本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。また、以下で説明する各実施形態で、図を用いて光路例を矢印で表しているが、この矢印で表される光路例は説明のための概念的なものであり、例えば屈折や反射の程度等を厳密に表現したものではない。また、当該光路例は光の主たる進行方向を示すもので、実際には広がりを有して照射されている。
図1〜図3は第一の実施形態を説明するための図である。図1は表示装置に含まれる映像源モジュール1の構成を概略的に示す分解斜視図である。図2は、図1にII−IIで示した線に沿った映像源モジュール1の断面図である。図3は図1に矢印IIIで示した方向から見た偏向光学シート12、光源11の図である。図1、図2では紙面右が観察者側となる。従って図3は観察者側とは反対側から偏向光学シート12、光源11を見た図である。なお、図1〜図3をはじめ以下に示す図は分かり易さのため各部形状を変更、誇張して示すことがあり、繰り返しとなる符号は省略することがある。図1〜図3を参照しつつ第一の実施形態について説明する。
本実施形態の表示装置は液晶表示装置であり、映像源モジュール1を具備している。その他、図示及び説明は省略するが、表示装置には液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール1は面光源装置10と、該面光源装置10の観察者側に備えられる液晶表示パネル20と、を有している。面光源装置10は液晶表示パネル20を背面側(観察者とは反対側)から照明する装置である。一方、液晶表示パネル20は、映像情報を含み、面光源装置10からの光を透過及び遮断する等して映像情報を適切に観察者に提供するパネルである。以下それぞれについて説明する。
面光源装置10は、光源11、偏向光学シート12、光分配シート15、及び光拡散シート18を備えている。ここで光分配シート15は、導光層16及び反射層17を有して形成されている。
光源11は、偏向光学シート12と光分配シート15との間に光を照射可能とされ、その少なくとも一部の光を直接偏向光学シート12に向けて出射し、該偏向光学シート12に対して斜め下方から偏向光学シート12の上下方向全域に亘って光を投射する装置である。一方で、光源11はその一部の光を光分配シート15に向けて出射する。このような光源11の発光源としては、LED(発光ダイオード)、白熱電球、又は円形断面の蛍光管であって円形断面において一部を出射部とし、他を反射部とすることにより所定の方向に光を出射する蛍光管等を適用することができる。LEDや白熱電球の場合には、図1、図3からわかるように、複数の単位光源11aが表示装置の左右方向水平(図1の紙面左上−右下方向、図3の紙面左右方向)に配列されている。蛍光管の場合には、図示は省略するが当該配列方向を長手方向とするように配置される。
そして、図1からわかるように、光源11は偏向光学シート12のプリズム部14に具備される単位プリズム14a、及び光分配シート15の導光層16に対して傾斜するように光を出射する。詳しくは後で光路例とともに説明する。
偏向光学シート12は、背面側に配置された光源11から斜めに投射された光を偏向し、その光を液晶表示パネル20の法線方向に近づけるように偏向・集光する機能を有している。そのため、図2に良く表れているように、偏向光学シート12は基材部13及びプリズム部14を具備し、プリズム部14には複数の単位プリズム14aが設けられている。
基材部13はプリズム部14を形成する基材となる透光性を有する部位であり、プリズム部14の変形を防止できるように支持する。
プリズム部14は、複数の単位プリズム14aを有してなる部位である。各単位プリズム14aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面がそれぞれ、入射した光を屈折させ単位プリズム14a内に光を入射させる入射面14b及び入射した光を全反射する反射面14cを構成している。入射面14bは光源11に面した側の面、反射面14cはそれとは反対側の面である。また、図1からわかるように、本実施形態では各単位プリズム14aは単位光源11aが配列される方向、又は蛍光管が延びる方向に沿って直線状に延び、複数の単位プリズム14aは、この延びる方向に直交する方向に配列されている。
基材部13、プリズム部14は種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、耐衝撃性、安定性及び加工性等を有するとともに軽量で安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を用いることが好ましい。ただし、耐衝撃性や軽量性よりも耐熱性、剛性、耐薬品性等の性能の方を求める場合は、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子、鉛硝子等の硝子、石英、螢石、又はPLZT等の透明セラミックス等の透明無機物を用いる。
上記したように偏向光学シート12は、背面側に配置された光源11の光を斜め方向から投射されるので、各単位プリズム14aには異なった角度で光が入射する。ここで、偏向光学シート12は、光を偏向させるとともに光を液晶表示パネル20の法線方向に近づける(集光する)機能を有している。従って、各単位プリズム14aはこのような機能を実現するための形状とすることができる。例えば、図2に表したように、ある単位プリズム14aに入射する光(ここでは例として光路例L12とする。)が液晶表示パネル20の法線方向と成す角をθ1、単位プリズム14aから出光する光が液晶表示パネル20の法線方向となす角をθ2(図2ではθ2=0度である。)、単位プリズム14aの入射面14bと反射面14cとが成す角である頂角をλ、単位プリズム14aの屈折率をnとしたとき、単位プリズム14aのうち、反射面14cが液晶表示パネル20のパネル面と成す角φは次の式(1)により求めることができる。
ここで、単位プリズム14aから出光する光を液晶表示パネル20の法線方向としたい場合には、θ2を0度とすればよい。
以上のように、単位プリズム14aの形状は、光源11の位置、単位プリズム14aの材料等によって決定することができる。これによれば、各単位プリズム14aの頂角λやφは、単位プリズム14aが配置される位置によって異なるように連続的に変化している形状を得ることができる。ただし、これに限定されるものではなく、いずれの単位プリズム14aの形状も同じとしてもよい。
ここでθ1は、単位光源11aにより、適切にプリズム部14の全面に亘って光が照射されればよく、特に限定されることはないが、薄型化の観点からθ1をできるだけ大きくすることが好ましい。かかる観点からθ1は60°以上85°以下であることが好ましい。
このような偏向光学シート12は押し出し成型により、または、基材部13の上にプリズム部14を賦型又は貼付することにより、製造することができる。押し出し成型で製造された偏向光学シート12では、基材部13とプリズム部14とが一体的に形成され得る。また、賦型又は貼付によって偏向光学シート12を製造する場合にはプリズム部14をなす材料と基材部13をなす材料とは異なっていても良いし、同一であってもよい。
図4には偏向光学シート12の製造方法の一例について一部の工程を概略的に説明する図を示した。この例では、偏向光学シート12を製造する際、図4に示すように、基材部13となる層を含む基材13’の上に、プリズム部14を形成する。具体的には次の通りである。プリズム部14を形成するには、所定のピッチでプリズム部14の形に対応した形の溝を有する金型ロール300を準備する。次に、当該金型ロール300とニップロール301との間に基材13’を送り込む。図4に示した矢印IVは、基材13’を送り込む方向である。基材13’の送り込みに合わせて、金型ロール300と基材13’との間に供給装置303からプリズム部を構成する組成物304の液滴を供給し続ける。供給装置303から基材13’上に組成物304を供給するとき、金型ロール300と基材13’との間に、組成物304が溜まったバンク305が形成されるようにする。このバンク305において、組成物304が基材13’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール300と基材13’との間に供給された組成物304は、金型ロール300及びニップロール301間の押圧力により、基材13’と金型ロール300との間に充填される。その後、光照射装置306によって基材13’越しに、組成物304に光を照射し、組成物304を硬化させ、プリズム部14を形成することができる。プリズム部14が形成された後、このシートは、剥離ロール307を用いて引かれることによって、金型ロール300から引き剥がされる。
図1〜図3に戻り光分配シート15について説明する。光分配シート15は、光源11から出射された光の一部をその内部に入光させ、反射や拡散させることにより光を誘導するとともに、輝度ムラを低減した光を偏向光学シート12に向けて出射させる機能を有する。光分配シート15は、偏向光学シート12のプリズム部14側に、該プリズム部14と所定の間隔を有して対向するように配置されている。
上記したように、光分配シート15は導光層16と反射層17とを備えている。
導光層16は、図1、図2からわかるように偏向光学シート12のプリズム部14に、所定の間隙を有して対向するように設けられた透光性を有する層である。導光層16は、公知の導光板と同様の考え方で構成することができる。すなわち、光源11から導光層16に入射した光を光源11から離隔した方向(導光方向)に導きつつ、少しずつ偏向光学シート12に面した面から光を出射する。そのために導光層16に備えられるべき構成は、上記した機能を奏するものであれば特に限定されることはないが、各種傾斜面や光拡散手段、例えば反射ドット等を挙げることができる。これらの光を出射させる構造を導光層の表面又は裏面の所定の位置に設けることにより、面光源の面内輝度分布のムラ解消や所望の面内輝度分布パターンを得ることが可能になる。
図5には、導光層16の変形例を2つ示した。図5(a)が第一変形例の導光層16’、図5(b)が第二変形例の導光層16”である。いずれの図も図2と同じ視点から導光層16’、16”のみに注目して表した図である。
図5(a)に表した導光層16’は、反射層17が配置される側のうち、光源11に近い側の一定区間に光を導光する手段16’aを設けた例である。具体的には図5(a)に示したような傾斜面を備えた例を挙げることができる。この傾斜面はここで反射した光の向きを偏向し、その向きを導光層16’と空気との界面で全反射可能とさせ、光を導光方向(図5(a)の上方)に導く機能を有する。これにより導光層16’のうち、偏向光学シート12に対向する面から入射した光を効率良く導光方向に導くことができる。また本例では導光する手段16’aが備えられた以外の部位には光を導光層16’から出射させるための傾斜面16’bを有する。この傾斜面16’bによれば、傾斜面16’bで反射した光は導光層16’の出光面の法線に近づけられるように偏向され、導光層16’と空気との界面で反射することなく導光層16’から出射される。図5’(a)に光路例L18を示した。光路例L18からわかるように、導光層16’に入射した光は傾斜面16’aにより導光方向に近づけられるように偏向して反射されて導光される。そして、傾斜面16’bにより出光面の法線に近づけられるように偏向されて導光層16’から出光される。
図5(b)に表した導光層16”では、偏向光学シート12に対向する面と光源11側の端面とが形成する角部が面取り状に切り欠かれ、入光面16”aが形成されている。当該入光面16”aにより、図5(b)に光路例L19で示したように、効率良く光源11からの光を導光層16”内へ導くことができる。これによりさらに光源11からの光を導光方向に導き易くなる。
図1〜図3に戻り反射層17について説明する。反射層17は、導光層16のうち、偏向光学シート12に対向しない面側に配置され、導光層16との間に所定の間隔を有して設けられた層であり、光を反射する機能を有している。ここで反射の態様は鏡面反射や拡散反射等のいずれであってもよい。反射層17は上記のように光を反射する機能を有していればその種類は特に限定されるものではなく公知のものを適用することができる。
次に光拡散シート18について説明する。光拡散シート18は、偏向光学シート12から出光した光を拡散させて、偏向光学シート12の作用に起因して強く収束されて指向性が強くなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大するためのシート状の部材である。具体的には光拡散シート18は、透光性を有する主部内に光散乱剤(光拡散性粒子)が分散されて構成されている。光散乱剤は、主部内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤の光拡散機能(光散乱機能)を発揮するために、例えば、主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から光散乱剤を構成することができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。
主部をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる通常の光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。一方、光散乱剤は、一例として、平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、硫酸バリウム、酸化チタン等からなる粒子を、用いることができる。
また、光拡散シート18は偏向光学シート12の基材部13の平坦面に粘着剤等により粘着されていることが好ましい。また光拡散シート18のうち液晶表示パネル20側の面は平坦面であることが好ましい。これにより液晶表示パネル20、又はその他この間に配置してよい層に適切に密着して積層させることができる。
次に液晶表示パネル20について説明する。液晶表示パネル20は、観察者側となる側に配置された上偏光板22と、面光源装置10側に配置された下偏光板23と、上偏光板22と下偏光板23との間に配置された液晶セル21と、を有している。上下の偏光板22、23は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波及びS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶セル21には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶セル21の配向は変化するようになる。面光源側(すなわち入光側)に配置された下偏光板23を透過した特定方向の偏光成分(本実施形態においては、P波)は、電界印加された液晶セル21を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶セル21を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶セル21への電界印加の有無によって、下偏光板23を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、下偏光板23の出光側に配置された上偏光板22をさらに透過するか、又は、上偏光板22で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶表示パネル20では、面光源装置10からの光の透過又は遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。本実施形態では通常に用いられる液晶表示パネルを用いることができる。
次に、光源11からの光がプリズム部14に対してどのように照射されるかについてを含め、面光源装置10に注目した映像源モジュール1及び表示装置の作用について説明する。図2には光源11に含まれる1つの単位光源11aによる光路例L11〜L17を示した。
図2からわかるように単位光源11aは、偏向光学シート12のプリズム部14と光分配シート15の導光層16との間に光を照射し、プリズム部14に対して斜め下方から垂直方向(単位プリズム14aが配列される方向)の全域に亘って傾斜するように直接に光を照射する。さらに単位光源11aは、導光層16に向けて斜め下方から光を照射する。以下光路例を挙げて説明する。
単位光源11aから出射した光L11は、最も下部に配置された単位プリズム14aに傾斜するように入射面14bから入射する。入射面14bから偏向光学シート12に入射した光は、反射面14cで全反射してその方向を観察者側に偏向されて偏向光学シート12から出射される。このとき上記したように各単位プリズム14aの形状を、偏向光学シート12から出射される光が液晶表示パネル20の法線方向に向くように形成しておくことができる。
単位光源11aから出射した光L12は、最も上部に配置された単位プリズム14aに傾斜するように入射面14bから入射する。入射面14bから偏向光学シート12に入射した光は、反射面14cで全反射してその方向を観察者側に偏向されて偏向光学シート12から出射される。このとき上記したように各単位プリズム14aの形状を、偏向光学シート12から出射される光が液晶表示パネル20の法線方向に向くように形成しておくことができる。
単位光源11aから出射した光L13、L14は、導光層16のうち偏向光学シート12に面する側の面から導光層16内に入光する。導光層16に入射した光は導光層16や反射層17に設けられた各手段に応じて、拡散反射や全反射が行われ、一部は光源11から離隔する方向(導光方向)に進み、一部は図2にL16で示したように導光層16から偏向光学シート12に向けて出射する。導光方向に進んだ光も、進みつつ導光層の出射構造によりL16のように偏向光学シート12に向けて出射される。
単位光源11aから出射した光L15は、導光層16のうち光源11側に近い端面から導光層16に入光する。このような光L15も上記した光L13、L14と同様に導光層16内を導光されつつ導光層の出射構造により光L16のように偏向光学シート12に向けて出射される。
単位光源11aから出射した光L17は、導光層16の面のうち、偏向光学シート12に面した側の面で反射することにより、プリズム部14に入射可能とされる(図2では見やすさのため間隙を大きくとっていることから、光L17を延長してもプリズム部14へは入光しないが、実際はこのような光もプリズム部14に入射させることができる。)。すなわち、このような光も利用することができる。
一方、水平方向に関しては、図3に直線矢印で示したように複数の単位光源11aにより全範囲に光が照射される。光源が上記したような蛍光管であった場合には、蛍光管が水平方向に長いので同様に水平方向の全範囲に光を照射することができる。
以上のように導光層16から出射される光L16は、偏向光学シート12に供給され、液晶表示パネル20に向けて出射される。導光層の出射構造の配置を、導光層が無い場合の輝度分布を補完するようなパターンとすることにより、面光源表面から出射する光の輝度ムラを低減することができる。一方、光L11や光L12を例に説明したように、光源11から出射した大部分の光線は偏向光学シート12に直接に照射されて偏向され、高い収束性で光を集光することができる。従って光の利用効率を高めることができる。
すなわち、上記した特許文献1に記載したような面光源装置に比べて輝度ムラを抑制することができる。図6に輝度ムラが抑制された結果の例を示す。図6は横軸に正面輝度、縦軸に垂直方向の位置(図2における紙面上下方向位置)をとったグラフである。横軸の正面輝度は原点から離れる方向にしたがって観察者に出射される光の輝度が高くなることを意味し、縦軸の位置は原点が最も光源側で、原点から離れる方向が導光層の導光方向である。当該グラフにおいて破線が従来例(導光層なし)、実線が本発明の例(導光層あり)を表している。
このグラフからもわかるように、出光構造配置を適正化した導光層を設けることにより、特に下部(光源に近い側)、及び上部(光源から遠い側)において輝度の向上が図られている。その結果、導光方向全体において輝度分布が均一化され、輝度ムラが抑制されている。
一方、従来からよく知られている面光源装置に備えられる導光板は、光源からの光を導光板内に入射させ、光を拡散均一化し、これをプリズムシートで順次集光していく態様なので、光の利用効率が低くなってしまう。またこのような導光板では、光源から出射された光が入光面としての導光板の端面で反射し、再び光源側に戻る光があるので、かかる観点からも光の利用効率が低下してしまう。
さらに、従来の導光板は光源からの光のほとんどを入射させる必要があるため、厚さが3mm〜4mmであったが、本発明の導光層は300μm〜400μm程度でも十分にその効果を奏するものとなる。
偏向光学シート12から出射した光は光拡散シート18を透過して出光する。光拡散シート18により、上記したように偏向光学シート12の作用に起因して強く収束されて指向性が大きくなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大することができる。そして面光源装置10を出射した光が液晶表示パネル20に提供される。
また、このような面光源装置10を適用した映像源モジュール1、表示装置によれば、面光源装置10に起因する上記した効果を奏することができる。特に面光源装置10に液晶表示パネル20に組み合わせた映像源モジュール1、及び表示装置では、液晶表示パネルの性質上、面光源装置10の集光性、高効率性の効果をより顕著に発揮することが可能となる。
また、面光源装置10の出光側の面を平坦面とすれば、液晶表示パネル20やその他の面光源装置10に積層してよい他の層に安定して積層及び貼付することができる。
以上説明した実施形態では、偏向光学シート12と光分配シート15との間隙に対して一方側に配置された光源11により照明しているが、光源11とは対向するように上方にさらに光源を設けて上方から当該間隙に照明してもよい。これによりさらに輝度ムラを抑制することが可能となる。なお、この場合にはプリズム部14の単位プリズム14aにおいて、上方の光源に対しては入射面14bが反射面として機能し、反射面14cが入射面として機能する。
図7は第二の実施形態について説明する図である。図7(b)に示した図は図3に相当する図であり、図7(a)に示した図は図7(b)にVII−VIIで示した線に沿った面光源装置30の断面うち、光源31、偏向光学シート32、光分配シート15を表した図である。
本実施形態でも第一の実施形態と同様に光拡散シート18や液晶表示パネル20を備えているが、第一の実施形態と共通するのでここでは図示及び説明を省略する。
面光源装置30は、光源31、偏向光学シート32、及び光分配シート15を備えている。ここで光分配シート15は第一の実施形態と共通するので同じ符号を付して説明は省略する。
光源31は、偏向光学シート32と光分配シート15との間に光を照射し、当該偏向光学シート32及び光分配シート15に対して斜め下方から光を投射する装置である。光源31は発光源として1つの単位光源31aを具備している。単位光源31aとしては、LED(発光ダイオード)や白熱電球を挙げることができる。
より具体的には、図7(a)、図7(b)からわかるように、光源31は、偏向光学シート32のプリズム部34に具備される単位プリズム34a、及び光分配シート15に対して傾斜するように光を出射する。
偏向光学シート32は、背面側に配置された光源31から斜めに投射された光を偏向し、光を液晶表示パネル20の法線方向に近づけるように集光する機能を有している。そのため、図7(a)に良く表れているように、偏向光学シート32は基材部13及びプリズム部34を具備し、プリズム部34には複数の単位プリズム34aが設けられている。基材部13は、第一の実施形態で説明した基材部13と共通するのでここでは説明を省略する。
プリズム部34は、複数の単位プリズム34aを有してなる部位である。各単位プリズム34aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面がそれぞれ、入射した光を屈折させ単位プリズム34a内に光を入射させる入射面34b及び入射した光を全反射する反射面34cを構成している。入射面34bは光源31に面した側の面、反射面34cはそれとは反対側の面である。また、図7(b)からわかるように、本実施形態では各単位プリズム34aは円弧状に延び、複数の単位プリズム34aは、偏向光学シート32のシート面より下方で、シート左右方向の中央に存する中心を基準にして同心円状に並べられている。
プリズム部34をなす材料や、各単位プリズム34aの機能及び考えられる形状は上記した第一の実施形態のプリズム部14に共通するので、ここでは説明を省略する。
このような偏向光学シート32は基材部13の上にプリズム部34を賦型又は貼付することにより製造することができる。このときには、プリズム部34をなす材料と基材部13のなす材料とは異なっていても良いし、同一であってもよい。
次に、光源31からの光がプリズム部34に対してどのように照射されるかについてを含め、面光源装置30に注目した映像源モジュール及び表示装置の作用について説明する。図7(a)には単位光源31aによる光路例L21〜L27を示した。
図7(a)からわかるように単位光源31aは、偏向光学シート32のプリズム部34と光分配シート15の導光層16との間に光を照射し、プリズム部34に対して斜め下方から単位プリズム34aが配列される方向の全域に亘って傾斜するように光を照射する。さらに単位光源31aは、導光層16に向けて斜め下方から傾斜した光を照射する。以下具体例を挙げて説明する。
単位光源31aから出射した光L21は、最も下部に配置された単位プリズム34aに傾斜するように入射面34bから入射する。入射面34bから偏向光学シート32に入射した光は、反射面34cで全反射してその方向を観察者側に偏向されて偏向光学シート32から出射される。このとき各単位プリズム34aの形状を、偏向光学シート32から出射される光が液晶表示パネル20の法線方向に向くように形成しておくことができる。
単位光源31aから出射した光L22は、最も上部に配置された単位プリズム34aに傾斜するように入射面34bから入射する。入射面34bから偏向光学シート32に入射した光は、反射面34cで全反射してその方向を観察者側に偏向されて偏向光学シート32から出射される。このとき各単位プリズム34aの形状を、偏向光学シート32から出射される光が液晶表示パネル20の法線方向に向くように形成しておくことができる。
単位光源31aから出射した光L23、L24は、導光層16のうち偏向光学シート32に面する側の面から導光層16内に入光する。導光層16に入射した光は導光層16や反射層17に設けられた各手段に応じて、拡散反射や全反射が行われ、一部は光源31から離隔する方向(導光方向)に進み、一部は図7(a)にL26で示したように導光層16から偏向光学シート32に向けて出射する。導光方向に進んだ光も、進みつつ導光層の出射構造によりL26のように偏向光学シート32に向けて出射される。
単位光源31aから出射した光L25は、導光層16のうち光源31側に近い端面から導光層16に入光する。このような光L25も上記した光L23、L24と同様に導光層16内を導光されつつ導光層の出射構造により光L26のように偏向光学シート32に向けて出射される。
単位光源31aから出射した光L27は、導光層16の面のうち、偏向光学シート32に面した側の面で反射することにより、プリズム部34に入射可能される(図7(a)では見やすさのため間隙を大きくとっていることから、光L27を延長してもプリズム部34へは入光しないが、実際はこのような光もプリズム部34に入射させることができる。)。すなわち、このような光も利用することができる。
一方、水平方向に関しては、図7(b)に直線の破線矢印で示したように放射状に広がる単位光源31aにより全範囲に光が照射される。
このような面光源装置30によっても第一の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
図8は第三の実施形態を説明するための図である。図8は本実施形態における図2に相当する図である。本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール101を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール101は面光源装置110と、該面光源装置110の観察者側に備えられる液晶表示パネル20と、を有している。液晶表示パネル20は第一の実施形態と共通するので同じ符号を付して説明を省略する。
面光源装置110は、光源11、偏向光学シート112、光分配シート15を備えている。また、偏向光学シート112は基材部113及びプリズム部14を有している。本実施形態では、基材部113の構成、及び光拡散シート18を具備しない点で第一の実施形態と異なる。従って、光源11、プリズム部14、及び光分配シート15は第一の実施形態と共通するので、同じ符号を付すとともに説明は省略する。
基材部113はプリズム部14の基材となる機能、及びプリズム部14から出光した光を拡散させて、プリズム部14の作用に起因して強く収束されて指向性が強くなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大する機能を有する部材である。基材部113は、透光性を有する主部内の全部又は一部に光散乱剤(光拡散性粒子)が分散されて構成されている。主部はプリズム部14の変形を防止して支持できるように構成されている。かかる観点から、主部を形成する材料の具体例として、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂等を挙げることができる。一方、光散乱剤は、主部内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤の光拡散機能(光散乱機能)を発揮するため、例えば、主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から光散乱剤を構成することができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。具体的には、一例として、平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。
また、基材部113のうち液晶表示パネル20側の面は平坦面であることが好ましい。これにより液晶表示パネル20、又はその他この間に配置してもよい他の層に適切に密着して積層させることができる。
以上の説明及び図2と図8との対比からもわかるように、本実施形態では、偏向光学シート112の基材部113が光拡散の機能を有するため、第一の実施形態で示した光拡散シート18を必要としない。これにより、第一の実施形態で説明した効果に加え、さらに面光源装置を薄く、軽量にすることができる。
このような偏向光学シート112は押し出し成型により、または、基材部113の上にプリズム部14を賦型又は貼付することにより、製造することができる。押し出し成型で製造された偏向光学シート112では、基材部113とプリズム部14とが一体的に形成され得る。このときにはプリズム部14にも光散乱剤が含有されるが、そのような態様でもよい。また、賦型又は貼付によって偏向光学シート112を製造する場合にはプリズム部14をなす材料と基材部113をなす材料とは異なっていても良いし、同一であってもよい。
図9は第四の実施形態を説明するための図である。図9は表示装置に含まれる映像源モジュール151の構成を概略的に示す斜視図で、図2に相当する図である。また、図10には図9の一部を拡大した図を示した。
本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール151を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール151は面光源装置160と、該面光源装置160の観察者側に備えられる液晶セル21及び上偏光板22と、を有している。面光源装置160は液晶セル21を背面側(観察者とは反対側)から照明する装置である。
面光源装置160は、光源11、偏向光学シート162、光分配シート15及び偏光子164を備えている。また、偏向光学シート162は基材部163及びプリズム部14を有している。本実施形態では、光源11、プリズム部14、及び光分配シート15は第一の実施形態と共通するので、同じ符号を付すとともに説明は省略する。
基材部163は、その一方側の面(光源11側の面)にプリズム部14が賦型又は貼付され、他方側の面に偏光子164が貼付されて積層されるシート状の部材である。すなわち、基材部163は、プリズム部14の変形を防止して支持することができるように機能するとともに、偏光子164を支持、保護することができる層としても機能する。従って、基材部163により液晶表示パネルの下偏光板としての機能も有する。すなわち、層構成の簡素化を図ることが可能となる。このような観点から基材部163(後述する主部163a)を構成する材料の具体例としてアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂等を挙げることができる。
これに加え、本実施形態では基材部163は、図10からわかるように、透光性を有する主部163a内に光散乱剤(光拡散性粒子)163bが分散されて構成されている。主部163aは上記した通り、プリズム部14の変形を防止して支持することができるように機能するとともに、偏光子164を支持、保護することができる層としても機能する。一方、光散乱剤163bは、主部163a内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤163bの光拡散機能(光散乱機能)を発揮するため、例えば、主部163aをなす材料とは異なる屈折率を有した材料を用いることができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。具体的には、一例として、平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、硫酸バリウム、酸化チタン等からなる粒子を、用いることができる。
これにより、基材部163が光拡散機能を奏するので別に光拡散層を設ける必要がなく、さらに層構成の簡素化を図ることが可能となる。
偏光子164は、液晶表示パネルの下偏光板の偏光子と同じ機能を有するものであり、偏光子164は下偏光板の偏光子として適用されるものを用いることができる。具体例としては、ポリビニル系フィルムを基材とした偏光子を挙げることができる。これは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や染料等の二色性色素を吸着あるいは染色させ、その後、一軸延伸して配向させることによって、光の吸収異方性をポリビニルアルコール系フィルムに付与され得る。
基材部163と偏光子164とは直接積層されていてもよいし、不図示の接着層により密着性が高められて積層されていてもよい。
本実施形態によれば、図9からわかるように、観察者側に向けて光分配シート15、光源11、プリズム部14、基材部163、偏光子164、液晶セル21、及び上偏光板22の順で構成されている。すなわち、面光源装置160に下偏光板の機能も備えているので、層構成の簡素化を図ることができる。さらには基材部163は光拡散機能も有するので、かかる観点からも層構成の簡素化を図ることが可能である。
本実施形態の基材部163は、押し出し法により例えば次のように製造することができる。図11に模式図を示した。まず、主部163aとなる樹脂材料を、光散乱剤163bとなる粒状物とともに押し出し機400に投入する。主部163aとなる樹脂材料は押し出し機400内でガラス転移点温度以上に加熱され、軟化した樹脂材料が押し出し機400から押し出される。この際、押し出し機400に設けられた金型(ダイ)により所定の形状に制御される。押し出し機400から押し出された材料401は、成形ロール402とバックアップ手段403との間に進む。さらに、ここで材料401はバックアップ手段403の無縁ベルト403aによって支持された状態で成形ロール402により押圧され、厚さが調整される。ここで無縁ベルト403aは熱容量が小さいので、材料401に接触した後、再度接触するまでに無縁ベルト403aは冷え、これがまた材料401に接触する。この作用により材料401がガラス転移点温度以下の温度にまで冷却される。その後さらに冷却されることにより材料401が硬化し、剥離ロール404により剥離する。
また、本実施形態には、さらにいわゆるマット層を積層させてもよい。マット層とは、母材中に微小な粒子を混入させ、当該粒子を母材表面から突出させることにより粗面を形成する層である。このようなマット層としては公知のものを適用することが可能である。これにより面光源装置から出光する光を所望のものに制御することができる。このようなマット層は、基材部163と偏向子164との間や、プリズム部14と基材部163との間に設けることができる。
図12は第五の実施形態を説明するための図である。図12は本実施形態における図2に相当する図である。本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール201を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
本実施形態では、面光源装置110、液晶表示パネル20、及び光制御部材210が備えられている。面光源装置110、及び液晶表示パネル20は上記した通りなのでここでは説明を省略する。なお、面光源装置は、面光源装置110に限られることなく、これまでに説明したいずれの面光源装置もここに適用することができる。
光制御部材210は液晶表示パネル20の観察者側、すなわち上偏光板22に貼付されて積層される部材で、光を偏向して制御する機能を有する層である。具体的な構成は、透過部211及び間部212を有している。
透過部211は、図12に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図12に表れる断面において、略台形である透過部211を有し、隣り合う2つの透過部211間に断面が略三角形の間部212が形成されている。
透過部211は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、図12に表れる断面において、プリズム部14側に長い下底、その反対側(観察者側)に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。透過部211は、シート面に沿って所定の間隔で配列されるとともに、その間には、略三角形断面を有する間部212が形成されている。従って、間部212は、透過部211の上底側に底辺を有し、透過部211の下底側にこれに対向する頂点を有する三角形断面を有し、ここに所定の材料が充填されることにより間部212が形成される。
なお、本実施形態では間部212を三角形断面としたが、これに限らず間部を台形断面としてもよい。このときには透過部211の短い上底側に間部の長い下底が配置され、透過部211の長い下底側に間部の短い上底が配置される。
また、本実施形態では、三角形断面を形成する斜辺が直線状である例を示したが、これに限定されることなく、当該斜辺が折れ線状であったり、曲線状であってもよい。
ここで、間部212と透過部211とを屈折率が異なる材料で形成することにより、間部212と透過部211との界面で生じる反射を利用することができ、光の制御をすることが可能となる。
以上説明した各実施形態では、偏向光学シートに単位プリズムを備えるプリズム部を例示して説明した。ただし偏向光学シートには単位プリズムの代わりに曲面を有する単位レンズが適用されてもよい。この場合には、単位レンズが上記実施形態で示したように配列されることによりレンズ部が形成される。このようなレンズ部を備える偏向光学シートを用いても上記と同様の効果を奏するものとなる。