JP7353871B2 - 中空構造板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空構造板及びその製造方法に関する。より詳しくは、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなる中空凸部成形シートを有する中空構造板及びその製造方法に関する。
樹脂製の中空構造板は、軽量で、かつ、耐薬品性、耐水性、断熱性、遮音性及び復元性に優れ、取り扱いも容易であることから、物流用途、パネル材等の建築用途、更には、自動車用途などの幅広い分野に使用されている。例えば、特許文献1には、所定の間隔を隔てて平行に配置された合成樹脂素材製の2枚のシートの間に、所定のピッチで凹凸波形が繰り返された合成樹脂素材製の波形部材が挟持された状態の中空構造板が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、2枚の熱可塑性樹脂シートに突設された複数の凸部が突き合わされた状態で熱融着された構成の所謂ツインコーン(登録商標)タイプの中空構造板が開示されている。このツインコーン(登録商標)タイプの中空構造板は、曲げ性能及び圧縮性能に優れることから、自動車内装材、物流資材、建材等の様々な分野で使用されている。
このような中空構造板は、パーテーション等を構成するために複数枚接続して用いられることがある。例えば、特許文献1には、中空板の小口端部に取り付けられる構造材を用いて、中空板同士を連結する技術が開示されている。
特開2003-170515号公報 特開2008-260309号公報 特開2016-56859号公報
従来、中空構造板同士を熱接着することにより複数枚接続することも可能であったが、一度熱接着させると再び個々の状態に戻すことは困難である。また、製造する中空構造板のサイズを従来のサイズより大きくすると、収納や持ち運び等が容易ではなくなる。更に、従来公知の構造材等を用いることで、中空構造板同士を連結させた場合においては、構造材等の連結部分の厚みが板の厚みよりも大きいため、平面性が悪くなってしまうという問題があった。
そこで、連結時には優れた平面性かつ篏合性を有し、また、取り外しも容易な中空構造板及びその製造方法を提供することを主目的とする。
すなわち、本発明では、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなり、真空形成装置を用いて製造された中空凸部成形シートを有し、前記中空凸部成形シートの少なくとも一方の面に表面材が積層された中空構造板であって、前記中空構造板は、中空構造板同士を連結させる連結部分を有し、前記連結部分の厚みは、前記中空構造板の厚みよりも大きくなく、前記中空構造板は、押圧機により加工された、少なくとも一端に高さの異なる一対の凹部を有し、前記一対の凹部は、互いに平行な向きで隣り合わせであり、前記一対の凹部のうち第一凹部は、前記第一凹部よりも高さが低い第二凹部に延設され、前記第一凹部の高さと前記第二凹部の高さの差が、前記中空構造板の総厚みに対して40%以上70%以下であり、かつ、前記第二凹部の高さが、前記中空構造板の総厚みに対して15%以上である、中空構造板を提供する。
本発明に係る中空構造板は、前記中空凸部成形シートの少なくとも一方の面に、1又は複数枚の表皮材を貼り合わせてなるものであってもよい。
また、前記中空凸部成形シートは、一方の面に錐台形状の凸部が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなり、前記2枚の熱可塑性樹脂シートは、凸部同士を突き合わせた状態で溶融してなる構造であってもよい。
更に、前記第二凹部の高さは、前記中空構造板の総厚みに対して30%以下であってもよい。
加えて、前記第一凹部の高さと前記第二凹部の高さの差が、0.6mm以上38.5mm以下であってもよい。
また、前記第二凹部の高さは、0.23mm以上16.5mm以下であってもよい。
また、本発明では、 少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなる中空凸部成形シートを有する中空構造板であって、前記中空構造板は、中空構造板同士を連結させる連結部分を有し、前記連結部分の厚みは、前記中空構造板の厚みよりも大きくなく、前記中空構造板は、少なくとも一端に高さの異なる一対の凹部を有し、前記一対の凹部は、互いに平行な向きで隣り合わせであり、前記一対の凹部のうち第一凹部は、前記第一凹部よりも高さが低い第二凹部に延設され、前記第一凹部の高さと前記第二凹部の高さの差が、前記中空構造板の総厚みに対して40%以上70%以下であり、かつ、前記第二凹部の高さが、前記中空構造板の総厚みに対して15%以上である、中空構造板の製造方法において、前記一対の凹部は、半潰し加工により形成される、中空構造板の製造方法も提供する。
本発明によれば、連結時には優れた平面性かつ篏合性を有し、また、取り外しも容易な中空構造板を提供する。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明に係る中空構造板1の構造の一例を示す模式斜視図である。 本発明に係る中空構造板1の構造の一例を示す模式断面図である。 A~Dは、本発明に係る中空構造板1の構造の例を示す内部構造を省略した模式断面図であり、Eは、本発明には含まれない中空構造板(比較例)の構造の例を示す内部構造を省略した模式断面図である。 Aは、2枚の中空構造板1が篏合した状態を示す模式平面図であり、Bは、2枚の中空構造板1の篏合部分の模式断面図である。 本発明に係る中空構造板1の製造方法の一例を示す模式概念図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.中空構造板1
図1は、本発明に係る中空構造板1の構造の一例を示す模式斜視図である。本発明に係る中空構造板1は、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなる中空凸部成形シート2を有し、少なくとも一端に高さの異なる一対の凹部20a,20bを有する。
また、本発明では、前記一対の凹部20а,20bは、互いに平行な向きで隣り合わせであり、前記一対の凹部20а,20bのうち第一凹部20aは、前記第一凹部20aよりも高さが低い第二凹部20bに延設されていることを特徴とする。
本発明は、上記構造を採用したことにより、従来公知の構造材等を用いることなく中空構造板1同士を連結させることができる。また、構造材等によって板同士を連結させることにより連結部分の厚みが板の厚みよりも大きくなることもないため、平面性を保つことができる。更には、構造材等を用いていないため、取り外しも容易に行え、かつ、繰り返し使用することができる。
なお、2枚の中空構造板1同士を篏合する場合は、例えば、それぞれの中空構造板1はその一端に一対の凹部20a,20bを有する構造を採用することができるが、本発明はこれに限定されず、例えば、3枚以上の中空構造板1同士を互いに篏合させる場合においては、それぞれの中空構造板1はその端に一対の凹部20a,20bを複数有する構造とすることができる。
更に、本発明では、前記第一凹部20aの高さと前記第二凹部20bの高さの差が、前記中空構造板1の総厚みに対して40%以上70%以下であり、かつ、前記第二凹部20bの高さが、前記中空構造板1の総厚みに対して15%以上であることを特徴とする。
第一凹部20aの高さと第二凹部20bの高さの差(以下、単に「X」とも称する。)が、中空構造板1の総厚みに対して70%を超えると、第二凹部20bの高さ(以下、単に「Y」とも称する。)が中空構造板1の総厚みに対して15%未満となり、第二凹部20bが薄くなり過ぎてしまうために、中空構造板1の耐久性に問題が生じてしまう。また、Xが中空構造板1の総厚みに対して40%未満となると、篏合部分での引っかかり面積が小さくなってしまい、嵌合性が悪くなってしまう。
したがって、X及びYを上記特定の数値範囲に制御することにより、篏合性を維持しつつも、耐久性に優れた中空構造板1とすることができる。
本発明において、第二凹部20bの高さの上限値は特に限定されないが、前記中空構造板1の総厚みに対して30%以下であることが好ましい。
本発明では、Xの具体的な数値範囲は特に限定されないが、0.6mm以上38.5mm以下とすることが好ましい。また、Yの具体的な数値範囲も特に限定されないが、0.23mm以上16.5mm以下とすることが好ましい。
図3のA~Dは、本発明に係る中空構造板1の構造の例を示す内部構造を省略した模式断面図である。本発明において、一対の凹部20a,20bの構造は特に限定されないが、例えば、図3のA~Dの構造とすることができ、形成し易さの観点から図3のAの構造が特に好ましい。なお、各構造を採用した場合のX及びYについては、図中に示した。
本発明では、図3のBに示すように、一対の凹部20a,20bを複数有する中空構造板1において、各一対の凹部20a,20bの構造は必ずしも同一の構造でなくてもよい。また、図3のDに示すように、中空構造板1同士を篏合させた際に、一部隙間が空くような構造であってもよい。
中空構造板1の総目付けは特に限定されないが、200g/m以上6000g/m以下とすることが好ましく、500g/m以上3000g/m以下とすることがより好ましく、800g/m以上2000g/m以下とすることが特に好ましい。これにより、中空構造板1の軽量化を図ることができる。
中空構造板1の総厚みも特に限定されないが、1.5mm以上55mm以下とすることが好ましく、2mm以上25mm以下とすることがより好ましく、3mm以上15mm以下とすることが特に好ましい。1.5mm以上とすることにより、中空構造板1の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、曲げ剛性が保持された中空構造板1を作製できる。また、55mm以下とすることにより、中空凸部成形シート2における凸部21の高さを制御でき、凸部21の側壁の厚みがドラフトされて薄くなり過ぎることを防げるため、変形(例えば座屈等)が発生しにくい中空構造板1を作製できる。
また、中空構造板1は、一対の凹部20а,20bが形成されていない端面を任意の形状に加工してもよい。具体的には、例えば、端面を切りっぱなしにしてもよいが、端面をC形状等に加工したり、垂直端面に封止したり、R形状に封止したりしてもよい。更に、本発明では、中空構造板1の端面に機能性を付与するため、接着剤等を介してエッジ材を貼り合わせることもできる。
<中空凸部成形シート2>
中空凸部成形シート2は、少なくとも一方の面に中空状の凸部21が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなる。本発明に係る中空構造板1は、中空凸部成形シート2のみから形成されていてもよいが、中空凸部成形シート2の少なくとも一方の面に、少なくとも1枚の表面材3及び/又は表皮材4を貼り合わせて形成されていることが好ましい。なお、本発明では、中空凸部成形シート2に積層された表面材3及び表皮材4と中空凸部成形シート2との間に、部分的に僅かな隙間が空いていてもよい。
中空状の凸部21の具体的な形状は、図2に示すように、少なくとも上面部211及び開口部212を有していれば特に限定されず、適宜自由に設計することができる。具体的には、例えば、図1及び2で示した円錐台形状又は楕円錐台形状、三角錐台形状、四角錐台形状、五角錐台形状等の多角錐台形状、更には、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状、多角星柱形状、多角星錐台形状など様々な形状に設計することができる。また、これらの形状を適宜組み合わせて設計してもよい。
また、本発明では、後述する表面材3及び/又は表皮材4が中空凸部成形シート2に積層された場合に、起点を少なくして表面材3及び/又は表皮材4からの剥離強度を向上させるため、多角錐台形状や多角柱形状等の角を丸く設計してもよい。
凸部21の形状としては、これらの中でも特に、円錐台形状、楕円錐台形状、及び多角錐台形状からなる群から選ばれるいずれか一以上の形状とすることが好ましい。これにより、製造工程における設計を容易化できることに加え、金型を用いて凸部21を成形する場合には、金型の製造コストを削減することもできる。また、凸部21の形状として、少なくとも一部にテーパを有する形状が好ましく、円錐台形状及び/又は楕円錐台形状とすることが特に好ましい。これにより、中空構造板1の曲げ剛性を向上させることができるとともに、圧縮強度を保持させることができる。
凸部21を円錐台形状及び/又は楕円錐台形状に設計した場合、上面部211の径の長さは特に限定されないが、1mm以上10mm以下とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
また、凸部21を円錐台形状及び/又は楕円錐台形状に設計した場合、開口部212の径の長さは特に限定されないが、3mm以上15mm以下とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
凸部21は、全て同一の形状であってもよいし、2種以上の形状を適宜自由に選択して組み合わせてもよい。また、本発明では、凸部21の途中に段差を設けたり、ウェーブを設けたりすることもできる。
凸部21の配列形態は特に限定されず、四角格子状、千鳥状、又は不規則に配列させることができ、これらの中でも特に、四角格子状又は千鳥状に配列させることが好ましい。なお、本明細書では、千鳥状に配置させることには、所定の基準方向に沿って視たときに、隣接する凸部21同士が互い違うように配置される状態も含まれる。
凸部21を千鳥状に配列させた場合、横方向の凸部21の中心同士を結んだ線と斜め方向の凸部21の中心同士を結んだ線とがなす角度θ2は特に限定されないが、θ2=約60°とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の剛性を向上できる。なお、「四角格子状」とは、θ2=約90°とした場合の配列を意味する。
凸部21の開口部211間の最短距離Lも特に限定されないが、0.2mm以上8mm以下とすることが好ましい。最短距離Lを0.2mm以上とすることにより、ライナー部(凸部21を一定の方向から視た際に、凸部21が存在しない部分)の厚みが薄くなり過ぎることを防げるため、圧縮強度の低下を回避できる。また、最短距離Lを8mm以下とすることにより、凸部21間の距離が長くなり過ぎて単位面積当たりの凸部21の数が減り過ぎることを回避できるため、中空構造板1の曲げ剛性を一定以上に保つことができる。なお、本発明に係る中空構造板1において、最短距離Lは、常に一定でなくてもよい。
中空凸部成形シート2において仮想される水平面と凸部21とがなす角度(傾斜角)θ1(図2参照)は特に限定されないが、中空構造板1の外側から荷重をかけた際に、十分な強度を得るため、傾斜角を有する方が好ましい。傾斜角を有する場合、傾斜角θ1は、45°以上とすることが好ましい。傾斜角θ1を45°以上とすることにより、更に十分な強度が得られる。また、傾斜角θ1は、80°未満とすることが好ましい。傾斜角θ1を80°未満とすることにより、中空凸部成形シート2を真空形成した場合等において、中空凸部成形シート2の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、かつ、凸部21のフィルム化も防止できるため、十分な強度が得られる。
また、傾斜角θ1は、50°以上75°未満とすることがより好ましい。これにより、中空構造板1の剛性を高めることができる。また、座屈等による変形を防ぎ、中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。なお、中空構造板1において、傾斜角θ1は、常に一定でなくてもよく、凸部21が中心軸に対して非対称な形状であってもよい。
凸部21の高さh(図2参照)は特に限定されないが、1mm以上とすることが好ましい。凸部21の高さhを1mm以上とすることにより、剛性が高い中空構造板1を得ることができる。また、凸部21の高さhは、50mm以下とすることが好ましい。凸部21の高さhを50mm以下とすることにより、凸部21の側壁部分が薄くなり過ぎるのを防ぎ、中空凸部成形シート2の変形を防ぐことができる。
凸部21の厚みも特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。凸部21の厚みを0.1mm以上とすることにより、座屈等の変形を防ぎ、中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。
また、本発明では、中空凸部成形シート2の一部に流路が存在する構造を採用することもできる。なお、本発明において、この流路の形状、断面の構造、流路の形成方向等は特に限定されない。
本発明において、中空凸部成形シート2の構造は、図1及び2に示すように、一方の面に錐台形状の凸部が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなり、前記2枚の熱可塑性樹脂シートは、凸部21同士を突き合わせた状態で溶融してなる構造であることが好ましい。この場合において、前記錐台形状は、円錐台形状及び/又は楕円錐台形状であることが好ましい。この構造を採用することで、平面性をより向上させることができ、曲げ剛性にも優れる。
中空凸部成形シート2の材質は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、通常中空構造板に用いることが可能な熱可塑性樹脂を、1又は2種以上適宜選択して用いることができる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(PОM)等が挙げられる。
中空凸部成形シート2の材質としては、これらの中でも特に、加工性、コスト、重量及び物性の観点から、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー等のオレフィン系樹脂が好ましい。また、更に高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。
本発明では、中空凸部成形シート2や後述する表面材3を形成する熱可塑性樹脂には、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどのフィラー、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等のチョップドストランド等を添加してもよく、難燃性、導電性、濡れ性、滑り性、耐候性などを向上させるための改質剤や顔料等の着色剤等を添加してもよい。
なお、中空凸部成形シート2や後述する表面材3は、同一の材質で形成されていてもよく、熱融着可能な範囲で相互に異なる材質で形成されていてもよい。
中空凸部成形シート2の目付けは特に限定されないが、300g/m以上600g/m以下とすることが好ましく、350g/m以上500g/m以下とすることがより好ましい。目付けを300g/m以上とすることにより、凸部21の形状保持性を向上させることができる。また、目付けを600g/m以下とすることにより、中空構造板1の軽量化を図ることができる。
中空凸部成形シート2の厚みも特に限定されないが、1.5mm以上55mm以下とすることが好ましい。1.5mm以上とすることにより、中空構造板1の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、曲げ剛性が保持された中空構造板1を作製できる。また、55mm以下とすることにより、中空凸部成形シート2における凸部21の高さを制御でき、凸部21の側壁の厚みがドラフトされて薄くなり過ぎることを防げるため、変形(例えば座屈等)が発生しにくい中空構造板1を作製できる。
<表面材3>
表面材3は、例えば、熱可塑性樹脂からなり、中空凸部成形シート2に積層されて中空凸部成形シート2とともに中空構造板1を構成する。
表面材3の材質が熱可塑性樹脂である場合、通常中空構造板に用いることができる熱可塑性樹脂を、1種又は2種以上自由に組み合わせて用いることができる。
なお、前記熱可塑性樹脂としては、中空凸部成形シート2と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
表面材3の厚みは特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。0.1mm以上とすることで、中空構造板1の剛性を保持することができる。
表面材3の目付けは特に限定されないが、200g/m以上800g/m以下とすることが好ましく、300g/m以上600g/m以下とすることがより好ましい。
<表皮材4>
表皮材4は、中空凸部成形シート2に直接、又は表面材3に積層されて中空凸部成形シート2及び/又は表面材3とともに中空構造板1を構成する。表皮材4を積層することで、中空構造板1に対し、意匠性、吸音特性、断熱性などの各種用途に応じた特性を付与することができる。
表皮材4の材質は特に限定されず、通常中空構造板の表皮材として用いることができる材料を、目的の用途などに応じて適宜自由に選択して用いることができる。
具体的には、例えば、熱可塑性樹脂シート、樹脂製の織布、不織布、組布、編み物、ステンレス、アルミニウム、銅等からなる金属シート、有機系又は無機系多孔質シート、化粧シート等が挙げられる。
2.中空構造板1の製造方法
図5は、中空構造板1の製造方法の一例を示す模式図である。
以下、図5に基づいて本発明に係る中空構造板1の製造方法について説明するが、本発明ではこれに限定されない。すなわち、本発明に係る中空構造板1の製造には、通常中空構造板を製造する際に用いられる方法を、適宜自由に選択して用いることができる。
図5に示した製造方法では、まず、中空凸部成形シート2を作製する。中空凸部成形シート2は、表面に凸状のピンが複数突設された2台の成形ローラーR1がその回転軸が相互に平行となるように配置された真空形成装置を用い、該成形ローラーR1の溝に、先端にTダイ102が設けられた押出機101から押し出しされた溶融状態の熱可塑性樹脂シートPを注入し、凸部21同士を突き合せた状態で成形されることにより製造される。
なお、本製造例において、2台の成形ローラーR1は、それぞれ減圧チャンバー103a,103b内に設置されており、減圧チャンバー103a,103bには、中空凸部成形シート2や表面材3を吸引保持するための吸引孔104a,104bが設けられている。
本発明おいて、中空凸部成形シート2は、予め作製されたものを用いてもよい。また、中空凸部成形シート2は、成形ローラーR1を用いることなく、一対の金型等に溶融状態の熱可塑性樹脂シートPを注入し、両側から押圧することにより作製してもよい。
次に、中空凸部成形シート2のそれぞれの面に、押出機101から押し出しされた溶融状態又は軟化状態の表面材3を積層する。
本発明において、表面材3は、予め作製されたものを用いてもよい。
その後、押圧機105により、表面材3が積層された中空凸部成形シート2の一端を同一方向から押圧することにより、第一凹部20a及び第二凹部20bを作製することで、本発明に係る中空構造板1を得る。なお、押圧機105は、加熱機能、温度調節機能等を備えていてもよい。本製造例においては、例えば、押圧機105の形状、圧力等を調整することにより、第一凹部20а及び第二凹部20bの高さを制御する。
なお、本発明において、一対の凹部20a,20bの作製方法は上述した半潰し加工に限定されず、例えば、打ち抜き加工等によって作製してもよいが、本発明では、一対の凹部20a,20bは、半潰し加工により形成されることが好ましい。
中空構造板1の半潰し加工を行うと、篏合断面(図1のZ部分参照)が粗くなり、半潰し加工を行う場所によってその形状が異なるため、中空構造板1同士を連結させる際にこの粗い断面同士が抵抗となり、良好な篏合となる。
また、図5には示していないが、本発明では、中空凸部成形シート2に対して直接表皮材4を積層したり、中空凸部成形シート2に積層された表面材3に対して更に表皮材4を積層したりすることも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
まず、下記表1及び2に示す実施例1~9及び比較例1~4の中空構造板を作製した。
実施例1~6及び比較例1~3の中空構造板は、断面形状が図3で示したAであり、図5で示した製造方法により製造した。
実施例7の中空構造板は、断面形状が図3で示したBであり、図5で示した製造方法により製造した。
実施例8の中空構造板は、断面形状が図3で示したCであり、図5で示した製造方法により製造した。
実施例9の中空構造板は、断面形状が図3で示したDであり、図5で示した製造方法により製造した。
比較例4の中空構造板は、断面形状が図3で示したEであり、図5で示した製造方法により製造した。
次いで、作製した各中空構造板について、平面性、篏合性、及び耐久性の評価を行った。なお、評価結果については、上記表1及び2に併記した。
[平面性]
まず、嵌合させる2枚の中空構造板の厚みを篏合断面に沿った方向で5箇所測定し、平均値を算出した。次いで、2枚の中空構造板を嵌合させ、1枚板とした中空構造板の連結部分の厚みを5箇所測定し、平均値を算出した。その後、中空構造板の厚みの平均値と連結部分の厚みの平均値の差の絶対値(|а|)を算出した。なお、実施例1~9及び比較例1~4における評価基準を下記に示す。
(評価基準)
◎:|a|≦0.2
○:0.2<|a|≦0.4
×:0.4<|a|
a=(中空構造板の厚みの平均値)-(連結部分の厚みの平均値)
[篏合性]
篏合させた2枚の中空構造板を、高さ1000mmよりn=5でアルミ板に対して落下させ、篏合が外れて、2枚の中空構造板に分離しないかを目視にて確認した。なお、実施例1~9及び比較例1~4における評価基準を下記に示す。
(評価基準)
◎:分離した回数が0回
〇:分離した回数が1回
×:分離した回数が2回以上
[耐久性]
まず、2枚の中空構造板を篏合させた状態とした。その後、取り外して、図1で示したZ部分の外観を目視にて確認した。なお、実施例1~9及び比較例1~4における評価基準を下記に示す。
(評価基準)
◎:異常なし
〇:中空構造板の一部に白化が見られる
×:中空構造板の一部が折れ曲がったり、変形したりする
実施例1~9の中空構造板は、連結時には平面性があり、かつ、篏合性に優れ、また、取り外しの際には、折れ曲がりや変形が見られなかった。一方で、比較例1及び2においては、実施例1~9と比較して篏合性が悪く、かつ、耐久性にも問題が見られた。また、比較例3及び4については、取り外しの際の耐久性には問題が見られなかったものの、篏合性は悪かった。
したがって、本発明に係る中空構造板は、連結時には平面性があり、かつ、篏合性にも優れ、また、取り外しの際には折れ曲がりや変形が見られず、繰り返して使用しても問題がないことが分かった。
本発明によれば、連結時には優れた平面性かつ篏合性を有し、また、取り外しも容易な中空構造板を提供することが可能である。そのため、本発明に係る中空構造板は、自動車内装材、物流資材、内装用又は外装用の建材等の幅広い分野において有用である。
1:中空構造板
2:中空凸部成形シート
20а:第一凹部
20b:第二凹部
21:凸部
211:上面部
212:開口部
3:表面材
θ1:凸部21の開口部212から仮想される水平面と凸部21とがなす角度
h:凸部21の高さ
R1:成形ローラー
R2:平ローラー
101:Tダイ
102:押出機
103a,103b:減圧チャンバー
104a,104b:吸引孔
105:押圧機
P:溶融状態の熱可塑性樹脂シート

Claims (7)

  1. 少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなり、真空形成装置を用いて製造された中空凸部成形シートを有し、前記中空凸部成形シートの少なくとも一方の面に表面材が積層された中空構造板であって、
    前記中空構造板は、中空構造板同士を連結させる連結部分を有し、
    前記連結部分の厚みは、前記中空構造板の厚みよりも大きくなく、
    前記中空構造板は、押圧機により加工された、少なくとも一端に高さの異なる一対の凹部を有し、
    前記一対の凹部は、互いに平行な向きで隣り合わせであり、
    前記一対の凹部のうち第一凹部は、前記第一凹部よりも高さが低い第二凹部に延設され、
    前記第一凹部の高さと前記第二凹部の高さの差が、前記中空構造板の総厚みに対して40%以上70%以下であり、かつ、
    前記第二凹部の高さが、前記中空構造板の総厚みに対して15%以上である、中空構造板。
  2. 前記中空凸部成形シートの少なくとも一方の面に、1又は複数枚の表皮材を貼り合わせてなる、請求項1に記載の中空構造板。
  3. 前記中空凸部成形シートは、一方の面に錐台形状の凸部が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなり、
    前記2枚の熱可塑性樹脂シートは、凸部同士を突き合わせた状態で溶融してなる構造である、請求項1又は2に記載の中空構造板。
  4. 前記第二凹部の高さは、前記中空構造板の総厚みに対して30%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の中空構造板。
  5. 前記第一凹部の高さと前記第二凹部の高さの差が、0.6mm以上38.5mm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の中空構造板。
  6. 前記第二凹部の高さは、0.23mm以上16.5mm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の中空構造板。
  7. 少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂からなる中空凸部成形シートを有する中空構造板であって、前記中空構造板は、中空構造板同士を連結させる連結部分を有し、前記連結部分の厚みは、前記中空構造板の厚みよりも大きくなく、前記中空構造板は、少なくとも一端に高さの異なる一対の凹部を有し、前記一対の凹部は、互いに平行な向きで隣り合わせであり、前記一対の凹部のうち第一凹部は、前記第一凹部よりも高さが低い第二凹部に延設され、前記第一凹部の高さと前記第二凹部の高さの差が、前記中空構造板の総厚みに対して40%以上70%以下であり、かつ、前記第二凹部の高さが、前記中空構造板の総厚みに対して15%以上である、中空構造板の製造方法において、
    前記一対の凹部は、半潰し加工により形成される、中空構造板の製造方法。
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