JPWO2008066024A1 - アントラピリドン化合物、その塩、マゼンタインク組成物及び着色体 - Google Patents

アントラピリドン化合物、その塩、マゼンタインク組成物及び着色体 Download PDF

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Abstract

本発明は下記式(1)で表される新規アントラピリドン化合物又はその塩に関するもので、本発明により、インクジェット記録に適する鮮明性の高い色相を有し、且つ記録物の堅牢度が強く、又保存安定性が優れたマゼンタ色素を提供することができる。(式中、R1はベンジル基(ベンジル基を構成するフェニル基は、更にメチル基、塩素原子又はニトロ基で置換されていてもよい。)、1−ナフチルメチル基などを、R2は水素原子、アルキル基などをそれぞれ表す。)

Description

本発明は新規なアントラピリドン化合物、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物、この組成物などにより着色された着色体に関する。
各種カラー記録法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法において、インクの各種吐出方式が開発されている。いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うというものである。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発生が殆どなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易であるという特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後も大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体に溶解した水性インクが使用されている。これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また形成される画像には、耐水性、耐光性、耐湿性等の堅牢性が求められる。
一方、コンピューターのカラーディスプレイ上の画像又は文字情報を、インクジェットプリンタによりカラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4原色のインクによる減法混色で表現される。CRTディスプレイ等のレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)による加法混色画像の色相を減法混色画像によりできるだけ忠実に再現するためには、Y、M及びCのそれぞれが、出来るだけそれぞれの標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。又、それに使用されるインク組成物は長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く、しかも該画像の耐水性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れている事が求められる。
インクジェットプリンタの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリンタにまで拡大されてきており、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度がこれまで以上に求められている。
耐水性については、多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又は特殊セラミックなどの有機又は無機の微粒子をPVA樹脂などとともに紙の表面にコーティングして被記録材料に受像層を設けることなどにより大幅に改良されてきている。
耐湿性とは着色された被記録材料を高湿度の雰囲気下に保存した際に被記録材料中の染料が着色画像の周囲に滲んでくるという現象に対する耐性のことである。染料の滲みがあると、特に写真調の高精細な画質を求められる画像においては著しく画像品質が低下するため、できるだけこの様な滲みを少なくする事が重要である。
耐光性については大幅に改良する技術は未だ確立されておらず、特にY、M、C及びKの4原色のうちマゼンタの色素はもともと耐光性の弱いものが多く、その改良が重要な課題となっている。
又、最近のデジタルカメラの浸透と共に家庭でも写真をプリントする機会が増しており、得られたプリント物を保管する時に、空気中のオゾンガス、窒素酸化物等の酸化性ガスによる画像の変色も問題視されている。酸化性ガスは、記録紙上又は記録紙中で染料と反応し、印刷された画像を変退色させる性質を有している。酸化性ガスの中でも、オゾンガスはインクジェット記録画像の退色現象を促進させる主要な原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上も重要な課題となっている。
インクジェット記録用水性インクに用いられるマゼンタ色素としては、キサンテン系色素と、H酸(1−アミノ−8−ヒドロキシ−ナフタレン−3,6−ジスルホン酸)を用いたアゾ系色素が代表的である。しかし、前者は色相及び鮮明性は非常に優れるが耐光性が非常に劣ることが知られている。また、後者は色相及び耐水性の点では良いものがあるが、耐光性及び鮮明性が劣るものが多い。このタイプでは比較的鮮明性及び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発されているが、銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン染料やイエロー染料など他の色相の染料に比べると、耐光性は依然劣る水準である。
鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ色素としてはアントラピリドン系色素(例えば、特許文献1〜11参照)があるが、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐湿性、耐ガス性及び溶解安定性のすべてを満足させるものは得られていない。
特に特許文献1には後記式(1)で表される化合物において、Rが、例えばメチル、エチル及びブチルなどのアルキル基である化合物が開示されているが、これらの化合物も色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐湿性、耐ガス性及び溶解安定性のすべてを満足させるものではない。
特開平10−306221号公報(1−3頁、7−18頁) 特開2000−109464号公報(1−2頁、8−12頁) 特開2000−169776号公報(1−2頁、6−9頁) 特開2000−191660号公報(1−3頁、11−14頁) 特開2000−256587号公報(1−3頁、7−18頁) 特開2001−72884号公報(1−2頁、8−11頁) 特開2001−139836号公報(1−2頁、7−12頁) WO2004/104108号国際公開パンフレット(20−36頁) 特開2003−192930号公報(1−4頁、15−18頁) 特開2005−8868号公報(1−3頁、15−22頁) 特開2005−314514号公報(1−3頁、15−20頁)
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の各種の堅牢性、特に耐湿性に優れたマゼンタ色素(化合物)、及びそれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、下記式(1)で表されるアントラピリドン化合物が前記課題を解決するものであることを見出し本発明を完成させたものである。即ち本発明は、
(1)下記式(1)で表されるアントラピリドン化合物またはその塩
式(1)
Figure 2008066024
(式中、Rはベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又はシアノプロピル基を、Rは水素原子、アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、(モノ若しくはジアルキルアミノ)アルキル基又はシアノ低級アルキル基をそれぞれ表す。)、
(2)Rがベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又は3−シアノプロピル基であり、Rが水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基、シクロヘキシル基、(モノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ)C1−C4アルキル基又はシアノC1−C4アルキル基である上記(1)に記載のアントラピリドン化合物またはその塩、
(3)Rがベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又は3−シアノプロピル基であり、Rが水素原子、C1−C4アルキル基、3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基又は2−シアノエチル基である上記(1)または上記(2)に記載のアントラピリドン化合物またはその塩、
(4)Rがベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)であり、RがC1−C4アルキル基である上記(1)に記載のアントラピリドン化合物またはその塩、
(5)Rがベンジル、メチルベンジル又は1−ナフチルメチルであり、Rがメチルである上記(1)に記載のアントラピリドン化合物またはその塩、
(6)下記式(2)で表される上記(1)または上記(4)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
式(2)
Figure 2008066024
(7)下記式(9)で表される上記(1)または上記(4)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
式(9)
Figure 2008066024
(8)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を含有することを特徴とするインク組成物、
(9)水及び水溶性有機溶剤を含有する上記(8)に記載のインク組成物、
(10)インクジェット記録用である上記(9)に記載のインク組成物、
(11)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の総量中に含まれる無機塩の含有量が1重量%以下である上記(8)乃至(10)に記載のインク組成物、
(12)上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の含有量が0.1〜20重量%である上記(8)乃至(11)のいずれか一項に記載のインク組成物、
(13)上記(8)乃至(12)のいずれか一項に記載のインク組成物の小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法、
(14)被記録材が情報伝達用シ−トである上記(13)に記載のインクジェット記録方法、
(15)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受像層を有するものである上記(14)に記載のインク記録方法、
(16)上記(8)乃至(12)のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体、
(17)着色がインクジェットプリンタによりなされた上記(16)に記載の着色体、
(18)上記(8)乃至(12)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
本発明の前記式(1)で表されるアントラピリドン化合物は、インクジェット記録紙上で非常に鮮明性の高い色相であり、水溶解性に優れ、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。又、この化合物を使用した本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。そして本発明のアントラピリドン化合物をインクジェット記録用のマゼンタインクとして使用した印刷物は被記録材(紙、フィルム等)を選択することなく理想的なマゼンタの色相である。更に本発明のマゼンタインク組成物は、写真調のカラー画像の色相を紙の上に忠実に再現させることも可能である。更に写真画質用インクジェット専用紙及びフィルムのような無機微粒子を表面に塗工した被記録材に記録しても、耐光性、耐オゾンガス性などの各種堅牢性、特に耐湿性が良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性に優れている。従って、前記式(1)のアントラピリドン化合物はインクジェット記録用のマゼンタ色素として極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。本発明のアントラピリドン化合物又はその塩は、前記式(1)で表される。
本明細書において、「アルキル」の用語は、通常炭素数1〜15程度のアルキルの意味で使用され、好ましくは炭素数1〜8のアルキルであり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、iso−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル又はn−オクチルがあげられる。また、「アルコキシ」等の用語においても、この基のアルキル基部分については上記アルキルと同じ炭素数を有するものを意味する。
また、「低級アルキル」と記載した場合、該低級アルキルとしては、上記アルキルの中、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルキルを挙げることができる。好ましい具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル及びt−ブチルを挙げることができる。
本明細書において低級アルキル以外のもの、例えば低級アルコキシなどにおいても便宜上、「低級」と記載した場合には、特に断りの無い限り上記と同じ炭素数の範囲のものを意味する。
本明細書の置換基等の記載において、特に置換基を有してもよい旨の断りが無いものは、通常無置換を意味する。
また、本明細書において、上付きのRTMは登録商標を示す。
式(1)において、Rは置換又は非置換ベンジル基、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又はシアノプロピル基を表す。なおRの置換ベンジル基としては、ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基でフェニル基が置換されているベンジル基を挙げることができる。
がシアノプロピル基である場合、シアノの置換位置はプロピルに対して1、2及び3位のいずれの位置でもよいが、3位が好ましい。
における上記置換ベンジル基のフェニル基上の置換基としては、前記の通りメチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基が挙げられ、メチル又は塩素原子が好ましく、メチルがより好ましい。これらの置換基の位置はフェニル基上の置換できる位置であれば何れでもよいが、通常ベンジル基上の3位又は4位が好ましく、3位がより好ましい。Rの置換又は非置換ベンジル基としては、ベンジルもしくはメチルベンジルが好ましく、3−メチルベンジルがより好ましい。
としては、非置換又は上記基で置換されたベンジル基、又は1−ナフチルメチルが好ましく、前者がより好ましく、ベンジル又はメチルベンジルが更に好ましく、3−メチルベンジルが最も好ましい。
上記式(1)において、Rは水素原子、アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、(モノ若しくはジアルキルアミノ)アルキル基又はシアノ低級アルキル基をそれぞれ表す。
のアルキル基としては上記のアルキルが挙げられ、好ましい炭素数の範囲は通常1〜8であり、1〜6が好ましく、1〜4がさらに好ましい。具体例としては前記の「アルキル」の用語の説明で挙げた基が挙げられ、「低級アルキル」の用語の説明で挙げられた基が好ましく、メチルがとくに好ましい。
の低級アルコキシ低級アルキル基としては、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル基が好ましい。具体例としては、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、プロポキシプロピル、ブトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシブチル、プロポキシブチルおよびブトキシブチルが挙げられ、メトキシプロピルが好ましい。低級アルコキシ低級アルキル基におけるアルコキシ及びアルキルは、いずれも直鎖、分岐鎖、及び環状のものを含むが、いずれも直鎖である場合が好ましい。Rが低級アルコキシ低級アルキル基の場合、3−メトキシプロピルが最も好ましい。
のヒドロキシ低級アルキル基としてはヒドロキシC1−C4アルキル基が好ましい。具体例としては、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルが挙げられる。ヒドロキシ低級アルキル基におけるアルキルは、直鎖、分岐鎖、及び環状のものを含むが、直鎖である場合が特に好ましい。また該低級アルキルにおけるヒドロキシの置換位置は、いずれの位置でもよいが、末端に置換するのが好ましい。具体的には、例えば2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチルである。Rのヒドロキシ低級アルキル基としては、2−ヒドロキシエチルがより好ましい。
の(モノ若しくはジアルキルアミノ)アルキル基としては、(モノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ)C1−C4アルキル基が好ましい。具体例としては、例えば(モノメチルアミノ)プロピル、(モノエチルアミノ)プロピル、(ジメチルアミノ)プロピル、(ジエチルアミノ)エチル等があげられ、好ましくは3−ジメチルアミノプロピルである。
のシアノ低級アルキル基としては、シアノC1−C4アルキル基が好ましい。具体例としては、例えばシアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチルが挙げられる。シアノ低級アルキル基におけるアルキルは、直鎖、分岐鎖、及び環状のものを含むが、直鎖である場合が特に好ましい。また該アルキルにおけるシアノの置換位置は、いずれの位置でもよいが、末端に置換するのが好ましい。具体的には、例えば2−シアノエチル、3−シアノプロピル、4−シアノブチルである。Rがシアノ低級アルキル基の場合、2−シアノエチルがとくに好ましい。
としては、水素原子、アルキル基、シクロヘキシル基、又はシアノ低級アルキル基が好ましく、水素原子又はアルキル基(好ましくはC1−C4アルキル基)がより好ましい。
また、場合によっては、水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基、シクロヘキシル基、(モノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ)C1−C4アルキル基又はシアノC1−C4アルキル基が好ましく、より好ましくは、水素原子、C1−C4アルキル基、3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基又は2−シアノエチル基である。C1−C4アルキル基がさらに好ましく、メチルが最も好ましい。
上記式(1)の化合物におけるR及びRの好ましい組み合わせとしては、上記のR及びRの好ましいもの同士の組み合わせであり、より好ましい組み合わせは上記のR及びRのいずれか一つがより好ましいものを用いた場合である。R及びRのより好ましいもの同士、又はより好ましいものと更に好ましいものとの組み合わせは更に好ましく、R及びRにおける更に好ましいもの同士、又は更に好ましいものと最も好ましいものとの組み合わせは最も好ましい。
より具体的には、前記課題を解決するための手段の項における(2)〜(3)に記載したR及びRの組合せである。より好ましくはRが非置換ベンジル、又はメチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基でフェニル基が置換されたベンジル基(好ましくはメチルフェニルメチル:本明細書では単にメチルベンジルという)であり、RがC1−C4アルキル基である組合せである。また、Rが1−ナフチルメチルで、RがC1−C4アルキル基である組合せも好ましい。なお、ここにおけるRのC1−C4アルキル基としては、メチル基が好ましい。
最も好ましい組合せの一つは、Rがベンジル、メチルベンジル又は1−ナフチルメチルであり、Rがメチルである組合せである。
前記式(1)の化合物の塩は、無機又は有機塩基との塩である。該塩としては例えばアルカリ金属塩(たとえばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)または下記式(3)で表される4級アンモニウムイオンとの塩(4級アンモニウム塩)が好ましい。
式(3)
Figure 2008066024
(式中、Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わす。)
式(3)のZ〜Zにおけるアルキル基の例としてはメチル及びエチルがあげられ、ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等があげられ、更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等があげられる。
これらのうち、より好ましいものとしては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム塩、アンモニウム塩及びナトリウム塩である。なお水に対する溶解性などを考慮した場合には、前記式(1)で表される化合物の塩としてはアンモニウム塩が好ましい。
上記の塩の製造法としては、例えば、式(1)の化合物を含む反応液、又はケーキ若しくは乾燥品を溶解した水溶液に、塩化ナトリウムを加えて、塩析、濾過することによって式(1)の化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。又、得られたウェットケーキを再び水に溶解後、塩酸を加えてpHを1〜2に調整して得られる結晶を濾過分離すれば、式(1)で表される化合物を遊離酸の形で得ることができる。また、塩酸の添加量の調整により、pHをより中性側に適宜調整し、得られる結晶を濾過分離すれば、ナトリウム塩と遊離酸の混合物を得ることも可能である。両者の混合比率は調整するpHにより、適宜調整することができる。更に、遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム又はアンモニア水を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩又はアンモニウム塩を得ることができ、水中で前記式(3)で表される有機アンモニウムイオンとなる化合物を添加してアルカリ性にすれば、該有機アンモニウムイオンに対応する有機アンモニウム塩を得ることができる。また、例えば、遊離酸とナトリウム塩との混合物のウェットケーキを水に溶解後、水酸化カリウムを添加することにより、ナトリウムとカリウムの混塩、またはナトリウム、カリウム及び遊離酸の混合物などを得ることも可能である。これらの塩のうち、特に好ましいものは、前記の通り、リチウム塩、アンモニウム塩及びナトリウム塩である。
本発明の前記式(1)で示されるアントラピリドン化合物の具体例を下記表1に示す。
Figure 2008066024
以下に本発明の化合物の製造方法を記載する。なお下記式(101)〜(105)中に記載のR及びRは、前記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
本発明のアントラピリドン化合物は、例えば特許文献1に記載の方法、またはその方法に準じて得られる下記式(103)の化合物を中間体として用いることにより製造することができる。
即ち、下記式(101)で表されるアントラキノン化合物1モルに、アニリン3〜15モルを無溶媒もしくはイソブタノール等の有機溶媒中で、酢酸銅もしくは塩化第一銅等の触媒存在下に、酢酸ソーダもしくは酢酸カリを添加する。次いで80〜150℃の温度で、1〜10時間反応を行う。その後、冷却し、そこにメタノールを加えて結晶を析出させ、下記式(102)の化合物を得る。
式(101)
Figure 2008066024
式(102)
Figure 2008066024
次いで、得られた上記式(102)で表される化合物1モルにマロン酸ジエチル1〜5モルをキシレン等の極性溶媒中で、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下に、130〜180℃、5〜15時間反応させ、下記式(103)で表される化合物を得る。
式(103)
Figure 2008066024
得られた上記式(103)の化合物1モルを5%〜20%発煙硫酸中で50〜100℃、15分〜5時間反応させた後、反応液を氷水中に加える。これに塩化ナトリウムを加えて、析出する固体を濾過分離し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄することにより、下記式(104)の化合物が得られる。
式(104)
Figure 2008066024
次いで、得られた上記式(104)の化合物(ウェットケーキのままもしくは乾燥品)を水に溶解させた後、水酸化ナトリウム等のアルカリでpHを5〜11に調整しながら、50〜100℃にて、下記式(105)で表される化合物を加えて1〜10時間反応させる。その後、そこに塩化ナトリウム等の塩を添加して固体を析出させ、この析出固体を濾過分離することにより、上記式(1)で表される本発明の化合物が得られる。
式(105)
Figure 2008066024
(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Xは塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子を表す。)
前記式(1)の化合物は遊離酸の形で、あるいはその塩の形で得ることが可能である。これらの本発明の化合物は遊離酸、又はその塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩またはアンモニウム塩などとして使用される。各種の塩から遊離酸へ導く製造方法、遊離酸から各種の塩または各種の混塩または遊離酸と塩との混合物などへ導く製造方法については前記したとおりである。
上記式(1)で表される化合物を使用する際は、該化合物と共に含有される金属陽イオンの塩化物及び硫酸塩等の無機不純物(無機塩)の含量の少ないものを用いるのが好ましい。その含有量の目安は例えば該化合物の総量に対して1重量%以下程度である。無機不純物(無機塩)の少ない本発明の化合物を製造するには、上記で得られた本発明の化合物を、例えば逆浸透膜による通常の方法で脱塩処理すればよい。
本発明のインク組成物は、本発明の上記式(1)で表される化合物又はその塩を、必要に応じてインク調製剤等と共に、水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤を含有する水)に溶解したものである。本発明のインク組成物の製造には、例えば上記式(1)で表される化合物を含む反応液を、直接使用することも出来る。又上記反応液から目的物を分離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、得られた乾燥品をインク組成物の製造に使用することもできる。本発明のインク組成物は、本発明の化合物を通常0.1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%含有する。本発明のインク組成物には水溶性有機溶剤0〜30重量%、インク調製剤0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%をそれぞれ含有してもよい。残部は水である。
上記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノ、オリゴもしくはポリアルキレングリコール、またはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル;γ−ブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。
上記のうち好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジもしくはトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及び/又はジエチレングリコールモノブチルエーテルであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、2−ピロリドン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンである。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。通常2〜5種程度を適宜併用するのが好ましい。
以下、本発明のインク組成物を調製するに当たり使用しうるインク調製剤について説明する。インク調製剤の具体例としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤及び界面活性剤などが挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等(例えば、アベシア社製、商品名:プロクセルRTMGXL(S)、プロクセルRTMXL−2(S)等)、さらに無水酢酸ソーダなどがあげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを7.5〜11.0の範囲に調整できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノン、スルホン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などがあげられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレンアルコール系等(例えば、日信化学工業株式会社製、商品名:サーフィノールRTM104E、104PG50、82、465、オルフィンRTMSTG等)が挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明のインク組成物は、本発明の上記式(1)で表される化合物及び/又はその塩(以下、本化合物とも言う)を水又は上記水性溶媒(水溶性有機溶剤を含有する水)に、必要に応じて上記インク調製剤などと共に溶解させることによって製造できる。
上記製造法において、各成分を溶解させる順序には特に制限はない。あらかじめ水又は上記水性溶媒に本化合物を溶解させ、インク調製剤を添加してもよいし、本化合物を水に溶解させたのち、水性溶媒、インク調製剤を添加してもよい。またこれと順序が異なっていてもよいし、本化合物の反応液または逆浸透膜による脱塩処理を行った本化合物の溶液に、水性溶媒、インク調製剤を添加してインク組成物を製造してもよい。該インク組成物を調製するにあたり、用いられる水はイオン交換水又は蒸留水などの不純物の少ないものが好ましい。更に、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよい。また、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.2μmである。
本発明の着色体は前記の本発明の化合物で着色されたものである。着色される素材には特に制限はなく、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。着色法としては例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット記録による方法等があげられる。本発明においてはインクジェット記録による方法が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法を適用しうる被記録材(メディア)としては、例えば、紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等があげられる。情報伝達用シートについては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオンポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等、インク中の色素を吸着し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニールピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは、通常インクジェット専用紙(フィルム)や光沢紙(フィルム)などと呼ばれ、例えば、ピクトリコRTM(旭硝子株式会社製)、プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー(いずれもキヤノン株式会社製)、クリスピアRTM、写真用紙(光沢)、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(いずれもエプソン株式会社製)、アドバンスフォトペーパー、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(いずれも日本ヒューレットパッカード株式会社製)、フォトライクRTMQP(コニカ株式会社製)等がある。なお、普通紙を利用することも当然のことながら可能である。
これらのうち、多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録した画像のオゾンガスによる変退色は、特に大きくなることが知られている。本発明の水性マゼンタインク組成物はオゾンガスを含めたガス耐性が優れているため、このような被記録材への記録の際に特に効果を発揮する。
このような目的で使用される多孔性白色無機物としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられる。
被記録材に本発明のインクジェット記録方法で記録するには、例えば本発明のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、本発明のマゼンタのみならず、イエロー、シアン、グリーン、オレンジ、ブルー(又はバイオレット)及び必要に応じてブラック等各色のインク組成物とを併用しうる。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、これらの容器を、本発明のインクジェット記録用水性マゼンタインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置にセット(装填)して使用される。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生じる泡を利用したバブルジェットRTM方式のプリンタ等があげられる。
本発明のインク組成物は、鮮明なマゼンタ色であり、特にインクジェット光沢紙において高い鮮明な色相を有し、記録画像の堅牢性も高く、特に耐湿性に優れている。又、人に対する安全性も高い。
本発明のインク組成物は貯蔵中に沈殿、分離することがない。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録において使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。実施例中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り重量基準である。
実施例で得られた本発明化合物の水に対する溶解度(25℃)は100g/L以上であった。
実施例の各化合物は遊離酸として表記しているが、特に断りの無い限りナトリウム塩として合成した。しかし本発明は上記の通り、ナトリウム塩に限定されるものではない。
また実施例中の化合物の最大吸収波長(λmax)は、特に断りの無い限り、水溶液中での測定値である。
合成例1
特許文献1の実施例1−1に従い、1−メチルアミノ−4−アニリノアントラキノン24.6部、炭酸ナトリウム0.75部、マロン酸ジエチル30.0部及びo−ジクロロベンゼン75部を反応器に加え、170〜175℃に加熱して10時間反応を行った。この間、反応の進行に伴い生成するエタノール及び水は、反応系外へと除去しながら反応を行った。
反応液を冷却し、メタノール150部を加えて1時間攪拌した後、析出固体を濾過分離した。得られた固体をメタノール100部、次いで温水300部で洗浄し、乾燥することにより、下記式(4)で表される化合物25.2部を得た。
式(4)
Figure 2008066024
実施例1
(1)水冷下、96%硫酸292.2部中に31%発煙硫酸57.8部を40℃以下で加えて12%発煙硫酸を調製した。
得られた発煙硫酸に上記式(4)の化合物106.0部を70℃以下で30分かけて添加した後、反応液を80〜90℃へ昇温し、この温度で2時間反応させた。40℃に冷却後、反応液を氷水1800部中に加え、室温にて30分攪拌した。得られた溶液を濾過して不溶解物を除去し、濾液に水を加えて2000部に調整後、塩化ナトリウム300部をさらに加えて1.5時間攪拌した。析出固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液500部で洗浄することにより、暗赤色のケーキ210部を得た。
(2)上記の実施例1(1)で得られたケーキをメタノール1000部に加えて攪拌しながら加熱し、65℃にて45分保持した後、析出固体を濾過分離し、乾燥することにより下記式(5)で表される化合物118部を赤色結晶として得た。
式(5)
Figure 2008066024
(3)上記式(5)の化合物18部を水90部に加えて攪拌し、これに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。得られた溶液を75℃に加熱後、ベンジルクロライド7.6部を1.5時間で滴下した後、75〜80℃にて3時間反応させた。次いでベンジルクロライド3.8部を10分で滴下した後、1時間反応させ、更にベンジルクロライド3.8部を7分で滴下した後、4時間反応させた。
反応液を濾過して不溶解物を除去した後、濾液に水を加えて200部に調整した。調整後の濾液に塩化ナトリウム30部を加えて1時間攪拌し、析出固体を濾過分離した。得られた固体を20%塩化ナトリウム水溶液150部で洗浄して赤色のケーキ50部を得た。
(4)上記の実施例1(3)で得られたケーキをメタノール500部に加え、攪拌下、60℃に加熱して30分保持した後、析出固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄、乾燥することにより下記式(2)で表される化合物17.5部を赤色結晶として得た。λmax:531.2nm。
式(2)
Figure 2008066024
実施例2
実施例1(2)で得られた前記式(5)の化合物9.0部を水45部に加え、攪拌下、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5.6に調整した後、70℃に加熱して溶液を得た。得られた溶液に、1−(クロロメチル)ナフタレン6.6部を、70〜75℃、pH5.2に保ちながら、27分間で滴下した。ついで同温、同pHを維持しながら1.5時間反応させた。反応液を27℃に冷却後、メタノール60部を添加して室温にて2時間攪拌した。析出固体を濾過分離し、メタノール100部で洗浄後、乾燥することにより、下記式(6)の化合物5.2部を赤色結晶として得た。λmax:535.4nm。
式(6)
Figure 2008066024
実施例3及び4
(A)インクの調製
実施例1で得られた前記式(2)の化合物(表1における化合物番号1の化合物)を用いて下記表2に示した組成のインク組成物を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過することにより、インクジェット記録用水性インク組成物を得た。なお、水はイオン交換水を使用した。インク組成物のpHが8〜10に、また総量が100部になるように28%アンモニア水及び水を加えて調整した。
上記で得られたインクジェット記録用水性インク組成物を用いて、後記(B)に記載の方法により、インクジェット記録を行い、後記(C)に記載の方法により評価を行った。ここまでを実施例3とする。
また、下記表2において、実施例1の化合物の代わりに、実施例2で得られた上記式(6)の化合物(表1の化合物番号7の化合物)を用いて、同様にインク組成物及びインクジェット記録用水性インク組成物を調製した。後者を用いて上記と同様に評価試験を行った。これを実施例4とする。
Figure 2008066024
比較例1及び比較例2
比較対象として、上記表2の実施例1の化合物の代わりに、特許文献1の実施例1−1の化合物No.01(下記式(7)の化合物)を用い、実施例3と同様にして、インク組成物及びインクジェット記録用水性インク組成物を調製し、インクジェット記録を行い、記録画像の評価を行った。これを比較例1とする。
上記表2の実施例1の化合物の代わりに、特許文献1の実施例7の化合物No.36(下記式(8)の化合物)を用いる以外は、比較例1と同様に、組成物の調製、インクジェット記録及び記録画像の評価を行った。この評価試験を比較例2とする。
比較例1に使用した化合物および比較例2に使用した化合物は遊離酸の形で記載しているが、ナトリウム塩として合成した。
式(7)
Figure 2008066024
式(8)
Figure 2008066024
実施例5
(1)実施例1(2)で得られた式(5)の化合物90部を水540部に加えて攪拌し、これに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.5〜9に調整した。得られた溶液を75〜80℃に加熱後、m−メチルベンジルクロライド42.2部を、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶液のpHを8.5〜9に調整しながら、1時間で滴下した後、75〜80℃にて3時間反応させた。得られた反応液に更にm−メチルベンジルクロライド21.1部を30分で滴下後、3時間反応させた。更にそこに、m−メチルベンジルクロライド21.1部を30分で滴下後、1時間反応させた。次いでそこに、温水100部を加えて更に5時間反応させた。これらの滴下および反応の間、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液のpHを8.5〜9に調整した。
反応液を濾過して不溶解物を除去した後、濾液に水を加えて2000部に調整した。濃塩酸を加えてpHを1.2に調整し、そこに塩化ナトリウム240部を加えて1時間攪拌し、析出固体を濾過分離した。得られた固体を20%塩化ナトリウム水溶液500部で洗浄して赤色のケーキ470部を得た。
(2)上記の実施例5(1)で得られた赤色のケーキ470部をメタノール900部と水600部の混合溶媒に加え、60℃にて2時間撹拌した。その後、析出した結晶を濾過分離し、メタノール500部で洗浄、乾燥することにより下記式(9)で表される化合物109.2部を赤色結晶として得た。λmax:529nm。
式(9)
Figure 2008066024
実施例6
(A)インクの調製
前記表2において、実施例1の化合物の代わりに実施例5で得られた上記式(9)の化合物(表1の化合物番号3の化合物)を用いる以外は、実施例3と同様の方法でインク組成物及びインクジェット記録用水性インク組成物を調製した。このうち後者を用いて実施例3と同様に評価試験を行った。
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製、商品名:PixusRTMiP4100)を用いて、多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有する下記の3種の光沢紙1〜3(被記録材料)にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、数段階の階調で印刷濃度が得られるように画像パターンを作り印字物を作成した。
使用した光沢紙は以下の通りである。
光沢紙1:キヤノン株式会社製、商品名:プロフェッショナルフォトペーパーPR−101
光沢紙2:エプソン株式会社製、商品名:クリスピアRTM
光沢紙3:ヒューレット パッカード(HP)社製、商品名アドバンスフォトペーパー
(C)記録画像の評価
光沢紙での色相評価
記録画像の色相、鮮明性は、印字した記録紙(印字濃度(D値)を各記録紙毎に揃える)を測色システム(GRETAGRTMSPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、L*、a*、b*値を算出し、鮮明性を示す彩度(C*)は色度(a*、b*)からC*=((a*)+(b*)1/2を算出した。JPMA(社団法人 日本印刷産業機械工業会)のJNC(ジャパンカラー)標準マゼンタサンプルとの比較で色相評価を行った。
実施例3、4及び6の色相結果を表3に示す。尚、ジャパンカラー標準マゼンタの使用紙はJapan Color Standard Paperである。
Figure 2008066024
表3より明らかなように、いずれの光沢紙においても、実施例3、4、6及び比較例1の色相(a*、b*)は、比較例2に比して、JNC標準マゼンタの色相に近いことがわかる。
特に、比較例2のb*値は、光沢紙1では−25.0(実施例3,4および6では−13.0〜16.7)、光沢紙2では−33.5(実施例3,4および6では16.2〜21.3)および光沢紙3では−30.5(実施例3,4および6では17.3〜21.5)と、実施例3,4および6のb*値と比較すると、かなり低い値を示しており、比較例2の色相は青味を有することが判明した。JNC標準マゼンタの色相との近似という観点からは、比較例2の色相よりも本発明の各実施例の色相がより近似したものであるといえる。
以上の結果より、本発明の化合物を用いたインク組成物の記録画像は、比較例2の色相よりも、JNC標準マゼンタにより近い色相である。従って、本発明のアトラピリドン化合物は、インクジェット記録用マゼンタ色素として好適であると言える。
以下に各種堅牢性の評価について記載する。堅牢性については「(D)記録画像の耐光性試験」、「(E)記録画像の耐オゾンガス性試験」、及び「(F)記録画像の耐湿性試験」の3種の試験を行って評価した。
(D)記録画像の耐光性試験
光沢紙1〜3にそれぞれプリントして作成した試験片に、低温キセノンウェザーメーター XL75(スガ試験機株式会社製)を用い、10Klux照度で、温度24℃、湿度60%RHの環境下、96時間照射した。測色システム(GRETAGRTMSPM50:GRETAG社製)を用いて印字濃度(D値=1.2付近)の照射前後の色差(ΔE)を測定し、四段階で評価した。結果を表4に示す。
5>ΔE ・・・◎
10>ΔE≧5 ・・・○
16>ΔE≧10・・・△
ΔE≧16・・・×
(E)記録画像の耐オゾンガス性試験
光沢紙1〜3にそれぞれプリントして作成した試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)を用いてオゾン濃度10ppm、温度24℃、湿度60%RHで8時間放置した。印字濃度(D値=1.2付近)の照射前後の色差(ΔE)を測定し、四段階で評価した。結果を表4に示す。
5≧ΔE ・・・◎
10≧ΔE>5 ・・・○
15≧ΔE>10・・・△
ΔE>15・・・×
(F)記録画像の耐湿性試験
光沢紙1〜3にそれぞれプリントして作成した試験片を恒温恒湿器(応用技研産業株式会社製)を用いて温度30℃、湿度80%RHで96時間放置した。試験前後のブリード性を目視にて判定し、3段階で評価した。結果を表4に示す。
○ :ブリードが認められない
△ :わずかにブリードが認められる
× :大きくブリードが認められる
Figure 2008066024
表4より下記のことが判る。
耐光性については、比較例2は、光沢紙1及び2では×(ΔE≧16)、光沢紙3では○(10>ΔE≧5)である。実施例3、4、6及び比較例1ではこれが光沢紙1及び2では○(10>ΔE≧5)、光沢紙3では◎(5>ΔE)であり、これらと比較して、比較例2は試験前後の色差が大きい。従って実施例3、4及び6の耐光性は、比較例2より優れたものであることが判明した。
耐湿性について、各比較例は、光沢紙1の場合にはわずかにブリードが認められた程度で比較的良好であったが、光沢紙2及び3の場合には大きなブリードが認められた。一方実施例3、4および6では、実施例3の光沢紙2及び3の場合にわずかにブリードが認められたのを除き、いずれの光沢紙の場合にもブリードが認められなかった。従って、耐湿性において実施例3、4及び6は、各比較例より優れたものであると判明した。
耐オゾンガス性については、光沢紙1の場合には各実施例及び各比較例はいずれも○(10≧ΔE>5)であり、光沢紙3の場合には各実施例及び各比較例はいずれも◎(5≧ΔE)であり、同等程度の良好な結果を示している。しかしながら、光沢紙2の場合には、各実施例および比較例1が◎(5≧ΔE)であるのに比較して、比較例2のみ○(10≧ΔE>5)であり、試験前後の色差が他のものに比べて大きい。従って、実施例3、4及び6は比較例2より優れた耐オゾン性を有することがわかる。
以上の結果により、本発明のアントラピリドン化合物は各種の堅牢性、すなわち耐オゾン性、耐光性はもとより、特に耐湿性に優れた画像を与える色素であることが明らかである。この点においても本発明のアントラピリドン化合物はインクジェット記録用マゼンタ色素として極めて有用であると言える。

Claims (18)

  1. 下記式(1)で表されるアントラピリドン化合物またはその塩。
    Figure 2008066024
    (式中、Rはベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい。)、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又はシアノプロピル基を、Rは水素原子、アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基をそれぞれ表す。)
  2. がベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又は3−シアノプロピル基であり、Rが水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基、シクロヘキシル基、(モノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ)C1−C4アルキル基又はシアノC1−C4アルキル基である請求項1に記載のアントラピリドン化合物またはその塩。
  3. がベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)、1−ナフチルメチル基、フェナシル基又は3−シアノプロピル基であり、Rが水素原子、C1−C4アルキル基、3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基又は2−シアノエチル基である請求項1に記載のアントラピリドン化合物またはその塩。
  4. がベンジル基(ベンジル基におけるフェニル基は、メチル基、塩素原子及びニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていてもよい)であり、RがC1−C4アルキル基である請求項1に記載のアントラピリドン化合物またはその塩。
  5. がベンジル、メチルベンジル又は1−ナフチルメチルであり、Rがメチルである請求項1に記載のアントラピリドン化合物またはその塩。
  6. 下記式(2)で表される請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
    Figure 2008066024
  7. 下記式(9)で表される請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
    Figure 2008066024
  8. 請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を含有することを特徴とするインク組成物。
  9. 水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項8に記載のインク組成物。
  10. インクジェット記録用である請求項9に記載のインク組成物。
  11. 請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の総量中に含まれる無機塩の含有量が1重量%以下である請求項8に記載のインク組成物。
  12. 請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の含有量が0.1〜20重量%である請求項8乃至11のいずれか一項に記載のインク組成物。
  13. 請求項8に記載のインク組成物の小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 被記録材が情報伝達用シ−トである請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受像層を有するものである請求項14に記載のインク記録方法。
  16. 請求項8に記載のインク組成物により着色された着色体。
  17. 着色がインクジェットプリンタによりなされた請求項16に記載の着色体。
  18. 請求項8に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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