JP2002363879A - 再生パルプの製造方法 - Google Patents
再生パルプの製造方法Info
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Abstract
トアップの原因となる古紙の選別を最小限にする。 【解決手段】 離解工程、熟成工程、浮遊選別工程、洗
浄工程及び漂白工程の各工程を有する、古紙を脱墨する
ことによる再生パルプの製造方法において、前記離解工
程にて、原料古紙を苛性ソーダと脱墨剤とを含む脱墨薬
品とともに処理することを特徴とし、かつ、離解装置内
で、前段離解処理、浸漬処理及び後段離解処理を行い、
ここで、前記3つの処理を10〜20重量%のパルプ濃度で
行うことを特徴とする再生パルプの製造方法。
Description
プを製造する方法、およびその方法により製造された再
生パルプを用いて製造された紙および塗被紙等の印刷用
紙に関する。
多くの古紙を利用することが望まれており、その利用範
囲も従来の新聞用紙等の下級紙にとどまらず、印刷用紙
等の上級紙にまで広がってきている.しかしながら、古
紙の中には紙だけでなく、アルミフォイルやプラスチッ
ク等のいろいろな異物が混在している。更に、紙の中に
も修正シールや封筒に使われている粘着剤、背糊のホッ
トメルトなど粘着性を有しているもの(本明細書では粘
着異物と記す)も数多く含まれている。この粘着異物は
製品である紙の外観を悪化させるだけでなく、抄紙工程
やその後の塗工機による塗布工程等において、紙切れを
起こし、印刷機で印刷する場合にはインキ抜け、紙剥
け、断紙等の主要因となっている。
ルを避けるため、いままでは選別された古紙を使用し、
できるだけ粘着異物を古紙再生工程に持ち込ませないよ
うにしていた。
を解決しようとすると、禁忌品を古紙の中から見つけだ
すのは多大な努力が必要であることから、作業者に大き
な負担をかけるだけでなく、人件費によるコストアップ
が問題となっていた。また、古紙中に粘着異物がどのく
らい含まれていれば問題であるのかがわからなかったた
め、古紙を過剰に選別し、更にコストを大幅に上昇させ
ていた。
ダ等の脱墨薬品を加えて、機械的攪拌処理することによ
り、古紙を繊維化させる作用だけではなく、同時に脱墨
薬品による化学的効果と繊維同士の摩擦力によりインキ
を繊維から剥離させる作用も担っている。つまり、化学
的処理と機械的攪拌処理を強くするとインキ剥離を促進
させる効果が高い。
が含まれてきた時には、苛性ソーダ等の薬品による化学
的処理と機械的攪拌処理は粘着異物を微細化してしま
い、微細化した粘着異物はクリーナーやスクリーン等の
異物除去装置を用いても古紙再生処理工程中から分離除
去することは困難であった。
古紙からの再生パルプ(DIP)を得るには微細な粘着
異物を生成させない離解、脱墨方法の確立が必要であっ
た。本発明の他の目的は、インキ剥離工程において、粘
着物の微細化を防止しながら繊維からインキを効率よく
剥離させ、しかもその後のフローテーション又は洗浄処
理において、剥離インキの付着性が高く、インキを効率
よく除去することができ、インキが除去された後は消え
易い泡を発生することにより、高白色度で未剥離インキ
の極めて少なく、粘着物の少ない高品質の再生パルプを
製造する方法を提供することである。
粘着異物の微細化を防ぎ、またコストアップの原因とな
る古紙の選別を最小限にするべく、鋭意研究を重ねた結
果、離解工程、熟成工程、浮遊選別工程、洗浄工程及び
漂白工程の各工程を有する、古紙を脱墨することによる
再生パルプの製造方法において、前記離解工程にて、原
料古紙を脱墨薬品とともに処理することを特徴とし、か
つ、離解装置内で、前段離解処理、浸漬処理及び更なる
後段離解処理を行い、ここで、前記3つの処理を10〜20
重量%のパルプ濃度で行うことを特徴とすることによ
り、脱墨薬品の浸透によるインキ剥離効果を促進し、か
つ離解工程全体での機械的攪拌処理をできる限り弱い条
件にすることにより、粘着異物を微細化させずに大きな
まま除去することが可能になり、粘着異物の少ない高品
質のDIPが得られること見出し本発明を完成した。な
お、前記3つの処理を、一つの離解装置内で行うことも
できる。
ソーダと脱墨剤とを含んだものであり、その他に珪酸ソ
ーダ、過酸化水素のような酸化性漂白剤、還元性漂白剤
等を添加してもかまわない。
考えるとできるだけ高濃度で行なうのがインキ剥離に関
してはよいが、特開昭57−25488号公報に開示されてい
る従来の古紙濃度20%以上での浸漬処理では回転式地球
釜などの特別な浸漬装置を必要とする。
パルパーが使用できる10〜20重量%で行うことによ
り、インキ剥離の効率を損なわず、かつ、特別な装置を
必要としないことに特徴を有する。
工程、洗浄工程および漂白工程の各工程を有する、古紙
を脱墨処理することによる再生パルプの製造方法におい
て、前記離解工程にて、雑誌を5%以上含む原料古紙を
苛性ソーダと非イオン性界面活性剤および陰イオン性界
面活性剤とともに処理することを特徴とし、かつ、45℃
以下の離解装置内で、パルプ濃度10〜20重量%で浸
漬処理を行うことを特徴とする再生パルプの製造方法を
もその対象としている。
理、浸漬処理及び後段離解処理を行うことができる。離
解工程での処理に要する全処理時間のうち、30〜70重量
%の比率で、浸漬処理を行うことができる。古紙重量に
対して0.05〜0.3重量%の範囲の非イオン界面活性剤と
ともに、0.02〜0.1重量%の範囲で陰イオン界面活性剤
を添加することができる。非イオン界面活性剤と陰イオ
ン界面活性剤の重量比が99:1〜70:30、好ましくは9
5:5〜80:20となるように使用することができる。陰イ
オン界面活性剤として25℃における臨界ミセル濃度が0.
5重量%以下であり、25℃におけるアマニ油に対する界
面張力が7mN/m以下の化合物および/またはリン酸塩を
分子内に含有する化合物を使用することができる。非イ
オン界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤を前
段離解処理段階及び後段離解処理段階の少なくとも一方
の段階で1回以上添加することができる。脂肪酸または
脂肪酸塩を前段離解処理段階または後段離解段階の少な
くとも一方の段階で添加することができる。原料古紙が
1重量%以上、好ましくは5重量%以上のオフィス古紙を
含むことができる。このような方法により製造された再
生パルプを用いて紙および塗被紙を製造することができ
る。
新聞又は雑誌又はこれらを主体とした古紙である。古紙
標準品質規格(古紙ハンドブック1999 古紙再生促進セ
ンター 平成12年3月)によると、回収新聞は粘着異
物等の禁忌品の混入が0.3%以下なら認められており、言
い換えれば、0.3%くらいの粘着異物が常に混入している
といえる。また、雑誌は、家庭、会社、官公庁等より発
生する雑誌及び残本としており、これ以上詳しく分類さ
れていないが、古紙再生促進センターが同時期に発行し
た「リサイクルに適した雑誌製本のあり方に関する調
査」で雑誌古紙には粘着異物が含まれていることが示さ
れている。つまり、回収新聞又は雑誌古紙には粘着異物
は必ず存在していると考えられる。
なものでも構わないが、離解効率の高いタブ型の高濃度
パルパーが望ましい。約15%濃度での離解回流状態は高
濃度下における繊維同士のニーデイングを主体としたも
ので、ローターの回転数も周速約12〜15m/秒と低速で
あるため異物を砕くカが小さい。
ているパルプ濃度15%で漫漬処理後、希釈して離解羽根
を高速回転して離解する処理があるが、この方法では脱
墨については有利な点もみられるが、段ボール古紙処理
工程において、高速離解機の使用が異物破砕を引き起こ
し、スクリーン出口原料品質を大きく低下させている例
が報告されており、低濃度で高速回転して離解すること
が粘着異物を微細化してしまう欠点があり望ましくない
(紙パルプ技術協会誌、1992年12月、第48巻第12号、p1
534)。
紙及び脱墨薬品を投入し、離解を開始する(前段離
解)。前段離解終了後、ローターの回転を止め、浸漬す
る。浸漬終了後、再びローターを回転させて離解を開始
する(後段離解)ことにより行う。前段離解、浸漬及び
後段離解で処理する総時間は、通常の離解時間と同じで
ある。前段離解で使用するローターの回転数は、通常の
回転数の100〜50%程度で行うことができる。これ
は、アルカリに接触している時間が同じであるため、そ
の範囲の値に落としてもインキ剥離性は同等であり、粘
着異物の微細化は押さえられるためである。ただし、5
0%以下にするとインキ剥離性が悪化する。後段離解で
は、通常使用している回転数で行うことができる。
苛性ソーダと脱墨剤を含む。ただし、脱墨剤は、苛性ソ
ーダに比べてインキ剥離力が劣るため、前段離解に必ず
入れなければならないということではなく、前段離解処
理段階及び更なる後段離解処理段階のいずれの段階で
も、数回に分割して添加してもかまわない。過酸化水素
は、目標品質によって添加することもできる。
ンキ被膜強度を下げるために、0.2〜5重量%(対絶乾
原料古紙)が好適である。温度は常温でも構わないが、
40〜50℃に加温すれば脱墨薬品の反応が促進され、浸漬
時間の短縮及び添加薬品の節減を図ることができる。し
かし、粘着異物は温度が高いほど軟化し、機械力がかか
った場合にはより微細化しやすくなる。従って、粘着異
物の除去率を高く維持するためには、処理時の温度は45
℃以下が望ましい。
いよう、機械力は一切かけない。また、離解工程での処
理に要する全処理時間のうち、30%以上70%未満の比率
で、浸漬処理を行なうことが望ましい。全処理時間のう
ち浸漬処理時間が30%以下であれば浸漬処理の効果が小
さく、また、浸漬処理時間が70%を超えると、未離解古
紙が増加し、離解が不十分となり粗選工程で排出される
異物量が増加する。従って、操業効率も低下するため好
ましくない。
ては、公知または新規の非イオン界面活性剤、例えば、
脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪
酸などのアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混
合物でも良い。非イオン界面活性剤の使用量としては、
古紙重量に対して0.05%以上0.3%未満であることが望
ましい。0.05%未満では界面活性剤の濃度が界面活性能
の高い臨界ミセル濃度以下となり、著しくインキ剥離性
が低下する。0.3%以上では発泡性が高すぎて泡問題を
引き起こし、繊維収率が低下する。
を促進させる目的で使用する陰イオン界面活性剤として
は、公知または新規の陰イオン界面活性剤、例えば脂肪
酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、高級アルコールリン酸塩等が挙げられる。インキ
除去の点からは、25℃における臨界ミセル濃度が0.5%
以下であり、アマニ油に対する界面張力が7mN/m以下の
界面活性剤を好適に用いることができ、泡切れの促進と
いう点からは、特に分子内にリン酸基またはこの塩を有
する界面活性剤を好適に用いることができる。陰イオン
界面活性剤の使用量としては非イオン界面活性剤の添加
重量に対して1%以上30%未満、好ましくは5%以上20%
未満の範囲で使用することが望ましい。一般に陰イオン
界面活性剤自体の発泡性は非イオン界面活性剤よりも高
いため、非イオン界面活性剤に対して30%以上の添加で
は発泡量が増加するため泡問題を改善できない。1%未
満の添加では薬品濃度が低すぎて非イオン界面活性剤の
性質を改変できない。
浸漬、そしてその後の離解を、2つ以上の装置で行うこ
ともできる。また、前段離解、浸漬、後段離解処理の組
み合わせを2回以上繰り返すことにより更に好結果が得
られる。
る除塵工程や離解工程で繊維から剥離したインキを除く
ためのフローテーション、洗浄処理による脱インキ工程
を有するが、勿論、要求品質によっては、離解工程で繊
維から剥離しなかったインキを更に剥離するためにニー
ダー等の混練機を用いて処理するインキ剥離工程や、パ
ルプの白色度を上げるための漂白工程を何段組み入れて
も何ら問題ない。
物が非常に少なく、このパルプを100%用いて印刷用
紙を製造することができる。その場合の印刷用紙は公知
の抄紙機にて抄造されるが、その抄造条件は特に規定さ
れるものではない。また、高速抄造を考慮に入れた場合
には、ギャップフォーマーを有する抄紙機を用いること
が好適である。
炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の填料の他、一
般に使用される各種のアニオン性、カチオン性、ノニオ
ン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、ろ水性向上剤、
紙力増強剤や内填サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に
応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白
剤、PH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライ
ムコントロール剤等も必要に応じて添加しても何ら問題
はない。
ンプン等を塗布しても構わない。更に、このようにして
抄造した紙は、塗工用塗料を塗工することによって、高
品質の塗被紙を得ることができる。
もに処理することを特徴とし、かつ、離解装置内で、前
段離解処理、浸漬処理及び更なる後段離解処理を行い、
ここで、前記3つの処理を10〜20重量%のパルプ濃度で
行うことにより、以下のような効果がある。
と同じであるが、ローターを回転している時間は短いの
で、粘着異物が微細化されず、スクリーンでの除去効果
が高くなる。
ダと古紙との接触時間が従来法と同じであることから従
来法と変わらない。 3.粘着異物の少ない高品質のDIPが製造できる。
る。 4.古紙の用途が拡大できる。 更に、本発明は古紙原料を利用することで資源の再利用
ができ、環境破壊をすることなく良質のパルプを得るこ
とができ、また、経済性もあり工業的に有効な方法であ
る。
では、粘着物を多く含む雑誌やオフィス古紙を含む、新
聞、チラシ、コピー、コンピュータープリントアウトな
どから、粘着物および残インキが少ない高品質・高白色
度の再生パルプを得ることができる。また、再生パルプ
の製造工程においてインキを除去した後の泡が消え易
く、操業性を著しく改善することができる。
示すが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。 《脱墨試験1》古紙として、印刷後3ヵ月経過した新聞古
紙60重量%とチラシ40重量%からなる古紙を細断し混合し
た。また、印刷後のコピー印刷物80重量%と感熱紙10重
量%、感圧紙10重量%からなる古紙を細断し試料とし
た。その古紙絶乾450gに対して苛性ソーダ1.0重量%、珪
酸ソーダ3.0重量%、過酸化水素1.0重量%、表1に示す市
販脱墨剤およびその混合物を加え、水でパルプ濃度15重
量%に調整した後、2リットル容量のパルパーを用い
て、40℃で、6分間離解した。離解した試料に水を加え
て古紙濃度が1%になるように希釈し、これをフローテー
ターに注入して3分間フローテーションを行った。フロ
ーテーション後のパルプスラリーを0.2%濃度に希釈し、
JIS法に従って白水循環手すきを行ない、パルプシート
を作成した。 《脱墨試験2》相川鉄工(株)技術センターの脱墨パイ
ロット設備を用いて脱墨試験を行った。古紙としては印
刷後約3ヶ月経過した新聞古紙およびチラシ50重量%と
更系およびコート系雑誌古紙50重量%からなる古紙800k
gを高濃度パルパーに投入し、古紙に対して苛性ソーダ
1.0重量%、珪酸ソーダ3.0重量%、過酸化水素1.0重量%、
表2に示す市販脱墨剤およびその混合物を加え、温水で
パルプ濃度15重量%に調整した後、40℃で、離解工程の
合計時間が14分となるように処理を行った。浸漬処理を
行った場合、2分間の前段離解に引き続いて6分間の浸漬
を行い、その後6分間の後段離解を行った。離解後のパ
ルプは粗選スクリーン(相川GFC400型)を通した後、マ
ックセルフローテーター(相川鉄工製)を用いてインキ
除去を行い、更に精選スクリーン(相川GFF400型)処理
を行い完成原料とした。 《インキ剥離性の評価》インキ剥離状態の評価はフロー
テーション後の試料を150メッシュの篩を用いて流水で
完全に洗浄した後、JIS法に従って手すきシートを作成
し、画像解析装置Scan Mark 800を用いて、異なる5枚
の手すきシート上の0.05mm2以上の残インキ数を画像処
理にて測定し、その平均値から算出した。 《フローテーターでの発泡性の評価》脱墨試験1ではフ
ローテーションでの発泡性について、除去したフロス重
量から単位体積あたり泡体積を以下の式によって算出し
た。
で発生したフロス重量/初期スラリー重量×100 また、脱墨試験2ではフロス体積1L中の泡の占める体積
を百分率で示した。 《粘着物測定方法》実施例及び比較例で得られたパルプ
中に含まれる粘着異物の測定は、以下に示す特開平11
−083845に規定されている方法に準じて行った。
1000分の6インチ幅を持つテスト用フラットスクリ
ーンを用いて分離する。 (2) 該混入異物を、ガラス繊維ろ紙上に集めた後、
乾燥後、セルロース繊維ろ紙をガラス繊維ろ紙の上に被
せ、該混入異物を挟む。 (3) セルロース繊維ろ紙に高粘着性粘着異物が付着
するように105℃、3.5kg/cm2(0.34M
Pa)で5分間加熱加圧処理を行う。 (4) 冷却後、ガラス繊維ろ紙とセルロース繊維ろ紙
を分離する。 (5) セルロース繊維ろ紙に付着した高粘着性粘着異
物の個数を計測する。 尚、実施例、比較例における薬品添加量(%)は絶乾原
料に対する重量%を示す。
を含む)と雑誌古紙(背糊付きを含む)を1:1で混合
したものを使用した。実施例1 原料古紙を以下の条件となるように、高濃度パルパー
(熊谷理機工業社製、5リットル容)に投入した。 ・苛性ソーダ添加量 1.2% ・過酸化水素 1.0% ・珪酸ソーダ(3号) 3.0% ・脱墨剤(花王株式会社製商品名DI 767) 0.2% ・パルプ濃度15%、40℃ まず、古紙と上記薬品をパルパーに投入し、所定濃度、
温度になるように調整した後、2分間ローターを400
rpmで回転し離解した(前段離解)。終了後ローターの
回転を止め、8分間浸漬処理を行った後、再びローター
を400rpmで回転させて6分間離解した(後段離
解)。
スクリーン(スリット幅0.15mm)を用いて、除塵処
理を行い、ラボスクリーン出口試料中の粘着異物個数を
測定した。特開平11−083845で高粘着性異物個
数が100個以下ならトラブルをほとんど起こさないと
しているので、100個以下がよいものとする。
ーン出口試料を150メッシュの篩を用いて流水で完全
に洗浄したのち、JIS法に従って手すきシートを作成
し、目視にてインキの剥離状態を観察した。評価は◎、
○、△、×の4段階とし◎と○がよいものとした。実施例2 脱墨剤を前段離解の始めから添加する代わりに後段離解
の始めに添加する以外は、実施例1と同様の操作を行っ
た。実施例3 前段離解の回転数を200rpmにする以外は、実施例
1と同様の操作を行った。比較例1 実施例における8分間の浸漬処理をせず、連続して8分
間ローターを回転し続けた以外は、実施例1と同様の処
理を行った。比較例2 実施例における8分間の浸漬処理をせず、連続して16
分間ローターを回転し続けた以外は、実施例1と同様の
処理を行った。比較例3 前段離解を2分間、浸漬時間を4分間、後段離解を10
分間にした以外は、実施例1と同様の処理を行った。比較例4 前段離解を2分間、浸漬時間を12分間、後段離解を2
分間にした以外は、実施例1と同様の処理を行った。比較例5 脱墨剤を離解開始に入れる代わりに、離解してから2分
後に添加した以外は、比較例2と同様の処理を行った。比較例6 脱墨剤を離解開始に入れる代わりに、離解してから10
分後に添加した以外は、比較例2と同様の処理を行っ
た。結果を表1に示す。
ルEO/PO付加物、ライオン(株)製) を古紙に対して
0.18重量%、陰イオン界面活性剤として市販界面活性剤
B1(日華化学(株)製)を古紙に対して0.02重量%用い
て、上記脱墨試験1を行った。離解後の試料について、
インキ剥離性およびフローテーションでの発泡性、粘着
異物個数について測定した。実施例5 陰イオン界面活性剤としてB1をB2に変更した以外は、実
施例4と同じ操作を繰り返した。実施例6 非イオン界面活性剤としてA1をA2(ライオン(株)製)
に、陰イオン界面活性剤としてB1をB2に変更した以外
は、実施例4と同じ操作を繰り返した。実施例7 A1を古紙に対して0.12重量%、B1を0.08重量%添加し
た、以外は、実施例4と同じ操作を繰り返した。比較例7〜9 非イオン界面活性剤としてA1、A2およびA3(高級アルコ
ールEO/PO付加物、(株)日新化学研究所製)を古紙に
対して0.2重量%使用し、陰イオン界面活性剤を添加し
ていない以外は、実施例4と同様の処理を行った。比較例10 非イオン界面活性剤に対する陰イオン界面活性剤の添加
量が30%を超えるように、A1を古紙に対して0.16重量
%、B1を0.04重量%添加した以外は、実施例4と同じ
操作を繰り返した。
表2に示した。
%、陰イオン界面活性剤を0.02重量%添加して、上記脱
墨試験2を行った以外は、実施例4と同様の処理を行っ
た。実施例9 古紙およびA2(0.2重量%)、B2(0.02重量%)をパル
パーに投入後、2分間離解(前段離解)し、その後6分間
の浸漬処理を行い、引き続いて6分間の離解処理(後段
理解)を行った以外は実施例8と同様の処理を行った。比較例11 非イオン界面活性剤としてA2を古紙に対して0.2重量%
使用し、陰イオン界面活性剤を添加していない以外は、
実施例8と同様の処理を行った。比較例12 A2を古紙に対して0.1重量%使用し、陰イオン界面活性
剤の古紙に対する添加量が0.02%未満となるように、B2
を0.01重量%使用した以外は、実施例8と同様の処理を
行った。比較例13 非イオン界面活性剤としてA3((株)日新化学研究所)
を古紙に対して0.2重量%使用し、陰イオン界面活性剤
を添加しない以外は、実施例8と同様の処理を行った。比較例14 古紙およびA3(0.2重量%)のみをパルパーに投入後、2
分間離解(前段離解)し、その後6分間の浸漬処理を行
い、引き続いて6分間の離解処理(後段理解)を行った
以外は実施例8と同様の処理を行った。
を表3に示した。
Claims (10)
- 【請求項1】 離解工程、熟成工程、浮遊選別工程、洗
浄工程及び漂白工程の各工程を有する、古紙を脱墨する
ことによる再生パルプの製造方法において、前記離解工
程にて、原料古紙を苛性ソーダと脱墨剤とを含む脱墨薬
品とともに処理することを特徴とし、かつ、離解装置内
で、前段離解処理、浸漬処理及び後段離解処理を行い、
ここで、前記3つの処理を10〜20重量%のパルプ濃度で
行うことを特徴とする再生パルプの製造方法。 - 【請求項2】 離解工程での処理に要する全処理時間の
うち、30〜70重量%の比率で、浸漬処理を行なうことを
特徴とする請求項1記載の再生パルプの製造方法。 - 【請求項3】 脱墨剤を前段離解処理段階及び後段離解
処理段階の少なくとも一方の段階で1回以上添加するこ
とを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の再生パル
プの製造方法。 - 【請求項4】 離解温度が45℃以下であることを特徴と
する請求項1〜3いずれか記載の再生パルプの製造方
法。 - 【請求項5】 前記3つの処理が、一つの離解装置内で
行われることを特徴とする請求項1〜3記載の再生パル
プの製造方法。 - 【請求項6】 前記離解工程において、原料古紙に脱墨
薬品を添加して行う前段離解処理、浸漬処理、そしてそ
の後の後段離解処理を、2つ以上の装置で行うことを特
徴とする請求項1〜4いずれか記載の再生パルプの製造
方法。 - 【請求項7】 前段離解処理、浸漬処理、後段離解処理
の組み合わせが2回以上繰り返されることを特徴とする
請求項1〜6いずれか記載の再生パルプの製造方法。 - 【請求項8】 原料古紙が雑誌又は回収新聞を含む請求
項1〜7いずれか記載の再生パルプの製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜7いずれか記載の方法により
製造された再生パルプを用いて製造された紙および塗被
紙。 - 【請求項10】 離解工程、熟成工程、浮遊選別工
程、洗浄工程および漂白工程の各工程を有する、古紙を
脱墨処理することによる再生パルプの製造方法におい
て、前記離解工程にて、雑誌を5%以上含む原料古紙を
苛性ソーダと非イオン性界面活性剤および陰イオン性界
面活性剤とともに処理することを特徴とし、かつ、45℃
以下の離解装置内で、パルプ濃度10〜20重量%で浸
漬処理を行うことを特徴とする再生パルプの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001359580A JP3943913B2 (ja) | 2000-11-24 | 2001-11-26 | 再生パルプの製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
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