JPWO2008072620A1 - インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008072620A1
JPWO2008072620A1 JP2008528282A JP2008528282A JPWO2008072620A1 JP WO2008072620 A1 JPWO2008072620 A1 JP WO2008072620A1 JP 2008528282 A JP2008528282 A JP 2008528282A JP 2008528282 A JP2008528282 A JP 2008528282A JP WO2008072620 A1 JPWO2008072620 A1 JP WO2008072620A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording
amount
density
ejection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008528282A
Other languages
English (en)
Inventor
良貴 謝花
良貴 謝花
義朋 丸本
義朋 丸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Publication of JPWO2008072620A1 publication Critical patent/JPWO2008072620A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2132Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding
    • B41J2/2146Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding for line print heads

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

顔料インクを用い、境界領域同士をオーバーラップさせて隣接する記録領域を記録する場合の光沢むらの発生を低減する。そのために、つなぎ部分と非つなぎ部分とでそれぞれ異なる画像処理を適用し、つなぎ部分では非つなぎ部分より比較的光沢の高いインクを多く用いるようにする。これにより、非つなぎ部分とつなぎ部分とで光沢感をそろえることができ、光沢むらが低減される。

Description

本発明は、インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置に関する。特に本発明は、隣接する記録領域の境界部分同士をオーバーラップさせる(つなぎ記録を行う)場合に生じる画像弊害を軽減する技術に関するものである。
インクジェット記録における上記つなぎ記録は、次のような目的で行われる。
例えば、記録媒体の搬送方向と直交する方向に多数のインク吐出口を配列してなるライン状のインクジェットヘッドを用いるラインプリンタは、画像形成の高速化が可能である。かかるライン状インクジェットヘッドでは、インク吐出口、これに連通する液路、および吐出に利用されるエネルギの発生素子(以下これらをノズルと総称することもある)を、記録媒体の全幅など広範囲にわたって欠陥なく設ける加工を行うのが困難である。そのためライン状インクジェットヘッドとしては、比較的加工が容易で廉価な短尺のヘッドチップを複数個配列することにより、所望の長さを満たすよう長尺化したものが用いられている。
しかしながら、かかる構成では、隣接する記録領域の記録に関与するヘッドチップ同士のつなぎ部分で副走査方向に沿った「白すじ」と称される画像欠陥が生じやすい。これは、所謂「端よれ」に起因して発生する。端よれとは、記録デューティの高い画像を高速で記録した場合に、ヘッドチップ端部側に位置する吐出口からのインク吐出方向が、ヘッドチップと記録媒体との間に生じる気流の影響により、そのヘッドチップ内の吐出口配列の内側に向かって偏向する現象である。このためヘッドチップをいかに精度高く配置しても、またヘッドチップ端部同士が重なるようにし、当該重なり部分においてヘッドチップ間の使用吐出口範囲の端をそろえるようにしても、ヘッドチップ間に相当する隣接記録領域の境界部分に白すじが発生し得る。そのほか、隣接記録領域の境界部分には、製造上のばらつきに起因してヘッドチップ間で吐出量が異なっていたり、インク吐出速度が異なっているために記録媒体上に到達するインクの着弾時間が異なっていたりする場合にも、すじ状の画像欠陥が生じ得る。
そこで、例えば特許文献1に記載されたように、端部同士が副走査方向上で重なるようにヘッドチップを配置するとともに、つなぎ部分でのヘッドチップの記録密度を適切に定めることで、すじ状の画像欠陥を軽減することができる。
また、上述したすじ状の画像欠陥は、インク吐出口を配列してなる記録ヘッドのインク吐出口配列方向とは異なる方向への主走査と、記録媒体の搬送(副走査)とを交互に繰り返すことで記録を行ういわゆるシリアルプリンタにおいても生じる。すなわち、上述した「端よれ」によって1回の主走査での記録領域(バンド)の幅が狭くなったり、副走査量が過大であったりした場合には、主走査方向に沿ったバンド境界部分に記録が行われない部分が生じるからである。そのために、副走査量をインク吐出口配列範囲未満の量とすることで、バンド端部同士がオーバーラップするようにすることが有効である。
特許文献1に開示されたような技術を適用することで、大きな白すじの発生が軽減される。しかし本発明者らは、つなぎ部分では画像の光沢度が非つなぎ部分に比して低くなり、これに起因して画像弊害が生じることを見出した。すなわち、光沢度の低い部分は、ラインプリンタでは副走査方向に延在し、シリアルプリンタでは主走査方向に延在するすじとなって現れ、光沢むらとして認識されてしまうからである。そして本発明者らは、かかる光沢むらは、顔料系インクを用い、光沢紙などの記録媒体に記録を行う場合に顕著に認識されることを見出した。本来、光沢紙は、ユーザが高画質記録を望む場合に選択されるものであるにも拘らず、そのような画像弊害が生じるのではユーザの希望に沿えず、高級紙を用いる意味が滅却されてしまうので大きな問題である。
特開平5−57965号公報
よって本発明は、境界領域同士をオーバーラップさせることで隣接する記録領域を記録する場合の光沢むらの発生を低減することを目的とする。
本発明の第1の形態では、第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように、且つ、前記第1のインクと同系色で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記重複部分に含まれる吐出口により記録されるつなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量と、前記重複部分に含まれない吐出口により記録される非つなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量とを定めるための決定部を具え、
前記決定部は、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々について前記第1および第2のインクの使用量を決定する。
本発明の第2の形態では、第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列と、前記第1のインクと同系色で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列とが配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記インクジェットヘッドを前記吐出口の配列の方向と交差する方向へ主走査する走査部と、
前記主走査において記録されるバンドの端部同士をオーバーラップさせたつなぎ部分を有するように、前記吐出口の配列の範囲未満の量だけ前記主走査方向と直交する方向へ前記記録媒体を搬送する搬送部と、
前記つなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量と、前記つなぎ部分以外の非つなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量とを定めるための決定部とを具え、
前記決定部は、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々について前記第1および第2のインクの使用量を決定する。
本発明の第3の形態では、第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように、且つ、前記第1のインクと同色系で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うために使用される画像データを生成する画像処理方法であって、
前記重複部分に含まれる吐出口により記録されるつなぎ部分を記録するための画像データと、前記重複部分に含まれない吐出口により記録される非つなぎ部分を記録するための画像データとを生成する生成工程を備え、
前記生成工程では、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々を記録するための画像データを生成する。
本発明の第4の形態では、第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列と、前記第1のインクと同色系で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列とが配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うために使用される画像データを生成する画像処理方法であって、
前記インクジェットヘッドの主走査において記録されるバンドの端部同士がオーバーラップしたつなぎ部分を記録するための画像データと前記つなぎ部以外の非つなぎ部分を記録するための画像データとを生成する生成工程を有し、
前記生成工程では、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々を記録するための画像データを生成する。
本発明の第5の形態は、上記第3または第4の形態に係る画像処理方法を実行可能な画像処理部を備えた画像処理装置が提供される。
本発明の第6の形態は、上記第3または第4の形態に係る画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが提供される。
本発明では、つなぎ部分と非つなぎ部分とでそれぞれ異なる画像処理を適用することで、非つなぎ部分とつなぎ部分との光沢差を小さくし、これにより光沢むらを低減する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図である。 図2は、図1の記録装置に適用されるインクジェットヘッドを吐出口側から見た模式図である。 図3は、図1の本実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の主要部の構成例を示すブロック図である。 図4は、つなぎ部分および非つなぎ部分の記録態様を説明するための概念図である。 図5は、記録パス数とグロス値の変化との関係を測定した実験結果を示すグラフである。 図6は、記録パス数とヘイズ値の変化との関係を測定した実験結果を示すグラフである。 図7(A)および図7(B)は、それぞれ、非つなぎ部分およびつなぎ部分に対して適用される色分解テーブルの例を示す説明図である。 図8は、第1実施形態における画像処理手順の一例を示すフローチャートである。 図9は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図である。 図10は、第2実施形態におけるつなぎ部分および非つなぎ部分の記録態様を説明するための概念図である。 図11は、第2の実施形態の変形例として、本発明がマルチパス記録に対しても有効に適用可能であることを説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図である。また、図2はこの記録装置に適用されるインクジェットヘッドのうちの1つを吐出口側から見た模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置は、記録媒体Pの搬送方向Y(副走査方向)と交差する方向X(主走査方向)に延在する長尺なインクジェットヘッド11、11C、11Mおよび11Yを用いる。ここで、インクジェットヘッド11はブラックおよびこれより濃度の低いグレーのインクに対応し、インクジェットヘッド11C、11Mおよび11Yは、それぞれ、シアン、マゼンタおよびイエローの各色インクに対応している。これにより、図1のインクジェット記録装置はフルカラー記録が可能なものである。インクジェットヘッドは、対応する各色インクをそれぞれ貯留した不図示のインクタンクから、接続配管を介してインク供給を受ける。なお、ここでは、インクジェットヘッドが色毎に別体として存在する形態について示しているが、各色のインクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう)は一体化されていてもよい。
ヘッド11は、図2に示すように、それぞれ主走査方向の所定範囲にわたって吐出口が複数配列されたブラックインク用およびこれと同系色のグレーインク用の吐出口列11−Kおよび11−Gが設けられた吐出部としてのヘッドチップ11A,11B等を具える。ヘッドチップ11A,11B等は主走査方向Xおよび副走査方向Yに広がりをもって千鳥状に配置され、隣接する領域の記録に関与するヘッドチップ同士(例えばチップ11Aおよび11B)はその端部同士(端部領域E)が副走査方向Yにおいて重なっている。なお、これら吐出口列11−Kおよび11−Gは、一体のインクジェットヘッドに設けられている形態に限らず、別体のインクジェットヘッドに設けられている形態であってもよい。何れの形態にせよ、これら吐出口列11−Kおよび11−Gが吐出口の配列方向(方向X)と交差する方向(方向Y)に重複部分を有するように配置されたインクジェットヘッドであれば、本発明において適用可能である。なお、インクジェットヘッド11C、11Mおよび11Yについても、濃淡2種類のインクを用いる場合には、濃淡夫々の吐出口列を有したヘッドチップに関して同様の構成および配置を採用すればよい。
インクジェットヘッドは、制御装置12によって作動が制御されるヘッド移動ユニット16により、図1の上下方向に昇降し得るようになっている。また、各インクジェットヘッド11の側方には、記録媒体Pに対する記録動作に先立ち、各吐出口に連通するインク流路内に存在する増粘インクなどを吐出口から排出させる回復処理を行うためのヘッドキャップ17が配置されている。すなわち回復処理時には、インクジェットヘッドを記録媒体との対向位置から上昇させる。その後、制御装置12によって作動が制御されるキャップ移動ユニット18によりキャップ17をインクジェットヘッドの直下に移動させ、インク吐出口から排出される廃インクを受けることができるようになっている。
記録媒体Pを搬送する搬送用ベルト14は、ベルト駆動モータ19に連結された駆動ローラに架け渡され、制御装置12に接続されるモータドライバ21によってその作動が切り替えられる。また、搬送用ベルト14の上流側には、付加的な構成として、搬送用ベルト14を帯電させることにより、記録媒体Pを搬送用ベルト14に密着させるための帯電器22を設けることができる。この帯電器22は制御装置12に接続される帯電器ドライバ23によって、その通電のオン/オフが切り換えられる。搬送用ベルト14の上に記録媒体Pを供給するための一対の送給ローラ24には、これらを駆動回転させるための送給用モータ25が連結される。この送給用モータ25は、制御装置12に接続されるモータドライバ26によって作動が切り換えられる。従って、記録媒体Pに対する記録動作を行う場合には、帯電器22を作動させると同時に搬送用ベルト14を駆動し、さらに送給ローラ24によって記録媒体Pを搬送用ベルト14上に載置させる。そして、搬送用ベルト14によってY方向に搬送される記録媒体Pに対し、インクジェットヘッド11、11C、11Mおよび11Yによってカラー画像が記録される。なお、13はヘッドドライバであり、インク吐出に利用されるエネルギを発生する素子(例えばインクに膜沸騰を生じさせる発熱素子)の駆動を制御する。
図3は本実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の主要部の構成例を示す。図において、801はシステム全体の制御を司るCPUであり、図1の制御装置12に対応する。802はCPU801が実行するシステム制御用のプログラムその他の固定データが書き込まれたROMである。803は記録媒体を搬送する搬送部であり、ベルト駆動モータ19およびモータドライバ21や、送給用モータ25およびモータドライバ26などが含まれる。804はヘッドの回復処理を行う吐出回復部であり、ヘッドキャップ17およびキャップ移動ユニット18を含む。805はヘッド移動部であり、インクジェットヘッドを搭載して所要の移動を行わせるためのキャリアおよびヘッド移動ユニット16を含む。
807はインクジェットヘッドの発熱素子の駆動制御を行う駆動回路であり、ヘッドドライバ22に対応する。808は画像処理部により色分解された多値の画像データを2値の画像データ(吐出データ)に変換する量子化回路であり、誤差拡散処理やディザ処理等のハーフトーニング処理を行う。809は記録すべき多値画像データ(例えばコンピュータなど不図示のホスト装置から供給されたもの)を、記録装置で用いるインク色に合わせて色分解して、各インク色に対応する多値の画像データを生成する画像処理部である。特にこの画像処理部809は、ブラックインク用吐出口列11−Kおよびグレーインク用吐出口列11−Gについて、つなぎ部分に対応した端部領域Eと、つなぎ部分以外の非つなぎ部分に対応した領域とについて、異なる画像データ生成処理を実行する(後述)。
810は、ヘッドチップないしインクジェットヘッドに合わせて、吐出動作を行うための使用ノズルを選択する回路である。この使用ノズル選択回路810は、ヘッドチップに設けられたノズル群から使用するノズルを適切に決定し、その使用ノズルに対して所要の記録データが駆動回路807に転送されるようにする機能を果たすものである。より具体的には、つなぎ部分に対応するヘッドチップ端部領域Eにあるノズル群を適宜マスキングすることが可能である。
図4を用い、つなぎ部分および非つなぎ部分の記録態様を説明する。なお、図においては、簡略化のためにある1色のインクについての吐出口列が示されている。また、吐出口数について簡略化して示されている。
つなぎ部分では、副走査方向に重なり合う2つの吐出口列20Aおよび20Bの端部領域で記録が行われる。この際、特許文献1に開示された技術では、つなぎ部分にぼかし(グラデーション)をつけながら記録領域がつながれる処理(以下、グラデーションつなぎ処理と称する)が行われる。すなわち、双方の吐出口列の端部領域においてインク打ち込み率を除々に変化させ、互いに補完させる態様にてつなぎ部分が形成される。インク打ち込み率とは、ある1つまたは連続する複数ノズルに関して吐出動作(駆動)が許容される割合であり、その補数が画像データの間引き率となるものであって、これらは使用ノズル選択回路810によるマスキングにより設定可能である。
そして、例えば、一方の吐出口列20Aの端部領域では最端部に向けてインク打ち込み率を線形に漸減させ、他方の吐出口列20Bの端部領域では最端部からインク打ち込み率を線形に漸増させる処理が行われる。そして、つなぎ部分では補完により合計100%のインク打ち込み率が得られるようにすることもできるし、つなぎ部分の全体または一部で、合計100%を超えるインク打ち込み率が得られるようにしてもよい。
かかるグラデーションつなぎ処理は、上述した端よれや、製造上のばらつき、あるいは機械的変動などに起因したつなぎ部分における画像欠陥を緩和する上で有効なものとして認識されていた。しかし本発明者らは、顔料系インクを用い、グラデーションつなぎ処理のみを適用した記録を行う場合に光沢むらが表れ、さらに光沢紙などの記録媒体に記録を行う場合にこれが顕著となることを見出した。
これに対し、本発明者らは次のように考察した。すなわち、グラデーションつなぎ処理では、ヘッドチップの端部領域Eによって2回の記録が行われることになる。顔料インクを用いた場合、色材成分が記録媒体表面に多く残り、また、先に形成されたドット上に後に形成されたドットが、部分的であっても重なる状態で定着する。従って、インク打ち込み率がそれぞれ補完的に規定された各ヘッドチップ端部領域によってつなぎ部分を記録すると、はじめからインク打ち込み率が100%とされた非つなぎ部分との間で凹凸の程度の差が生じる。そして、これが両部分間の光沢差として認識されると考察したのである。
そして本発明者らは、次のような検証を行った。
つなぎ部分に関しては、記録媒体はヘッドチップ端部領域との対向部分を2回通過する。これは、複数パスによる記録が行われることに相当する。そこで本発明者らは、シリアル型のインクジェット記録装置で行われるマルチパス記録について、パス数と光沢との関係について実験した。なおマルチパス記録とは、記録ヘッドに配列された複数のノズルをN個のブロックに分割し、各ブロックのノズル群にて記録できる幅に対応する量の副走査を行い、同一画像領域に対してN回の主走査を行うことで当該領域の画像を完成させる記録方式である。このときの副走査量は、ノズル配列範囲未満の量となる。
実験では、顔料インクを用い、光沢紙に対し、複数のパス数にて、濃度(エリアファクタ)の異なるパッチをいくつか記録し、それぞれの光沢を測定した。詳しい実験条件は次のとおりである。
インク:キヤノン社製顔料インク「Pgインク(商品名:BCI1421)」
記録媒体:三菱製紙社製光沢紙「IJ-RC-UF120」
パッチ:エリアファクタを20%から200%まで段階的に変化させたパッチ1〜6(パッチ1〜6のエリアファクタは、夫々、20%、56%、92%、128%、164%、200%)
記録パス数:1パスと8パスの2種類
光沢の測定器:BYK Gardner社製マイクロヘイズメーター
図5および図6は記録パス数に対応してパッチの光沢を測定した実験結果を示すグラフである。図5の縦軸はグロス値であり、パッチに対して一定の角度(実験では20°)で光を照射し、その入射角度と等しい反射角度の方向にどれだけ反射したかを測定したもの、すなわち正反射成分の光沢度を表している。また、図6の縦軸はヘイズ値であり、正反射角度から一定角度(実験では1.8°)ずれた方向で測定した光沢度であって、所謂「ボケ」を表している。
これらの図から明らかなように、様々な濃度領域にわたって、一般に1パスで記録された画像の方が8パスで記録された画像よりも、グロス値が高くかつヘイズ値が低い、すなわち光沢感が高いという結果が得られた。つまり、パス数が多いほど光沢感が低下して行くことが確認されたのである。また本発明者らは、種々の顔料インクおよび光沢紙に対しても同様な実験を繰り返し行ったが、いずれの場合でも図5および図6とほぼ同様の傾向が見られることを確認した。
このように画像形成のパス数によって光沢感が異なるということは、2つのヘッドチップの端部領域によって記録が行われるつなぎ部分は、非つなぎ部分よりも光沢が低下することにほかならない。すなわち、つなぎ部分と非つなぎ部分とで光沢が異なってしまうために、光沢むらが目立つことになる。
つなぎ部分と非つなぎ部分との光沢差を軽減するために、本発明は、つなぎ部分と非つなぎ部分とで異なる色分解処理(画像データ生成処理)を行い、これにより光沢むらを効果的に低減するものである。より具体的には、第1のインクと、第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い光沢度を示す第2のインクを用意する。例えば、第1のインクとして濃インク(ブラックインク)、第2インクとして淡インク(グレーインク)を用意する。そして、所定の濃度範囲を表現する場合、第2のインクの単位面積(例えば、1画素)あたりの使用量が「非つなぎ部分」よりも「つなぎ部分」において多くなるように、「つなぎ部分」に対応する画像データと「非つなぎ部分」に対応する画像データを生成する。これにより、光沢度が相対的に高くなる傾向にある「非つなぎ部分」の光沢度と、光沢度が相対的に低くなる傾向にある「つなぎ部分」の光沢度との差を小さくすることが可能となる。なお、第1のインクについては、第2のインクとは反対に、上記所定の濃度範囲を表現するための使用量が「非つなぎ部分」よりも「つなぎ部分」において少なくなるように、「つなぎ部分」および「非つなぎ部分」夫々に対応する画像データを生成する。これにより、表現したい濃度を保存しつつも、光沢差を小さくすることが可能となる。
以上のような画像データ生成処理(色分解処理)は、画像処理部809によって実行される。なお、この色分解処理は、上記第1および第2のインクの使用量を定める処理であるので、この色分解処理を実行する画像処理部809はインク使用量決定部として機能することになる。
画像処理部809は、例えば1画素8ビット(0〜255)のRGBデータを、色変換(色分解)テーブルを利用して、このRGBデータが表す色を再現するべく記録装置で用いる各色インク毎の使用量を定める色分解データに変換する。詳しくは、色分解テーブルとして、つなぎ部分専用の色分解テーブルと非つなぎ部分専用の色分解テーブルが設けられており(図7参照)、これら異なる色分解テーブルを利用して「つなぎ部分」および「非つなぎ部分」夫々の色分解データが生成される。つなぎ部分専用の色分解テーブルと非つなぎ部分専用の色分解テーブルの特性については下記図7を用いて詳述するが、これら異なる色分解テーブルを利用することで、つなぎ部分と非つなぎ部分とで上記第1および第2のインクの使用量を異ならせることができる。なお、記録媒体上で得られる最終的な記録濃度(階調)特性は、使用するインクジェットヘッド、記録媒体、インクおよび量子化処理等のすべての特性を含んでいる。従って、0〜255までのRGB入力値の変化に対して最終的な記録濃度は線形にならず、非線形かつ中間調部分が入力値よりも濃く記録される場合が大半である。そこで、画像処理部809の処理には、記録装置で使用する各色インク毎に階調特性を測定して求められた逆特性を量子化処理の前に適用することで、入力値変化に対して最終的な濃度変化量が線形となるようにする処理(γ補正処理など)を含めることができる。
本例では、第1のインクとしてブラック(K)インクを、第2のインクとしてブラックインクと同系色でブラックインクより低濃度のグレー(G)インクを用いる構成である。すなわち、白(R=G=B=0)から黒(R=G=B=255)までの濃度再現範囲に関し、無彩色の濃淡インクを用いる構成となっている。なお、ここでは、説明の便宜のため、RGB値を輝度値ではなく濃度値で表している。
さらに本例では、非つなぎ部分とつなぎ部分との光沢差を小さくすることで光沢むらの発生を抑制するべく、両部に対して異なる色分解テーブル(図7参照)を適用する。
図7(A)および(B)は、それぞれ、非つなぎ部分およびつなぎ部分に対して画像処理部809が適用する色分解テーブルの例を示す。この図7は、RGB入力値が同じ値となるグレーラインを表現するためのグレーインク(第2のインク)およびブラックインク(第1のインク)夫々の使用量を示している。横軸は、白(R=G=B=0)から黒(R=G=B=255)に至るグレーラインを示すRGB入力値である。ここで、説明の便宜上、RGB値は輝度値ではなく濃度値で表記している関係上、最低濃度はR=G=B=0、最高濃度はR=G=B=255となっている。一方、縦軸は、グレーインクとブラックインクの使用量であって、記録解像度に対する打込み比率で表される。ここで、記録解像度がXdpi(dot/inch)の場合、使用量100%とは1/X inch 四方の領域に1ドットを打ち込む意であり、使用量200%とは1/X inch 四方の領域に2ドットを打ち込む意である。図7(A)は非つなぎ部における色分解テーブルであり、図7(B)はつなぎ部における色分解テーブルである。低濃度領域に相当する第1の濃度範囲では、図7(A)および図7(B)のいずれにおいても、低濃度のグレーインクの使用量を序々に増やすことによって階調を表現しており、入力値に対するグレーインクの使用量はまったく同等である。次いで、第1の濃度範囲より高い濃度の第2の濃度範囲では、非つなぎ部(図7(A))とつなぎ部(図7(B))とで使用するインクの種類や量が異なっている。詳しくは、非つなぎ部は光沢の相対的に低いブラックインクと光沢の相対的に高いグレーインクの両方で階調が表現されるのに対し、つなぎ部は光沢の相対的に高いグレーインクのみで階調が表現される。このように、つなぎ部(図7(B))ではブラックインクが使用されないため、同一濃度を表現するのに使用されるグレーインクの量は非つなぎ部よりもつなぎ部の方が多くなっている。最後に、第2の濃度範囲よりも高い濃度の第3の濃度範囲では、図7(A)および図7(B)のいずれにおいても、入力値の増加に伴って、グレーインクの使用量を徐々に減らしつつブラックインクの使用量を徐々に増加させる。最大入力値(R=G=B=255)では再び両テーブルのブラックインク使用量は等しくなる(ブラックインクのみ使用量200%)が、その他の入力値ではつなぎ部におけるブラックインクの使用量が非つなぎ部のそれに比べて少ない。そのため、この第3の濃度範囲においても、同一濃度を表現するのに使用されるグレーインクの量は非つなぎ部よりもつなぎ部の方が多い。
以上のように、所定濃度(第2および第3の濃度範囲の同じ濃度)を再現するためのグレーインク使用量は非つなぎ部よりもつなぎ部の方が多くなるように制御され、ブラックインクの使用量は非つなぎ部よりもつなぎ部の方が少なくなるように制御される。これにより、表現したい濃度を保存しつつも、非つなぎ部分とつなぎ部分との光沢差を小さくすることができる。
図8は非つなぎ部分およびつなぎ部分に対応して画像処理部809が行う処理手順の一例を示す。
画像データが入力されると(ステップs1)、その画像データの部分ごとにつなぎ部分に含まれるか否かを判定する(ステップs3)。ここで、どの部分が非つなぎ部分またはつなぎ部分となるかは、上述したヘッドチップの配置に対応して判定することができる。そして当該判定に応じ、非つなぎ部分に含まれる画像データに対しては図7(A)に示したテーブル(テーブルa)を、つなぎ部分に含まれる画像データに対しては図7(B)に示したテーブル(テーブルb)を参照して色分解処理を行う(ステップs5,s7)。そして全画像データについて色分解処理が終了したか否かを判定し(ステップs9)、否定判定であればステップs3に復帰して次の画像データについて以降の手順を繰り返す。また、肯定判定であれば、必要に応じ上述したγ処理を施した上で処理を終了する。
この後、上記のようにして色分解処理された多値画像データについての量子化処理(ハーフトーン処理)が行われ、つなぎ部および非つなぎ部夫々に対応する2値の画像データが生成される。その後、これら2値の画像データに基づいて記録ヘッドからインクを吐出することにより、記録媒体に画像が記録されることになる。
なお、非つなぎ部分とつなぎ部分とで光沢感をそろえていく指標としては、上述したマイクロヘイズメーターによる図5のようなグロスを用いることも、また図6のようなヘイズを用いることもできる。その他にも、写像性測定器による印刷物に写りこんだ像の鮮明度を指標にする方法や、ゴニオ分光器のように受光器を走査させることで広い測定範囲をカバーできる測定器を用いてもよい。
また、上例では、第1および第2のインクとして、無彩色に関して濃淡2つのインク(ブラックインクおよびグレーインク)を用いる構成とした。しかし有彩色であるシアンやマゼンタについても濃淡インクを用い、非つなぎ部分とつなぎ部分とで異なる色分解テーブルが適用されるようにすることも可能である。この場合、濃シアンインク、濃マゼンタインクが第1のインクに相当し、淡シアンインク、淡マゼンタインクが第2のインクに相当する。さらに、濃淡インクの種類は2種類に限られず3種類以上であってもよい。この場合、最低濃度インクが第2のインクに相当し、最低濃度よりも次に濃度の高いインクが第1のインクに相当する。加えて、無彩色の再現に関し、濃淡インクを含む有彩色のインクが適宜混合されるものでもよいし、濃淡インクを含む有彩色インクの混合によって無彩色が表現されるものでもよい。要は、つなぎ部分では非つなぎよりも光沢度の高いインク(第2のインク)がより多く使用されるように画像処理(画像データ生成処理)が行われればよい。
これらのことは次に述べる実施形態においても同様である。
(第2の実施形態)
上例では記録媒体の幅に対応した範囲にわたって吐出口ないしヘッドチップが配置されるラインプリンタに本発明を適用した場合について述べた。しかし、吐出口の配列方向と異なる方向への主走査と、これに直交する方向への記録媒体の相対搬送(副走査)とを繰り返すことにより記録動作を行うシリアルタイプのインクジェット記録装置に対しても本発明は有効に適用できるものである。すなわち、シリアルタイプのインクジェット記録装置では、ある主走査によって記録される記録領域(バンド)と、副走査後に次の主走査によって記録される記録領域(バンド)とのつなぎ部分において、画像弊害が生じ得るからである。
図9は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置として、シリアルタイプのものの概略を示す斜視図である。キャリッジ101は、グレー、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色インクにそれぞれ対応したインクジェットヘッド111G、111K、111C、111Mおよび111Yを吐出部として搭載し、主走査方向Xに延在するガイド軸104、105に沿って往復移動可能である。なお、これらのインクジェットヘッドは、特定しない場合には符号111で総括的に参照される。
記録媒体Pは、記録装置前面側から矢印Y’方向に送給され、搬送ローラ109によって搬送方向がY方向に反転されて、インクジェットヘッド111による往復走査領域に対して副走査される。また、インクジェットヘッド111に対向する領域では、プラテン108によりその被記録面が平坦に規制されている。
インクジェットヘッド111は、複数の吐出口を所定方向(例えば副走査方向であるY方向)に配列してなる吐出口列を有する。そして、キャリッジ101の主走査に伴って記録可能領域を移動し、画像データに従って、必要なインク吐出動作を行うことで1バンドが記録される。かかる主走査の後には、搬送ローラ109によって記録媒体Pが搬送(副走査)され、再び主走査を行うことで次のバンドが記録される。
かかる機械的構成を有するインクジェット記録装置に対しても、図3とほぼ同様の制御系を適用可能であり、インクジェットヘッドを主走査するための機構を付加すればよい。
ここで、各吐出口列におけるY方向の吐出口配列範囲すなわちバンド幅に相当する副走査を行うと、搬送むらや端よれ等に起因した白すじが発生し得る。従って、副走査量をバンド幅未満とし、隣り合うバンドの端部がオーバーラップするようにして記録が行われる。すなわち、つなぎ部分では、吐出口配列の下端部側に位置する吐出口群と、吐出口配列の上端部側に位置する吐出口群とが記録に関与するようにする。そして本発明では、それらの吐出口群間について、上述したのと同様の基準を適用し、つなぎ部分と非つなぎ部分とで異なる色分解テーブルを適用することで、光沢むらの低減を図る。
図10はその説明図である。なお、図においては、簡略化のためにグレイインクのヘッド111Gおよびブラックインクのヘッド111Kが示されている。また、吐出口数について簡略化して示されている。
図に示すように、主走査間では吐出口配列範囲よりEだけ小さい搬送量とすることで、ある主走査S1で記録されるバンドと次の主走査S2で記録されるバンドとはオーバーラップ(重複)している。そこで、このつなぎ部分に相当する画像データに対しては図7(B)に示したテーブルを適用して色分解処理を実施し、つなぎ部分以外の非つなぎ部分に相当する画像データに対しては図7(A)に示したテーブルを適用して色分解処理を実施する。つまり、所定濃度(第2および第3の濃度範囲内の同じ濃度)を再現するのに使用されるグレーインクの量を非つなぎ部よりもつなぎ部において多くし、ブラックインクの量を非つなぎ部よりもつなぎ部において少なくするのである。。これにより、非つなぎ部分とつなぎ部分とで光沢感をそろえることができ、光沢むらが低減されることになる。
なお、図10の例では、往方向の主走査と復方向の主走査とで画像記録を行う、すなわち双方向記録を行う場合を例示しているが、往復いずれかの主走査時にのみ記録を行うものであってもよいことは勿論である。
また、上例では、バンド間をオーバーラップさせない非つなぎ部分では1回の主走査で画像が記録されるものとしたが、複数回の主走査による記録(マルチパス記録)を行う場合にも適用できることは勿論である。マルチパス記録であっても、搬送むらやその他端よれに起因してすじ状のむらが生じ得るので、これを軽減するべく通常のマルチパス記録時の搬送量(例えば2パス記録であればバンド幅の1/2)より搬送量を小さくしてつなぎ処理を行うことがある。
この場合、例えば図11から明らかなように、つなぎ処理が適用される部分は非つなぎ部分より多い実効的なパス数をもって記録が行われることになるからである。図11の例では、つなぎ部分は3パス、非つなぎ部分は2パスの記録が行われることになる。
(その他)
なお、以上では、インク吐出に利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する素子(ヒータ)用いる方式のインクジェットヘッドについて説明した。しかしその他の方式、例えば圧電素子を使用して機械的エネルギにより吐出を行う方式によるインクジェットヘッドに対しても本発明を適用できることは言うまでもない。
また本発明は、上述した各色調のインクを用いる構成について例示したが、それに限られないのは勿論である。同一或いは近似の色相(同系色)を示し且つ光沢度が異なる少なくとも2種類のインクが用いられるものであれば、本発明を有効に適用可能である。
更に、上記実施形態では、つなぎ部分と非つなぎ部分に対する特徴的な画像処理(画像データ生成処理)をインクジェット記録装置の画像処理部809にて行う形態として説明した。しかし、この特徴的な画像処理は、インクジェット記録装置と接続される外部機器(例えば、ホストコンピュータ)において実行されるようにしてもよい。この場合、外部機器において上記特徴的な画像処理により生成された画像データがインクジェット記録装置へ送信されることになる。このように特徴的な画像処理を実行可能な部分がインクジェット記録装置側にあれば当該インクジェット記録装置が本発明の画像処理装置を構成し、特徴的な画像処理を実行可能な部分が外部機器側であれば当該外部機器が本発明の画像処理装置を構成する。
さらに、本発明は、上述した特徴的な画像処理の機能を実現するプログラムコード、または、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体によっても実現される。この場合、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が上記プログラムコードを読出し実行することによって上述した画像処理が実現されることになる。このように、上述した特徴的な画像処理(画像データ生成処理)をコンピュータに実行させるプログラム、あるいは、そのプログラムを記憶した記憶媒体も本発明に含まれる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSが実際の処理の一部または全部を行うものであってもよい。
本出願は、2006年12月11日に出願された日本国特許出願第2006−333201号に基づいて優先権を主張し、前記日本国特許出願は、この参照によって本明細書に含まれる。

Claims (8)

  1. 第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように、且つ、前記第1のインクと同系色で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記重複部分に含まれる吐出口により記録されるつなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量と、前記重複部分に含まれない吐出口により記録される非つなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量とを定めるための決定部を具え、
    前記決定部は、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々について前記第1および第2のインクの使用量を決定するインクジェット記録装置。
  2. 第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列と、前記第1のインクと同系色で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列とが配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェットヘッドを前記吐出口の配列の方向と交差する方向へ主走査する走査部と、
    前記主走査において記録されるバンドの端部同士をオーバーラップさせたつなぎ部分を有するように、前記吐出口の配列の範囲未満の量だけ前記主走査方向と直交する方向へ前記記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記つなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量と、前記つなぎ部分以外の非つなぎ部分の記録に使用される前記第1および第2のインクの量とを定めるための決定部とを具え、
    前記決定部は、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々について前記第1および第2のインクの使用量を決定するインクジェット記録装置。
  3. 前記第1のインクは、ブラックインクであり、
    前記第2のインクは、前記ブラックインクと同系色で且つ当該ブラックインクよりも高い光沢度を示すグレーインクである請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記決定部は、
    (a)第1の濃度範囲を表現する場合、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分の両方において前記1のインクが使用されず前記第2のインクが使用されるように、前記第1および第2のインクの使用量を決定し、
    (b)前記第1の濃度範囲よりも濃度の高い第2の濃度範囲を表現する場合、前記つなぎ部分では前記1のインクが使用されず前記第2のインクが使用されるように且つ前記非つなぎ部分では前記1のインクと前記第2のインクが共に使用されるように、前記第1および第2のインクの使用量を決定し、
    (c)前記第2の濃度範囲よりも濃度の高い第3の濃度範囲を表現する場合、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分の両方において前記1のインクと前記第2のインクが共に使用されるように、前記第1および第2のインクの使用量を決定し、
    前記所定濃度は、前記第2の濃度範囲内および前記第3の濃度範囲内の濃度である請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように、且つ、前記第1のインクと同色系で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列同士が前記吐出口の配列の方向と交差する方向において重複部分を有するように配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うために使用される画像データを生成する画像処理方法であって、
    前記重複部分に含まれる吐出口により記録されるつなぎ部分を記録するための画像データと、前記重複部分に含まれない吐出口により記録される非つなぎ部分を記録するための画像データとを生成する生成工程を備え、
    前記生成工程では、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々を記録するための画像データを生成する画像処理方法。
  6. 第1のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第1の吐出口列と、前記第1のインクと同色系で且つ前記第1のインクよりも記録媒体上で高い光沢度を示す第2のインクを吐出するための吐出口が複数配列された第2の吐出口列とが配置されたインクジェットヘッドを用いて記録を行うために使用される画像データを生成する画像処理方法であって、
    前記インクジェットヘッドの主走査において記録されるバンドの端部同士がオーバーラップしたつなぎ部分を記録するための画像データと前記つなぎ部以外の非つなぎ部分を記録するための画像データとを生成する生成工程を有し、
    前記生成工程では、所定濃度を表現するのに使用される前記第2のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において多くなるように且つ前記所定濃度を表現するのに使用される前記第1のインクの量が前記非つなぎ部分よりも前記つなぎ部分において少なくなるように、前記つなぎ部分および前記非つなぎ部分夫々を記録するための画像データを生成する画像処理方法。
  7. 請求項5または6に記載の画像処理方法を実行可能な画像処理部を備えた画像処理装置。
  8. 請求項5または6に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
JP2008528282A 2006-12-11 2007-12-11 インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置 Pending JPWO2008072620A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006333201 2006-12-11
JP2006333201 2006-12-11
PCT/JP2007/073850 WO2008072620A1 (ja) 2006-12-11 2007-12-11 インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008072620A1 true JPWO2008072620A1 (ja) 2010-04-02

Family

ID=39511641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008528282A Pending JPWO2008072620A1 (ja) 2006-12-11 2007-12-11 インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7911650B2 (ja)
JP (1) JPWO2008072620A1 (ja)
WO (1) WO2008072620A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5099018B2 (ja) * 2009-01-13 2012-12-12 セイコーエプソン株式会社 ルックアップテーブルの作成方法、印刷装置、ルックアップテーブル及び印刷方法
JP5625332B2 (ja) * 2009-01-16 2014-11-19 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置、及びプログラム
JP5473420B2 (ja) * 2009-06-15 2014-04-16 キヤノン株式会社 データ生成装置、インクジェット記録装置、プログラム及びデータ生成方法
JP5586937B2 (ja) * 2009-12-18 2014-09-10 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびプログラム
JP5586938B2 (ja) * 2009-12-18 2014-09-10 キヤノン株式会社 データ生成装置、データ生成方法およびプログラム
JP5421811B2 (ja) * 2010-02-10 2014-02-19 キヤノン株式会社 画像処理装置およびその方法
JP5495972B2 (ja) * 2010-06-24 2014-05-21 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置および記録方法
JP5709551B2 (ja) * 2011-01-25 2015-04-30 キヤノン株式会社 画像記録装置および画像記録方法
US8814314B2 (en) 2012-08-24 2014-08-26 Xerox Corporation Method and apparatus for control of gloss level in printed images
JP6281189B2 (ja) * 2013-03-29 2018-02-21 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置及び液体吐出方法
US9373064B2 (en) 2013-12-24 2016-06-21 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing apparatus, ink jet printing method, and image processing apparatus
US9712722B2 (en) * 2015-09-28 2017-07-18 Xerox Corporation Patterning clear marking material based on color darkness
JP2018118382A (ja) * 2017-01-23 2018-08-02 セイコーエプソン株式会社 画像処理方法、画像処理装置および印刷システム
JP7467981B2 (ja) * 2020-02-27 2024-04-16 セイコーエプソン株式会社 記録装置および記録方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0557965A (ja) * 1991-09-02 1993-03-09 Canon Inc 画像形成装置
WO2002034541A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Mitsubishi Paper Mills Limited Materiau d'enregistrement pour imprimante a jet d'encre
JP2002144551A (ja) * 2000-11-16 2002-05-21 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法及びそれに用いるオーバーコート液並びにインクジェット記録装置
JP2003320654A (ja) * 2002-05-08 2003-11-11 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよび印刷物
JP2004358690A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム
JP2006231735A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Seiko Epson Corp 画像処理装置、画像処理方法、制御プログラムおよび記録装置
JP2006289722A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Konica Minolta Medical & Graphic Inc インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2007245656A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Fujifilm Corp 画像形成装置及び画像形成方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0557965A (ja) * 1991-09-02 1993-03-09 Canon Inc 画像形成装置
WO2002034541A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Mitsubishi Paper Mills Limited Materiau d'enregistrement pour imprimante a jet d'encre
JP2002144551A (ja) * 2000-11-16 2002-05-21 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法及びそれに用いるオーバーコート液並びにインクジェット記録装置
JP2003320654A (ja) * 2002-05-08 2003-11-11 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよび印刷物
JP2004358690A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム
JP2006231735A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Seiko Epson Corp 画像処理装置、画像処理方法、制御プログラムおよび記録装置
JP2006289722A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Konica Minolta Medical & Graphic Inc インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2007245656A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Fujifilm Corp 画像形成装置及び画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7911650B2 (en) 2011-03-22
WO2008072620A1 (ja) 2008-06-19
US20090015849A1 (en) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2008072620A1 (ja) インクジェット記録装置、画像処理方法および画像処理装置
JP4909321B2 (ja) 画像処理方法、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム
JP5013712B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5434015B2 (ja) 印刷装置
US8240795B2 (en) Printing method and printing apparatus
JP5473466B2 (ja) 記録制御装置および記録制御方法
JP3559633B2 (ja) 記録装置およびインクジェット記録方法
JP5517833B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2007152582A (ja) 記録装置及び記録方法
JP2009234170A (ja) 印刷装置
JP3880366B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US8684490B2 (en) Image forming apparatus, method of processing image, and computer-readable recording medium
JP4965992B2 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、プログラムおよび記憶媒体
JP5217840B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP6415080B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、記録装置及びプログラム
JP4006198B2 (ja) インクジェット記録方法、記録装置およびデータ処理方法
JP2011178108A (ja) データ生成装置、インクジェット記録装置およびデータ生成方法
US8259344B2 (en) Ink jet recording apparatus and ink jet printing method
US8529008B2 (en) Fluid ejecting apparatus and fluid ejecting method
JP4891043B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2006173929A (ja) 画像処理方法、プログラム、画像処理装置及び画像形成装置
JPH0811298A (ja) インクジェット記録方法及び記録装置
JP6308729B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5084159B2 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、およびプログラム
JP2006224616A (ja) 記録方法および記録システム

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101106

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120420