JPWO2008123130A1 - 印刷古紙の脱墨方法 - Google Patents

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Abstract

粘着物を含む印刷古紙を原料とする脱墨パルプの製造において、粘着異物の微細化を防ぎ、排水のCODを低下させ、かつ残留インキ量の少ない脱墨パルプを製造することを目的とする。粘着物を含む印刷古紙の脱墨パルプの製造の際のインキ剥離工程において結晶性層状珪酸塩の無水物を好ましくは絶乾パルプに対して0.1〜1.5質量%添加し、pH7.0〜9.9でインキ剥離処理を行う。本発明では、一般に粘着異物の低減には効果があるがインキ剥離性に劣るといわれる弱アルカリ性から中性領域の条件でインキ剥離処理を行なっても、残留インキの少ない脱墨パルプを製造できる。

Description

本発明は印刷された古紙から脱墨パルプを製造する方法に係るものである。
近年、省資源あるいは地球規模での環境保護といった観点から、古紙の再生利用が注目される中で、古紙をより高度に処理し、再生利用の範囲を拡大することが製紙業界における極めて重要な課題となっている。この一つの方向として印刷古紙の印刷インキを脱墨して除去し、残留インキの少ないパルプを製造して、必要に応じてバージンパルプと混合し新たな紙が製造されている。
しかしながら、脱墨パルプ製造における離解処理やインキ剥離処理では、一般に10を超えるpHといった高アルカリ条件下で高剪断力をかけるため、古紙の中に混入している粘着剤、接着剤、粘着テープ、雑誌の背糊、ビニールテープ等の異物が微細化し、その後のスクリーンやクリーナーなどといった精選処理を通しても完全に取り除くことは非常に困難となっている。脱墨パルプに微細化された異物が混入していると脱墨パルプを用いて紙を製造する際に紙切れなどのマシントラブルが生じたり、紙に異物が抄き込まれるなどの紙の品質の低下が起こる。さらに、アルカリ条件下で高剪断力をかけるため、排液の化学的酸素要求量(COD, chemical oxygen demand)が増加し、またパルプ繊維が痛むので濾水度が低下しマシン走行性が悪化し、さらに嵩の低い光学適性に劣るパルプとなるという問題がある。
紙パ技協紙 第49巻(1) 121〜130頁(非特許文献1)に、低温、中性で印刷古紙を離解することによって異物の微細化を防ぎ、スクリーンなどで異物を大きい状態で取り除いてから、高アルカリ条件下でインキを剥離する方法が提案されている。しかし、異物に関しては改善が期待されるが、高アルカリ条件下で高剪断力をパルプに与えることになり、CODの低下に関しては期待できない。
これらの課題に対し、脱墨パルプ(DIP, deinked pulp)製造でのアルカリ薬品を軽減し、中性化することにより古紙の中に混入している異物の微細化を防ぎ、かつ排液のCODを低下させる方法が提案されている。しかし、アルカリ薬品の軽減はインキ剥離性の低下を招き最終パルプの品質を損なうことになる。そのため特開平11−200269号公報(特許文献1)ではアルカリ条件下で熟成した印刷古紙を酸添中和する方法を採用し、中和後あるいは中和と同時に高剪断力をかけることで残留インキの少ないDIPを製造し、かつDIP製造工程からの排液のCODを低下させる方法を提案している。しかし、アルカリ熟成した古紙の中和に酸を使用することはコストアップに繋がっている。
特許第3260211号公報(特許文献2)には、脱インキ性能を有する結晶性珪酸塩が示されている。しかし、これを、弱アルカリ性から中性領域といった脱インキが困難である条件下で使用することは示されていない。
特開平11−200269号公報 特許第3260211号公報 紙パ技協紙 第49巻(1) 121〜130頁
本発明の課題は、インキ剥離処理を弱アルカリ性から中性領域の条件で行うことにより、異物の微細化を防ぎ、排水のCODを低下させ、かつ残留インキ量の少ない脱墨パルプを製造することである。
上記課題を解決するため、本発明者等は、弱アルカリ性領域から中性領域の条件における印刷古紙を原料とする脱墨パルプの製造方法について鋭意検討した。その結果、インキ剥離工程において結晶性層状珪酸塩の無水物を添加し、pH7.0〜9.9でパルプからインキを剥離する処理を行うことにより効果的に目的を達成できることを見出した。
結晶性層状珪酸塩の無水物をインキ剥離工程で使用することによって、通常用いられるpHが10を超えるような高アルカリ領域に比べてインキ剥離性に劣る弱アルカリ性から中性領域の条件で脱インキ処理を行っても、残留インキ量の少ない脱墨パルプを製造することができる。また、弱アルカリ性から中性領域の条件で脱インキ処理を行うことにより、粘着異物が過度に微細化されないので、後の除塵工程での粘着異物除去効率を向上させることができ、かつ排液のCODを低下させることができる。
本発明の脱墨パルプの原料となる古紙としては、新聞紙、チラシ、雑誌、書籍、事務用紙、その他複写機、OA機器から生ずる印刷紙などが含まれる。特に、粘着剤、接着剤、粘着テープ、雑誌の背糊等の粘着物を含む雑誌古紙等も本発明の脱墨パルプの原料として用いることができる。
通常、脱墨パルプの製造においては、アルカリ性薬品及び界面活性剤を添加して古紙の離解を行う離解処理、機械的シェアとアルカリ条件下でインキをパルプから剥離するインキ剥離処理、パルプから分離されたインキを除去するフローテーション処理及び/または洗浄処理、一般的には10〜35質量%のパルプ濃度に脱水した後、アルカリ性薬品、過酸化水素及び/または界面活性剤を添加してパルプからインキをさらに剥離させるアルカリ浸漬処理、さらに、再度のフローテーション処理及び/または洗浄処理が行なわれる。この後、除塵工程(異物除去工程)で異物が除去される。
本発明において、無水物の結晶性層状珪酸塩をインキ剥離工程で添加することが必須である。本発明における「インキ剥離工程」とは、パルプ繊維に付着しているインキを機械的なシェアを与えることにより剥離する工程のことをいい、具体的には、上記の離解処理、アルカリ浸漬処理(熟成処理ともいう)、及び機械的シェアによるインキ剥離処理をいう。結晶性層状珪酸塩はこれらの何れの処理で添加されても良い。
本発明においてはアルカリ性薬品の添加量を抑えることにより、pH7.0〜9.9、好ましくはpH7.0〜9.5の弱アルカリ性領域から中性領域の条件でインキ剥離を行う。pHが7.0より低い場合には、古紙の離解性やインキ剥離性が著しく低下するため、望ましくない。また、pHが9.9を超えた場合には、古紙の離解時のアルカリ性が強くなり、粘着異物の微細化が促進され、排液のCODが著しく増加するため、好ましくない。
本発明における離解処理では、高濃度パルパー、低濃度パルパー及びドラムパルパーのいずれを用いてもかまわないが、高濃度パルパーを用いて離解処理を行うことが好ましい。また、離解処理時の温度に関しては、好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下で行うものとするが、これに限られたものではない。
機械的シェアによるインキ剥離処理では、ニーダー、ディスパーザー及びリファイナーのいずれを用いてもかまわない。
本発明に使用する結晶性層状珪酸塩の無水物は、一般式としてNa2O・2SiO2、K2O・2SiO2等で表されるものを使用することが好ましいが、必ずしもそれに限定されるものではない。通常インキの剥離に使用される珪酸塩(水ガラス等)は、非結晶状態であり、定形の結晶構造を有するものではない。それに対して、本発明で使用する結晶性層状珪酸塩の無水物は、次の[化1]に示されるような構造を有するもので分子の基本構造がシリケート層(SiO4)とその周囲のナトリウムイオンあるいはカリウムイオンによって構成され、盤状の層が積み重なった層状構造を有し、δ型の結晶構造を有する。このような結晶性層状珪酸塩は、他の結晶性珪酸塩に比べて、金属イオン捕捉能力が格段に高い。
Figure 2008123130
本発明に使用する結晶性層状珪酸塩の無水物は、固体、若しくは懸濁液状態で添加されることが好ましいが、必ずしもそれに限定されるものではない。
また、粒子径が600μm以下であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。より好ましくは粒子径が60μm以上100μm以下のものを使用する。
本発明に使用する結晶性層状珪酸塩の無水物の添加量は、絶乾パルプ重量に対して0.1〜1.5質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。添加量を0.1質量%以上とすることにより、古紙の離解性やインキ剥離性をより良好にすることができる。また、1.5質量%以下とすることにより、古紙の離解時のアルカリ性が強くなりすぎるのを防ぎ、粘着異物の微細化やCODの著しい増加を抑えることができる。
結晶性層状珪酸塩の無水物と併用するアルカリ薬品は、苛性ソーダ、水酸化カリウム、珪酸ソーダ、炭酸ソーダのうち少なくとも一種類以上を使用すればよい。また、脱墨剤としてはいずれの種類の脱墨剤も使用できるが、主成分が長鎖アルキル基とポリエチレンオキサイド及び/またはポリプロピレンオキサイドからなる界面活性剤、つまり高級アルコール系脱墨剤であることがさらに好ましい。
離解処理、若しくは、インキ剥離処理を終えた後は、所望に応じて脱墨剤、漂白剤、キレート剤、凝集剤などのフローテーション助剤などを加えてフローテーション処理または洗浄処理を行なうことができる。また、その後、異物除去工程を行なうことができる。これらのときには繊維や異物に高剪断力がかからないため、pHは中性のままでもよいしアルカリ性にしてもかまわない。ただし、望ましくは中性のままで処理を行った方がパルプ繊維がアルカリ性条件下にある時間が短くなるので、CODの低減効果は高くなる。異物除去工程は離解処理の後及び/またはインキ剥離処理の後で行ってもよい。
本発明の方法により製造された脱墨パルプは、粘着異物が低減されているので、脱墨パルプを含む紙を製造する際に、粘着異物に起因する紙切れなどの欠陥の発生が抑えられ操業トラブルを軽減することができ、安定した生産性を確保することが可能になる。また、本発明の脱墨パルプを含む紙は、紙面上のダート(黒点、チリ等)が少なく、製品品質に優れる。本発明の脱墨パルプの製造方法においては、パルプ繊維の膨潤や損傷が抑制されるため、繊維の濾水性や強度が低下することがなく、したがって、嵩、不透明度、剛度が良好で、かつ印刷適性に優れた紙が得られる。
本発明の脱墨パルプを含む紙は、例えば、印刷用紙、情報記録用紙、加工用紙、衛生用紙等として使用することができる。さらに、塗工紙、情報記録用紙、加工用紙等の顔料を含む塗工層を有する紙の原紙としても使用することができる。
作用
結晶性層状珪酸塩の無水物を用いることにより、弱アルカリ性から中性領域の条件で脱インキ処理を行っても、未剥離インキの少ない脱インキパルプを製造することが可能となる。その理由としては、結晶性層状珪酸塩を使用することによるインキに対する砥粒効果、及び結晶性層状珪酸塩粒子表面の溶解による局所的なpH上昇によるインキ剥離の促進などが考えられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に示すが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で得られた脱墨パルプについて、下記の項目の測定を行い評価した。
<残インキの測定>
150メッシュ(φ0.1mm)を用いて濾液が清澄になるまでパルプ中の遊離インキを洗浄して除去した後、JIS P 8222に従って手抄きシートを作成し、スペックスキャン2000(アポジーテクノロジー社製、夾雑物測定装置)を用いてシート表面に残留したインキの面積率を測定した。
<CODの測定>
ディスパーザー出口から採取した脱墨パルプスラリーの濾液のCODを、JIS K 0102に準じて測定し、絶乾パルプ重量当たりのCOD(COD(kg)/絶乾パルプ重量(t))として表した。
<粘着異物個数及び面積>
以下に示す特願2006−95937号に開示された粘着異物測定方法に従って、粘着異物個数及び面積を測定した。
絶乾重量1kgの脱墨パルプを低濃度のスラリーに調製し、0.15mmのスリット幅を持つテスト用フラットスクリーンを用いて異物を分離した。それらの異物をガラス繊維系濾紙(以下甲と略記する)を用いて濾過し、濾紙上の異物を乾燥させた後、セルロース繊維系濾紙(以下乙と略記する)を、異物を挟むように上に被せて、105℃に加熱し、直ちに3.5kg/cm2で5分間加圧した。次に甲と乙とを異物付着面で剥がし、甲に付着した粘着異物(低粘着性異物)、及び乙に付着した粘着異物(高粘着性異物)を0.01%のオイルブルーNのエタノール溶液を用いて染色した。染色後、サンプルを水/エタノール=50/50の混合溶液内で5分間洗浄した。洗浄は2回繰り返した。サンプルを乾燥させた後、夾雑物測定装置(アポジーテクノロジー社製Spec Scan2000)を用いて、甲及び乙に付着した粘着異物の個数及び面積を計測した。
[実施例1]
容量2Lの回転数が任意に変更できる攪拌翼を備えたパルパーを用いて以下の実験を行った。パルパーに新聞古紙80質量%及び更系雑誌古紙20質量%からなる印刷古紙を入れた。ここに、さらに清水と薬品を加えてパルプ濃度が15質量%となるようにした。薬品としては、それぞれ古紙重量に基づいて、苛性ソーダ0.3%、結晶性層状珪酸塩の無水物(銘柄:プリフィード、トクヤマシルテック社製)0.1%、及び高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%を加えた。温度を40〜50℃とし、15分間、400rpmで離解を行った。続いて、粗選スクリーン、フローテーター、精選スクリーン、ディスパーザーを経て脱墨パルプを製造した。このようにして得られた脱墨パルプを150メッシュ(φ0.1mm)を用いて濾液が清澄になるまで洗浄した。残インキ及びCODの測定結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ0.3%、結晶性層状珪酸塩の無水物0.3%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ0.3%、結晶性層状珪酸塩の無水物0.5%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ1.0%、3号珪酸ソーダ(純分)1.0%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ1.0%、脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ0.1%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ0.3%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ0.3%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.25%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
[比較例6]
実施例1において、使用薬品として苛性ソーダ0.3%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.3%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
Figure 2008123130
表1に示されるように、実施例1〜3は、pH10を超える高アルカリ性条件下で離解を行った比較例1、2とほぼ同程度のインキ剥離性を示した。また、実施例1〜3は、pH7.0〜9.9で離解処理を行った比較例3〜6と比較して高いインキ剥離性を示した。
[実施例4]
容量5m3の回転数が任意に変更できる攪拌翼を備えたパルパーを用いて以下の実験を行った。パルパーに新聞古紙100質量部及び粘着シート0.1質量部からなる印刷古紙を入れた。ここにさらに清水と薬品を加えて、パルプ濃度が15質量%となるようにした。薬品としては、それぞれ古紙重量に基づいて、苛性ソーダ0.3%、結晶性層状珪酸塩の無水物(銘柄:プリフィード、トクヤマシルテック社製)0.5%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%を加えた。温度を40〜50℃とし、15分間、265rpmで離解を行った。続いて、粗選スクリーン、フローテーター、精選スクリーン、ディスパーザーを経て脱墨パルプを製造した。このようにして得られた脱墨パルプを150メッシュ(φ0.1mm)を用いて濾液が清澄になるまで洗浄した。残インキ、COD、粘着異物の個数及び面積を測定した。結果を表2に示す。
[比較例7]
実施例4において、使用薬品として苛性ソーダ1.0%、珪酸ソーダ(純分)1.0%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例4と同様に処理した。結果を表2に示す。
[比較例8]
実施例4において、使用薬品として苛性ソーダ0.2%、珪酸ソーダ(純分)0.15%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.15%、脂肪酸系の脱墨剤(銘柄:DI−260、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例4と同様に処理した。結果を表2に示す。
[比較例9]
実施例4において、使用薬品として苛性ソーダ0.2%、珪酸ソーダ(純分)0.15%、高級アルコール系の脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)0.3%、脂肪酸系の脱墨剤(銘柄:DI−260、花王株式会社製)0.2%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例2と同様に処理した。結果を表2に示す。
Figure 2008123130
表2に示されるように、実施例4は通常用いられるような高アルカリ性条件下で処理した比較例7と比較して、残インキ量が同等であり、CODが低下した。また、実施例4は、比較例7と比較して、粘着異物の個数及び面積が小さかった。結晶性層状珪酸塩の無水物を使用しない比較例8、9では、実施例4に比べて、残インキ量が多く、粘着異物の個数及び面積が大きかった。
[実施例5]
日本製紙のA工場の脱墨パルプ製造工程の高濃度パルパー(相川鉄工(株)製)に新聞古紙37.5質量%及び雑誌古紙62.5質量%からなる古紙を投入した。ここにさらに薬品を加えてパルプ濃度が15質量%となるようにして、離解処理を行った。使用薬品として、それぞれ対古紙重量に対する割合で苛性ソーダ0.2%、結晶性層状珪酸塩の無水物(銘柄:プリフィード、トクヤマシルテック社製)0.3%、高級アルコール系脱墨剤(銘柄:DI−7027、花王株式会社製)を加えた。続いて、粗選スクリーン、フローテーター、精選スクリーン、ディスパーザーを経て脱墨パルプを製造した。完成脱墨パルプの残インキ量、白色度、粘着異物量、紙厚、密度、テーバーこわさを下記方法にて測定した。また、ディスパーザー出口から採取した脱墨パルプスラリーの濾液のCOD及びミクロ粘着異物量を測定した。結果を表3に示す。
<白色度の測定>
得られた脱墨パルプを用いてJIS P 8222に従って手抄きシートを作製し、JIS P 8148:2001に準じてISO白色度を測定した。
<紙厚、坪量、密度の測定>
JIS P 8222に従って作成した手抄きシートについて、JIS P 8118:1998に従って紙厚を測定した。また、JIS P 8124:1998(ISO 536:1995)に従って坪量を測定した。手抄きシートの紙厚、坪量の測定値より密度を算出した。
<テーバーこわさの測定>
JIS P 8222に従って作成した手抄きシートについて、JIS P 8125:1976(ISO 2493:1992)に従ってこわさを測定し、坪量で補正した。
<ミクロ粘着異物の測定>
ディスパーザー出口から採取した脱墨パルプスラリーの濾液をφ25μm、φ0.45μmのフィルターで濾過し、濾液の全有機炭素(TOC, total organic carbon)を、JIS K 0101:1998に従って測定した。φ25μm〜φ0.45μmの範囲に含まれるTOC量をミクロ粘着異物の指標として用いた。
[比較例10]
実施例5において、高濃度パルパーに添加する薬品として、苛性ソーダ0.6%、3号珪酸ソーダ(純分)0.5%、過酸化水素0.2%、高級アルコール系脱墨剤0.12%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例5と同様にして脱墨パルプを製造した。結果を表3に示す。
Figure 2008123130
表3に示されるように、実施例5は、比較例10と比較して、残インキ量が同等であり、CODが小さかった。また、実施例5は、比較例10と比較して、粘着異物の面積が小さく、スクリーンでの粘着異物除去効率が向上していることが推察された。また、実施例5は密度が低く嵩高であり、こわさも向上していた。
[実施例6]
日本製紙のA工場の脱墨パルプ製造工程の高濃度パルパー(相川鉄工(株)製)に新聞古紙75質量%及び雑誌古紙25質量%からなる古紙を投入した。さらに薬品を加えて、パルプ濃度が15質量%となるようにして、離解処理を行った。使用薬品として、それぞれ古紙重量に基づいて、苛性ソーダ0.2%、結晶性層状珪酸塩の無水物(銘柄:プリフィード、トクヤマシルテック社製)0.3%、高級アルコール系脱墨剤0.13%、を加えた。続いて、粗選スクリーン、フローテーター、精選スクリーン、ディスパーザーを経て脱墨パルプを製造した。完成脱墨パルプの残インキ量、白色度、粘着異物量、紙厚、密度、テーバーこわさを測定した。また、ディスパーザー出口から採取した脱墨パルプスラリーの濾液のCOD量及びミクロ粘着異物量を測定した。結果を表4に示す。
[比較例11]
実施例6において、高濃度パルパーに添加する薬品として、苛性ソーダ0.55%、3号珪酸ソーダ(純分)0.5%、非イオン性脱墨剤0.12%をそれぞれ対古紙重量の割合で加えた以外は実施例6と同様にして脱墨パルプを製造した。結果を表4に示す。
Figure 2008123130
表4に示されるように、実施例6は、比較例11と比較して、残インキ量が同等であり、CODが小さかった。また、実施例6は、比較例11と比較して、粘着異物の面積が小さく、スクリーンでの粘着異物除去効率が向上していることが推察された。また、実施例6は密度が低く嵩高であった。

Claims (4)

  1. 印刷古紙を原料とする脱墨パルプの製造方法であって、インキ剥離工程において結晶性層状珪酸塩の無水物を添加し、pH7.0〜9.9でパルプからインキを剥離する処理を行うことを特徴とする脱墨パルプの製造方法。
  2. 結晶性層状珪酸塩の無水物の添加量が絶乾パルプに対して0.1〜1.5質量%であることを特徴とする請求項1記載の脱墨パルプの製造方法。
  3. 原料である印刷古紙が粘着物を含むことを特徴とする請求項1ないし2記載の脱墨パルプの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法にて製造された脱墨パルプ。
JP2009509067A 2007-03-20 2008-03-21 印刷古紙の脱墨方法 Expired - Fee Related JP5210297B2 (ja)

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