JP2010256431A - 積層樹脂シートとそれを用いたバックライトユニットおよびディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂に光散乱粒子が分散混入されてなる、全光線透過率がT1%である第1樹脂層と全光線透過率がT3%である第3樹脂層との間に全光線透過率がT2%第2樹脂層を内包した少なくとも3層からなる樹脂層を有し、前記第1樹脂層の全光線透過率T1%、と第2樹脂層の全光線透過率T2%、第3樹脂層の全光線透過率T3%とが、T1%<T3%<T2%の関係を満たすことを特徴とする積層樹脂シートを使用する。
【選択図】図3
Description
このようなディスプレイ装置においては、液晶パネルの背面側に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する、いわゆるバックライト方式が採用されている。
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットを大別すると、冷陰極管(CCFL)等の光源ランプを光透過性に優れたアクリル樹脂などからなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆるエッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
このディスプレイ装置は、偏光板16、18に挟まれた液晶パネル17を備え、その背面側に略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板20が設置されており、該導光板20の上面(光射出側)と背面側の偏光板18との間に拡散フィルム(拡散層)19が設けられている。
よって、この輝度ムラを抑制するには、明暗の差が視認されにくくなるように光透過性を落とす必要が生じるため、結果として正面輝度が不十分になってしまうという問題があった。
しかしながら、近年の液晶TVの更なる薄型化やコストダウンを目的とした光源等の部材点数の低減により筐体内における光源と画像表示部との間隔が狭くなり、光源間の暗部と明部の輝度分布ムラが顕著化し、表示画面内に明暗を生じる問題がある。
すなわち光拡散板には、以前の構成よりも更に増した、光源間の暗部と明部の輝度ムラを解消することが求められるようになってきた。
また、本実施形態における積層樹脂シート15は層構造のものに限らず、多層構造であっても良い。
また、光散乱粒子の混合量が0〜3重量%の範囲の第2樹脂層10では表面凹凸形状12および第3樹脂層11により拡散された光を損失することなく微弱な光拡散性を維持しながら光源5直上から離れた位置へと伝播することが可能となる。
そのため、樹脂14における光散乱粒子13の混入量が2〜30重量%の範囲の第1樹脂層9においては、ある程度の光透過性を維持しながらも非常に高い光拡散性により光源5からの光を均一化することでランプイメージの低減効果を得ることが可能となる。
また、この光散乱粒子13と樹脂14との屈折率の差は、0.02以上に設定されている。当該範囲内ならば光拡散性を得ることができ、視野角分布の調整を適切に行うことが可能となる。
さらに、光散乱粒子13の平均粒径は0.5〜12μmの範囲に設定されている。光散乱粒子13の平均粒径が1μm未満あるいは12μmを超える場合には光拡散性が充分でなく、視野角分布の調整を行うことができないので好ましくない。この点、光散乱粒子13の平均粒径が0.5〜12μmの範囲内ならば、十分な光散乱性を得ることができる。
なお、この光散乱粒子13の平均粒径は、2〜6μmの範囲内であることがより好ましい。
積層樹脂シート15の厚さが0.5mm未満の場合、薄くコシがないため、撓みが生じるという問題がある。一方、積層樹脂シート15の厚さが4mmを越える場合には、光源5からの光の透過率が低下するという問題がある。
ここで、d1/d3が19以上の場合、第1樹脂層9が厚過ぎるため光透過性が損なわれ光源からの光が表示画面から視認できない。また、d1/d3が1以下の場合には、第1樹脂層9が薄くなり過ぎるため、光拡散性を発揮することができず表示画面全体を明るくすることが出来ない。
この点、d1/d3が上記範囲内にあることにより、第1樹脂層9がある程度の光透過性を発現しながら高い光拡散性を発揮することが可能となる。
押出法は、押出機で熱可塑性樹脂を加熱溶解させ、Tダイから押出し、板状あるいはシート状に成形する方法である。また、共押出法は、積層板あるいは積層シートを形成する場合に用いられ、複数台の押出機を用い、フィードブロックダイやマニホールドダイなどの積層ダイから、積層押出しを行って、複層板状に成形する方法である。
また、積層樹脂層の厚さと凹凸形状の高さを加えた総厚みは200μm以上30mm以下が望ましい。200μm以下の場合、筐体に設置したときに剛性が足りずたわみ等が生じてしまい、また、30mm以上の場合には、他の部材と接触してしまい薄型筐体に適さないからである。
UV樹脂としては、アクリル系やエポシキ系等の当該分野でよく知られているUV硬化性樹脂を使用できる。
熱可塑性樹脂としては、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂))、MS(メタクリル酸スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)など当該分野でよく知られている熱可塑性樹脂を使用できる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂やメラミン樹脂等の当該分野でよく知られている熱硬化性樹脂を使用できる。
また、粘着材の中に屈折率の異なる有機粒子や無機粒子などの透明粒子等を混ぜても良く、粘着材は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。また、粘着材はあらかじめシート状に加工したものを用いても良いし、基材シートの所望部材に直接塗布しても良い。粘着材と隣接する面には、あらかじめコロナ処理を施しても良い。
樹脂や金属の止め具はバックライトの筺体と一体化されていても構わない。これらの方法は溶着よりもさらに加工法が容易であり、表示領域外の接合に適している。
この紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2'- ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、4-t-ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸エステル系化合物、2-エトキシ-2'-エチルオキザリックアシッドビスアニリドなどのオキザリックアシッドアニリド系化合物、エチル-2- シアノ-3,3- ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系等を用いることができる。
即ち、第1樹脂層9を単体で用いた場合、通過する光の輝度分布は、正面方向から視野角が大きく広がり、前方への拡散性が高く、広角度になると急激に落ち込むといった視野角特性を示す。そのため、光源5上のランプの明所が大きく広げられて高い光拡散性を得ることができるが、光源5直上は輝度が高く、第1樹脂層9のみではランプイメージの低減効果は薄い。
即ち、第3樹脂層11を単体で用いた場合、通過する光の輝度分布は、正面方向に突出して高く、正面方向fから外れた場合は急激に落ち込むといった視野角特性を示す。したがって、正面方向の明るさを大きく得ることができるが、光源直上は輝度が高く第3樹脂層11のみではランプイメージの低減に効果は薄い。
さらに、このように積層樹脂シート15のみで高い拡散機能が得られるため、別途、拡散フィルム等を設ける必要はない。したがって、部品点数を削減して製造コストを低下させることが可能となる。
また、この積層樹脂シート15は、バックライト用の光源5からの光の輝度を向上させるために用いる用途以外にも、ディスプレイの視野角をコントロールするためのシートまたはコントラストを向上させるためのシートとして利用することも可能である。
さらに、例えば、投射スクリーンで投射された光の輝度を向上させるシートやまたは太陽電池用の光制御を行うシートにも利用することも可能である。また、積層樹脂シート15は、照明光源からの光を均一に拡散、集光させることができるため、照明カバーや看板あるいは、建材等に利用することができる。
光源には、冷陰極管もしくはLEDもしくは半導体レーザを用いる。
ここで、積層樹脂シートと光源との距離は20mm以下であることが望ましい。これ以上離れると面全体の輝度が下がり暗くなってしまい、かつ、光源間の明暗が視認しやすくなるからである。
ここで、液晶パネルと前記積層樹脂シートとの距離は40mm以下であることが望ましい。面全体の光損失が多く、輝度が下がり暗くなってしまい、かつ、筐体の厚みを増すこととなってしまうからである。
そのため、このバックライトユニットを搭載したディスプレイ装置においては、高輝度かつランプイメージが低減された画像を表示することができる。
また、ランプイメージ低減効果及び輝度が高いため光源5との距離を近づけることができ、光源5のランプ数を減らすことができるため、バックライトユニット及びディスプレイ装置の省エネ化を図ることが可能となる。
なお、上記積層樹脂シート15を用いていることから、薄型のバックライトユニットとすることができるとともに、大型のディスプレイ装置を容易に構成することが可能となる。
以下、作製し積層樹脂シートの具体的構成、試験方法及び試験結果について説明する。
なお、積層樹脂シートとしては、第1樹脂層から第2及び第3樹脂層を積層したものの両面に凹凸形状を賦形したシートを作製した。
まず、第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層からなる3層構造の積層樹脂層を作製し、物性の評価を行った。
屈折率1.59のポリスチレン樹脂(PS)に第1樹脂層の全光線透過率T1%、第2樹脂層の全光線透過率T2%、第3樹脂層の全光線透過率T3%がT1%<T3%<T2%の関係になるように1種又は2種の光散乱粒子(真球形状粒子もしくは不定型形状粒子)を添加した第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を作製した。
なお、当該積層樹脂層は第1樹脂層と第3樹脂層とで第2樹脂層を挟み込むように構成されている。また、各樹脂層の厚み、光散乱粒子の平均粒径、屈折率、混入量(重量%)は図6における表に示す通りである。
具体的な作製方法として、積層押出機によって、上記第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層からなる積層シートを、押出機のダイ温度を250℃に、ロール温度(第2ロールの温度)を100℃に設定後、その押出量を調整しながら押出し成形することで積層樹脂層を作製した。
尚、この際に第1樹脂層側の液晶側と第3樹脂層の光源側に金型ロールを押し当てながら押し出し成型することで第1樹脂層と第3樹脂層の表面に凸状のシリンドリカル形状のピッチ130μmの単位レンズを成形し、表面凹凸とした。
作成した積層樹脂シートを37型のサイズにカットし、第3樹脂層側の表面凹凸形状を冷陰極管と対向し、シリンドリカルレンズアレイであれば光源と平行になるように、バックライト・ユニットに配置した。
拡散性能評価は、市販の拡散板との比較により行った評価結果を図7における表に示す。
本積層樹脂シートは市販の拡散板を1とした際の積算光量は0.8、拡散効果は正面3.0斜め3.5と従来の拡散板と比較しても拡散性は十分であったが、全光線透過率が低く、表示画像が著しく暗かった。しかし、市販品に比べ大幅な膜圧削減が可能となり、光源間の輝度ムラが大幅に低減され、光干渉によるモアレの発生も抑制された。
そのため、このバックライトユニットを搭載したディスプレイ装置においては、高輝度かつランプイメージが低減された画像を表示することができる。
また、ランプイメージ低減効果及び輝度が高いため光源との距離を近づけることができ、光源のランプ数を減らすことができるため、バックライトユニット及びディスプレイ装置の省エネ化、及び低コスト化を図ることが可能となる。
2集光シート(BEFなど)。
3拡散シート。
4拡散板。
5光源。
6ランプハウス。
7拡散シート。
8積層樹脂シート射出面凹凸形状部。
9積層樹脂シート第1樹脂層。
10積層樹脂シート第2樹脂層。
11積層樹脂シート第3樹脂層。
12積層樹脂シート入射面凹凸形状部。
13光散乱粒子。
14樹脂。
15積層樹脂シート。
16偏光板
17液晶パネル。
18偏光板。
19拡散フィルム。
20導光板。
21ランプリフレクタ。
22光源。
23反射フィルム。
24プリズムフィルム。
25プリズムフィルム。
26光源。
27ランプリフレクタ。
Claims (18)
- 画像表示光学系に用いられる光拡散用光学シートであって、
樹脂に光散乱粒子が分散混入されてなる、全光線透過率がT1%である第1樹脂層と全光線透過率がT3%である第3樹脂層との間に全光線透過率がT2%第2樹脂層を内包した少なくとも3層からなる樹脂層を有し、
前記第1樹脂層の全光線透過率T1%と前記第2樹脂層の全光線透過率T2%、前記第3樹脂層の全光線透過率T3%とが、T1%<T3%<T2%の関係を満たす、
ことを特徴とする積層樹脂シート。 - 前記第1樹脂層と第3樹脂層に含まれる光散乱粒子が、平均粒径1〜12μmの真球形状粒子もしくは不定型形状粒子であって、該光散乱粒子と前記樹脂との屈折率差が0.02以上であり、前記第1樹脂層における前記光散乱粒子の混入量が2〜30重量%であるとともに、前記第3樹脂層における前記光散乱粒子の混入量が0.1〜5重量%であり、前記第1樹脂層の層厚d1と前記第3樹脂層の層厚d3との比d1/d3が1〜19であることを特徴とする請求項1記載の積層樹脂シート。
- 前記樹脂層の片面もしくは両面に凹凸形状を有する請求項1及び2記載の積層樹脂シート。
- 前記凹凸形状は、一方向に延在する凸条を複数有し、前記凸条の配列方向が、互いに平行して、もしくは互いに交差して配列されてなることを特徴とする請求項1乃至3記載の積層樹脂シート。
- 前記凹凸形状が不均一に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至4記載の積層樹脂シートである。
- 前記凹凸形状が多角錐、円錐、もしくは多角台錐もしくは円台錐もしくは多角柱もしくは円柱などの柱状、直方体もしくは球体、半球体もしくは楕円体、もしくは一方向に延在してなるシリンドリカル形状、もしくはこれらを任意に組み合わせた形状を有する請求項1乃至5記載の積層樹脂シート。
- 前記積層樹脂シートは押し出し法もしくはキャスト法、もしくは押し出し法とキャスト法を併用した方法、もしくはインジェクションで製造されたことを特徴とする請求項1乃至6記載の積層樹脂シート。
- 前記樹脂層と前記凹凸形状とが一体成型されたことを特徴とする請求項1乃至7記載の積層樹脂シート。
- 前記樹脂層の厚みと凹凸形状の頂部まで高さを加えた総厚みが、200μm以上30mm以下であることを特徴とする請求項1乃至8記載の積層樹脂シート。
- 前記樹脂層及び凹凸形状の基材がポリカーボネートもしくはアクリル系−スチレン共重合体もしくはポリスチレンもしくはシクロオレフィンポリマーであることを特徴とする請求項1乃至9記載の積層樹脂シート。
- 前記光拡散粒子は、互いに異なる屈折率若しくは異なるヘイズ値を有する複数種類の光拡散粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至10記載の積層樹脂シート。
- 前記記載の積層樹脂シートは単体で用いることを特徴とする請求項1乃至11記載の積層樹脂シート。
- 光源を前記積層樹脂シートの一面側に配置したときに前記光源からの入射光を他面側に射出する光学シートであって、前記凹凸形状が前記積層樹脂シートの光源と反対側の他面側に配置され、前記積層樹脂シートを通過した光が、前記凹凸形状で反射と拡散を繰り返すことで、光の指向性を変化させ、光源からの直進光を広範囲に拡散して射出することを特徴とする請求項3乃至12記載の積層樹脂シート。
- 表示画像を規定する画像表示素子の背面に配置されるバックライトユニットであって、光源と、請求項1乃至13の何れかに記載の光学シートを少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライトユニット。
- 前記積層樹脂シートと光源との距離が、20mm以下であることを特徴とする請求項14記載のバックライトユニット。
- 前記光源が冷陰極管もしくはLEDもしくは半導体レーザーであることを特徴とする請求項14もしくは15に記載のバックライトユニット。
- 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、請求項14乃至16いずれかに記載のバックライトユニットを備えることを特徴とするディスプレイ。
- 前記記載の液晶パネルと前記積層樹脂シートとの距離が、40mm以下であることを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ。
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