JP2009035843A - 脱墨パルプの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷古紙を脱墨し、再生する際に、ダートを効率よく低減させ、且つ、完成パルプの白色度を向上させる脱墨パルプ製造方法の提供。
【解決手段】
クラフトパルプ漂白工程より排出されるアルカリ洗浄排水を印刷古紙の脱墨処理工程に使用し、好ましくはpH8〜13、温度30〜70℃のアルカリ洗浄排水を、離解工程においてパルパーの離解希釈水に使用し、離解工程においてpH8〜13、温度20〜70℃で処理する脱墨パルプの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は印刷古紙からなる古紙パルプの塵(ダート)低減方法に関し、さらに詳しくは新聞古紙や雑誌古紙を主体とする印刷古紙を脱墨再生する際に、ダートを効率よく低減させ、且つ、完成パルプの白色度を向上させる脱墨パルプ製造方法に関する。
従来、印刷古紙を脱墨再生させるには、離解・除塵・漂白・分散・脱墨・洗浄の工程から構成される方法で製造を行ってきた。脱墨パルプのダートを低減させるために、薬品面ではパルパー工程やフローテーション工程で使用するアルカリや脱墨剤或いは発泡剤を高性能とするなどが必要であり、又、設備面ではスクリーン、クリーナー等の除塵機を高効率化するか、分散工程でニーディングを改善強化、フローテーション工程の強化をするなど、鋭意研究を行ってきた。
一方、市場ではダートを極力低減させ、BKPと同等若しくはそれに準ずる品質を有する脱墨パルプがより一層望まれてきている。
しかし、新聞古紙や雑誌古紙を主体とする印刷古紙から、これらの要望に答え得る脱墨パルプを製造することが困難な状況になってきている。最近は印刷古紙の中に灰分が多く、且つ、表面処理剤により処理された極端に脱墨性の劣る中性新聞古紙が混入するようになり、また、経済的な発展が顕著な中国を含む東アジアでの古紙価格の高騰により、品質の良好な古紙が輸出され、日本国内では従来に比べ比較的粗悪な古紙が集荷されるようになった。
これまで通常に行われていた脱墨パルプ製造方法ではインキを主体とするダートを十分除去することが困難になると同時に目標白色度を維持することが困難になり、漂白性が悪化している。
従来、脱墨パルプ製造工程ではダートを低減させ、また、白色度を向上させるために、苛性ソーダ、珪酸ソーダ、炭酸ソーダ等のアルカリ剤、過酸化水素、次亜塩素酸塩等の漂白剤、EDTA、DTPA等の金属キレート剤と共に、各種脱墨剤などの薬品が使用されてきた。脱墨剤にはパルプ繊維からインキを剥離し、微細分散させる効果の強いものや、インキを凝集させフローテーション工程でのインキ捕集性を高める効果の高いもの等がある。
従来から脱墨剤としては、例えば高級アルコール硫酸塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸塩、脂肪酸あるいは脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール及びアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールエステルアルキレンオキサイド付加物等が使用されている。また、より効果的な脱墨剤として高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物又はそのエーテル化合物又はエステル化合物等が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
しかし、これらの特許文献記載の脱墨剤であっても、最近の灰分が多い印刷古紙、特に、表面処理剤により極端に脱墨性の劣る中性新聞古紙においては、脱墨効果が低く、ダートを低減するため或いは高白色度を得るためには、高添加となり多額のコストがかかる。
一方、クラフトパルプ(KP)の漂白では、二酸化塩素、オゾン、アルカリ、過酸化水素、酸素などを含む種々の薬品を幾つかの段階で使用し、必要な条件下で漂白される。それらの漂白段階でのパルプ洗浄排水は膨大な量となり、又、含有成分として主にリグニン等の樹脂を含み、その他多量のセルロースおよびヘミセルロース分解生成物、漂白薬品残渣の塩化物などを含み、また、褐色を呈しているため、多額のコストを掛けながら生物処理、ケミカル処理、ろ過、沈殿処理など種々の適切な排水処理を行い、工場外へ放出されていた。
漂白工程の洗浄排水はリグニン等の樹脂を含有し、その排水を精製、濃縮又は分解することにより、有効的に再利用、再循環等をする方法は、紙パルプ産業の歴史において多数の方法が発明されているが、何れの方法も排水処理同様に、或いはそれ以上に多額のコストが掛かるため、低コストで紙パルプを生産する日本の紙パルプ産業では実用的なものではなかった。(特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)
特開昭58−109696号公報 特開昭62−276093号公報 特開平5−25790号公報 特開昭48−56902号公報 特開昭48−63002号公報 特開平1−201595号公報 特開平6−257088号公報
本発明の目的は、上記のような種々の問題を解決させ、同時に印刷古紙からのインク分離効率を向上させることにより、ダートを低減し、且つ、コストを低く抑えて製造することができる脱墨パルプ製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)クラフトパルプ漂白工程より排出されるアルカリ洗浄排水を印刷古紙の脱墨パルプ製造工程で使用する脱墨パルプの製造方法。
(2)前記アルカリ洗浄排水を離解工程で使用する(1)記載の脱墨パルプの製造方法。
(3)前記離解工程は、pH8〜13、温度20℃〜70℃で行う(1)又は(2)に記載の脱墨パルプ製造方法。
(4)前記アルカリ洗浄排水は、pH8〜13、温度30〜70℃である(2)又は(3)に記載の脱墨パルプの製造方法。
新聞古紙を主体とする印刷古紙から白色度65%ISO以上の脱墨パルプを安価に製造するためには、漂白工程で過酸化水素等の漂白剤を多量に使用してはならないため、例えば前段および後段からなる2段のフローテーション工程を設置する等過剰な設備が必要であったが、本発明によれば1段のフローテーション工程でも十分に脱墨を促進させるなど、漂白薬品の使用量を極端に増加させずに、消費電力原単位を低減させることも出来る。
本発明を適用する印刷古紙の例としては、新聞紙、微塗工紙、高灰分の塗工紙、非塗工紙等、灰分が7%〜35%含む残紙などの古紙があげられるが、中でも、最近の古紙事情の悪化で、一般的に品質の粗悪で使用が困難な(禁忌品などをより多く含むため品質の不安定な)一般家庭より排出される回収新聞古紙や回収雑誌古紙等の離解性に効果があるため、後工程での負荷が低減する効果があり、より粗悪な古紙の配合率を多少上げられる。
本発明では脱墨パルプ製造工程で、KP漂白工程で排出されるアルカリ洗浄排水を使用することを特徴としている。脱墨工程のいずれの工程の希釈水としても使用できるが特に、離解工程の希釈水としての使用が好ましい。KP漂白工程でアルカリ洗浄後排出される洗浄排水は有利なpHや温度を有するが、KP漂白工程で使用した漂白薬品残渣の塩化物などを有し、また、漂白工程で遊離したリグニンを含むため褐色を呈しているため、脱墨パルプ製造工程の漂白工程より前段の希釈水として使用することが好ましい。
アルカリ洗浄排水は離解工程のパルパーの希釈水として使用することが好ましい。パルパーで使用する離解希釈水をKP漂白工程でアルカリ洗浄後に排出される洗浄排水と脱墨パルプ製造工程内を交流洗浄した白水とで比較した場合、離解性に対してKP漂白排水のほうが有利な結果を示す。この理由は定かではないが、KP漂白工程でのアルカリ洗浄後に排出されるリグニン由来の脂肪酸の、アルカリ条件での鹸化が影響している可能性があると考えている。
脱墨パルプ製造工程における離解工程では古紙をスラリー化するだけでなく、パルプ繊維からのインクを剥離することを目的としている。KP漂白工程でのアルカリ洗浄後に排出される洗浄排水は、pHが高く、温度もあるだけでなく、含有するリグニン由来の脂肪酸が、インクの剥離効果を向上させる効果があるため、離解工程で使用することが最も有利である。脱墨パルプ製造工程において、前段でのインクの剥離率が上がれば、その後の工程の負荷が減り、パルプの品質も向上するため好ましい。
本発明における離解工程の条件としては、印刷古紙を固形分濃度12〜18%になるように稀釈することが好ましい。脱墨パルプ製造工程の希釈水として使用するKP漂白工程でアルカリ洗浄後排出される洗浄排水のpHは高い方が、離解工程のpHも同時に高くなり好ましい。離解工程のpHは高い方が、パルプの膨潤が進み、剥離効果が上がるため好ましい。離解工程のpHは8〜13であることが好ましく、より好ましくはpHが10〜13である。該洗浄後排水使用時に離解工程のpHが8未満の場合には、アルカリ(水酸化ナトリウム)を対パルプ3.0質量%以下、好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下を加え、離解工程のpHが8〜13となるようにして使用する。
脱墨パルプ製造工程の希釈水として使用するKP漂白工程でアルカリ洗浄後排出される洗浄排水の温度は高い方が、離解工程の温度も同時に高くなり好ましい。該離解工程の温度は、季節の温度変化からある程度の幅が持たれるが、インクの剥離性からはより高いことが好ましい。離解工程の温度は20℃〜70℃であることが好ましく、より好ましくは30〜70℃、更に好ましくは40〜70℃、更に好ましくは45〜65℃である。
アルカリ洗浄排水以外に使用する他の希釈水としては、工場系内で熱交換した清水があるが、清水はKP漂白工程でアルカリ洗浄を行った洗浄排水に比べ、温度が同等であるが、pHが中性であり効果が低いため、使用する場合には10%以下に抑えることが好ましい。
また一般に、脱墨パルプ製造工程内を交流洗浄した白水があるが、KP漂白工程でアルカリ洗浄を行った洗浄排水に比べ、pHは同等であるが温度が40℃以上にあらず、離解工程の希釈水として使用する場合には50%以下で使用することが好ましく、30%以下で使用することがより好ましく、更に好ましくは10%以下で使用することである。また、該脱墨パルプ製造工程内を交流洗浄した白水を昇温する場合は蒸気などのコストがかかり好ましくない。
離解工程へ脱墨剤を添加する場合には、パルプ繊維への浸透性が強く、インキの剥離性の強いものが好ましく、脱墨剤を対パルプ0〜0.5質量%、好ましくは0.03〜0.3質量%を加える。インキの剥離性の強い脱墨剤としては、高級アルコール系脱墨剤があり、例えば、花王(株)社製のDI−7020、DI−7030、DI−767、日新化学研究所(株)社製のDIA−Z−100、DIA−Z−5000、東邦化学(株)社製のネオスコアFW−780、ネオスコアFW−790、ネオスコアFW−795、FT−466、FT−467、FT−470、FT−487、B−B剤、第一工業製薬(株)ダイホープ940、ダイホープ960、日華(株)リポブライトDP−810等がある。
上記条件で行なう離解時間は、10〜30分が好ましく、10〜25分がより好ましい、更に好ましくは10〜18分で行う。
KP漂白工程でアルカリ洗浄後排出される洗浄排水を脱墨パルプ製造工程の希釈水として使用する場合の比率は、完成パルプの目標白色度によって異なっていても良く、また、脱墨パルプ製造工程における使用場所により異なっていても良い。目標白色度70%ISOの様に白色度が高い脱墨パルプを製造する場合では、離解工程で使用する希釈水の内、該洗浄排水を100〜10%を使用することが好ましい。より好ましくは100〜50%であり、更に好ましくは100〜90%である。また、離解工程より後段において希釈水として使用する場合は、希釈水の70〜10%を使用することが好ましく、より好ましくは50〜10%、より好ましくは30〜10%である。
本発明で使用するアルカリ洗浄排水は排水中に存在するリグニン由来の脂肪酸が多いほど効果があると推測されるため、漂白工程において前段にあるアルカリ漂白排水が好ましいと考える。
離解した古紙原料から異物を取り除く除塵(スクリーニング)工程の前に、スクリーニングに適した濃度0.6%〜4.0%まで稀釈する工程があると良い。離解原料の稀釈には、脱墨パルプ製造工程の、より後段の白水を使用することが歩留まり向上のために得策である。
除塵(スクリーニング)工程はスクリーン装置で原料中の異物を取り除く工程である。クリーナー等との組み合わせにより除塵効率アップが期待できる。スクリーン装置の処理段数、カスケード回数、また、スクリーンの孔やスリットの形状、回転体(ローター)の周速、通過流速、開孔面責などの制約はないが、本発明の実施では粗選、精選等の異なる条件(設置場所)の下で、目標品質に対しての効率的な設備仕様を工夫して行なっている。
粗選スクリーンとしての通過孔の形状は丸孔が好ましい。通過孔の大きさは、孔径が1.0〜4.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mmであり、更に好ましくは1.5〜2.5mmである。孔径が上記範囲であれば粗選段階でのパルプが通り易く、異物を効率よく分離することができる。また、精選スクリーンとしてはスリットスクリーンが好ましく、スリット幅は0.08〜0.25mmであることが好ましく、より好ましくは0.08〜0.20mmであり、更に好ましくは0.10〜0.15mmである。スリット幅が0.08mm未満ではパルプ処理量が低下し、0.25mmより広くなると除去率が低下する。
スクリーン装置の回転体の周速(円周方向の速度)は、5〜25m/秒が好ましい。更に好ましくは10〜20m/秒である。回転体周速が5m/秒未満および25m/秒以上では、異物の除去効率が低下する。スクリーン装置におけるパルプスラリー(原料液)の通過流速は、0.2〜3.0m/秒が好ましく、より好ましくは0.2〜2.0m/秒である。なお、通過流速とはスクリーン装置を通過して排出される処理物の単位時間当たりの排出量(単位;m/秒)をスクリーンの開孔面積の合計(単位;m)で除した値(単位;m/秒)である。0.2m/秒未満および3.0m/秒以上では、除去率が低下する。
漂白工程は薬品を使用してパルプを白くする工程である。パルプ漂白には一般的には過酸化水素、ハイドロサルファイド、二酸化チオ尿素、ハイポ等が使用される。本発明の実施には過酸化水素を使用した。過酸化水素漂白は過酸化水素対パルプ0.5〜4.0質量%、苛性ソーダ対パルプ1.5〜3.0質量%、珪酸ソーダ対パルプ0.5〜1.0質量%で、漂白時間は1〜4時間、漂白パルプ濃度は20〜35%、漂白温度は50〜75℃で行うことが望ましい。
分散工程は、ニーダー又はディスパーザーで繊維からインキを剥離・分散させる工程である。ニーダー又はディスパーザー処理濃度は、20〜50%、処理温度は、40〜90℃で行うことが好ましい。フローテーターで微細インキを凝集させるインキ凝集性の強い脱墨剤を、ディスパーザー処理直前に対パルプ0〜0.5質量%添加することが好ましい。フローテーション前に脱墨剤がパルプに均一に混合できれば、漂白前に脱墨剤を添加してもかまわない。
脱墨工程はフローテーターで空気にインキを吸着させインキを系外に除去する工程である。フローテーター処理濃度は0.7〜1.5%、フローテーター処理温度は10〜50℃、望ましくは30〜45℃で行うことが好ましい。
インキ凝集性の強い脱墨剤としては、脂肪酸あるいは、脂肪酸誘導体系の脱墨剤があるが、例えば、脂肪酸の場合、花王(株)社製のDI−254(オレイン酸)、第一工業製薬(株)社製のK−4004−D等がある。また、脂肪酸誘導体系の場合、花王(株)社製のDI−1120、DI−1050、日新化学研究所(株)社製のDIY−23543、第一工業製薬(株)社製のペーパーエイドW等がある。
洗浄脱水する工程は、パルプスラリー中の微細なインキや灰分を、除塵工程と漂白工程との間などの途中段階で洗浄除去する工程で、多量の微細インキや灰分を漂白工程に持ち込まないために、少なくとも一つ、漂白工程より前にあることが好ましい。洗浄脱水する工程は0.4〜1.5%のパルプスラリーを、該洗浄排水や白水又は清水で洗浄しながら、1.5〜30%まで脱水を行う工程である。洗浄脱水処理を設けることにより、後段で使用される漂白剤や脱墨剤の添加率を抑えることができる。
前記洗浄脱水工程で使用するウォッシング装置には、ディスクシックナー、バルブレスフィルター、DDウォッシャー、エキストラクター、フォールウォッシャー(栄工機(株))、DNTウォッシャー(相川鉄工(株))等がある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、実施例は本発明を何ら限定するものではない。また、特にことわりが無い限り原料濃度は灰分込みの固形分濃度、薬品添加率は質量%である。本発明の実施は王子製紙(株)春日井工場の完成パルプ125ADT/Dの脱墨パルプ製造設備を使用し、脱墨パルプを製造し評価した結果を表1に示す。
白色度測定方法
漂白完成パルプを離解後、パルプスラリーに硫酸バンドを対絶乾パルプ20.0%加え、Tappi試験法T205os−71(JIS P 8209)に従って、坪量60g/m2のシートを作製した。作成したシートを分光白色度測色計(スガ試験機製)で蛍光強度カットの白色度を測定した。
ダート測定方法
完成パルプのスラリーを60BDg/mとなる様に角型手抄きシートマシンでシート状に加工後、アルミ板をあてがいロータリードライヤーで乾燥させ、210×210mmにパルプシートをカットし、王子計測機器(株)のダートアナライザーで0.01mm以上のダート個数と面積を測定した。
実施例1
新聞紙及び雑誌古紙を主体とする原料古紙をパルパーに仕込み、原料濃度15%となるように、KP漂白工程(広葉樹系列A/P−D0−E/OP−D1)のアルカリ洗浄後排出されるpH11.0の洗浄排水100%で希釈、水酸化ナトリウム添加率対パルプ0.5%、高級アルコール系脱墨剤(花王社製、DI−7020)添加率対パルプ0.15%、離解時間15分、離解工程のpHは11.5、温度は55℃であった(離解工程)。
離解後のパルプスラリーは、既存の脱墨パルプ製造設備にて処理し脱墨パルプを製造した。すなわち、離解原料を3.6%に稀釈し、次いで、S−32A型(三菱重工(株))スクリーン及び重量異物クリーナーで異物を除去する工程と、原料を1.5%に稀釈し、スクリーンスリット巾が0.15mmバータイプGF−1000型(相川鉄工(株))の工程を設置した(除塵工程)。
漂白条件は過酸化水素添加率対パルプ3.0%、水酸化ナトリウム添加率対パルプ2.3%、珪酸ナトリウム添加率対パルプ水酸化ナトリウム換算0.7%、パルプ濃度を約28%、漂白時間2時間30分、漂白温度65℃で漂白処理を行った(漂白工程)。
ディスパーザー処理濃度は28%、処理温度は65℃で分散処理を行なった(分散工程)。
脱墨条件は、OKフローテーター(王子エンジニアリング製)にて、特殊脂肪酸誘導体(花王社製、DI−1120)添加率0.20%、フローテーター処理濃度1.2%、フローテーター処理温度40℃、時間20分で脱墨処理を行った(脱墨工程)。
その後、ディスクシックナーで系内白水を使用し洗浄脱水処理し、10%の完成パルプとした(洗浄工程)。
完成パルプの白色度、およびダートの個数、面積を表1に記載した。
実施例2
KP漂白工程のアルカリ洗浄後排出されるpH12.1の洗浄排水に水酸化ナトリウム添加率対パルプ0.2%で、離解工程のpHが12.5であった以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
実施例3
KP漂白工程でのアルカリ洗浄後排出された洗浄排水のpHが10.0であり、且つ、水酸化ナトリウムを添加しなかったので離解工程のpHが10.0であった以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
実施例4
離解工程の温度が67℃であった以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
実施例5
離解工程の温度が40℃であった以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
実施例6
KP漂白工程でアルカリ洗浄後排出された洗浄排水のpHが7.5であり、水酸化ナトリウムを添加しなかったため離解時のpHが7.5であった以外は実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
実施例7
離解時の温度が15℃であった以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
比較例1
離解工程の希釈水をD段洗浄後に排出された排水(pH5.0)に変更した以外は実施例1と同様に製造して脱墨パルプを評価した。
比較例2
離解工程の希釈水を脱墨パルプ製造工程で使用した白水に変更し、この時の白水のpHが11.5、温度は40℃であった以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
比較例3
離解工程の希釈水を工場系内で熱交換に使用した清水に変更し、この時の清水のpHが6.0、温度は65℃である以外は、実施例1と同様に製造し、脱墨パルプを評価した。
Figure 2009035843
実施例1〜7及び比較例1〜3を比較すると明らかなように、脱墨パルプの白色度及びダートにターゲットを絞り評価を行ったところ、脱墨パルプ製造工程の希釈水として、KP漂白工程でアルカリ洗浄後排出される洗浄排水を使用することで、脱墨パルプの品質(白色度、ダート)は飛躍的に向上し、且つ、製造コストを低く抑えた優れた脱墨パルプを製造することができることは明らかである。

Claims (4)

  1. クラフトパルプ漂白工程より排出されるアルカリ洗浄排水を使用することを特徴とする脱墨パルプの製造方法。
  2. 前記アルカリ洗浄排水を離解工程で使用することを特徴とする請求項1記載の脱墨パルプの製造方法。
  3. 前記離解工程のpHが8〜13、温度が20℃〜70℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱墨パルプの製造方法。
  4. 前記アルカリ洗浄排水は、pH8〜13、温度30〜70℃であることを特徴とする請求項2又3に記載の脱墨パルプの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016166437A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 王子ホールディングス株式会社 脱墨古紙パルプの製造方法

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