JP4760446B2 - 古紙パルプの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は古紙パルプの製造方法に関し、さらに詳しくは、軸タイプ、ディスクタイプの分散機の少なくともいずれか1タイプの分散機により3回処理することにより、ダート個数の少ない古紙パルプを得ることを目的とするものである。さらには、上記分散工程に、過酸化水素漂白と二酸化チオ尿素(以下FASと略すことがある)漂白を組み合わせることにより、ダートが少なく、かつ白色度の高い古紙パルプ(以下DIPと称することがある)を得ることを特徴とする。
近年、資源の有効利用や環境保護などの観点から古紙パルプの需要が増加している。古紙の再生工程では、白色度を高めるための処理やダートを除去または分散する処理が行われている。古紙パルプの白色度を高めるためには、一般的に、フローテーションや洗浄による脱墨処理、さらに酸化剤や還元剤による漂白処理が行われてきた。酸化剤としては過酸化水素、過酸化水素前駆体、次亜塩素酸塩などが使用され、また還元剤としては、ナトリウムボロハイドライト、ハイドロサルファイト、二酸化チオ尿素などが使用されている。
また、ダートを減らすには、スクリーンやクリーナーをはじめとする除塵装置を用いた除塵処理や、軸タイプまたはディスクタイプのディスパーザーによる機械的分散処理が行われてきた。
しかし、上記のような処理を行っても、新聞古紙や雑誌古紙をはじめとする印刷古紙から得られるDIPは、フレッシュパルプと比較すると、ダートが多く、かつ白色度は〜75%程度と低いことから、下級紙のイメージを与えるため、どうしても使用分野が制限されるのが実状であった。
そのため、ダートと白色度においてLBKPと同等もしくはそれに準ずる品質を有するDIPが望まれてきたが、これまで、新聞古紙や雑誌古紙をはじめとする印刷古紙からこれに該当する古紙パルプを製造することは極めて困難であった。
従来のダートが少なく、かつ白色度の高いDIP製造技術として、パルプ濃度25%以上で酸化型漂白剤による漂白を行い、さらに二酸化チオ尿素によりパルプ濃度8〜20%で漂白しているものがある(例えば、特許文献1参照)。この手法の実施例によれば、81%と高い白色度が得られているが、ダートの分散効果については明記されていない。
さらに本技術は過酸化水素の混合にマイカプロセッサーをはじめとする、一軸のローター集面に送り刃と戻り刃が配置され、かつステーターの刃と各刃間に十分な間隙を有したミキサーを用いることを特徴とするものであるが、このような高速で空転動力負荷を差し引いた実動力負荷が5〜25kW/t程度の弱い機械力を与えるタイプのミキサーではダートの減少効果は望めない。また、二酸化チオ尿素漂白には10分〜90分を要するため、大きな貯蔵装置等が必要となる問題がある。
また、パルプ濃度20〜35%にして酸化型漂白剤を添加した後、機械的に攪拌して酸化漂白するとともに、漂白した後の繊維懸濁液をパルプ濃度10〜30%にして、還元漂白剤を添加した後、機械的に攪拌して還元漂白しているものがある(例えば、特許文献2参照)。しかし、本技術の実施例は不明瞭であるため、その効果は判然としない上、2度の漂白により、白色度を高めることは可能であるが、分散機による2回の処理では、十分にダートを減らすことはできない。
また、インキ剥離工程において、二酸化チオ尿素を添加し、ニーダーの如く100〜1000rpm、処理時間1〜30分であるような混練機を用いて処理後、ただちにパルプを希釈する技術が公開されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、本技術の実施例によれば、得られた古紙パルプの白色度は70%と、従来のDIPと変わるものではなく、また二酸化チオ尿素による白色度上昇も4.5ポイントと低い。さらに、ダート減少を狙ったものではないため、ディスクタイプは適さないと明記されている。
その他にも過酸化水素と二酸化チオ尿素を併用する技術は公開されている(例えば、特許文献4〜6参照。)が、いずれも白色度を高める方法であり、ダート低減の方策としては有効ではない。
特許3098021号公報 特開2005−281914号公報 特開2002−69877号公報 特開平7−61439号公報 特開平7−112658号公報 特開平9−64333号公報
古紙パルプ製造工程において、ダートが少なく、かつ白色度の高いDIPを得ようとする場合、過酸化水素と二酸化チオ尿素を使用する方法や、分散機による分散を行う方法が開示されているが、いずれも白色度が不十分なものや、ダート減少効果が不十分である。即ち、本発明は、印刷古紙から古紙パルプを製造する古紙パルプ製造工程において、ダートが少なく、かつ白色度の高いDIPを提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明者らは、ダートが少なく、かつ白色度の高いDIPの製造方法について鋭意検討した。その結果、印刷古紙から古紙パルプを製造する古紙パルプ製造工程において、低速・高濃度用軸タイプまたはディスクタイプの分散機により3回処理することにより、効果的に目的を達成できることを見出した。
さらに、本処理のダート減少効果を最大限に発揮し、かつ高白色度化する方法について鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは過酸化水素を0.5〜5%添加し、40℃〜90℃で1回目の軸タイプの分散機による処理を行い、1〜6時間熟成させた後、2回目の軸タイプの分散機による処理を行い、さらに二酸化チオ尿素を0.1〜2%添加し、80〜120℃でディスクタイプの分散機による処理を行うことで、ダート減少効果を最大限に発揮し、かつ高白色度化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)印刷古紙から古紙パルプを製造する古紙パルプ製造工程において、低速・高濃度用軸タイプまたはディスクタイプの分散機を用いた分散処理工程を3回行い、前記分散処理工程が低速・高濃度用軸タイプの分散機を用いた分散処理工程が2回、ディスクタイプの分散機を用いた分散機を用いた分散処理工程が1回で、この順で行う古紙パルプの製造方法。
(2)1回目の低速・高濃度用軸タイプの分散処理工程が過酸化水素を0.5〜5%を添加し、40℃〜90℃で処理する工程であり、3回目の分散工程ディスクタイプの分散処理工程が二酸化チオ尿素を0.1〜2%添加し、80〜140℃で処理する工程である(1)項記載の古紙パルプの製造方法。
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載の方法により製造された、白色度75〜90%、0.05〜5.0mmのダート個数が5〜200個/100gである古紙パルプ。
(4)前記(3)記載の古紙パルプを10〜100%配合した紙。
本発明は、既存工程にも容易に適用でき、フレッシュパルプと遜色のない、高白色度で低ダートの古紙パルプの製造を可能とし、印刷用紙、出版用紙をはじめとする各種紙の原料として適用できる。
本発明による方法が、従来の方法と比較して、ダートが少ないDIPが得られる理由については、3段の分散機処理によって、従来の1〜2段の処理では到達できなかったダート個数まで減少させることが可能であると考えている。
本発明で行う3段の分散機処理には低速・高濃度用軸タイプの分散機または、ディスクタイプの分散機が適している。低速・高濃度用軸タイプの分散機としては、一軸型または二軸型のニーダータイプのディスパーザーが好ましい。軸状のローターに取り付けられた回転刃と、ケーシングに取り付けられた固定刃を有し、回転数50〜300rpmの低速で、処理濃度20%〜50%の高濃度、好ましくは、25%〜40%、温度は25℃〜100℃、好ましくは40〜90℃で処理する。軸タイプの分散機では、繊維間の摩擦作用が主体となって、インキ剥離・ダートの分散が起こる。処理濃度が20%未満では、機械的負荷がかかりにくく、インキ剥離・ダートの分散性が低下する上、温度上昇に必要なエネルギーが莫大となるため、適さない。また、処理濃度50%を越えて高濃度にすると機械的に搾水するのは困難である。
一般的には、一軸型ニーダーとして、二ーディング・ディスパージャーKD(商品名:アイ・エイチ・アイ フォイト ペーパーテクノロジー社製)、ディスパーザー(商品名:相川鉄工社製)、ディスパーザー(商品名:アセック社製)、ディスパーザー(商品名:三栄レギュレーター社製)、CCE型にーディングマシン(商品名:新浜ポンプ製作所社製)、ニーダー(商品名:山本百馬製作所社製)などが使用され、また、二軸型ニーダーとして、新浜ポンプ製作所社製、山本百馬製作所製のものなどが使用されるが、特定の機種に限定するものではない。しかし、10〜25%の処理濃度で、1200〜1800rpの高速で、空転動力負荷を差し引いた実動力負荷が5〜30kW/t程度で、弱い機械力を与えながら撹拌処理を行う、いわゆるマイカプロセッサーのような高速撹拌装置では高いダート減少効果や高い剥離効果が得られないため本発明では適さない。
また、ディスクタイプの分散機とは、ディスク型ディスパーザーまたはコニカル型ディスパーザーであれば特に制限はない。構造的にはディスクリファイナーと似ているが、ディスクプレートの構造が異なっている。また、コニカル型ディスパーザーは回転刃がコニカル状になっている。回転数300rpm〜2500rpm、処理濃度20%以上で処理する。
軸タイプの分散機と異なる点は、繊維と刃の衝突作用が主体となってインキ剥離・ダートの分散が起こる点である。一般的には、ディスク型ディスパーザーとして、ディスパージャーHTD(商品名:アイ・エイチ・アイ フォイト ペーパーテクノロジー社製)、KRIMAホットディスパージョン設備(商品名:Cellwood社製)などが使用され、また、コニカル型ディスパーザーとして、コニディスク(商品名:相川鉄工社製)、コニカルディスパージョンシステム/HIプリヒーター/OptiFinerディスパーザー(商品名:メッツォ SHI社製)などが使用されるが、特定の機種に限定するものではない。
分散機の組み合わせとして特に好ましいものは、低速・高濃度用軸タイプの分散機で2回、ディスクタイプの分散機で1回、この順に処理を行うことが効果的である。
これ以外の組み合わせでの3回の分散処理によってもダートの低減効果を得ることは可能であるがさらに高白色度を目的とする場合にはインキの練りこみ、過分散の問題が発生する恐れがあるためこの順で行うことが好ましい。
その理由としては、低速・高濃度の軸タイプとディスクタイプの分散対象が異なるためと推測している。低速・高濃度用軸タイプの分散機は、繊維上に付着しているインキの剥離効果が高く、一方でディスクタイプの分散機は刃の隙間を0.01mm〜0.5mmに狭めることができ、かつ80℃〜140℃での高温処理が可能なため、プラスチックや粘着物などを軟化し、分散することができる。古紙パルプ中にはプラスチックや粘着物よりもインキが多いため、まず、インキ剥離に効果的な低速・高濃度用軸タイプによる分散を行った後、アルカリ過酸化水素漂白でインキとパルプの接着を弛緩させ、さらにもう一度軸タイプによる分散処理を行い、インキを可能な限り剥離した後、ディスクタイプの分散機によりインキ以外のプラスチックや粘着物などのダートを分散することで高いダート減少効果が得られるものと推測される。ディスクタイプの分散機で先に分散処理を行っても高いダート減少効果は得られるが、ディスクタイプの強いせん断力によって、未剥離のインキが、パルプ繊維にすりこまれてしまい、漂白しても白色度が上昇しにくくなるため望ましくない。また、10〜25%の低濃度で、1200〜1800rpmの高速で、空転動力負荷を差し引いた実動力負荷が5〜25kw/t程度で弱い機械力を与えながら攪拌処理を行う、いわゆるマイカプロセッサーのような高速攪拌装置では、高いダート減少効果や高いインキ剥離効果は得られないため、本発明には適さない。
1回目の分散処理である低速・高濃度用軸タイプの分散機による分散処理は、処理濃度20%〜50%の高濃度、好ましくは、25%〜40%、温度は25℃〜100℃、好ましくは40〜90℃で処理する。軸タイプの分散機では、繊維間の摩擦作用が主体となって、インキ剥離・ダートの分散が起こる。処理濃度が20%未満では、機械的負荷がかかりにくく、インキ剥離・ダートの分散性が低下する上、温度上昇に必要なエネルギーが莫大となるため、適さない。また、処理濃度50%を越えて高濃度にすると機械的に搾水するのは困難である。また、次の過酸化水素漂白工程での漂白効果を高めるため、温度は25℃以上に高める必要があるが、100℃を超えると過酸化水素の分解が生じるため、好ましくない。
1回目の分散処理である低速・高濃度用軸タイプの分散機による処理後に過酸化水素漂白を行うことが好ましい。また、過酸化水素をパルプに均一に混合し、漂白効果を高めるために、過酸化水素は1回目の分散処理を実施する直前に添加しておく。過酸化水素添加量は絶乾パルプ重量に対して0.5〜5重量%で添加する。0.5重量%未満では十分な漂白効果を得ることができない。また5重量%を越えて添加しても効果が頭打ちで経済的でない。
さらに漂白後の系内pHが、8〜13.5となるようにすることが好ましい。pH8未満では酸化能力の低下により、漂白効果が低下し、pH13.5以上では過酸化水素の活性が高くなり、短時間で過酸化水素が消費され、いわゆるアルカリ焼けを生じる可能性があり適さない。
1回目の分散処理である低速・高濃度用軸タイプの分散機による処理後の過酸化水素漂白工程における漂白時間は、1〜6時間である。1時間未満の漂白では、過酸化水素が十分に反応することができず、漂白効果が低下し、6時間以上漂白する場合は、添加率が過剰でない限り過酸化水素を消費してしまい、アルカリによるリグニンの発色を生じる。また、過酸化水素のほかに、アルカリ薬品、脱墨剤を併用してもよい。アルカリ薬品としては、水酸化ナトリウムと珪酸ナトリウムが好ましい。
2回目の分散処理である低速・高濃度用軸タイプの分散機による分散処理は、濃度、温度ともに保持したまま実施するため、過酸化水素漂白工程直後、希釈なしに実施する。希釈した場合、濃度が低下し、機械的負荷がかかりにくくなる上、温度が低下し、インキ剥離効果が低下するため好ましくない。
本発明の3回目の分散処理であるディスクタイプの分散機による処理時の温度は、80〜140℃である。80℃未満の処理では、十分なダート減少効果と二酸化チオ尿素の漂白効果が得られず、一方、140℃を超えるとパルプの黄変が生じるため適さない。さらに、二酸化チオ尿素のほかにアルカリ薬品を添加してもよい。アルカリ薬品としては、水酸化ナトリウムが好ましい。二酸化チオ尿素の添加量は、絶乾パルプ重量に対して0.1〜2重量%である。0.1重量%未満の添加では、十分な漂白効果が得られない。また、2重量%より多く添加した場合でも、それ以上の白色度向上は難しい。
過酸化水素や二酸化チオ尿素の効果については、過酸化水素は、漂白効果による白色度増加に加えて、アルカリ条件で熟成するため、熟成中にパルプが膨潤し、インキとの接着が弛緩し、分散機でのインキ剥離効果を高める効果も得られるため、高い白色度が得られるものと考えられる。さらに二酸化チオ尿素漂白では、80〜120℃の高温で処理することにより、還元電位を高めることができるため、高い漂白効果が得られるものと考えられる。
本発明が対象としている印刷古紙は、印刷されたものであればなんでもよく、新聞古紙、雑誌古紙、雑紙などのほかに、チラシ古紙や色上古紙、模造紙等の中質古紙、低質古紙等の印刷古紙もその範疇に入れるものである。
さらに本発明を適用する古紙パルプ製造工程は、特に限定されず、公知の工程を組み合わせた既存の工程にも適用できる。具体的には、例えば、離解工程、除塵工程、脱墨工程、洗浄工程、濃縮工程、漂白工程、のいずれか、もしくは全ての工程を組み合わせた既存の工程にも適用できる。さらにこれらの既存工程の順序、回数は限定されるものではない。しかし、好ましくは離解工程、除塵工程1、脱墨工程1、洗浄工程1、濃縮工程1、分散工程1、漂白工程1、分散工程2、脱墨工程2、洗浄工程2、除塵工程2、濃縮工程2、分散工程3、漂白工程2、洗浄工程3、濃縮工程3の順に処理することが望ましい。
本発明の古紙パルプ製造方法に適用できる離解工程は、原料古紙と希釈水を入れ、古紙をスラリー状に溶解する湿式離解工程である。離解時の固形分濃度は2〜30%において特に限定するものではなく、いわゆる低濃度パルパー、高濃度パルパー、ファイバーフローなど特定の機種に限定するものではない。
本発明の古紙パルプ製造方法に適用できる除塵工程は、スラリー中に含まれる粘着剤、接着剤、粘着テープ、雑誌の背糊、ビニールテープ、ポリヒモ、フィルム、などの異物の除去を目的とした工程である。公知の除塵装置としては、いわゆるスクリーンやクリーナーなどがあるが、本発明の除塵工程はこれらに限定するものではなく、また各種除塵装置を組み合わせても構わない。
本発明の古紙パルプ製造方法に適用できる脱墨工程は、離解工程、分散工程で機械的作用および/または化学的作用により剥離したインキを除去する工程である。公知の脱墨装置としては、いわゆるフローテーターなどがあるが、本発明の脱墨工程はこれらに限定するものではなく、また各種脱墨装置を組み合わせても構わない。
本発明の古紙パルプ製造方法に適用できる洗浄工程は、離解工程、分散工程で機械的作用および/または化学的作用により剥離したインキを除去する工程である。公知の洗浄装置としては、いわゆるエキストラクター、フォールウォッシャーなどがあるが、本発明の洗浄工程はこれらに限定するものではなく、また各種洗浄装置を組み合わせても構わない。
本発明の古紙パルプ製造方法に適用できる濃縮工程は、インキ、灰分を除去し、脱水する工程である。公知の濃縮装置としては、いわゆるダブルニップシックナー、スクリュープレス、ディスクシックナー、バルブレスシックナーなどがあるが、本発明の濃縮工程はこれらに限定するものではなく、また各種濃縮装置を組み合わせても構わない。
本発明により得られたパルプは白色度75〜90%、0.05〜5.0mmのダート個数が5〜200個/100gであることが好ましい。白色度75%以下、ダート個数200個以上では,LBKPに比べて見劣りし、下級紙のイメージを与える恐れがある。また、白色度90%以上、ダート個数5個/100g以下とするには、莫大な薬品、エネルギーが必要となるため好ましくない。また、本発明は上記パルプを10質量%〜100質量%配合した紙を含む。10%未満の配合率では抄紙時に上記効果が消失してしまうため、好ましくない。本発明で得られたパルプは白色度が高く、ダートが少ないため50質量%以上配合することが可能である。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、実施例は本発明をなんら限定するものではない。本実施例中では、百分率(%)は白色度以外すべて重量%を意味し、また、薬品添加率は、対絶乾パルプあたりの重量%で示した。古紙パルプの品質は、JIS P 8212によるパルプ白色度ならびに、以下に示したダート評価方法によるダート個数で評価した。
<ダート評価方法>
坪量を100g/mとしたこと、シートプレスを行わなかったこと、風乾しなかったこと以外は全てJIS P 8222に示される試験用手すき紙の調製方法に準じて、手すき紙を30枚作製した。濡れたままの手すき紙30枚中に含まれる0.05〜5.0mmのダートを計測した。計測には透過光を使用し、ダートサイズの見本として、財団法人印刷局朝陽会より購入したJISP8202記載の夾雑物計測図表を参照した。測定結果はパルプ100gあたりの個数に換算し、ダート個数とした。
実施例1
新聞古紙100%の原料を高濃度パルパーに仕込み離解した。離解後の原料を1%に希釈し、除塵工程として、ホールバスケットとスリットバスケットを有するスクリーンで順に処理した。さらに、OKフローテーター(商品名:王子エンジニアリング製)による脱墨工程、エキストラクターによる洗浄工程で処理した後、ついでバルブレスシックナー、スクリュープレスによる濃縮工程にて25%まで濃縮したのち、過酸化水素3%、苛性ソーダ2%、珪酸ソーダ2%を添加し、温度70℃に昇温し、軸タイプの分散機として、ディスパーザー(商品名:相川鉄工社製)を用いて1回目の分散処理を行った。処理後のパルプは温度を保持しながら3hrの漂白処理を行い、温度と濃度を保持したまま、ついで軸タイプの分散機としてディスパーザー(商品名:相川鉄工社製)を用いて2回目の分散処理を行った。
分散処理後のパルプを1%に希釈し、さらにOKフローテーター(商品名:王子エンジニアリング製)による脱墨工程、エキストラクターによる洗浄工程、スリットバスケットのスクリーンによる除塵工程で処理した後、バルブレスシックナー、スクリュープレスによる濃縮工程にて35%まで濃縮した。濃縮後のパルプに二酸化チオ尿素(FAS)1%、苛性ソーダ0.5%を添加し、温度110℃に昇温し、ディスクタイプの分散機として、KRIMAホットディスパーザー(商品名:Cellwood社製)を用いて3回目の分散処理を行った。さらにエキストラクターによる洗浄工程、バルブレスシックナーによる濃縮工程にて10%まで濃縮して完成パルプとした。さらにこのパルプを一部とり、JIS P 8222に従って、手すき紙を作製した。
以上に示した離解処理、除塵処理、脱墨処理、脱水処理には前述に示した公知の古紙パルプ製造に用いられる装置を使用した。処理条件、白色度、ダート個数を表1に示す。
実施例2
実施例1において、新聞古紙と雑誌古紙を同量ずつ混合した原料を仕込んだこと以外は実施例1と同様に処理した。実施例2として表1に示した。
実施例3
実施例1において、雑誌古紙100%の原料を仕込んだこと以外は実施例1と同様に処理した。実施例3として表1に示した。
実施例4
実施例1において、過酸化水素添加率を1%、温度を60℃で1回目の分散処理を行い、2hrの漂白処理を行い、FAS添加率を0.5%、温度を90℃で3回目の分散処理を行ったこと以外は実施例1と同様に処理した。実施例4として表1に示した。
実施例5
実施例4において、過酸化水素添加率を3%、FAS添加率を0%、温度110℃で3回目の分散処理を行ったこと以外は実施例4と同様に処理した。実施例5として表1に示した。
比較例1
実施例5において、過酸化水素添加率を1.0%、ディスクタイプの分散機により2回目の分散処理を行い、FAS添加率を0.5%、温度110℃で3回目の分散処理を行ったこと以外は実施例5と同様に処理した。比較例1として表1に示した。
比較例2
比較例1において、3回の分散処理の全てにディスクタイプの分散機を用いたこと以外は比較例1と同様に処理した。比較例2として表1に示した。
比較例3
比較例1において、3回の分散処理の全てに軸タイプの分散機を用いたこと以外は比較例1と同様に処理した。比較例7として表1に示した。
比較例4
比較例3において、1回目の分散処理にディスクタイプの分散機を用い、3回目の分散処理に軸タイプの分散機を用いたこと以外は比較例3と同様に処理した。比較例4として表1に示した。
比較例5
実施例1において3回目の分散処理を実施せず、FAS、苛性ソーダの添加も実施しなかったこと意外は実施例1と同様に処理した。比較例5として表1に示した。
比較例6
比較例5において新聞古紙と雑誌古紙を同量ずつ混合した原料を仕込んだこと以外は比較例5と同様に処理した。比較例6として表1に示した。
比較例7
比較例5において雑誌古紙100%の原料を仕込んだこと以外は比較例7と同様に処理した。比較例7として表1に示した。
比較例8
実施例1において、2回目の分散処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に処理した。比較例8として表1に示した。
比較例9
比較例8において新聞古紙と雑誌古紙を同量ずつ混合した原料を仕込んだこと以外は比較例8と同様に処理した。比較例9として表1に示した。
比較例10
比較例8において雑誌古紙100%の原料を仕込んだこと以外は比較例8と同様に処理した。比較例10として表1に示した。
比較例11
比較例8において、1回目の分散処理にマイカプロセッサーを用いたこと以外は比較例8と同様に処理した。比較例11として表1に示した。
比較例12
比較例11において雑誌古紙100%の原料を仕込んだこと以外は比較例11と同様に処理した。比較例12として表1に示した。
Figure 0004760446

Claims (2)

  1. 印刷古紙から古紙パルプを製造する古紙パルプ製造工程において、低速・高濃度用軸タイプまたはディスクタイプの分散機を用いた分散処理工程を3回行い、前記分散処理工程が低速・高濃度用軸タイプの分散機を用いた分散処理工程が2回、ディスクタイプの分散機を用いた分散機を用いた分散処理工程が1回で、この順で行うことを特徴とする古紙パルプの製造方法。
  2. 1回目の低速・高濃度用軸タイプの分散処理工程が乾パルプ重量に対して過酸化水素水を0.5〜5%添加し、40℃〜90℃で処理する工程であり、3回目のディスクタイプの分散処理工程が二酸化チオ尿素を絶乾パルプ重量に対して0.1〜2%添加し、80℃〜140℃で処理する工程であることを特徴とする請求項1記載の古紙パルプの製造方法。
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