JP2010266611A - 光均一素子、光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の光源からの入射光を均一にして射出させることでランプイメージを低減/消滅させることが可能であり、光源と光学素子、および光均一素子との距離が近づいた場合、または光源の間隔が拡がった場合に対応が可能である光均一素子を提供する。
【解決手段】光拡散基材26の光入射面側に光伝搬層23と光偏向要素28を設けた構造を有する光均一素子において、光拡散基材26は、第1透明樹脂材に平均粒径が0.02μm以上0.6μm以下でかつ屈折率が1.7以上2.8以下の光拡散粒子が混入された第1透明樹脂層を含んで構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】光拡散基材26の光入射面側に光伝搬層23と光偏向要素28を設けた構造を有する光均一素子において、光拡散基材26は、第1透明樹脂材に平均粒径が0.02μm以上0.6μm以下でかつ屈折率が1.7以上2.8以下の光拡散粒子が混入された第1透明樹脂層を含んで構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像表示光学系用の光デバイスなどの光路制御に用いられる光均一素子及びこれを用いた光学シート、バックライトユニット並びにディスプレイ装置に関し、特に光が光拡散層の光射出面から射出する際に光射出面に対向して平行する面上の輝度を均一にする光均一素子の改良に関する。
液晶パネルを利用した液晶表示装置が、携帯電話や個人用携帯情報端末、パーソナルコンピュータ用ディスプレイの画像表示手段だけでなく、家電製品としてのテレビにも幅広く普及してきている。さらには、これまでのカソード・レイ・チューブ(CRT)テレビでは困難であった大型面対応の情報家電の画像表示装置として一般家庭にも普及し、液晶表示装置の利点をより活用させるために、大型化だけでなく、高輝度化、薄型・軽量化に向けた開発も非常に早いスピードで進められてきている。
このような液晶表示装置では、装置内部に光源を内蔵していることが多く、画像を表示するために必要な明るさを得るために、液晶パネルの背面側に光源を含めたバックライトユニットを配置している。このバックライトユニットに採用されている光源としては、大別して冷陰極管等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、画像表示素子とこの光源との間に光散乱性の強い拡散板および光学フィルムを配置して、冷陰極管やLEDなどが直接視認されない構成を有する「直下型方式」があり、特に直下型方式は導光板の利用が困難な大型の液晶ディスプレイなどの表示装置に用いられている。
光源である冷陰極管から射出される光は、冷陰極管の直上が最も明るく、冷陰極管と冷陰極管の中間が最も暗くなっている。直下型方式に使用される拡散板は、この光源の明暗である輝度ムラ(ランプイメージ)を低減させることを主な目的としていることから、光を散乱させる微細な材料が含まれており、使用する目的に合わせて様々な拡散板が開発させている。また、拡散板は、その上に配置される光学フィルムを支持する役割を担うことから、通常1〜3mm程度の厚さが必要とされている。さらに、液晶表示装置は年々薄型化が進んでいく傾向があり、これを構成する拡散板も薄型化が要求されつつあると同時に、更なる拡散性の向上が求められてきている。
また、最近の液晶表示装置の流れとしては、地球環境問題対策の一環である消費エネルギーを低減させることを目的とした、消費電力抑制が大きな課題となってきている。液晶表示装置においては、光源となるバックライトの消費電力が最も大きく、このバックライトの消費電力を抑制する取組みが幅広い分野で行われてきている。
また、最近の液晶表示装置の流れとしては、地球環境問題対策の一環である消費エネルギーを低減させることを目的とした、消費電力抑制が大きな課題となってきている。液晶表示装置においては、光源となるバックライトの消費電力が最も大きく、このバックライトの消費電力を抑制する取組みが幅広い分野で行われてきている。
この一つの取組みとして、光源である冷陰極管の本数を低減させて消費電力を低く抑える試みが行われており、その消費電力低減の効果は社会に広く認められつつある。しかしながら、冷陰極管の本数を減らすことは光源の明暗である輝度ムラ(ランプイメージ)を強めることになり、これまでの拡散板及び光学フィルムの組合せでは完全にランプイメージを消すことは困難となってきている。ランプイメージを消すために、拡散板内部に拡散粒子を増やした場合は拡散板の全光線透過率を下げることになり、画像表示に必要な輝度を得ることが出来なくなる。この場合、光源である冷陰極管からの光を強くすることで必要とされる輝度は得られるが、光を強くすることで消費電力低減の効果が大幅に低下してしまうという問題が生じることになる。
特許文献1〜3には、拡散性能を向上させる手段として、拡散板の光射出面にレンズ形状を賦形した例が開示されている。一例として、拡散板の上に凸型曲面を有するレンズが配置されている。このような拡散板では、光源の配置に合わせてレンズの形状を設計し、レンズのアライメントを決定することが必要となる場合があり、製造工程が煩雑化することが生じる。また、拡散板の光射出面にレンズ形状を賦形することにより、拡散板の全光線透過率が低下して、画面表示に必要な輝度を得ることが難しくなることもある。さらにまた、拡散板の上に配置したレンズシートと液晶画素とからモアレ干渉縞が生じる問題も考えられる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、複数の光源からの入射光を均一にして射出させることでランプイメージを低減/消滅させることが可能であり、光源と光学素子、および光均一素子との距離が近づいた場合、または光源の間隔が拡がった場合に対応が可能である光均一素子を提供することを目的とする。更に上記光均一素子から射出された光を効率良く観察者側へと射出させることで観察者側への輝度を向上させる光学フィルムを光均一素子の光射出面に一体に積層してなる光学シート、及び該光学シートを備えたバックライトユニット並びにディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1の発明は、光の向きを偏向し光入射面を構成する光偏向要素と、前記光偏向要素の光射出面側に設けられた光伝搬層と、前記光偏向要素と反対の前記光伝搬層の面に設けられた光拡散基材とを有する光均一素子において、前記光拡散基材は、第1透明樹脂材に平均粒径が0.02μm以上0.6μm以下でかつ屈折率が1.7以上2.8以下の光拡散粒子が混入された第1透明樹脂層を含んで構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の光均一素子において、前記光拡散基材は、前記第1透明樹脂層と、第2透明樹脂材に平均粒径が1μm以上12μm以下の真球形状でかつ前記第2透明樹脂材との屈折率差が0.05以上0.18以下である光拡散粒子が混入された第2透明樹脂層とが積層されて構成されている特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の光均一素子において、前記第1透明樹脂層の前記光拡散粒子の混入量は、前記第1透明樹脂材100重量部に対して前記光拡散粒子が0.1重量部から30重量部であり、前記第2透明樹脂層の前記光拡散粒子の混入量は、前記第2透明樹脂材100重量部に対して、前記光拡散粒子が0.2重量部から3重量部であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の光均一素子において、前記第1透明樹脂層の前記光拡散粒子の混入量は、前記第1透明樹脂材100重量部に対して前記光拡散粒子が0.1重量部から30重量部であり、前記第2透明樹脂層の前記光拡散粒子の混入量は、前記第2透明樹脂材100重量部に対して、前記光拡散粒子が0.2重量部から3重量部であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3記載の光均一素子において、前記第1透明樹脂層の厚さと前記第2透明樹脂層の厚さとの比が1/19以上3/7以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光伝搬層の厚さは、0.05mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光伝搬層の厚さは、0.05mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光偏向要素は、凸状または凹状の弧状表面、または、稜線を有する第1頂部と、前記第1頂部から前記光伝搬層の光入射面に至る第1傾斜部とを有する単位レンズを前記光伝搬層の光入射面に一定のピッチで配列することで構成され、前記単位レンズは前記第1頂部と前記第1傾斜部が湾曲してなる第1湾曲傾斜部を有し、前記第1湾曲傾斜部の各点における接線と、前記光伝搬層の光入射面側となす角が、20度以上90度以下の範囲で連続して変化していることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6項記載の光均一素子において、前記単位レンズの頂部が稜線を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光拡散基材の光射出面に微細な凹凸が設けられたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光拡散基材の光射出面に光拡散レンズが設けられたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子において、前記拡散基材の光射出面が平坦であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光拡散基材の光射出面に微細な凹凸が設けられたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光拡散基材の光射出面に光拡散レンズが設けられたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子において、前記拡散基材の光射出面が平坦であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光拡散基材と前記光伝搬層とが多層押出法により一体成形され、シート状に成形された前記光偏向要素が前記光伝搬層に固定層を介して積層されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光偏向要素と前記光伝搬層がシート状に一体成形され、該シート状をなす前記光伝搬層の光射出面上に前記光拡散基材を押出し、冷却ロールでラミネートすることにより一体化することを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光偏向要素と、前記光伝搬層および前記光拡散基材が多層押出法により一体成形されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光偏向要素と前記光伝搬層がシート状に一体成形され、該シート状をなす前記光伝搬層の光射出面上に前記光拡散基材を押出し、冷却ロールでラミネートすることにより一体化することを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子において、前記光偏向要素と、前記光伝搬層および前記光拡散基材が多層押出法により一体成形されていることを特徴とする。
請求項14の発明は、光学シートであって、請求項1乃至13の何れか1項に記載の光均一素子と、前記光均一素子の光射出面側に配置され、光を集光または拡散、反射あるいは偏向分離させる機能を有する単一または複数の光学部材とを備えることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14記載の光学シートにおいて、前記光学部材は、光射出側に複数の単位レンズを配列してなるレンズシートから構成され、前記レンズシートは前記光均一素子の光射出面に複数の光マスクを介して積層され、互いに隣接する前記各光マスクの間に空気層からなる光透過用開口部が設けられていることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14記載の光学シートにおいて、前記光学部材は、光射出側に複数の単位レンズを配列してなるレンズシートから構成され、前記レンズシートは前記光均一素子の光射出面に複数の光マスクを介して積層され、互いに隣接する前記各光マスクの間に空気層からなる光透過用開口部が設けられていることを特徴とする。
請求項16の発明は、バックライトユニットであって、光源と、請求項1乃至13の何れか1項に記載の光均一素子とを備えることを特徴とする。
請求項17の発明は、バックライトユニットであって、光源と、請求項14または15記載の光学シートとを備えることを特徴とする。
請求項17の発明は、バックライトユニットであって、光源と、請求項14または15記載の光学シートとを備えることを特徴とする。
請求項18の発明は、ディスプレイ装置であって、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する画像表示素子と、請求項16または17に記載のバックライトユニットとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、光源側に光偏向要素及び光伝搬層を有する光均一素子において、光拡散基材中の光拡散粒子の屈折率、形状、濃度および光拡散材基材の層比の最適化を図ることにより、光源との距離が近づいた構成または光源の間隔が拡がった構成に対しても、画面表示側に輝度ムラのない均一な光を射出することが可能である光均一素子を提供することができる。また、光均一素子から射出された光を効率良く液晶表示画像を観察する人の方向へと射出させることで、観察者側の輝度を向上させる光学部材と光均一素子とを一体に積層した光学シート、及び該光学シートを備えるバックライトユニット並びにディスプレイ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図12を参照して詳細に説明する。なお、図1から図12は、本実施形態による光均一素子、光学シート、バックライトユニット、ディスプレイ装置の構成およびその利用形態を示す断面概略図の一例であり、各部位の縮尺または比率は実際とは一致しない。また、これに限定されるものでもない。
(実施の形態1)
本実施の形態であるディスプレイ装置70は、図1に示すように、液晶パネルからなる画像表示素子32とバックライトユニット52とを備える。
バックライトユニット52は、ランプハウスを兼ねた反射板43内に複数の光源41が平面方向に配置された光源ユニット45と、この光源ユニット45の上方(観察者側方向F)に配置された光均一素子25と、この光均一素子25の上方に配置された単一または複数の光学部材2とから構成されている。このバックライトユニット55の光源41から射出された光は、光均一素子25で拡散され、その上方に配置された単一または複数の光学部材2で拡散・反射・集光・カラーシフトされ、照明光として、画像表示素子32に入射し、観察者側Fへと射出される。また、光均一素子25と、この光均一素子25の上方に配置された光学部材2が光学シート27を構成する。
本実施の形態であるディスプレイ装置70は、図1に示すように、液晶パネルからなる画像表示素子32とバックライトユニット52とを備える。
バックライトユニット52は、ランプハウスを兼ねた反射板43内に複数の光源41が平面方向に配置された光源ユニット45と、この光源ユニット45の上方(観察者側方向F)に配置された光均一素子25と、この光均一素子25の上方に配置された単一または複数の光学部材2とから構成されている。このバックライトユニット55の光源41から射出された光は、光均一素子25で拡散され、その上方に配置された単一または複数の光学部材2で拡散・反射・集光・カラーシフトされ、照明光として、画像表示素子32に入射し、観察者側Fへと射出される。また、光均一素子25と、この光均一素子25の上方に配置された光学部材2が光学シート27を構成する。
光源41は、画像表示素子32へと光を供給するものである。そこで、光源41としては、例えば、複数の線状光源を用いることができる。複数の線状光源としては、例えば、複数の蛍光灯、冷陰極管(CCFL)、EEFLあるいは線状に配置されたLEDなどを用いることができる。
反射板43は、複数の光源41の観察者側Fと反対側に配置され、光源41から全方向に射出された光のうち、観察者側Fと反対側の方向に射出された光を反射させて観察者側Fに射出させることができる。その結果、観察者側Fに射出された光は、ほぼ光源41から全方向に射出された光となる。このように反射板43を用いることによって、光の利用効率を高めることができる。反射板43としては、光を高効率で反射させる部材であればよく、たとえば、一般的な反射フィルムや反射板などを使用することができる。
反射板43は、複数の光源41の観察者側Fと反対側に配置され、光源41から全方向に射出された光のうち、観察者側Fと反対側の方向に射出された光を反射させて観察者側Fに射出させることができる。その結果、観察者側Fに射出された光は、ほぼ光源41から全方向に射出された光となる。このように反射板43を用いることによって、光の利用効率を高めることができる。反射板43としては、光を高効率で反射させる部材であればよく、たとえば、一般的な反射フィルムや反射板などを使用することができる。
本発明の実施形態である光均一素子25は、光散乱粒子が分散混入された第1樹脂層10と第2樹脂層11とからなる光拡散基材26と、この光拡散層26の光入射面に設けられた光伝搬層23と、光拡散基材26の光入射面と反対の面である光伝搬層23の光入射面23aに設けられた光偏向要素28を備えている。
光偏向要素28は、ディスプレイ装置70の光源41に向けて配置され、光偏向要素28の光入射面から入射した光Hを偏向して光伝搬層23の光入射面23aに向け射出し、光伝搬層23の光射出面23bから拡散光を射出させるものである。
光拡散基材26は、観察者側Fと反対の面である光入射面26aに光伝搬層23の光射出面23bが重ねられて形成されている。上述した光均一素子25は、液晶装置のみならず、背面投射型スクリーン、太陽電池、有機又は無機EL、照明装置など、光路制御を行うものであれば何れのものにも使用することができる。
光偏向要素28は、ディスプレイ装置70の光源41に向けて配置され、光偏向要素28の光入射面から入射した光Hを偏向して光伝搬層23の光入射面23aに向け射出し、光伝搬層23の光射出面23bから拡散光を射出させるものである。
光拡散基材26は、観察者側Fと反対の面である光入射面26aに光伝搬層23の光射出面23bが重ねられて形成されている。上述した光均一素子25は、液晶装置のみならず、背面投射型スクリーン、太陽電池、有機又は無機EL、照明装置など、光路制御を行うものであれば何れのものにも使用することができる。
光拡散基材26は、光源41からの光を散乱させて輝度のムラをなくすと同時に、光源41からの光を透過し、なおかつ光源41が光均一素子25の観察者側Fから透けて見えないようにするためのものである。
このような光拡散基材26は、図3(a)に示すように、は光拡散基材26が第1透明樹脂層10の単層で構成されるもの、図3(b)に示すように、第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11との2層で構成されるもの、図3(c)に示すように、第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11とさらに第1透明樹脂層10との3層で構成されている。
なお、本発明にかかる光拡散基材26は、上述する1層乃至3層構造のものに限らず、3層以上の4層または5層でも良い。
このような光拡散基材26は、図3(a)に示すように、は光拡散基材26が第1透明樹脂層10の単層で構成されるもの、図3(b)に示すように、第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11との2層で構成されるもの、図3(c)に示すように、第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11とさらに第1透明樹脂層10との3層で構成されている。
なお、本発明にかかる光拡散基材26は、上述する1層乃至3層構造のものに限らず、3層以上の4層または5層でも良い。
第1透明樹脂層10は、透明樹脂12中に、平均粒径が0.02μm以上0.6μm以下で、かつ、その屈折率が1.7以上2.8以下の光拡散粒子13を含んで構成され、透過性能と反射性能を併せ持つものである。
また、第2透明樹脂層21は、透明樹脂12中に、平均粒径が1μm以上12μm以下の真球形状の光拡散粒子14を含んで構成され、透過性能と拡散性能を併せ持つものである。
光拡散基材26の第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11との厚さの比は、1/19以上3/7以下であることが好ましい。第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11との厚さの比が1/19未満であると、第1透明樹脂層10の効果が得られず、3/7を超えると、透過率が下がるため好ましくない。
また、第2透明樹脂層21は、透明樹脂12中に、平均粒径が1μm以上12μm以下の真球形状の光拡散粒子14を含んで構成され、透過性能と拡散性能を併せ持つものである。
光拡散基材26の第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11との厚さの比は、1/19以上3/7以下であることが好ましい。第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11との厚さの比が1/19未満であると、第1透明樹脂層10の効果が得られず、3/7を超えると、透過率が下がるため好ましくない。
光拡散粒子13の大きさは、特に平均粒径が0.02μm以上0.5μm以下の範囲にあることが好ましい。上記範囲内では、可視光波長域での光吸収がなく、光のロスがなく、また色みにおいて、黄色みを抑えることができて好ましい。光拡散粒子13の平均粒径が0.02μm未満あるいは0.6μmを超える場合には、反射性能が低下するため、ランプイメージの隠蔽性の調整を行うことができないので好ましくない。
また、光拡散粒子13の屈折率は、特に2.2以上2.8以下がより好ましい。上記範囲内では樹脂に比べて高屈折率であり、樹脂との屈折率差が大きく光散乱性があり、高い反射性能が得られ、ランプイメージ低減の調整を行うことができる。
また、光拡散粒子14の大きさは、特に平均粒径が2μm以上6μm以下の範囲にあることが好ましい。上記範囲内では、光拡散性を得られ、視野角分布の調整を行うことができる。光拡散粒子14の平均粒径が1μm未満あるいは12μmを超える場合には、光拡散性が十分でなく、視野角分布の調整を行うことができないので好ましくない。
また、光拡散粒子13の屈折率は、特に2.2以上2.8以下がより好ましい。上記範囲内では樹脂に比べて高屈折率であり、樹脂との屈折率差が大きく光散乱性があり、高い反射性能が得られ、ランプイメージ低減の調整を行うことができる。
また、光拡散粒子14の大きさは、特に平均粒径が2μm以上6μm以下の範囲にあることが好ましい。上記範囲内では、光拡散性を得られ、視野角分布の調整を行うことができる。光拡散粒子14の平均粒径が1μm未満あるいは12μmを超える場合には、光拡散性が十分でなく、視野角分布の調整を行うことができないので好ましくない。
透明樹脂12に光拡散粒子13を分散させた第1透明樹脂層10のみで光拡散基材26を形成した場合には、光拡散基材26からの射出光は、透過性と反射性の両方を併せ持つ特性を有する。透過性について具体的には、図4に示すように、その射出スペクトルは、正面方向fに輝度が鋭く高く、急激に落ち込むような視野角特性を示す。そのため、正面方向の明るさが得られる。
また、第1透明樹脂層10は反射性能も持つため、第1透明樹脂層10で反射された光は反射光として光源41側に戻され、さらに光源41側の反射板において反射され、再帰光として再び、光拡散基材26に入射される、というのを繰り返すことで、光の再利用をすると同時に、斜め方向のランプイメージ低減効果が得られる。
また、第1透明樹脂層10は反射性能も持つため、第1透明樹脂層10で反射された光は反射光として光源41側に戻され、さらに光源41側の反射板において反射され、再帰光として再び、光拡散基材26に入射される、というのを繰り返すことで、光の再利用をすると同時に、斜め方向のランプイメージ低減効果が得られる。
透明樹脂12に光拡散粒子14を分散された第2透明樹脂層11のみで光拡散基材26を形成した場合には、光拡散基材26からの射出光は拡散性を有する。具体的は、図5に示すように、その射出スペクトルは、正面方向fから視野角の広がりを保持しつつ、拡散性が高く、広角に向けて穏やかに落ち込むような視野角特性を示す。そのため、ランプイメージは中心からぼやけて広がるため、正面方向fからの0°〜15°斜め方向からはランプイメージが確認しにくくなり、ランプイメージ低減効果が得られる。
また、透明樹脂12と光拡散粒子14との屈折率差は0.05以上0.16以下であることが特に好ましい。
また、透明樹脂12と光拡散粒子14との屈折率差は0.05以上0.16以下であることが特に好ましい。
光拡散粒子13および14の材料としては、無機微粒子または有機微粒子からなる粒子を使用できる。例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、メラミン―ホルマリン縮合物の粒子、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコーン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、スメクタイト、カオリナイト、タルクなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化ストロンチウムなどの無機酸化物粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子などの無機微粒子等を挙げることができる。これら光拡散粒子は13および14は、透明樹脂層中に複数種類含んでいても良い。
また、このような光拡散基材26の厚さは、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが更に好ましい。光拡散基材26の厚さが0.5mm未満の場合、拡散性能が不足しやすく、一方、厚さが5mmを越える場合には、光源41からの光の透過率が悪くなるという問題がある。
また、このような光拡散基材26の厚さは、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが更に好ましい。光拡散基材26の厚さが0.5mm未満の場合、拡散性能が不足しやすく、一方、厚さが5mmを越える場合には、光源41からの光の透過率が悪くなるという問題がある。
以上のように、第1透明樹脂層10と第2透明樹脂層11から形成される光拡散基材26は、透過性と後方散乱(反射)性を持つ第1透明樹脂層10と、透過性と前方散乱(拡散)性を持つ第2透明樹脂層11を有するため、光源41の光を拡散させて輝度のムラをなくすとともに、光源41に形状(ランプイメージ)が透けて見えることを抑制するのに効果的である。
このようにして、散乱性と透過性をバランス良く向上させた光拡散基材26が得られ、ランプイメージ低減効果と正面方向の明るさの両方をバランス良く達成することができる。
このようにして、散乱性と透過性をバランス良く向上させた光拡散基材26が得られ、ランプイメージ低減効果と正面方向の明るさの両方をバランス良く達成することができる。
図6は、本発明の実施の形態である光均一素子25の機能を説明する図である。光源41は反射板43内に、Ve方向(画面垂直方向)に一定のピッチで配列されている。光源41から射出した光Hは、光均一素子25の観察者側Fと反対側の面、すなわち光偏向要素28より入射し、光均一素子25の観察者側Fの面、すなわち光拡散基材26の観察者側Fの面である光射出面26bより観察者側Fへ射出する。光均一素子25の拡散性能が足りない場合、光拡散基材26の光射出面26bには、光源41に対向する領域が明るく、光源41と光源41との間に対向する領域が暗く見え、輝度ムラ(光源イメージ)として視認される。
本発明の実施の形態である光均一素子25は、観察者側Fとは反対側の面に光偏向要素28が配列されている。光源41から入射する強い正面光Hを光偏向要素28にて、その進行方向を図6の破線矢印に示すように偏向し、偏向された入射光を光伝搬層23において拡げ、さらに光拡散基材26において拡散し、均一な光を観察者側Fへ射出する。
本発明の実施の形態である光均一素子25は、観察者側Fとは反対側の面に光偏向要素28が配列されている。光源41から入射する強い正面光Hを光偏向要素28にて、その進行方向を図6の破線矢印に示すように偏向し、偏向された入射光を光伝搬層23において拡げ、さらに光拡散基材26において拡散し、均一な光を観察者側Fへ射出する。
光偏向要素28としては、図6に示すように、半円柱状の複数の単位レンズを光伝搬層23の光入射面23aに沿って配列したレンズシートであることが望ましい。ここで、光偏向要素28の単位レンズ28dのピッチPは、光偏向要素28を断面視した際に、光伝搬層23と接合する2点間の距離と定義される。この単位レンズ28dのピッチPは10μm以上300μm以下であることが好ましい。光偏向要素28のピッチPが10μmより小さい場合は、構造周期が波長に近づくため、回折の影響が無視できなくなってくるためである。光偏向要素28のピッチPが300μmを超える場合、性能上は問題ないが、光伝搬層23の厚みを非常に厚くしないと偏向された入射光を十分に広げられなくなる。この場合、光伝搬層23の厚みは0.05mm以上2mm以下に収まるよう設定することが望ましい。
よって、単位レンズ28dを一定のピッチで配列してなる光偏向要素28に入射した正面光Hは、光偏向要素28で偏向された光が光伝搬層23内で混ざり合い、光拡散基材26にて拡散、観察者側Fへと射出されるため、ランプイメージを低減させることができる。
よって、単位レンズ28dを一定のピッチで配列してなる光偏向要素28に入射した正面光Hは、光偏向要素28で偏向された光が光伝搬層23内で混ざり合い、光拡散基材26にて拡散、観察者側Fへと射出されるため、ランプイメージを低減させることができる。
光偏向要素28を構成する単位レンズ28dとしては、図7(a)に示すような三角プリズム形状が望ましい。この場合、レンズ成形が容易であり、且つ正面からの入射光Hを大きく偏向することができるためである。
また、単位レンズ28dは、図7(b)に示すような凸湾曲レンズ形状が望ましい。この場合、単位レンズ28dの第1頂部28a、および第1傾斜面28bの各点における接線が連続的に変化しているため、正面からの入射光Hを様々な角度へ偏向することができるためである。
また、凸湾曲レンズ形状としては、図7(c)のような非球面形状であることが更には望ましい。この場合、第1頂部28aの曲率半径が小さくできるため、拡散性能が増すためである。
さらに光偏向要素28を構成する単位レンズ28dとしては、図7(d)に示すような湾曲三角プリズムであることが望ましい。この場合、第1頂部28aが稜線であるため、入射光Hがレンズのどの箇所へ入射しても必ず大きく偏向することができる。また、第1傾斜面28bの各点における接線が連続的に変化しているため、正面からの入射光Hを様々な角度へ拡散することができるためである。この場合、図7(d)に示すように、第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が20度〜90度の間で連続的に変化していることが更には望ましい。20度を下回る面がある場合、偏向角が非常に小さくなるため、拡散性能が弱くなってしまう。特に0度となる面がある場合、全く偏向せずに入射光Hを通すことになる。
このように湾曲三角プリズムは第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が20度より小さくなる面がないため、第1傾斜面28bのどの箇所に光が入射しても大きな角度で偏向することが可能である。
また、単位レンズ28dは、図7(b)に示すような凸湾曲レンズ形状が望ましい。この場合、単位レンズ28dの第1頂部28a、および第1傾斜面28bの各点における接線が連続的に変化しているため、正面からの入射光Hを様々な角度へ偏向することができるためである。
また、凸湾曲レンズ形状としては、図7(c)のような非球面形状であることが更には望ましい。この場合、第1頂部28aの曲率半径が小さくできるため、拡散性能が増すためである。
さらに光偏向要素28を構成する単位レンズ28dとしては、図7(d)に示すような湾曲三角プリズムであることが望ましい。この場合、第1頂部28aが稜線であるため、入射光Hがレンズのどの箇所へ入射しても必ず大きく偏向することができる。また、第1傾斜面28bの各点における接線が連続的に変化しているため、正面からの入射光Hを様々な角度へ拡散することができるためである。この場合、図7(d)に示すように、第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が20度〜90度の間で連続的に変化していることが更には望ましい。20度を下回る面がある場合、偏向角が非常に小さくなるため、拡散性能が弱くなってしまう。特に0度となる面がある場合、全く偏向せずに入射光Hを通すことになる。
このように湾曲三角プリズムは第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が20度より小さくなる面がないため、第1傾斜面28bのどの箇所に光が入射しても大きな角度で偏向することが可能である。
また、第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が大きく変化しない場合、第1傾斜面28bのどの点に光が入射しても、偏向角がほとんど一緒となるため、同じ領域に光が集中してしまう。
湾曲三角プリズムは第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が20度〜90度の範囲で大きく変化しているため、様々な角度に入射光Hを偏向し、光を均一にすることができる。さらに、光偏向要素28は上記レンズ形状を複数組み合わせて用いることができる。
例えば、図7(e)に示されるように、凸湾曲レンズの上に三角プリズムを組み合わせたような形状でも良い。または図7(f)のように2つの湾曲三角プリズムをVe方向にシフトさせて重ねた形状でも良い。2つ以上のレンズ形状による拡散効果により、更に拡散性能が増すためである。
なお、本発明の光偏向要素28を構成する単位レンズの形状は凸レンズ構造のものに限らず、凹レンズ形状のものでもであっても良い。
湾曲三角プリズムは第1傾斜面28bの各点における接線が、光伝搬層23の観察者側Fとは反対側の面23bとなす角度が20度〜90度の範囲で大きく変化しているため、様々な角度に入射光Hを偏向し、光を均一にすることができる。さらに、光偏向要素28は上記レンズ形状を複数組み合わせて用いることができる。
例えば、図7(e)に示されるように、凸湾曲レンズの上に三角プリズムを組み合わせたような形状でも良い。または図7(f)のように2つの湾曲三角プリズムをVe方向にシフトさせて重ねた形状でも良い。2つ以上のレンズ形状による拡散効果により、更に拡散性能が増すためである。
なお、本発明の光偏向要素28を構成する単位レンズの形状は凸レンズ構造のものに限らず、凹レンズ形状のものでもであっても良い。
光偏向要素28は、上述した各種形状の単位レンズを適宜複数組み合わせて配列しても良い。または、図8(a)および図8(b)に示されるように単位レンズ28dのピッチPや高さhを変えて配列しても良い。これにより、光偏向要素28の最遠交点αは光伝搬層23内に不均一に配置されることになる。
したがって、光偏向要素28に正面光Hが入射したとき、単位レンズ28dの中心線上に集光点が生じるが、この中心線上に収差が生じる。そこで、本発明においては、説明を簡略化するために、最もレンズ頂点から離れた点で集光する点を最遠交点αと定義する。図8(a)、(b)は、単位レンズ28dの両端に入射した光が偏向されて交わる点を最遠交点αとなる一例を示している。
したがって、光偏向要素28に正面光Hが入射したとき、単位レンズ28dの中心線上に集光点が生じるが、この中心線上に収差が生じる。そこで、本発明においては、説明を簡略化するために、最もレンズ頂点から離れた点で集光する点を最遠交点αと定義する。図8(a)、(b)は、単位レンズ28dの両端に入射した光が偏向されて交わる点を最遠交点αとなる一例を示している。
例えば、光偏向要素28を構成する単位レンズ28dの全てが同一形状である場合は、各々の単位レンズ28dに入射した光の最遠交点αの位置は、同一面上に存在する。従って、光学素子24および光均一素子25の入射面から入射した光Hは、どの領域においても同一の拡散性能が得られるため、ムラの無い光学素子24および光均一素子25を提供することができる。
しかるに、図8(a)および図8(b)で示されるように、光偏向要素28を構成する単位レンズ28dのレンズ形状が一定ではない場合は、各々の光偏向要素28に入射した光の最遠交点αが同一面上には存在しない。この場合には、光伝搬層23の厚さは、組み合わせる各単位レンズの中で最も厚さが必要とされるレンズに合わせて選択することが望ましい。この選択によって、配列される全ての単位レンズ28dにおいて、光伝搬層内部で偏向を十分に広げることができ、確実に拡散効果を得ることができるようになる。
例えば、光源41が極端に光学素子24および光均一素子25と近接する場合や、光源41間の距離が極端に離れている場合、光源41間の距離が不均一な場合などに、単位レンズ28dの最遠交点αを不均一にすると有効である。特に高さの異なる単位レンズ28dを複数組み合わせる場合、図9に示されるように、光源41の位置に合わせて規則的に配列しても良い。この場合、光源41の真上の領域には、光伝搬層23の厚さが最も薄く設定できる光偏向要素28を配置することが望ましい。結果として光源41の真上に位置する領域の拡散性能を高めることができるため、輝度ムラをより低減することが可能となる。光偏向要素28を構成する単位レンズ28dのピッチPは適宜決定できるが、単位レンズ28dのピッチPが大きいほど、光伝搬層23の厚さも厚くする必要があるため、現実的には10μm以上300μm以下、望ましくは10μm以上200μm以下であることが求められる。
しかるに、図8(a)および図8(b)で示されるように、光偏向要素28を構成する単位レンズ28dのレンズ形状が一定ではない場合は、各々の光偏向要素28に入射した光の最遠交点αが同一面上には存在しない。この場合には、光伝搬層23の厚さは、組み合わせる各単位レンズの中で最も厚さが必要とされるレンズに合わせて選択することが望ましい。この選択によって、配列される全ての単位レンズ28dにおいて、光伝搬層内部で偏向を十分に広げることができ、確実に拡散効果を得ることができるようになる。
例えば、光源41が極端に光学素子24および光均一素子25と近接する場合や、光源41間の距離が極端に離れている場合、光源41間の距離が不均一な場合などに、単位レンズ28dの最遠交点αを不均一にすると有効である。特に高さの異なる単位レンズ28dを複数組み合わせる場合、図9に示されるように、光源41の位置に合わせて規則的に配列しても良い。この場合、光源41の真上の領域には、光伝搬層23の厚さが最も薄く設定できる光偏向要素28を配置することが望ましい。結果として光源41の真上に位置する領域の拡散性能を高めることができるため、輝度ムラをより低減することが可能となる。光偏向要素28を構成する単位レンズ28dのピッチPは適宜決定できるが、単位レンズ28dのピッチPが大きいほど、光伝搬層23の厚さも厚くする必要があるため、現実的には10μm以上300μm以下、望ましくは10μm以上200μm以下であることが求められる。
光偏向要素28は、光伝搬層23の観察者側Fと反対側の面23aに、UV硬化樹脂などのような電子線硬化樹脂を用いて成形することができる。例えば、光拡散基材26と光伝搬層23とを押出法等により一体で板状部材として成形し、光伝搬層23の観察者側Fと反対側の面である光入射面23aに光偏向要素28をUV成形することができる。さらにまた、光伝搬層23を押出法や射出成形法等により板状部材として成形して、これを光拡散基材26と一体化する前/後に、光伝搬層23の観察者側Fと反対側の面である光入射面23aに光偏向要素28をUV成形することができる。
また、光偏向要素28は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いて、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成することもできる。また、同様に作製したシート材の表面に、光偏向要素28を、放射線硬化樹脂を用いて成形することもできる。
また、光偏向要素28は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いて、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成することもできる。また、同様に作製したシート材の表面に、光偏向要素28を、放射線硬化樹脂を用いて成形することもできる。
光偏向要素28と光伝搬層23は、押出成形で同時に作製することができる。例えば図10(a)に示されるように、本発明の光偏向要素28および光伝搬層23と光拡散基材26から成る光均一素子25は多層押出成型等により一体で成形してもよい。
また、光偏向要素28および光伝搬層23をシート状に成形しておき、このシート上に光拡散基材26を押出し、冷却ロール間でラミネートし一体化しても良い。この場合には、光拡散基材と光伝搬層に用いられる樹脂を同一のものとし、接着性や反りを防止することが望ましい。
一方、図10(b)に示されるように、光偏向要素28をシート状に成形した後、光伝搬層23の観察者側Fと反対側の面である光入射面23aに、ラミネート等により固定層20によって貼合することもできる。この場合、シート状に成形した光偏向要素28に紫外線吸収材を含有させることが好ましい。シート状に成形した光偏向要素28に紫外線吸収材を含有させることで、固定層20の紫外線劣化による剥れを防ぐことができる。
また、光偏向要素28および光伝搬層23をシート状に成形しておき、このシート上に光拡散基材26を押出し、冷却ロール間でラミネートし一体化しても良い。この場合には、光拡散基材と光伝搬層に用いられる樹脂を同一のものとし、接着性や反りを防止することが望ましい。
一方、図10(b)に示されるように、光偏向要素28をシート状に成形した後、光伝搬層23の観察者側Fと反対側の面である光入射面23aに、ラミネート等により固定層20によって貼合することもできる。この場合、シート状に成形した光偏向要素28に紫外線吸収材を含有させることが好ましい。シート状に成形した光偏向要素28に紫外線吸収材を含有させることで、固定層20の紫外線劣化による剥れを防ぐことができる。
ここで、固定層20は、粘着剤、接着剤を用いて形成する。粘着剤、接着剤には、ウレタン系、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、ビニル系の樹脂等を用いることができる。また、粘着剤、接着剤には、1液型で押圧して接着するもの、熱や光で硬化させるものを用いることができ、2液、もしくは複数の液を混合して硬化させるものを用いることができる。さらに、固定層20内にフィラーを分散してもよい。固定層20内にフィラーを分散することで、接合層の弾性率を増加することが可能となる。
また、固定層20の形成方法において、接合面へ直接塗布する方法や、予めドライフィルムとして準備したものを貼り合わせる方法がある。固定層20をドライフィルムとして準備した場合、製造工程上、簡易的に扱うことが可能となるため好ましい。
また、固定層20の形成方法において、接合面へ直接塗布する方法や、予めドライフィルムとして準備したものを貼り合わせる方法がある。固定層20をドライフィルムとして準備した場合、製造工程上、簡易的に扱うことが可能となるため好ましい。
また、固定層20は反り防止作用があることが望ましい。これは、固定層20の熱線膨張係数を、光拡散基材26の熱線膨張係数とほぼ同じになるように合せ込むことで、光均一素子25自体の反りを防止することができる。さらにまた、シート状に成形した光偏向要素28の熱線膨張係数を、光拡散基材26の熱線膨張係数とほぼ同じになるように合せ込むことで、光均一素子25自体の反りを防止することができる。シート状に成形した光偏向要素28の厚みは10μm以上1mm以下であることが望ましい。更には25μm以上500μm以下であることが望ましい。
シート状に成形した光偏向要素28の厚みが薄すぎると皺等が発生し、厚すぎると光伝搬層23との貼合が容易ではなくなるためである。ここで、シート状に成形した光偏向要素28の基材領域を光伝搬層23とみなすことができる。したがって厚いシート状に光偏向要素28を成形することで、光伝搬層23の厚みを薄くすることができる。また、直接光拡散基材26に貼り合わせることも可能となる。
シート状に成形した光偏向要素28の厚みが薄すぎると皺等が発生し、厚すぎると光伝搬層23との貼合が容易ではなくなるためである。ここで、シート状に成形した光偏向要素28の基材領域を光伝搬層23とみなすことができる。したがって厚いシート状に光偏向要素28を成形することで、光伝搬層23の厚みを薄くすることができる。また、直接光拡散基材26に貼り合わせることも可能となる。
光偏向要素28の表面に、さらに微細な凹凸を有していても良い。微細な凹凸が、光偏向要素28による偏向効果を更に高めることができる。このとき、表面粗さRaは、0.1μm以上10μm以下の範囲であることが望ましい。0.1μmを下回る凹凸構造では偏向効果は得難く、また10μmを超える凹凸構造はそれ自体が光偏向要素28となる。微細な凹凸の形成方法としては、例えば光偏向要素28自身、または成形用金型の表面を、エッチングやサンドブラストなどによって荒らす方法、または光偏向要素28の成形用金型に、更に微細な凹凸形状を切削加工する等の方法が挙げられる。また、光偏向要素28は、入射光Hを偏向させるものであれば、上述のようなレンズ形状でなくても良い。
また、光偏向要素28は、入射光Hを偏向させるものであれば、上述のようなレンズ形状でなくても良い。例えば、光偏向要素28は樹脂フィラーや気泡等による拡散層であっても良い。光偏向要素28で入射光Hを偏向し、光伝搬層23で偏向された光を拡げ、光拡散基材26で更に拡散することで、拡散性能が向上するためである。
また、光偏向要素28は、入射光Hを偏向させるものであれば、上述のようなレンズ形状でなくても良い。例えば、光偏向要素28は樹脂フィラーや気泡等による拡散層であっても良い。光偏向要素28で入射光Hを偏向し、光伝搬層23で偏向された光を拡げ、光拡散基材26で更に拡散することで、拡散性能が向上するためである。
本発明の光均一素子25を構成する光伝搬層23は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率が80%以上であれば、観察者側Fへ射出させる光の輝度を低下させることがない。逆に、全光線透過率が80%未満の場合には、観察者側Fへ射出させる光の輝度低下を生じさせるため好ましくない。なお、全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠した測定値である。また、光伝搬層23は、ヘイズ値が95%以下であることが好ましい。光伝搬層23は、光偏向要素28によって偏向拡散された入射光を効果的に拡げて伝搬し、光拡散基材26へ入射させる。従って、ヘイズ値が95%を超える場合には、十分な光拡散効果を得ることが出来ないため好ましくない。なお、ヘイズ値は、JIS K7136に準拠した測定値である。
光伝搬層23に用いられる材料は、熱可塑性樹脂からなる透明樹脂が好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを挙げることができる。また、光伝搬層23は、少なくとも1軸方向に延伸されていてもよい。
上述した光伝搬層23は、屈折率の異なる複数の層を多層押出法等により成形することができる。また、押出法や射出成形法によって成形した光伝搬層23に、該光伝搬層23よりも屈折率の高い材料を用いて光偏向要素28をシート状に成形し、ラミネート法等により貼合することでも実現することができる。
光伝搬層23は多層構成とすることで反りを防止することができる。この場合、最も観察者側から離れた層の熱線膨張係数を、光拡散基材26の熱線膨張係数とほぼ同じ程度に合せ込むことで、光均一素子25の反りを防止することができる。また、光伝搬層23の厚さを調整することによっても光均一素子25の反りを防止できる。
光伝搬層23は多層構成とすることで反りを防止することができる。この場合、最も観察者側から離れた層の熱線膨張係数を、光拡散基材26の熱線膨張係数とほぼ同じ程度に合せ込むことで、光均一素子25の反りを防止することができる。また、光伝搬層23の厚さを調整することによっても光均一素子25の反りを防止できる。
光均一素子25は、光拡散基材26と光伝搬層23をそれぞれ別々に押出法、射出成形等により形成した後に、接着材又は粘着材により一体化して形成しても良い。例えば、接着材又は粘着材としては、一般的に用いられるラミネートなどを用いて光拡散基材26と光伝搬層23を貼り合せることができる。
本発明の光均一素子25は、光拡散基材26の観察者側Fの面である光射出面26bに凹凸形状を備えることができる。図11(b)は光均一素子25の光射出面26bが平坦な場合であるが、図11(a)に示されるように、光均一素子25の光射出面26bに、例えば第2頂部21aおよび第2傾斜面21bを備えた凸状の単位レンズを配列することで構成される微細な凹凸形状を有する光拡散シート21を設けることにより、光拡散基材26の観察者側Fの面である光射出面26bが略平坦である場合と比べて、様々な角度の射出面が形成されることにより、より広い範囲へ光を射出することができ、拡散性能が向上しランプイメージを低減/消滅させることが可能となる。
このような凹凸を形成する方法としては、マット加工やエンボス加工等が挙げられる。また、その他の方法として、粒径30μm〜100μm程度の透明粒子を光拡散基材26の観察者側の層中に配合、押出しし、表面に凹凸を生じさせるものであってもよい。
このような凹凸を形成する方法としては、マット加工やエンボス加工等が挙げられる。また、その他の方法として、粒径30μm〜100μm程度の透明粒子を光拡散基材26の観察者側の層中に配合、押出しし、表面に凹凸を生じさせるものであってもよい。
光拡散基材26の光射出面26bに形成される光拡散シート21としては、光拡散レンズが挙げられる。この光拡散レンズ21としては、図12(a)のような三角プリズム形状の単位レンズが望ましい。この場合、レンズ成形が容易であり、射出光の方向を容易に制御することができるためである。
また、光拡散レンズ21としては、図12(b)のような凸湾曲レンズ形状の単位レンズが望ましい。この場合、単位レンズの第2頂部21aおよび第2傾斜面21bの各接点における接線が連続的に変化しているため、光射出面を様々な角度に設定でき、拡散性能が向上する。
また、凸湾曲レンズ形状の単位レンズとしては、図12(c)のような非球面形状であることが更に望ましい。この場合、頂部の曲率半径が小さくできるため、拡散性能が増すからである。さらに光拡散レンズ21としては、図12(d)のような湾曲三角プリズムであることがのぞましい。光拡散基材26の観察者側の面である光射出面26bと平行な面がないため、また、光射出面を様々な角度に設定できるため、拡散性能が向上する。
また、光拡散レンズ21は上述したレンズ形状を複数組み合わせることができる。例えば、図12(e)に示されるように、凸湾曲レンズの上に三角プリズムを組み合わせたような形状でも良い。2つ以上のレンズ形状による拡散効果により、更に拡散性能が増すためである。この他、光偏向要素28として挙げられたレンズ形状でも良い。光拡散レンズ21は上述のレンズ等を適宜複数組み合わせて配列しても良い。例えば光源41の真上にあたる領域は拡散性能の高い拡散レンズ21を配置し、光源41と光源41との間には、拡散性能の低い拡散レンズ21を配置することもできる。
また、光拡散レンズ21としては、図12(b)のような凸湾曲レンズ形状の単位レンズが望ましい。この場合、単位レンズの第2頂部21aおよび第2傾斜面21bの各接点における接線が連続的に変化しているため、光射出面を様々な角度に設定でき、拡散性能が向上する。
また、凸湾曲レンズ形状の単位レンズとしては、図12(c)のような非球面形状であることが更に望ましい。この場合、頂部の曲率半径が小さくできるため、拡散性能が増すからである。さらに光拡散レンズ21としては、図12(d)のような湾曲三角プリズムであることがのぞましい。光拡散基材26の観察者側の面である光射出面26bと平行な面がないため、また、光射出面を様々な角度に設定できるため、拡散性能が向上する。
また、光拡散レンズ21は上述したレンズ形状を複数組み合わせることができる。例えば、図12(e)に示されるように、凸湾曲レンズの上に三角プリズムを組み合わせたような形状でも良い。2つ以上のレンズ形状による拡散効果により、更に拡散性能が増すためである。この他、光偏向要素28として挙げられたレンズ形状でも良い。光拡散レンズ21は上述のレンズ等を適宜複数組み合わせて配列しても良い。例えば光源41の真上にあたる領域は拡散性能の高い拡散レンズ21を配置し、光源41と光源41との間には、拡散性能の低い拡散レンズ21を配置することもできる。
しかるに、光拡散基材26の表面に拡散レンズ21を配置する場合、光学部材2として例えばレンズシート2を配置した場合、拡散レンズ21とレンズシート2とでモアレ干渉縞が生じる場合がある。そのため、拡散レンズ21の周期構造とレンズシート2のレンズの周期構造とを、モアレ干渉縞が生じないピッチに合わせ込むか、角度をつける、または光学部材2として拡散フィルムをのせるなどの方法が挙げられる。光学部材2として拡散フィルム、または偏向分離反射シート等、周期構造のない部材を配置する場合には、上述のような問題は生じない。
(実施の形態2)
本発明の光均一素子25は、図2に示すように、光均一素子25と光学部材2とを積層一体化することができる。この場合、光均一素子25と光学部材2との間に、複数の光マスク22を一定の間隔で配設し、互いに隣接する各光マスク22の間に光透過用開口部(空気層)100とが設けられている。これらの点が図1に示す光均一素子25と異なり、その他の要素は図1と同様に構成されている。
この実施の形態に示す光学部材2は、例えばプリズムシートやレンズシート、拡散シート等である。
また、光マスク22は、例えば金属材料や白色反射材などの光反射性部材から構成することができる。この場合、光マスク22により反射された光は、光均一素子25を構成する光拡散基材26に戻されて、光拡散基材26で再び光拡散された後、一部は再び光学部材2へ入射し、一部は光均一素子25から光源側へ射出され、ランプハウスを構成する反射板にて反射された後、光均一素子に再入射し、さらに拡散されて光学部材2へと再入射する。この工程が繰り返されることにより、光源41からの光の大部分を観察者側Fへ射出させることができる。
本発明の光均一素子25は、図2に示すように、光均一素子25と光学部材2とを積層一体化することができる。この場合、光均一素子25と光学部材2との間に、複数の光マスク22を一定の間隔で配設し、互いに隣接する各光マスク22の間に光透過用開口部(空気層)100とが設けられている。これらの点が図1に示す光均一素子25と異なり、その他の要素は図1と同様に構成されている。
この実施の形態に示す光学部材2は、例えばプリズムシートやレンズシート、拡散シート等である。
また、光マスク22は、例えば金属材料や白色反射材などの光反射性部材から構成することができる。この場合、光マスク22により反射された光は、光均一素子25を構成する光拡散基材26に戻されて、光拡散基材26で再び光拡散された後、一部は再び光学部材2へ入射し、一部は光均一素子25から光源側へ射出され、ランプハウスを構成する反射板にて反射された後、光均一素子に再入射し、さらに拡散されて光学部材2へと再入射する。この工程が繰り返されることにより、光源41からの光の大部分を観察者側Fへ射出させることができる。
光マスク22を光反射性部材で構成した場合、その反射率は80%以上であることが望ましい。反射率が80%以上であれば、光学部材2に入射する光の大部分を、光透過用開口部100から光学部材2へ入射することができるため、観察者側Fの輝度が上昇する。反射率が80%を下回ると、光マスク22を透過する光が増大し、非効率な光が光学部材2に入射する量が増大するため、観察者側Fの輝度低下を引き起こすためである。
上述のような光均一素子25と光学部材2との積層一体化には、粘着剤や接着剤等の固定材料を用いてラミネート等により貼り合わせることで作製される。この場合、光透過用開口部100が保たれるよう、光マスク22および固定材料を適宜選択する。
なお、図示していないが、前記光学部材2と光均一素子25との間にドット状または線状のリブを配列させ、このリブを介して積層一体化させてもよい。
以上のような光均一素子25と光学部材2との積層一体化の構成においても、ランプイメージの低減効果および正面輝度は維持され、所望の光学シートを得ることができる。
なお、図示していないが、前記光学部材2と光均一素子25との間にドット状または線状のリブを配列させ、このリブを介して積層一体化させてもよい。
以上のような光均一素子25と光学部材2との積層一体化の構成においても、ランプイメージの低減効果および正面輝度は維持され、所望の光学シートを得ることができる。
本発明の実施の形態であるディスプレイ装置70は、光均一素子25と、この光均一素子25の上方に配置された光学部材2とから構成される光学シート27により集光・拡散特性を向上させた光を利用する構成にしたので、観察者側Fの輝度を向上させ、光強度の視角方向の分布を滑らかにするとともに、ランプイメージを低減した画像を画像表示素子35に表示することができる。
また、本発明の実施の形態であるディスプレイ装置70は、画像表示素子35が液晶表示素子であり、光均一素子25と光源ユニット45からなるバックライトユニット52により集光・拡散特性を向上させた光を利用する構成にしたので、観察者側Fの輝度を向上させ、光強度の視角方向の分布を滑らかにするとともに、ランプイメージを低減した画像を得ることができる。
また、本発明の実施の形態であるディスプレイ装置70は、画像表示素子35が液晶表示素子であり、光均一素子25と光源ユニット45からなるバックライトユニット52により集光・拡散特性を向上させた光を利用する構成にしたので、観察者側Fの輝度を向上させ、光強度の視角方向の分布を滑らかにするとともに、ランプイメージを低減した画像を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
光偏向要素としてピッチを100μm、高さを45μmの凸レンチキュラーレンズを用い、光伝搬層の厚みは0.5mmとした。光偏向要素、光伝搬層及び光拡散基材の材料は全て同一の透明樹脂を用いた。また、光偏向要素、光伝搬層は押出によりレンズ形状を形成することで作製した。光拡散基材は共押出法により層構成、光拡散粒子の屈折率、濃度を変えながら成形し、光射出面にはマット形状を付与した。これらをアクリル系粘着剤(屈折率:1.52)を用いて固定することで、光均一素子を得た。
光偏向要素としてピッチを100μm、高さを45μmの凸レンチキュラーレンズを用い、光伝搬層の厚みは0.5mmとした。光偏向要素、光伝搬層及び光拡散基材の材料は全て同一の透明樹脂を用いた。また、光偏向要素、光伝搬層は押出によりレンズ形状を形成することで作製した。光拡散基材は共押出法により層構成、光拡散粒子の屈折率、濃度を変えながら成形し、光射出面にはマット形状を付与した。これらをアクリル系粘着剤(屈折率:1.52)を用いて固定することで、光均一素子を得た。
(実施例1)
この実施例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂中に1種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)からなる単層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
この実施例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂中に1種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)からなる単層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
(実施例2、3、4)
これらの実施例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂中に1〜2種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)および層2(第2透明樹脂層に相当)からなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
これらの実施例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂中に1〜2種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)および層2(第2透明樹脂層に相当)からなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
(実施例5)
この実施例では、材料として屈折率1.59のポリカーボネート樹脂に2種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)と、1種の光拡散粒子を添加した層2(第2透明樹脂層に相当)からなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリカーボネート樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
この実施例では、材料として屈折率1.59のポリカーボネート樹脂に2種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)と、1種の光拡散粒子を添加した層2(第2透明樹脂層に相当)からなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリカーボネート樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
(実施例6)
この実施例では、材料として屈折率1.56のメタアクリルスチレン共重合樹脂に1種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)と、2種の光拡散粒子を添加した層2(第2透明樹脂層に相当)からなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、メタアクリルスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
この実施例では、材料として屈折率1.56のメタアクリルスチレン共重合樹脂に1種の光拡散粒子を添加した層1(第1透明樹脂層に相当)と、2種の光拡散粒子を添加した層2(第2透明樹脂層に相当)からなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、メタアクリルスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
次に、比較例について説明する。
(比較例1)
この比較例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂に、光拡散粒子を添加していない層1と、1種類の光拡散粒子を添加した層2とからなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
(比較例1)
この比較例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂に、光拡散粒子を添加していない層1と、1種類の光拡散粒子を添加した層2とからなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
(比較例2、3、4、5、6)
これらの比較例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂に、1種類の光拡散粒子をそれぞれ所定の質量比率で添加した層1と、1種類の光拡散粒子をそれぞれ所定の質量比率で添加した層2とからなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
これらの比較例では、材料として屈折率1.59のポリスチレン樹脂に、1種類の光拡散粒子をそれぞれ所定の質量比率で添加した層1と、1種類の光拡散粒子をそれぞれ所定の質量比率で添加した層2とからなる2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
(比較例7)
この比較例では、実施例2で実施した構成の層1の厚みを50μm、層2の厚みを1950μmとして2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
この比較例では、実施例2で実施した構成の層1の厚みを50μm、層2の厚みを1950μmとして2層の光拡散基材を作製した。観察者側の層から順に、層1、層2、粘着材、光伝搬層、光偏向素子の構成になる。各透明樹脂層の厚み、ポリスチレン樹脂の添加量、拡散剤の種類、添加量及び比率を表1に示す。
上記の通りに作製した光均一素子25の観察者側Fの面である光射出面上に、拡散フィルム、90度三角プリズムシート、拡散フィルムの順番で重ねて配置した。これらを、CCFL間隔が38mm、CCFLと光均一素子25との距離が15mmとなるバックライト52に配置し、バックライト52の観察者側Fに液晶パネル32を配置することで、ディスプレイ装置70が得られた。
(光学評価)
本実施例、及び比較例のディスプレイ装置を以下の測定方法により評価した。
(正面輝度評価)
ディスプレイ装置70を全白表示とし、画面中心部を分光放射輝度計(SR−3A:トプコンテクノハウス社製)にて測定した。平均輝度が400cd/m2であれば、光学シートの正面輝度が良好と判定した。
(輝度ムラ評価)
ディスプレイ装置70を全白表示とし、画面全体を輝度ムラ測定機(Prometric 1200:Radiant Imaging社製)にて測定、複数の冷陰極管の並びに対して垂直方向の輝度分布データにより解析を行った。なお、輝度分布は冷陰極管に対応した波型の分布が得られるので、中心の5本分の冷陰極管に相当する輝度データを抽出して平均輝度を算出した後、平均輝度に対する輝度変化(%)を算出した。この輝度変化の標準偏差σが1%以内であれば、光学シートの拡散性が良好と判定した。
本実施例、及び比較例のディスプレイ装置を以下の測定方法により評価した。
(正面輝度評価)
ディスプレイ装置70を全白表示とし、画面中心部を分光放射輝度計(SR−3A:トプコンテクノハウス社製)にて測定した。平均輝度が400cd/m2であれば、光学シートの正面輝度が良好と判定した。
(輝度ムラ評価)
ディスプレイ装置70を全白表示とし、画面全体を輝度ムラ測定機(Prometric 1200:Radiant Imaging社製)にて測定、複数の冷陰極管の並びに対して垂直方向の輝度分布データにより解析を行った。なお、輝度分布は冷陰極管に対応した波型の分布が得られるので、中心の5本分の冷陰極管に相当する輝度データを抽出して平均輝度を算出した後、平均輝度に対する輝度変化(%)を算出した。この輝度変化の標準偏差σが1%以内であれば、光学シートの拡散性が良好と判定した。
このような実施例1〜5及び比較例1〜7のランプイメージ低減効果結果および明るさを図13に示す。
図13から明らかなように、比較例3〜5は正面輝度が足りない結果となった。また、比較例1、2、3、6、7はランプイメージが認識され不良という判定となった。
これに対して、実施例1〜6は正面輝度を極端に落とすことなくランプイメージ低減効果を得られ、総合判定結果も良となり、現状必要となる目標の表示品位を達成できた。
図13から明らかなように、比較例3〜5は正面輝度が足りない結果となった。また、比較例1、2、3、6、7はランプイメージが認識され不良という判定となった。
これに対して、実施例1〜6は正面輝度を極端に落とすことなくランプイメージ低減効果を得られ、総合判定結果も良となり、現状必要となる目標の表示品位を達成できた。
H……光、P……光変偏向要素ピッチ、F……観察者側、X……平面視方向、Ve……画像表示装置垂直方向、α……最遠交点、2……光学部材、10……第1透明樹脂層、11……第2透明樹脂層、12……透明樹脂、13……光拡散粒子、14……光拡散粒子(真球状)、20……固定層、21……光拡散レンズ、21a……第2頂部、21b……第2傾斜面、22……光マスク、23……光伝搬層、23a……光入射面、23b…光射出面、25……光均一素子、26……光拡散基材、26a……光入射面、26b……光射出面、28……光偏向要素、27……光学シート、28a……第1頂部、28b……第1傾斜面、32……画像表示素子、41……光源、43……反射板(ランプハウス)、45…光源ユニット、52……バックライトユニット、70……ディスプレイ装置、100……光透過用開口部。
Claims (18)
- 光の向きを偏向し光入射面を構成する光偏向要素と、
前記光偏向要素の光射出面側に設けられた光伝搬層と、
前記光偏向要素と反対の前記光伝搬層の面に設けられた光拡散基材とを有する光均一素子において、
前記光拡散基材は、第1透明樹脂材に平均粒径が0.02μm以上0.6μm以下でかつ屈折率が1.7以上2.8以下の光拡散粒子が混入された第1透明樹脂層を含んで構成されていることを特徴とする光均一素子。 - 前記光拡散基材は、前記第1透明樹脂層と、第2透明樹脂材に平均粒径が1μm以上12μm以下の真球形状でかつ前記第2透明樹脂材との屈折率差が0.05以上0.18以下である光拡散粒子が混入された第2透明樹脂層とが積層されて構成されていることを特徴とする請求項1記載の光均一素子。
- 前記第1透明樹脂層の前記光拡散粒子の混入量は、前記第1透明樹脂材100重量部に対して前記光拡散粒子が0.1重量部から30重量部であり、前記第2透明樹脂層の前記光拡散粒子の混入量は、前記第2透明樹脂材100重量部に対して、前記光拡散粒子が0.2重量部から3重量部であることを特徴とする請求項2に記載の光均一素子。
- 前記第1透明樹脂層の厚さと前記第2透明樹脂層の厚さとの比が1/19以上3/7以下であることを特徴とする請求項2または3記載の光均一素子。
- 前記光伝搬層の厚さは、0.05mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記光偏向要素は、凸状または凹状の弧状表面、または、稜線を有する第1頂部と、前記第1頂部から前記光伝搬層の光入射面に至る第1傾斜部とを有する単位レンズを前記光伝搬層の光入射面に一定のピッチで配列することで構成され、前記単位レンズは前記第1頂部と前記第1傾斜部が湾曲してなる第1湾曲傾斜部を有し、前記第1湾曲傾斜部の各点における接線と、前記光伝搬層の光入射面側となす角が、20度以上90度以下の範囲で連続して変化していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記単位レンズの頂部が稜線を有することを特徴とする請求項6項記載の光均一素子。
- 前記光拡散基材の光射出面に微細な凹凸が設けられたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記光拡散基材の光射出面に光拡散レンズが設けられたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記拡散基材の光射出面が平坦であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記光拡散基材と前記光伝搬層とが多層押出法により一体成形され、シート状に成形された前記光偏向要素が前記光伝搬層に固定層を介して積層されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記光偏向要素と前記光伝搬層がシート状に一体成形され、該シート状をなす前記光伝搬層の光射出面上に前記光拡散基材を押出し、冷却ロールでラミネートすることにより一体化することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子。
- 前記光偏向要素と、前記光伝搬層および前記光拡散基材が多層押出法により一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の光均一素子。
- 請求項1乃至13の何れか1項に記載の光均一素子と、
前記光均一素子の光射出面側に配置され、光を集光または拡散、反射あるいは偏向分離させる機能を有する単一または複数の光学部材とを備える、
ことを特徴とする光学シート。 - 前記光学部材は、光射出側に複数の単位レンズを配列してなるレンズシートから構成され、前記レンズシートは前記光均一素子の光射出面に複数の光マスクを介して積層され、互いに隣接する前記各光マスクの間に空気層からなる光透過用開口部が設けられていることを特徴とする請求項14記載の光学シート。
- 光源と、
請求項1乃至13の何れか1項に記載の光均一素子とを備える、
ことを特徴とするバックライトユニット。 - 光源と、
請求項14または15記載の光学シートとを備える、
ことを特徴とするバックライトユニット。 - 画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する画像表示素子と、
請求項16または17に記載のバックライトユニットとを備える、
ことを特徴とするディスプレイ装置。
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JP2009116925A JP2010266611A (ja) | 2009-05-13 | 2009-05-13 | 光均一素子、光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110471207A (zh) * | 2019-07-19 | 2019-11-19 | 苏州星烁纳米科技有限公司 | 量子点偏光片及背光模组 |
-
2009
- 2009-05-13 JP JP2009116925A patent/JP2010266611A/ja active Pending
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