JP2005122008A - 反射防止性能を有する光拡散シートおよびプロジェクションスクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】反射防止性能を有する光拡散シートおよびプロジェクションスクリーン提供することを目的とする。
【解決手段】複数の単位レンズを一次元または二次元方向に形成した光拡散シートにおいて、
前記単位レンズはその断面形状が略台形であって、前記台形の下底を入光部、上底を出光部とするとともに、所定の屈折率N1を有する材料にて形成されており、
前記単位レンズの台形斜辺をなす部分および台形上底部分には、N1より低い屈折率N2を有する透明低屈折率層が形成されていて、
前記台形斜辺が前記出光部の法線となす角度をθとした場合、
sin(90°−θ)>N2/N1
かつ
N1<1/sin2θ
なる関係を有することを特徴とする反射防止性能を有する光拡散シートおよびこのシートを用いたプロジェクションスクリーンである。
【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散シートおよびこの光拡散シートを用いたプロジェクションスクリーンに関する。特に、照明器具などの周囲外部光による映像画質の低下を防ぐ反射防止性能を有する光拡散シートおよびプロジェクションスクリーンである。
プロジェクションディスプレイ装置等においては、観察者の視認性を高めるためスクリーンに光拡散シートを用いたものが知られている。この光拡散シートは、例えば、透光性フィルムの表面を凹凸処理したもの、樹脂フィルムの内部に光拡散性微粒子を含有させたもの、円柱状のレンズが一つの平面上に並列配置されたレンチキュラーレンズシート等がある。また、これらのシートを二、三枚組合わせて用いることも行なわれている。これらは、フィルム、大気、微粒子等の各屈折率の差を利用してこれらの境界において映像光を多方向に屈折させ、映像光を広範囲に拡散して観察者側に出射することで視認性の向上を図ろうとするものである。
しかし、光拡散性微粒子や凹凸が形成されたシート表面によって、映像光が乱反射して多くの迷光を生じさせることになり、ディスプレイの表面輝度、コントラストの低下等を招いていた。また、表面の凹凸処理により拡散性を有するものは、その拡散性および透明性に角度依存性があるため、ディスプレイを見る角度によって視認性が変化するという問題があった。一方、光拡散シートの光拡散性は、外光の散乱反射を増加させることにもつながり、コントラストが著しく低下して映像がボケやすいという問題点もあった。そのため、最も観察側に透光性樹脂板からなる前面板などを配置することなどで、上記の問題を解消する試みがなされていたが、しかしながらこのような手段では、照明器具などの周囲外部光による映像画質の低下し、良好な画質が得られなかった。そこで、本発明は、迷光により表面輝度が低下したりコントラストが低下することがなく、角度依存性が少なく、外光の散乱反射の少ない光拡散シート、およびこの光拡散シートを用いたプロジェクションスクリーンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち
請求項1の発明は、
複数の単位レンズを一次元または二次元方向に形成した光拡散シートにおいて、
前記単位レンズはその断面形状が略台形であって、前記台形の下底を入光部、上底を出光部とするとともに、所定の屈折率N1を有する材料にて形成されており、
前記単位レンズの台形斜辺をなす部分および台形上底部分には、N1より低い屈折率N2を有する透明低屈折率層が形成されていて、
前記台形斜辺が前記出光部の法線となす角度をθとした場合、
sin(90°−θ)>N2/N1
かつ
N1<1/sin2θ
なる関係を有することを特徴とする反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項2の発明は、
前記台形斜辺の透明低屈折率層に挟まれた断面形状略三角形の部分は前記単位レンズを構成する材料の屈折率と略同一の屈折率を備える物質が充填されていることを特徴とする
請求項1記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項3の発明は、
前記台形斜辺の透明低屈折率層のさらに前記出光面側には光吸収層が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項4の発明は、
前記透明低屈折率層の層厚は、0.1μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項5の発明は、
前記隣り合う単位レンズの間は可視光を吸収する材料にて構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項6の発明は、
請求項1記載の光拡散シートの映像光源側には、映像入射光を有効に屈折させる作用を有するプリズムレンズアレイシートを貼り合わされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項7の発明は、
請求項1記載の光拡散シートの観察者側には、拡散剤を混入したシートが貼り合わされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項8の発明は、
請求項6記載の光拡散シートの拡散剤を混入したシートの最も観察者側には、透明樹脂板からなる前面板が貼り合わされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項9の発明は、
前記単位レンズは、板状または膜状の透明基材上に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項10の発明は、
前記プリズムレンズアレイシートは、板状または膜状の透明基材上に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項11の発明は、
前記前面板の観察者側に、反射防止層、ハードコート層、偏光フィルター層、帯電防止層、防眩処理層、防汚処理層、タッチセンサ層のうち少なくとも一つが設けられていることを特徴とする請求項8に記載された反射防止性能を有する光拡散シートである。
請求項12の発明は、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートの映像光源側にフレネルレンズが配置されたプロジェクションスクリーンである。
本発明により、複数の単位レンズを一次元または二次元方向に形成した光拡散シートであって、単位レンズはその断面形状が略台形であって台形の下底を入光部、上底を出光部
とするとともに所定の屈折率N1を有する材料にて形成されており、単位レンズの台形斜辺をなす部分および台形上底部分にはN1より低い屈折率N2を有する透明低屈折率層が形成されていて、台形の上底の長さをT、高さをH、台形斜辺が出光部の法線となす角度をθとした場合、
sin(90°−θ)>N2/N1
N1<1/sin2θ
0<H<T/(tan(2θ+10°)−tanθ)
なる関係を有することを特徴とする光拡散シートによれば、出光面法線に平行な入射光は、斜辺の透明低屈折率層表面にて全反射され、出光面においては反射を起こすことなく観察者側に出光される。また、出光面法線に対して最大10°の傾きをもって入射し、単位レンズ断面が形成する台形斜辺の透明低屈折率層表面にて反射された光は、隣接する単位レンズ断面が形成する台形斜辺の透明低屈折率層にいたることなくの出光面から観察者側に出光される。したがって輝度とコントラストが高く、迷光の少ない反射防止性能を有する光拡散シートを得ることができる。
また、単位レンズの台形上底部分にもN1より低い屈折率N2を有する透明低屈折率層が形成されていているので、照明器具などの周囲外部光による映像画質の低下を防ぐ反射防止能を有し、良好な画質が得られる。
また、映像光源側には、映像入射光を有効に屈折させる作用を有するプリズムレンズアレイシートを貼り合わせた場合には、入射光量の損失が少なく、明るい画質が得られる。
また、単位レンズを板状または膜状の透明基材上に形成した場合には、ロール状の型を使用して、配列された単位レンズを連続的に生産することができる。
さらに、隣り合う単位レンズの間は可視光を吸収する材料にて構成した場合には、迷光を吸収してコントラストの高い光拡散シートを実現することができる。
また、観察者側に拡散剤を混入したシートを貼り合わせた場合には、観察者側の面を平面とすることができるので、表面への加工が容易になる。また、拡散剤の光学的作用により、出光側のゲインを均一にならすことができる。
以下に、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。図1および図2は、本発明の第一および第二実施形態の光拡散シートS1およびS2の水平断面を示す図である。これらの図においては、図面右側に映像光源が配置され、図面の左側に観察者が位置している。
図1は、本発明の第一実施形態の光拡散シートS1を示している。この光拡散シートS1は、観察者側から映像光源方向に順に、前面板9、拡散剤入りシート1、単位レンズ2、ベースシート3、マイクロレンズアレイシート8が貼り合わされて配置されている。単位レンズ2は高屈折率N1を有する物質により形成されている。さらに、隣接する単位レンズ2、2、の斜辺および単位レンズ2、2、の台形上底部分には、N1より小さな屈折率N2を備え透明な物質により形成された層4(以下「透明低屈折率層4」という。)が形成されている。また隣接する単位レンズ2の間に挟まれた断面形状三角形の部分は、単位レンズ2の屈折率N1と略同一の屈折率を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの断面形状三角形の部分を「レンズ間部分5」という。また必要に応じて単位レンズ2を「高屈折率部2」ということもある。
高屈折率部2の屈折率N1と、透明低屈折率層4の屈折率N2との比は、光拡散シート
S1の光学特性を得るために所定の範囲に設定されている。また、透明低屈折率層4と高屈折率部2とが接する斜辺が、出光面の法線(当該光拡散シートS1に対する垂直入射光に平行である。)となす角度は所定の角度θに形成されている。これらについては後に詳述する。
高屈折率部2は、例えば、電離放射線硬化性を有するエポキシアクリレートなどの材料にて構成されている。
透明低屈折率層4は、高屈折率部2の透明樹脂の屈折率より低い屈折率を有する材料にて形成されている。例えば、シリカ(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF2)などの材料が挙げられる。
また、レンズ間部分5は、カーボン、顔料または所定の染料等にて所定濃度に着色されている。また、拡散剤入りシート1、およびベースシート3は、高屈折率部2と略同一の屈折率を有する材料にて構成されている。
前面板9の観察者側には、反射防止層、ハードコート層、偏光フィルター層、帯電防止層、防眩処理層、防汚処理層、タッチセンサ層などの機能層が適宜設けられている。
図2は、本発明の第二実施形態の光拡散シートS2を示している。この光拡散シートS2は、図1に示す光拡散シートS1において、透明低屈折率層4のさらに外側にはカーボン等の光吸収性材料により光吸収層11が形成されている。
次に、図3および図4を参照しつつ光拡散シートの単位レンズ部に入射した光拡散シート内の光が斜辺にて全反射され、かつ出光面においては、全反射されずに観察者側に透過する条件について説明する。
図3は、光拡散シート内において、第一実施形態の光拡散シートS1の斜辺に垂直光L5が入射した場合の光路を示す図である。図3においては映像光源は図面上方に、観察者は図面下方に位置するものとする。また拡散剤入りシート1、およびベースシート3は説明の簡略化のため省略している(以下図4および5において同じ。)。
図3において、斜辺に入射した垂直光L5が、斜辺のA点において全反射され始める条件(臨界条件)は、スネルの法則により、
sin(90°−θ)=N2/N1
であるから、垂直光L5が常に全反射されるためには、
(式1) sin(90°−θ)>N2/N1
なる条件を満たす必要がある。
また、斜辺のA点にて反射された光L5が、出光面のB点において全反射され始める条件(臨界条件)は、大気の屈折率を1とした場合、スネルの法則により、sin2θ=1/N1であるから、光L5がB点から観察者側に確実に出光されるためには、
(式2) sin2θ<1/N1
なる条件を満たす必要がある。
なお参考のために図4を参照しつつ、光拡散シートS1の斜辺に10°の傾きを持った光拡散シート内の光L6が入射した場合の光路について以下に簡単に説明する。
図4において、斜辺に入射した10°の傾きを持つ光L6が、斜辺のA点において全反射され始める条件(臨界条件)は、スネルの法則により、
sin(80°−θ)=N2/N1
であるから、10°の傾きを持った光L6が常に全反射されるためには、
(式3) sin(80°−θ)>N2/N1
なる条件を満たす必要がある。
また、斜辺のA点にて反射された光L6が、出光面のB点において全反射され始める条件(臨界条件)は、大気の屈折率を1とした場合、スネルの法則により、sin(2θ+10°)=1/N1であるから、光L6がB点から観察者側に確実に出光されるためには、
sin(2θ+10°)<1/N1
すなわち
(式4) N1<1/sin(2θ+10°)
なる条件を満たす必要がある。
次に、図5を参照しつつ光拡散シートS1の斜辺にて反射された光が、隣接する斜辺に到達しない条件について説明する。この条件を見出すためには、出光面法線に対して最も大きな角度(現実的には10°)を持つ入射光L7が、低屈折率部4がなす三角形の頂点付近の斜辺上の点Cにて全反射された場合に、その反射光が隣接する斜辺に到達しないように、三角形の高さHと単位レンズの上底の長さTとの関係を定めればよい。
図5において、三角形の底辺の長さを2Sとすれば、
tanθ=S/H
tan(2θ+10°)=(S+T)/H
したがって、
H=T/(tan(2θ+10°)−tanθ)
Hが上記値より小であれば、反射光が隣接する斜辺に到達しない。したがってその条件は、
(式5) H<T/(tan(2θ+10°)−tanθ)
で表される。
次にθが5°〜15°であるとして、その範囲においてさらに具体的にN1とN2の値を考察する。5°<θ<15°の範囲においては、
sin(90°−θ)<0.996
であり、式1により、N2/N1の値はこれより小さいから
(式6) N2/N1<0.996
一方、5°<θ<15°の範囲では、
1/sin2θ<5.76
であるから、式2より、
(式7) N1<5.76
さらに、入手しうる現実の材料を考慮した場合、N2の最小値は1.30なので、
N2/N1>1.30/5.76=0.23
したがって上式と式6から
(式8)0.23<N2/N1<0.996
上記式7および式8が5°<θ<15°の範囲での、N1およびN2の値がとりうる条件である。
また、式5においては、θ=15°の時にHに対する条件が決定され、
H<T/0.57
となる。
図6および図7は、第一実施形態の光拡散シートS1構成の一例を示す図である。図7に示される光拡散シートは水平断面形状が垂直方向に一定な単位レンズ2を備えている。隣接する単位レンズ2、2の間には、透明低屈折率層4を介して、レンズ間部分5に樹脂材料が充填されている。出光面側には拡散剤入りシート1および前面板9が、入光面側にはベースシート3およびプリズムレンズアレイシート9が配置されている。図面では理解のためにこれら部材が離れて表されているが、実際にはこれらは貼り合わされている。
一方、図7に示されている光拡散シートにおいては、半載円錐状の単位レンズが垂直平面上に二次元状に配列されている。各単位レンズの半載円錐の頂部平面は同一面上に形成されており、この平面に拡散剤入りシート1および前面板9が貼り合わされている。入光面側にはプリズムレンズアレイシート9が貼り合わされている。隣接する単位レンズ2、2との間の空隙は透明低屈折率層4を介してレンズ間部分5に樹脂材料が充填されている。図6および図7のいずれに示されている光拡散シートの構成によっても本発明による効果を得ることができる。
次に、図8および図9を参照しつつ本実施形態の光拡散シートの製造方法について説明する。図9は第一実施形態の光拡散シートS1、図10は第二実施形態の光拡散シートS2の製造方法をそれぞれ示すものである。
この製造方法に使用される製造装置は、型ロール10と、ミラーロール20と、ベースフィルム供給ロール16と、補助ロール群19、22、24と、電離放射線硬化型樹脂を供給するフィーダー12、15、21と、電離放射線照射機14、18、23とを備えている。さらに第一実施形態にかかる製造装置は透明低屈折率物質の蒸着装置25を、第二実施形態にかかる製造装置は透明低屈折率物質の蒸着装置25および光吸収層としてのカーボン蒸着装置26を備えている。
図8の第一実施形態にかかる光拡散シートS1の製造装置において、所定の速度で回転する型ロール10の表面にはレンズ間部分5を構成する断面形状三角形の部分に対応する雌型が彫られている。所定温度に加温された高屈折率(レンズ部と同程度の屈折率)樹脂を樹脂フィーダー12から型ロール10上に供給され、三角形の凹部に充填される。余剰の樹脂をドクターブレード13にて掻き落とした後、電離放射線照射機14にて電離放射線をロール表面に照射して、高屈折率樹脂を硬化させる。次いでフィーダー15から透明樹脂をロール幅のほぼ全長にわたって供給し型ロール10の表面に透明樹脂層を形成する。さらにその上面にベースフィルム17を、供給ロール16から巻き出して形成したのち、再び電離放射線照射機18にて電離放射線を照射して、透明樹脂を硬化させる。そして補助ロール19により折り返してミラーロール20へと供給する。この折り返しの工程により、型ロール10の表面凹部に形成されていた断面形状三角形の高屈折率部は、ロール表面から剥離される。この時点では、E点拡大図で示されるように、ベースフィルム上に透明樹脂層が形成され、さらに透明樹脂層の上面に高屈折率樹脂が断面三角形に形成されている。
その後、第一実施形態の光拡散シートS1の製造装置では、高屈折率樹脂の上方に蒸着装置25を配置して、蒸着装置25から透明低屈折率物質を高屈折率物質からなる断面三角形の斜辺部分および断面三角形に挟まれる透明樹脂層上に蒸着して、透明低屈折率層を形成する(F点拡大図参照)。一方第二実施形態の光拡散シートS2の製造装置では、上記蒸着装置25の前にもう一つの蒸着装置26が配置されている(図10参照)。蒸着装置26では、カーボンの蒸着が行われる。したがって、高屈折率樹脂層の上にはカーボン層が形成され、さらにその上に透明低屈折率層が形成されている(図10のF点拡大図参照)。
ミラーロール20側では、あらかじめロール表面に単位レンズを構成する高屈折率樹脂がフィーダー21から供給されて、硬化前のやわらかい状態で高屈折率樹脂層が形成されている。この高屈折率樹脂層と型ロール10から供給されてきた中間製品とがミラーロール20と補助ロール22とにより圧着される。柔らかな高屈折率樹脂は圧着されることにより透明低屈折率層が形成する断面形状台形の谷間に隙間なく入り込む。さらにミラーロール20の表面に電離放射線照射機23にて電離放射線を照射して、高屈折率樹脂を硬化させる。そして補助ロール24により反対方向に折り返して、硬化した高屈折率樹脂をミラーロール20から剥離する。この時点では、G点拡大図に示されるように、断面形状三角形の透明低屈折率層の上面に断面形状が台形の高屈折率樹脂層にて形成された単位レンズ群が形成されている。その後このシートは巻き取り機へと送られロール状に巻き取られる。
なお、上記工程は、型ロール10にて断面形状三角形のレンズ間部分5を形成するものであるが、型ロール10により断面形状台形の高屈折率部2を先に形成して、ミラーロール20側のフィーダー21からレンズ間部分5を形成する高屈折率樹脂を供給するように構成してもよい。
第一実施形態の反射防止性能を有する光拡散シートの断面を示す図である。 第二実施形態の反射防止性能を有する光拡散シートの断面を示す図である。 反射防止性能を有する光拡散シートに垂直光が入射した場合の光路を示す図である。 反射防止性能を有する光拡散性シートに10°の傾きを持った光が入射した場合の光路を示す図である。 反射防止性能を有する光拡散性シートに10°の傾きを持った光が低屈折率部がなす三角形の頂点付近に入射した場合の光路を示す図である。 反射防止性能を有する光拡散シートの構成の一例を示す図である。 反射防止性能を有する光拡散シートの構成の他の一例を示す図である。 第一実施形態の反射防止性能を有する光拡散シートの製造方法の一例を示す図である。 第二実施形態の反射防止性能を有する光拡散シートの製造方法の一例を示す図である。
符号の説明
S1 光拡散シート
S2 光拡散シート
1 拡散剤入りシート
2 単位レンズ
3、6 ベースシート(透明基材)
4 透明低屈折率層
5 レンズ間部分
7 プリズムレンズ
8 プリズムレンズアレイシート
9 前面板
11 カーボン層(光吸収層)

Claims (12)

  1. 複数の単位レンズを一次元または二次元方向に形成した光拡散シートにおいて、
    前記単位レンズはその断面形状が略台形であって、前記台形の下底を入光部、上底を出光部とするとともに、所定の屈折率N1を有する材料にて形成されており、
    前記単位レンズの台形斜辺をなす部分および台形上底部分には、N1より低い屈折率N2を有する透明低屈折率層が形成されていて、
    前記台形斜辺が前記出光部の法線となす角度をθとした場合、
    sin(90°−θ)>N2/N1
    かつ
    N1<1/sin2θ
    なる関係を有することを特徴とする反射防止性能を有する光拡散シート。
  2. 前記台形斜辺の透明低屈折率層に挟まれた断面形状略三角形の部分は前記単位レンズを構成する材料の屈折率と略同一の屈折率を備える物質が充填されていることを特徴とする請求項1記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  3. 前記台形斜辺の透明低屈折率層のさらに前記出光面側には光吸収層が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  4. 前記透明低屈折率層の層厚は、0.1μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  5. 前記隣り合う単位レンズの間は可視光を吸収する材料にて構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  6. 請求項1記載の光拡散シートの映像光源側には、映像入射光を有効に屈折させる作用を有するプリズムレンズアレイシートを貼り合わされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に反射防止性能を有する光拡散シート。
  7. 請求項1記載の光拡散シートの観察者側には、拡散剤を混入したシートが貼り合わされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  8. 請求項6記載の光拡散シートの拡散剤を混入したシートの最も観察者側には、透明樹脂板からなる前面板が貼り合わされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に反射防止性能を有する光拡散シート。
  9. 前記単位レンズは、板状または膜状の透明基材上に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  10. 前記プリズムレンズアレイシートは、板状または膜状の透明基材上に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シート。
  11. 前記前面板の観察者側に、反射防止層、ハードコート層、偏光フィルター層、帯電防止層、防眩処理層、防汚処理層、タッチセンサ層のうち少なくとも一つが設けられていることを特徴とする請求項8に記載された反射防止性能を有する光拡散シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の反射防止性能を有する光拡散シートの映像光源
    側にフレネルレンズが配置されたプロジェクションスクリーン。
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