JP7158205B2 - 中空構造板 - Google Patents

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本発明は、中空構造板に関する。より詳しくは、目的に応じて、内部の薬剤を簡便に作用させることができる中空構造板に関する。
樹脂製の中空構造板は、軽量で、かつ、耐薬品性、耐水性、断熱性、遮音性及び復元性に優れ、取り扱いも容易であることから、物流用途、パネル材等の建築用途、更には、自動車用途などの幅広い分野に使用されている。例えば、特許文献1には、所定の間隔を隔てて平行に配置された合成樹脂素材製の2枚のシートの間に、所定のピッチで凹凸波形が繰り返された合成樹脂素材製の波形部材が挟持された状態の中空構造板が開示されている。
特開2003-170515号公報
しかしながら、従来の構造の中空構造板においては、その内部に薬剤を封入した場合に、簡便に該薬剤を作用させることが不可能であった。
そこで、本発明では、このような実情に鑑み、目的に応じて、内部の薬剤を簡便に作用させることができる中空構造板を提供することを主目的とする。
すなわち、本発明では、上面部及び下面に開口部を有する錐台形状且つ中空状の凸部が、一方の面に複数形成された樹脂からなる中空構造部と、前記中空構造部に積層される少なくとも1枚以上の、可溶性樹脂からなる表面材と、を少なくとも有し、少なくとも1以上の前記凸部内、及び/又は、前記中空構造部と前記表面材との間に連通部がある場合は該連通部の少なくとも一部に、1又は2種以上の薬剤を有する、中空構造板を提供する。
本発明において、前記表面材における可溶性樹脂は、水溶性であってもよい。
また、本発明において、前記薬剤の前記凸部内、及び/又は、前記連通部内の体積に占める体積比率は、10~85%であってもよい。
本発明によれば、目的に応じて、内部の薬剤を簡便に作用させることができる中空構造板を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
Aは、本発明に係る中空構造板1の第1実施形態の構造を模式的に示す斜視図であり、Bは、Aの矢印方向から視た場合の模式図であり、Cは、BのP-P線端面図である。 Aは、本発明に係る中空構造板1の第2実施形態の構造を模式的に示す平面図であり、Bは、AのQ-Q線端面図である。 本発明に係る中空構造板1の第3実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る中空構造板1の第4実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 Aは、本発明に係る中空構造板1の第5実施形態の構造を模式的に示す平面図であり、Bは、AのR-R線端面図である。 本発明に係る中空構造板1の製造方法の一例を示す概念図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、各図において、薄墨を施した部分は、本発明に係る中空構造板における1又は2種以上の薬剤を入れることが可能な領域を示しているに過ぎず、本発明においては前記薬剤の形状はこれらの図で表された形状に限定されるものではない。
1.中空構造板1
本発明に係る中空構造板1は、立壁により隔てられた中空部21が複数形成された樹脂からなる中空構造部2と、中空構造部2に積層される少なくとも1枚以上の、可溶性樹脂からなる表面材3と、を少なくとも有する。また、少なくとも1以上の中空部21内、及び/又は、中空構造部2と表面材3との間に連通部22がある場合は該連通部22の少なくとも一部に、1又は2種以上の薬剤10を有することを特徴とする。
本発明に係る中空構造板1は、可溶性樹脂からなる表面材3を備えているため、水、有機溶媒等の溶媒に接した際に、この表面材3が溶けて、目的に応じて、中空構造板1の内部の薬剤10の効果を発揮させる状態にすることができるため、前記溶媒に接触させるという簡単な手順を経るだけで、該薬剤10を簡便に作用させることができる。したがって、本発明に係る中空構造板1は、箱材や梱包材等の物流用途、壁や天井、トンネルなどに貼り合わせるパネル材等の建築用途、自動車の内装等の幅広い分野において、有用である。
また、本技術では、表面材3の一部のみを溶解させることで、薬剤10の作用を中空構造板1の一部のみに発現させることもできる。例えば、予め杭打ちする箇所のみの表面材3を溶解させ、杭打ちした際に内部の薬剤が反応することで、杭が抜けにくくなるといった用途でも用いることができる。
薬剤10としては、例えば、印刷インク、顔料インク、着色剤、染料、金属イオン、遷移金属イオン、界面活性剤、接着剤、分散剤、殺生物剤、腐食防止剤、医薬剤、疎水化剤、ワックス、塩、ポリマー、ホットメルト、常温液体ガラス剤、重合組成物等が挙げられ、これらを1又は2種以上、目的に応じて、適宜選択して用いることができる。
また、本発明では、薬剤10として、市販の薬剤をそのまま用いることもできる。更には、本発明において、薬剤10の状態は特に限定されず、液体状、半固体状、固体状等のいずれの状態であってもよい。
更に、本発明では、薬剤10を、2種以上の薬剤からなるものとし、前記2種以上の薬剤は、互いに化学反応することが可能であるものとすることができる。これにより、表面材3を溶かした際に、2種以上の薬剤同士が化学反応して効果を発揮するといった用途に用いることができる。また、この場合、一方の薬剤が、もう一方の薬剤を活性化させることが可能な活性剤等であってもよい。
中空構造板1の目付は特に限定されないが、200~6000g/mとすることが好ましく、300~2000g/mとすることがより好ましく、400~1800g/mとすることが特に好ましい。これにより、中空構造板1の軽量化を図ることができる。
中空構造板1の厚みも特に限定されないが、1.5~55mmとすることが好ましい。1.5mm以上とすることにより、中空構造板1の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、曲げ剛性が保持された中空構造板1を作製できる。また、55mm以下とすることにより、中空構造部2における中空部21の高さを制御でき、中空部21の側壁の厚みがドラフトされて薄くなり過ぎることを防げるため、変形(座屈)が発生しにくい中空構造板1を作製できる。
本発明に係る中空構造板1は、その端面を任意の形状に加工することができる。具体的には、端面が切りっぱなしでもよく、端面を、C形形状等に加工したり、垂直端面に封止したり、R形状に封止したりしてもよい。更に、本発明では、中空構造板1の端面に機能性を付与するために、端面に接着剤等を介してエッジ材を貼り合わせることもできる。
<中空構造部2>
中空構造部2は、立壁により隔てられた中空部21が複数形成された樹脂からなる。また、中空構造部2には、少なくとも1枚以上の、可溶性樹脂からなる表面材3が積層される。なお、本発明では、中空構造部2に積層された表面材3と、中空構造部2と、の間には、部分的に僅かな隙間が空いていてもよい。また、本発明においては、中空構造部2に積層される表面材3の枚数は特に限定されない。
本発明において、「連通部」とは、具体的には、中空構造部2を矜持するようにして少なくとも2枚以上の表面材3が積層された場合に、中空部21の周囲にある、図2のBの上側の表面材3と中空構造部2との間にできる部分(図2のBの符号22参照)である。
本発明では、図1~5に示すように後述する表面材3を中空構造部2に積層することで、中空部21及び/又は連通部22内に薬剤10を入れることが好ましい。このような構成を採用することで、本発明に係る中空構造板1の製造効率を向上させることができる。なお、この場合、薬剤10は、中空部21及び/又は連通部22の壁面や、表面材3等に直接固定されていなくてもよい。
また、本発明では、薬剤10の中空部21及び/又は連通部22内の体積に占める体積比率が、10~85%であることが好ましい。体積比率が10%未満であると、薬剤10の効果が十分に得られなくなる。また、体積比率が85%を超えると、中空部21内に占める薬剤10の比率が大きくなり、成形時の内圧が高くなってしまう。このため、例えば、中空構造部2を矜持するようにして少なくとも2枚以上の表面材3が積層する場合などには、中空構造板1の表面の平滑性が保持できなくなる。
また、本発明では、薬剤10を有する中空部21及び/又は連通部22同士の間隔I(図1のB参照)が、3~2500mmであることが好ましい。これにより、薬剤10が局所的に偏ってしまうことを防ぐことができる。
中空構造部2において仮想される水平面と立壁とがなす角度(傾斜角)θ1(図1のC参照)は特に限定されないが、中空構造板1の外側から荷重をかけた際に、十分な強度を得るため、立壁に傾斜角を有する方が好ましい。また、傾斜角θ1は、45°以上とすることが好ましい。傾斜角θ1を45°以上とすることにより、更に十分な強度が得られる。また、傾斜角θ1は、80°未満とすることが好ましい。傾斜角θ1を80°未満とすることにより、中空構造部2を真空形成した場合等において、中空構造部2の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、かつ、立壁のフィルム化も防止できるため、十分な強度が得られる。
また、傾斜角θ1は、50°以上75°未満とすることがより好ましい。これにより、中空構造板1の剛性を高めることができる。また、座屈等による変形を防ぎ、中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。なお、本発明に係る中空構造板1において、傾斜角θ1は、常に一定でなくてもよく、中空部21が中心軸に対して非対称な形状であってもよい。
立壁の高さh(図1のC参照)は特に限定されないが、1mm以上とすることが好ましい。立壁の高さhを1mm以上とすることにより、剛性が高い中空構造板1を得ることができる。また、立壁の高さhは、50mm以下とすることが好ましい。立壁の高さhを50mm以下とすることにより、中空部21の側壁部分が薄くなり過ぎるのを防ぎ、中空構造部2の変形を防ぐことができる。
立壁の厚みも特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。立壁の厚みを0.1mm以上とすることにより、座屈等の変形を防ぎ、中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。
また、本発明では、立壁の途中に段差を設けたり、立壁の途中にウェーブを設けたりすることもできる。
中空構造部2の材質は、樹脂であれば特に限定されず、通常、中空構造板に用いることが可能な樹脂を、1又は2種以上適宜選択して用いることができる。
前記樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂等である。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(PОM)等が挙げられる。
中空構造部2の材質としては、これらの中でも特に、加工性、コスト、重量及び物性の観点から、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー等のオレフィン系樹脂が好ましい。また、本発明では、更に高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。
また、本発明では、前記樹脂として、可溶性樹脂を用いることもできる。前記可溶性樹脂については、後述する表面材3と同様であるため、ここでは説明を割愛する。中空構造部2も可溶性樹脂で構成することで、廃棄時には水等に接触させることで容易に分解することができ、環境対応型の中空構造板1を提供することができる。
本発明では、中空構造部2を構成する樹脂に、後述する表面材3が溶けた際に薬剤10と反応して薬剤10を活性化させることが可能な活性剤等が含まれていてもよい。これにより、薬剤10の作用をより効率的に発揮することができる。
中空構造部2の目付は特に限定されないが、150g/m以上とすることが好ましい。目付を150g/m以上とすることにより、中空部21を良好に成形することができる。
本発明では、中空構造部2や後述する表面材3を形成する樹脂には、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどのフィラー、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等のチョップドストランド等を添加してもよい。
また、本発明では、中空構造部2や後述する表面材3を形成する樹脂には、難燃性、導電性、濡れ性、滑り性、耐候性などを向上させるための改質剤や顔料等の着色剤等を添加してもよい。
なお、中空構造部2や後述する表面材3は、同一の材料で形成されていてもよく、熱融着可能な範囲で相互に異なる材料で形成されていてもよい。
中空構造部2の構造は特に限定されないが、少なくとも一方の面に中空状の凸部(=中空部21)が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造(図1~3参照)、ハニカム構造の中空部21が複数形成された熱可塑性樹脂シートからなる構造(図4参照)、又は、少なくとも一方の面に中空部21が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造(図5参照)が好ましく、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造がより好ましい。
また、本発明では、熱可塑性樹脂シートの一部に流路が存在する構造を採用することもできる。なお、本発明において、この流路の形状、断面の構造、流路の形成方向等は特に限定されない。
前記凸部は、図1のCに示すように、少なくとも上面部211及び開口部212を有していれば、その形態は特に限定されず、適宜自由に設計することができる。具体的には、例えば、図1、2及び5で示した円錐台形状又は楕円錐台形状、図3で示した三角錐台形状、四角錐台形状、五角錐台形状等の多角錐台形状、更には、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状、多角星柱形状、多角星錐台形状など様々な形状に設計することができる。また、これらの形状を組み合わせて設計してもよい。
本発明では、後述する表面材3が中空構造部2に積層された際に、起点を少なくしてこれらからの剥離強度を向上させるため、図3で示したように、多角錐台形状や多角柱形状等の角を丸く設計してもよい。
本発明では、これらの中でも特に、前記凸部を、円錐台形状、楕円錐台形状又は多角錐台形状に設計することが好ましい。これにより、製造工程における設計を容易化できることに加え、金型を用いて前記凸部を成形する際には、金型の製造コストを削減することもできる。
また、本発明では、前記凸部を、円錐台形状又は楕円錐台形状に設計することがより好ましい。これにより、中空構造板1の曲げ剛性を向上させることができると共に、圧縮強度を保持させることができる。
更に、本発明では、前記凸部を、楕円錐台形状又は円錐台形状に設計した場合、上面部211の径の長さは特に限定されないが、1~10mmとすることが好ましい。これにより、中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
また、本発明では、前記凸部を、楕円錐台形状又は円錐台形状に設計した場合、開口部212の径の長さは特に限定されないが、3~15mmとすることが好ましい。これにより、中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
本発明では、前記凸部は、全て同一の形態であってもよいし、2種以上の形態を自由に選択して組み合わせてもよい。また、本発明では、前記凸部の途中に段差を設けたり、前記凸部の途中にウェーブを設けたりすることもできる。
前記凸部の配列形態は特に限定されず、例えば、前記凸部を四角格子状、千鳥状、又は不規則に配列させることができる。なお、本明細書では、千鳥状に配置させることには、図3に示すように、所定の基準方向に沿って視たときに、隣接する前記凸部同士が互い違うように配置される状態も含まれるものとする。
また、前記凸部を千鳥状に配列させた場合、横方向の中空部21の中心同士を結んだ線と斜め方向の中空部21の中心同士を結んだ線とがなす角度θ2(図1のB参照)は特に限定されないが、θ2=60°とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の剛性を向上できる。なお、「四角格子状」とは、θ2=90°とした場合の配列を意味する。
中空部21の開口部211間の最短距離Lも特に限定されないが、0.2~8mmとすることが好ましい。最短距離Lを0.2mm以上とすることにより、ライナー部(中空部21を一定の方向から視た際に、中空部21が存在しない部分)の厚みが薄くなり過ぎることを防げるため、圧縮強度の低下を回避できる。また、最短距離Lを8mm以下とすることにより、中空部21間の距離が長くなり過ぎて単位面当たりの中空部21の数が減りすぎることを回避できるため、中空構造板1の曲げ剛性を一定以上に保つことができる。なお、本発明に係る中空構造板1において、最短距離Lは、常に一定でなくてもよい。
本発明において、前述した、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とは、より具体的には、例えば、図1~3で示したように、一方の面に錐台形状の凸部が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とすることができる。この構造を採用することで、平面圧縮強度を保持しつつ、加工性にも優れた中空構造板1を提供できる。なお、この構造の中空構造板1は、例えば、後述する図6に示す製造方法等により製造することができる。
また、本発明において、前述した、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とは、より具体的には、例えば、図5で示したように、一方の面に錐台形状の凸部が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなり、かつ、前記2枚の熱可塑性樹脂シートは凸部同士を突き合わせた状態で溶融してなる構造とすることができる。この構造を採用することで、ソリの発生が抑制され、かつ、曲げ剛性にも優れた中空構造板1を提供できる。なお、この構造の中空構造板1は、例えば、後述する図6に示す製造方法等により製造することができる。
また、本発明では、この構造の場合、図5のB中の符号Xで示された部分も、中空部21の概念に含まれる。すなわち、本発明に係る中空構造板1は、この部分に薬剤10を有していてもよい。
<表面材3>
表面材3は、中空構造部2に積層され、可溶性樹脂からなることを特徴とする。なお、本発明では、この表面材3に対し、更に1又は2枚以上の表面材3が積層されていてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、後述する表皮材等が積層されていてもよい。
表面材3の厚みは特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。0.1mm以上とすることで、中空構造板1の剛性を保持することができる。
表面材3の目付は特に限定されないが、100g/m以上とすることが好ましい。目付を100g/m以上とすることにより、中空構造部2に表面材3を積層する際に、表面材3が薄くなり過ぎて破けることを防止できる。
表面材3の材質は可溶性樹脂であれば特に限定されず、水、有機溶媒等の溶媒に可溶な樹脂を、1又は2種以上適宜選択して用いることができる。前記可溶性樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア(尿素)樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース(CMC)、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ナイロン、アルコール可溶性ナイロン等が挙げられる。
表面材3の材質としては、これらの中でも特に、取扱い容易性の観点から、水溶性樹脂であることが好ましい。これにより、中空構造板1を、トンネル内に貼り合わせた場合等に、養生しながら表面材3が溶け、接着する用途として用いることができる。
本発明では、表面材3を構成する樹脂に、表面材3が溶けた際に薬剤10と反応して薬剤10を活性化させることが可能な活性剤等が含まれていてもよい。これにより、薬剤10の作用をより効率的に発揮することができる。
本発明では、表面材3を複数有していてもよく、この場合、複数の表面材3の厚みは同一としてもよいし、異なるものであってもよい。また、各表面材を、同一の材質で形成してもよいし、異なる材質で形成してもよい。
<表皮材>
本発明に係る中空構造板1は、その効果を損なわない範囲で、表皮材を備えていてもよい。表皮材は、表面材3に積層される。なお、本発明では、この表皮材に対し、更に1又は2枚以上の表皮材等が積層されていてもよい。表皮材を積層することで、中空構造板1に対し、意匠性、吸音特性、断熱性などの各種用途に応じた特性を付与することができる。
表皮材の材質は特に限定されず、通常、中空構造板の表皮材として用いることができる材料を、目的の用途などに応じて、適宜自由に選択して用いることができる。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂シート、樹脂製の織布、不織布、組布、編み物、ステンレス、アルミニウム、銅等からなる金属シート、有機系又は無機系多孔質シート、化粧シート等が挙げられる。また、複数の同種又は異種のシートを積層した積層シート等を表皮材として用いることも可能である。
本発明では、表皮材を複数有していてもよく、この場合、複数の表皮材の厚みは同一としてもよいし、異なるものであってもよい。また、各表皮材を、同一の材質で形成してもよいし、異なる材質で形成してもよい。
2.中空構造板1の製造方法
本発明に係る中空構造板1は、その構成に特徴があるため、製造方法は特に限定されない。すなわち、本発明に係る中空構造板1の製造には、通常、中空構造板を製造する際に用いられる方法を、適宜自由に選択して用いることができる。なお、図6において、矢印jは中空構造板1の流れ方向を示す。
図6は、本発明に係る中空構造板1の製造方法の一例を示す概念図である。図6で示した製造方法では、まず、溶融状態の熱可塑性樹脂Pを、金型D1、D2で両側からプレスすることにより、中空構造部2を製造する。次に、中空部21内及び/又は連通部22内に薬剤10を入れる。そして、先端にTダイ101が設けられた押出機102から、可溶性樹脂を押し出してシート状にした表面材3を、加熱手段が設けられたローラーRを用いて熱融着により中空構造部2に積層し、本発明に係る中空構造板1を製造する。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.試験方法及び試験結果
まず、以下の表1に示す実施例1~4の中空構造板を作製した。実施例1及び2の中空構造板は、図1で示した構造を図6で示した製造方法により作製し、実施例3の中空構造板は、図2で示した構造を図6で示した製造方法により作製し、実施例4の中空構造板は、図5で示した構造を図6で示した製造方法により作製した。
Figure 0007158205000001
なお、表1中、PETはポリエチレンテレフタレートを示し、PCはポリカーボネートを示す。また、表1中、「体積比率」とは、薬剤10の中空部21又は連通部22内の体積に占める体積比率を指す。
実施例1~4の中空構造板においては、表面材における可溶性樹脂として、※1:水溶性ポリエステル樹脂を用い、薬剤として、※2:常温液体ガラス剤を用いた。
次に、各中空構造板において、以下の評価を行った。また、以下の評価結果は、表1に併記した。
[目視での確認]
各中空構造板をトンネルの壁面に貼り付け、24時間放置した。24時間後、表面材の少なくとも一部が溶け、薬剤の作用(常温液体ガラスコーティング作用)が確認できたものを、「○」、確認できなかったものを「×」と評価した。
2.考察
実施例1~4の中空構造板を用いることで、いずれも、目的に応じて、内部の薬剤を簡便に作用させることができることが分かった。
本発明によれば、目的に応じて、内部の薬剤を簡便に作用させることができる中空構造板を提供できる。そのため、本発明に係る中空構造板は、箱材や梱包材等の物流用途、壁や天井、トンネルなどに貼り合わせるパネル材等の建築用途、自動車の内装等の幅広い分野において、有用である。
1:中空構造板
10:薬剤
2:中空構造部
21:中空部
22:連通部
211:上面部
212:開口部
3:表面材
101:Tダイ
102:押出機
R:加熱手段が設けられたローラー
D1、D2:金型
P:溶融状態の熱可塑性樹脂
θ1:中空部21の開口部212から仮想される水平面と中空部21とがなす角度
θ2:横方向の中空部21の中心同士を結んだ線と斜め方向の中空部21の中心同士を結んだ線とがなす角度
h:立壁の高さ
L:中空部21の開口部212間の最短距離
I:薬剤10を有する中空部21同士の間隔
j:中空構造板1の流れ方向

Claims (3)

  1. 上面部及び下面に開口部を有する錐台形状且つ中空状の凸部が、一方の面に複数形成された樹脂からなる中空構造部と、
    前記中空構造部に積層される少なくとも1枚以上の、可溶性樹脂からなる表面材と、
    を少なくとも有し、
    少なくとも1以上の前記凸部内、及び/又は、前記中空構造部と前記表面材との間に連通部がある場合は該連通部の少なくとも一部に、1又は2種以上の薬剤を有する、中空構造板。
  2. 前記表面材における可溶性樹脂は、水溶性である、請求項1に記載の中空構造板。
  3. 前記薬剤の前記凸部内、及び/又は、前記連通部内の体積に占める体積比率は、10~85%である、請求項1又は2に記載の中空構造板。
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