有する光拡散シート(16)を備えること、を特徴とする表示装置(1)である。
また、板、シート、フィルム等の言葉は、一般的に、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無い。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
さらに、本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能が奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含んでいるものとする。
図1は、本実施形態の表示装置1の斜視図である。
図2は、本実施形態の表示装置1の断面図を示している。図2では、後述するX方向及びZ方向に平行な断面を示している。
本実施形態の表示装置1は、液晶表示装置であり、液晶表示パネル11と、液晶表示パネル11の背面側(観察者O側とは反対側)に所定の距離をあけて配置される反射板23と、液晶表示パネル11と反射板23との間の領域に側方から光を照射する光源部20と、光源部20に対向する位置に設けられる第2反射板24とを備えている。
この表示装置1において、反射板23、第2反射板24、光源部20、液晶表示パネル11に設けられる後述の偏向光学シート17及び光拡散シート16により構成される部分が、所謂、面光源装置に相当する。
このとき、液晶表示パネル11に対して、光は、Z1側(背面側)から入光し、Z2側(観察者側)へ出光する。また、観察者Oは、観察者側となるZ2側から背面側となるZ1側に向けて、表示装置1(液晶表示パネル11)の画面の表示を視認する。
本実施形態の表示装置1において、「正面方向」とは、液晶表示パネル11の最も観察者側(最出光側)の面によって形成される表示装置1の表示面11aへの法線方向であり、後述する下偏光板14の板面への法線方向や、偏向光学シート17のシート面への法線方向等と一致する。
液晶表示パネル11は、液晶透過型表示部であり、Z1側(入光側)に配置された下偏光板14と、Z2側(出光側)に配置された上偏光板13と、この下偏光板14と上偏光板13との間に配置される液晶層12とを有している。この液晶表示パネル11の各部材の詳細については、後述する。
反射板23は、光を反射する作用を有する部材である。この反射板23は、Z方向において、液晶表示パネル11の入光側(Z1側)の面に対面する位置に所定の距離をあけて配置されている。
反射板23は、その液晶表示パネル11側(Z2側)の面が光を反射する反射面231となっており、反射面231へ入射する光を、液晶表示パネル11側に向けて反射する。反射板23は、少なくともその反射面231が高い反射率を有する材料により形成されている。
図3において、特定の方向からの入射光が完全拡散反射する反射特性を破線で示し、光の入射方向に依存した指向性を持って反射する反射特性を実線で示している。
この反射板23は、図3に実線で示すように、光の入射方向に依存した指向性を持って反射する反射特性を有しており、その反射光においては、鏡面反射成分が最も多く含まれる。
なお、反射板23は、その反射面231での反射光が拡散反射成分を有さず、鏡面反射成分のみである反射特性を有する形態とすることが、後述する光源部20からの光の偏光軸を維持する観点から好ましい。また、上述のように、反射光が鏡面反射成分を多く含み、かつ、拡散反射成分も含む反射板23とする形態とすることにより、輝度ムラ低減等の効果が得られる。従って、反射板23は、所望する光学特性に応じて、その反射特性を適宜選択してよい。
なお、「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものであり、例えば、反射板23の反射面231の十点平均粗さRz(JIS B0601−1982)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑である。
また、反射板23は、光の入射方向に依存した指向性を持つ反射特性を有するのであれば、拡散反射機能を有していてもよい。例えば、エンボス加工等によって、反射板23の反射面231が凹凸形状を有する形態としてもよいし、反射面231にヘアライン加工が施されていてもよいし、反射面231上に、プリズム形状、レンズ形状、マイクロレンズ等の光学要素が設けられていてもよい。
光源部20は、液晶表示パネル11を背面側(Z1側)から照明する光を発する部分である。図1及び図2に示すように、光源部20は、液晶表示パネル11のX1側端部近傍に配置されている。この光源部20は、特定の偏光成分を多く含む光を出射するものが好ましく、特定の偏光軸を有する偏光のみを出射するものがさらに好ましい。
本実施形態の光源部20は、特定の偏光軸を有する偏光を出射する。Z方向から見て、光源部20から出射する偏光の偏光軸は、後述する下偏光板14の偏光シート15を透過する偏光成分の偏光軸に平行である。
また、本実施形態の光源部20は、複数配列された発光部21を有している。
発光部21は、光を発する部分である。本実施形態では、発光部21として、点光源であるLED(Light Emitting Diode)を用いており、この発光部21(LED)が、Y方向に複数配列されている。
なお、発光部121としては、上述のような偏光成分に偏りを有する光を発するものであれば、上記LEDに限らず、各種点光源、線光源を適宜使用することができる。
従って、光源部20は、反射板23と偏向光学シート17との間の領域に、側方(X1側)から光を投射可能である。光源部20から出射した一次光は、X方向においてX1側からX2側へ進む。
なお、発光部21からの光の利用効率の向上を図る目的から、図2に二点鎖線で示すように、X1側端部の光源部20の外部側に、液晶表示パネル11と反射板23との間の隙間を塞ぐように反射部材25を設けてもよい。
一般的には、ある光源から射出される光は、特定の方向pdにピーク光度を持つ。そして、その特定の方向pdに対してなす角度が大きくなるにつれて、光度の値はしだいに低下していく傾向を有する。そのため、発光部21の配置は、発光部21の指向性(配光特性、即ち、光度の角度分布)を考慮して決定される。なお、以下の本明細書では、ピーク光度をもたらす特定の方向pdを「光軸」と呼ぶ。
図2に示すように、本実施形態の表示装置1では、XZ面に平行な断面において、光源部20から出射する光の光軸pdは、X方向に平行であり、Z方向において偏向光学シート17と反射板23との間に位置し、偏向光学シート17及び反射板23に接触しない構成となっている。
第2反射板24は、光を反射する機能を有する板状又はシート状の部材である。この第2反射板24は、図1及び図2等に示すように、X方向において光源部20と対面する位置に、液晶表示パネル11(偏向光学シート17)のX2側端部と反射板23のX2側端部との間を塞ぐように設けられている。この第2反射板24は、そのX1側(光源部20に対向する側)の面が、反射面241となっている。
第2反射板24を設けることにより、X2側の端部において液晶表示パネル11と反射板23との間から光が漏れることを防止でき、光の損失を効果的に低減して光の利用効率を向上させることができる。
また、図2に示す断面において、上述のように、光源部20の光軸pdは、偏向光学シート17と反射板23との間に位置し、第2反射板24に到達するように構成されている。そのため、光源部20から出射した光の多くが、第2反射板24の反射面241で反射される。従って、第2反射板24は、X2側に配置された光源部のように機能することができ、光量の低下が生じやすい光源部20からの距離が遠い側(X2側)の明るさを確保し、X方向における明るさを均一化することができる。
図2に示すXZ面に平行な断面において、上述のように光源部20から発せられる光の光軸pdは、X方向に平行であり、第2反射板24の反射面241へ向けて延びている。
従って、光源部20から出射する多くの光L1が、他の部材に入射することなく、第2反射板24の反射面241で反射して液晶表示パネル11へ入射する。
また、光源部20から光軸pdに対して角度をなす方向に出射する一部の光L2は、他の部材に入射することなく、液晶表示パネル11に入射する。さらに、光源部20から光軸pdに対して角度をなす方向に出射する一部の光L3は、他の部材に入射することなく反射板23の反射面231で反射して液晶表示パネル11に入射したり、第2反射板24の反射面241で反射したりして液晶表示パネル11に入射する。
本実施形態の反射板23と液晶表示パネル11の間には、他の部材等が設けられていない。従って、光が他の部材を透過する場合に生じる光量の損失を低減し、かつ、X方向における明るさを効果的に均一化できる。
しかし、本実施形態では、上述のように、光源部20から離れたX2側の領域においても、液晶表示パネル11に入射する光の量を確保することができ、液晶表示パネル11のX方向における各位置に入射する光量の分布を均一化できる。さらに、導光板を備えていないので、表示装置1の軽量化や薄型化も図ることができる。
また、本実施形態の反射板23は、光の入射方向に依存した指向性を持つ反射特性を有しているので、反射板23で反射した光は、その多くがX方向に沿って進み続ける。このため、光量が少なくなってしまう傾向のある光源部20とは離れた領域(X2側)においても、液晶表示パネル11に入射する光の量を確保することができ、X方向における明るさを均一化できる。
さらに、光源部20から出射した光は、偏光であり、反射板23の反射面231での拡散反射等によって、一部の光の偏光軸が変化する。しかし、反射板23と液晶表示パネル11の間には、導光板や光学シート類等の他の部材等が設けられていないので、光源部20から出射した偏光を略維持したまま液晶表示パネル11へ入射させ、透過させることができる。
液晶表示パネル11は、前述のように、入光側(Z1側)に位置する下偏光板14及び出光側(Z2側)に位置する上偏光板13と、Z方向においてこれらの偏光板の間に設けられる液晶層12とを有している。
液晶層12は、不図示の2枚のガラス基板と、このガラス基板の間に封入され、マトリクス状に配列された複数の液晶セルとを有している。この液晶セルは、1つの画素を形成する領域ごとに電界印加され、この電界印加によって、液晶セルの配向方向が変化する。
下偏光板14は、入射した光を直交する偏光成分に分解し、一方の偏光成分を透過させ、もう一方の偏光成分を吸収する機能(吸収型の偏光分離機能)を有し、かつ、入射した光の進行方向を制御する作用を有する部材である。本実施形態の下偏光板14は、偏光シート15、光拡散シート16、偏向光学シート17が一体に積層されている。
この下偏光板14(偏光シート15)の透過軸と上偏光板13の透過軸とは、Z方向(正面方向)から見て、直交している。
本実施形態では、下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加された液晶セルを通過する際にはその偏光方向(偏光軸)を90°回転させ、電界印加されていない液晶セルを通過する際にはその偏光方向を維持する。従って、液晶セルへの電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分が、上偏光板13を透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるかを制御できる。そして、このような液晶セルへの電界印加により、液晶表示パネル11では、光の透過又は遮断を画素ごとに制御し、映像を表示可能とする。
図4は、本実施形態の下偏光板14の斜視図である。
下偏光板14は、図4等に示すように、Z方向において、液晶層12側(Z2側)から順に、偏光シート15と、光拡散シート16と、偏向光学シート17とを有し、これらが一体に積層されている。
光拡散シート16及び偏向光学シート17は、偏光シート15を外部から保護する保護層(保護シート)としての機能も有している。また、偏向光学シート17は、液晶表示パネル11の最入光側(Z1側)の面を形成している。
反射板23と偏向光学シート17との間(厳密には、反射面231と後述する単位光学要素171の頂点との間)には、距離D(図2参照)の空間が設けられている。
この偏向光学シート17は、基部172と、基部172のZ1側に形成される複数の単位光学要素171とを有している。
基部172は、XY平面方向において連続している部分であり、この偏向光学シート17のベースとなる部分である。
単位光学要素171は、図2や図4等に示すように、Z1側に凸となる柱状であり、Y方向を長手方向とし、X方向に平行に複数配列されている。
図5に示すように、単位光学要素171の配列方向(X方向)に平行であって下偏光板14の厚み方向(Z方向)に平行な断面(XZ面に平行な断面)における断面形状は、三角形形状である。
図2や図5等に示すように、単位光学要素171は、例えば、X1側から一方の面171aに入射した光L4を、他方の面171bで全反射させ、Z方向(正面方向)もしくはZ方向となす角度が小さくなる方向へ向ける集光作用を有し、正面方向輝度の向上に寄与する。なお、単位光学要素171は、X2側から面171bに入射した不図示の光についても、他方の面171aで全反射させ、Z方向(正面方向)もしくはZ方向となす角度が小さくなる方向へ向ける集光作用を有する。この単位光学要素171の集光作用は、主として、単位光学要素171の配列方向(X方向)と平行な光の成分に対して機能する。
単位光学要素171の断面形状や屈折率等は、所望する単位光学要素171の集光作用に応じて、適宜調整可能である。
なお、光源部20から出射した光の偏光軸は、単位光学要素171の集光作用に関わらず維持される。
この光拡散シート16は、偏向光学シート17で集光された光を拡散する作用を有している。これにより、偏向光学シート17により集光された後の輝度の角度分布を滑らかに変化させることができる。
光拡散シート16は、上述のように、内部に拡散成分を含有する形態とすることが、拡散作用大きさ(拡散の強さ)や拡散の均一性等の観点から好ましい。
例えば、表面をマット面化したり、表層部に粒状物をコーティングする等によって表面をマット面化したりする形態の光拡散シートでは、拡散されずに抜けしてしまう光が生じやすい。しかし、本実施形態の光拡散シート16のように、内添された拡散成分を有する場合には、その平面方向(XY面方向)だけでなく厚さ方向(Z方向)にも拡散成分が分散しているので、光拡散シート16に入射した光は、高い確率で、一回以上拡散成分に衝突させ、その進行方向を変化させることができる。
光拡散シート16は、その厚みや、含有する拡散成分の形状や粒径、母材となる樹脂材料と拡散成分との屈折率差、拡散成分の濃度や特性等を適宜設定することにより、その拡散作用の大きさ(強さ)を調節可能である。
偏向光学シート17を形成する透明樹脂や光拡散シート16の母材となる樹脂としては、例えば、PC(ポリカーボネート樹脂)、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合体)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
また、光拡散シート16の拡散材分としては、有機又は無機粒子等を使用できる。
この偏光シート15は、光源部20が発する光が多く含む特定の偏光成分の偏光軸と、平行な偏光軸を有する偏光成分を透過する。
光源部20がS波(S偏光)を出射する場合には、図6(a)中に矢印P1で示すように、下偏光板14の偏光シート15は、その透過軸をY方向に平行とする。
また、光源部20がP波(P偏光)を出射する場合には、図6(b)中に矢印P2で示すように、下偏光板14の偏光シート15は、その透過軸をX方向に平行とする。
本実施形態の表示装置1では、光源部20から出射した光(偏光)の多くが、その偏光方向(偏光軸)を保ったまま偏向光学シート17等を透過して偏光シート15に入射する。従って、このような構成とすることにより、光源部20から出射した光の多くが、下偏光板14の偏光シート15を透過して、液晶層12へ入射することができる。よって、偏光シート15で吸収される光量を低減し、光の利用効率を高め、明るい映像を表示できる。
また、本実施形態では、表示装置1に組み込まれる部材(光学シート)の数量を、従来の表示装置に比べて大幅に削減できる。これにより、表示装置1の薄型化・軽量化を実現でき、生産コストを低減できる。また、これにより、表示装置の組み立て時に必要となる光学シート類の位置決め作業を省くことができ、作業効率を向上できる。
さらに、本実施形態では、偏向光学シート17及び光拡散シート16は、偏光シート15と一体に接合されて下偏光板14を構成しており、これらの部材間には空気層は存在していない。従って、空気層との界面で反射、とりわけ全反射してZ1側(背面側)に進む光を効果的に抑制することができ、光の利用効率を改善できる。
加えて、本実施形態によれば、光源部20から出射した光は、直接、又は、反射板23や第2反射板24で反射して偏向光学シート17へ入射し、光拡散シート16を透過して偏光シート15へ進むので、数多くの光学シート類を透過することによる光量の損失を低減し、光源部20が発する光の利用効率を大幅に上昇させることができる。
ここで、本実施形態の実施例に相当する表示装置と、比較例の表示装置とを作製し、その下偏光板14から出射する光の偏光の比率を測定した。
実施例1の表示装置及び実施例2の表示装置は、光源部20の発する好ましい偏光及び下偏光板14の透過軸が互いに異なる以外は、同一の形状である。
実施例1,2の偏向光学シート17の単位光学要素171は、頂角θ1=66°の二等辺三角柱状であり、配列ピッチ及び幅(配列方向における最も基部172側の寸法)が50μmであり、紫外線硬化型アクリル系樹脂製であり、その屈折率が1.50である。
実施例1,2の単位光学要素171は、いずれもX方向に配列されている。
実施例1,2の光拡散シート16は、そのヘイズ値が86.5%である。
実施例1,2の光源部20の発光部21は、25mmピッチでY方向に配列されている。この発光部21は、LEDであり、このLEDを覆うように樹脂製のキャップが設けられた形態となっている。LEDのY方向の幅が3mmであり、キャップのY方向の幅が21mmである。
実施例1,2の表示装置は、そのX方向の寸法が392mm、Y方向の寸法が692mm、反射板23の反射面231から下偏光板14のZ2側表面(偏向光学シート17の単位光学要素171の頂点)までの寸法Dが34mmである。
また、実施例2の下偏光板14の偏光シート15は、図6(b)に示すように、その透過軸がX方向に平行であり、P波を透過する。実施例2の光源部20は、P波を発する光源とすることが、輝度向上等の観点から好ましい。
図11は、比較例の表示装置4の構成を説明する図である。図11では、比較例の表示装置4における図2に相当する断面(XZ面に平行な断面)を示している。比較例の表示装置4は、液晶表示パネル41が下偏光板44を備え、導光板42や、第1及び第2光拡散シート45,47、プリズムシート46等を備えている以外は、本実施形態の実施例の表示装置1と同様の形態である。従って、同様の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、比較例の表示装置4は、液晶表示パネル41、光源部20及び、反射板43、導光板42、第1光拡散シート45、プリズムシート46、第2光拡散シート47を備えている。
比較例の光源部20は、実施例1,2の光源部20と同様に、発光部21として、LEDを用い、発光部21のX2側に、実施例1,2と同様に偏光シート(図11中に示す偏光シート22)を備えている。
下偏光板44は、前述の実施例1の下偏光板14の偏光シート15と同様の偏光子であり、その透過軸は、X方向に平行である。
導光板42は、その背面側(Z1側)の面に印刷により拡散作用を有する不図示のドットが形成された、一般的な印刷導光板である。この導光板42は、アクリル樹脂製の平板状の部材であり、その厚さが3mmである。この導光板42の背面側(Z1側)には、光を反射する反射板43が配置されている。
プリズムシート46は、第1光拡散シートよりも出光側(Z2側)に配置され、その出光側の面に、頂角θ2=90°の二等辺三角柱状の単位プリズム461が、Y方向を長手とし、X方向に複数配列されている。単位プリズム461の配列ピッチ及びプリズム幅は50μmである。このプリズムシート46は、その厚さが280μmであり、紫外線硬化型アクリル系樹脂製であり、屈折率が1.55である。
第2光拡散シート47は、プリズムシート46よりも出光側(Z2側)に配置され、等方性の拡散作用を有するシート状の部材である。この第2光拡散シート47は、ヘイズ値が86.5%であり、第1光拡散シート45と同一の部材を用いている。
表1に示すように、比較例では、光源部20をS波光源とした場合とP波光源とした場合の正面輝度比は小さく、略同等とみなせる程度であった。
これは、比較例では、光源部20から出射する光は特定の偏光軸を有する偏光となっているが、導光板での反射や光拡散シートでの拡散等により、その偏光方向が乱れ、Z方向から見て下偏光板44へ入射する光の偏光軸が一様ではなくばらついており、略無偏光に近い状態となっていることによる。
これに対して、実施例1では、光源部20をS波光源とした場合の正面輝度がP波光源とした場合の正面輝度よりも高く、S波光源とP波光源との正面輝度の差も大きい。また、実施例2では、P波光源とした場合の正面輝度がS波光源とした場合の正面輝度よりも高く、P波光源とS波光源との正面輝度の差が大きい。
これは、実施例1,2の表示装置では、光源部から出射した特定の偏光軸を有する偏光は、透過したり反射したりする光学部材が少なく、偏光方向の乱れが抑制され、Z方向から見て液晶表示パネル11へ入射する光の偏光方向が揃っており、かつ、その偏光軸と、下偏光板14の偏光シート15とが平行に配置されていることによる効果である。
従って、実施例1,2の表示装置1において、光源部20の発する偏光の偏光軸と下偏光板14(偏光シート15)の透過軸を平行とすることにより、下偏光板14(偏光シート15)を透過する光量を増大させることができ、光の利用効率を高め、より明るく、明るさムラのない良好な映像を表示できる。また、これに加えて、表示装置1の薄型化及び軽量化も実現できる。
図7に示すように、一般的に、S波の方が、P波に比べて界面での正反射率が高い傾向を示す。従って、光源部20から発せられる光をS波とする方が、光の導光距離を増大し、明るさの面均一性や正面輝度の向上等観点から好ましい。よって、実施例1と実施例2とを比較した場合には、光源部20からの出射光をS波とした実施例1の方が、明るさの面均一性や正面輝度の向上を奏することができ、より好ましい。
また、本実施形態によれば、面光源装置部分の部材数を従来の面光源装置や表示装置に比べて大幅に低減でき、生産コストの低減や軽量化・薄型化と、良好な映像の表示とを両立した良好な表示装置1とすることができる。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)単位光学要素171は、その断面形状が三角形形状である例を示したが、これに限らず、以下のような形態としてもよい。
図8及び図9は、変形形態の単位光学要素171の断面形状を示す図である。
例えば、図8(a)に示すように、単位光学要素171の断面形状が、曲線状の外輪郭を有する形態としてもよい。例えば、単位光学要素171の断面形状が、楕円一部形状や円の一部形状に相当する形状としてもよい。
また、単位光学要素171の断面形状は、図8(b)に示すように、台形形状としてもよいし、図8(c)に示すように、台形形状の上底部分が曲面からなる形状や、図8(d)に示すように、三角形形状の頂部がZ1側に凸となる曲面からなる形状としてもよい。
さらに、単位光学要素171の断面形状は、図8(e)に示すように、不等辺三角形状としてもよし、図8(f)に示すように、一方の面が複数の面からなる折れ面状となる形状としてもよいし、図8(g)に示すように、両方の面が複数の面からなる折れ面状となる形状としてもよい。さらに、単位光学要素171の断面形状は、図8(h)に示すように、一方の面が曲面、他方が平面からなる形状としてもよい。
また、単位光学要素171は、Z方向を軸として対称な形状としてもよいし、非対称な形状としてもよい。
なお、放物線に限らず、例えば、円、楕円、カテナリー曲線、双曲線、スプライン曲線等の一部分や、その他の自由曲線を組み合わせて形成される断面形状としてもよい。
なお、このような形状とする場合、単位光学要素171によって、所謂、フレネルレンズ形状が形成される。このフレネルレンズ形状は、発光部21の配列される数や位置等に応じて、発光部21を中心とするにサーキュラーフレネルレンズ形状としてもよいし、リニアフレネルレンズとして形成されてもよい。
さらに、図9(d)に示すように、1つの単位光学要素171において、光L8を全反射によって集光させる機能を有する第1要素部171−3と、光L9を屈折によって集光する機能を有する第2要素部171−4とを備える形態としてもよい。
例えば、偏向光学シート17に拡散材等の拡散成分を内添し、光拡散シートに換えて透明な樹脂シート等を配置する形態としてもよい。
例えば、偏光シート15のZ2側(出光側)に、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂製の保護シート等を設ける形態としてもよい。
また、光の位相差を補償するための位相差板が下偏光板14と液晶層12との間に設けられる形態としてもよい。なお、この場合には、下偏光板14の出光側(Z2側)に保護シートを設け、この保護シートが、位相差板の入光側の保護シートを兼ねる形態としてもよい。
反射板23において、次第に距離Dが小さくなる部分は、曲面状としてもよいし、平面状としてもよいし、複数の面からなる折れ面状としてもよい。なお、このような形状とするときには、第2反射板24を設けずに、反射板23のX2側端部が、液晶表示パネル11のX2側端部に接し、反射板23と液晶表示パネル11の間から光が漏れない構成としてもよい。
このような形態とすることにより、光源部20から離れたX2側の領域において、液晶表示パネル11に入射する光線の密度を上昇させることができる。これにより、液晶表示パネル11のX方向における入射光量の分布を均一化させることができる。
これにより、反射面241で反射された光の進行方向を、一定の角度範囲に広げることができ、液晶表示パネル11のX方向における入射光量をより均一化することができる。
例えば、光源部20は、発光部21が発する光を制御するための光学要素をさらに備えていてもよい。この光学要素としては、例えば、レンズ、プリズム、反射ミラー等を挙げることができる。
このような光学要素を備えることにより、発光部21が発した光の進行方向を偏向したり、指向性を補正したりすることができる。
図10は、変形形態の表示装置2を示す図である。図10では、XZ面に平行な表示装置2の断面を示している。
図10に示す変形形態の表示装置2は、X1側端部に光源部20A、X2側端部に光源部20Bを配置し、X方向の中心に、光源部20Aと対向する第2反射板24Aと、光源部20Bに対向する第2反射板24Bとを配置している。
この光源部20A,20B及び第2反射板24A,24Bは、Z方向に平行な中心軸(中心面)を中心として、対称に構成されている。
光源部20A,20Bは、実施形態の光源部20と同様の形態である。第2反射板24A,24Bは、実施形態の第2反射板24と同様の形態である。第2反射板24A,24Bの反射面241A,241Bは、Z方向に対して対称に傾斜しており、X方向に進む光源部20A,20Bからの光を偏向光学シート17側へ反射する機能を有している。
なお、このとき、光源部20A,20Bは、同じ偏光軸を有する偏光を出射する。
このような構成とすることにより、X方向における明るさ分布を効果的に均一化することができ、特に、より光量を必要とする大画面の表示装置においてもX方向における明るさ分布を効果的に均一化できる。
また、このとき、液晶表示パネル11と、偏向光学シート17及び光拡散シート16との間に、等方性光拡散シート、異方性等光拡散シート、集光シート等の光学シートを設けてもよい。
さらに、液晶表示パネル11は、例えば、反射防止機能、防眩機能、耐電防止機能、ハードコート機能、防汚機能等の少なくとも1つの機能を有する光学機能シート等をその出光側(Z2側)に積層してもよい。また、ルーバー構造を備える視野角制御シート等を、液晶表示パネル11の出光側(Z2側)に積層していてもよい。
10 面光源装置
11 液晶表示パネル
12 液晶層
13 上偏光板
14 下偏光板
15 偏光シート
16 光拡散シート
17 偏向光学シート
20 光源部
21 発光部
23 反射板
24 第2反射板
Claims (4)
- 光の入射方向に依存した指向性を持つ反射特性を有する反射板と、
前記反射板に対面する位置に設けられる液晶透過型表示部と、
前記液晶透過型表示部と前記反射板との間の領域に、側方から光を出射する光源部と、
を備え、
前記液晶透過型表示部は、
前記反射板に対面する位置に設けられ、前記反射板側に凸となる単位光学要素が複数配列された偏向光学シートと、
前記偏向光学シートの前記反射板側とは反対側に設けられる第1偏光子と、
前記第1偏光子の前記反射板側とは反対側に設けられる第2偏光子と、
前記第1偏光子と前記第2偏光子との間に設けられる液晶層と、
を備え、
前記偏向光学シートと前記第1偏光子とが、一体に積層されており、
前記光源部は、特定の偏光成分をそれ以外の偏光成分に比べて多く含み、前記単位光学要素の配列方向に沿って進む光を出射し、
前記特定の偏光成分の偏光軸は、前記第1偏光子の透過軸に平行であること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記単位光学要素の配列方向において、前記光源部と対面する位置に設けられた第2反射板を備えること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記単位光学要素は、三角柱状であり、一方の面から入射した光の少なくとも一部を、他方の面で全反射して、前記第1偏光子側へ向けること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の表示装置において、
前記偏向光学シートと前記第1偏光子との間には、光を拡散する作用を有する光拡散シートを備えること、
を特徴とする表示装置。
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