JP4872173B2 - 複合された凹凸を有する積層体の製造方法、並びに金型の製造方法および成形品の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂層が二層以上積層された積層体で、表層のみに形成された凹凸、および表層から次層に達するよう形成された凹凸のように、凹凸ごとに、凹凸が形成されている深さ(=表層から数えた、凹凸が形成されている層の数)が異なる複数の凹凸が複合された凹凸を有する積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の目的で、熱可塑性樹脂層の表面に、凹凸を形成することが行なわれている。例えば、装飾の目的で凹凸を付与したり、光学的特性を付与する目的で、レンズやプリズムの形状の凹凸を付与する等である。
【0003】
このような凹凸を熱可塑性樹脂層に付与するには、一般的には、熱可塑性樹脂層の表面に、付与したい凹凸の逆型形状を有する平板状もしくはローラ状の金型を、熱可塑性樹脂層を加熱して軟化させつつ、押し付ける方法によっていた。
【0004】
図4は、従来の方法を模式的に示す図で、図の左側には、下面に多数のレンチキュラーレンズ群が並べられたレンチキュラーレンズの逆型形状の型面101aを有する型板101と平板状の型板102との間に、熱可塑性樹脂層103を配置した状態を示している。型板101の型面101aの形状を示すため、型板101の右の方に、型板101を裏返した状態を示す。
【0005】
図4の状態から、熱可塑性樹脂層103を加熱して軟化させつつ、両型板101、および102で熱可塑性樹脂層103を挟んで、プレス等により、加圧することにより、熱可塑性樹脂層103の上面にレンチキュラーレンズの形状の凹凸104を付与することができ、熱可塑性樹脂層103として透明性のものを使用すれば、熱可塑性樹脂層103に付された矢印の先に示すような形状のレンチキュラーレンズ樹脂層(図では「シート」と表示)103’が得られる。
【0006】
図4に示したような型板101の型面101aの形状は、断面が円の一部、もしくは楕円等の一部をなす曲線で構成された個々のレンチキュラーレンズの逆型形状が、図中、手前から奥にかけて、どの位置においても同じ断面形状を有し、かつ、左右方向に一定ピッチで並べられたものである。
このような形状の型面101aは、断面が円の一部、もしくは楕円等の一部をなす曲線で構成された一個のレンチキュラーレンズの断面形状に合せたバイトを製作して使用し、平面研削盤を用いて、金属板等の型板用素材の表面を研削することにより、容易に製造することができる。
【0007】
しかし、上記の方式で製造された型板を使用して、熱可塑性樹脂層に凹凸を付与した場合、得られる製品の凹凸は、図4中104で示すような、凹凸の溝方向のどの位置においても、断面形状が変化しないものに限られ、上記したレンチキュラーレンズや個々の断面が三角形であるプリズムシートのようなものを製造するための型板の製造は容易であるが、凹凸の溝方向の位置によって、断面形状が変化するような、複雑な形状の型面を有する型板を製造することは、非常に困難であり、特に凹凸が細かい、例えば、0.1mm程度になると、事実上、不可能であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性樹脂層に凹凸を付与する場合、特に、凹凸の溝方向の位置によって断面形状が変化するような複雑な形状の凹凸を付与するための型板の製造が困難であるか、もしくは事実上不可能で、従って、そのような凹凸を有する熱可塑性樹脂層を得ることが困難であった点を解消することを課題とする。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明においては、一例として、型板としては二種の型板を準備し、対象となる熱可塑性樹脂層としては、荷重たわみ温度が表面側の層ほど高い、二種以上の樹脂層の積層体を用い、一方の型板で表面側の層にのみ凹凸を付与し、他方の型板で、表面側の層およびその下層に至る凹凸を付与し、表面に、両方の凹凸が複合された凹凸を形成することにより、上記の課題を解決することができた。
【0010】
第1の発明は、いずれも熱可塑性樹脂からなり、荷重たわみ温度がT1である1層目の樹脂層、および荷重たわみ温度がT2である2層目の樹脂層の2層の樹脂層が積層され、かつT1>T2である積層体を準備し、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、その荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層には達しない第1の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T2よりも高く、かつ荷重たわみ温度T1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層に達する第2の凹凸を形成することを特徴とする複合された凹凸を有する積層体の製造方法に関するものである。
第2の発明は、いずれも熱可塑性樹脂からなり、荷重たわみ温度がT1である1層目の樹脂層、荷重たわみ温度がT2である2層目の樹脂層、および荷重たわみ温度がT3である3層目の樹脂層の3層の樹脂層が順に積層され、かつT1>T2>T3である積層体を準備し、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、その荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件で型押しすることにより、前記二層目の樹脂層には達しない第1の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T2よりも高く、かつ荷重たわみ温度T1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層に達し、3層目の樹脂層には達しない第2の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T3よりも高く、かつ荷重たわみ温度T2よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記3層目の樹脂層に達する第3の凹凸を形成することを特徴とする複合された凹凸を有する積層体の製造方法に関するものである。
第3の発明は、いずれも熱可塑性樹脂からなり、荷重たわみ温度がT1である1層目の樹脂層、荷重たわみ温度がT2である2層目の樹脂層、荷重たわみ温度がT3である3層目の樹脂層、…、および荷重たわみ温度がTNであるN層目の樹脂層のN層の樹脂層が順に積層され、かつT1>T2>T3>・・・>TNである積層体を準備し、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、その荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件で型押しすることにより、前記二層目の樹脂層には達しない第1の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T2よりも高く、かつ荷重たわみ温度T1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層に達し、3層目の樹脂層には達しない第2の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T3よりも高く、かつ荷重たわみ温度T2よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記3層目の樹脂層に達し、4層目の樹脂層には達しない第3の凹凸を形成し、形成後、…、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度TNよりも高く、かつ荷重たわみ温度TN-1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記N層目の樹脂層に達する第Nの凹凸を形成することを特徴とする複合された凹凸を有する積層体の製造方法(ただし、Nは4以上10以下の自然数である。)に関するものである。
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、準備した前記積層体を構成する互いに隣接する前記各樹脂層間の荷重たわみ温度の差がいずれも10℃以上であることを特徴とする、複合された凹凸を有する積層体の製造方法に関するものである。
第5の発明は、第4の発明において、前記した型押しする際の温度条件のいずれもが、該当する型押しにより凹凸が達する前記1層目の樹脂層から最も遠い樹脂層の前記荷重たわみ温度よりも5℃以上高いことを特徴とする、複合された凹凸を有する積層体の製造方法に関するものである。
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明の製造方法により複合された凹凸を有する積層体を製造した後、製造された積層体の表面の凹凸を電鋳法により型取りして金型を製造することを特徴とする複合された凹凸を有する金型の製造方法に関するものである。
第7の発明は、第6の発明の製造方法により複合された凹凸を有する金型を製造した後、得られた金型を用いて成形を行なうことを特徴とする複合された凹凸を有する成形品の成形方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1および図2を用いて、二層の積層体を用いた場合の本発明の具体例を説明する。
まず、図1の左側に、下面にレンチキュラーレンズの逆型形状の型面1aを有する型板1と下方の平板状の型板2との中間に、熱可塑性樹脂層(図では「シート」と表示)3を配置した状態を示している。型板1の下面の型面1aの形状を示すため、型板1の右の方に、型板1を裏返した状態を示してあり、レンチキュラーレンズの逆型形状となっている。
ここで、熱可塑性樹脂層3は、上側の樹脂層3aと下側の樹脂層3bとの積層体からなっており、好ましくは、上側の樹脂層3aの荷重たわみ温度(JIS K7191による。以降においても同様。)T1の方が、下側の樹脂層の荷重たわみ温度T2よりも高くなるよう選択された素材からなる各層が積層されて構成されている。
このように荷重たわみ温度の異なる樹脂層からなる積層体は、個々の樹脂層を単独で製造したものを加熱融着させて得るか、個々の樹脂層を形成する樹脂を用いて別々に溶融し、押出す際に一度に重ねて押出す、いわゆる共押出し法により得ることができる。あるいは押出した樹脂層を接着剤層として利用し、表裏の樹脂層を積層することもできる。後に述べるように、本発明は3層以上の多層の積層体に関しても成り立つが、その場合には、製造装置を準備出来るなら多層の共押出しでもよく、1層のもの、もしくは2層以上の共押出し法による積層体を任意に加熱融着、もしくは押出した樹脂層を接着剤層として利用し、表裏の樹脂層、もしくは積層体をさらに積層することもできる。
【0012】
図1の状態から、熱可塑性樹脂層3を加熱して軟化させつつ、両型板1および2で熱可塑性樹脂層3を挟んで、プレス等により、加圧することにより、熱可塑性樹脂層の上面に、図中、手前側から奥に向かう方向が個々のレンチキュラーレンズの長手方向となったレンチキュラーレンズの形状の凹凸4が付与された熱可塑性樹脂層3’が得られる。
好ましくは、型板1および型板2を使用して型押しする際に、型板1の型面1aの凹凸の深さは、積層体である熱可塑性樹脂層の上側の樹脂層3aの厚みよりも浅いものとし、また、熱可塑性樹脂層3を加熱して軟化させつつ型押しするときの温度条件は、上側の樹脂層3aの荷重たわみ温度よりも高いものとすると、得られる凹凸4を、上側の層3aの厚みの範囲内にのみ存在し、下側の層3bに達しないものとすることができる。
【0013】
レンチキュラーレンズの形状の凹凸4が形成された熱可塑性樹脂層3’には、次に、図2に示すように、さらに、別の凹凸を形成して、先に形成された凹凸と複合された凹凸を形成する。
ここでは、図1における上側の型板1に代えて、型板1における型面1aとは異なる形状を下面に有する型板5を用いる。型面5aにおいては、図中、左右方向が個々のレンチキュラーレンズの長手方向となったレンチキュラーレンズの逆型形状を有している。型板5の型面5a側と平板状の型板2との間に、既に上面に凹凸4が形成された熱可塑性樹脂層3’を配置し、熱可塑性樹脂層3’を加熱して軟化させつつ、型板5および2で熱可塑性樹脂層3’を挟んで、プレス等により、加圧する。
好ましくは、型板5で型押しする際に、型板5の型面5aの凹凸の深さは、積層体である熱可塑性樹脂層の下側の樹脂層3bの厚みよりも浅いものとし、また、熱可塑性樹脂層3’を加熱して軟化させつつ型押しするときの温度条件は、上側の樹脂層3aの荷重たわみ温度よりも低く、下側の樹脂層3bの荷重たわみ温度よりも高いものとすると、本質的には下側の樹脂層3bのみが変形し、上側の樹脂層3aはそれに追随するから、層3aの上面から層3bに達する凹凸が層3aの上面に形成されて、結果として、先の凹凸4との二つ(二種類)の凹凸が複合された凹凸4’が形成される。
【0014】
即ち、本発明においては、荷重たわみ温度の異なる、いずれも熱可塑性樹脂からなる二層の積層体に、一方の層(例えば上層3a)の非積層面側、すなわち露出面側から、その層の厚み範囲内の凹凸が形成され、また、やはり一方の層の非積層面側から他方の層(例えば下層3b)に達する凹凸が形成される。
また、両者が複合された凹凸を与えることにより、各々の凹凸を形成するために使用する型板としては、位置によって断面形状が変化しない型面の形状を有する、即ち、従来、用いていた、製造の困難性を有しない型板を用いることが可能になる利点がある。
さらに、型板の一方、もしくは両方を変えることにより、得られるシートの凹凸(複合された凹凸)としては、用意した型板の数以上のバリエーションを得ることが可能である。
【0015】
図3は、複合された凹凸の形状が、図1および図2を引用して説明したものとは異なる凹凸の形状を有する例を示す図である。
図3においては、図1および図2における型板、および平板状の型板2との間に、熱可塑性樹脂層3を挟んで配置した図は、型面の形状以外は、図1、および図2と重複するので省略し、左側に型板の型面、右側に、左側の型面を有する型板で得られた凹凸の状態を示している。
【0016】
図中、左上の型板6は、溝方向が左右方向で、断面が三角形状である型面6aを有するものであり、この型板6を用い、熱可塑性樹脂層3の上側の面に凹凸を形成することにより、型面6aとは逆型形状である凹凸7を有する熱可塑性樹脂層3’が形成される。
好ましくは、型板6で型押しする際に、型板6の型面6aの凹凸の深さは、上側の樹脂層3aの厚みよりも浅いものとし、また、熱可塑性樹脂層3を加熱して軟化させつつ型押しするときの温度条件は、上側の樹脂層3aの荷重たわみ温度よりも高いものとすると、凹凸6を、層3aの上面にのみ形成し、層3aの厚みの範囲内にとどまるものとすることができる。
【0017】
凹凸7が形成された熱可塑性樹脂層3’を対象として、さらに左下の型板8を用いて別の凹凸の形成を行なう。
型板7は、溝方向が手前側から奥に向かう方向で、断面が三角形状である型面8aを有するものであり、この型板8を用いて、凹凸7が形成された熱可塑性樹脂層3’の上面に凹凸を形成する。
好ましくは、型板8で型押しする際に、型板8の型面8aの凹凸の深さは、積層体である熱可塑性樹脂層の下側の樹脂層3bの厚みよりも浅いものとし、また、熱可塑性樹脂層3’を加熱して軟化させつつ型押しするときの温度条件は、上側の樹脂層3aの荷重たわみ温度よりも低く、下側の樹脂層3bの荷重たわみ温度よりも高いものとすると、本質的には下側bの樹脂層3bが変形し、樹脂層3aはそれに追随するから、層3aの上面から層3bに達する凹凸が形成され、先の凹凸との二つの凹凸が複合された凹凸7’が形成された熱可塑性樹脂層3”が形成される。
【0018】
本発明における複合された凹凸は、図2を引用して説明した凹凸4’、もしくは図3を引用して説明した凹凸7’の二つの例以外にも種々のものがあり得る。
上記の二つの例においては、二つの凹凸の溝方向が直交するとして説明しており、また、直交することが好ましいが、必ずしも、二つの溝方向が直交しなくてもよく、任意の角度で交差してもよく、二つの凹凸が異なる凹凸であれば、互いに溝方向が平行であってもよい。
ここで、二つの凹凸が異なるとは、凹凸の断面の形状が、「円の一部」と「三角形の一部」のように、互いに相似でない形状どうしである場合以外に、互いに相似な形状であっても、大きさが異なるものである場合も含む。
【0019】
図5は、上記の二つの例以外の、複合された凹凸の例を説明するための図で、上層3aおよび下層3bの積層体からなるシート3の上側に、左から第1の凹凸、第2の凹凸、および複合された凹凸の三つの凹凸を、同じシート3の上面に、並べて形成したものを示す。
第1の凹凸は、この例では、二等辺三角形状の個々の凹凸が並んだ、細かい鋸歯状の凹凸である。第2の凹凸は、第1の凹凸とくらべて、ピッチ(図中の左右方向の大きさ)が約6倍である大きな二等辺三角形状の凹凸であり、作図の都合上、一つだけ描いてあるが、勿論、一つには限らない。第1の凹凸、および第2の凹凸は、このように、互いに相似ではない三角形どうしであっても、相似形であっても、あるいは異なる形状どうしのものであってもよいが、互いの溝方向が平行であるものを想定している。
また、第2の凹凸は、第1の凹凸が形成されたのと同じ部分に形成して、各々の凹凸を複合させるのであるが、ここでは、第2の凹凸そのものを表すために、第1の凹凸が形成されていない部分に形成したものを描いてある。
【0020】
上記の二つの例におけるのと同様に、まず、第1の凹凸を形成し、同じ面の同じ箇所に第2の凹凸を形成することによって、複合された凹凸が形成される。図に示すように、複合された凹凸においては、シート3の上層3a側の上面からの第1および第2の凹凸における変位が重畳された変位を有している。
図5を引用して説明した例では、巨視的にはピッチの大きな凹凸を有し、微視的には、大きなピッチの凹凸の各斜面にピッチの小さい凹凸を有する、複合された凹凸が形成されている。
【0021】
なお、今までのいずれの例においてもそうであったが、第1の凹凸と第2の凹凸とを比べると、先に上層3aにのみ形成する第1の凹凸の方が、上層3aおよび下層3bに渡って形成される第2の凹凸よりもピッチの細かいものであることが好ましい。ここで、ピッチは飽くまでも一個の凹部の左右方向の寸法に関するものであるが、極端な例を除けば、凹凸のピッチと深さは、ほぼ伴なって変わるので、ピッチの大小は、凹凸の大小とみなすことができるので、凹凸の形成順序との関係で言えば、先に上層3aにのみ形成する第1の凹凸の方が、上層3aおよび下層3bに渡って形成される第2の凹凸よりも凹凸が小さいものであることが好ましいと言い換えることができる。
凹凸の大小の差が大きいものの例として、一方が目にみえる凹凸であり、他方がつや消しのための、微細な凹凸である場合がある。この場合、目にみえる凹凸の金型を製作し、サンドブラスト等により表面をあらすことによって、金型の製造は比較的容易であるが、本発明によれば、金型が二つに分かれるので、凹凸、およびつや消しの程度を変えたものを、それぞれ複数準備しておけば、金型の組み合わせを変えることにより、凹凸の程度、およびつや消しの程度を変えた製品を少ない金型で実現できる利点がある。
【0022】
本発明の複合された凹凸を有する積層体は、2層の積層体以外にも、3層以上の、一般的な表現ではN層の樹脂層からなる多層の積層体であってもよい。
実際には、各樹脂層を熱可塑性樹脂の範囲から選択し、各樹脂層に、好ましくは10℃以上の荷重たわみ温度の差を持たせる必要上、Nは10以下であることが好ましいが、各層の荷重たわみ温度の差を10℃よりも小さくすれば、Nを増やすことができる。
【0023】
3層の場合には、各層の荷重たわみ温度は、1層目の荷重たわみ温度をT1、2層目の荷重たわみ温度をT2、および3層目の荷重たわみ温度をT3とすると、T1>T2>T3であることが好ましく、4層の場合には、3層の場合と同様の表記に加え、4層目の荷重たわみ温度をT4とすると、T1>T2>T3>T4であることが好ましい。
一般に、N層の多層であるとき、N層目の荷重たわみ温度をTNとすると、T1>T2>T3>…>TNであることが好ましい。
【0024】
また、多層の場合の凹凸は、3層の場合であれば、図6(a)に示すように、いずれの凹凸もシート3の上面から形成されたもので、第1の凹凸は2層目には達しない凹凸であって、1層目のみに形成し、第2の凹凸は、2層目に達するものであって、ただし、3層目に達しないものであり、第3の凹凸は、3層目に達するものである。
従って、荷重たわみ温度が、上層ほど高い好ましい積層シートであるとき、第1の凹凸は、荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件での型押しにより形成し、第2の凹凸は荷重たわみ温度T1より低く、荷重たわみ温度T2より高い温度条件での型押しにより行ない、第3の凹凸は荷重たわみ温度T2より低く、荷重たわみ温度T3より高い温度条件での型押しにより行なうことが好ましい。いずれの凹凸も、1層目の樹脂層の露出面(非積層面)側より行ない、これら3つの凹凸が複合された凹凸を形成することができる。
この3層の場合、第1の凹凸を微細な凹凸、例えば、反射防止用の凹凸とし、第2および第3の凹凸を互いに交差したレンチキュラーレンズとすることができる。
【0025】
4層の場合には、図6(b)に示すように、やはり、いずれの凹凸もシート3の上面から形成されたもので、第1の凹凸は2層目には達しない凹凸であって、1層目のみに形成し、第2の凹凸は、2層目に達するものであって、ただし、3層目に達しないものであり、第3の凹凸は、3層目に達するものであって、ただし、4層目に達しないものであり、第4の凹凸は、4層目に達するものである。
従って、荷重たわみ温度が、上層ほど高い好ましい積層シートであるとき、第1の凹凸は、荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件での型押しにより形成し、第2の凹凸は荷重たわみ温度T1より低く、荷重たわみ温度T2より高い温度条件での型押しにより行ない、第3の凹凸は荷重たわみ温度T2より低く、荷重たわみ温度T3より高い温度条件での型押しにより行ない、第4の凹凸は荷重たわみ温度T3より低く、荷重たわみ温度T4より高い温度条件での型押しにより行なうことが好ましい。いずれの凹凸も、1層目の樹脂層の露出面(非積層面)側より行ない、これら4つの凹凸が複合された凹凸を形成することができる。
【0026】
一般的にN層の場合には、上記の3層、および4層の場合から推量できるように、いずれの凹凸もシート3の上面から形成し、第1の凹凸は2層目には達しない凹凸であって、1層目のみに形成し、第2の凹凸は、2層目に達するものであって、ただし、3層目に達しないものであり、第3の凹凸は、3層目に達するものであって、ただし、4層目に達しないものであり、以降は同様であって、第Nの凹凸は、N層目に達するものである。
なお、1、2、3、…、(N−1)、N、もしくはT1、T2、T3、…、(TN-1)、TNと表現する際には、Nは少なくとも4以上であると外観上見え、この明細書においても、Nは4以上、もしくは5以上を想定して説明していることが多いが、本来的には、Nは、2以上の自然数を指すものとする。
従って、荷重たわみ温度が、上層ほど高い好ましい積層シートであるとき、第1の凹凸は、荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件での型押しにより形成し、第2の凹凸は荷重たわみ温度T1より低く、荷重たわみ温度T2より高い温度条件での型押しにより行ない、第3の凹凸は荷重たわみ温度T2より低く、荷重たわみ温度T3より高い温度条件での型押しにより行ない、第4の凹凸は荷重たわみ温度T3より低く、荷重たわみ温度T4より高い温度での型押しにより行ない、以降、同様にして、第Nの凹凸は荷重たわみ温度TN-1より低く、荷重たわみ温度TNより高い温度条件での型押しにより行なうことが好ましい。いずれの凹凸も、1層目の樹脂層の露出面(非積層面)側より行ない、これらN個の凹凸が複合された凹凸を形成することができる。
【0027】
なお、上記における「温度条件」とは、本来的には、該当する層が加熱により到達した温度を指す。実際上は、該当する層の温度を実現するための手段である、型板や型ローラを加熱する手段等の設定温度で管理する場合があり、これらの設定温度は、該当する層の荷重たわみ温度よりも、名目上高い場合もある。
【0028】
また、型押しの温度条件は、積層体を構成する隣接する層どうしの荷重たわみ温度が10℃以上の差を有するときは、型押しを行なう側から見て、型押しによる凹凸が達する最も遠い樹脂層の荷重たわみ温度よりも5℃程度高くするか、隣接する層どうしの荷重たわみ温度の差が10℃より大きければ、5℃以上高くすることが好ましい。要は、積層体を構成する隣接する層どうしの荷重たわみ温度の中間付近の温度条件で型押しすることが、加熱の効果を挙げる上で、また、加熱軟化しない方がよい層への過度な過熱を防止する意味で好ましい。
なお、図6にも表れているように、第1の凹凸よりは第2の凹凸の方が凹凸が大きく、第2の凹凸よりは第3の凹凸の方が凹凸が大きいことが好ましい。一般に第Nの凹凸よりは第(N−1)の凹凸の方が凹凸が大きいことが好ましい。
【0029】
本発明の方法によれば、二以上の凹凸が複合されたことによる複雑な凹凸を有する積層体を、凹凸を付与するための成形の回数は増加するものの、各成形で付与する凹凸は比較的簡単なもので済み、型を比較的容易に得ることができるが、成形によって、複雑な凹凸が得られるので、得られた凹凸を新たな原型として、電鋳法により金型を製造すると、通常では製造しにくい複合された複雑な凹凸を型面に有する金型を容易に得ることができる利点がある。必要であれば、電鋳を金属を変えて繰返し、硬度の高い金属で構成されて金型を得ることもできる。
こうして得られた金型を、プレス成形法や射出成形法の金型として使用し、適宜な樹脂を用いて成形すれば、複合された複雑な凹凸を有する成形品を得ることが容易になる利点を有する。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
図3を引用して説明した形状のものを次のようにして製造した。この実施例1の説明中の符号は、図3のものと同じである。
積層体としては、いずれもメタクリル樹脂からなる二層の透明な積層体を共押出しにより準備して使用した。下層側が厚み;3mm、荷重たわみ温度;92℃のメタクリル樹脂(住友化学工業(株)製、スミペックスLG2)からなり、上層側が厚み;0.2mm、荷重たわみ温度;105℃のメタクリル樹脂(住友化学工業(株)製、スミペックスMHF)からなるもので、10cm×10cmの正方形に切断したものを用いた。
【0031】
第1の金型として、図3左上に示すような、断面が正三角形でピッチ(正三角形の底辺の寸法)が0.1mmの型面6aを、厚み10mmの黄銅製の板を切削して製作した金型(型板)6を用い、熱プレスを用いて、成形温度;115℃、圧力;1Kg/cm2の条件で金型の型面を積層体の上層3a側に押し付け、図3右上に示すような、断面が正三角形でピッチ(正三角形の底辺の寸法)が0.1mmの凹凸7が、溝方向が図3の左右方向になるよう形成された積層体(シート)3’を得た。
続いて、第2の金型として、図3左下に示すような、断面が正三角形でピッチ(正三角形の底辺の寸法)が0.7mmの型面8aを、厚み10mmの黄銅製の板を切削して製作した金型(型板)8を用い、熱プレスを用いて、成形温度;97℃、圧力;2Kg/cm2の条件で金型の型面を、上記で得られた、断面が正三角形でピッチ(正三角形の底辺の寸法)が0.1mmの凹凸7を有する積層体(シート)3’の凹凸7を有する上層3a側に、金型(型板)8の型面8aの凹凸の溝方向と積層体3’の凹凸7の溝方向とが直交するような向きで押し付け、図3右下に示すような、二つのピッチの異なる凹凸が直角に交差して複合した凹凸7’を有する積層体(シート)3”を得た。
この積層体(シート)3”は、標識等に適用する再帰反射シートとして、また、液晶ディスプレイのバックライトの明るさを均一にするプリズムシートとして好適のものであった。
【0032】
(実施例2)
図1および図2を引用して説明した形状のものを次のようにして製造した。この実施例2の説明中の符号は、図1および図2のものと同じである。
積層体としては、いずれもシクロオレフィン樹脂からなる二層の透明な積層体を共押出しにより準備して使用した。下層側が厚み;2mm、荷重たわみ温度;101℃のシクロオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製、ゼオノア1020R)からなり、上層側が厚み;0.01mm、荷重たわみ温度;136℃のシクロオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製、ゼオノア1420R)からなるもので、100cm×100cmの正方形に切断したものを用いた。
【0033】
図1に示すように、第1の金型として、断面が半径0.2mmの円の一部で、ピッチが0.1mmのレンチキュラーレンズが幅方向に配列したレンチキュラーレンズ成形用型面1aを、厚み10mmの黄銅製の板を切削して製作した金型(型板)1を用い、熱プレスを用いて、成形温度;145℃、圧力;1Kg/cm2の条件で金型の型面を積層体3の上層3a側に押し付け、図1右下に示すような、断面がレンチキュラーレンズの凹凸4が溝方向が図1の手前から奥に向かう方向になるよう形成された積層体(シート)3’を得た。
続いて、図2に示すように、第2の金型として、断面が半径0.08mmの円の一部で、ピッチが0.1mmのレンチキュラーレンズが幅方向に配列したレンチキュラーレンズ成形用型面5aを、厚み10mmの黄銅製の板を切削して製作した金型(型板)5を用い、熱プレスを用いて、成形温度;115℃、圧力;1Kg/cm2の条件で金型の型面を、上記で得られた、レンチキュラーレンズの凹凸4を有する積層体(シート)3’の凹凸4を有する上層3a側に、金型(型板)5の型面5aの凹凸の溝方向と積層体3’の凹凸4の溝方向とが直交するような向きで押し付け、図2右下に示すような、二つの曲率の異なるレンチキュラーレンズ形状が直角に交差して複合した蝿の目レンズ状の凹凸4’を有する積層体(シート)3”を得た。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、荷重たわみ温度がT1およびT2で、T1>T2である2層の樹脂層が積層された積層体に、荷重たわみ温度がT1の樹脂層側より、T1よりも高い温度で、その層にのみ凹凸を形成し、次に、T1とT2の中間の温度条件で、やはり同じ側より、荷重たわみ温度がT2の樹脂層に達する凹凸を形成することにより、溝方向の位置によって断面形状が変化しない製造しやすい型板を使用しながらも、積層体の表面に、二つの凹凸が複合された凹凸を形成することを可能とする、複合された凹凸を有する積層体の製造方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、荷重たわみ温度がT1、T2、およびT3で、T1>T2>T3である3層の樹脂層が順に積層された積層体に、荷重たわみ温度がT1の樹脂層側より、T1よりも高い温度で、その層にのみ凹凸を形成し、次に、T1とT2の中間の温度条件で、同じ側より、荷重たわみ温度がT2の樹脂層に達する凹凸を形成し、さらに、その後、T2とT3の中間の温度条件で、同じ側より、荷重たわみ温度がT3の樹脂層に達する凹凸を形成することにより、請求項1の発明と同様な効果に加えて、複合される凹凸の要素が増えたことにより、より複雑な形状の凹凸を形成することを可能とする、複合された凹凸を有する積層体の製造方法を提供することができる。
請求項3の発明によれば、荷重たわみ温度がT1、T2、T3、…、TN-1、TNで、T1>T2>T3>…>TN-1>TNであるN層の樹脂層が順に積層された積層体に、荷重たわみ温度がT1の樹脂層側より、T1よりも高い温度で、その層にのみ凹凸を形成し、次に、T1とT2の中間の温度条件で、同じ側より、荷重たわみ温度がT2の樹脂層に達する凹凸を形成し、さらに、その後、T2とT3の中間の温度条件で、同じ側より、荷重たわみ温度がT3の樹脂層に達する凹凸を形成し、以降、同様にして、荷重たわみ温度TNよりも高く、かつ荷重たわみ温度TN-1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記N層目の樹脂層に達する第Nの凹凸を形成するすることにより、請求項1の発明と同様な効果に加えて、複合される凹凸の要素がN個(Nは4以上10以下の自然数)であることにより、より一層複雑な形状の凹凸を形成することを可能とする、複合された凹凸を有する積層体の製造方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3いずれかの発明の効果に加え、互いに隣接する前記各樹脂層間の荷重たわみ温度の差がいずれも10℃以上であることにより、型押しを、隣接する各層の荷重たわみ温度の中間の温度条件で、より確実に行なうことが可能な、複合された凹凸を有する積層体の製造方法を提供することができる。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、加熱軟化させるべき層と加熱軟化させない層との区別を確実に行なうことが可能な、複合された凹凸を有する積層体の製造方法を提供することができる。
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれかの発明の製造方法により製造された積層体から型取りして金型を製造するので、複雑な凹凸を有する金型を容易に得ることが可能な、複合された凹凸を有する金型の製造方法を提供することができる。
請求項7の発明によれば、請求項6の発明の製造方法により得られた金型を用いて成形を行なうことにより、複雑な凹凸を有する成形品を容易に得ることが可能な、複合された凹凸を有する成形品の成形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2層の積層体にレンチキュラーレンズの凹凸を形成する方法を示す図である。
【図2】図1で得られたレンチキュラーレンズシートにさらに直交するレンチキュラーレンズを形成する方法を示す図である。
【図3】断面が三角形で大きさの異なる二種類の凹凸を方向を直交させて形成する際に用いる型板および選られるシートを示す図である。
【図4】従来の凹凸の形成方法を示す図である。
【図5】複合された凹凸を説明するための図である。
【図6】複合する個々の凹凸と凹凸の及ぶ深さの関係を示す図である。
【符号の説明】
1、5、6、8 型板(1a、5a、6a、8a;型面)
3 シート(3a;上層、3b;下層)
4、7 凹凸
Claims (7)
- いずれも熱可塑性樹脂からなり、荷重たわみ温度がT1である1層目の樹脂層、および荷重たわみ温度がT2である2層目の樹脂層の2層の樹脂層が積層され、かつT1>T2である積層体を準備し、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、その荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層には達しない第1の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T2よりも高く、かつ荷重たわみ温度T1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層に達する第2の凹凸を形成することを特徴とする複合された凹凸を有する積層体の製造方法。
- いずれも熱可塑性樹脂からなり、荷重たわみ温度がT1である1層目の樹脂層、荷重たわみ温度がT2である2層目の樹脂層、および荷重たわみ温度がT3である3層目の樹脂層の3層の樹脂層が順に積層され、かつT1>T2>T3である積層体を準備し、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、その荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件で型押しすることにより、前記二層目の樹脂層には達しない第1の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T2よりも高く、かつ荷重たわみ温度T1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層に達し、3層目の樹脂層には達しない第2の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T3よりも高く、かつ荷重たわみ温度T2よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記3層目の樹脂層に達する第3の凹凸を形成することを特徴とする複合された凹凸を有する積層体の製造方法。
- いずれも熱可塑性樹脂からなり、荷重たわみ温度がT1である1層目の樹脂層、荷重たわみ温度がT2である2層目の樹脂層、荷重たわみ温度がT3である3層目の樹脂層、…、および荷重たわみ温度がTNであるN層目の樹脂層のN層の樹脂層が順に積層され、かつT1>T2>T3>・・・>TNである積層体を準備し、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、その荷重たわみ温度T1よりも高い温度条件で型押しすることにより、前記二層目の樹脂層には達しない第1の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T2よりも高く、かつ荷重たわみ温度T1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記2層目の樹脂層に達し、3層目の樹脂層には達しない第2の凹凸を形成し、形成後、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度T3よりも高く、かつ荷重たわみ温度T2よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記3層目の樹脂層に達し、4層目の樹脂層には達しない第3の凹凸を形成し、形成後、…、前記積層体の前記1層目の樹脂層の露出面側より、荷重たわみ温度TNよりも高く、かつ荷重たわみ温度TN-1よりも低い温度条件で型押しすることにより、前記N層目の樹脂層に達する第Nの凹凸を形成することを特徴とする複合された凹凸を有する積層体の製造方法(ただし、Nは4以上10以下の自然数である。)。
- 準備した前記積層体を構成する互いに隣接する前記各樹脂層間の荷重たわみ温度の差がいずれも10℃以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載の複合された凹凸を有する積層体の製造方法。
- 前記した型押しする際の温度条件のいずれもが、該当する型押しにより凹凸が達する前記1層目の樹脂層から最も遠い樹脂層の前記荷重たわみ温度よりも5℃以上高いことを特徴とする請求項4記載の複合された凹凸を有する積層体の製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれかの発明の製造方法により複合された凹凸を有する積層体を製造した後、製造された積層体の表面の凹凸を電鋳法により型取りして金型を製造することを特徴とする複合された凹凸を有する金型の製造方法。
- 請求項6の発明の製造方法により複合された凹凸を有する金型を製造した後、得られた金型を用いて成形を行なうことを特徴とする複合された凹凸を有する成形品の成形方法。
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