JP4042960B2 - 高指向性導光板及び面光源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に使用される導光板及びこれらを用いた面光源装置に関し、更に詳しくは、液晶表示装置を背面より照射するためのバックライトの照明装置に関し、特に光の利用効率の高いバックライト照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ、パーソナルコンピューター、携帯電話やその他の情報機器類の表示装置として液晶表示装置が多用されている。液晶表示装置は大半が透過型であり、この場合、背後よりバックライトが必要である。このバックライトは薄型で軽量であり、光の利用効率の高い均質な面状光源が要求される。薄型の面状光源は、導光板の一側面に近接した光源から入射された光を導光板に沿って反射を繰り返しながら光源から離れる方向に伝搬させる。
【0003】
この伝搬される光は、導光板裏面に印刷された高屈折率粒子のドット又は裏面の凹凸構造によって反射、屈折されて表面に出射される。表面から出射した光は、レンズフィルムや拡散板を使用して所望の方向の光を透過型液晶表示素子に照射する方法が採られる。しかし、印刷ドットや凹凸による方法では散乱光が得られるために、不必要な方向に光が拡散して光の利用率が低下しやすい。
【0004】
上記問題を解決せんとして、特許第2911444号では、ドットに代わり導光板裏面にプリズムが鋸歯状に並んだようなプリズムアレイが形成され、傾斜面が約44度である平面光源が提案されている。更に、導光板の出射側にプリズムが鋸歯状に並んだようなプリズムアレイを導光板のプリズム稜線と略90度に直交するように配備する方法も提案されている。また、特許第3012462号では、導光板裏面のプリズムアレイの傾斜角αが空気に対する該導光板の臨界角に略等しく、プリズムの他方側の面とのなす角βが、この臨界角より小さく10°以下が好ましいとされている。
【0005】
一方、導光板の両面にプリズムアレイを設けた例としては、古くは特開昭63−220104号に記載され、これによれば、導光板の反射側に反射率が変化した反射率可変用膜部を設けることが提案されている。最近では、反射/透過型の液晶表示装置が特開2002−98960号に記載され、これによれば、導光板の両面にプリズム部を密に設けるとともに、その長さ方向が互いにほぼ直交した構造が、反射光と照射光を互いにほぼ直交する2つの方向に集光させ出射するので都合が良いとされている。
【0006】
また、裏面の凹凸構造による方法では、特開2001−307525号において、光の出射効率の向上のために導光板の構造を2層以上として、裏面に高屈折率層を設ける方法、及び、更に表面に低屈折率層を設けて出射率を高める方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
バックライトとして、従来のドットや凹凸に代えてプリズムアレイによって導光板表面に出射させる方法は、散乱による光の利用率の低下を避けることができるが、その効果は十分ではなく、更に一層の利用効率の向上が必要である。特に携帯用機器の表示装置用のバックライトとしては、ドットに代わるプリズムアレイによる光の出射の方法は薄型、軽量化に適しており、光の利用効率の向上が重要な課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意研究の結果、導光板の側端面から入射した光を出射させる出射面と、これと対向した反射面との両面にそれぞれプリズムアレイを配置してなる導光板において、従来の提案の如く、プリズムの長さ方向を互いにほぼ直交させるのではなく、共に入射方向にほぼ沿った方向に配置することにより出射効率を向上させることができることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明の請求項1は、側端面に光の入射面を有し、上面に前記入射面とほぼ直交する出射面を、及び、これに対向する下面に反射面を具備した導光板であって、
前記反射面には入射面にほぼ沿った方向の斜面が存在する複数の頂線と谷線とを備えたプリズムアレイAが形成され、該プリズムアレイAを構成するプリズムの前記入射面側とは反対側の斜面が底面となす傾斜角αが42度以下37度以上をなし、前記入射面側の斜面が底面となす傾斜角βが10度以下であり、
前記出射面には入射面にほぼ沿った方向の斜面が存在する複数の頂線と谷線とを備えたプリズムアレイBが形成され、該プリズムアレイBを構成するプリズムの空気に対する臨界角Crとするとき、該プリズムの前記入射面側とは反対側の斜面が底面となす傾斜角γが2γ−β<90−Crの範囲にある斜面が大部分を占める
ことを特徴とする導光板を内容とする。
【0010】
本発明の請求項2は、導光板の出射面のプリズムアレイBがフィルム層として形成され、導光板の屈折率の98%以下の屈折率を有する層を介して光学的に接合されている請求項1記載の導光板を内容とする。
【0011】
本発明の請求項3は、導光板の反射面のプリズムアレイA面に反射金属膜を配備した請求項1又は2記載の導光板を内容とする。
【0012】
本発明の請求項4は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導光板の側端面の光の入射面に、光源を設置したことを特徴とする面光源装置を内容とする。
【0013】
本発明の請求項5は、光源を、反射面のプリズムアレイAの傾斜角αの斜面と向き合い、且つ出射面のプリズムアレイBの傾斜角γで出射面の大部分を占める斜面と向き合う方向の側端面に設置した請求項4記載の面光源装置を内容とする。
【0014】
本発明の請求項6は、プリズムアレイAにおける傾斜角α又は/及びプリズムアレイBにおける傾斜角γを一定として、光源より遠ざかるにつれてプリズムアレイAの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角β又は/及びプリズムアレイBの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角δを変化させて傾斜角αの斜面又は/及び傾斜角γの斜面の面積を大きくなるようにした請求項4又は5記載の面光源装置を内容とする。
【0015】
本発明の請求項7は、プリズムアレイAにおける傾斜角α又は/及びプリズムアレイBにおける傾斜角γを一定として、光源より遠ざかるにつれてプリズムアレイAの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角β又は/及びプリズムアレイBの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角δを変化させてプリズムアレイA又は/及びプリズムアレイBの底辺を光源から遠ざかるにつれて短くした請求項4〜6のいずれか1項に記載の面光源装置を内容とする。
【0016】
本発明の請求項8は、導光板の反射面のプリズムアレイAの稜線と、出射面のプリズムアレイBの稜線との角度を3〜15度ずらした請求項4〜7のいずれか1項に記載の面光源装置を内容とする。
【0017】
本発明の請求項9は、導光板の反射面側に反射板を設置した請求項4〜8のいずれか1項に記載の面光源装置を内容とする。
【0018】
本発明の請求項10は、導光板の出射面側に、プリズムアレイA、Bの稜線方向と直交した方向に、集光性のプリズムフィルムを1枚以上設置した請求項4〜9のいずれか1項に記載の面光源装置を内容とする。
【0019】
本発明の請求項11は、導光板の出射面側に、反射偏光素子フィルムを設置した請求項4〜10のいずれか1項に記載の面光源装置を内容とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の原理を示す模式図である。図中、1は出射面であり、プリズムアレイBを備え、2は反射面であり、プリズムアレイAを備えている。各面の点線はプリズムアレイA、Bの谷線を結ぶ各プリズムの底面であり、プリズムアレイA、Bをそれぞれ構成する単位プリズムの斜面が底面となす傾斜角を反射面側ではα及びβとし、出射面側ではγ及びδとしている。一点鎖線は導光板の設置の基準面Sであり、この場合、反射面、出射面とは平行とする。この基準面Sに対して、導光板の側端面より入射した光は、反射面への入射角をθ1 、出射面への入射角をθ2 として、それぞれの反射した光線の基準面Sへの角度をそれぞれφ1 、φ2 とした。
【0021】
まず、導光板反射面のプリズムアレイAの単位プリズムに入射光θ1 がプリズム傾斜角αの斜面に照射した場合の光線の光路を図2に示す。一点鎖線は入射面に立てた法線であり、入射角と反射角は等しい。特許第3012462号にも記載されているように、
φ1 =2α+θ1 (1)
が成り立ち、更に、全反射の条件を満たすためのプリズムアレイAの空気に対する臨界角をCrとすると、
90−α−θ1 >Cr (2)
が成立しなければならない。
【0022】
次に、出射面のプリズムアレイBの傾斜角γの斜面にφ1 の角度で入射させて出射する場合、このプリズムアレイの屈折率をnとすると、図3では一点鎖線の法線に対してどちらの側から入射するかによって(a)と(b)に分かれる。
φ1 <90−γ場合、nsin(90−γ−φ1 )=sinη
φ1 >90−γ場合、nsin(φ1 +γ−90)=sinη
【0023】
これは符号の違いであって、法線方向のどちらに出射するかの違いになる。本発明のケースでは後者の場合が多く、この場合、垂直方向への出射に寄与しやすい。出射方向がプリズム底面に垂直に出射する場合は、ηはγに等しい時であるので、
nsin(φ1 +γ−90)=sinα
これをγについて解けば、
【0024】
【数1】
【0025】
反射面の傾斜角αを変更して(2)式に適合する全反射可能な入射角を算出する。これを用いて(1)式の出射角を求め、この出射角平均値をもとにこれを基準面の垂直方向に調整するための出射面傾斜角を(3)式により求める。この傾斜角をもとに(1)式の各出射角のプリズム出射面の出射方向を基準面の垂直方向を0として表す。
【0026】
表1はアクリル樹脂の場合であり、空気に対する臨界角Cr=42、屈折率n=1.49として算出した。
【0027】
【表1】
【0028】
表2はポリカーボネート樹脂の場合で、空気に対する臨界角Cr=39、屈折率n=1.58として、表1と同様に算出した。
【0029】
【表2】
【0030】
光学用透明樹脂の代表的な2例から明かなように、反射面プリズム傾斜角αをこれまで提案された44度又はほぼ臨界角とするよりも小さい角に設定する程入射可能な光線を集めることができることがわかる。しかし、それらの光線の出射方向は、導光板基準面の垂直方向とはずれてくる。このずれを垂直方向に正すための出射面プリズム傾斜角を設定し、これより出射せしめても出射角の幅が大きく拡散することなく、多くの入射角の光を受けとめ出射することができることがわかる。特に傾斜角44度以下にすることによって顕著になる。
【0031】
次に、反射面に受光する場合のみでなく、出射面に向かう光についても考察する必要がある。即ち、図1の一点鎖線の基準面Sより上向きに入射角θ2 で出射面プリズムの傾斜角γの斜面に照射して全反射し、基準面とはφ2 の角度をなして反射面プリズムアレイAの方向に向かう光である。この場合は、前(1)式と(2)式と同様の算式が成り立つ。
φ2 =2γ+θ2 (4)
90−γ─θ2 >Cr (5)
【0032】
反射面プリズムアレイAのプリズムの傾斜角βの斜面に受光した光は出射することなく全反射して光源から遠ざかる方向へ導光することが必要である。このためには、
90+β−φ2 >Cr (6)
(4)、(6)より
2γ+θ2 <90−Cr+β (7)
ここでγの最大値はθ2 が0の場合であるから、
(5)は γ<90−Cr (8)
(7)は 2γ─β<90−Cr (9)
γ=βの場合は(8)と(9)は一致し、γ>βの場合は、(8)は(9)が成り立てば(8)も成り立つので(9)が必須の要件となる。この場合γの最大値はβの最大の時であり、後述の如くβは10以下が適しているので、β=10を代入すると
2γ<90−Cr+10 (10)
【0033】
(10)式をアクリル樹脂の表1に適用してみると、γ=29となり、この時αは約37度となる。同じく表2のポリカーボネート樹脂ではγ=30.5となり、この時αは約36度となる。従って、通常の光学用合成樹脂を使用する場合は、出射面プリズムの傾斜角γは29度以下、反射面プリズムの傾斜角αは37度以上、他の反射面プリズムの傾斜角βは10度以下であり、そして反射面のプリズムの受光率を向上させるには、傾斜角αは44度以下でなければならない。また、これらの角度の間には、α>β、2γ−β<90−Crの関係が成り立つ時に両面のプリズムによる出射効率の向上が図れる。
【0034】
反射面側のプリズムアレイAのプリズムの傾斜角αの他の面の傾斜角βは、特許3012462号にも記載している如く、傾斜角αの斜面の深さを決める要素である。βを大きくするとプリズム深さが深くなり、小さくするとプリズム深さが浅くなる。プリズム深さが深くなると傾斜角αの斜面が大きくなり出射面への出射が大きくなる。深くなり過ぎると光源の近傍での出射が大きく遠方での出射を減じて不均一な出射となる。浅くなり過ぎると傾斜角βの斜面が小さくなり過ぎ、傾斜角αの斜面が小さくなり過ぎで出射できなくなる。適切な傾斜角βの値は10度以下となる。
【0035】
以上は光源から直接反射面プリズムアレイA及び出射面プリズムアレイBに出射する場合を検討した。プリズムにはそれぞれもう一つの他の斜面が存在する。反射面のプリズム傾斜角βの斜面に光源から受光する場合は、図4に示す如く、基準面に対してθ3 の入射角でφ3 の出射角で出射するとする。それぞれの角度は表に記載したようになり、
φ3 =2α+2β−θ3 (11)
それぞれの反射点では、
θ3 −β<90−Cr (12)
α+2β−θ3 <90−Cr (13)
が成り立つ。θ3 >βの場合のみ傾斜角βの斜面に受光し得、且つ導光板内に導光している光は導光板の臨界角より大きな光線であり(11)、(12)を満たしているので新たな制約とはならない。
【0036】
これらの光線は、図5に示す如く、θ3 で受光した光はy領域では前記直接反射面プリズムに受光した光で検討済みである。x領域が新たに出射面への出射に関係してくる。x領域の割合を算出するには、
【0037】
【数2】
【0038】
の関係が成り立つので
【0039】
【数3】
【0040】
反射面のプリズム傾斜角βの斜面に、光源からθ3 の入射角で入射する場合、前述の傾斜角αの斜面に入射したθ1 と同様に取り扱えるが、(12)、(13)式は(2)式のような、αやβと直接的な制約はなく、表1、表2の検討範囲ではθ1 と同様に精々15までと考えてもよい。そして、θ3 >βの場合のみ傾斜角βの斜面への入射が起こるのであるから、βが比較的大の時は無視できる。βが比較的小の時は影響があるが、その出射方向は(11)式で示される。出射方向φ3 は(1)式と比較すると(1)式が2αを出発点として入射角θ1 とともに或る範囲まで増加するのに対して、(11)式は2(α+β)を出発点として入射角θ3 とともに減少しつづける。つまり、広い幅の方向の光が出射する結果として、出射面からの出射は(1)式と(11)式の混成となるが、(11)式の方向の光は、〔数3〕に示すように、全体としては小さい割合である。従って、表1及び表2の平均出射角をもとに設計してもよいが、実際には(11)式を加味して平均出射角を少し減じて設計することもできる。
【0041】
出射面プリズムアレイBのプリズムの傾斜角γを記した斜面とは異なる他の傾斜角δの斜面は、光源からは影になる部分であるので光源からの受光の割合は殆どなく、更に反射面から出射面に向かう光の受光を少なくするために、この方向と平行に近い傾斜角にするのが好ましい。その結果、大部分が傾斜角γを設定した斜面とすると、他の斜面の影響は回避することができる。
プリズム傾斜角γは実用的には前述の如く29度以下であり、プリズムの形状から考え他の傾斜角δは限定的でないが、2γ以上が好ましいので58度以上となる。この場合、プリズムアレイBの傾斜角γの斜面の占める割合は62%となり、プリズム傾斜角γの斜面の占める割合は62%以上を占めることが好ましい。
【0042】
反射面と出射面とに共にプリズムアレイA、Bを設けた導光板は、透明な光学材料で一体のものとして作成されてもよいが、プリズムアレイ部分とプリズムアレイを除く導光板の基体部分をそれぞれ別個に作成して、光学的に一体化して作成されてもよい。光学的な一体化は、例えば、透明な光学用の接着剤や粘着剤によって完全に空気層を排除して一体化される。
【0043】
出射面側のプリズムアレイBの斜面は、反射面からの反射を受けた光線を屈折出射する役割を有し重要であるが、この斜面に光源からの光線を反射屈折させるとその進路が変更されて迷光を生じやすい。特に導光板基準面Sに平行に近い光線は、導光板基準面Sの垂直方向への出射に重要であるので、出射面側のプリズムアレイに入射することを避けるのが好ましい。このために、出射面に低屈折率層を設けると都合がよく導光板の屈折率の98%の低屈折率層を設けると臨界角が約79度を示すので、基準面から11度までの入射を妨げることができる。98%以下の低屈折率層となると、11度以上の入射が妨げられ、反射面への入射が優先される。
【0044】
更に、プリズムアレイと導光板基体との積層一体化は、各層の屈折率を変化できるので多彩な組み合わせが可能となる。例えば、高屈折率プリズムアレイでは、傾斜面の屈折して出射する方向角の変化は大きいが、傾斜面の全反射による進路変更は低屈折率のそれと同じであるので、出射面側プリズムアレイには適している。同様に反射面側プリズムアレイについては、導光板との屈折率の差が少ない方が入射しやすく反射方向に変化がないので都合がよい。このように、プリズムアレイと導光板基体との積層一体化は、自在な調節が可能になるという利点を有する。
【0045】
出射面側プリズムアレイBからの反射が或る程度避けられない場合は、反射面側プリズムアレイA面に反射金属膜を配備することにより出射面からの出射率を向上させることができる。
【0046】
光源は、線状の陰極線管や点状のLEDが使用される。LEDは均一な線状光源とするために棒状導光体や複数個の使用のためにはブロック状の導光体を用いて導光板の側端面に設置される。この光源からの光を受けるために、反射面のプリズムアレイAの傾斜角αの斜面と出射面のプリズムアレイBの傾斜角γで出射面の大部分を占める斜面が光源に向き合っていることが重要である。
【0047】
出射面からの光の出射は光源に近い部分から出やすく、遠い部分が出難い。これを調節するために、各種の方法があるが、本発明では受光する傾斜角αを変更することは得策でないので一定として、他のもう一方の傾斜角βを変化させて、光源に近い部分では他の傾斜角βを小さくして受光傾斜面の面積を減じ、遠い部分では他の傾斜角βを大きくして受光傾斜面を大きくする方法、又は受光面の角度や面積が一定でもプリズムアレイのピッチを光源に近い所で長く、遠い所で短くするように他のもう一つの角を変化させて調節することができる。
【0048】
また、前記積層による屈折率差の違いを利用して全反射の程度を調節して光源の近傍と遠ざかった点の出射をプリズムの傾斜面の全反射による進路の変更と伴わせて調節することができる。更に導光板部分を楔型にすることによって調節することはよく知られている。
【0049】
反射面側のプリズムアレイBの稜線と出射面側のプリズムアレイAの稜線とは平行に近づくと干渉縞が発生しやすい。これを避けるためには平行から互いにずらす必要がある。通常、3度から15度ずらす場合が多い。この場合の各傾斜角は、光線がプリズムを斜め方向に通過することになるので一般的に斜面が緩やかになる傾向があり、ずらし角度を含めて設計した方が良い。更に、液晶表示面を構成している画素の方向との干渉縞の発生も考えられるので、画素の方向からずらして設計する必要もある。
【0050】
本発明の面光源装置は、その出射面が液晶表示パネルと対向するように配置され、バックライトとして設置される。従って、通常のバックライトと同様に、必要ならば、反射面側に反射粒子による白色反射板や金属膜による反射板などの通常の反射板を設置することができる。
【0051】
導光板への光源からの入射方向が導光板に対して直交方向のみではなく、斜め方向にも入射されることや反射面側プリズムの稜線方向と出射側プリズムの稜線方向とのずれの必要性等によって、プリズムの稜線の方向とは平行した方向に光の散乱が起きやすい。従って、この方向を集光しやすくするために、導光板の出射、反射両面のプリズムの稜線方向と直交した方向に集光性のあるプリズムフィルムを設置すると、正面方向への光の効率が高められる。更に、プリズムフィルムの2枚以上を互いに直交して設置することも可能である。また、偏光するため、反射偏光素子フィルムを導光板と液晶表示パネルとの間の適切な個所に設置することも可能である。
【0052】
反射面及び出射面のプリズムアレイA、Bは頂線と谷線がほぼ平行に並んだものであり、その単位は均一な光を得るために微細な方が好ましいが、細か過ぎると受光して出射する効率が劣る。通常、液晶表示パネルの画素単位と同等か、それ以上又はそれ以下の単位が採用される。即ち、100μmから300μmの単位であり、反射面側プリズムアレイAの単位プリズムと出射面側プリズムアレイBの単位プリズムとは一致させるのは好ましくなく、ずらすと同時に倍数にならないように組み合わせた方が良い。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
【0054】
実施例1、比較例1、2
表3に示す特性を有し、厚さ120μmのプリズムアレイフィルムP1、P2、P3の3種類を環状ポリオレフィン樹脂アートン(JSR株式会社製ARTON、屈折率1.51、空気に対する臨界角41度)により作成した。
【0055】
【表3】
【0056】
一方、28.2mm×39.0mm×0.8mmのアクリル樹脂製の長方形平板(三菱レーヨン株式会社製アクリライト)の短辺側に光源を設置するように入射面を設けた。
【0057】
比較例1として、プリズムアレイP2を使用し、入射面に傾斜角αの斜面を向き合わせるようにして、アクリル樹脂長方形平板の短辺側にプリズム稜線が平行になるように、該平板の反対面側に、光学用両面粘着剤AD−GA(ポラテクノ株式会社製、屈折率1.51)により貼合して導光板を得た。プリズムアレイP2の貼合面が反射面であり、これに対向する面(プリズムアレイなし)が出射面となる。
【0058】
比較例2として、プリズムアレイP1を使用して、入射面に傾斜角αの斜面を向き合わせるようにした以外は比較例1と同一の方法で導光板を作成した。即ち、プリズムアレイP1の貼合面が反射面であり、これに対向する面(プリズムアレイなし)が出射面となる。
【0059】
実施例1として、比較例1と同一の方法で得た導光板の出射面(プリズムアレイP2が貼合していない面)に、プリズムアレイP3を傾斜面γ20度の斜面を入射面に向き合わせるようにし、且つプリズム稜線が入射面と5度振った角度に、光学用両面アクリル系貼着剤(ポラテクノ株式会社製屈折率1.46)により貼合し、この面を出射面とした。即ち、プリズムアレイP2の貼合面が反射面であり、プリズムアレイP3の貼合面が出射面となる。
【0060】
上記3種類の導光板の入射面に光源を配置して、導光板からの光の出射状況を調べた。光源は1個のLEDを用い、これを6.6ボルトの32ミリアンペアーで点灯し、図6に示す如く、棒状導光体4を通して、導光板7の垂直方向350mmの距離から輝度計8(トープコン株式会社製BM5)により受光角1度で測定した。図中、3は反射板、5は枠、6は拡散板である。
導光板の3個所(入光面より9.8mm、19.5mm、29.3mm)の地点の垂直方向の輝度分布と中央点(入光面より19.5mm)の出射角分布を調べた。その結果を図7に示した。均整度は、最高輝度に対する最低輝度の%である。
【0061】
図7より、比較例1と比較例2との対比から明かなように、反射面側のプリズムアレイのプリズムの傾斜角を低角度とすることによって、出射光は傾いているが、この傾きは出射面側のプリズムアレイによって、ほぼ垂直に修正すると輝度も高まることがわかる。
【0062】
【発明の効果】
叙上のとおり、導光板裏面(反射面)側にプリズムアレイを設け、光を出射面側に出射する従来の導光板では光の出射効率に限界があったが、本発明によれば、プリズムアレイの傾斜角を低くすることによって出射効率を上げ、出射面側に設けたプリズムアレイによって傾いた出射光を垂直に正すことにより、正面輝度の高い出射効率の良好な導光板及び面光源装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面光源装置の原理を示す模式図である。
【図2】反射面側プリズムに入射した場合の出射光の様子を示す図である。
【図3】出射面側プリズムに反射面側から入射した場合の出射光の様子を示す図である。
【図4】反射面側プリズムの傾斜角β側の斜面に入射した場合の出射光の様子を示す図である。
【図5】反射面側プリズムの傾斜角α側斜面と傾斜角β側斜面の入射角による受光の割合を示す図である。
【図6】側端面から入射した光の導光板出射面からの出射光の輝度の測定方法を示す図である。
【図7】実施例1及び比較例1、2における、輝度と出射光の出射角の分布を示す図である。
【符号の説明】
1 出射面
2 反射面
3 反射板
4 棒状導光体
5 枠
6 拡散板
7 導光板
8 輝度計
Claims (11)
- 側端面に光の入射面を有し、上面に前記入射面とほぼ直交する出射面を、及び、これに対向する下面に反射面を具備した導光板であって、
前記反射面には入射面にほぼ沿った方向の斜面が存在する複数の頂線と谷線とを備えたプリズムアレイAが形成され、該プリズムアレイAを構成するプリズムの前記入射面側とは反対側の斜面が底面となす傾斜角αが42度以下37度以上をなし、前記入射面側の斜面が底面となす傾斜角βが10度以下であり、
前記出射面には入射面にほぼ沿った方向の斜面が存在する複数の頂線と谷線とを備えたプリズムアレイBが形成され、該プリズムアレイBを構成するプリズムの空気に対する臨界角Crとするとき、該プリズムの前記入射面側とは反対側の斜面が底面となす傾斜角γが2γ−β<90−Crの範囲にある斜面が大部分を占める
ことを特徴とする導光板。 - 導光板の出射面のプリズムアレイBがフィルム層として形成され、導光板の屈折率の98%以下の屈折率を有する層を介して光学的に接合されている請求項1記載の導光板。
- 導光板の反射面のプリズムアレイA面に反射金属膜を配備した請求項1又は2記載の導光板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導光板の側端面の光の入射面に、光源を設置したことを特徴とする面光源装置。
- 光源を、反射面のプリズムアレイAの傾斜角αの斜面と向き合い、且つ出射面のプリズムアレイBの傾斜角γで出射面の大部分を占める斜面と向き合う方向の側端面の光の入射面に設置した請求項4記載の面光源装置。
- プリズムアレイAにおける傾斜角α又は/及びプリズムアレイBにおける傾斜角γを一定として、光源より遠ざかるにつれてプリズムアレイAの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角β又は/及びプリズムアレイBの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角δを変化させて傾斜角αの斜面又は/及び傾斜角γの斜面の面積を大きくなるようにした請求項4又は5記載の面光源装置。
- プリズムアレイAにおける傾斜角α又は/及びプリズムアレイBにおける傾斜角γを一定として、光源より遠ざかるにつれてプリズムアレイAの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角β又は/及びプリズムアレイBの入射面側の斜面と底面がなす傾斜角δを変化させてプリズムアレイA又は/及びプリズムアレイBの底辺を光源から遠ざかるにつれて短くした請求項4〜6のいずれか1項に記載の面光源装置。
- 導光板の反射面のプリズムアレイAの稜線と、出射面のプリズムアレイBの稜線との角度を3〜15度ずらした請求項4〜7のいずれか1項に記載の面光源装置。
- 導光板の反射面側に反射板を設置した請求項4〜8のいずれか1項に記載の面光源装置。
- 導光板の出射面側に、プリズムアレイA、Bの稜線方向と直交した方向に、集光性のプリズムフィルムを1枚以上設置した請求項4〜9のいずれか1項に記載の面光源装置。
- 導光板の出射面側に、反射偏光素子フィルムを設置した請求項4〜10のいずれか1項に記載の面光源装置。
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