JP6004325B2 - 古紙脱墨パルプの製造方法 - Google Patents

古紙脱墨パルプの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6004325B2
JP6004325B2 JP2012112918A JP2012112918A JP6004325B2 JP 6004325 B2 JP6004325 B2 JP 6004325B2 JP 2012112918 A JP2012112918 A JP 2012112918A JP 2012112918 A JP2012112918 A JP 2012112918A JP 6004325 B2 JP6004325 B2 JP 6004325B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste paper
pulp
deinking
paper
deinked pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012112918A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013237954A (ja
Inventor
善久 横田
善久 横田
彰 山内
彰 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marusumi Paper Co Ltd
Original Assignee
Marusumi Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marusumi Paper Co Ltd filed Critical Marusumi Paper Co Ltd
Priority to JP2012112918A priority Critical patent/JP6004325B2/ja
Publication of JP2013237954A publication Critical patent/JP2013237954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6004325B2 publication Critical patent/JP6004325B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/64Paper recycling

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、薬品コストを抑えることができる古紙脱墨パルプの製造方法に関するものである。
近年、地球資源保護の観点から古紙を再生した再生紙の利用や、古紙配合率の増加が進められている。これに応えるために良好な品質の古紙脱墨パルプを製造することが課題となっている。
印刷古紙の脱インク方法は、従来より多数の方法が提案されているが、脱インクし難いオフセット印刷された古紙から白色度の高いパルプを得ようとする場合は、アルカリ浸漬工程が不可欠とされている。アルカリ浸漬工程を含む脱インク方法で現在採用されている方法は以下の通りである。印刷古紙をパルパー等の離解機でアルカリ薬品および界面活性剤よりなる脱インク剤と共に離解したのち、古紙パルプとし、該パルプにさらにアルカリ薬品、過酸化水素、および界面活性剤を添加してアルカリ浸漬を行い、パルプ繊維を膨潤させ、印刷インクをパルプ繊維から剥離し、フローテーション工程または洗浄工程で、パルプ繊維と印刷インクを分離する。
離解工程でのアルカリ薬品の添加は、上述のように後段のアルカリ浸漬工程の前処理として脱インク効果を高める目的で主として添加されており、アルカリ薬品による離解促進効果、パルプ繊維の膨潤効果が期待されている。
これに対し、離解工程でアルカリ薬品を添加しない脱墨パルプの製造方法としては特許文献1〜3のような技術が開示されている。
特許文献1には、古紙の再生方法として、過酸化物化合物を含有するpH3ないし6の酸性水溶液をもつて古紙を処理することが開示されている。しかし、このような構成をとる目的は、古紙に含まれる接着剤による斑点の形成を回避することであり、粘着テープやシリコーン処理裏貼りなど特殊な古紙が混入している場合の処理を対象としている。対象とする古紙は特に限定されておらず、印刷された塗工紙を多く含む古紙についてのインク脱墨性について検討されたものではない。
特許文献2の技術は、中性領域での古紙離解を含む中性脱墨パルプ化方法であり、課題は、DIP製造工程から発生するCOD量を削減し、高品質のDIPを提供することである。しかし、離解工程で酸を添加するものではない。
特許文献3には、離解工程でアルカリ薬品を添加せず、脱インク剤のみを添加し、離解をpH4.5〜8.5で行なうことが記載されている。課題は、排水処理の負荷を軽減しつつ、白色度の高いパルプを得るというものであるが、離解工程で酸を添加するものではない。
特公平4−80152号公報 特開2003−73987号公報 特開平8−120580号公報
本発明の課題は、薬品コストを抑えた古紙脱墨パルプの製造方法を提供することである。
本発明者は、脱墨処理する古紙の種類によって、従来より行われている離解工程でのアルカリ薬品の添加が必ずしも効果的でないことを見出した。すなわち、上質古紙脱墨パルプの製造工程では、古紙の多くが塗工紙であるため、インクの付着状態が非塗工紙とは異なり、離解工程でアルカリ薬品を添加せず、酸を添加することで塗工層に含まれる炭酸カルシウムを分解して、インクの剥離を効果的に進めることができるとの考えに到り、薬品コストを抑えた上質古紙脱墨パルプを製造することができる条件を見出した。
上質古紙脱墨パルプとは、上質系古紙を原料として、BKP代替を目的とした古紙パルプであり、原料の上質系古紙として、色上、ケント、模造、チラシ等が使用される。
請求項1に係る発明は、
印刷された塗工紙を含む古紙を再生する古紙脱墨パルプの製造方法であって、古紙を離解する工程で酸を添加し、アルカリ薬品を添加せずに脱墨処理することを特徴とする古紙脱墨パルプの製造方法である。
請求項2に係る発明は、
離解工程の後、脱墨処理、分散処理をこの順に行うことを特徴とする請求項1に記載の古紙脱墨パルプの製造方法である。
請求項3に係る発明は、
離解工程の後、分散処理、脱墨処理をこの順に行うことを特徴とする請求項1に記載の古紙脱墨パルプの製造方法である。
請求項4に係る発明は、
古紙に含まれる灰分が15%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙脱墨パルプの製造方法。である。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の古紙脱墨パルプの製造方法によって製造された、パルプの白色度が75%以上、残インク個数が200個/120mm以下、残インク面積率が0.1%以下であることを特徴とする古紙脱墨パルプ。
本発明の古紙脱墨パルプの製造方法によれば、薬品コストを低減し、高品質の古紙脱墨パルプを製造することができる。
(古紙脱墨パルプの製造工程)
まず、一般的な古紙脱墨パルプの製造方法について説明する。古紙脱墨パルプの製造工程は、古紙を、パルパー等の機械的解繊を伴う離解装置でスラリーとし(離解処理)、スクリーンやクリーナー等の除塵装置で異物を除去し(粗選・精選処理)、必要に応じて過酸化水素等で漂白し(漂白処理)、フローテーター等の浮選機で微細繊維やインク成分等を浮上選別し(浮選処理)、洗浄処理、脱水処理するなどして、古紙脱墨パルプを製造している。もちろん、例えば、浮選処理を多段としたり、一連の処理の途中でニーディング(混練)処理やディスパージョン(分散)を行う場合もある。
次に各工程の作用と設備について説明する。
(離解:パルパー)
受け入れた古紙を、パルパーでパルプ繊維に解された状態にする。離解する際のパルプ濃度に限定は無いが、パルパーには、低濃度パルパー(濃度3〜5%)と高濃度パルパー(濃度13〜18%)、ドラムパルパー(濃度18〜25%)があり、パルパーの種類により離解に適したパルプ濃度がある。本発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、このようなパルパーのうち、高濃度パルパーやドラムパルパーを用いるのが望ましい。これらのパルパーによると、ホットメルトなどの異物を細かくすることなく、パルプを離解することができるので、異物の細分化が進んでいない状態でクリーナーやスクリーンで処理することができ、異物除去効率が良くなる。
(粗選・精選、除塵:クリーナー、スクリーン)
除塵工程には、古紙離解後の粗大異物除去を目的とする粗選工程と、完成パルプに要求される品質を満足するレベルまで異物を除去する精選工程がある。パルパーを出た原料は、まず重量異物を除去する高濃度クリーナー(濃度3〜4%)で、砂、金属などを分離し、排出する。次いで粗選スクリーン(濃度1.5〜4%)で紐や大きい粘着異物を除去する。精選スクリーンは、処理濃度は1.0〜1.5%程度であるが、フローテーターの前段に設置する場合は、設備の小型化、経済性を考慮し比較的高濃度(1.5〜2%)で処理する場合がある。スクリーンには、丸孔スクリーン(1.0〜7.0mmφ)とスリットスクリーン(0.10〜0.40mm幅)がある。
クリーナーは渦流によって生じる繊維と異物の比重差によって異物を選別し、スクリーンでは除去しにくい細かい砂、金属などの重量異物やホットメルト、ポリ紐などの軽量異物の除去を行う。クリーナーは低濃度のほうが異物除去効率が高く、通常1%前後の濃度である。
(漂白・熟成)
熟成処理は未剥離インクを低減する効果があり、通常粗選スクリーンもしくは前段精選スクリーンの後にあり要求によっては分散工程の直後に設置する。熟成がアルカリ条件下であることから、過酸化水素漂白も兼用し、アルカリ薬品と同時に過酸化水素およびケイ酸ナトリウムを添加する。パルプ濃度が高いほど薬品の効果が高いとされており、中濃度漂白の場合13〜20%程度、高濃度漂白の場合25〜30%程度である。
(浮選:フローテーター)
脱墨を行うフローテーターはパルプスラリー中に空気の泡を送り込んで、疎水性のインク粒子を泡表面に吸着させ、工程外へ除去する。フローテーターでのパルプ濃度は0.8〜1.5%程度である。
(混練・分散:ニーダー、ディスパーザー)
機械的な力でインクを剥離するため、混練や分散を行う。インクの剥離のほか、インクをフローテーターで除去しやすい粒径にしたり、黒染繊維の減少に効果がある。濃度は20〜35%程度である。
(白水処理:フローテーター・加圧浮上機)
工程内で発生する洗浄機や脱水機のろ液は、系内各工程の希釈に用いられ、余剰分は排水として排水処理設備にて処理される。古紙脱墨パルプの系内白水には、微細インクや灰分、マイクロスティッキーなどの異物が混入しているため、白水を回収することは、これらを系内に再び取り込むことになり、完成パルプの品質低下や薬品使用量の増加を招く。以前からフローテーターを用いた白水フローテーションを導入しているが、近年では、微細異物やアニオン・カチオン類を除去するため、加圧浮上装置を用いて、白水の浄化を図っている。フローテーターは粘着異物・インク・灰分除去が可能であり、加圧浮上機より繊維ロスが少ない。加圧浮上機は入口固形分の80〜90%を除去することが可能で、粘着異物・インク・灰分の除去には有効である。ただし繊維ロスは大きい。本発明の古紙脱墨パルプの製造方法の原料に使用する古紙としては、新聞、チラシ、雑誌、色上、ケントなどに分類される古紙を、目的とするパルプの品質に合わせて使用することができる。
以上のような工程により、古紙脱墨パルプは製造される。
古紙脱墨パルプは、通常使用目的によって2つに分類される。ひとつは、新聞用紙、下級紙、中級紙などの原料として使用される新聞古紙脱墨パルプである。新聞古紙脱墨パルプには古紙として、新聞古紙を中心にチラシ古紙、雑誌古紙などが使用されるが、用途によっては、新聞古紙以外のチラシ古紙や雑誌古紙の配合率を増やして、得られる古紙脱墨パルプの白色度を高くしている場合もある。
もうひとつは、上質古紙脱墨パルプである。これは上質紙や塗工紙の原料として使用されるBKP代替を目的としたパルプである。上質古紙脱墨パルプには古紙として、色上、ケント、チラシなどが使用される。本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法は、特に後者の上質古紙脱墨パルプの製造方法に適している。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法は、印刷された塗工紙を含む古紙を離解する工程で酸を添加することを特徴とする。酸を添加して離解することで、塗工紙の塗工層に含まれる炭酸カルシウムの一部が分解し、塗工層に付着したインクの剥離を促進することで、脱墨工程での脱インクが容易になるものである。
使用する酸は、特に限定されないが、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸等の無機酸が挙げられ、中でも硫酸を使用するのが、入手が容易である点で望ましい。硫酸の場合で、離解工程で添加する酸の添加量は1〜5質量%である。離解する工程での酸の添加量は、古紙に含まれる塗工紙と非塗工紙の割合や、インクの付着量や、要求される仕上がりパルプの白色度などによって増減するとよい。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法で、アルカリ薬品が不要となる理由は次のように考えられる。アルカリ薬品によるインク剥離促進の効果は、主にパルプ繊維に付着したりパルプ繊維に浸透したインクに対して有効であり、塗工層にインクが付着している塗工紙、特に塗工量の大きい塗工紙では、パルプ繊維までインクが到達していないため、アルカリ薬品による処理がインク剥離に大きな効果をもたらさない。すなわち、アルカリ薬品の添加は、非塗工紙を多く含む古紙の脱墨に対して有利であるが、塗工紙を多く含む古紙に対しては酸添加のほうが有利であると考えられる。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法は、離解工程の後、脱墨処理、分散処理をこの順に行うことができる。インク量(印刷)が多い場合、離解工程の後、脱墨処理しないで分散処理すると、離解工程で剥離したインクが分散処理によりパルプ繊維に再付着する場合があるので、脱墨処理で脱インクを行ってから分散処理するのが望ましい。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、離解工程の後、分散処理、脱墨処理をこの順に行うこともできる。古紙に非塗工紙が多く含まれる場合は、離解工程でのインク剥離効果は少なく、分散によるインク剥離の効果が高くなるので、分散処理でインク剥離を進めてから脱墨処理を行うのが望ましい。上記の工程の順番は、古紙に含まれる塗工紙と非塗工紙の含有割合や、インクの付着量や、要求される仕上がりパルプの白色度などによって決定する。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、酸添加によるインク剥離効果があるため、アルカリ薬品を添加しないで脱墨処理を行い、漂白・熟成工程を省くことができる。
離解工程で酸を添加することによるその他の効果としては、脱墨工程での泡立ちが良くなり、脱墨剤の添加量を減らすことができる。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、使用する古紙に含まれる灰分が15%以上であることが望ましい。原料として新聞古紙100%使用する場合は、古紙に含まれる灰分は10〜15%程度であるが、本願発明では、古紙に含まれる灰分が15%以上であるような場合、すなわち、古紙に含まれる塗工紙の含有率が高い場合の古紙脱墨パルプの製造方法に適している。
さらに、本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、古紙に含まれる灰分が20%以上であることが望ましい。すなわち、古紙に含まれる塗工紙の含有率がさらに高い場合の古紙脱墨パルプの製造方法に適している。本発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、酸により工程中で炭酸カルシウムが分解するので、古紙に含まれる灰分中の炭酸カルシウムの割合が減少する。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法により製造される古紙パルプは、白色度が75%以上、残インク個数が200個/120mm以下、残インク面積率が0.1%以下という特徴を有する。
本願発明の古紙脱墨パルプの製造方法では、必要に応じて灰分除去工程を追加することで白色度を高くすることもできるが、その場合、仕上がりパルプの収率は低下する。
このようにすることで、低いコストで品質の良い古紙脱墨パルプを製造することができる。酸を使用することにより、アルカリ薬品の使用をなくし、脱墨剤の使用量も削減することができる。さらに、漂白・熟成工程をなくすことができる。
次に本願発明の効果を実施例と、比較例で具体的に示す。なお、薬品添加率は特に断りのない限り、古紙の絶乾パルプに対する有効成分での添加率を示す。
(実施例1)
実施例1の古紙脱墨パルプ製造工程は、本願発明の実施例である。
色上古紙(灰分28.2%)を原料に使用し、次の手順で脱墨テストを行った。
(1)離解工程(低濃度パルパー):濃度4.0%、硫酸添加率3.0%、離解時間15分
(1)の後パルプを、脱水機を用いて濃度20%に調整した。
(2)分散処理(ニーダー):濃度20%、脱墨剤0.17%
(2)の後パルプを、標準離解機を用いて4.0%の濃度で3分間ほぐした(濃度調整時には脱水時のろ水を使用)。さらに、水道水を加え濃度1.0%に調整した。
(3)脱墨工程(フローテーター):濃度1.0%、5分、エアー量10L/min、パルプスラリー量(Lm)に対する送入空気量(GNm)の比であるG/L比2.8
(実施例2)
実施例2の古紙脱墨パルプ製造工程は、本願発明の実施例である。実施例1と同じ古紙を使用し、次の手順で脱墨テストを行った。
(1)離解工程(低濃度パルパー):濃度4.0%、硫酸添加率3.0%、離解時間15分
(1)の後パルプを、水道水により濃度1%に調整した。
(2)脱墨工程(フローテーター):濃度1.0%、5分、脱墨剤0.17%、エアー量10L/min、G/L比2.8
(2)の後パルプを、脱水機を用いて濃度20%に調整した。
(3)分散処理(ニーダー):濃度20%
(3)の後パルプを、標準離解機を用いて濃度4.0%で3分間ほぐし、さらに濃度1.0%に調整した(濃度調整時には脱水時のろ水を使用)。
(実施例3)
離解工程で硫酸添加率を7.0%にしたこと以外は実施例1と同様の手順で、脱墨テストを行った。
(比較例1)
比較例1は一般的な古紙脱墨パルプの製造工程である。実施例1と同じ古紙を使用し、次の手順で脱墨テストを行った。
(1)離解工程(低濃度パルパー):濃度4.0%、苛性ソーダ添加率0.5%、離解時間15分
(1)の後パルプを、脱水機を用いて濃度20%に調整した。
(2)分散処理(ニーダー):濃度20%、脱墨剤0.17%、苛性ソーダ0.11%、珪酸ソーダ0.5%、過酸化水素0.6%
(3)漂白・熟成工程:温度60℃、3時間
(3)の後パルプを、標準離解機を用いて4.0%の濃度で3分間ほぐした(濃度調整時には脱水時のろ水を使用)。さらに、水道水を加え濃度1.0%に調整した。
(4)脱墨工程(フローテーター):濃度1.0%、5分、エアー量10L/min、G/L比2.8
(比較例2)
漂白・熟成工程を除いたこと以外は比較例1と同様の手順で、脱墨テストを行った。
得られたパルプの評価結果を表1、表2に示す。各評価の方法は以下のとおり。
灰分は、JISP8251:2003紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法に基づき測定した。
白色度は、JISP8148:2001紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法に基づき測定した。
残インクの個数、面積率、平均粒径は、絶乾5.0gのパルプを直径150mmのろ紙でろ過したシートを作製し、画像解析装置(株式会社ニレコ製:LUZEX3U)により測定した。(検出サイズ10μm〜400μm、検出サイズの区分は10μm)
きょう雑物はJISP8208:1998「パルプ−きょう雑物測定方法」の化学パルプの測定方法に基づき、測定した。
Figure 0006004325
Figure 0006004325
表1、2からわかるように、離解工程で酸を添加した実施例1〜3では、アルカリ薬品の添加と苛性ソーダ、珪酸ソーダ、過酸化水素という漂白薬品を使用する漂白・熟成工程なしで、従来法の比較例1と同等の、白色度、残インク、きょう雑物の古紙脱墨パルプが得られており、コスト優位性があることがわかる。
比較例2では、離解工程で酸を添加しておらず、漂白・熟成工程が無いため、白色度が低く、残インク、夾雑物ともに多い結果となっている。
新聞古紙脱墨パルプの製造の際、新聞古紙に混在しているチラシは、塗工紙が多いので、応用できる可能性がある。特に古紙に含まれる塗工紙の割合が多い場合に適用できる。あるいは、仕上がりパルプに要求される白色度などによって、新聞古紙と、塗工紙を多く含む上質系古紙を混合して使用する場合に利用できる。

Claims (5)

  1. 印刷された塗工紙を含む古紙を再生する上質古紙脱墨パルプの製造方法であって、古紙を離解する工程で酸を添加し、アルカリ薬品を添加せずに脱墨処理することを特徴とする上質古紙脱墨パルプの製造方法。
  2. 離解工程の後、脱墨処理、分散処理をこの順に行うことを特徴とする請求項1に記載の上質古紙脱墨パルプの製造方法。
  3. 離解工程の後、分散処理、脱墨処理をこの順に行うことを特徴とする請求項1に記載の上質古紙脱墨パルプの製造方法。
  4. 古紙に含まれる灰分が15%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の上質古紙脱墨パルプの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の上質古紙脱墨パルプの製造方法によって製造された、パルプの白色度が75%以上、残インク個数が200個/120mm以下、残インク面積率が0.1%以下であることを特徴とする上質古紙脱墨パルプ。
JP2012112918A 2012-05-17 2012-05-17 古紙脱墨パルプの製造方法 Active JP6004325B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012112918A JP6004325B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 古紙脱墨パルプの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012112918A JP6004325B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 古紙脱墨パルプの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013237954A JP2013237954A (ja) 2013-11-28
JP6004325B2 true JP6004325B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=49763215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012112918A Active JP6004325B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 古紙脱墨パルプの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6004325B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114939569A (zh) * 2022-06-21 2022-08-26 沈斌 一种全面型玻璃生产系统及控制方法
CN116274251B (zh) * 2023-03-29 2023-11-17 连云港市赣榆区知识产权维权援助中心(连云港市赣榆区知识产权保护与服务中心) 一种纸板粉碎回收装置及回收方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04209881A (ja) * 1990-12-12 1992-07-31 Kanzaki Paper Mfg Co Ltd 感圧接着紙古紙の再生パルプ化法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013237954A (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000096473A (ja) 故紙原料より粘着性物質を除去しその粘着作用を抑制する方法
JP4752543B2 (ja) 高白色度脱墨パルプの製造方法
JP4677344B2 (ja) 古紙パルプの製造方法
US5895556A (en) Waste paper treatment process
JP5210297B2 (ja) 印刷古紙の脱墨方法
JP6004325B2 (ja) 古紙脱墨パルプの製造方法
US20060011314A1 (en) Process for pulping waste paper containing impurities
JP5861910B2 (ja) 古紙脱墨パルプの製造方法
JP6492798B2 (ja) 脱墨古紙パルプの製造方法
JP6304023B2 (ja) 脱墨パルプの製造方法
WO2009034056A1 (en) Removal of stickies from a pulp suspension, reduction of calcium compounds in reject and use of carbon dioxide in papermaking
JP6583005B2 (ja) 脱墨古紙パルプの製造方法及び製造システム
JP2006052486A (ja) 古紙原料パルプの製造方法
JPH09241985A (ja) 古紙の再生処理方法
JP2002249993A (ja) 脱インキパルプの製造方法
JP2005240188A (ja) 古紙パルプの製造方法及び古紙パルプ
JP5770619B2 (ja) 脱インキパルプの製造方法
JP2004068175A (ja) 印刷古紙からの脱墨パルプの製造方法
JPH11200269A (ja) 印刷古紙の脱墨方法
JP2010100984A (ja) 印刷古紙の脱墨方法
JP2009035843A (ja) 脱墨パルプの製造方法
JP2006022414A (ja) 脱墨パルプの製造方法
JP5455519B2 (ja) 印刷古紙の脱墨方法
KR860000535B1 (ko) 신문 고지의 탈묵방법
KR920010648B1 (ko) 백상지고지의 재생방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6004325

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250