JP3069476U - 断熱材 - Google Patents

断熱材

Info

Publication number
JP3069476U
JP3069476U JP1999009272U JP927299U JP3069476U JP 3069476 U JP3069476 U JP 3069476U JP 1999009272 U JP1999009272 U JP 1999009272U JP 927299 U JP927299 U JP 927299U JP 3069476 U JP3069476 U JP 3069476U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
heat insulating
insulating material
resin layer
metal foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1999009272U
Other languages
English (en)
Inventor
攝郎 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP1999009272U priority Critical patent/JP3069476U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3069476U publication Critical patent/JP3069476U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡シートの表面を金属蒸着フィルムで覆っ
た従来の断熱材の欠点に鑑みてなされたものであり、難
燃効果および断熱効果が高い断熱材を提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂
層およびポリオレフィン樹脂層をこの順に接着し、かつ
表面に多数のドーム状凸部を形成したフィルム(A)
と、ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層およびポ
リオレフィン樹脂層をこの順に接着したフィルム(B)
とを互いに接着して両フィルム間に多数の独立空気室を
備えた気泡シートを構成し、その気泡シートを複数枚積
層して積層体を構成するとともに、該積層体の両面に、
金属箔の片面にフィルムを接着した金属箔付きフィルム
(C)を、フィルム側を前記積層体側に向けて被覆接着
したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、気泡シートを構成要素として含む断熱材に関し、より詳しくは、気 泡シートを構成要素として含む難燃性に優れる断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に多数のドーム状凸部を有する熱可塑性樹脂フィルムと、平板状の熱可塑 性樹脂フィルムとを互いに接着して両フィルム間に多数の独立空気室を形成した 気泡シートを構成し、その気泡シートの複数枚を積層して積層体を構成してなる 断熱材は公知である(例えば、実開昭59−47450号)。さらに、その断熱 材を、金属蒸着した合成樹脂フィルムを合成樹脂フィルム側を外側にして覆って なる断熱材も知られている(例えば、実公昭58−45883号)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、公知の断熱材では、金属蒸着した合成樹脂フィルムが合成樹脂 フィルム側を外側にして接着されており、即ち、表面に合成樹脂フィルムが露出 しているため火花等で表面に孔が開いたり、着火し易いとうい問題があった。
【0004】 そこで、本考案は、気泡シートの表面を金属蒸着フィルムで覆った従来の断熱 材の欠点に鑑みてなされたものであり、難燃効果および断熱効果が高い断熱材を 提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る請求項1の断熱材は、ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層 およびポリオレフィン樹脂層をこの順に接着し、かつ表面に多数のドーム状凸部 を形成したフィルム(A)と、ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層および ポリオレフィン樹脂層をこの順に接着したフィルム(B)とを互いに接着して両 フィルム間に多数の独立空気室を備えた気泡シートを構成し、その気泡シートを 複数枚積層して積層体を構成するとともに、該積層体の両面に、金属箔の片面に フィルムを接着した金属箔付きフィルム(C)を、フィルム側を前記積層体側に 向けて被覆接着したことを特徴としている。 なお、ドーム状凸部とは、内側に中空部が画成されている凸部を指し、半球形 状に限定されるものではない。
【0006】 この考案の断熱材によれば、気泡シートが複数枚積層されているので断熱性が 高い。複数枚とは2枚以上を意味するが、好ましくは2〜10枚、より好ましく は3〜9枚である。 また、この考案の断熱材によれば、金属箔が表面に露出しているので難燃性が 高く、また、金属箔は片面にフィルム層を有するので金属箔が剥離しにくくなっ ており、さらに金属箔付フィルムが樹脂フィルム積層体に接着されているのでい っそう金属箔が剥離しにくい。 また、この考案の断熱材によれば、フィルム(A)とフィルム(B)とがそれ ぞれポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層およびポリオレフィン樹脂層がこ の順に接着された多層フィルムからなるため、気泡シートがパンクし難く、かつ 気泡シート内の空気が気泡シート外に透過し難くなっているので、長期にわたっ て高い断熱効果が維持でる。 また、この考案の断熱材によれば、柔軟であるため色々な形状に変形が容易で あるため、従来のグラスウール断熱材に替えて同様の用途としての使用が可能で ある。柔軟な断熱材とは、板状の状態から直径200mmのパイプの外周に沿わ せて容易に巻き込むことができ、その際に破断が生じることなく、再度破断する ことなく板状に戻すことが可能な断熱材を意味する。 また、この考案の断熱材によれば、ポリアミド樹脂層の両面にポリオレフィン 樹脂層が存在するためポリアミド樹脂層の吸湿を防止できるので、長期にわたり 気泡シート内の空気が気泡シート外に透過し難い。 また、この考案の断熱材によれば、ポリアミド樹脂の耐熱性と表面の金属箔の 熱の分散効果との相乗効果により、断熱材表面に火が触れても火がつき難く、気 泡シートに孔も開き難い。
【0007】 本考案に係る請求項2の断熱材は、請求項1の断熱材において、フィルム(A )とフィルム(B)の各々の厚みが2〜100μmであることを特徴としている 。
【0008】 この考案の断熱材によれば、独立空気室が破裂し難く、かつ柔軟性に優れる。 厚みが2μmよりも薄いと、独立空気室が破裂し易くなり、厚みが100μmよ りも厚いと、気泡シートにしなやささがなくなり、断熱材の柔軟性が損なわれる 。
【0009】 本考案に係る請求項3の断熱材は、請求項1または2の断熱材において、金属 箔,合成樹脂層および粘着剤層をこの順に積層した粘着テープ(D)を使用し、 金属箔が外側を向くようにして積層体の開放端をシールしたことを特徴としてい る。 この考案の断熱材によれば、断熱材の周囲が燃え難くなり、曲げ抵抗と捩じり 抵抗が大きくなるので保形性に優れる。 また、粘着テープによって断熱材の周囲が完全に覆われると、ドーム状凸部間 の空間が外部と遮断された独立空間となり、断熱効果がさらに高められる。
【0010】 本考案に係る請求項4の断熱材は、請求項1乃至3のいずれかの断熱材におい て、金属箔付きフィルム(C)におけるフィルムと金属箔との間に、長手方向に 延伸させてなる紐状物の複数を一方向とそれと直交する方向のそれぞれに向けて 配列させた中間層を介在させたことを特徴としている。 この考案の断熱材によれば、片面にフィルム層を有する金属箔の引張強度が高 まり、かつ金属箔がいっそう剥離し難くなる。
【0011】 本考案に係る請求項5の断熱材は、請求項1乃至4のいずれかの断熱材におい て、金属箔付きフィルム(C)の金属箔が、厚み7〜100μmのアルミニウム 箔であることを特徴としている。 この考案の断熱材によれば、アルミニウムは熱伝導性に優れているので、表面 に火が触れた場合にも気泡シートに孔が開き難く、しかも安価に得られる。また 、アルミニウムは熱反射性にも優れているので、断熱材の断熱性アップにも効果 を発揮する。アルミニウム箔の厚みは、表面に火が触れた場合に、熱を分散させ て気泡シートの孔開きを防止する上で、7μm以上であることが好ましく、断熱 材の柔軟性を維持するために100μm以下であることが好ましい。
【0012】 本考案に係る請求項6の断熱材は、請求項1乃至5のいずれかの断熱材におい て、積層体を構成する気泡シートと気泡シートとの間に金属膜層(E)を介在さ せたことを特徴としている。 この考案の断熱材によれば、より断熱性能を高めた断熱材が得られる。 金属膜層(E)は、金属箔でも金属箔付フィルムでも金属蒸着フィルムであっ てもよい。その厚みは、断熱材の柔軟性を阻害しない範囲で選定される。
【0013】 本考案に係る請求項7の断熱材は、請求項1乃至6のいずれかの断熱材におい て、ドーム状凸部間に画成される空間に相手側のドーム状凸部が嵌まり込まない ように空間の面積と凸部の大きさが設定されていることを特徴としている。 この考案の断熱材によれば、断熱材の厚みが一定厚に維持される。 気泡シートにおけるドーム状凸部によって画成された空間に相対向する気泡シ ートのドーム状凸部が嵌まり込まないため、断熱材の厚みは、それらの凸部の高 さの和の厚みが確保される。
【0014】
【考案の実施の形態】
本考案の断熱材1では、図1に示したように、表面に多数の円柱形のドーム状 凸部2が形成されたフィルムAの裏面にフィルムBを接着して、多数の独立空気 室3を形成した気泡シート4を構成し、その気泡シート4を複数枚積層して積層 体5と成し、該積層体5の両面に金属箔付きフィルムCを被覆接着している。
【0015】 本考案の断熱材1におけるフィルムAは、図2(a)に示したように、ポリア ミド樹脂層11の両面にポリオレフィン樹脂層12,13を被覆させたもので、 表面に形成される凸部2は、エンボス加工等の公知の加工方法(例えば、米国特 許明細書第4,314,865号に開示されている加工方法等)によって形成さ れる。 また、本考案の断熱材1におけるフィルムBは、図2(b)に示したように、 ポリアミド樹脂層14の両面にポリオレフィン樹脂層15,16が被覆されたも のである。 さらにまた、本考案の断熱材1における金属箔付きフィルムCは、図2(c) に示したように、金属箔17の片面に、長手方向に延伸されてなる紐状物の複数 を一方向とそれと直交する方向のそれぞれに向けて配列させた中間層18を介し てフィルム19を接着したものである。
【0016】 そして、断熱材1は、図3に示したように、フィルムAの裏面(凸部2が形成 されている側と反対の側の面)にフィルムBを接着させて、凸部2の内面とフィ ルムBとによって独立した空気室3を形成して気泡シート4を形成し、それらの 気泡シート4,4を凸部2が互いに対向するようにして積層体5を構成し、その 積層体5の外面に、金属箔付きフィルムCのフィルム19を接着して構成される 。
【0017】 さらに、この断熱材1では、図2(d)に示したように、金属箔20,合成樹 脂層21および粘着剤層22がこの順に積層された粘着テープDを使用し、図3 に示したように、金属箔20が外側を向くようにして積層体5の開放端をシール している。
【0018】 本考案で用いられるポリアミド樹脂としては、ナイロン66、ナイロン610 、ナイロン10,10、ナイロン6、ナイロン−4、ナイロン9、ナイロン11 等の脂肪族ポリアミド、ポリ−フェニレンイソフタラミド、ポリ−キシリレ ンアジパミド、ポリ−キシリレンセバカミド等の芳香族ポリアミド、ポリ− キシリレン/ヘキサメチレンアジパミド等の脂肪族/芳香族ポリアミド共重合体 等が挙げられる。ポリアミド樹脂層中には上記ポリアミド樹脂が少なくとも60 重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に 好ましくは90重量%以上の割合で含まれていることが、本考案の目的を達成す る上で望ましい。
【0019】 また、本考案で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリ プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、 エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン −4−メチルペンテン−1共重合体等のオレフィンの単独重合体またはオレフィ ン同士の共重合体、或いはオレフィンと、酢酸ビニル,アクリル酸,メタクリル 酸,無水マレイン酸等のオレフィン以外のモノマー(変性ポリオレフィン樹脂中 での当該モノマーユニットが0を超え、35重量%以下の割合となる量で)との ランダム共重合体またはグラフト共重合体等の変性ポリオレフィン樹脂が例示さ れる。ポリオレフィン樹脂層中には上記ポリオレフィン樹脂が少なくとも60重 量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好 ましくは90重量%以上の割合で含まれていることが、本考案の目的を達成する 上で望ましい。
【0020】 本考案において、フィルムAとフィルムBの各々を製造する方法は、特に制約 されず、例えば、溶融状態のポリアミド系樹脂を中間層としてその両側に溶融状 態のポリオレフィン系樹脂を重ね合わせてその状態でTダイス等から押し出して フィルム化する方法が挙げられる。ポリアミド樹脂層とポリオレフィン樹脂層と が互いに熱接着性が無いまたは乏しい場合には、ポリアミド樹脂層とポリオレフ ィン樹脂層との間に、両者との熱接着性に優れた樹脂等の層を接着剤層として介 在させる必要がある。
【0021】 なお、気泡シート4,4同士の重ね合わせについては、気泡シート4,4同士 の接着は、必ずしも必要ないが、後加工で周囲を粘着テープD等でシールする場 合は、気泡シート4,4同士が接着されていると、気泡シート4,4同士がずれ ないのでシールし易い。また、積層体5を適当な大きさにカットした場合には、 気泡シート4,4同士が接着されていないと、気泡シート4,4間で分離してし まうので、取扱い難くなる。気泡シート4,4同士の接着は、通常、接着剤を使 用して行われる。 本考案では、金属蒸着フィルムは、金属箔付きフィルムCの概念から除かれる 。 ここで使用されるフィルム21としては、ポリエチレン樹脂フィルム等のポリ オレフィン樹脂フィルムが好ましい。通常、このフィルム21は金属箔20の一 方の面に押出ラミネートされて接着される。 気泡シート4のドーム状凸部2の形状は、円柱状,楕円柱状,三角柱,4角柱 ,多角柱状等の柱状形が好ましい。なぜならば、凸部2の形状が円錐,三角錐, 四角錐等の錐状を成していると、気泡シート4,4を凸部2,2同士を対向させ て重ねた場合に、一方の気泡シート4の凸部2が他方の気泡シート4の凸部2, 2間の間隙に入り込んでしまうため、断熱材1の厚みが薄くなってしまい、断熱 性能の低下が懸念されるからである。凸部2の高さは3〜50mmが好ましく、 5〜30mmがより好ましい。また、凸部2の大きさは、平面図における面積で 表示した場合、50〜2000mmが好ましく、100〜1500mmがよ り好ましい。
【0022】
【実施例】
気泡シートの製造: エチレンと少量のα−オレフィンとのランダム共重合体であって、密度が0. 934g/cmのポリエチレン系共重合樹脂(メルトインデックス:2g/1 0min.(190℃/2.16kg荷重))66.7%と、密度が0.923 g/cmの高圧法長鎖分岐ポリエチレン樹脂33.3%との混合ポリエチレン からなる樹脂層、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層,ナイロン6 層,無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層および上記したものと同じ 混合ポリエチレンからなる樹脂層が、この順に並ぶようにTダイスから共押出法 でフィルム状とした後、これをエンボスロールで真空成形して多数の円柱状凸部 2を有するフィルムAを製造した。 一方、上記凸部2を有するフィルムAと同じ層構成で別のTダイスから共押出 法でフィルムBを製造し、このフィルムBを、前記凸部2の形成は終了している が未だエンボスロール上にある凸部2を有するフィルムAの裏面に導いてエンボ スロールと表面にゴムが被覆されたニップロールとの間で強くプレスしつつ、両 フィルムA,Bを強固に熱接着して、幅1200mmの長尺な気泡シート4を製 造した。 この気泡シート4は、各円柱状凸部の直径が30mmであり、凸部の高さが1 0mmであり、いずれの方向においても隣り合う凸部底部での最短距離が2mm となるように独立空気室3が配列されたものである。 この気泡シート4の1m当たりの重量は101g(エンボスロール側フィル ム重量:ニップルロール側フィルム重量=1.8:1)であった。前記2つのフ ィルムA,Bは、いずれも各フィルムを構成する層の重量比が、混合ポリエチレ ンからなる樹脂層:無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:ナイロン 6層:無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:混合ポリエチレンから なる樹脂層=48:0.5:3:0.5:48であった。
【0023】 断熱材試験体: 製造された気泡シート4から次の3つのサンプルを作成した。 〔サンプル1〕 図4(a)に示したように、2枚の気泡シート4,4を凸部 2,2同士が対向するようにして接着して厚み20mmの断熱材試験体を得た。 これをサンプル1と呼ぶ。 〔サンプル2〕 図4(b)に示したように、気泡シート4の平な面に、約2 0μmのアルミニウム箔にポリエチレン樹脂を押出ラミネートして製造した金属 箔付フィルムCを接着した。この金属箔を表面に有する2枚の気泡シート4,4 を凸部2,2同士が対向するようにして接着して厚み20mmの断熱材試験体を 得た。これをサンプル2と呼ぶ。 〔サンプル3〕 図4(c)に示したように、サンプル2の凸部2と凸部2の 間にさらに上記したものと同じ金属付フィルムCを金属膜層Eとして接着して厚 み20mmの断熱材試験体を得た。これをサンプル3と呼ぶ。
【0024】 断熱材試験体の熱伝導率測定: サンプル1〜3に対し、JIS1412−1994の「平板熱流計法」(熱流 計2枚方式、サンプルの平均温度23℃)に従って(但し、各サンプルはそのま まの厚みで測定される)熱伝導率を測定したところ、次の結果を得た。 〔サンプル1〕 0.077W/(m・K) 〔サンプル2〕 0.056W/(m・K) 〔サンプル3〕 0.048W/(m・K)
【0025】 以上のことから、両面に金属箔付きフィルムCが接着された断熱材(サンプル 2)は、両面に金属箔付きフィルムCがない断熱材(サンプル1)よりも断熱性 能が高いことが分かる。また、両面に金属箔付きフィルムCが接着された上、気 泡シート4,4間に金属膜層Eを介在させた断熱材(サンプル3)は、両面に金 属箔付きフィルムCが接着された断熱材(サンプル2)よりも断熱性能が高いこ とが分かる。
【0026】 断熱材の熱貫流抵抗の測定: 製造された気泡シート4からさらに次のサンプルを作成した。 〔サンプル4〕 図4(d)に示したように、気泡シート4の平らな面に、約 20μmの厚みのポリエチレン樹脂を厚み約15μmのアルミニウム箔に押出ラ ミネートして製造した金属箔付きフィルムCを接着した。この金属箔を平面に有 する2枚の気泡シート4,4を凸部2,2同士が対向するようにして、かつその 間に金属箔を表面に有さない気泡シート4を挟んで気泡シート同士を接着して厚 み30mmの断熱材試験体を得た。これをサンプル4と呼ぶ。 サンプル3とサンプル4に対し、JIS A1420−1994に従い、熱流 方向:上向き、設定温度:加熱箱内空気35℃,恒温室内空気15℃、気流:加 熱箱側0.5m/s、恒温室側を自然対流とする条件で熱貫流抵抗を測定したと ころ次の結果を得た。 〔サンプル3〕 0.85(m・K)/W 〔サンプル4〕 0.81(m・K)/W
【0027】 以上の結果は、金属箔を表面に有する2枚の気泡シート4,4を凸部2,2同 士が対向するようにして、かつそれら気泡シート4,4間に金属箔を表面に有さ ない気泡シート4を挟んで気泡シート同士を接着して厚み30mmの断熱材(サ ンプル4)と、金属箔を表面に有する2枚の気泡シート4,4を凸部2,2同士 が対向するようにし、かつ凸部2,2間に金属箔付きフィルムCを間に挟んで接 着してなる厚み20mmの断熱材(サンプル3)とを比較すると、後者は前者よ りも厚みが薄いにもかかわらず断熱性能が優れている。 このことは、気泡シート4,4間にさらに金属膜層が存在するものは気泡シー ト4,4間に金属膜層が存在しないものよりも厚みが薄くても同等以上の断熱性 能が得られるということであり、軽量化,保管スペースの減少化に寄与する。
【0028】 断熱材の難燃性・耐火性の評価: サンプル1とサンプル2の各々に対して、表面に着火したマッチを近づけてみ た。サンプル1は直ちに独立空気室3が破壊され、かつ着火した。サンプル2は 少なくとも3秒間、独立空気室3が破壊されることなく、またその着火も見られ なかった。 このように、本考案の断熱材は火に強いことが分かる。
【0029】
【考案の効果】
本考案に係る請求項1の断熱材は、ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層 およびポリオレフィン樹脂層をこの順に接着し、かつ表面に多数のドーム状凸部 を形成したフィルム(A)と、ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層および ポリオレフィン樹脂層をこの順に接着したフィルム(B)とを互いに接着して両 フィルム間に多数の独立空気室を備えた気泡シートを構成し、その気泡シートを 複数枚積層して積層体を構成するとともに、該積層体の両面に、金属箔の片面に フィルムを接着した金属箔付きフィルム(C)を、フィルム側を前記積層体側に 向けて被覆接着したことを特徴としている。 したがって、この考案の断熱材によれば、気泡シートが複数枚積層されている ので断熱性が高い。しかも金属箔が表面に露出しているので難燃性が高く、また 、金属箔は片面にフィルム層を有するので金属箔が剥離し難く、さらに金属箔付 フィルムが樹脂フィルム積層体に接着されているのでいっそう金属箔が剥離し難 い。 また、この考案の断熱材によれば、フィルム(A)とフィルム(B)とがそれ ぞれポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層およびポリオレフィン樹脂層がこ の順に接着された多層フィルムからなるため、気泡シートがパンクし難く、かつ 気泡シート内の空気が気泡シート外に透過し難くなっているので、長期にわたっ て高い断熱効果が維持できる。 また、この考案の断熱材によれば、柔軟であるため色々な形状に変形が容易で あるため、従来のグラスウール断熱材の用途としての使用が可能である。 また、この考案の断熱材によれば、ポリアミド樹脂層の両面にポリオレフィン 樹脂層が存在するためポリアミド樹脂層の吸湿を防止できるので、長期にわたり 気泡シート内の空気が気泡シート外に透過し難い。 また、この考案の断熱材によれば、ポリアミド樹脂の耐熱性と表面の金属箔の 熱の分散効果との相乗効果により、断熱材表面に火が触れても火がつき難く、気 泡シートに孔も開き難い。
【0030】 本考案に係る請求項2の断熱材は、請求項1の断熱材において、フィルム(A )とフィルム(B)の各々の厚みが2〜100μmであることを特徴としている 。 したがって、この考案の断熱材によれば、独立空気室が破裂し難く、かつ柔軟 性に優れる。厚みが2μmよりも薄いと、独立空気室が破裂し易くなり、厚みが 100μmよりも厚いと、気泡シートにしなやかさがなくなり、断熱材の柔軟性 が損なわれる。
【0031】 本考案に係る請求項3の断熱材は、請求項1または2の断熱材において、金属 箔,合成樹脂層および粘着剤層をこの順に積層した粘着テープ(D)を使用し、 金属箔が外側を向くようにして積層体の開放端をシールしたことを特徴としてい る。 したがって、この考案の断熱材によれば、断熱材の周囲が燃え難くなり、曲げ 抵抗と捩じり抵抗が大きくなるので保形性に優れる。また、粘着テープによって 断熱材の周囲が完全に覆われると、ドーム状凸部間の空間が外部と遮断された独 立空間となり、断熱効果がさらに高められる。
【0032】 本考案に係る請求項4の断熱材は、請求項1乃至3のいずれかの断熱材におい て、金属箔付きフィルム(C)におけるフィルムと金属箔との間に、長手方向に 延伸させてなる紐状物の複数を一方向とそれと直交する方向のそれぞれに向けて 配列させた中間層を介在させたことを特徴としている。 したがって、この考案の断熱材によれば、片面にフィルム層を有する金属箔の 引張強度が高まり、かつ金属箔がいっそう剥離し難くなる。
【0033】 本考案に係る請求項5の断熱材は、請求項1乃至4のいずれかの断熱材におい て、金属箔付きフィルム(C)の金属箔が、厚み7〜100μmのアルミニウム 箔であることを特徴としている。 したがって、この考案の断熱材によれば、アルミニウムは熱伝導性に優れてい るので、表面に火が触れた場合にも気泡シートに孔が開き難く、しかも安価に得 られる。アルミニウム箔の厚みは、表面に火が触れた場合に、熱を分散させて気 泡シートの孔開きを防止する上で、7μm以上であることが好ましく、断熱材の 柔軟性を維持するために100μm以下であることが好ましい。
【0034】 本考案に係る請求項6の断熱材は、請求項1乃至5のいずれかの断熱材におい て、積層体を構成する気泡シートと気泡シートとの間に金属膜層(E)を介在さ せたことを特徴としている。 したがって、この考案の断熱材によれば、より断熱性能の高い断熱材が得られ る。
【0035】 本考案に係る請求項7の断熱材は、請求項1乃至6のいずれかの断熱材におい て、ドーム状凸部間に画成される空間に相手側のドーム状凸部が嵌まり込まない ように空間の面積と凸部の大きさが設定されていることを特徴としている。 したがって、この考案の断熱材によれば、気泡シートにおけるドーム状凸部に よって画成された空間に相対向する気泡シートのドーム状凸部が嵌まり込まない ため、断熱材の厚みは、それらの凸部の高さの和の厚みが確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る断熱材の一実施の形態の構成を示
した分解斜視図である。
【図2】本考案に係る断熱材の各要素を示した断面図で
ある。
【図3】本考案に係る断熱材の一実施の形態の構造を概
念的に示した部分断面図である。
【図4】本考案に係る断熱材の実施の形態の種類を例示
した断面図である。
【符号の説明】
1 断熱材 2 突起 3 独立空気室 4 気泡シート 5 積層体 11〜16 合成樹脂層 17 金属箔 18 中間層 19 フィルム 20 金属箔 21 合成樹脂層 22 粘着剤層 A,B,C フィルム D 粘着テープ E 金属膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16L 59/10 F16L 59/10

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂
    層およびポリオレフィン樹脂層をこの順に接着し、かつ
    表面に多数のドーム状凸部を形成したフィルム(A)
    と、ポリオレフィン樹脂層,ポリアミド樹脂層およびポ
    リオレフィン樹脂層をこの順に接着したフィルム(B)
    とを互いに接着して両フィルム間に多数の独立空気室を
    備えた気泡シートを構成し、その気泡シートを複数枚積
    層して積層体を構成するとともに、該積層体の両面に、
    金属箔の片面にフィルムを接着した金属箔付きフィルム
    (C)を、フィルム側を前記積層体側に向けて被覆接着
    したことを特徴とする断熱材。
  2. 【請求項2】 フィルム(A)とフィルム(B)の各々
    の厚みが2〜100μmであることを特徴とする請求項
    1に記載の断熱材。
  3. 【請求項3】 金属箔,合成樹脂層および粘着剤層をこ
    の順に積層した粘着テープ(D)を使用し、金属箔が外
    側を向くようにして積層体の開放端をシールしたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の断熱材。
  4. 【請求項4】 金属箔付きフィルム(C)におけるフィ
    ルムと金属箔との間に、長手方向に延伸させてなる紐状
    物の複数を一方向とそれと直交する方向のそれぞれに向
    けて配列させた中間層を介在させたことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の断熱材。
  5. 【請求項5】 金属箔付きフィルム(C)の金属箔が、
    厚み7〜100μmのアルミニウム箔であることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の断熱材。
  6. 【請求項6】 積層体を構成する気泡シートと気泡シー
    トとの間に金属膜層(E)を介在させたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の断熱材。
  7. 【請求項7】 ドーム状凸部間に画成される空間に相手
    側のドーム状凸部が嵌まり込まないように空間の面積と
    凸部の大きさが設定されていることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載の断熱材。
JP1999009272U 1999-12-07 1999-12-07 断熱材 Expired - Lifetime JP3069476U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1999009272U JP3069476U (ja) 1999-12-07 1999-12-07 断熱材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1999009272U JP3069476U (ja) 1999-12-07 1999-12-07 断熱材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3069476U true JP3069476U (ja) 2000-06-23

Family

ID=43202938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1999009272U Expired - Lifetime JP3069476U (ja) 1999-12-07 1999-12-07 断熱材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3069476U (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003080326A1 (fr) * 2002-03-26 2003-10-02 Ube-Nitto Kasei Co., Ltd. Plaque a structure creuse, procede et dispositif de fabrication associes et plaque a structure absorbant les sons
WO2013132677A1 (ja) * 2012-03-07 2013-09-12 豊田鉄工株式会社 重ね合わせ複合部品
JP2013248307A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Macneel Corp 保冷保温鞄とその素材の製造方法
US9815418B2 (en) 2013-05-15 2017-11-14 Toyoda Iron Works Co., Ltd. Laminated composite interior part
KR20180017123A (ko) * 2015-06-11 2018-02-20 콜린스 에스.피.에이. 다수의 중심 열성형 필름이 구비된 폴리프로필렌 기반의 허니컴 샌드위치 시트 또는 패널
JP2021104653A (ja) * 2019-12-27 2021-07-26 洋一 久永 遮熱材、テント、及び遮熱材の製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003080326A1 (fr) * 2002-03-26 2003-10-02 Ube-Nitto Kasei Co., Ltd. Plaque a structure creuse, procede et dispositif de fabrication associes et plaque a structure absorbant les sons
US7754312B2 (en) 2002-03-26 2010-07-13 Ube Nitto Kasei Co., Ltd. Hollow structure plate, manufacturing method thereof, manufacturing device thereof, and sound absorbing structure plate
WO2013132677A1 (ja) * 2012-03-07 2013-09-12 豊田鉄工株式会社 重ね合わせ複合部品
RU2578300C1 (ru) * 2012-03-07 2016-03-27 Тоеда Айрон Уоркс Ко., Лтд Накладной композиционный компонент
JP2013248307A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Macneel Corp 保冷保温鞄とその素材の製造方法
US9815418B2 (en) 2013-05-15 2017-11-14 Toyoda Iron Works Co., Ltd. Laminated composite interior part
KR20180017123A (ko) * 2015-06-11 2018-02-20 콜린스 에스.피.에이. 다수의 중심 열성형 필름이 구비된 폴리프로필렌 기반의 허니컴 샌드위치 시트 또는 패널
JP2018522761A (ja) * 2015-06-11 2018-08-16 コリネス エス.ピー.エー. 複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネル
JP2021119051A (ja) * 2015-06-11 2021-08-12 コリネス エス.ピー.エー. 複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造する方法及び装置
JP7102030B2 (ja) 2015-06-11 2022-07-19 コリネス エス.ピー.エー. 複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造する方法及び装置
JP2021104653A (ja) * 2019-12-27 2021-07-26 洋一 久永 遮熱材、テント、及び遮熱材の製造方法
JP7426696B2 (ja) 2019-12-27 2024-02-02 洋一 久永 遮熱材、テント、及び遮熱材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6852391B2 (en) Insulating composite materials and methods for producing and using same
US4284674A (en) Thermal insulation
EP0254531B1 (en) Cushioning material
US9322164B2 (en) Multilayer air-cellular insulation laminate containing two-side metallized film
FI78641B (fi) Kombinerad foerpackningsfilm, vilken aer ogenomtraenglig foer gaser och aongor och bestaor av tvao olefinpolymerfilmer.
JP3069476U (ja) 断熱材
US4335175A (en) Thermoplastic film laminates
ES2151499T5 (es) Uso de estratificados mejorados, impermeables a liquidos y permeables a vapores de liquidos, como materiales para forros interiores de techos.
EP3106580A1 (en) A covering for insulation panels for external thermal insulation composite system
JP2015102593A (ja) 吸音材
CA1289444C (en) Film faced expanded polystyrene foam board
KR101830688B1 (ko) 샌드위치 판넬
JPH0742715Y2 (ja) 積層シート
KR900017773A (ko) 산소 불투과성의 누출되지 않는 용기
JPS6353029B2 (ja)
JP4958390B2 (ja) 中空構造板及びその製造方法
WO2020213685A1 (ja) 吸音材
AU2006203389A1 (en) Perforated Sheeting
TWI247672B (en) Cross laminated oriented plastic film with integral core
JPS6140517Y2 (ja)
JPS5845883Y2 (ja) 断熱性複合材料
FI95012B (fi) Eristysmateriaali, menetelmä sen valmistamiseksi ja valmistuksessa käytettävä laminaatti
JPH06238800A (ja) 孔を有する立体構造形成積層体
JPH0735033U (ja) 透湿性防水シート
EP2394812A1 (en) Composite material and sheet material provided therewith

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term