JPWO2008120572A1 - 濾材およびフィルターユニット - Google Patents

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Abstract

濾材厚みが薄くても風圧で伸びない濾材と多風量処理が可能なフィルターユニットを提供することを目的として、単繊維間が固定された有機繊維を主体とする不織布から濾材を構成し、該不織布を、ヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成するとともに、少なくともヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex以上の非捲縮の単繊維を繊維全質量の20%以上の割合で含み、かつ、単繊維間をガラス転移点温度30℃以上の樹脂で固定する。

Description

本発明は、濾材およびそれを用いたフィルターユニットに関する。
フィルターユニットに求められる性能には、捕集効率とともに、多風量処理が可能かどうかを示す低圧損性がある。濾材を貫通する空気速度は年々早くなり、従来は15m/分程度であったが昨今では25m/分〜40m/分と1.5倍以上の高風速濾過で、従来並の圧損が求められている。例えば、空調用の小型フィルターユニットでは40Pa(比色法による捕集効率が90%)以下、自動車エアコン用のフィルターユニットであるキャビンフィルターでは概ね85Pa(JISによるダスト15種の捕集効率が91%前後)以下という性能が求められている。
またフィルターユニットには、薄型化要求があり、山高さの低い濾材を狭いピッチでミニプリーツして多風量処理するための薄い濾材が開発されている。しかし、従来の濾材は、厚みがあり、濾材の素材そのものに起因する通気抵抗が高く、更には風圧で伸び安いという問題があった。そのため、濾材の素材そのものに起因する通気抵抗と、風圧による濾材変形で空気が流れる流路間隔が閉塞されて発生する通気抵抗(以後構造圧損と称する)とのために、例えば、フィルターサイズ210W×270L×10Dで処理風量520m/時という自動車エアコン用のフィルターでは、JIS B9908(2001)形式3試験法に基づき求めたJIS Z8901(1974)記載のJIS8種ダストの捕集効率が91%以上の性能で、1年間使用可能なダスト保持量を有し、かつ、圧損が70Pa以下という低圧損なフィルターユニットを得ることができなかった。
低圧損フィルターを得る従来技術として、65℃での剛軟度が250mg以上の骨材シートに特定性能のエレクトレットシートを積層した濾材に関する特許文献1がある。この文献には、夏場の炎天下に放置された自動車に取り付けられたフィルターユニットの濾材が、熱で軟化、変形して構造圧損が上昇しないように、ガラス転移点温度35℃の高い樹脂で繊維固定した骨材を用いる思想と、QF値に優れた帯電シートとを積層して用いることで捕集効率を高める思想とが記載されている。しかしながら、この文献に記載の濾材は、あくまでも熱変形による構造圧損上昇を防ぐものであって、高風速による構造圧損上昇を防ぐ濾材ではなかった。
なお、実施例3には、格子間隔が4mmのネット状の骨材にエレクトレット化メルトブロー不織布を積層した濾材を、山高さ38mmにプリーツ加工して組み立てたフィルターユニットが記載されており、濾過風速37m/分で圧損56Paを達成した旨も記載されている。これはネットの格子間隔に比べて山高さが十分に大きかったためユニット化が出来たのであるが、山高さ8mm程度、山ピッチ間隔3.5mmというような薄型のフィルターユニットを作成しようとすると、ネットの格子間隔との干渉により山ピッチ間隔に乱れが生じ易く、その場合、構造圧損が上昇し、また、ピッチの開いたところだけに空気の流れが集中してしまうという問題があった。また、この実施例に記載の態様では、骨材がネットのためダスト保持性が低く、ダストはネットより緻密な構造のエレクトレット化メルトブロー不織布に直接付着するため目詰まりによる圧損上昇が激しいため寿命が短くなることは避けられなかった。
一方、骨材シートを薄くするとともに硬くして構造圧損の発生を抑制する試みが特許文献2に示されており、骨材を構成する繊維としてレーヨン繊維の異形断面糸やガラス繊維を混用した抄紙法不織布の適用が開示されている。しかしながら、太いガラス繊維を混合した濾材は、ガラス繊維がプリーツ加工工程で割れて飛散するため保安衛生上の問題がある。さらに実施例から分かるとおり濾材通過風速が2m/分と極めて遅い使用条件のため、剛難度が158mg程度でも構造圧損発生の少ない濾材として使用できたものの、たとえば濾材貫通風速25m/分以上という高風圧下では十分に使用に耐えることができるものではなかった。
また特許文献3には、繊維径0.65ミクロンの極細ガラス繊維を混合して作成するHEPA濾材に関する記載がある。しかし、このように繊維径の細い繊維を用いた濾材はその素材に起因する圧損が高く、到底高風速濾過に対応できるものではなかった。
さらに、特許文献4および特許文献5には、ヤング率の高い繊維で濾材を構成し、寸法安定性や風圧に対する強度を高める旨が開示されている。
このうち特許文献4は、バグフィルター用濾材に関するもので、ヤング率20cN/dtex以上のポリフェニレンサルファイドなどの耐熱性繊維が用いられている。しかし、この濾材は、形状が織物やウエッブであり、本発明の繊維間固定されたルーズ性のない濾材とは、繊維使い、構造、目付、厚み、使用用途で著しく異なる濾材構成のものであった。
また、特許文献5には、ビニロン繊維とポリエステル繊維を用いて抄紙法で作成する難燃性濾材の製造方法が開示されており、抄紙法の特徴として繊維の太さや長さの異なる繊維を用いる事が可能、またヤング率の高いものも使用できると記載されている。しかしながら、この文献では、抄紙法を用いればヤング率の高い繊維を用いことが出来ると説明しているだけであって、通気度100cm/cm・秒以上であるような(更には250cm/cm・秒以上であるような)高通気性を有しつつ、かつ、高風速濾過でも変形しにくい剛性を持った濾材や、その繊維構成および繊維物性は何ら開示されていなかった。
このように、有機繊維を主体とした濾材であって、高通気度で高風速濾過に耐えられる伸びの少ない実用的な濾材は存在しなかった。
特開2004−82109号公報 特開2002−1020号公報 特開平10−180020号公報 国際公開第04/87293号パンフレット 特開2006−136809号公報 特開平2−61195号公報
本発明の目的は、上記のような問題点を解消するものであり、高風速濾過に適した、通気度が高く濾材厚みの薄いミニプリーツ加工が可能な実用的な濾材と、多風量処理可能な薄型のフィルターユニットを提供することにある。
上記課題を達成するための本発明は、下記いずれかの構成を有するものである。
(1)単繊維間が固定された、有機繊維を主体とする不織布を有し、該不織布は、1%伸長時の比強度が1000N・cm/g以上で、且つ通気度が100cm/cm・秒以上である濾材。
(2)前記不織布は、ヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成されるとともに、少なくともヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex以上の非捲縮の単繊維が繊維全質量の20%以上の割合で含まれ、かつ、単繊維間がガラス転移点温度30℃以上の樹脂で固定されている、前記(1)に記載の濾材。
(3)単繊維間が固定された、有機繊維を主体とする不織布を有し、該不織布は、ヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成されるとともに、少なくともヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex以上の非捲縮の単繊維が繊維全質量の20%以上の割合で含まれ、かつ、単繊維間がガラス転移点温度30℃以上の樹脂で固定されている濾材。
(4)前記不織布を構成する単繊維として、ヤング率200cN/dtex以上、繊度10dtex以上、繊維長8〜25mmの非捲縮の有機単繊維が、繊維全質量の10%以上の割合で含まれている、前記(2)または(3)に記載の濾材。
(5)前記不織布を構成する単繊維として、ヤング率60cN/dtex以上、繊度1〜6dtexの有機単繊維が、繊維全質量の30%以下の割合で含まれている、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の濾材。
(6)前記不織布を構成する単繊維として、帯電繊維が含まれている、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の濾材。
(7)前記不織布にさらに帯電加工不織布を積層した、前記(1)〜(6)のいずれか記載の濾材。
(8)JIS B9908(2001)形式3試験法に基づき求めたJIS Z8901(1974)記載のダスト15種の透過率と濾材初期圧損とから求めた濾材QF値が0.4以上である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の濾材。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の濾材を枠体に装填したフィルターユニットであって、JIS B9908(2001)形式3試験法に基づき求めたJIS Z8901(1974)記載のダスト15種の透過率とフィルターユニット初期圧損とから求めたフィルターユニットQF値が0.03以上であるフィルターユニット。(10)自動車エアコン用である、前記(9)に記載のフィルターユニット。
(11)少なくとも非捲縮の単繊維を含む繊維を流体中に分散し、繊維集積体とした後に単繊維間を固定して前記(1)〜(8)のいずれかに記載の濾材を得る、濾材の製造方法。
ここで、有機繊維を主体とするとは、有機繊維を全繊維質量に対し90%超、好ましくは95%超含むことをいい、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維等の無機質繊維は全繊維質量に対し10%以下、好ましくは5%以下でしか含まれないことをいう。
本発明によれば、薄型化、ミニプリーツ加工が可能で、かつ、通気度が高く多風量処理が可能な、実用的な濾材およびフィルターユニットを提供することができる。すなわち、単繊維間が固定された、有機繊維を主体とする不織布で濾材を構成するとともに、該不織布は、ヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成し、その内に、少なくともヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex以上の非捲縮の単繊維を繊維全質量の20%以上の割合で含み、かつ、ガラス転移点温度30度以上の樹脂で繊維間固定しているので、不織布の通気度(JIS L1096(1999)のフラジール形法に基づき2枚重ねで測定)を100cm/cm・秒以上と高くしつつも、1%伸長時の比強度を1000N・cm/g以上とすることができ、低伸度高強度の不織布を得ることができる。このため、該不織布をミニプリーツ加工しても構造圧損の上昇を防ぐことができ、通気性の高い素材で濾材を構成しても多風量処理のための薄型化が可能になる。その結果、フィルターユニットおよび収納機器の小型化が可能になる。また、圧損が低くなるので濾材と空気との摩擦によって生じる風切り音が小さくなり、低騒音性にも貢献でき、さらには、消費電力の小さい低出力の送風ファンで空気を送ることが可能であるため、省エネ性にも貢献することができる。
本発明の濾材は、単繊維間が固定された有機繊維を主体とする不織布を有し、該不織布の、1%伸長時の比強度が1000N・cm/g以上で、且つJIS L1096(1999)のフラジール形法に基づき2枚重ねで測定した通気度が100cm/cm・秒以上であることを特徴とする。該濾材を構成する不織布は、不織布を構成する単繊維としてヤング率と繊度が異なる複数の単繊維を用いて構成するとともに、その内に、少なくとも、ヤング率が150cN/dtex以上、繊度が7dtex以上の非捲縮の単繊維を繊維全質量の20%以上の割合で含ませ、さらに、繊維間をガラス転移点温度30度以上の樹脂で固定することで得られる。
ここで、家庭用空気清浄機用、ビル・工場の空調用、および車載等の空調設備用のフィルターユニットに使用される濾材に必要な特性は、多風量を処理するための低圧損性と、構造圧損を発生させない、薄くても風圧で変形しない低伸度高強度性である。更に、高ダスト捕集性と目詰まりしにくい空隙量を保持した濾材構造も必要とされる。なお、本発明でいう構造圧損とは、プリーツ加工された濾材が収納されたフィルターユニットに空気を流した時に発生する圧損(ユニット圧損)から、濾材の素材に起因する圧損を差し引いて残った数値を言う。
これまで、ユニット圧損を下げるため取られた手段は、濾材の素材に起因する圧損の低減化である。このため一般的には濾材の繊維量を減らし、また繊度を太く、かさ高にして繊維密度を下げることが行われた。しかし、この方法では、濾材の素材自身の圧損は下がるものの濾材の繊維間固定力が弱くなるため、濾材に伸びが発生して構造圧損が逆に増すことになっていた。捕集性能を上げるために更に帯電加工シートを積層した濾材では、風圧が一層高くなるため構造圧損が増して低圧損化はより難しいものであった。
しかしながら、本発明によれば、濾材を構成する不織布は、通気度(JIS L1096(1999)のフラジール形法に基づき2枚重ねで測定)100cm/cm・秒以上が得られる低目付で極めて粗な構造のものであっても、1%伸長時の比強度が1000N・cm/g以上という低伸度高強度性を有するものとなるので、プリーツ間隔が狭いミニプリーツ加工を行っても構造圧損の発生が少なく、濾材を薄型化して多風量処理することを可能にする。
従来、濾材の硬さを表す指標としてはJIS L1085(1977) B法で規定される剛軟度が広く使用されているが、該剛軟度は、濾材の厚み、目付、通気度とは全く関係のない指標であるため、濾材厚み、濾材目付、濾材通気度が異なった濾材構成のものであっても同じ剛軟度値を示す濾材は多数存在した。しかし、同じ剛軟度を示す濾材であっても厚みや通気度が異なれば、濾材を収納したフィルターユニットにおける圧損性能には違いがあった。すなわち、構造圧損の発生度合いがそれぞれ異なるため、違いが生じていた。このように濾材の硬さを表す指標として従来から使用されてきた剛軟度は、濾材構成条件が多変数によらない濾材間での相対比較はできても、ユニット圧損構成に影響する構造圧損の発生度合いを測る指標としては不適当であった。
そこで本発明者は、構造圧損発生度合いの少ない低圧損フィルターを作成しうる特性を比較するための新指標について検討し、その結果、JIS L1096(1999)のフラジール形法に基づき2枚重ねで測定した通気度が100cm/cm・秒以上の高通気性不織布において、該不織布の厚み、目付、製法などが異なっても、5cm幅の不織布を1%伸長させた時に発現する比強度(引っ張り強さ[N/cm]/該不織布の見掛け密度[g/cm])が、重要であることを見出した。
以下、本発明の濾材の詳細構成について説明する。
プリーツ加工された濾材を収納したようなフィルターユニットの構造圧損の発生は、濾材に空気を通した時に、濾材に掛かる風圧によって濾材が伸び、変形して、隣り合うプリーツ濾材間に挟まれた空気流路間隔が狭められたり、濾材同士が接触して空気が流れ難くなって起こる。このため濾材厚みも構造圧損発生の一因となる。
理想的な濾過風速と圧損の上昇関係は、ほぼ風速に比例して圧損が上がることであるが、構造圧損を発生させる濾材は、濾材自身に起因する圧損に加えて該濾材形状からの変形分の圧損が加わるため、圧損が曲線的に上昇する。そのため高風速濾過は困難であった。
一方、構造圧損低減には、濾材伸びの少ない、低伸度高強度な薄い濾材が必要であるが、剛性は厚みの3乗に比例する。そのため、JIS L1096(1999)のフラジール形法に基づき2枚重ねで測定した通気度が100cm/cm・秒以上であるような、目付が少なく薄い濾材で低伸度高強度化は達成されていなかった。
しかしながら、構造圧損発生の少ない薄型濾材の作成を鋭意検討した結果、濾材を構成する不織布をヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成するとともに、その内に、少なくともヤング率が150cN/dtex以上、繊度が7dtex以上の非捲縮の単繊維を繊維全質量の20%以上の範囲で含ませ、さらに、ガラス転移点温度30度以上の樹脂で繊維間固定することで、薄くて通気性が高くてもダスト保持能力に優れた低圧損な低伸度高強度不織布、すなわち比強度が1000N・cm/g以上の不織布が得られることを見出した。
そして、本発明において、濾材を構成する不織布は、比強度が1000N・cm/g以上のものであるが、好ましくは1500N・cm/g以上、より好ましくは2000N・cm/g以上、さらに好ましくは2500N・cm/g以上のものである。比強度が高いということは、通気度が高くても低伸度高強度濾材であることを示している。濾材を構成する不織布が、高通気度でも低伸度高強度であることによって、該不織布をプリーツ加工しても、風圧がかかることによって生じる形状変形を防ぐことができ、構造圧損の発生を小さくすることができ、低圧損多風量処理を可能とする。
一方、上限は、濾材の引っ張り破断伸度JIS L1085(1998)が1.0%以下となるような比強度、すなわち8000N・cm/g以上になると、濾材をプリーツ加工した山谷部分で濾材の切断が発生するため、8000N・cm/g未満にすることが好ましい。
次に、用いる繊維の物性について説明する。
本発明において濾材の低伸度高強度化を達成するために、不織布は、ヤング率と繊度の異なる複数の単繊維で構成され、かつ、少なくとも、ヤング率が150cN/dtex以上、繊度が7dtex以上である非捲縮単繊維が繊維全質量の20%以上の割合で含まれている必要がある。
好ましい単繊維のヤング率は、200cN/dtex以上、より好ましくは250cN/dtex以上、更に好ましくは300cN/dtex以上である。一方、上限は3000cN/dtex以下であることが好ましい。これは、ヤング率が3000cN/dtexを超える単繊維を用いた場合、具体的にはアラミド繊維(4400cN/dtex以上)、超高分子量ポリエチレン(8000cN/dtex以上)、ガラス繊維(326000cN/dtex以上)などを用いた場合、使用量や繊度にもよるが、不織布の引っ張り破断伸度が1.0%以下となり、比強度が1000N・cm/g以上とはなるが引き裂き強力低下や、プリーツ加工した山部分での屈曲伸びに耐えられず不織布破断の発生、ささくれ立ち、また皮膚に突き刺さるなどの悪影響が発生するので3000cN/dtexを超える繊維を使用するのは余り好ましくない。
上記の理由から、使用する単繊維の好適ヤング率範囲は、150〜3000cN/dtex、より好ましくは200〜2000cN/dtexである。更に好ましくは250〜1500cN/dtex、最適には300〜1000cN/dtexの範囲であり、このようにするとプリーツ加工での不織布切断や引き裂き強力低下が少なく、風圧でも濾材変形の少ない濾材となる。
そして、本発明において上記のような繊維は非捲縮単繊維であることが好ましい。非捲縮単繊維の場合は、不織布における繊維集積が平面的となるため、1本1本の単繊維の配向性が1次元的であり、ルーズ性のない状態となる。そのため、不織布に外力が加わった時、ルーズ性に伴う伸びが少ないため、すぐに単糸物性に応じた引っ張り抵抗力が発生し易いという点で好適である。
また、比強度は、不織布を一方向に引っ張った時の1%伸度での強度に関する指標であるが、不織布の変形は風圧によって曲がって生じるため、比強度管理に加えて曲げ抵抗性を上げることが極めて重要である。曲げ抵抗性は不織布の厚みを厚く目付を大きくすれば上げることが出来るが、通気抵抗を増し空気の流入間隔を狭め、かえって圧損上昇の要因となり厚くすることは出来ない。そこで、薄い不織布で曲げ抵抗性を上げるには、繊度が7dtex(繊維径26μm)以上の太い単繊維を繊維全質量の20%以上用いて不織布の骨格を作成するのが効果的である。なお、本明細書において、繊度の横に付記した繊維径は、繊維素材の比重を1.30g/cmとした場合の繊維径である。
骨格はまた、粗大ダストを保持する空間を形成する目的があるため、曲がり難い太い繊維でヤング率の高い単繊維が適する。この目的から、骨格構成繊維の好ましい単繊維としては、ヤング率が150cN/dtex以上、繊度7dtex(繊維径26μm)以上のものが適する。一方、太過ぎると皮膚に刺さったりするため、好ましい繊度7〜40dtex(繊維径26〜63μm)範囲のものであり、さらに最適な単繊維繊度は10〜40dtex(繊維径30〜59μm)である。
そして、かかるヤング率、繊度の単繊維の配合率が20%を下回る場合は、繊維密度が緻密になり、通気度100cm/cm・秒以上という特性が得られなくなる。したがって、かかるヤング率、繊度の単繊維は、繊維全質量の20%以上の割合で含まれている必要がある。一方、80%を越える配合率にすると通気度は確保出来るが、繊維間の接合固定力が低下して比強度が低下しやすい。このため、好ましい範囲は80%以下である。より好ましくは25〜80%、さらに好ましくは30〜60%の範囲である。
一方、骨格となるような太い繊維は捕集効率が低いため、繊度1〜6dtex(繊維径10〜24μm)の細い繊維も配合して微細粒子から粗大粒子までの捕集性能確保とダスト保持量のコントロールを行うのが良い。
次に繊維長について説明する。骨格となる単繊維の繊維長が短いと、樹脂で繊維間固定しても十分な引っ張り強さが得られない。従来から抄紙法で使用される繊維の長さは、数ミリ〜10mm程度であった。この理由は、抄紙法の特徴である、繊維の絡まりを少なくして繊維目付の均一性を得るためであった。しかし、ヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex(繊維径26μm)以上の太くて曲がりにくい短い繊維を、伸びの少ない硬い樹脂で固定しても、繊維間の接触点が少ないため引っ張り強さが上がらず比強度を高めることは難しい。このため、本発明では、繊維長を8〜25mmにすることが好ましい。特に、ヤング率が200cN/dtex以上でかつ単繊維繊度が10dtex(繊維径31μm)を越える太い繊維を用いる場合には、繊維長を8〜25mm、好ましくは13〜20mmにして、含有率も10%以上、好ましくは30%以上にすることが好ましい。こうすることで比強度をさらに高めることができる。なお、25mm以上では目付むらが大きくなり易い。
さらに、本発明においては、比強度を上げるために、ヤング率の高い細い単繊維とヤング率の高い太い単繊維とを混合して用いること好ましい。本発明の場合、非捲縮の繊維を用いているので、捲縮のある繊維を用いてウエッブを作成する場合とは異なり、繊維間の固定が、固定用樹脂による接着によって、繊維間接触点のみで行われる。しかしながら、比強度を高めるために、剛直で短い繊維、例えば繊維長が5〜12mm程度のもので、10dtexを越える様な太い繊維を用いる場合は、繊維表面積が少ないため繊維同士が接触している繊維間接触点が少なく、接合点数が細い繊維と比較して極端に少ない。また、剛直であるため繊維同士が絡みにくい。この結果として、曲げ剛性の高い太い繊維だけを使用して不織布を構成しても、接合点が外れ易く、繊維物性を生かし切れず比強度を十分に上げることが難しい場合がある。この対策として、ヤング率が60cN/dtex以上、好ましくは90cN/dtex以上、さらに好ましくは150cN/dtex以上、最適には200cN/dtex以上の1〜6dtex(繊維径10〜24μm)の細い単繊維を混合して用いることが好ましい。こうすると、繊維本数が多くなるため、太い繊維との接合箇所を増やすことができるうえに、一部の繊維は太い繊維を収束するように絡む。接合点や絡んだ所には固定用樹脂が集中的に付着するため、固定用樹脂が有効に活用され繊維間の固定力が高められ比強度を上げる事ができる。また細い繊維はダスト捕集性を高める繊維としての機能も同時に果たすことが出来る。1〜6dtexの細い単繊維の配合率は繊維全質量に対し30%以下、より好ましくは25%以下であることが、高い通気度を得るために好ましい。但し、その細い単繊維の使用量によっては、ダスト捕集性が上がり目詰まりし易く、結果として寿命低下の原因ともなり得る。また通気度低下の原因にもなり得る。よって、10%以上がより好ましく、さらに好ましくは15%以上である。
さらに本発明における不織布は、互いに単繊維繊度が同じで繊維長が異なる繊維群を2群以上用いて製造することもが好ましい。繊維長が短いと不織布において繊維がその剛性により立ち、不織布は嵩高く、すなわち繊維密度が低くなる傾向にある。一方、繊維長が長いと繊維が寝て、濾材が薄く、すなわち繊維密度が高くなる傾向にある。繊維長が異なる繊維群を2群以上組み合わせることで、濾材の繊維密度を高い自由度で調節することができる。
そして、本発明において、不織布の通気度は多風量を処理する上で高い方が好ましく、本発明において不織布の通気度は100cm/cm・秒以上である。なお、本発明における通気度の数値は、JIS L1096(1999)のフラジール形法に基づき、かつ、不織布を2枚重ねて測定される数値である。
通気度が100cm/cm・秒を下回るような空隙量の少ない不織布になると、濾材貫通風速25m/分で使用した場合、JIS15種ダストの付着量が少ない状態で目詰まりするので寿命が短くなる。例えば自動車エアコン用として2年間の寿命をもたせるには、当該ダストを約10g以上/ユニット付着する必要があるが、これが得られなくなる。一方、通気度が700cm/cm・秒を上回ると、ダスト捕集性能が低くなり、85%以上の捕集率が得られにくくなるので、上限としては700cm/cm・秒である。通気度の好適範囲は、100〜600cm/cm・秒、最適には120〜500cm/cm・秒である。
このような不織布は、目付範囲として20〜70g/m、厚さ範囲として0.2〜0.55mmが好ましい。構造圧損比率をより低くし、低圧損フィルターとするためである。
また、不織布における見掛け密度は、0.08g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.09g/cm以上である。0.08g/cm未満では、繊維間の固定強度が低下し濾材の伸びが生じるため比強度が低下しやすい。一方、見掛け密度が大きすぎると通気度が下がり、またダストを保持できる空間量が減り目詰まりしやすく、寿命が短い濾材となりやすい。よって、0.18g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.15g/cm以下、さらに好ましくは0.13g/cm以下である。
不織布の厚さとしては、0.55mm以下が好ましく、より好ましくは0.50mm以下、さらに好ましくは0.45mm以下、さらに好ましくは0.40mm以下である。0.55mm以下とすることで、構造圧損を低く抑えることができる。一方、不織布が薄くなりすぎるとダストを保持できる空間量が少なくなり寿命が短くなるので、0.2mm以上とすることが好ましい。
不織布の製法としては、湿式抄紙法、エアレード法、乾式ケミカルボンド法、サーマルボンド法、スパンボンド法などを例示できる。湿式抄紙法やエアレード法は、繊維長が数ミリ〜10ミリと短い非捲縮短繊維を集積化して不織布を得る方法であり、乾式ケミカルボンド法は、捲縮のある短繊維をカード機を通してウエッブ化し、その後、エマルジョン化した樹脂を含浸後乾燥して繊維間を固定して不織布を作成する方法である。また、サーマルボンド法は、捲縮のある熱融着性短繊維を含む短繊維をカード機を通してウエッブ化し、その後、繊維間を熱融着して不織布を作成する方法であり、スパンボンド法は、ポリマーを溶かした状態で小さな孔から引き出した後、固化して直接不織布化する方法である。
上記のような製法のうち、比強度を達成するためには湿式抄紙法とエアレード法が最も好ましい。以下、湿式抄紙法とエアレード法が比強度を達成する最適製法である理由を詳細に説明する。
捲縮のある短繊維を用いることが必須のケミカルボンド製法やサーマルボンド製法の不織布は、カード機に通して繊維ウエッブとした後、樹脂加工や熱接着で繊維間を固定して得られる。不織布構造は、用いた単繊維に3次元の捲縮が元々備わっているため、樹脂などで繊維間固定しても不織布が厚く成りやすく3次元状態のルーズ性の残ったものとなり易い。この結果、外力が加わった時に、ルーズ性が残った部分から繊維絡合がほどけ、変形抵抗強度より不織布濾材伸びが先行して起こるため、構造圧損が発生し易い。
一方、繊維長が数ミリ〜数十ミリと短い非捲縮短繊維を水や空気などの流体に分散してスクリーン上に集積する湿式の抄紙法不織布やエアレード法は、繊維集積が平面的であるため、1本1本の単繊維の配向性が1次元的でありルーズ性のない状態である。その結果、この繊維集積体の単繊維間を固定した濾材は、外力が加わった時に、ルーズ性に伴う伸びが少ないため、すぐに単糸物性に応じた引っ張り抵抗力が発生し易い。
以上のような理由から、本発明においては、湿式抄紙法およびエアレード法により繊維集積体を作製し、その後、単繊維の間を固定することで不織布を製造することが好ましい。中でも湿式抄紙法には丸編み方式と傾斜ワイヤー方式とがあるが、傾斜ワイヤー方式は、繊維を分散した水を網で漉いて繊維を網面に集積させた後、バインダー液を含浸して乾燥するため、漉ける繊維長に幅があり繊維長が10mmを越える長い短繊維であっても抄紙できる。このため比強度の高い不織布が容易に得られるので最適製法である。一方、丸編み方式は、繊維とバインダーあるいは粒子状の添加物を凝集させて、その液から凝集物を漉き取るため、繊維長が長いと曲面形状の漉き面に漉きとれなくなる。したがって、丸編み方式の場合は、繊維長を5mm程度に短くすることが好ましい。但し、その場合は比強度を高くすることが難しくなる。
また、湿式抄紙法およびエアレード法は、繊維特性が異なる複数の繊維群を任意に混合して不織布を製造することができるという点でも好ましい方法である。またエアレードや湿式抄紙法で濾材を製造する場合、低融点繊維と高融点繊維を複合した熱融着性繊維や通常のホモポリマーで構成される繊維の中に難燃剤を練り込んだ難燃性繊維を用いれば、比強度の高い濾材でかつ難燃性を高めることができる。さらに、帯電加工に有効なヒンダードアミン系添加剤も同時に練り込めば、エレクトレット性に優れた比強度の高い難燃性濾材を得ることができる。
不織布を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアラミド繊維、無機繊維、炭素繊維などの繊維が使用可能である。但し、ガラスなどの無機繊維や炭素繊維は、ヤング率が高いが単繊維の破断伸度が4%以下と小さいため非常に折れやすく余り好ましくない。またポリアラミド繊維は、抄紙工程でフィブリル化し易いためヤング率が高くなりにくく、通気抵抗にむらが発生しやすいため余り好ましくない。超高分子量ポリエチレン繊維は、後述するガラス転移点の高い樹脂を繊維集合体に含浸して繊維固定を強固ならしめる場合に、乾燥熱処理工程での150度以上の高温加熱で、繊維の溶解、熱収縮が発生するため好ましくない。これらの繊維の中で特にビニロン繊維が最適である。
ビニロン繊維には、古くから行われている水系湿式防止法によって製造されるビニロン繊維と、新たに開発された溶剤湿式冷却ゲル紡糸法によって生産される高ヤング率のビニロン繊維があり、中でも、溶剤湿式冷却ゲル紡糸法によって生産されるビニロン繊維は、従来から使用されていた水系湿式紡糸法によって製造されるビニロン繊維よりもヤング率が高く、且つ破断伸度が4〜15%と無機繊維より高いためプリーツ加工でも繊維切断が発生し難くいこと、また乾熱収縮率が1.2%以下と少ないため繊維集積体を繊維固定する際の乾燥熱処理での不織布の寸法変化が小さいこと、さらに水分吸収率が低いため、湿気の影響を受けにくいため濾材の寸法変化が小さく、後述する難燃性も得られやすい繊維であることなどから、不織布を構成する単繊維として最適繊維である。
またポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維を用いた場合には、繊維表面の油分やイオン付着物を洗浄した後、コロナ放電法やハイドロチャージ法でエレクトレット加工することで帯電繊維とする事ができるため、高捕集性の濾材を得ることができる。特にヤング率が100cN/dtex以上のポリプロピレンやポリプロピレンとポリエチレンが共重合された変成ポリプロピレン繊維をエレクトレット加工して用いることが、高剛性エレクトレット濾材を作成するためには一層好ましい。
本発明において、不織布は難燃剤を含有することが可能である。難燃剤としては例えば、臭素系難燃剤や塩素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、グアニジン系難燃剤、リン酸メラミン系難燃剤、無機系難燃剤などを挙げることができる。なかでも、焼却時に有害物質を発生しない点で非ハロゲン系難燃剤およびRoHS規制に適合した臭素系難燃剤がこのましい。
さらに非ハロゲン系難燃剤のなかでも、スルファミン系難燃剤、リン酸エステル、リン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、リン酸メラミン等、環状ホスファゼンのリン系難燃剤、硫酸メラミンなどは、ビニロンやパルプなどのポリビニルアルコール成分やセルローズ成分が燃焼した時に炭化を促進する効果が高い。また、それらの難燃剤は、ポリエステル繊維などの燃焼時に、溶融するタイプの繊維が混合されていても炭化を防ぎ、燃え広がるのを防止する効果が高い。
難燃剤は水溶性のものであっても良いが、常温で粒子状になるものが、配合しても比強度を低下させないため最適である。
また本発明において、不織布は、撥水剤、香料、脱臭剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗アレルゲン剤、ガス吸着剤、ガス吸着多孔質体等が付与されて付加機能がつけられていてもよい。
そして、本発明においては、得られた不織布の単繊維間が、ガラス転移点温度30度以上の樹脂で固定される。その方法としては、水や空気などの流体に分散させた繊維を網で梳いた後の繊維集積体に、樹脂を含ませて乾燥固定する方法、すなわち、ガラス転移点温度Tgが30℃以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上の樹脂を繊維集積体に含ませて乾燥・熱処理して繊維間固定を行う方法を例示することができる。ガラス転移点温度Tgが80℃超になると、110℃前後の乾燥時に十分造膜しないために亀裂が入ったり、また−40℃の雰囲気下に晒された状態で風圧を掛けた時に割れたりする障害が生じやすくなるため、Tgの好ましい範囲は30〜80℃の範囲である。
Tgが比較的高い樹脂を用いると、Tg上昇とともに樹脂が硬くなり、不織布の引っ張り伸度が低下して、用いた単繊維の引っ張り伸度に近づく。そのため、繊維間が固定された不織布を引っ張った時、樹脂と繊維の両方に同時に応力がかかり、用いた繊維のヤング率に適合した引っ張り強力が発生する。このため比強度の高い不織布が得られ易い。またフィルターユニットが温度の高い雰囲気で使用されても樹脂の軟化が少ないため不織布の比強度低下が少なく圧損変化が起こりにくいという効果が得られる。
この様な効果を奏することができる樹脂としては、例えばアクリル酸エステル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを好適に用いることができる。中でもスチレン・アクリル樹脂は剛性が高く、繊維との密着性も良いため繊維固定力が高くなるので適する。かかる樹脂は、水溶液にして、当該水溶液に繊維集積体を浸漬したり、繊維集積体に当該水溶液を噴霧したりすることで付与してもよいが、熱融着性繊維の形態で繊維集積体を作製する際に混入し、かかる繊維を溶融することで、上述したような単繊維の間を固定することも可能である。
そして、本発明においては、繊維間固定樹脂に平均粒子径が100μm以下の粒子状物質を混合させることが好ましい。該粒子状物質を樹脂に混合させずに繊維間を固定した不織布でも、比強度1000N・cm/g以上を達成することは出来るが、混合することでより高い比強度とすることが可能である。平均粒子径が100μm以下の粒子状物質を上記樹脂に含有させて単繊維間を固定した不織布は、粒子状物質が樹脂自身の伸びを抑制する効果を発現して不織布全体の伸びが抑制されるため、不織布破断強度は低下するものの低伸度化して、より濾材変形の少ない濾材が得られる。
粒子状物質は、粒子径が小さすぎるとバインダーの連続性を断ち切る効果が高くなり過ぎ、強度低下が大きくなる。一方、粒子径が大きすぎると繊維間の空間を閉塞するため圧損があがり好ましくない。このため粒子径は5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは12〜25μmである。これらを濾材全質量に対し0.5〜20質量%、好ましくは5〜10%含有させると良い。
かかる粒子状物質としては、常温で個体形状を示すものであれば目的を達成でき、具体的には、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、臭素系難燃剤、リン酸メラミン等を例示できる。
そして、本発明においては、高風速濾過におけるダスト捕集性を向上するため、上記のような不織布に帯電加工を施してもよいし、上記のような不織布に別の帯電加工不織布を積層しても良い。
帯電加工不織布としては、濾材貫通風速25m/分以上の高風速濾過でもJISダスト15種の捕捉率を85%以上にして低圧損高捕集性を得るため、QF値0.15以上のものが好ましい。このような高性能帯電加工不織布の製法には摩擦帯電加工法、ハイドロチャージ法、コロナ放電法が知られており、どの製法でも実施できる。摩擦帯電加工法によるものは、ポリプロピレン繊維とポリエステル繊維、またはポリプロピレン繊維とポリアクリル繊維が混合された繊維集合体を、繊維間で摩擦加工して帯電加工するため、繊維密度が低く目詰まりしにくい構造である。このため特に長寿命性を求める濾材に向いている。またハイドロチャージ法は、低目付不織布でも帯電加工が可能なため、濾材厚みを薄くすることが出来るなどの優れた特徴がある。
また、本発明の濾材は、濾材QF値が0.4以上であることが好ましい。濾材QF値は、JIS B9908(2001)形式3試験法に準じた評価機器に濾材をセットし、濾材貫通風速4.5m/分で空気を流し、初期圧損に150Paを加えた最終圧損に達するまでJIS Z8901(1974)記載のダスト15種を供給し、総ダスト供給量と濾材に捕集されずに通過したダスト量の割合から求めたダスト透過率の自然対数を濾材のダスト負荷前圧損で割って求める。濾材QF値が高いものほど低圧損でありながら高いダスト捕集率であることを示す。濾材QF値が0.4を下まわるような濾材は、花粉等の捕集率が85%以下となるためアレルギー症状発症の防止効果が低い。より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1.0以上のものが、低圧損でありながら微細塵から花粉などの粗大粒子まで捕集できるので最適である。
さらに、本発明においては、上記のような濾材を用いたフィルターユニットのユニットQF値が0.03以上であることが好ましい。ユニットQF値は、JIS B9908(2001)形式3試験法に準じた評価機器に、本発明の濾材が用いられたフィルターユニットをセットし、525m/時の風量で空気を流し、初期圧損から最終圧損の200Paに達するまでJIS Z8901(1974)記載のダスト15種を供給し、総ダスト供給量とフィルターユニットに捕集されずに通過したダスト量の割合から求めたダスト透過率の自然対数をフィルターユニットのダスト負荷前圧損で割って求める。ユニットQF値が高いものほど低圧損でありながら高いダスト捕集率であることを示す。ユニットQF値が0.03を下まわるようなフィルターユニットは、花粉等の捕集率が85%以下となるためアレルギー症状発症の防止効果が低く良くない。より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.06以上のものが、低圧損でありながら微細塵から花粉などの粗大粒子まで捕集できるので最適である。
ユニットQF値を高くするためには、フィルターユニットの初期圧損を下げることが重要である。ユニット圧損は、濾材圧損と構造圧損の和で構成される。その内、構造圧損は、風圧による濾材変形がプリーツ加工されて形成された空気流路間隔の閉塞度によって発生度合いが変化する。同じ濾材で、同じ濾材面積、同じ山間ピッチの、山高さの高いユニットと低いユニットを作成した場合では、濾材を通過する風速は同じであるため同じ風圧が計算上かかるが、山高さの高いユニットでは山の斜面で発生する濾材の変形量が、山高さの低いユニットより大きくなるため構造圧損が高くなる。このためユニットQF値を高くするためには、フィルター間口が広く薄型のユニット形状にすると有利である。
また、ユニットQF値を高くするためには、最終圧損でのダスト透過率を下げることが重要である。最終圧損でのダスト透過率は、濾材の繊維構成、繊維密度、初期捕集性能、濾過風速によって決定される。ダスト透過率はダスト付着に伴う目詰まりによって低下するため繊維密度が高いと有利であるが、この様にした場合には初期圧損が上がり寿命も短くなるので適さない。最適な方法は、帯電加工不織布QF値が0.12以上、平均単繊維繊維径が4μm以上、繊維密度0.12g/cm以下の帯電加工不織布を別途濾材に積層する方法が最適である。すなわち、初期ダスト透過率が20%以下の嵩高帯電加工不織布で捕集効率を嵩上げすることで、多風量処理でも捕集性能が高く、寿命の長い低圧損エアフィルターユニットを得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。まず、本実施例における濾材の各特性の評価方法を下記する。なお、ヤング率、厚み、目付、比強度の評価に用いる試験片は、JIS Z8703(1983)の標準温湿度状態2類(温度20±2℃、相対湿度65±2%)で調湿したものを用いる。
<単繊維の繊度、繊維長および構成割合>
単繊維と樹脂で構成された不織布を、樹脂が溶ける溶液に浸漬して樹脂分を除去し、繊維だけにした後、繊維長をノギスで測定し、長さ毎に分類する。また繊維長が異なる群毎に電子顕微鏡で繊維幅を測定し区分する。この際、繊維本数は少なくとも100本以上を測定し単繊維構成を群毎に分類する。次いで四塩化炭素と水を混合して作成した密度勾配液に、構成繊維を入れて、浮きも沈みもしない液密度を求め、これを繊維密度とする。なお、繊維が密度勾配液に溶ける場合は、該繊維が溶けない、比重の重い適当な有機溶剤を選定する。繊維が浮く場合は、融点を測定して、融点から素材を特定する。単繊維の繊度は、求めた単繊維の繊維幅を繊維径として断面積A[cm]
を求め、この短繊維の繊維比重B[g/cm]をかけ、下記式で求める。
繊度[dtex]=A[cm]×B[g/cm]×10
次いで、単繊維の構成割合は、先に求めた単繊維の群毎の構成割合を繊度と繊維長の構成割合に変換して、全繊維質量に占める割合を算出する。
<ヤング率>
JIS L1013(1999)に準じて評価する。初期引張抵抗度から見かけヤング率を求め、この数値をヤング率とする。また繊維長が数mmから数10mmと短いため、1分間の引っ張り速度は繊維長の100%とする。また評価N数は少なくとも10本以上とし、算術平均を本発明におけるヤング率とする。
<通気度>
JIS L1096(1999)に記載のフラジール形法の評価方法に従って実施。ただし1枚で測定した場合には測定結果にバラツキが生じやすいため2枚重ねで測定する。また評価N数は少なくとも5以上とし、算術平均を本発明における通気度とする。
<粒子状物質の平均粒子径測定>
粒子が無機物質の場合は、樹脂を溶剤で溶かして残った粒子を顕微鏡観察して1次粒子径を測定する。また粒子が有機物質の場合には、濾材表面のSEM観察を行い、50個以上の粒子を無作為に選び、長径を測定してその長径の算術平均値を粒子状物質の平均粒子径とする。なお、樹脂だけを溶解できる場合は、樹脂を溶解後濾過して残った粒子を顕微鏡で観察する。
<厚み>
テクロック(株)製SM114を用いて測定頻度100cm当たり3箇所、合計21箇所の厚みを求めその算術平均値を利用する。
<目付>
評価試料(不織布、耐電加工不織布または濾材)の質量を求め、その面積から1m当たりの質量に直して、それぞれの評価試料の目付として求める。サンプリング最小面積は0.01m以上とする。
<比強度>
JIS L1085(1998)に準拠して引っ張り強さを求め、該引っ張り強さから比強度を求めた。具体的には、まず、幅50mmの不織布を、定速引っ張り試験機(オートグラフ SHIMADZU(株)製型式AGS−J)で、チャック間長さ200mm、引っ張り速度100mm/minで評価したS−Sカーブから、1%伸張時の発生強力[N]を求め、該発生強力を試験片の断面積(不織布幅50mm×不織布厚み)で割り、1%伸長時の引っ張り強さ[N/cm]を求めた。続いて、該引っ張り強さ[N/cm]を、後述する方法で求められる不織布の見掛け密度[g/cm]で割って、比強度を求めた。なお、比強度は、不織布のプリーツ加工方向(MD方向)に200mm長さを少なくとも5個以上サンプリングして評価した値の算術平均値とする。
<樹脂のガラス転移点温度>
不織布から樹脂成分を採取しDSC法(高感度示差熱熱熱量計法)を用いて評価する。評価N数は2個以上とし、算術平均値を利用する。
<帯電加工不織布QF値>
JIS B9908(2001)形式3試験法に準じた試験機に帯電加工不織布をセットして、帯電加工不織布QF値を下記式で求める。
帯電加工不織布QF値=−Ln(T)/△P
Tは帯電加工不織布の0.3μm〜0.5μm径の一般外気に含まれる大気塵粒子の透過率(以下、「0.3μ粒子透過率」という場合がある)
T=1−(C/C
=評価試料が捕集した0.3μm〜0.5μm径の粒子数
=評価試料に供給された0.3μm〜0.5μm粒子数
△Pは帯電加工不織布圧損(Pa)
大気塵粒子の透過率Tと帯電加工不織布圧損△Pは、測定風速4.5m/minで求める。また、評価N数は2枚以上とし、算術平均値を利用する。
<メルトブロー不織布の平均繊維径の測定>
メルトブロー不織布表面を500倍以上でSEM観察し、500本以上の繊維幅をランダムに測定して算術平均値を利用する。
<不織布、帯電不織布圧損の測定>
JIS B9908(2001)形式3試験法に準じた試験機に評価試料をセットして、評価試料を通過する風速を4.5m/minとして求める。評価N数は2枚以上とし、算術平均値を利用する。
<濾材QF値>
濾材QF値は、JIS B9908(2001)形式3試験法に準じた評価機器に濾材をセットし、濾材貫通風速4.5m/minで空気を流し濾材初期圧損(△P)を求める。次いで、△Pに150Paを加えた最終圧損に達する時点まで、JIS Z8901(1974)に記載のダスト15種を供給し、評価濾材が捕集したダスト量(W)と評価濾材に捕集されずに下流側の絶対フィルターが捕集したダスト量(W)から、下記式でJIS15種ダストの透過率Tを求める。
=1−(W/(W+W))
=評価濾材が捕集したJIS15種ダスト粒子の質量
=絶対フィルターが捕集したJIS15種ダスト粒子の質量
そして、濾材QF値を求める式に、JIS15種ダスト粒子の透過率Tを当てはめ下記式で求める。
濾材QF値=−Ln(T)/△P
はJIS15種ダスト粒子の透過率
△Pは濾材初期圧損(Pa)
濾材QF値の評価N数は2枚以上とし、算術平均値を利用する。
<フィルターユニットQF値>
フィルターユニットQF値は、JIS B9908(2001)形式3試験法に準じた評価機器にフィルターサイズ幅240mm×長さ255mm×厚み10mmのフィルターユニットをセットし、525m/時の風量で空気を流しフィルターユニット初期圧損(△P)を求める。次いで、最終圧損200Pa達する時点まで、JIS Z8901(1974)に記載のダスト15種を供給し、フィルターユニットに捕集されたダスト量(W)と評価ユニットに捕集されずに下流側の絶対フィルターに捕集されたダスト量(W)から、下記式でフィルターユニットにおけるJIS15種ダスト粒子の透過率Tを求める。
=(1−(W/(W+W))
=フィルターユニットが捕集したJIS15種ダスト粒子の質量
=絶対フィルターが捕集したJIS15種ダスト粒子の質量
そして、ユニットQF値を求める式に、JIS15種ダスト粒子の透過率Tを当てはめ下記式で求める。
フィルターユニットQF値=−Ln(T)/△P
はJIS15種ダスト粒子の透過率
△Pはフィルターユニット初期圧損(Pa)
フィルターユニットQF値の評価N数は2枚以上とし、算術平均値を利用する。
<不織布の見掛け密度>
テクロック(株)製SM114を用いて試料面積100cm当たり1箇所の測定密度で、合計21箇所以上の厚みを求め、その算術平均値を算出する。また濾材目付は、不織布の質量を求め、その面積から1m当たりの質量に直して目付とする。サンプルング最小面積は0.01m以上とし、評価する試料の枚数は2枚以上とし、それらの算術平均値を用いる。
上記の方法で求めた不織布の厚みと目付から、不織布の見掛け密度を下記式で求める。
不織布の見掛け密度(g/cm)=濾材目付(g/cm)/濾材厚み(cm)×10000
<難燃性>
JIS L1091(1999)A−3法に準じて実施する。
(実施例1)
傾斜ワイヤー方式の湿式抄紙方法により、非捲縮のビニロン繊維(ヤング率180cN/dtex、繊度7dtex、繊維長10mmのものを20質量%)、非捲縮のポリエステル繊維((1)ヤング率65cN/dtex、繊度10dtex、繊維長10mmのものを21質量%、(2)ヤング率65cN/dtex、繊度17dtex、繊維長18mmのものを49質量%)、パルプ(10質量%)から構成された目付37.5g/mの繊維集積体を作製した。その後、該繊維集積体を、スチレンアクリル重合体(ガラス転移点温度Tg30℃、造膜温度45℃)の固形分30%液に含浸後、乾燥熱処理して目付46.8g/m、厚み0.410mm、通気度375cm/cm・秒(2枚重ね)、見掛け密度0.114g/cm、1%伸長時引っ張り強さ180N/cm、比強度1579N・cm/gの不織布を作成した。この不織布の圧損は1.6Paであった。
この不織布に、帯電不織布(目付12g/m、平均繊維径6.0μm、圧損1.8Pa、0.3μ粒子透過率T=0.75、厚み0.12mm、帯電加工不織布QF値0.16のポロプロピレンメルトブロー不織布)を接着して、微細塵も捕集可能な厚み0.535mmの濾材(圧損3.5Pa、JIS15種ダスト透過率T=0.08、濾材QF値0.72)を作成した。
この濾材を山高さ8mmにプリーツ加工して、フィルターサイズが幅240mm、長さ255mm、厚み10mmの枠体の中に濾材面積が0.35mとなるように入れ、フィルターユニットを作成した。
このフィルターユニットを風量525m/時でユニット圧損を測定した結果、70Pa(構造圧損50.6Pa)であった。このユニットにJIS15種ダストを負荷して寿命特性を求めたところ、ユニットにおけるJIS15種ダスト透過率T=0.09、JIS15種の付着量=13g/ユニット、フィルターユニットQF値=0.034であり、自動車エアコン用高性能フィルターに使用できる性能(騒音が余り気にならず、またエアコン効率を低下させない圧損70Pa以下、花粉の侵入をほぼ阻止できる性能としてのJISダスト15種捕集効率91%以上)であった。
なお、条件および結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
不織布の構成繊維を変更し、表1、表2に示すようにした以外は実施例1と同様にした。その結果、構造圧損発生が少ないフィルターユニットが作成できた。また、該フィルターユニットが低圧損高捕集で長寿命なフィルターであることも確認できた。
(実施例3)
不織布の構成繊維を変更し、表1、表2に示すようにした以外は実施例1と同様にした。ヤング率の高い繊維を用いたため、実施例1、2に比べてさらに比強度の高い不織布を得ることができ、その結果、更に構造圧損の少ないフィルターユニットが作成できた。また、該フィルターユニットが低圧損高捕集で長寿命なフィルターであることも確認できた。
(実施例4)
不織布の構成繊維を変更し、スチレンアクリル重合体の固形分30%液をガラス転移点温度Tg35℃、造膜温度55℃のものに変更し、表3、表4に示すようにした以外は実施例1と同様にした。
繊維長が長く、また、それら単繊維をTgの高いスチレンアクリル重合体で繊維間を固定したため、実施例1〜3より、さらに比強度の高い不織布を得ることができ、その結果、更に構造圧損の少ないフィルターユニットが作成できた。また、該フィルターユニットが低圧損高捕集で長寿命なフィルターであることも確認できた。
(実施例5)
スチレンアクリル重合体の固形分30%液をガラス転移点温度Tg50℃、造膜温度80℃のものに変更し、表3、表4に示すようにした以外は実施例4と同様にした。
繊維長が長く、また、それら単繊維を実施例4よりさらにTgの高いスチレンアクリル重合体で繊維間を固定したため、さらに比強度の高い不織布を得ることができ、その結果、さらに構造圧損の少ないフィルターユニットが作成できた。また、該フィルターユニットが低圧損高捕集で長寿命なフィルターであることも確認できた。
また、用いた不織布について、60度の雰囲気下で比強度を測定したところ4200N・cm/gで殆ど低下が認められなかった。この結果から、エンジンに近い加温される場所に使用しても、熱による濾材変形の少ない耐熱性に優れた不織布であることが確認できた。
(実施例6)
スチレンアクリル重合体(Tg30℃、造膜温度45度)の固形分30%液に、該スチレンアクリル重合体の乾燥重量に対して乾燥重量比率で10%の炭酸カルシウム(平均粒子径4ミクロン)を混合したバインダーを作製し、このバインダーに繊維集積体を含浸させ、表3、表4のようにした以外は、実施例2と同様にした。
スチレンアクリル重合体(Tg30℃、造膜温度45度)の固形分30%液に粒子状物質を含有させた結果、実施例2に比べて比強度の高い不織布を得ることができ、構造圧損の少ないフィルターユニットが作成できた。また、該フィルターユニットが低圧損高捕集で長寿命であることも確認できた。
(実施例7)
スチレンアクリル重合体(Tg30℃、造膜温度45度)の固形分30%液に、該スチレンアクリル重合体の乾燥重量に対して乾燥重量比率で46.7%の難燃剤リン酸メラミン(水不溶性)を混合したバインダーを作製し、このバインダーに繊維集積体を含浸させ、表5、表6のようにした以外は、実施例2と同様にした。
不織布の表面観察から平均粒子径10μmの粒子がスチレンアクリル重合体内部および表面に析出して形成されていた。スチレンアクリル重合体に粒子状物質を含有させた結果、実施例2に比べて比強度の高い不織布を得ることができ、構造圧損の少ないフィルターユニットが作成できた。また、該フィルターユニットが低圧損高捕集で長寿命であることも確認できた。さらに、濾材の難燃性を評価したところA−3法に合格する自消性が確認できた。
(実施例8)
帯電不織布を、目付22g/m、平均繊維径6.0μm、圧損3.7Pa、0.3μ粒子透過率T=0.35、厚み0.21mm、帯電加工不織布QF値0.28のポロプロピレンメルトブロー帯電不織布に変更し、表5、表6のようにした以外は、実施例2と同様にした。
その結果、目付の大きい帯電不織布を用いたために捕集性能が高くなった。また、捕集性の高いフィルターユニットであるにも関わらず低圧損長寿命であることも確認できた
(実施例9)
帯電不織布を、ポリエステル短繊維(繊度5dtex、繊維径22.0μm)とポリプロピレン短繊維(繊度5dtex、繊維径26.3μm)とがそれぞれ重量比率で50%で混在している目付16g/mの摩擦帯電加工不織布(、圧損0.5Pa、0.3μ粒子透過率T=0.61、厚み0.2mm、帯電加工不織布QF値0.99)に変更し、表5、表6のようにした以外は、実施例2と同様にした。
実施例7と同様、濾材厚みがやや厚い濾材であったものの、低圧損濾材となり、ユニット圧損も低いものであった。また、捕集性の高いフィルターユニットであるにも関わらず長寿命のフィルターであることも確認できた
(実施例10)
不織布の構成繊維を変更し、スチレンアクリル重合体の固形分30%液を同様の固形分10%液に変更し、さらに、得られた不織布に別の帯電不織布を接着するのではなく、得られた不織布に純水を吹きかけてハイドロチャージ法で帯電加工を行い、表7、表8に示すようにした以外は実施例4と同様にした。
その結果、不織布層1層だけの濾材であっても捕集性が高く、かつ圧損の低い、高性能フィルターユニットであることが確認できた
(実施例11)
不織布の構成繊維を変更し、帯電不織布を、目付10g/m、平均繊維径5.0μm、圧損1.6Pa、0.3μ粒子径過率T=0.77、厚み0.08mm、帯電加工不織布QF値0.16のポロプロピレンメルトブロー帯電不織布に変更し、さらに、フィルターユニットにおける濾材面積を0.42mに変更し、表7、表8のようにした以外は実施例1と同様にした。
その結果、目付が小さく且つ薄いものであったが比強度の高い不織布を得ることができ、そのため狭いプリーツ山間隔で濾材を収納しても構造圧損の発生が少なく、低圧損、高捕集で長寿命なフィルターユニットが作成できた。
(実施例12)
エアレード法により、非捲縮のビニロン繊維(ヤング率180cN/dtex、繊度7dtex、繊維長20mmのものを30質量%)、非捲縮の芯鞘型ポリエステル繊維(鞘成分融点154℃、芯成分融点265℃のもので、(1)ヤング率65cN/dtex、繊度9.6dtex、繊維長15mmのものを21質量%、(2)ヤング率65cN/dtex、繊度16.2dtex、繊維長24mmのものを49質量%)から構成された目付37.5g/mの繊維集積体を作製した。その後、190℃の温風を繊維集積体に作用させてポリエステル芯鞘繊維の鞘成分を溶かした状態を作り25℃に調節したカレンダーロールで圧縮して厚み0.40mm、通気度390cm/cm・秒(2枚重ね)、見掛け密度0.094g/cm、1%伸長時引っ張り強さ120N/cm、比強度1277N・cm/gの不織布を作成した。この不織布の圧損は1.5Paであった。
この不織布に、帯電不織布(目付12g/m、平均繊維径6.0μm、圧損1.8Pa、0.3μ粒子透過率T=0.75、厚み0.12mm、帯電加工不織布QF値0.16のポロプロピレンメルトブロー不織布)を接着して、微細塵も捕集可能な厚み0.53mmの濾材(圧損3.3Pa、JIS15種ダスト透過率T=0.08、濾材QF値0.77)を作成した。
この濾材を山高さ8mmにプリーツ加工して、フィルターサイズが幅240mm長さ255mm厚み10mmの枠体の中に濾材面積が0.35mとなるように入れ、フィルターユニットを作成した。
このフィルターユニットを風量525m/時でユニット圧損を測定した結果、67.8Pa(構造圧損49.5Pa)であった。このユニットにJIS15種ダストを負荷して寿命特性を求めたところ、ユニットにおけるJIS15種ダスト透過率T=0.085、JIS15種の付着量=14g/ユニット、フィルターユニットQF値=0.036であり、自動車エアコン用高性能フィルターに使用できる性能であった。
濾材の製法をエアレード法とし、熱融着性繊維を用い、且つ繊維長を長くして繊維間固定を行った結果、不織布見掛け密度が低いにも関わらず比強度の高いものが得られ、ユニット性能も寿命特性の高いものが得られた。
なお、条件および結果を表7、表8に示す。
(実施例13)
エアレード法により、非捲縮のビニロン繊維(ヤング率180cN/dtex、繊度7dtex、繊維長20mmのものを30質量%)、非捲縮の芯鞘型ポリエステル繊維(鞘成分融点154℃、芯成分融点265℃のもので、(1)ヤング率65cN/dtex、繊度9.6dtex、繊維長15mmのものを21質量%、(2)ヤング率65cN/dtex、繊度16.2dtex、繊維長24mmのものを49質量%)から構成された目付37.5g/mの繊維間固定された繊維集積体を作製した。その後、該繊維集積体を、スチレンアクリル重合体(ガラス転移点温度Tg30℃、造膜温度45℃)の固形分30%液に含浸後、190℃の温風を繊維集積体に作用させて乾燥熱処理して目付39.5g/mとした後、25℃に調節したカレンダーロールで圧縮して厚み0.43mm、通気度400cm/cm・秒(2枚重ね)、見掛け密度0.092g/cm、1%伸長時引っ張り強さ130N/cm、比強度1413N・cm/gの不織布を作成した。この不織布の圧損は1.4Paであった。
この不織布に、帯電不織布(目付12g/m、平均繊維径6.0μm、圧損1.8Pa、0.3μ粒子透過率T=0.75、厚み0.12mm、帯電加工不織布QF値0.16のポロプロピレンメルトブロー不織布)を接着して、微細塵も捕集可能な厚み0.53mmの濾材(圧損3.2Pa、JIS15種ダスト透過率T=0.08、濾材QF値0.79)を作成した。
この濾材を山高さ8mmにプリーツ加工して、フィルターサイズが幅240mm長さ255mm厚み10mmの枠体の中に濾材面積が0.35mとなるように入れ、フィルターユニットを作成した。
このフィルターユニットを風量525m/時でユニット圧損を測定した結果、67.3Pa(構造圧損49.5Pa)であった。このユニットにJIS15種ダストを負荷して寿命特性を求めたところ、ユニットにおけるJIS15種ダスト透過率T=0.085、JIS15種の付着量=14.6g/ユニット、フィルターユニットQF値=0.037であり、自動車エアコン用高性能フィルターに使用できる性能であった。
濾材の製法をエアレード法とし、繊維間固定に熱融着性繊維と樹脂を用いたことで不織布見掛け密度が低いにも関わらず比強度の高いものが得られ、ユニット性能も寿命特性の高いものが得られた。
なお、条件および結果を表9、表10に示す。
(実施例14)
エアレード法により、非捲縮のビニロン繊維(ヤング率250cN/dtex、繊度17dtex、繊維長12mmのものを40質量%)、非捲縮の芯鞘型変成PP/PP繊維(ヤング率45cN/dtex、繊度2.2dtex、繊維長10mm、鞘成分変成ポリプロピレン融点129℃、芯成分ポリプロピレン融点165℃のものを50質量%)、非捲縮のポリプロピレン繊維(ヤング率130cN/dtex、繊度3.0dtex、繊維長15mmのものを10質量%)から構成された繊維集積体を得た。これに145℃の加熱空気を通過させて、芯鞘型変成PP/PP繊維の鞘側変成PP(ポリオレフィン、ポリエチレン共重合ポリマー、融点129℃)だけを溶解させて他の繊維との繊維間固定を行ったあと、120℃以下で加圧して、厚み0.7mmの不織布(目付80g/m、厚さ0.70mm、比強度1052N・cm/g)を作製した。その後、不織布を水洗して繊維に付着した油剤を除去した後、ハイドロチャージ法でエレクトレト加工を行い1層構造の帯電濾材を得た。
この濾材を山高さ8mmにプリーツ加工して、フィルターサイズが幅240mm長さ255mm厚み10mmの枠体の中に濾材面積が0.28mとなるように入れ、フィルターユニットを作成した。
このフィルターユニットを風量525m/時でユニット圧損を測定した結果、71.0Paと高めであったが、JIS15種ダストの透過率T=0.074、JIS15種の付着量=16g/ユニット、フィルターユニットQF値=0.037であり、0.3μm粒子透過率が低くても寿命の長いフィルターユニットを得ることができた。
なお、条件および結果を表9、表10に示す。
(実施例15)
エアレード法により、非捲縮の芳香族のポリアミド繊維(ヤング率4400cN/dtex、繊度17dtex、繊維長10mmのものを40質量%)、非捲縮のポリプロピレン繊維(ヤング率130cN/dtex、繊度3dtex、繊維長15mmのものを10質量%)、非捲縮の芯鞘型変成PP/PP繊維(ヤング率45cN/dtex、繊度2.2dtex、繊維長10mm、鞘成分変成ポリプロピレン融点129℃、芯成分ポリプロピレン融点165℃)のもの50質量%)から構成された繊維集積体を得た。これに145℃の加熱空気を通過させて、芯鞘型変成PP/PP繊維の鞘側変成PP(ポリオレフィン、ポリエチレン共重合ポリマー、融点129℃)だけを溶解させて他の繊維との繊維間固定を行ったあと、120℃以下で加圧して厚み0.7mmの不織布(目付80g/m、厚さ0.70mm、比強度5439N・cm/g)を作製した。この繊維集積体を水洗して繊維に付着した油剤を除去した後、ハイドロチャージ法でエレクトレト加工を行い1層構造の帯電濾材を得た。
この濾材を山高さ8mmにプリーツ加工したところ、プリーツ部の山部分で剛性の高い芳香族ポリアミド繊維が繊維固定部分で部分的に外れ、ささくれ立つ問題が有った。
そして、プリーツ加工をした濾材をフィルターサイズが幅240mm長さ255mm厚み10mmの枠体の中に濾材面積が0.28mとなるように入れ、フィルターユニットを作成した。
このフィルターユニットを風量525m/時でユニット圧損を測定した結果、49.2Paと低く、高い比強度の効果が得られた。またJIS15種ダストの透過率T=0.072、JIS15種の付着量=20g/ユニット、フィルターユニットQF値=0.053であり、実施例14より高い性能を得る事ができた。ただし、上述のとおり、使用した芳香族ポリアミド単繊維の繊度が大きく、ヤング率も高いため、プリーツ加工した濾材の山部分がささくれ立つ問題があった。
なお、条件および結果を表9、表10に示す。
(比較例1)
単繊維ヤング率の比強度への影響を試験するため、不織布の構成繊維を変更し、表11、表12のようにした以外は実施例1と同様にした。
その結果、得られたフィルターユニットは、実施例1よりユニット圧損、構造圧損ともに高く、また、捕集性も悪く、寿命も短いものであった。
(比較例2)
スチレンアクリル重合体の固形分30%液を、ガラス転移点温度Tg25℃、造膜温度32℃のものに変更し、表11、表12に示すようにした以外は比較例1と同様にした。
得られた不織布は濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また、捕集性も悪く、寿命も短いものであった。
(比較例3)
傾斜ワイヤー方式の湿式抄紙方法ではなく乾式ケミカルボンド製法により、不織布の構成繊維を変更し、表11、表12のようにした以外は実施例1と同様にした。
得られた不織布は濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より更に高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また、捕集性も更に悪く、寿命も短いものであった。
(比較例4)
不織布の構成繊維を変更し、表13、表14のようにした以外は実施例1と同様にした。
得られた不織布は濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また、捕集性も悪く、寿命も短いものであった。
(比較例5)
不織布の構成繊維を変更し、表13、表14のようにした以外は実施例1と同様にした。
得られた不織布は濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また繊維全質量に占める6dtex以下の繊維割合も30%を越えていたため、目詰まりし易いため寿命が短く、最終圧損までに十分捕集効率が上がらないため捕集性も悪いものであった。
(比較例6)
スチレンアクリル重合体の固形分30%液を、ガラス転移点温度Tg25℃、造膜温度32℃のものに変更し、表13、表14に示すようにした以外は実施例1と同様にした。
スチレンアクリル樹脂が柔らかいため得られた不織布の表面には粘着性が認められた。また、濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また、捕集性も悪く、寿命も短いものであった。
(比較例7)
不織布の構成繊維を変更し、表15、表16のようにした以外は実施例1と同様にした。
繊維全質量に占めるヤング率150cN/dtex以上で繊度7dtex以上の非捲縮繊維の配合率が15%であったため、得られた不織布は濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また、捕集性も悪く、寿命も短いものであった。
(比較例8)
不織布の構成繊維を変更し、表15、表16のようにした以外は実施例1と同様にした。
繊維全質量に占めるヤング率150cN/dtex以上の繊維配合率が25%であったが、該繊維は繊度が3dtexのものであったため、得られた不織布は通気度が低く濾材変形度の大きい不織布であり、その結果、フィルターユニットは、ユニット圧損、構造圧損ともに実施例1より高く、自動車エアコン用フィルターに求められる初期圧損を越えていた。また、捕集性も悪く、寿命も短いものであった。
Figure 2008120572
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本発明の濾材およびフィルターユニットは、例えば家庭用空気清浄機フィルター、ビル・工場向け空調用フィルター、車載用フィルター等の機械や機器類に好適に使用できる。

Claims (11)

  1. 単繊維間が固定された、有機繊維を主体とする不織布を有し、該不織布は、1%伸長時の比強度が1000N・cm/g以上で、且つ通気度が100cm/cm・秒以上である濾材。
  2. 前記不織布は、ヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成されるとともに、少なくともヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex以上の非捲縮の単繊維が繊維全質量の20%以上の割合で含まれ、かつ、単繊維間がガラス転移点温度30℃以上の樹脂で固定されている、請求項1に記載の濾材。
  3. 単繊維間が固定された、有機繊維を主体とする不織布を有し、該不織布は、ヤング率と繊度が異なる複数の単繊維で構成されるとともに、少なくともヤング率150cN/dtex以上、繊度7dtex以上の非捲縮の単繊維が繊維全質量の20%以上の割合で含まれ、かつ、単繊維間がガラス転移点温度30℃以上の樹脂で固定されている濾材。
  4. 前記不織布を構成する単繊維として、ヤング率200cN/dtex以上、繊度10dtex以上、繊維長8〜25mmの非捲縮の有機単繊維が、繊維全質量の10%以上の割合で含まれている、請求項2または3に記載の濾材。
  5. 前記不織布を構成する単繊維として、ヤング率60cN/dtex以上、繊度1〜6dtexの有機単繊維が、繊維全質量の30%以下の割合で含まれている、請求項2〜4のいずれかに記載の濾材。
  6. 前記不織布を構成する単繊維として、帯電繊維が含まれている、請求項1〜5のいずれかに記載の濾材。
  7. 前記不織布にさらに帯電加工不織布を積層した、請求項1〜6のいずれか記載の濾材。
  8. JIS B9908(2001)形式3試験法に基づき求めたJIS Z8901(1974)記載のダスト15種の透過率と濾材初期圧損とから求めた濾材QF値が0.4以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の濾材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の濾材を枠体に装填したフィルターユニットであって、JIS B9908(2001)形式3試験法に基づき求めたJIS Z8901(1974)記載のダスト15種の透過率とフィルターユニット初期圧損とから求めたフィルターユニットQF値が0.03以上であるフィルターユニット。
  10. 自動車エアコン用である、請求項9に記載のフィルターユニット。
  11. 少なくとも非捲縮の単繊維を含む繊維を流体中に分散し、繊維集積体とした後に単繊維間を固定して請求項1〜8のいずれかに記載の濾材を得る、濾材の製造方法。
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