JP5014339B2 - 光学部材 - Google Patents

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Description

本発明は、光学部材に関し、特に、反射防止凹凸構造が形成された少なくともひとつの面を有する光学部材に関する。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理としては、例えば、屈折率の比較的低い膜(低屈折率膜)や、低屈折率膜と屈折率の比較的高い膜(高屈折率膜)とを交互に積層してなる多層膜等からなる反射防止膜を表面に形成する処理が挙げられる(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、形成に際して蒸着法やスパッタリング法等の煩雑な工程を要する。このため、生産性が低く、生産コストが高いという問題がある。また、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、波長依存性及び入射角依存性が大きいという問題もある。
このような問題に鑑み、入射角依存性及び波長依存性の比較的小さな反射防止処理として、例えば、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微細構造(例えば、規則的に配列された線条凹部又は線条凸部からなる微細構造や、規則的に配列された錐体状凹部又は凸部からなる微細構造等。以下、「反射防止凹凸構造」とすることがある。)を規則的に形成する処理が提案されている(例えば、非特許文献1、2等)。この反射防止凹凸構造を素子表面に形成することによって、素子界面における急激な屈折率変化が抑制され、素子界面において緩やかに屈折率が変化する。このため、光学素子表面における反射が低減され、光学素子内への高い光入射率を実現することができる。尚、非特許文献2には、微細構造の周期を反射を抑制しようとする光の波長の0.4倍以上1倍以下に設定することが好ましいことが記載されている。
特開2001−127852号公報 ダニエル H.ラグイン(Daniel H. Raguin) G. マイケル モリス(G. Michael Morris)著、「アナリシス オブ アンチリフレクション ストラクチャード サーフェイス ウィズ コンティニュアス ワン ディメンジョナル サーフェイス プロフィールズ (Analysis of antireflection−structured surfaces with continuous one−dimensional surface profiles)」 アプライド・オプティクス(Applied Optics)、第32巻 第14号(Vol. 32, No.14)、 P.2582−2598、1993年 豊田 宏著,「無反射周期構造」光技術コンタクト 第42巻 第3号
通常、反射防止凹凸構造の周期以上の波長の光の反射は反射防止凹凸構造によって低減されるが、反射防止凹凸構造の周期や光学素子の屈折率、入射角等のファクターによって、反射防止凹凸構造の周期よりも長い波長の光が入射した場合であっても、回折光が発生する場合がある。回折光が生じると、その回折光がノイズ光となり、光学素子やそれを備えた光学系、光学装置の光学性能が低下してしまう虞がある。例えば、ピックアップ光学系(光ディスク光学系)を構成する光学素子において回折光が生じた場合、その回折光が検出器へ入射し、サーボ信号、再生信号に多大な影響を与える虞がある。このため、回折光を生じさせないような、より短い周期の反射防止凹凸構造を素子表面に形成することが好ましい。
また、非特許文献3によれば、反射防止凹凸構造が設けられた素子表面における光の反射率は反射防止凹凸構造の高さに相関し、具体的には、反射防止凹凸構造の高さが増すにつれて反射率が低下する傾向にある。このため、素子表面における反射率を低減する観点から、高い反射防止凹凸構造を素子表面に形成することが好ましい。
つまり、光の反射を十分に抑制し、且つ回折光の発生を抑制するためには、周期が短く、高さの高い(言い換えれば、アスペクト比の大きい)反射防止凹凸構造を素子表面に形成することが好ましい。しかしながら、アスペクト比の大きい反射防止凹凸構造は極めて形成が困難であるという問題がある。すなわち、回折光の発生及び表面反射が十分に抑制された光学素子等の光学部材は製造が困難であるという問題がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回折光の発生及び反射が十分に抑制されており、且つ製造容易な構造を有する光学部材を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、構造単位が規則的に複数配列されてなり、構造単位の周期以上の波長の光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が形成された少なくともひとつの面を有する光学部材を対象とし、反射防止凹凸構造が、ひとつの面内において、構造単位の周期及び/又は高さが相互に異なる領域が存在するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、反射及び回折光の発生が十分に抑制されており、且つ製造容易な構造を有する光学部材を実現することができる。
本実施形態に係る光学部材は、反射防止凹凸構造を構成する構造単位の周期及び/又は高さを工夫することにより高い光学性能を有しつつ製造容易な反射防止凹凸構造が形成された光学部材を実現しようとするものである。以下、本発明を実施した形態例の具体的構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明を実施した形態例について説明する前に、回折光を発生させないための構造単位の周期について図1及び図2を参照しながら説明する。尚、ここでは、反射防止凹凸構造として複数の断面三角形状の線条突起が配列されてなる1次元周期構造が形成されている場合を例に挙げて説明する。
図1は、複数の断面三角形状の線条突起が配列されてなる1次元周期構造101へ光が入射した時の模式図である。図1において、1次元周期構造101の格子ベクトルを102で表す。1次元周期構造101への入射光を103、1次元周期構造101における反射光を104で表す。また、入射光103及び出射光104により定義される入射面を105で表す。また、1次元周期構造101において発生した回折光を106で表す。入射面105の法線ベクトル107と格子ベクトル102とのなす角をφで表す。
また、図2は、法線ベクトル107と格子ベクトル102とのなす角φが90度の場合の入射角θと回折角θとの関係を説明するための図である。
図2に示すように、境界面201に周期的な構造202、203(以下、格子点と呼ぶ)が周期Λで並んでいるとする。境界面201をはさんで、入射側の屈折率をn、回折側の屈折率をnとする。各格子点202、203へ向けて、平行光線204、205の入射角をθとすると、入射光線204、205の光路差はΛn・sinθとなる。また回折光線209、210の光路差は、回折光線209、210の出射角をθとすると、Λn・sinθとなる。この平行光線204、205の光路差(Λn・sinθ)と回折光線209、210の光路差(Λn・sinθ)との差が真空中の波長λの整数(m)倍の条件を満たす時、すなわち下記数式(1)を満たす場合にm次の回折光209、210が発生する。
Figure 0005014339
ここで、最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は、θがいかなる値をとっても数式(1)の左辺の絶対値が波長未満であるときである。すなわち、下記数式(2)を満たす場合には、最大の入射角θmaxにおいても、回折光が発生しないこととなる。
数式(2)より、入射角が大きくなると周期Λが短くなる傾向にあることがわかる。また、入射光の波長が短くなると周期Λが短くなる傾向にあることがわかる。
Figure 0005014339
(実施形態1)
本実施形態1では、本発明を実施した光学部材のひとつの実施の形態としてレンズ1を例に挙げて説明する。
図3は本実施形態1に係るレンズ1の概略断面図である。図4は図3中のIVで示す部分の拡大図である。尚、説明の便宜上、図3において、反射防止凹凸構造11は実際の縮尺よりも大きく描画されている(図5において同じ)。
本実施形態1に係るレンズ1は、それぞれ曲面の(詳細には、凸面状の)第1レンズ面10と第2レンズ面20とを有しており、第1レンズ面10から入射した光が第2レンズ面20から出射するように構成されている。第1レンズ面10には、構造単位(例えば、凹凸構造からなる構造単位)が規則的に複数配列されてなる反射防止凹凸構造11が形成されている。具体的には、反射防止凹凸構造11は、構造単位たる錐体状凸部12が規則的に(例えば、マトリクス状やデルタ状に)複数配列されてなるものである。尚、本明細書において、「錐体状」とは、円錐体状、角錐体状、頂部が面取り又はR面取りされた円錐体状、頂部が面取り又はR面取りされた角錐体状、斜錐体状(斜円錐体状、斜角錐体状)、頂部が面取り又はR面取りされた斜錐体状を総称するものであり、母線が曲線及び/又は複数の線分によって構成されているものを含む。また、「線条凸部」とは、横断面が三角形状、矩形状、多角形状、ドーム状、半円状、又は半楕円状の凸部を含んだ線条に延びる凸部の総称とする。「線条凹部」とは、横断面が三角形状、矩形状、多角形状、ドーム状、半円状、又は半楕円状の凹部を含んだ線条に延びる凹部の総称とする。
また、第2レンズ面20にも、構造単位が規則的に複数配列されてなる反射防止凹凸構造21が形成されている。具体的には、反射防止凹凸構造21は、構造単位たる錐体状凸部22が規則的に複数配列されてなるものである。反射防止凹凸構造11及び12は、入射光や出射光のレンズ面10、20における反射を抑制するためのものであり、これら反射防止凹凸構造11及び12をレンズ面10、20に設けることによって、光透過率の高いレンズ1を実現することができる。
本実施形態1において、反射防止凹凸構造11は、第1レンズ面10において、錐体状凸部12の周期及び/又は高さが相互に異なる領域が存在するように構成されている。また、第2レンズ面20において、錐体状凸部22の周期及び/又は高さが相互に異なる領域が存在するように構成されている。ここで、「周期」とは、光の入射方向又は出射方向からの平面視における最も近接した錐体状凸部12相互間の距離をいう。また、「高さ」とは、光軸方向におけるベース面から錐体状凸部12の頂点までの距離をいう。以下、この構成を採用する効果について第1レンズ面10の場合を例に挙げて説明する。
本実施例1のように、例えば、第1レンズ面10が曲面であり、光軸から離れるに従って第1レンズ面10の光軸に対してなす角度が変化するような場合、第1レンズ面10の各所において光線の入射角(各所における法線Nと光線とのなす角度)θが異なることとなる。例えば、第1レンズ面10の全域(詳細には、第1レンズ面10の光学有効領域全域)に同じ高さの錐体状凸部12を一定の周期で複数設ける場合、第1レンズ面10全域において十分に光反射率を低減すると共に回折光の発生を抑制するためには、第1レンズ面10のうち最も入射角θが大きくなる領域(本実施形態1の場合は、第1レンズ面10の周縁領域)においても回折光が発生しないような短い周期で、十分な光反射抑制効果が得られるような高さの錐体状凸部12を形成しなければならない。すなわち、第1レンズ面全面にわたってアスペクト比の大きな錐体状凸部12を形成しなければならない。従って、非常にレンズ1の製造が困難になる。
それに対して、本実施形態1のように、例えば、入射角θの大きな領域(例えば、第1レンズ面10の周辺領域)には周期が短く、高い錐体状凸部12を設ける一方、入射角θが小さな領域(光軸近傍領域)には周期が長く、低い錐体状凸部12を設けるように設計することが可能となる。そのように設計することによって、第1レンズ面10の全域において十分に反射率を低減すると共に回折光の発生を抑制しつつ、レンズ1の製造容易性を向上することができる。
また、製造容易性や必要とする回折光の抑制効果、反射抑制効果の大きさを考慮して、必要に応じて反射防止凹凸構造11の構造(周期や高さ)を自由に設定することができる。すなわち、反射防止凹凸構造11を、第1レンズ面10において、錐体状凸部12の周期及び/又は高さが相互に異なる領域が存在するように構成することによってレンズ1の設計自由度を向上することが可能となる。
尚、本実施形態1のように、入射角θの大きさが光軸から離れるに従って連続的に変化するような場合は、光軸から離れるに従って錐体状凸部12の周期及び/又は高さが連続的又は段階的に変化するように反射防止凹凸構造11を構成してもよい。
さらなる例を挙げれば、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の複数の光情報記録媒体に互換性を有するピックアップ光学系に用いるピックアップレンズであって、光情報記録媒体の種類に応じた波長の光が通過する領域が相互に異なるピックアップレンズにおいては、比較的波長の短い光が透過する領域には、周期が短く、高さの低い錐体状凸部12を形成する一方、比較的波長の長い光が透過する領域には、周期が長く、高さの高い錐体状凸部12を形成するようにしてもよい。そのようにすることによって、すべての種類の光に対する反射率を低減し、回折光の発生を抑制すると共に、ピックアップレンズの製造容易性も向上させることができる。
また、光軸近傍領域における錐体状凸部12の周期を比較的長く、周辺領域における錐体状凸部12の周期を比較的短くすることによって、入射角θの大きな周辺領域における回折光の発生を効果的に抑制することができる。また、入射角θの小さな光軸近傍領域は錐体状凸部12の周期が比較的長いため、レンズ1の製造が容易となり、光軸近傍領域における錐体状凸部12の機械的強度を向上することができる。さらに、光軸近傍領域における錐体状凸部12の高さを比較的低くし、周辺領域における錐体状凸部12の高さを比較的高くすることによって、周辺領域における十分な反射抑制効果を実現することができる。光軸近傍領域においては、錐体状凸部12のアスペクト比(周期に対する高さの比)を小さくすることができるため、さらに錐体状凸部12の強度を向上することができる。すなわち、機械的耐久性の強いレンズ1を実現することができる。一方、光軸近傍領域における錐体状凸部12の高さを比較的高くし、周辺領域における錐体状凸部12の高さを比較的高く低くして第1レンズ面10全域に亘ってアスペクト比を比較的均一にすることによって、レンズ1の製造容易性を向上すると共に、周辺領域における錐体状凸部12の機械的耐久性を向上し、且つ光軸近傍領域における反射率低減効果をさらに高めることができる。
それに対して、光軸近傍領域における錐体状凸部12の周期を比較的短く、周辺領域における錐体状凸部12の周期を比較的長くすることによって、光軸近傍領域における回折光の発生をより低減することができると共に、周辺領域における錐体状凸部12の形状精度を向上することができる。言い換えれば、比較的高い形状精度で形成することが困難である周辺領域の錐体状凸部12を高い形状精度で形成することができ、周辺領域の光学的性能を向上することができる。さらに、光軸近傍領域における錐体状凸部12の高さを比較的低くし、周辺領域における錐体状凸部12の高さを比較的高くすることによって、第1レンズ面10全域に亘ってアスペクト比が均一化され、レンズ1の製造容易性を向上すると共に、光軸近傍領域における錐体状凸部12の機械的耐久性を向上し、且つ周辺領域における反射率低減効果をさらに高めることができる。一方、光軸近傍領域における錐体状凸部12の高さを比較的高くし、周辺領域における錐体状凸部12の高さを比較的高く低くすることによって、周辺領域における錐体状凸部12の形状精度を向上することができる。言い換えれば、比較的高い形状精度で形成することが困難である周辺領域の錐体状凸部12を高い形状精度で形成することができ、周辺領域の光学的性能を向上することができる。また、光軸近傍領域における反射率を更に低減することができる。
第1レンズ面10全域に亘って錐体状凸部12の周期を一定にしつつ、光軸近傍領域における錐体状凸部12の高さを比較的低くすると共に、周辺領域における錐体状凸部12の高さを比較的高くすることによって、入射角θの比較的大きい周辺領域の反射率を効果的に低減することができ、且つ他の部材と接触しやすい光軸近傍領域の錐体状凸部12の機械的強度を向上することができる。
一方、1レンズ面10全域に亘って錐体状凸部12の周期を一定にしつつ、光軸近傍領域における錐体状凸部12の高さを比較的高くすると共に、周辺領域における錐体状凸部12の高さを比較的低くすることによって、光軸近傍領域における光反射率を更に低減すると共に、周辺領域における錐体状凸部12の形状精度を向上することができる。言い換えれば、比較的高い形状精度で形成することが困難である周辺領域の錐体状凸部12を高い形状精度で形成することができ、周辺領域の光学的性能を向上することができる。
以上、本実施形態1では、構造単位として錐体状凸部が形成されている例について説明したが、構造単位は、例えば、錐体状凹部、線条凸部、線条凹部等であってもよい。
(実施形態2)
図5は本実施形態2に係る黒体2の断面図である。
上記実施形態1では、本発明の実施の形態の一例として光透過性のレンズ1を例に挙げて説明したが、本発明に係る光学部材は光透過性でなくてもよい。例えば、光吸収部材等で形成した黒体であってもよい。本実施形態2では、光吸収部材で形成された黒体2を例に挙げて本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態2に係る黒体2は、構造単位たる錐体状凸部32が規則的に複数配列されてなる反射防止凹凸構造31が形成された面30を有する。反射防止凹凸構造31は、入射光の反射を抑制するためのものであり、黒体2の面30に入射した光は黒体2により吸収され、実質的に反射光が生じない構成となっている。
本実施形態2においても、上記実施形態1における反射防止凹凸構造11と同様に、反射防止凹凸構造31は、面30において、錐体状凸部32の周期及び/又は高さが相互に異なる領域が存在するように構成されている。この構成によれば、上記実施形態1において説明したように、面30の設計自由度を向上することができる。
例えば、入射角θの大きな領域には周期が短く、高い錐体状凸部32を設ける一方、入射角θが小さな領域には周期が長く、低い錐体状凸部32を設けるように設計することが可能となる。そのように設計することによって、面30の全域において十分に反射率を低減すると共に回折光の発生を抑制しつつ、黒体2の製造容易性を向上することができる。
図6は本実施例に係る対物レンズ3を示す図である。
下記表1は本実施例に係る対物レンズ3等の具体的数値データである。表1中、面番号は光源側から数えた際の面の番号をいい、例えば、面番号1で表される面は対物レンズ3の光源側面、面番号2で表される面は対物レンズ3の光ディスク4側の面を表す。厚みは、各面間の距離、屈折率は材質の入射光線(波長:660nm)に対する屈折率を示す。
Figure 0005014339
対物レンズ3は光ディスク4の情報記録面5に対して平行光線を集光するためのものである。対物レンズ3の両レンズ面は下記数式(3)で表される非球面である。
Figure 0005014339
ここで、
X:光軸からの高さがhである非球面状の点の非球面頂点の接平面からの距離(mm)、
h:光軸からの高さ(mm)、
RD:非球面頂点における曲率半径(mm)、
CC:円錐定数、
An:n次の非球面係数、
である。
下記表2に対物レンズの両レンズ面のレンズデータを示す。
Figure 0005014339
まず、以上のような対物レンズ3において、光線高さ毎に、回折光が発生しない反射防止凹凸構造の周期を、下記数式(2)を用いて算出した。尚、光線入射角は光線追跡によって求めた。
Figure 0005014339
下記表3に算出された対物レンズ3の光源側面(以下「第1面」と称呼する。)の光線高(h)と回折光が生じない最長周期(nm)との関係を示す。また、下記表4に算出された対物レンズ3の光ディスク4側面(以下「第2面」と称呼する。)の光線高(h)と回折光が生じない周期(nm)との関係を示す。また、図7は、光線高(h)と回折光が生じない最長周期との相関を表すグラフである。図7中、実線R1で示すデータが第1面のデータであり、破線R2で示すデータが第2面のデータである。尚、表3、4において光線高(h)は有効半径で規格化した値を示している。
Figure 0005014339
Figure 0005014339
以上、算出された結果より、対物レンズ3の光軸近傍領域における回折光の発生を抑制される最長周期(nm)は周辺領域における同最長周期の約1.5倍長いことがわかった。
次に、錐体状凸部の高さを入射光線の波長(660nm)の1/2に設定し、各部における錐体状凸部の周期が上記計算結果により算出された最長周期に合致するように錐体状凸部12を第1面及び第2面状に正方配列した対物レンズ3の透過率を計算機シミュレーション(RCWA法)により求めた。その結果、対物レンズ3の透過率は96.2%と非常に高い値であった。
本発明に係る光学部材は、高い光学性能を有すると共に製造容易であり、反射防止効果が要求されるレンズ素子、プリズム素子、ミラー素子などの光学素子のほかに、スクリーン、レンズ鏡筒、遮蔽部材、蛍光灯などの光学部材、及び太陽電池など広く適用可能であり、これらが光学素子あるいは光学部材が搭載される光再生記録装置の光ピックアップ光学系、デジタルスチルカメラの撮影光学形、プロジェクタの投影系および照明系、光走査光学系等に好適である。
図1は、1次元周期構造へ光が入射した時の模式図である。 図2は、入射角と回折角との関係を説明するための図である。 図3は、実施形態1に係るレンズ1の概略断面図である。 図4は、図3中のIVで示す部分の拡大図である。 図5は、実施形態2に係る黒体2の断面図である。 図6は、実施例に係る対物レンズ3を示す図である。 図7は、光線高(h)と回折光が生じない周期との相関を表すグラフである。
符号の説明
1 レンズ
2 黒体
3 対物レンズ
4 光ディスク
5 情報記録面
10、20 レンズ面
11、21、31 反射防止凹凸構造
12、22、32 錐体状凸部
30 面

Claims (4)

  1. 構造単位が規則的に複数配列されてなり、該構造単位の周期以上の波長の光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が形成された少なくともひとつの面を有する光学部材であって、
    上記反射防止凹凸構造は、上記ひとつの面の光軸近傍領域における上記構造単位の周期が該光軸近傍領域より周辺に位置する周辺領域における該構造単位の周期よりも長く且つ、該光軸近傍領域における該構造単位の高さが該周辺領域における該構造単位の高さよりも低くなるように構成されている光学部材。
  2. 構造単位が規則的に複数配列されてなり、該構造単位の周期以上の波長の光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が形成された少なくともひとつの面を有する光学部材であって、
    上記反射防止凹凸構造は、上記ひとつの面の光軸近傍領域における上記構造単位の周期が該光軸近傍領域より周辺に位置する周辺領域における該構造単位の周期よりも短くなるように構成されている光学部材。
  3. 請求項2に記載の光学部材において、
    上記反射防止凹凸構造は、上記光軸近傍領域における上記構造単位の高さが上記周辺領域における該構造単位の高さよりも低くなるように構成されている光学部材。
  4. 請求項2に記載の光学部材において、
    上記反射防止凹凸構造は、上記光軸近傍領域における上記構造単位の高さが上記周辺領域における該構造単位の高さよりも高くなるように構成されている光学部材。
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