JP4878027B2 - 光学素子成形用金型の製造方法および光学素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、光学素子成形用金型の製造方法等に係り、特に、反射防止構造を有する光学素子を製造するのに適した光学素子成形用金型の製造方法等に関する。
光通信やデジタルカメラに使用されるレンズなどの光学素子の需要が近年急増している。これらの光学素子の多くはガラスや樹脂を材料とし、それらを金型によりプレスして成形するモールド成形法により製造されることが多い。このモールド成形法は、光学素子を大量に生産し、安価に提供できる面で優れた生産方法である。
これらの光学素子の表面には、入射光の反射を防止するための処理が施されている。具体的には、光学素子をモールド成形した後に、光学素子の表面に多層膜を形成し、光の干渉を利用して反射を抑制する。この膜は、反射防止膜と呼ばれ、一般的に用いられている。
しかし反射防止膜を形成するには、多層膜の個々の膜厚を非常に精密に制御する必要がある。また、反射防止膜を形成するための蒸着装置やスパッタ装置などは、大型の設備が必要なことから、光学素子の生産コスト上昇の一因となっている。そして、反射防止膜は、反射防止効果の波長依存性や入射角依存性が大きいという問題もある。
そこで、光学素子表面における入射光の反射を防止するための別の手法として、光学素子の表面に反射防止構造と呼ばれる非常に微細な凹凸構造が周期的に配列された構造を形成する技術が提案されている。これは、光の波長より短いピッチで、アスペクト比1以上の凹凸構造の表面に光を入射させた場合、その構造のピッチよりも長い波長の光がほとんど透過する現象を利用したものである。この構造を光学素子のモールド成形時に同時に形成することができれば、反射防止膜を形成する工程は不要となり、生産コストの大幅な低減となる。また反射防止構造では、広い波長範囲と広い入射角範囲での反射防止効果が得られるため、様々な光学素子への適用が期待される。
モールド成形で光学素子に反射防止構造を形成するためには、その形状転写元となる金型表面に反射防止構造の転写構造を形成する必要がある。この反射防止構造の転写構造は、例えば、数100nm以下の非常に微細なピッチを有する凹凸構造である。このような微細な凹凸構造を形成する方法として、例えば特許文献1には、電子線描画を用いる方法が記載されている。
特開2001−272505号公報
しかしながら、電子線描画を用いる方法は非常に長時間の描画時間を要し、また描画装置が非常に高価であるため、生産コストの大幅な上昇となる。そのため、低コスト化が望まれている光学素子の生産には適さないという問題がある。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、簡易な手法により、反射防止構造の転写構造が形成された光学素子成形用金型を製造する方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、反射防止構造を表面に有する光学素子を大量、安価に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、光学素子をモールド成形するための金型表面に、酸化物のマトリクス中に金属粒子が分散したグラニュラ構造を有する膜を成膜し、このグラニュラ構造を利用することで、反射防止構造の転写構造を光学素子成形用金型の表面に作成可能であることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成した。即ち、本発明は以下を要旨とするものである。
かかる目的のもと、本発明の光学素子成形用金型の製造方法は、金型に金属酸化物からなる相と金属粒子からなる相とからなるグラニュラ構造膜を成膜する工程と、成膜されたグラニュラ構造膜から、金属酸化物からなる相を選択的に除去する第1の乾式エッチングをする工程と、第1の乾式エッチングにより残った金属粒子からなる相をエッチングマスクとして第2の乾式エッチングをすることにより金型の表面に凹凸構造を形成する工程と、を有することを特徴とする。
ここで、凹凸構造は、反射防止構造の転写構造であることが好ましく、金属酸化物は、SiOであることが更に好ましく、金属粒子は、Pt、Au、Ir、Ruから選ばれる少なくとも1種の単体または合金からなることが更に好ましい。
また、第1の乾式エッチングは、反応性イオンエッチングであることが好ましく、第1の乾式エッチングで用いる処理ガスは、CFとOとの混合ガスであることが更に好ましい。
また、本発明の光学素子の製造方法は、金型に金属酸化物からなる相と金属粒子からなる相とからなるグラニュラ構造膜を成膜し、成膜されたグラニュラ構造膜から、金属酸化物からなる相を選択的に除去する第1の乾式エッチングをし、第1の乾式エッチングにより残った金属粒子からなる相をエッチングマスクとして第2の乾式エッチングをすることにより作成した反射防止構造の転写構造を形成した金型を用いて、加熱軟化させた光学素子母材をモールド成形することで、光学素子の表面に反射防止構造を形成することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な手法により、反射防止構造の転写構造が形成された光学素子成形用金型等を製造することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態で、反射防止構造の転写構造の形成を行う光学素子成形用金型の断面図である。
図1に示した金型10は、母材11と、母材11上にガラスや樹脂等の素材からなる光学素子母材をモールド成形した後の離型性を確保するための離型膜12が成膜された構造を有する。
母材11は、例えば、タングステンカーバイト(WC)を主成分とし、軽金属元素をバインダ成分として含んだ超硬合金により形成される。そしてモールド成形を行う面側は、成形する光学素子の形状に応じた非球面形状に機械加工されている。
また、離型膜12は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属またはその合金や、DLC(Diamond like Carbon)などによる膜である。本実施の形態では、白金(Pt)−ロジウム(Rh)からなる合金の膜をスパッタ法により500nmの厚さで形成している。
次に、上述した金型10に反射防止構造の転写構造を作成する方法を説明する。
図2(a)〜(c)は、本実施の形態による反射防止構造の転写構造の作成方法を説明した図である。
まず、金型10(図1参照)に成膜されている離型膜12上にグラニュラ構造膜13を成膜する。
後に詳述するが、グラニュラ構造膜13は、酸化物と金属粒子から構成される構造を有する膜である。本実施の形態では、酸化物として酸化シリコン(SiO)を、また、金属粒子として白金(Pt)を用いたグラニュラ構造膜13を成膜した。このグラニュラ構造膜13は、酸化シリコンからなるマトリクス相14の中に、白金微粒子からなる略円柱状の柱状相15が分離して析出した構造となる。
このグラニュラ構造膜13は、アルゴン雰囲気下で、金型10を加熱しつつ、白金ターゲットと酸化シリコンターゲットを使用した同時コスパッタ法によりスパッタを行うことで成膜することができる。スパッタは、白金はDCスパッタ法により、また酸化シリコンはRFスパッタ法により行なうのがよい。そして、グラニュラ構造膜13中の白金と酸化シリコンの体積分率を0.16:0.84となるように、各々のスパッタ装置の電力を調整した。成膜中は、アルゴンの圧力を0.3Paとし、金型10を200℃に加熱しながら行い、グラニュラ構造膜13の膜厚(T)を200nmとした(図2(a))。
次に、この白金と酸化シリコンからなるグラニュラ構造膜13が成膜された金型10の成形面に、RFプラズマによる反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行う。
この反応性イオンエッチングについては、後で詳述するが、処理ガスとしてCFとOを使用し、各々の処理ガスを9:1の流量比で導入した。そして、圧力を30Pa、RF電力を500W、処理時間を20minとした。この反応性イオンエッチングにより、マトリクス相14中のSiは、フッ化物となり揮発する。一方、白金は、ほとんどエッチングされないため、ほぼ酸化シリコンからなるマトリクス相14だけが選択的に除去され、白金からなる柱状相15が離型膜12上に残る(図2(b))。
次に、離型膜12表面に残った柱状相15をマスクとして利用し、今度は処理ガスとしてアルゴンを用いたイオンエッチングを行なう。
このとき、アルゴン圧力を1Pa、RF電力を500Wとし、処理時間6minとした。その結果、柱状相15によりマスクされていた部分よりマスクされていない部分がより深くエッチング除去されることによって、微細な凹凸構造が形成された(図2(c))。
この凹凸構造の中心間距離(P)は、約200nmとなった。また、凹凸構造の凹部底面から凸部頂面までの平均的な高さ(H)は約250nmとなった。このようにして、アスペクト比が1以上の微細な凹凸構造である、反射防止構造の転写構造を成形面に有する光学素子成型用金型が作成できる。
アスペクト比をより大きくしたい場合には、金属粒子からなる柱状相15よりも離型膜12の成分を優先的にエッチング除去するガスを用いた反応性イオンエッチングを行ってもよい。但し、アスペクト比は1〜10であることが好ましい。アスペクト比が1未満であると、製造された光学素子の反射防止効果が得られにくい。また、アスペクト比が10を超えると、光の散乱性が強くなるため光学素子の表面を白濁させる原因となりやすい。
次に、本実施の形態で成膜するグラニュラ構造膜13について詳述する。
グラニュラ構造膜とは、グラニュラ構造よりなる膜のことである。ここで、グラニュラ構造とは、ナノメートルサイズの金属粒子を金属酸化物が包み込んだ構造を意味する。
グラニュラ構造膜を形成するには、互いに溶け合い難い金属粒子と金属酸化物を選択し、成膜を行う。すなわち金属酸化物よりなる相と金属粒子よりなる相に相分離し易い成分を用いる。また、本実施の形態では、金属酸化物を選択的に除去する反応性イオンエッチングを行うため、金属酸化物としては、この際にエッチングされやすい成分を、また、金属粒子としては、エッチングされ難い成分を選択するのが好ましい。
このような条件において、本実施の形態では、金属酸化物は、SiとOを主成分とし、金属粒子は、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)の中から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする単体または合金とするのが好ましい。これにより数100nm以下のピッチの微細な構造を得ることができる。
図3は、成膜後のグラニュラ構造膜13を膜の上方から見た図である。ここでは、金属酸化物として、酸化シリコン(SiO)を、また、金属粒子として白金(Pt)を選択した場合を示す。
酸化シリコンと白金とは互いに溶け合い難いため、酸化シリコンからなるマトリクス相14の中に、白金微粒子からなる略円柱状の柱状相15が分離し、自己組織化して析出している。この柱状相15の径(D)の平均値は約100nmで、柱状相15同士の中心間距離であるピッチ(P)の平均値は約200nmである。また、上方から見た柱状相15の形状はほぼ円形である。
柱状相15の径やピッチを変更したい場合は、グラニュラ構造膜13を成膜するときの金属粒子と金属酸化物堆積速度比や基板温度などのスパッタ条件の調整によって制御することができる。また、例えばプラズマエッチング法や湿式の化学エッチング法等で、グラニュラ構造膜13の成膜前に金型表面を前処理することで柱状相15の径やピッチを変更することができる。柱状相15の径やピッチは、本実施の形態により作成された金型により製造される光学素子が使用される波長領域や光学素子の屈折率などにより決定すればよい。
次に、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行う装置、エッチング条件等について詳しく説明を行う。
図4は、容量結合型のRFプラズマによって反応性イオンエッチングを行う処理装置を説明した図である。
図4で示した反応性イオンエッチングを行う処理装置40は、金型10が設置される金型設置台42と、金型設置台42に対向して配置される対向電極43とを有する。また、処理装置40は、金型10の周囲環境に所定の処理ガスを導入する処理ガス導入バルブ44と、金型設置台42と対向電極43との間に高周波電圧を印加する高周波電源45と、周囲環境から空気又は処理ガスを排気する排気バルブ46及び排気ポンプ47とを有して構成される。
金型設置台42は、金型10を搭載できる強度を有した、例えば、ステンレス等の導電体で構成される。そして、金型設置台42は、対向電極43と共に、高周波電源45に接続される。
対向電極43は、例えば、ステンレス等の導電体で構成される。対向電極43は、金型10が搭載された金型設置台42に対してほぼ平行になるように、対向電極43は金型設置台42に対して対向配置される。
処理ガス導入バルブ44は、後述する排気バルブ46及び排気ポンプ47とが、金型設置台42と対向電極43との間に形成される金型10の周囲環境から空気を排出して所定の真空度に達した後に、処理ガスを導入する。
高周波電源45は、金型設置台42と対向電極43との間に高周波電圧を印加する。印加される高周波は、処理ガス導入バルブ44によって導入される処理ガスが励起されてプラズマを生起させる程度の周波数及び電圧を有する。
排気バルブ46及び排気ポンプ47は、金型設置台42と対向電極43との間に形成される金型10の周囲環境から、所定の真空度に達するまで空気を排出する。また、排気バルブ46及び排気ポンプ47は、処理が終了した後に、処理ガスを排気する際に使用される。
以上の構成を有する処理装置40を使用して反応性イオンエッチングを行う方法を以下に説明する。
まず、金型10が金型設置台42上の所定位置に搭載された後、排気バルブ46及び排気ポンプ47が協働して、所定の真空度に達するまで金型10の周囲環境から空気を排出する。所定の真空度に達した後、処理ガス導入バルブ44から、処理ガスが導入される。処理ガスとしては、本実施の形態では、酸化物を選択的にかつ効率的に除去する観点から
CFとOの混合ガスであることが好ましい。
そして、金型設置台42と対向電極43との間に、高周波電源45によって高周波電圧が印加される。印加された高周波電圧により処理ガスが分解されて、ラジカルやイオンが生成される。生成されたラジカルやイオンは、金型10に衝突し、金属酸化物と化学反応を起こして気化させ除去することでエッチングが行われる。
次に、以上説明した製造方法により製造された金型10を用いて、光学素子をモールド成形する装置および方法を以下に説明する。
図5は、本実施の形態により反射防止構造の転写構造が作成された金型10を用いた、モールド成形装置100を示す構成図である。
モールド成形装置100は、光学素子をモールド成形する下金型10a及び上金型10bと、下金型10a及び上金型10bを所定の温度に維持する下均熱プレート114及び上均熱プレート116と、下金型10a及び上金型10bを昇温する下加熱ヒーター118及び上加熱ヒーター120とを有して構成される。また、モールド成形装置100は、上金型10bを可動させる加圧シリンダー124と、光学素子の成形環境を制御する窒素導入口126及び窒素排気口128と、下金型10a及び上金型10b等を収容するガラスレンズ成形器130と、上金型10bの動作を規制するスリーブ132とを有して構成される。
下金型10aと上金型10bとは共に、上述した反射防止構造の転写構造を成形面に有する金型10である。下金型10aと上金型10bとが、載置されて軟化された光学素子母材122をモールド成形法により成形してガラスレンズを製作する。
下均熱プレート114と上均熱プレート116は、それぞれ下加熱ヒーター118と上加熱ヒーター120に搭載される。下均熱プレート114と上均熱プレート116は、サーマルバッファ(熱的緩衝体)の役割を果たし、下加熱ヒーター118と上加熱ヒーター120から受ける熱を、光学素子の製作に支障がない程度に均一な状態にして下金型10aと上金型10bとに伝える。ここで、下加熱ヒーター118と上加熱ヒーター120とは、図示しない制御手段を用いて、下金型10aと上金型10bの表面がモールド成形に適した温度になるように制御されている。
光学素子母材122は、例えば、シリカを主成分とし、アルミナ、ナトリウム、フッ化ランタン等が添加された低融点ガラスにより構成される。光学素子母材122は、例えば、軟化温度が約600℃以下の低融点ガラスであっても、軟化温度が約400℃以下の超低融点ガラスであってもよい。
加圧シリンダー124は、上加熱ヒーター120及び上均熱プレート116に固定された上金型10bを上下動させる駆動系である。図示しない制御手段により動作が制御される。
窒素導入口126及び窒素排気口128は、成形時の金型の雰囲気を窒素として、高温下での酸化を防止している。
以上の構成を有するモールド成形装置100が光学素子母材122をモールド成形して光学素子を製造する製造工程を以下に説明する。
まず、光学素子母材122を、下金型10aと上金型10bとの間に光学素子母材122を投入し、光学素子母材122をモールド成形装置100に配置する。
次に、図示しない排気ポンプ及び処理ガス導入ポンプを使って、窒素導入口126から窒素を導入し、モールド成形装置100内部の空気を窒素ガスに置換する。そして、下加熱ヒーター118及び上加熱ヒーター120を昇温し、窒素雰囲気下で光学素子母材122の転移点(転移温度)Tgまで光学素子母材122を充分に加熱し、更に、屈伏点(屈伏温度)Atまで昇温して光学素子母材122を軟化させる。
そして、屈伏温度At付近になったとき、加圧シリンダー124により上金型10bを可動させ、下金型10aと上金型10bとにより光学素子母材122をプレスする。
光学素子母材122は、プレスの際に下金型10a及び上金型10bにより加えられる圧力により外側に広がり、下金型10aと上金型10bとの間にできる空隙に収容され、モールド成形される。それと同時に、下金型10aと上金型10bの表面の反射防止構造の転写構造凹部に光学素子母材122が充填される。
その後、圧力を加えたままモールド成形装置100を転移温度Tg付近まで冷却し、次に上金型10bの圧力を開放し、例えば常温まで冷却して、光学素子を取り出す。
この一連の工程により、下金型10aと上金型10bの表面の凹凸構造が光学素子に転写され、反射防止構造を表面に有する光学素子が製造される。
なお、本実施の形態において、乾式エッチングとして容量結合型のRFプラズマによって反応性イオンエッチングを行う方法について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング法、誘導結合プラズマエッチング法等も利用可能である。
また本実施の形態において、グラニュラ構造膜13を形成するのは金型10の離型膜12上としたが、母材11の材料により光学素子母材122との離型性がよい場合などは、特に離型膜12を設ける必要がない。よってこの場合は、グラニュラ構造膜13を母材11上に直接形成し、上述したような方法で光学素子成型用金型を製造してもよい。
本実施の形態で、反射防止構造の転写構造の形成を行う光学素子成形用金型の断面図である。 本実施の形態による反射防止構造の転写構造の作成方法を説明した図である。 成膜後のグラニュラ構造膜を膜の上方から見た図である。 反応性イオンエッチングを行う処理装置を説明した図である。 本実施の形態により反射防止構造の転写構造が作成された金型を用いた、モールド成形装置を示す構成図である。
符号の説明
10…金型、10a…下金型、10b…上金型、11…母材、12…離型膜、13…グラニュラ構造膜、14…マトリクス相、15…柱状相、40…処理装置、100…モールド成形装置

Claims (6)

  1. 金型に金属酸化物からなる相と金属粒子からなる相とからなるグラニュラ構造膜を成膜する工程と、
    成膜された前記グラニュラ構造膜から、前記金属酸化物からなる相を選択的に除去する第1の乾式エッチングをする工程と、
    前記第1の乾式エッチングにより残った金属粒子からなる相をエッチングマスクとして第2の乾式エッチングをすることにより前記金型の表面に反射防止構造の転写構造である凹凸構造を形成する工程と、
    を有することを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  2. 前記金属酸化物は、SiOであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  3. 前記金属粒子は、Pt、Au、Ir、Ruから選ばれる少なくとも1種の単体または合金からなることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  4. 前記第1の乾式エッチングは、反応性イオンエッチングであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  5. 前記第1の乾式エッチングで用いる処理ガスは、CFとOとの混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  6. 金型に金属酸化物からなる相と金属粒子からなる相とからなるグラニュラ構造膜を成膜し、成膜された当該グラニュラ構造膜から、当該金属酸化物からなる相を選択的に除去する第1の乾式エッチングをし、当該第1の乾式エッチングにより残った金属粒子からなる相をエッチングマスクとして第2の乾式エッチングをすることにより作成した反射防止構造の転写構造を形成した金型を用いて、加熱軟化させた光学素子母材をモールド成形することで、光学素子の表面に反射防止構造を形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
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