JP2003066203A - 微細凹凸構造の形成方法及び当該凹凸を有する部材 - Google Patents

微細凹凸構造の形成方法及び当該凹凸を有する部材

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JP2003066203A
JP2003066203A JP2001257471A JP2001257471A JP2003066203A JP 2003066203 A JP2003066203 A JP 2003066203A JP 2001257471 A JP2001257471 A JP 2001257471A JP 2001257471 A JP2001257471 A JP 2001257471A JP 2003066203 A JP2003066203 A JP 2003066203A
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Tetsuhiko Sanpei
哲彦 三瓶
Nobuhiro Umebayashi
信弘 梅林
Toshinori Sugiyama
寿紀 杉山
Akito Sakamoto
章人 酒本
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射防止、撥水、放熱、接着などの用途のた
めに微細な凹凸を安価に形成し、特に、反射防止効果は
波長依存性のない凹凸を形成する方法、当該凹凸を有す
る部材を提供する。 【解決手段】 基体上に微細な凹凸をランダムに形成す
る方法は、前記基体の表面に有機化合物の膜を形成する
ステップと、前記有機化合物の膜をエッチングするステ
ップと有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基体表面に微細な凹凸構
造を形成する方法に関する。本発明によって形成された
凹凸構造は、反射防止部、撥水部、放熱部、接着部など
の用途に使用することができ、回折素子、レンズ、プリ
ズム、マスク等の光学素子、携帯電話、携帯情報端末
(PDP)、コンピュータ、テレビなどのディスプレイ
機器等の表示窓に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイ(基体)と光学素子(基
体)の背景の映り込み(外光)による反射防止効果を得
る方法として、従来から、ノングレアー処理(AG:A
nti−Glare)と反射防止処理(AR(Anti
−Reflective)が提案されている。
【0003】しかし、ノングレアー処理は、凹凸の大き
さを可視光域波長より粗大にし、光の散乱で反射像を散
らして輪郭をぼやかす(いわゆる防眩効果を形成する)
ものであるが、情報である文字や映像の輪郭もぼけるた
め高い解像度が得られないという問題がある。
【0004】一方、反射防止処理のうち、透明部材に低
屈折率部材、高屈折率部材を交合に積層した多層膜構造
による各層間の光学的干渉作用により反射防止効果を得
るものは、多層膜の各薄膜の屈折率、膜厚をスパッタ、
蒸着、プラズマCVD、スピンコート、ゾルゲル等の成
膜手段で高精度に制御することが必要となり、歩留まり
の低下、コストアップを招くという問題がある。特に、
波長域が400nm−700nm、300nm−900
nmと広がるにつれて、多層膜の層数が増えて製造工程
の複雑化と更なる歩留まりの低下を招く。更に、スパッ
タなどでは成膜された膜質が、多孔質になりやすいため
に、時間放置とともに水分等の吸着が始まり、特定波長
域で反射率が時間経過とともに大きくなり、反射防止効
果の安定性が低いという問題もある。
【0005】そこで、基体の厚さ方向に可視光域の波長
よりも小さい凹凸を形成し、厚さ方向に連続的に屈折率
分布を変化させて反射防止効果を得る方法が注目されて
いる。この凹凸の形成方法には、様々な方法があるが、
例えば、表面を多孔質化する方法、表面に空孔を形成方
法がある、例えば、透明基体表面にHF、HF−CH
COOH、HCl、HNO−HCl等の薬品でウェッ
トエッチングし、表面に凹凸を形成する方法がある。ま
た、苛性ソーダ処理によりプラスチック表面に数100
um径の粗大な凹凸形成させる方法、研磨材を吹き付け
て凹凸にするサンドブラスト法、シリカ溶液(シリコン
・アルコキシドのアルコール溶液にIn ;Sn
(錫含有酸化インジウム等の導電性フィラ)に導電性フ
ィラを混合分散させたものを透明部材に噴霧法により吹
き付け150〜200℃で焼成して導電性凹凸を形成す
る方法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の凹凸形
成方法は、可視光域の波長の大きさよりも小さい凹凸を
形成することは困難であった。
【0007】これに対して、公開特許2000年第25
8607号公報は、透明部材表面(基体)にスパッタや
蒸着によって厚み1nm〜10nmの島状の金属膜を形
成し、プラズマエッチングにより微細な凹凸を形成する
方法を提案している。しかし、同方法は、スパッタ又は
蒸着で島状に金属膜を形成するにはプラズマの放電開始
の不安定な時間内、即ち、数秒〜10秒程度で成膜形成
時間を制御しなければならず、再現性の良い島状膜厚と
直径を制御することは困難である。また、島構造にする
ために膜厚を1nm〜10nmと厚くすることができ
ず、マスクとして十分機能しなくなる。
【0008】半導体プロセスのフォトリソグラフィを使
用して微細な凹凸を形成することも考えられる。かかる
方法は、例えば、微細なマスクをフォトリソグラフィで
基体表面に形成し、基体をドライエッチングすることに
より凹凸を形成する。かかる方法は、マスクと物体との
選択比(エッチング速度比)を10以上にすれば凹凸の
高さを0.3μm〜1μm程度に深くすることができる
が、凹凸の高さが一定であるため特定波長に対しては反
射防止効果が得られるが別の波長に対しては得られない
という問題を生じる。より具体的には、凹凸の高さに分
布がなければ、例えば、基板屈折率1.5と基板と接す
る空気の屈折率1.0の間の屈折率変化は直線的で、緩
やかな屈折率変化を得ることはできず、可視光域400
nm〜700nmで十分な反射率防止効果が得られなく
なる。また、300nm〜1000nmの間の微細なマ
スクを形成するために高額な縮小投影型装置(ステッ
パ)や電子ビーム描画装置を使用しなければならず高コ
ストになり実用的ではない。また電子ビーム描画装置で
はビーム径が小さく大面積描画には不向きである。
【0009】公開特許平成元年第239501号公報
は、プラスチック表面基体を高周波プラズマ処理で凹凸
の大きさが平均0.05um〜5umとなるように粗面
化し、次に前記粗面上にMgF、SiO、Na
lF、CaF等の反射防止層を、光の干渉条件を考
慮して70nm〜120nm程度形成する方法を提案し
ている。しかし、同方法はプラスチック表面の基体を高
周波プラズマ処理するだけでは凹凸の高さ(深さ)高々
0.5μm程度で反射防止効果を得るには不十分であ
り、MgF等の反射防止膜との構成が必要になる。
【0010】更に、基体にバインダを塗布し、次に微粒
子を吸着させる方法、バインダに吸着した微粒子をプラ
ズマエッチングする方法も考えられる。しかし、これら
の方法は微粒子同士が吸着しやすく、粗大な凹凸が形成
され、光が散乱されてノングレアー処理と同様の問題を
有する。また、凹凸の高さが、0.3μm〜1μm程度
の十分深いものを得ることが困難であり、反射防止効果
が不十分であり、そのため凹凸面にMgF膜等の反射
防止膜をスパッタ、蒸着で形成した構成になっていた。
【0011】そこで、本発明は、反射防止、撥水、放
熱、接着などの用途のために微細な凹凸を安価に形成
し、特に、反射防止効果は波長依存性のない凹凸を形成
する方法、当該凹凸を有する部材を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の基体上に微細な凹凸をランダムに形成する
方法は、前記基体の表面に有機化合物の膜を形成するス
テップと、前記有機化合物の膜をエッチングするステッ
プと有する。ランダムな凹凸は、同一の高さ(深さ)の
凹凸がランダムに配列されている場合とランダムな高さ
(深さ)及びピッチで凹凸が形成されている場合の両方
を含む。ランダムな凹凸は、本発明者らの経験から、反
射防止部に適用された場合に波長依存性がない。また、
有機化合物の膜を介してエッチングするので有機化合物
の膜を使用しない場合に比べてより微細な凹凸を形成す
ることができる。
【0013】ランダムな凹凸を形成するには、例えば、
前記形成ステップは前記有機化合物の膜の膜厚を局所的
に不均一にしたり、前記エッチングステップはエッチン
グレートを局所的に不均一にしたりする。前者の場合、
前記形成ステップは、例えば、前記有機化合物の膜の成
膜レートを局所的に不均一にする。
【0014】エッチングは湿式であると乾式であるとを
問わない。前記基体の前記表面は平坦でも平坦でなくて
もよく、基体の表面が曲面である場合や表面に既に凹凸
が形成されている場合にも適用可能である。前記形成ス
テップは、例えば、プラズマCVD、スピン・コータ、
噴霧法及び蒸着法のいずれか一の方法を使用して前記有
機化合物の膜を形成する。
【0015】前記有機化合物の膜の膜厚、前記エッチン
グの時間、及び/又は、前記形成工程及び前記エッチン
グの繰り返し回数を制御することによって前記凹凸の高
さを30nm乃至5μm、必要があれば、50nm乃至
1000nm、及び/又は、前記凹凸のピッチを50n
m乃至1200nmに制御するステップを更に有しても
よい。例えば、凹凸の高さを50nm乃至1000n
m、ピッチを50nm乃至1200nmに設定すれば、
公開特許平成元年第239501号公報に開示されてい
るような反射防止膜は不要になる。かかる高さの範囲
は、幅広い波長域に適用可能な反射防止部、放熱部、接
着部、撥水部に適用することができる。なお、本発明
は、その他の制御要素(例えば、湿式エッチングに使用
する薬品の濃度など)を除外するものではない。
【0016】本発明の別の側面としての部材は、基体
と、当該基体上に形成され、高さが30nm乃至5μm
のランダムな凹凸が表面に形成された有機化合物の膜と
を有するか、代替的に、高さが30nm乃至5μmのラ
ンダムな凹凸が表面に形成された基体を有する。かかる
部材も上述の方法と同様の作用を奏することができる。
必要があれば、前記凹凸の高さは50nm乃至1000
nmに、前記凹凸のピッチは50nm乃至1200nm
に設定される。また、前記凹凸の高さ及び/又はピッチ
の分布は不均一であることが好ましい。不均一とは上述
のランダムを意味し、特定の波長に依存しない反射防止
効果を達成することができる。かかる基体は、レンズ、
プリズム、マスク等の光学素子や、携帯電話、PHS、
PDA、PDP、パーソナルコンピュータ、テレビ等の
ディスプレイ機器の表示窓に適用することができる。ま
た、前記凹凸は反射防止部のみならず、撥水部、放熱
部、接着部としても機能する。
【0017】本発明の更に別の側面としての成形方法
は、前記基体の表面に有機化合物の膜を形成するステッ
プと、前記有機化合物の膜をエッチングして前記基体上
に高さが50nm乃至1000nmで、ピッチが50n
m乃至1200nmの凹凸をランダムに形成するステッ
プと、当該凹凸の表面に導電膜を形成するステップと、
当該導電膜を陰極として金属を電解メッキしてスタンパ
を形成するステップと、前記スタンパを金型に装着して
当該金型を利用して樹脂を射出成形するステップとを有
する。射出成形方を使用することによって上述のディス
プレイ部などを安価に製造することができる。
【0018】本発明の更に別の側面としての成形方法
は、前記基体の表面に有機化合物の膜を形成するステッ
プと、前記有機化合物の膜をエッチングして前記基体上
に高さが50nm乃至1000nmで、ピッチが50n
m乃至1200nmの凹凸をランダムに形成するステッ
プと、当該凹凸の表面に溶融した樹脂を導入して前記凹
凸構造を前記樹脂に転写するステップとを有する。
【0019】本発明の他の目的及び更なる特徴は、以
下、添付図面を参照して説明される実施例により明らか
にされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。
【0021】本発明者らは、従来技術の問題を鋭意検討
した結果、基体の表面に有機化合物の膜(以下、「有機
化合膜」という。)を形成した後で、有機化合膜をエッ
チングすることによって、基体表面に所望の微細かつラ
ンダムな凹凸が形成されることを発見した。
【0022】基体には、反射防止効果、撥水効果、放熱
効果及び接着効果を含む各種の効果を発揮させたい部分
の材料が選択される。反射防止は、基体の厚さ方向に目
的の波長域(可視光、赤外光、紫外光など)よりも小さ
い凹凸を形成し、厚さ方向に連続的に屈折率分布を変化
させることによって達成する。撥水は、水、油、溶液そ
の他の液体分子よりも微細な凹凸を形成し、液体分子の
吸着を防止することによって達成する。放熱は、基体表
面に凹凸を形成し、放熱面の面積を増大させることによ
って達成する。接着は、基体に凹凸を形成し、接着面積
を増大させることによって達成する。本発明は、凹凸に
よって発揮させたい効果によって凹凸のサイズを調節す
ることができるが、以下では反射防止効果を例として説
明する。
【0023】反射防止効果を発揮させたい場合、基体に
は、例えば、レンズ、プリズム、マスク等の光学素子
や、携帯電話、PHS,PDA、コンピュータ、テレビ
等のディスプレイ機器を構成する光透過材料(石英、ガ
ラス、プラスチックなど)が選択される。もっとも後述
する実施例3にあるようにスタンパに転写する場合には
基体にはシリコンその他の材料を選択することができ
る。
【0024】本実施形態では基体の表面は平坦である。
基体の表面を平坦にするにはCMP(Chemical
Mechanical Polisher)など各種
の平坦化技術を使用することができる。但し、本発明
は、平坦な基体のみならず平坦ではない基体も使用する
ことができる。従って、基体の表面は曲面であったり、
基体の表面に既に凹凸が形成されていたりしてもよい。
【0025】次に、図1に示すように、基体上に有機化
合膜を形成する。ここで、図1は、基体10上に有機化
合膜20を形成した状態を示す断面図である。凹凸の寸
法(即ち、高さ(深さ)及びピッチ)を制御する方法の
一つには、かかる有機化合膜20の膜厚tを制御する方
法がある。有機化合膜20が積層されてからエッチング
される理由は、基体10を直接にエッチングするよりも
微細な凹凸の形成が容易になるからである。
【0026】有機化合膜は、例えば、プラズマCVD、
スピン・コータ、噴霧法、蒸着法その他の方法によって
形成することができる。有機化合物は、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))であ
る。
【0027】その他、炭素、水素、フッ素、酸素を少な
くとも1種類以上含んだ有機化合膜の製造方法において
系ガス、水素を含まないC系のフロ
ロカーボン系ガス、またフッ素を含まない炭化水素ガ
ス, 鎖式または脂環式の炭化水素の水素原子を水酸基O
Hで置換したヒドロキシ化合物または芳香族炭化水素核
の水素原子を水酸基で置換した芳香族ヒドロキシ化合物
と、特にCF、C 、CHF、CH、C
F、C、C、C、C 、C
(但しx、yはx≧1、y≧2)、メチルアルコ
ール、エチルアルコールを少なくとも1種以上含んだ有
機化合物を用いてもよい。
【0028】また、有機化合物に珪素を含んだ有機珪素
合物でも良い、例えばヘキサメチルジシロキサン、ヘキ
サメチルジシラザン、テトラメチルシラン、ヘキサメチ
ルシクロトリシラザン、ジエチルアミノトリメチルシラ
ン、トリメチルビニルシラン、テトラメトキシシランの
少なくとも1種以上含んだ有機珪素合物がある。
【0029】次に、有機化合膜20の上から基体10を
エッチングする。エッチングは、微細な凹凸を形成する
と共に凹凸をランダムに形成する。凹凸を微細化する理
由は、本実施形態では反射防止効果を発揮させるためで
あり、凹凸をランダム化する理由は、本実施形態では反
射防止効果の波長依存性をなくすためである。微細化及
びランダム化は、エッチング工程のみを制御する(例え
ば、エッチング時間を制御するなど)によって行うこと
もできるが、上述したように、有機化合膜の膜厚を制御
するなど他の制御要素によって又はこれと協同して行う
ことができる。
【0030】「ランダムな凹凸」は、本実施形態では、
凹凸の高さ(深さ)及びピッチがランダムである場合を
いうが、本発明は、凹凸の高さ(深さ)のみがランダム
である場合や凹凸のピッチのみがランダムである場合も
含む。凹凸の高さ(深さ)のみがランダムである場合
は、例えば、異なる高さ(深さ)の凹凸が一定のピッチ
で整列している場合であり、凹凸のピッチのみがランダ
ムである場合は、例えば、同一の高さ(深さ)の凹凸が
ばらばらに配置されている場合である。
【0031】エッチングは図2に示すように有機化合膜
20に凹凸30aを形成した状態で終了してもよいし、
図3に示すように基体10に凹凸30bを形成した状態
を最終状態としてもよい。ここで、図2は、エッチング
された有機化合膜20aを有する基体10の断面図であ
り、図3は、エッチングされた基体10aの断面図であ
る。なお、参照番号10、20及び30は、特に断らな
い限り、参照番号10a、20a、30a及び30bを
総括するものとする。
【0032】エッチングは、プラズマエッチングなどの
乾式エッチングであると化学薬品を使用するなどの湿式
エッチングであるとを問わない。プラズマエッチングを
使用する場合については後述する。
【0033】ここで、凹凸30の高さ及び深さを、図4
を参照して説明する。ここで、図4は、凹凸30の高さ
及び深さを説明するための断面図である。本実施形態で
は、谷Pの深さは、例えば、Pからの深さとなり、
山Pの高さはPからの高さとなる。しかし、別の実
施形態においては、ある基準位置からの距離を凹凸30
の高さ及び深さと定義することができる。
【0034】ランダムな凹凸30は反射防止効果の波長
依存性をなくして、特定の波長ではなく広い波長域に対
して反射防止効果を発揮させることを容易にする。この
理由は明確には分かっていないが、本発明者らは、ラン
ダムな凹凸30を有する基体10により、空気と微細な
凹凸30との間の屈折率変化が緩やかになることが有利
に作用すると考えている。
【0035】微細な凹凸30の形状は円錐形に近く、図
5に示すように、基体10からの高さが高いほど存在す
る凹凸の面積は小さい。ここで、図5は、微細な凹凸3
0が高さ方向Hにおいて占有領域が減少する様子を説明
するための概略断面図である。図5に示すように、上か
ら見ると円錐形に近い微細な凹凸30を、高さ方向Hに
垂直な平面H、H、Hで切断した場合により高い
平面に存在する凹凸30の断面は小さくなることが理解
されるであろう。
【0036】従って、平均屈折率は、凹凸30が方向H
とは反対方向に(つまり、深さ方向に)緩やかに体積増
加することに従って緩やかに変化すると考えられる。空
気の屈折率は約1で、凹凸30の屈折率Nsは1よりも
大きいために、平均屈折率は図6に示すように、高さが
高いほど小さくなり高さが低いほどNsに近くなること
が理解される。ここで、図6は、凹凸30の高さと平均
屈折率との関係を示すグラフである。
【0037】基体に垂直な方向の層を500分割し、各
層の屈折率を段階的に変化させた多層膜の光干渉のシミ
ュレーション結果によれば、第一層、つまり、凹凸先端
の屈折率がより小さいほど、即ち、図6で言えば、平均
屈折率が点線で示す直線的な変化から矢印で示す緩やか
な変化になるほど反射率が小さくなることがわかってい
る。
【0038】プラズマエッチング中の平均屈折率の変化
を、図7を参照して説明する。ここで、図7(a)は、
プラズマエッチング中の凹凸30の変化を示す概略断面
図であり、図7(b)は、その平面図である。プラズマ
エッチングは高い凹凸30から先に進んで、図7(a)
及び(b)に矢印で示すように凹凸30を変化させるの
で、プラズマエッチングにより図6に矢印で示す方向に
平均屈折率は変化することが理解される。
【0039】このように、本実施形態の凹凸30は、そ
の高さ及び深さの分布が均一でない。有機化合膜のエッ
チングレートの不均一性及び有機化合物の膜厚の不均一
性は、装置の圧力、ガス濃度、ガス流量、投入電力、基
体温度、真空槽温度、真空槽のディメンジョンの調整な
どで制御することができる。凹凸30の高さ及び深さの
分布が不均一であるため、平均屈折率が緩やかに変化
し、凹凸の高さが均一な基体よりも、広い波長域に亘っ
て反射防止効果を得ることができると考えられる。
【0040】また、本実施形態の凹凸30は、同様に、
そのピッチの分布も均一でない。有機化合膜のエッチン
グレートの不均一性及び有機化合物の膜厚の不均一性
は、装置の圧力、ガス濃度、ガス流量、投入電力、基体
温度、真空槽温度、真空槽のディメンジョンの調整など
で制御することができる。凹凸30のピッチの分布が不
均一であるため、平均屈折率が緩やかに変化し、凹凸の
ピッチが均一な基体よりも、広い波長域に亘って反射防
止効果を得ることができると考えられる。
【0041】反射防止効果は凹凸の寸法を可視光の波長
より1/3以下が好ましく、例えば、凹凸30の深さ
(高さ)は1000nm以下で、凹凸のピッチは800
nm以下が良好である。なお、本発明が反射防止以外の
効果を得ることに鑑みれば、凹凸30の高さは30nm
乃至5μm、必要があれば、50nm乃至1000n
m、凹凸30のピッチは50nm乃至1200nmに適
用可能である。例えば、凹凸の高さを50nm乃至10
00nm、ピッチを50nm乃至1200nmに設定す
れば、公開特許平成元年第239501号公報に開示さ
れているような反射防止膜は不要になる。
【0042】本発明者らは、有機化合膜形成工程とエッ
チング工程のペアの回数を制御することにより、凹凸の
深さ及びピッチを制御することができることを発見し
た。エッチング工程の回数は2回以上に設定すると、例
えば、凹凸の深さを1000nm以下で凹凸ピッチは8
00nm以下に調節することができる。凹凸のピッチが
大きくなるとディスプレイの表示窓基体などにスモーク
が発生して文字等の情報の視認性が悪くなる。原理的に
は、微細な凹凸をランダムに形成することによる反射防
止効果は、多重干渉を利用する多層膜の積層方法と比較
して、凹凸ピッチと深さを最短波長の約1/3以下で設
計すればよく、簡単な構造で広い波長域に亘って反射防
止効果を得られるという優れた特徴を有する。なお、上
述したように、各エッチング工程の時間によっても凹凸
の高さ(深さ)及びピッチを制御することができる。
【0043】本発明の微細かつランダムな凹凸を基体に
形成する方法によれば高額なフォトリソグラフィ装置、
スパッタ装置、蒸着装置による高精度な制御を必要とせ
ずに、反射防止効果を有する微細な凹凸が形成された基
体を製造コストが安い方法で提供することができる。
【0044】更に、本発明の製造方法によれば、凹凸構
造をスタンパに転写し、これを金型に装着して射出成形
することによって大量かつ安価に成形品を複製すること
ができるので製造コストを下げることができる。
【0045】本発明の方法が基体10の表面に微細な凹
凸30を形成することができる理由は、有機化合膜20
をエッチングする際に、有機化合膜20の表面に凹凸3
0が誘起されこれが基体10の表面に転写されるからで
あると考えられる。有機化合膜20に凹凸30が形成さ
れる理由は、ドライエッチングの場合のプラズマによる
熱加熱による収縮、KOHなどのウェトエッチングの場
合の化学反応による発熱の有機化合物の膜へのダメージ
が考えられる。エッチング中に有機化合物の膜の応力が
開放するので有機化合膜20の表面に凹凸30が形成さ
れ、それが基体10の表面に転写すると考えられる。プ
ラズマ重合膜の場合は重合膜の弗素がプラズマエッチン
グ中のイオン衝撃でラジカルとなり、有機化合膜20を
透過し、基体10表面と反応し凹凸30が形成されると
も考えられる。いずれにしても複数の機構の存在が各種
有機化合物の膜に起因し起こっていると考えられる。
【0046】
【実施例1】図8に示すような誘導結合型プラズマ(I
CP:Inductively Coupled Pla
sma)エッチング装置100を使用して、図1に示す
構造体としての被処理体150をエッチングした。IC
Pエッチング装置100は、プラズマ中で化学的に活性
な反応種を生成することによって被処理体150の表面
をエッチングする。ここで、図8は、ICPエッチング
装置100の概略断面図である。
【0047】ICPエッチング装置100は、高周波電
源110と、プラズマソース用給電上部コイル120
と、石英板130と、リアクタ140と、被処理体15
0と、サセプタ160と、下部電極170と、バイアス
用電源180とを有する。なお、図8にはマッチングボ
ックスなどその他の装置は省略されている。
【0048】高周波電源110により発生した高周波は
リアクタ140に導入される。石英板130は高周波を
透過する透過窓として機能する。リアクタ140には、
反応ガスであるCガスを供給する図示しないガス
供給系が接続されている。ガス供給系は、ガス源、バル
ブ及び流量制御装置を含み、本実施例では、10cc導
入する。また、リアクタ140は、真空ポンプなどの図
示しない排気装置に接続されて、内部圧力が1Paに設
定される。
【0049】リアクタ140は、例えば、アルミニウム
などの導体により構成され、本実施例では例示的に円筒
形状を有する。リアクタ140内には、サセプタ160
と下部電極170が配置され、被処理体150が図示し
ないクランプ機構などによってサセプタ160上に支持
されている。サセプタ160は、リアクタ140内で被
処理体150の温度制御を行う。
【0050】上部コイル120、下部電極170、バイ
アス電源180及び高周波によって反応ガスがプラズマ
化され、活性の強いラジカルイオンとなり、これが被処
理体150と反応して成膜やエッチングが行われる。
【0051】本実施例では、上部コイル120には20
0wの投入電力が印加され、下部電極170へのバイア
ス投入電力は0wとした。下部電極170の温度は19
℃に設定された。被処理体150の基体(基板)はシリ
コンを使用した。
【0052】上記条件では基板に生じるバイアスはプラ
ズマポテンシャル程度と見積りされる(10eV以
下)。このバイアス程度では、基板自身がエッチングさ
れるよりも基板上にテフロン状のプラズマ重合膜が形成
される。重合膜成膜時間4分で約185nmの膜厚であ
った。
【0053】次に、被処理体150を取り出さずに同一
リアクタ140にてO/CF混合ガスで被処理体1
50をドライエッチングした。エッチング条件はCF
ガスを75sccm、Oガスを60sccm、反応圧
力3Pa、エッチング時間10分、上部コイル120へ
の投入電力は500w、被処理体150側の投入電力は
100w、被処理体150の温度は19℃に設定した。
【0054】処理後、基板表面をSEM(二次電子線顕
微鏡)とAFM(原子間力顕微鏡)で観察した結果、基
体の表面に微細な凹凸が形成されたことを確認すること
ができた。凹凸構造は、凹凸深さ(高さ)約600nn
m〜500nm、幅500nm〜200nmであった。
次に、基板の微細な凹凸をスタンパに転写するために、
蒸着装置でこの基板凹凸表面にNiを厚さ約500nm
蒸着した。なお、蒸着前に酸素プラズマでシリコン基板
表面上の有機化合物を除去しておいた。次に電解Niメ
ッキ槽で、厚さ約300um形成した。電解メッキの条
件は、スルファミン酸ニッケルメッキ液200g/リッ
トル、pH4.0、浴槽温度45℃、カソード電流1〜
3Aとした。次にこの金型を射出成形機にとりつけ、射
出成形により微細凹凸を有するポリカーボネイト基体を
得た。この該基体の反射率を分光光度計(日立製U−3
410)で測定した結果、波長400nm〜750nm
の領域において反射率は0.5%以下であった(図
9)。
【0055】本実施例では乾式ドライエッチングにCF
とOの混合ガスを使用したが、有機化合膜を除去可
能である限り、ガス種は限定されず、SF、CHF
などのフロン系ガス、フロロカーボン系ガス、CO
CO、Nなどのガスを使用してもよい。また、湿式エ
ッチングでは、KOH、NAOH、NHOH、H
、Hなどを使用することができるが、これら
に限定されるものではない。
【0056】
【実施例2】ICPエッチング装置100で、同様に、
ガスを10cc導入し、反応圧力を1Paに設
定した。
【0057】上部コイル120に200wの投入電力を
印加、下部電極壱七〇へのバイアス投入電力は0wとし
た。下部電極170の温度は19℃に設定した。基体
(基板)はシリコンを使用した。シリコン基板は下部電
極に置いた。
【0058】上記条件では基板に生じるバイアスはプラ
ズマポテンシャル程度と見積りされる(10eV以
下)。このバイアス程度では、基板自身がエッチングさ
れるよりも基板上にテフロン状のプラズマ重合膜が形成
される。重合膜成膜時間4分で約185nmの膜厚であ
った。この基体上に重合膜を形成する工程を、以下
“A”工程と呼ぶ。次に基板を取り出さずに同一チャン
バにて基板をO/CF混合ガスでドライエッチング
した。エッチング条件はCFガスを75sccm、O
ガスを60sccm、反応圧力3Pa、エッチング時
間10分、上部コイルへの投入電力は500w、基板
(基体)側の投入電力は100w、基板温度は19℃に
設定した。この基体上の重合膜を介し基体をドライエッ
チングする工程を、以下“B”工程と呼ぶ。工程の模式
図は図1、2、3のようになった。
【0059】次にA工程とB工程を2回〜100回繰り
返したところ、繰り返し回数により微細凹凸の大きさの
寸法が小さくなることがわかった。評価はSEM(二次
電子線走査顕微鏡)と原子間力顕微鏡AFMで行った。
またAFMで得られた凹凸情報を、凹凸画像解析ソフト
により統計的に凹凸の最大ピッチ、最大深さを解析し
た。表1に“A”−“B”工程の繰り返しの回数と最大
凹凸ピッチ、最大凹凸深さの関係を示す。
【0060】
【表1】
【0061】次に”A−B”工程の繰り返しの回数を5
0回行い、得られた基体の微細凹凸をスタンパに転写す
るために、蒸着装置でこの基板凹凸表面にNiを厚さ約
500nmだけ蒸着した。次に電解Niメッキ槽におい
て、Ni層を厚さ約300μmだけ形成した。電解メッ
キの条件は、スルファミン酸ニッケルメッキ液200g
/リットル、pH4.0、浴槽温度45℃、カソード電
流1〜3Aとした。次にこの金型を射出成形機にとりつ
け、射出成形により微細凹凸を有するポリカーボネイト
基体を得た。この該基体の反射率を分光光度計(日立製
UV−3410)で測定した結果、波長400nm〜7
50nmの領域において反射率は0.5%以下であっ
た。
【0062】
【実施例3】凹凸の高さが不均一の分布にするために、
ICP(誘導加熱型)プラズマエッチング装置で、C
ガスを15cc導入し、反応圧力を0.7Paに設
定した。また、真空槽のディメンジョンを局所的に適便
に変えた。上部コイルに300wの投入電力を印加、下
部電極へのバイアス投入電力は0wとした。下部電極の
温度は15℃に設定した。基体(基板)はシリコンを使
用した。シリコン基板は下部電極に置いた。
【0063】上記条件では基板に生じるバイアスはプラ
ズマポテンシャル程度と見積りされる(10eV以
下)。このバイアス程度では、基板自身がエッチングさ
れるよりも基板上にテフロン状のプラズマ重合膜が形成
される。重合膜成膜時間3分で約195nmの膜厚であ
った。この基体上に重合膜を形成する工程を、以下
“A”工程と呼ぶ。
【0064】次に基板を取り出さずに同一チャンバにて
基板をO/CF混合ガスでドライエッチングした。
【0065】凹凸の高さの分布を不均一にするために、
エッチングにおいて、CFガスを75sccm、O
ガスを60sccmで導入し、反応圧力3Pa、エッチ
ング時間10分、上部コイルへの投入電力は750w、
基板(基体)側の投入電力は50w、基板温度は19℃
に設定した。この基体上の重合膜を介し基体をドライエ
ッチングする工程を、以下“B”工程と呼ぶ。工程の模
式図を図1、2、3に示す。
【0066】次に”A−B”工程の繰り返しの回数を1
00回行い、得られた基体の微細凹凸をスタンパに転写
するために、蒸着装置でこの基板凹凸表面にNiを厚さ
約500nm蒸着した。次に電解Niメッキ槽で、Ni
層を厚さ約300μmだけ形成した。電解メッキの条件
は、スルファミン酸ニッケルメッキ液200g/リット
ル、pH4.0、浴槽温度45℃、カソード電流1〜3
Aとした。次にこの金型を射出成形機にとりつけ、射出
成形により微細凹凸を有するポリカーボネイト基体を得
た。この該基体の反射率を分光光度計(日立製UV−3
410)で測定した結果、波長400nm〜750nm
の領域において反射率は0.5%以下であった。 (比較例)多層膜の積層を透明基体上にスパッタで積層
した。構成は基体/SiN19nm/SiO17.5n
m/SiN100nm/SiO81nmとした。得られ
た反射率を分光光度計(日立製UV−3410)で測定
した結果、波長400nm〜680nmの領域において
反射率は1.0%前後であったが680nm以上の波長
では反射率は長波長程反射率が高くなった。また400
nm以下は、反射率が1%以上であった(図10)。
【0067】この様に多層の光学的干渉によるものは、
400nm以下の短波長域と740nm以上の長波長域
で反射率を1%以下にすることは、ほとんど困難であ
る。
【0068】以上説明した様に、本実施形態では基体表
面に有機化合物の膜を形成し、有機化合物の膜を介し、
CF/O混合ガスなどでエッチング(乾式エッチン
グ)又はKOHなどでウェトエッチング(湿式エッチン
グ)した。また、有機化合物の膜形成とエッチング工程
を繰り返すことによって、凹凸ピッチが800nm以下
で、凹凸高さが1000nm以下で、また好ましくは凹
凸の高さ及びピッチを不均一にすることができた。有機
化合物の膜のパラメータ制御と乾式、湿式エッチングの
パラメータを適切に制御することにより、形成される微
細な凹凸をランダムに基体表面に形成することができ
た。更に凹凸にNiを蒸着し、次にNi電解メッキする
ことでスタンパに凹凸を転写し、該スタンパを金型に装
着することにより、プラスチック基体を安値で大量に製
造できた。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、反射防止、撥水、放
熱、接着などの用途のために微細な凹凸を安価に形成
し、特に、反射防止効果は波長依存性のない凹凸を形成
する方法、当該凹凸を有する部材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基体に有機化合物の膜を形成した様子を示す
断面図である。
【図2】 有機化合物の膜がエッチングされて凹凸が形
成されている状態を示す断面図である。
【図3】 基体に微細な凹凸が形成された様子を示す断
面図である。
【図4】 凹凸の高さ及び深さを説明するための断面図
である。
【図5】 本発明の微細かつランダムな凹凸が高さ方向
において占有領域が減少する様子を説明するための概略
断面図である。
【図6】 本発明の微細かつランダムな凹凸の高さと平
均屈折率との関係を示すグラフである。
【図7】 基体に微細な凹凸が形成された様子を示す断
面図である。
【図8】 凹凸の高さ及び深さを説明するための断面図
である。
【図9】 実施例1の凹凸の波長と反射率との関係を示
すグラフである。
【図10】 比較例の凹凸の波長と反射率との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
10、10a 基体 20、20a 有機化合物の膜 30、30a、30b 凹凸 100 ICPエッチング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 寿紀 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 酒本 章人 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 BB01 BB11 CC21 DD12 DD17 EE00 FF03 4K029 AA09 AA11 BA12 BA62 BB02 BC07 BD00 CA12 EA01 EA02 FA05 GA02 4K030 BA14 BA61 CA06 CA07 DA02 DA08 FA01 JA01 JA13 LA11

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に微細な凹凸をランダムに形成す
    る方法であって、 前記基体の表面に有機化合物の膜を形成するステップ
    と、 前記有機化合物の膜をエッチングするステップと有する
    方法。
  2. 【請求項2】 前記形成ステップは、前記有機化合物の
    膜の膜厚を局所的に不均一にする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記形成ステップは、前記有機化合物の
    膜の成膜レートを局所的に不均一にする請求項2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記エッチングステップは、エッチング
    レートを局所的に不均一にする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記形成工程及び前記エッチングの繰り
    返し回数を制御することによって前記凹凸の高さを30
    nm乃至5μmに制御するステップを更に有する請求項
    1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチングの時間を制御することに
    よって前記凹凸の高さを30nm乃至5μmに制御する
    ステップを更に有する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記有機化合物の膜の膜厚を制御するこ
    とによって前記凹凸の高さを30nm乃至5μmに制御
    するステップを更に有する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記制御ステップは、前記凹凸の高さを
    50nm乃至1000nmに制御する請求項5乃至7の
    うちいずれか一項記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記制御ステップは、前記凹凸のピッチ
    を50nm乃至1200nmに制御する請求項5乃至7
    のうちいずれか一項記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記エッチングステップは乾式エッチ
    ングを行う請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記形成ステップは、プラズマCV
    D、スピン・コータ、噴霧法及び蒸着法のいずれか一の
    方法を使用して前記有機化合物の膜を形成する請求項1
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 基体と、 当該基体上に形成され、高さが30nm乃至5μmのラ
    ンダムな凹凸が表面に形成された有機化合物の膜とを有
    する部材。
  13. 【請求項13】 高さが30nm乃至5μmのランダム
    な凹凸が表面に形成された基体を有する部材。
  14. 【請求項14】 前記凹凸の高さは50nm乃至100
    0nmである請求項12又は13記載の部材。
  15. 【請求項15】 前記凹凸のピッチは50nm乃至12
    00nmである請求項12又は13記載の部材。
  16. 【請求項16】 前記凹凸の前記前記高さの分布は不均
    一である請求項12又は13記載の部材。
  17. 【請求項17】 前記凹凸のピッチの分布は不均一であ
    る請求項12又は13記載の部材。
  18. 【請求項18】 前記基体は光学素子を構成する請求項
    12又は13記載の部材。
  19. 【請求項19】 前記基体は表示窓を構成する請求項1
    2又は13記載の部材。
  20. 【請求項20】 前記凹凸は反射防止部である請求項1
    2又は13記載の部材。
  21. 【請求項21】 前記凹凸は撥水部である請求項12又
    は13記載の部材。
  22. 【請求項22】 前記凹凸は放熱部である請求項12又
    は13記載の部材。
  23. 【請求項23】 前記凹凸は接着部である請求項12又
    は14記載の部材。
  24. 【請求項24】 前記基体の表面に有機化合物の膜を形
    成するステップと、前記有機化合物の膜をエッチングし
    て前記基体上に高さが50nm乃至1000nmで、ピ
    ッチが50nm乃至1200nmの凹凸をランダムに形
    成するステップと、 当該凹凸の表面に導電膜を形成するステップと、 当該導電膜を陰極として金属を電解メッキしてスタンパ
    を形成するステップと、 前記スタンパを金型に装着して当該金型を利用して樹脂
    を射出成形するステップとを有する成形方法。
  25. 【請求項25】 前記基体の表面に有機化合物の膜を形
    成するステップと、 前記有機化合物の膜をエッチングして前記基体上に高さ
    が50nm乃至1000nmで、ピッチが50nm乃至
    1200nmの凹凸をランダムに形成するステップと、 当該凹凸の表面に溶融した樹脂を導入して前記凹凸構造
    を前記樹脂に転写するステップとを有する成形方法。
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