本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。また、以下で説明する各実施形態で、図を用いて光路例を矢印で表しているが、この矢印で表される光路例は説明のための概念的なものであり、例えば屈折や反射の程度等を厳密に表現したものではない。
図1〜図3は第一の実施形態を説明するための図である。図1は表示装置に含まれる映像源モジュール1の構成を概略的に示す分解斜視図である。図2は、図1にII−IIで示した線に沿った映像源モジュール1の断面図である。図3は図1に矢印IIIで示した方向から見た偏向光学シート12、光源11の正面図である。図1、図2では紙面右が観察者側である。図3は観察者側から偏向光学シート12、光源11を見た図となる。なお、図1〜図3をはじめ以下に示す図は分かり易さのため各部形状を変更、誇張して示すことがあり、繰り返しとなる符号は省略することがある。図1〜図3を参照しつつ第一の実施形態について説明する。
本実施形態の表示装置は液晶表示装置であり、映像源モジュール1を具備している。その他、図示及び説明は省略するが、表示装置には液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール1は面光源装置10と、該面光源装置10の観察者側に備えられる液晶表示パネル20と、を有している。面光源装置10は液晶表示パネル20を背面側(観察者とは反対側)から照明する装置である。一方、液晶表示パネル20は、映像情報を含み、面光源装置10からの光を透過及び遮断する等して映像情報を適切に観察者に提供するパネルである。以下それぞれについて説明する。
面光源装置10は、光源11、偏向光学シート12、反射シート15、及び光拡散シート17を備えている。
光源11は、偏向光学シート12に対して斜め下方から光を投射する装置である。光源11は発光源としてLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等を具備し、発光源から出射された光を拡大投影するための光学系が配置されている。従って図2、図3からわかるように光源11からは光が垂直方向及び水平方向に広がりを有して出射される(L1〜L6参照)。具体的には、光源11は、後述するプリズム部14に具備される単位プリズム14aが並べられる方向(同心円の半径方向)に傾斜するようにプリズム部14に向けて光を出射する。
偏向光学シート12は、後述する反射シート15と組み合わされることによって、光源11から斜めに投射された光を偏向し、光を液晶表示パネル20の法線方向に近づけるように集光する機能を有している。そのため、図2に良く表れているように、偏向光学シート12は基材部13及びプリズム部14を具備し、プリズム部14には複数の単位プリズム14aが設けられている。
ここで、偏向光学シート12よりも光源11の方が観察者側に配置されている。すなわち、光源11からの光は単位プリズム14aが並べられる方向に傾斜するように出射されるが、傾斜方向は観察者側とは反対側である。
基材部13はプリズム部14を形成する基材となる部位であり、プリズム部14の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材部13を形成する材料の具体例として、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂等を挙げることができる。
プリズム部14は、複数の単位プリズム14aを有してなる部位である。各単位プリズム14aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面がそれぞれ、入射した光を屈折させ単位プリズム内14aに光を入射させる入射面14b及び入射した光を全反射する全反射面14cを構成している。さらに、これら入射面14b、及び全反射面14cは、出光面としても機能する。光路については後で説明する。
入射面14bは光源11に面した側の面、全反射面14cはそれとは反対側の面である。また、図3からわかるように、本実施形態では各単位プリズム14aは円弧状に延び、複数の単位プリズム14aは同心円状に並べられている。本実施形態では同心円の中心は偏向光学シート12のシート面より下方で、シート左右方向の中央となる位置にある。
プリズム部14をなす材料は特に限定されることはないが、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることが好ましい。これには例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
上記したように偏向光学シート12は、光源11から光を斜め方向から投射されるので、各単位プリズム14aには異なった角度で光が入射する。ここで、偏向光学シート12は、光を偏向させ、光を液晶表示パネル20の法線方向に近づける(集光する)機能を有している。従って、各単位プリズム14aはこのような機能を実現するための形状とすることができる。例えば、ある単位プリズム14aの入射面14bから入射する光が液晶表示パネル20の法線方向と成す角をθ1(図2参照)、全反射面14cで反射した光が液晶表示パネル20の法線方向となす角をθ2、単位プリズム14aの入射面14bと全反射面14cとが成す角である頂角をλ(図2参照)、単位プリズム14aの屈折率をnとしたとき、単位プリズム14aのうち、全反射面14cが液晶表示パネル20のパネル面と成す角φ(図2参照)は次の式(1)により求めることができる。
従って、これらの関係を調整することにより全反射面14cによる反射光の角度を調整することができる。
一方、上記したように入射面14b、全反射面14cはいずれも出光面としても機能する。従って、プリズム部14は、光が入射面14b、全反射面14cから出光する際にもさらに光を液晶表示パネル20の法線方向に近付けるように偏向させる形状であることが好ましい。
すなわち、単位プリズム14aは入射面、全反射面としての機能と出光面としての機能とを兼ね備えた形状であることが好ましい。これにより集光性を高めることができる。そのための具体的な単位プリズム14aは当該機能が実現可能であれば特に限定されることはないが、本実施形態のように三角形断面であることが好ましい。
また、本実施形態のプリズム部14とした場合には上記式(1)からもわかるように、単位プリズム14aの形状は、光源11の位置、単位プリズム14aの材料等によって決定することができる。これによれば、各単位プリズム14aの頂角λやφは、単位プリズム14aが配置される位置によって異なる形状にしてもよい。ただし、これに限らず全ての単位プリズムの頂角λを同じ角度としてもよい。
ここで面光源装置では適切にプリズム部14の全面に亘って光源11からの光が照射されればよく、特に限定されることはないが、薄型化の観点からθ1をできるだけ大きくすることが好ましい。かかる観点からθ1は60°以上85°以下であることが好ましい。
このような偏向光学シート12は、例えば基材部13の上にプリズム部14を賦型又は貼付することにより製造することができる。その際、プリズム部14をなす材料と基材部13のなす材料とは異なっていても良いし、同一であってもよい。
反射シート15は、偏向光学シート12の基材部13のうち、プリズム部14が配置されている側とは反対側の面に積層されたシート状の部材であり、光を反射する機能を有している。ここで反射の態様は鏡面反射や拡散反射等のいずれであってもよいが、拡散反射であることが好ましい。拡散反射することにより反射光をより均一化することができ、面光源装置としての出射光の均一性を向上させることができる。また、拡散反射させることにより、光源11から出射した光が同じ光路を逆にたどり、再び光源11に戻ることを抑制することも可能となる。
反射シート15は上記のように光を反射する機能を有していればその種類は特に限定されるものではなく公知のものを適用することができる。
光拡散シート17は、偏向光学シート12から出光した光を拡散させて透過する機能を有するシート状の部材である。具体的には、偏向光学シート12の作用に起因して強く収束されて指向性が強くなった光をある程度拡散し、輝度分布を広げ、視野角を拡大する。
光拡散シート17は光源11より観察者側に配置される。すなわち図1、図2からわかるように、光拡散シート17は偏向光学シート12と所定の間隙を有して観察者側に配置される。そして光源11からの光はこの間隙に向けて照射されることになる。
光拡散シート17は、透光性を有する主部内に光散乱剤(光拡散性粒子)が分散されて構成されている。光散乱剤は、主部内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤の光拡散機能(光散乱機能)を発揮するために、例えば、主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から光散乱剤を構成することができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。
主部をなす材料は特に限定されることはないが、表示装置に組み込まれる通常の光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料であることが好ましい。これには例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。一方、光散乱剤としては、一例として平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、硫酸バリウム、酸化チタン等からなる粒子を挙げることができる。
ここで、光拡散シート17の面うち液晶表示パネル20側の面は平坦面であることが好ましい。これにより液晶表示パネル20、又はその他この間に配置してよい層に適切に密着して積層させることができる。ここで「平坦面」とは面光源装置10を他の同様な平坦面を有する層に安定して積層及び接着することができる程度の平坦を表す。これには例えば、JIS B 0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、1.0μm以下であることを挙げることができる。
次に液晶表示パネル20について説明する。液晶表示パネル20は、観察者側となる側に配置された上偏光板22と、面光源装置10側に配置された下偏光板23と、上偏光板22と下偏光板23との間に配置された液晶セル21と、を有している。上下の偏光板22、23は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解するため、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶セル21は、一つの画素を形成する領域毎に電界印加がなされ得るように構成され、電界印加された液晶セル21の配向が変化する。面光源装置10側(すなわち入光側)に配置された下偏光板23を透過した特定方向の偏光成分(本実施形態においてはP波)は、電界印加された液晶セル21を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で電界印加されていない液晶セル21を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶セル21への電界印加の有無によって、下偏光板23を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、上偏光板22をさらに透過するか、又は、上偏光板22で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶表示パネル20では、面光源装置10からの光の透過又は遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。本実施形態では通常に用いられる液晶表示パネルを用いることができる。
次に図2、図3を参照しつつ面光源装置10に注目した映像源モジュール1及び表示装置の作用について説明する。図2には光路例L1、L2を、図3には光路例L3〜L6を表した。
光源11から出光した光は放射状に広がりながら偏向光学シート12の入射面14bから入射し、全反射面14cで全反射してその方向が液晶表示パネル20の面の法線方向に近づくように偏向される(L1〜L6)。ただし、その向きは液晶表示パネル20とは反対側(観察者側とは反対側)である。全反射面14cで全反射した光(L1、L2)は、プリズム部14及び基材部13を透過し、反射シート15に達し、ここで反射される。反射シート15で反射した光は、観察者側に向きが変えられ、再びプリズム部14を透過し、出光面として機能する入射面14b、全反射面14cから出光する。出光する際にその一部の光は屈折によりさらに液晶表示パネル20の法線方向に近付くものとなる。
ここで、反射シート15が拡散反射可能なシートであれば、反射シート15で反射した光は拡散して広がり、偏向光学シート12からの出射光の均一性が高められる。また、拡散反射させることにより、光源11から出射した光が同じ光路を逆にたどり、再び光源11に戻ることを抑制することも可能となり、光の利用効率の向上を図ることができる。
面光源装置10のこのようなプリズム部14、反射シート15によれば、従来の面光源装置の導光板のように光を拡散均一化し、これをプリズムシートで順次集光していく態様とは異なり、光源11の光を直接偏向して収束するので、高い収束性で光を集光することができる。従って、光の利用効率を高めることが可能である。偏向光学シート12ではシートの全面に亘ってこのような光の偏向が行われるので、面光源として優れたものとすることが可能である。
偏向光学シート12から出射した光(L1、L2)は、光拡散シート17を透過して出光する。その際、光拡散シート17により、上記したように偏向光学シート12の作用に起因して強く収束されて指向性が大きくなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大することができる。
このような面光源装置10によれば従来の面光源装置に比べ光の収束性が高く、光源の光の利用効率を高めることができ、低消費電力化を図ることが可能である。また、従来の面光源装置と比べてわかるように、面光源装置10は導光板や複数の集光シートを必要としないので従来に比べて部材点数を減らし、薄型化、軽量化することが可能である。また、これに伴って製造コストを直接的に低減することもできる。
そして面光源装置10を適用した映像源モジュール1、表示装置によれば、面光源装置10に起因する上記した効果を奏することができる。特に面光源装置10を液晶表示パネル20に組み合わせた映像源モジュール1、及び表示装置では、液晶表示パネル20の性質上、面光源装置10の集光性、高効率性の効果をより顕著に発揮することが可能となる。
また、面光源装置10の出光側の面(光拡散シート17の液晶表示パネル20側の面)を平坦面とすれば、液晶表示パネル20やその他の面光源装置10に積層してよい他の層に安定して積層及び貼付することができる。
図4には第二の実施形態を説明する図を示した。第二の実施形態では、面光源装置のうち光源の数、配置が第一の実施形態と異なるのみで、他の部位については共通する。そこで、図4には、第二の実施形態のうち、光源31及び偏向光学シート12を表した。図4(a)は図2と同じ視点、図4(b)は図3と同じ視点から見た図である。また、図4には、特に符号を付していないが、実線、破線、点線の矢印で光路例を示した。
第二の実施形態では、光源31が複数の単位光源31aを有して構成されている。単位光源31aは同じ高さ位置に並べて配列されている。これにより特に画面水平方向においてさらに輝度分布を均一化することができる。各単位光源31aは、上記した光源11と共通である。
図5には第三の実施形態を説明する図を示した。第三の実施形態では、面光源装置のうち光源、及び偏向光学シートの形態が上記した第一の実施形態と異なり、他の部位については共通する。そこで、図5には、第三の実施形態のうち、光源41及び偏向光学シート42を表した。図5(a)は図2と同じ視点、図5(b)は図3と同じ視点から見た図である。また、図5には、特に符号を付していないが、実線の矢印で光路例を示した。
第三の実施形態に備えられる光源41は、複数の単位光源41aが水平方向に並べられて配置されている。各単位光源41aは、偏向光学シート42に対して斜め下方から光を投射する装置である。各単位光源41aは発光源としてLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等を具備し、また発光源から出射された光を所定の態様で拡大投影するための光学系が配置されている。具体的には、各単位光源41aは、図5(a)からわかるように後述する単位プリズム部44aが並列される方向に傾斜するようにプリズム部44に向けて光を出射する。
一方、第三の実施形態に備えられる偏向光学シート42は、光源41から斜めに投射された光を偏向し、液晶表示パネル20の法線方向に近づける(集光する)機能を有している。本実施形態の偏向光学シート42は、図5(a)に良く表れているように、基材部13及びプリズム部44を具備し、プリズム部44には複数の単位プリズム44aが設けられている。基材部13は第一の実施形態と共通するので説明は省略する。
プリズム部44は、複数の単位プリズム44aを有してなる部位である。各単位プリズム44aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面がそれぞれ入射した光を屈折させ、単位プリズム44a内に光を入射させる入射面44b及び入射した光を全反射する全反射面44cを構成している。さらに、これら入射面44b、及び全反射面44cは、出光面としても機能する。また、図5(b)からわかるように、単位プリズム44aは図5(a)に示した断面を有して水平方向に延びる直線状であり、複数の単位プリズム44aは、その延びる方向に直交する方向に並列されている。
ここで、光源41は偏向光学シート42よりも観察者側に配置されている。すなわち、光源41からの光は単位プリズム44aが並べられる方向に傾斜するように出射されるが、傾斜方向は観察者側とは反対側である。
プリズム部44をなす材料は特に限定されることはないが、上記したプリズム部14と同様である。
単位プリズム44aの断面形状については、第一の実施形態の単位プリズム14aと同様の考え方を用いることができるので、ここでは説明を省略する。図5に実線矢印で示したように、各単位光源41aから出光した光は、単位プリズム44aが並列される方向の概ね全域に亘るように広がりながら偏向光学シート42の入射面44bから入射し、全反射面44cで全反射してその方向が液晶表示パネル20の面の法線方向に近づくように偏向される。
ただし、その向きは液晶表示パネル20とは反対側(観察者側とは反対側)である。全反射面44cで全反射した光は、プリズム部44及び基材部13を透過し、反射シート15に達してここで反射される。反射シート15で反射した光は、観察者側に向きが変えられ、再びプリズム部44を透過し、出光面として機能する入射面44b、全反射面44cから出光する。出光する際にその一部の光は屈折によりさらに液晶表示パネル20の法線方向に近づくものとなる。
光が偏向光学シート42から出射した以降は、第一の実施形態と同様に面光源装置から出光する。
このような、光源及び偏向光学シートを有する面光源装置、映像源モジュール、及び表示装置も第一の実施形態で説明した効果を奏するものとすることができる。
さらに偏向光学シート42は図5(a)に示した断面が長手方向に直線状に一定して延在する。従って金型ロール等を用いて賦型して連続生産することが可能であり、生産性に優れたものとなる。図6は、偏向光学シート42の製造方法の一例について一部の工程を概略的に説明する図である。
偏向光学シート42を製造する際、図6に示すように、基材部13となる層を含む基材13’の上に、プリズム部44を形成する。具体的には次の通りである。プリズム部44を形成するには、所定のピッチでプリズム部44の形に対応した形の溝を有する金型ロール300を準備する。次に、当該金型ロール300とニップロール301との間に基材13’を送り込む。図6に示した矢印VIは、基材13’を送り込む方向である。基材13’の送り込みに合わせて、金型ロール300と基材13’との間に供給装置303からプリズム部44を構成する組成物304の液滴を供給し続ける。供給装置303から基材13’上に組成物304を供給するとき、金型ロール300と基材13’との間に、組成物304が溜まったバンク305が形成されるようにする。このバンク305において、組成物304が基材13’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール300と基材13’との間に供給された組成物304は、金型ロール300及びニップロール301間の押圧力により、基材13’と金型ロール300との間に充填される。その後、光照射装置306によって組成物304に光を照射し、組成物304を硬化させ、プリズム部44を形成することができる。プリズム部44が形成された後、このシートは、剥離ロール307を用いられて引かれることによって、金型ロール300から引き剥がされる。
ただし、本実施形態における偏向光学シート42も必ずしも上記のようの賦型による製造に限定されることはなく、押し出し成型であってもよい。この場合には基材部13とプリズム部44とは一体である。
このような直線状のプリズム部では、左右方向に関しては偏向性、集光性を有していないので、本実施形態のように、複数の単位光源41aを単位プリズム44aの延在方向に沿って並列させる。これにより水平方向にも輝度の均一性を得ることが可能となる。
図7には第四の実施形態を説明する図を示した。第四の実施形態では、面光源装置のうち光源、及び偏向光学シートの形態が上記した第一の実施形態と異なり、他の部位については共通する。そこで、図7には、第四の実施形態のうち、光源41、51及び偏向光学シート52を表した。図7(a)は図2と同じ視点、図7(b)は図3と同じ視点から見た図である。また、図7には、特に符号を付していないが、実線、及び点線の矢印で光路例を示した。
第四の実施形態に備えられる光源は、上記した第三の実施形態に備えられた光源41に加え、光源51を有している。光源51は、複数の単位光源51aが、後述する単位プリズム54aの延在方向に沿って並べられて配置されている。各単位光源51aは、偏向光学シート52に対して斜め上方から光源光を投射する装置である。光源51は光源41と同様、発光源としてLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等を具備し、また発光源から出射された光を所定の態様で拡大投影するための光学系が配置されている。具体的には、各単位光源51aは、図7の点線矢印からわかるように光が垂直方向に広がりを有し、水平方向には広がりが少ない光が出射される。すなわち、光源51は後述する単位プリズム54aが並列される方向に傾斜するようにプリズム部54に向けて光を出射する。
以上の説明からわかるように、第四の実施形態では、下方及び上方の両方から偏向光学シート52に光を出射している。
一方、第四の実施形態に備えられる偏向光学シート52は、第三の実施形態に備えられる偏向光学シート42と同様に基材部13及び、断面が略三角形である部位を有する複数の単位プリズム54aを具備するプリズム部54を備えている。各単位プリズム54aは当該断面を有して直線状に延在し、複数の単位プリズム54aはこの延在方向に直交する方向に並列される。
ここで、光源41、51は偏向光学シート52よりも観察者側に配置されている。すなわち、光源41、51からの光は単位プリズム54aが並べられる方向に傾斜するように出射されるが、傾斜方向は観察者側とは反対側である。
ただし、本実施形態では下方及び上方の両方に光源41、51を有しているので、断面略三角形の斜辺を形成する面54b、54cは、それぞれ入射面及び全反射面を兼ねるように形成される。すなわち面54cは光源41に対しては全反射面であるが光源51に対しては入射面である。一方、面54bは光源41に対しては入射面であるが光源51に対しては全反射面である。従って、単位プリズム54aの形状は、両面54b、54cともに第一の実施形態で説明した考え方で構成される。また、上記と同様に面54b、54cはいずれも出光面としての機能も具備している。
図7に実線矢印で示したように、光源41から出光した光は偏向光学シート52の面54bから入射し、面54cで全反射してその方向を液晶表示パネルの法線方向に近づくように偏向される。このとき、その向きは観察者側とは反対側に向かう向きである。そしてその光は反射シート15で反射して偏向光学シート52から出射される。一方、図7に点線で示したように光源51から出光した光は偏向光学シート52の面54cから入射し、面54bで全反射してその方向を液晶表示パネルの法線方向に近づくように偏向される。このとき、その向きは観察者側とは反対側に向かう向きである。そしてその光は反射シート15で反射して偏向光学シート52から出射される。
このような光源41、51、及び偏向光学シート52を備えることにより、上記した第三の実施形態と同様の効果を奏する。これに加えて光源が上下に分散して配置されているので上下方向の輝度分布のさらなる均一化が図られる。
図8には第五の実施形態を説明する図を示した。第五の実施形態では面光源装置のうち光源、及び偏向光学シートの形態が上記した第一の実施形態と異なり、他の部位については共通する。そこで、図8には、第五の実施形態のうち、光源61、及び偏向光学シート62を表した。図8(a)は図2と同じ視点、図8(b)は図3と同じ視点から見た図である。また、図8には、特に符号を付していないが、実線の矢印で光路例を示した。
第五の実施形態に備えられる光源61は、偏向光学シート62に対して斜め上方から光を投射する装置である。光源61は発光源61a及び集光反射部材61bを備えている。発光源61aはLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等を具備し、また発光源から出射された光を拡大投影するための光学系が配置されている。具体的には、発光源61aは、図8からわかるように光を垂直方向及び水平方向に広がりを有して出射する。従って本実施形態では発光源は1つであってよい。
集光反射部材61bは、光源の一部として機能し、偏向光学シート62の上方に具備され、図8(b)に表れるような所定の形状を有し、発光源61aからの光を反射可能に形成された部材である。より詳しくは、集光反射部材61bは発光源61aからの光を受けて反射するが、その際に水平方向に広がりを有している発光源61aからの光を集光し、水平方向の広がりを平行化して反射することができる形状を有している(図8(b)参照)。そして、後述する単位プリズム64aの延在方向に直交する光とする。
これにより、直線状の単位プリズム64aであっても適切に全反射することができる光へと偏向することができる。
一方、第五の実施形態に備えられる偏向光学シート62は、光源61から斜めに出射された光を偏向し、液晶表示パネル20の法線方向に近づける(集光する)機能を有している。本実施形態の偏向光学シート62は、図8に良く表れているように、基材部13及びプリズム部64を具備し、プリズム部64には複数の単位プリズム64aが設けられている。基材部13は第一の実施形態と共通するので説明は省略する。
光源61は偏向光学シート62よりも観察者側に配置されている。すなわち、光源61からの光は単位プリズム64aが並べられる方向に傾斜するように出射されるが、傾斜方向は観察者側とは反対側である。
プリズム部64は、複数の単位プリズム64aを有する部位である。各単位プリズム64aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面64b、64cを有する。面64bは発光源61a側の面、面64cはこれとは反対側となる面である。ここで、本実施形態では面64cが入射面、面64bが全反射面となる。また、上記と同様に面64c、64bともに出光面としても機能する。
さらに、図8(b)からわかるように、単位プリズム64aは図8(a)に示した断面を有して水平方向に延びる直線状であり、複数の単位プリズム64aはその延在方向と直交するように並列されている。
すなわち、本実施形態によれば、図8に実線矢印で示したように発光源61aから光が出射される。このときには水平方向及び垂直方向のいずれにも広がりを有している。このような光が集光反射部材61bで反射される。このとき当該集光反射部材61bの作用により垂直方向の光の広がりは維持される一方で水平方向の光の広がりは偏向され平行化される。すなわち、単位プリズム64aの並列方向に傾斜してプリズム部64に向けて照射される光となる。集光反射部材61bからの反射光は、偏向光学シート62の面64cから入射し、面64bで全反射してその方向を液晶表示パネルの法線方向に近づけるように偏向される。このとき、その向きは観察者側とは反対側に向かう向きである。そしてその光は反射シート15で反射して偏向光学シート62から出射される。
本実施形態では、第一の実施形態で説明した効果を奏することができるとともに、発光源61aを1つとしつつも、直線状のプリズム部64を適用することが可能となる。
図9は第六の実施形態を説明するための図である。第六の実施形態では、面光源装置のうち偏向光学シートの形態が上記した第一の実施形態と異なり、他の部位については共通する。そこで、図9には、第六の実施形態のうち、光源11、及び偏向光学シート72を表した。図9は図2と同じ視点から見た図である。また、図9には、特に符号を付していないが、実線の矢印で光路例を示した。
偏向光学シート72は、基材部13と反射シート15との間に間隙が設けられ、空気層IXが具備される点で偏向光学シート12と異なる。各部の構成及びその他の配置は第一の実施形態と共通する。
かかる空気層IXが設けられることにより、図9からわかるように基材部13と空気層IXとの界面において出光時、入光時に屈折が起こる。また、空気層IXの層厚の分、入光から出光までの距離が長くなる。これにより偏向光学シート72への光の入射位置(位置A)から、より離れた位置で光を出射させる(位置B)ことができ、出射する光が所定の箇所に集中することを抑制することが可能となる。すなわち、面光源装置として出射する光の均一性を向上させることができる。
また、上記したように反射シート15を拡散反射可能なシートとしたときには、さらに反射光を均一化することができ、面光源装置として出射光の均一性が向上する。
図10、図11は第七の実施形態を説明するための図である。図10は本実施形態における図2に相当する図である。本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール101を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
本実施形態では、上記説明した面光源装置10、液晶表示パネル20に加えて映像源モジュール101に視野角拡大部材120が備えられている。面光源装置10、及び液晶表示パネル20は上記した通りなのでここでは説明を省略する。なお、面光源装置は、面光源装置10に限られることなく、これまでに説明した各実施形態のいずれの面光源装置をもここに適用することができる。
視野角拡大部材120は液晶表示パネル20の観察者側、すなわち上偏光板22に貼付されて積層される部材で、光を拡散して視野角を拡大する機能を有する層である。具体的には次の通りである。
視野拡大部材120は、透過部121と、該透過部121間に具備される間部122と、を備えている。透過部121及び間部122は図10に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備えている。図11には視野拡大部材120の一部を拡大して説明する図を示した。
透過部121は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、図10、図11に表れる断面において、液晶表示パネル20側に長い下底、その反対側(観察者側)に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。透過部121は、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、その間には、略三角形断面を有する間部122が形成されている。従って、間部122は、透過部121の上底側に底辺を有し、透過部121の下底側にこれに対向する頂点を有する三角形断面を有し、ここに所定の材料が充填されることにより間部122が形成される。
なお、本実施形態では間部122を三角形断面としたが、これに限らず間部を台形断面としてもよい。このときには透過部121の短い上底側に間部の長い下底が配置され、透過部121の長い下底側に間部の短い上底が配置される。
また、本実施形態では、三角形断面を形成する斜辺が直線状である例を示したが、これに限定されることなく、当該斜辺が折れ線状であったり、曲線状であってもよい。
ここで、間部122には透過部121よりも小さい屈折率を有する材料が充填される。その屈折率差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.15以下であることが好ましい。屈折率差を大きくすることにより、より多くの光を反射して拡散することができる。
すなわち、図11に点線矢印で示したように、液晶表示パネル20を透過した光の一部が透過部121と間部122との界面に達する。透過部121と間部122とは上記したような屈折率差が設けられているので、界面に達した光は屈折率差と界面への入射角度に基づいて全反射する。さらに、透過部121及び間部122は上記したような形状を有していることから当該界面はシート法線に対して傾斜している。従って、全反射光は拡散する方向に偏向されて出射される。これにより光が拡散され、視野角を拡大することが可能となる。
ここまで説明したように、上記した各実施形態の面光源装置は集光性が高いので、集光された光が効率よく液晶表示パネル20を透過することができる。本実施形態によれば、このように効率よく液晶表示パネル20を透過した光を拡散して視野角を広くすることができる。従って、さらに視野角が広い映像源モジュール及び表示装置を提供することが可能となる。