JP3191828B2 - 印刷古紙の脱墨漂白方法 - Google Patents

印刷古紙の脱墨漂白方法

Info

Publication number
JP3191828B2
JP3191828B2 JP13511692A JP13511692A JP3191828B2 JP 3191828 B2 JP3191828 B2 JP 3191828B2 JP 13511692 A JP13511692 A JP 13511692A JP 13511692 A JP13511692 A JP 13511692A JP 3191828 B2 JP3191828 B2 JP 3191828B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bleaching
ink
pulp
deinking
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13511692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05331789A (ja
Inventor
俊明 金田
聖久 陣内
哲夫 腰塚
亜希子 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP13511692A priority Critical patent/JP3191828B2/ja
Publication of JPH05331789A publication Critical patent/JPH05331789A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3191828B2 publication Critical patent/JP3191828B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/64Paper recycling

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷古紙の改良された
脱墨漂白方法に関し、更に詳しくはパルプ中の残存イン
キが非常に少なく、かつ高白色度のパルプを得る脱墨漂
白方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙、パルプ業界では古くから印刷古紙を
脱墨漂白してバージンパルプの代替としての利用が進ん
でいる。従来の一般的な古紙の脱墨漂白方法としては、
図2に示したような方法で実施されている。即ち、パル
パー等の離解機でアルカリ、脱墨剤等を添加し古紙濃度
15%以下で離解した後(パルパー処理)、クリーナー
等で粗いゴミを除塵し(粗選処理)、次いでシックナー
で古紙濃度10%以上に脱水し(脱水処理)、ついでア
ルカリ剤、脱墨剤、過酸化物を添加、混合(薬品添加混
合処理)し、(混合方法としては、ケミカルミキサー等
の混合機が使用される)、熟成タワーにて長時間熟成、
漂白処理(アルカリ熟成、漂白処理)した後、希釈、離
解(希釈、離解処理)し、次いでフローテーション処理
によりインキを除去後、更に洗浄処理を経て脱墨パルプ
を得ている。またさらに必要に応じてフローテーション
処理後過酸化物または還元剤により漂白処理が行われ
る。
【0003】これらの方法で脱墨漂白されたパルプは、
従来例えば新聞古紙パルプの場合は新聞紙へ還元、及び
白板紙表下向け用として大部分利用されてきた。このよ
うに従来は主に下級紙への用途が大部分であったが、最
近の熱帯雨林の枯渇問題、ゴミ類の増加問題により地球
規模で資源のリサイクル運動が高まり、より脱墨パルプ
の利用促進のために高品質の脱墨パルプが要求されてき
ている。
【0004】しかしながら最近の印刷方法は、より美し
く、より堅牢にとの要求から従来の脱墨容易な凸版印刷
方法より脱墨の困難なオフセット印刷方法が増大してき
ている。オフセット印刷インキ中にはフェノール系の合
成樹脂、アマニ油等の植物油が多量に含まれており、こ
れらの成分が印刷後酸化重合し繊維に付着し上記従来法
では脱墨困難な状況にしている。そこでこれらオフセッ
トインキ対策および脱墨漂白パルプの高品質化(高白色
度、残存インキの減少)を目的にニーダー等の強力混合
機の導入が提案されてきている。
【0005】例えば、特開昭54-120705 号公報には濃度
10%以下の原料古紙に脱墨薬品を加えて離解するA工
程、原料濃度を10%以上に脱水するB工程、古紙に対
して3%以上のアルカリを添加するC工程、濃度10%
以上で3時間以上アルカリ浸漬するD工程、捏和機(ニ
ーダー)などで1分以上撹伴処理するE工程、その後、
希釈、洗浄、浮選、漂白等の後処理を行うF工程をこの
順で含む方法が開示されている。また、特公昭61-11353
号公報にはオフセット古紙を含有した印刷古紙から白色
度の優れたパルプを得る脱墨方法として、印刷古紙に苛
性ソーダ、ケイ酸ソーダ及び界面活性剤及び過酸化水素
漂白剤を添加し、15%以上のパルプ濃度並びに5.0
g/リットル(NaOHとして)以上のアルカリ濃度に
おいて、リファイナー、ニーダー等を使用し、加温下で
圧縮力を与えながら機械的攪拌を行う方法、また前記特
公昭61-11353号公報の改良方法として特公平4-8554号公
報には上記方法を第1工程とし、さらにそのまま0.5
時間以上熟成処理した後パルプ濃度15〜25重量%に
保持し機械的撹拌処理を行う第2工程、さらに7重量%
以下に希釈し機械的撹拌処理を行う第3工程を含むこと
を特徴とする方法が開示されている。また、特開平2-22
1480号公報には前段のアルカリ浸漬工程、次いでフロー
テーション工程、更に後段のアルカリ浸漬工程において
後段のアルカリ浸漬工程の前及び/又は後で10%以上
の原料濃度で機械的撹拌を行う工程が開示されている。
しかしながらこれらの方法は、従来方法に比較すればそ
の脱墨漂白性はかなり改善されたものの、高級紙用配合
パルプとしてのその品質(白色度、脱墨度)にはまだま
だ問題があり、業界では更に高度に脱墨漂白できる方法
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】印刷古紙、特にオフセ
ット印刷古紙を含んだ古紙原料から中質紙、情報用紙等
高級な紙製品への配合可能な脱墨パルプの品質条件とし
ては、高白色度でかつ繊維に付着残存するインキ量が少
ない高脱墨度の脱墨漂白パルプを得る必要がある。この
ための方法として上記例に示したようなニーダー等の機
械的撹拌処理を導入した脱墨方法が開示されているが、
上記のような高級印刷用紙に配合するためにはまだまだ
種々問題点がある。即ち
【0007】例えば特開昭54-120705 号公報ではアルカ
リ熟成でのアルカリ添加率が3%と非常に多くパルプ繊
維の黄変及びアルカリ熟成後のニーダー処理による微細
インキの増加があり、特公昭61-11353号公報においては
高アルカリ濃度(NaOHとして5g/リットル以上)
で機械的撹拌を行うためにパルプ繊維の黄変化がある。
また特公平4-8554号公報の機械的撹拌処理を3段(高濃
度、中濃度、低濃度)で行う方法でもパルプ繊維の黄変
化とインキの微細化の問題がある。これらの脱墨方法で
はアルカリ熟成によりインキが軟化しパルプ繊維から剥
離しやすい状態になったインキを機械的に強制的に剥離
させると、それと共に剥離させたインキを微細化してし
まい、さらに一部は再度パルプ繊維に再吸着してしま
う。従って、目視できる残存インキは非常に少なくなる
が、反面数ミクロン以下の非常に微細化されたインキが
増大しそのためフローテーション処理工程ではこれらの
微細インキの捕集効率が低下し、得られた脱墨パルプは
灰色にくすんだ感じの白さとなる。この脱墨パルプを灰
色にくすませる微細インキが存在すると、脱墨パルプの
白色度をより向上させるために過酸化物等の漂白剤使用
量を増量しても白色度はある一定以上には向上せず白色
度のレベルオフの原因となる。従って高グレードの中級
紙への大量配合は難しいのが現状である。
【0008】また前記改良方法で過酸化物による高白色
度化を図るには、熟成脱墨漂白処理工程での含有インキ
による過酸化物の無駄な分解消失というもう一つの大き
な問題がある。図2の薬品添加混合処理工程においてミ
キサ−がニ−ダ−に変更されたとしても、パルパー処理
では脱墨作用より印刷古紙を繊維化する事が主目的であ
り、次の除塵工程(粗選処理)ではプラスチック類、金
属類の除去が主目的である。即ち、アルカリ熟成、漂白
処理工程には印刷インキの大部分が混入することにな
る。本発明者等はこのインキと過酸化物の反応について
詳細に検討した結果、インキと過酸化物が反応し、かつ
インキが過酸化物の分解触媒として作用している事が判
明した。
【0009】即ち、このアルカリ熟成、漂白処理工程に
おいて、多量の残存インキと過酸化物が反応し過酸化物
がインキによって触媒的に無駄に分解され、特に高白色
度にする場合、多量の過酸化物を使用しなければなら
ず、過酸化物の原単位が非常に高くなってしまうという
重大な問題点がある事がわかった。従って、高白色度に
しようとすると多量の過酸化物が必要となり、バージン
パルプに較べ古紙パルプのコストが安いという経済的特
徴が失われてしまう。以上のように、本発明の目的は上
記のような微細インキによる白色度のレベルオフ、
残存インキの過酸化物に対する触媒的分解反応による過
酸化物の無駄な分解等の問題を解決することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、通常法でパル
ピング、粗選処理された印刷古紙パルプを10%以上の
印刷古紙パルプ濃度で強力混合機による機械的撹拌を行
う工程(A)、次いで洗浄を行う工程(B)、更に10
%以上の印刷古紙パルプ濃度でアルカリ薬剤、界面活性
剤、過酸化物及び過酸化物の分解抑制剤を添加し強力混
合機による機械的撹拌処理(C)を行った後アルカリ熟
成、漂白処理を行う工程を含むことを特徴とする印刷古
紙の脱墨漂白方法である。また、本発明は、印刷古紙を
10%以上の印刷古紙パルプ濃度で機械的撹拌を行う工
程(A)で界面活性剤を添加することを特徴とする前記
の印刷古紙の脱墨漂白方法である。
【0011】本発明の脱墨方法は図2に示すような、印
刷古紙を繊維化するパルパー処理、次いでゴミ除去のた
めの粗選処理、ついで脱水処理、さらにケミカルミキサ
ー等を用いてアルカリ薬剤、界面活性剤等の脱墨剤、過
酸化物を添加、混合する薬品添加混合処理を行い、次い
でアルカリ熟成、漂白タワーで脱墨、アルカリ熟成、漂
白処理後希釈、離解処理し、更にフローテーション処
理、ついで洗浄処理にて脱墨パルプを得る従来の脱墨法
において、粗選処理とアルカリ熟成、漂白処理の間に、
図1の本発明の脱墨漂白工程図に示すように粗選処理後
古紙パルプ濃度を10%以上に脱水処理した後、強力混
合機による機械的撹拌処理を行い(A工程)、次いで洗
浄処理を行う工程(B工程)、更にアルカリ熟成、漂白
処理前に強力混合機による機械的撹拌処理(C工程)を
導入する事を特徴とする。従来のパルパー処理〜粗選処
理〜脱水処理〜脱墨剤、漂白剤添加、混合処理〜アルカ
リ熟成、漂白処理〜希釈、離解処理〜フローテーション
処理〜洗浄脱水処理の工程においては、インキを系外に
除去する工程は後工程のフローテーション処理工程以降
のみである。従って、過酸化物を添加し脱墨、漂白を行
うアルカリ熟成、漂白処理工程では印刷インキが多量に
混入している。本発明者等はこのインキと過酸化物との
反応について詳細に検討した結果、このインキと過酸化
物は単にお互いに反応するのではなく、このインキは過
酸化物の分解に対して触媒的作用をもつ事が分かった。
【0012】従って、特に高白色度にするために多量に
過酸化物を使用した場合、またそこに多量のインキが存
在した場合、過酸化物は全く無駄に触媒的に分解されて
しまい高白色度が得られない、またある程度の高白色度
が得られても多量の過酸化物を必要とし経済的にも全く
不利であることがわかった。そこで過酸化物をできるだ
け有効に漂白に使用するためには過酸化物を添加しアル
カリ熟成、漂白処理する前にできるだけ残存インキを除
去する事が肝要である。また、アルカリ熟成、漂白処理
後にニーダー等により高濃度で機械的撹拌処理を行う
と、アルカリ熟成処理によりせっかく剥離したインキ粒
子がフローテーション処理では除去できない程必要以上
に微細化され、また微細化されたインキがパルプ繊維に
再吸着し脱墨パルプが灰色ががってしまうおそれがあ
る。この微細インクは白色度に影響し白色度向上のため
に過酸化物を多量に添加しても一定以上の白色度アップ
が得られない、いわゆる白色度のレベルオフ現象を引き
起こす。
【0013】これに対して本発明方法によれば、過酸化
物添加アルカリ熟成、漂白処理前に機械的撹拌処理によ
りインキを剥離させ、ついで洗浄処理により系外に除去
してしまうので過酸化物添加アルカリ熟成、漂白処理工
程におけるインキ量が従来法に較べ非常に少なくなり、
過酸化物の漂白への有効利用率が飛躍的に向上する結
果、高白色度にするための過酸化物の原単位が非常に少
なくてすむ。またアルカリ熟成、漂白処理以前の工程で
インキの大部分を除去してしまうので、後段のフローテ
ーション処理におけるインキ除去効率がアップし、従来
法のような微細インキによる脱墨パルプの「くすみ」も
なく、従って従来法に較べ高白色度にできる。またアル
カリ熟成、漂白処理工程前の機械的撹拌処理工程(A工
程)に界面活性剤を添加することにより、つぎの洗浄処
理工程でよりインキの除去効率が向上するとともに洗浄
処理工程の用水原単位を低下させる事ができる。
【0014】次に本発明方法について図1により更に具
体的に説明する。本発明に使用できる印刷古紙は凸版印
刷古紙、オフセット印刷古紙または両者の混合物、その
他一般の古紙が用いられる。まずパルパー処理は、パル
パーに、苛性ソーダ、ケイ酸ソーダ、界面活性剤からな
る薬剤に印刷古紙を投入し印刷古紙を繊維化する。パル
パーとしては、パルプ濃度3〜5%程度で処理する低濃
度パルパー、パルプ濃度10〜15%程度で処理する高
濃度パルパー、また回転ドラムによりパルプ化するファ
イバーフロー等の装置が使用される。ついで希釈してク
リーナー等の除塵装置でプラスチック類、金属類等の比
較的大きいゴミ類を除去する(粗選処理)。ついでパル
プ濃度10%以上に脱水する(脱水処理)。脱水装置と
しては、通常のフィルター、バルブレスフィルター、ワ
イヤー方式等の高濃度脱水機等が用いられる。脱水され
た高濃度の古紙パルプは高せん断力を受けながら強力混
合機による機械的撹拌処理(A工程)を受けインキは古
紙パルプ繊維から剥離される。処理温度としては、通
常、常温〜90℃が好ましい。高せん断力をパルプに与
えることができる強力混合機としては、リファイナー、
ニーダー、二軸ミキサー、ディスパーザー等が使用され
る。
【0015】次に強力混合機による機械的撹拌処理をう
けたパルプより剥離したインキは洗浄処理(B工程)に
より系外に排出される。洗浄装置としてはエキストラク
ター、ドラムウオシャー、ワイヤータイプの洗浄機等が
使用される。また前記機械的撹拌処理工程(A工程)に
界面活性剤を添加することにより、古紙繊維よりのイン
キ除去効率が向上し、さらにつぎの洗浄処理工程での用
水原単位が減少する。界面活性剤としては、ノニオン
系、アニオン系または両者の混合物が用いられる。ノニ
オン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエ
ーテル等が用いられ、アニオン系界面活性剤としては、
脂肪酸石鹸、高級アルコールの硫酸エステル、アルキル
スルフォネート、脂肪酸のエチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド誘導体、高級アルコールのエチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド誘導体、油脂のエチレン
オキサイド−プロピレンオキサイド誘導体等が用いられ
【0016】次ぎにB工程で洗浄されたパルプはシック
ナーでパルプ濃度10%以上に濃縮され(脱水処理)、
次いで機械的撹拌処理と同時にアルカリ剤、界面活性
剤、過酸化物および過酸化物の安定剤が加えられインキ
の剥離と漂白剤、脱墨剤の混合が行われる(C工程)。
さらにインキの繊維からの剥離促進および漂白反応の促
進のためにアルカリ熟成、漂白タワーに滞留させ、アル
カリ熟成、漂白処理を行わせる。C工程で使用されるア
ルカリ剤としては苛性ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソー
ダ等の公知のアルカリ剤が用いられ、また界面活性剤と
しては従来脱墨に用いられている公知のものが用いられ
る。過酸化物としては、過酸化水素、過炭酸ソーダ、過
酢酸、過ほう酸ソーダ等の過酸化物が用いられるが特に
過酸化水素が好適である。過酸化物安定剤としては、ケ
イ酸ソーダ、キレート剤等が用いられる。
【0017】アルカリ熟成、漂白処理工程では繊維から
剥離していないインキをアルカリと充分反応させて剥離
し易くするためと過酸化物により古紙パルプを漂白する
ための工程である。熟成時間は、原料濃度、アルカリ添
加量、温度等により異なるが一般的には0.5時間以上
が好ましい。原料濃度としては、10%以上が好まし
い。C工程で使用されるアルカリ添加量としては過酸化
物の添加量により異なるが、一般的には古紙パルプに対
して0.1%〜5%好ましくは0.5%〜3%が用いら
れる。過酸化物の添加量としては、0.1%〜5%が用
いられる。過酸化物安定剤としては、ケイ酸ソーダが用
いられ、0.5%〜10%が用いられ、またさらにキレ
ート剤を併用する時はキレート剤種としてエチレンヂア
ミン四酢酸、ヂエチレントリアミノ五酢酸、ニトリロ三
酢酸、ヂエチレントリアミノ五リン酸等及びその塩が用
いられる。
【0018】つぎに古紙原料を希釈して希釈、離解処理
を行い、次いでフローテーターを用いてフローテーショ
ン処理を行い、公知の低い濃度で、原料中の剥離したイ
ンキを分離、除去する。さらに洗浄処理工程を経て脱墨
パルプが完成される。また完成パルプの要求白色度によ
りフローテーション処理工程後さらに過酸化物漂白また
は還元漂白が付加される。
【0019】以上のように本発明では、アルカリ熟成、
漂白処理の前に、古紙パルプの機械的撹拌処理ついで洗
浄処理を導入する事により大部分のインキを系外に除去
してしまうので、アルカリ熟成、漂白処理におけるイン
キと過酸化物の無駄な分解反応がきわめて少なくなる結
果、過酸化物の漂白作用が従来の脱墨法に較べ格段に向
上する。また過酸化物の作用が従来法に較べ格段に向上
した結果、過酸化物の脱墨作用(繊維からのインキ剥離
作用)も向上し従来法に較べ脱墨の点からも優れてい
る。さらに前段でインキを大部分除去した事から後段の
フローテーション処理工程の負荷が軽減し、その結果イ
ンキ除去効率が向上し、従来法で問題となっていた、微
細残存インキによる「くすみ」もなくなり高白色度まで
過酸化物で漂白が可能になった。
【0020】
【実施例】次に本発明方法を実施例および比較例により
更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限
定されるものではない。実施例および比較例中のパルプ
濃度、薬品濃度、白色度、残インキ面積率(%)等の詳
細は次の通りである。 パルプ濃度、薬品濃度;絶乾パルプ重量基準の重量
%(Wt%)。 白色度;脱墨漂白終了後のパルプを絶乾量15g採
取し、純水にてパルプ濃度1.0%に希釈離解後、pH
5.5に亜硫酸水にて調整する。その希釈パルプスラリ
−を径150mmのブフナーロートにて吸引濾過し、2
枚のパルプシートに抄紙後1夜風乾し、ハンター反射率
計(JIS P8123 )にて測定した。 残インキ面積率;(株)ピアス社製画像解析装置お
よび光学顕微鏡を使用し、上記の白色度測定に用いたシ
ートについて残存インキ面積を測定した。そしてその測
定視野面積で割った値を残インキ面積率(%)とした。
【0021】参考例1 実施例、比較例の脱墨漂白用の試料を次のように製造し
た。原料古紙として、オフセット印刷新聞30重量%、
凸版印刷新聞45重量%、チラシ25重量%を混合して
使用した。そして、該原料古紙を試験用パルパーを用い
下記処理条件にてパルピング処理を行い、実施例、比較
例の供試料とした。即ち、古紙に苛性ソーダ1.5%、
DI−600R 0.3%〔花王(株)製〕、DI−3
80 0.03%〔花王(株)製〕を添加し、パルプ濃
度15%、50℃、15分間の離解処理を行い、次いで
1%に希釈し、80メッシュ金網上でパルプ濃度28%
に脱水した。
【0022】実施例1 参考例1のパルピング処理されたパルプを用い下記工程
順、処理条件にて脱墨漂白処理を実施した。 工程;ニーディング処理(A工程) 試験用ニーダーにて、パルプ濃度25%、60℃、3分
間のニーディング処理を行う。 工程;脱水洗浄処理(B工程) 80メッシュ金網上にて1%に希釈、20%脱水を4回
(4回目は28%に脱水した)行い洗浄する。 工程;薬品ミキシング兼ニーディング処理(C工程) 下記濃度組合せの漂白薬品をパルプに添加し試験用ニー
ダーにて、PC25%、60℃、3分間薬品ミキシング
兼ニーディング処理を行う。
【0023】
【0024】工程;アルカリ熟成、漂白処理 工程の処理後、温度60℃を保持しながら3時間の熟
成、漂白反応を行う。 工程;希釈離解、フローテーション処理。 漂白後のパルプを離解機にてPC3%に1分間離解処理
し、その後更にPC1%に希釈し、試験用フローテータ
ーにて10分間のフローテーション処理を行う。 工程;洗浄、脱水処理( 脱墨漂白終了) 。 80メッシュ金網上にて1%希釈、20%脱水処理を計
2回繰り返し洗浄処理を行った。処理後のパルプについ
て抄紙し、風乾乾燥後白色度、残インク面積率を測定し
た。結果を表1に示した。
【0025】比較例1 実施例1の工程を削除し、工程から実施例1と同
様な処理を行った。結果を表1に示した。
【0026】比較例2 比較例1のH2 2 0.5%と3.0%処理について、
工程熟成、漂白後、パルプ濃度1%に希釈し、ついで
パルプ濃度25%に脱水した。その後ニーダーにて60
℃、3分間ニーディング処理を行い、次いで実施例1の
工程と同様の処理を行った。結果を表1に示した。
【0027】実施例2 実施例1のH2 2 3.0%脱墨漂白処理について、工
程ニーディング処理時に界面活性剤としてポリオキシ
エチレンノニルフェノールエーテル〔松本油脂(株)
製〕0.2%を添加し、他は実施例1と同様な処理を行
った。結果を表1に示した。
【0028】実施例3 工程の洗浄回数を2回にした以外は実施例2と同様な
処理を行った。結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1〜3は本発明方法による結果、比
較例1〜2は従来法による結果を示した。この結果から
明らかなように、従来法はアルカリ熟成、漂白処理工程
前までにインキを系外に除去する工程が脱水処理工程し
かないため多量のインキがアルカリ熟成、漂白処理工程
に混入してくる。その結果、インキの過酸化水素に対す
る触媒的分解作用により過酸化水素を3%まで増量して
もほとんど分解してしまう。
【0031】一方、本発明方法によればアルカリ熟成、
漂白処理前に古紙パルプの機械的攪拌、ついで洗浄によ
りインキの大部分が系外に除去されてしまうためアルカ
リ熟成、漂白処理工程の過酸化水素が多量に残存し、残
インキによる過酸化水素分解が著しく抑制されている。
また、残存インキ量については本発明方法の場合従来法
に比較して、アルカリ熟成、漂白処理前に大部分のイン
キが除去されているので、後段のフローテーション処理
における負荷が減少した結果、インキ除去効率が非常に
良くなり、その結果微細インキによる「くすみ」がなく
なり、経済的な過酸化水素の量で充分高白色度得る事が
可能である。
【0032】従来法の改良法について比較例2で実施し
た。この方法はアルカリ熟成、漂白処理の前後にパルプ
の機械的攪拌処理を導入し、よりインキを古紙パルプ繊
維から剥離させようとする方法である。残存インキ量に
ついては比較例1に較べ減少したが、多量のインキの存
在のところに再度機械的攪拌処理を実施するため、微細
インキが著しく増加した結果、後段のフローテーション
処理の負荷が増大しフローテーション処理のインキ除去
効率が減少し、微細インキによる「くすみ」がとれず高
白色度に達し得ない。
【0033】実施例2、3はアルカリ熟成、漂白処理前
のインキ除去効率のさらなる向上と洗浄用水の節減を目
的とした界面活性剤の添加効果の例である。界面活性剤
の添加によりさらなる白色度向上と洗浄用水の節減がで
きる事が示されている。
【0034】
【発明の効果】本発明方法は、従来の脱墨漂白方法では
高グレードの中級紙に配合可能な状態までの脱墨漂白が
不可能であった印刷古紙、特にオフセット印刷古紙の脱
墨漂白状態の著しい改善を図った方法である。本発明
は、アルカリ熟成、漂白処理前にニーダー等の機械的撹
拌処理の導入およびそれにより剥離したインキを洗浄で
除去してしまうのでアルカリ熟成、漂白処理に入ってく
るインキ量が従来法より極端に少なくなり、従来法で問
題になったインキと過酸化物との触媒的反応による無駄
な分解が著しく抑えられ、非常に少ない量の過酸化物で
高グレードの中級紙に配合可能な高白色度の脱墨漂白パ
ルプを得る事が可能である。
【0035】また、本発明方法によればアルカリ熟成、
漂白処理工程前に大部分のインキを除去してしまうの
で、後段のフローテーション処理工程の負荷が減少し、
従来法で問題となった残存微細インキによる「くすみ」
現象がなくなり、鮮明な高白色度パルプを得る事が可能
である。以上のように本発明方法によれば、従来法では
不可能であった高白色度、高脱墨度の脱墨パルプが経済
的に得られ、高グレードの中質紙にこれらの脱墨パルプ
を配合することが可能である。従って、最近の紙ゴミの
処理問題、森林資源の保護の問題等にも充分に貢献でき
る方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の脱墨漂白工程を示す図である。
【図2】図2は従来の一般的な脱墨漂白工程を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−28992(JP,A) 特開 平4−50391(JP,A) 特公 昭53−1362(JP,B2) 特公 昭61−11353(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 5/02 D21C 9/10 D21B 1/00 - 1/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷古紙の脱墨漂白方法において、印刷
    古紙の粗選処理工程とアルカリ熟成、漂白処理工程まで
    のあいだに10%以上の印刷古紙パルプ濃度で強力混合
    機による機械的撹拌を行う工程(A)、次いで洗浄を行
    う工程(B)、更に10%以上の印刷古紙パルプ濃度で
    アルカリ薬剤、界面活性剤、過酸化物及び過酸化物の分
    解抑制剤を添加し強力混合機による機械的撹拌を行う工
    程(C)を導入することを特徴とする印刷古紙の脱墨漂
    白方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の印刷古紙を10%以上の印刷
    古紙パルプ濃度で機械的攪拌を行う工程(A)で界面活
    性剤を添加することを特徴とする請求項1記載の印刷古
    紙の脱墨漂白方法。
JP13511692A 1992-05-27 1992-05-27 印刷古紙の脱墨漂白方法 Expired - Fee Related JP3191828B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13511692A JP3191828B2 (ja) 1992-05-27 1992-05-27 印刷古紙の脱墨漂白方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13511692A JP3191828B2 (ja) 1992-05-27 1992-05-27 印刷古紙の脱墨漂白方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05331789A JPH05331789A (ja) 1993-12-14
JP3191828B2 true JP3191828B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=15144205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13511692A Expired - Fee Related JP3191828B2 (ja) 1992-05-27 1992-05-27 印刷古紙の脱墨漂白方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3191828B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279590A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Nippon Paper Industries Co Ltd 古紙再生処理方法
JP2002069876A (ja) * 2000-08-22 2002-03-08 Nippon Paper Industries Co Ltd 古紙の脱墨方法
FI121385B (fi) * 2004-02-24 2010-10-29 Kemira Oyj Menetelmä suursaantomassojen uuteainepitoisuuden vähentämiseksi ja menetelmä valkaistujen suursaantomassojen valmistamiseksi
JP2016172934A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 王子ホールディングス株式会社 脱墨古紙パルプの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05331789A (ja) 1993-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5401360A (en) Method for de-inking printed paper
JP4752543B2 (ja) 高白色度脱墨パルプの製造方法
JPH07507109A (ja) 故紙の処理方法
JP3191828B2 (ja) 印刷古紙の脱墨漂白方法
JP4952255B2 (ja) 脱墨パルプの製造方法
US5733412A (en) Decolorizing brown fibers in recycled pulp
JP4604962B2 (ja) 高白色度脱墨パルプの製造方法
JP5401935B2 (ja) 脱墨パルプの製造方法
JP6492798B2 (ja) 脱墨古紙パルプの製造方法
JP6304023B2 (ja) 脱墨パルプの製造方法
JPH09241985A (ja) 古紙の再生処理方法
JPH11200269A (ja) 印刷古紙の脱墨方法
JP2002363879A (ja) 再生パルプの製造方法
JP4009790B2 (ja) 上・中質系古紙パルプの高白色度漂白方法
JPH0649792A (ja) 古紙処理方法
JPS6328992A (ja) 印刷古紙の脱墨方法
JPH11315487A (ja) 高白色度古紙パルプの製造方法
JP2005281914A (ja) 古紙パルプの製造方法、印刷用再生紙、出版用再生紙及び包装用再生紙
JP2004068175A (ja) 印刷古紙からの脱墨パルプの製造方法
JP2842688B2 (ja) 古紙再生法
JPS6260515B2 (ja)
JP2005240188A (ja) 古紙パルプの製造方法及び古紙パルプ
KR100217303B1 (ko) 고백색도 재생펄프의 제조방법
JPH02229290A (ja) 古紙脱墨促進剤
JP2630349B2 (ja) 再生パルプ製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080525

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees