JPWO2008053741A1 - 高剛性を有するエアフィルター - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、特許文献1は、性能的には優れているが、エアフィルターを構成するエアレイド不織布は、流体流入側が太い繊維、流体流出側が細い繊維から構成され、やや構造が複雑な面がある。また、特許文献1には、エアフィルターに剛性を付与するために、高融点かつ太繊度の合成繊維や、さらには非円形で異形断面の合成繊維を用いることについては、なんら記載も示唆もされていない。
ここで、(a1)合成繊維の単糸断面は、非円形で異形断面であることが好ましい。
また、(a1)合成繊維は、繊維形成性ポリエステルからなるものが好ましい。
さらに、(A)エアレイド不織布の目付けは、好ましくは50〜200g/m2である。
次に、本発明は、上記(A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化されてなる高剛性を有するエアフィルターに関する。
ここで、(B)メルトブロー不織布は、ポリプロピレンからなるものが好ましい。
また、(B)メルトブロー不織布の目付けは、好ましくは10〜50g/m2である。
(1)本発明のエアフィルターを構成するエアレイド不織布は、高融点で太繊度の短繊維からなる(A)合成繊維と(B)熱接着複合短繊維を主体とするエアレイドウェブが熱圧処理されているので剛性があり、このもの単体で、プリーツ加工が容易で、低圧損で、粗な粉塵に対する濾過性能に優れる。
(2)エアレイド不織布は、通気性が良く、エアフィルターに適した構造体であり、さらにメルトブロー不織布の細繊度によるダスト集塵性を組み合わせることにより、優れた性能を発揮する。
(3)エアレイド不織布単独では、メルトブロー不織布のような微細繊度の繊維が適用できず、メルトブロー不織布の微細粉塵の高集塵性は期待できない。しかしながら、エアレイド不織布に、メルトブロー不織布を複合化して一体化すれば、プリーツ加工性、風圧に耐えるプリーツ剛性、粗塵と微細塵両方に有効な複合体を得ることができる。
(4)本発明のエアフィルターは、すべて合成繊維製の場合には、プリーツ加工が容易で、またヒートシール、超音波シールなどが可能で、ケミカル系接着剤を使用しないで済むので、モノマー、ホルマリンなどの微量残存の恐れが全くない。
(5)本発明に用いられるエアレイド不織布は、均一性が良いので、単なるスパンボンド不織布/メルトブロー不織布や、カード式不織布/メルトブロー不織布の組み合わせよりもフィルター性能が安定する。
本発明に用いられる(A)エアレイド不織布は、低圧損であり、これは、シートの厚さ方向に空気を貫通させながらシート化するという製法上の特徴に起因する。結果的に、構成する繊維が面方向のみならず厚さ方向にも配列し、良好な通気性を示す。従って、使用する繊維の適正化をすれば、良好なダスト集塵性を有するエアフィルターとして有効である。
本発明は、特に高融点・太繊度の合成繊維と、低融点・中繊度の熱接着性複合短繊維とからなるエアレイドウェブを熱圧処理することによって、低圧損で高剛性を有する、粗な粉塵に対する濾過性能に優れたエアフィルターを提供するものである。また、他のフィルターの支持体としても極めて有用である。
また、(A)エアレイド不織布は、地合いが良好であり、メルトブロー不織布やスパンボンド不織布よりも地合いの均一性が良い。従って、品質の安定性につながる。
ここで、(A)エアレイド不織布を構成する(a1)合成繊維の素材としては、融点160℃以上の繊維形成性ポリマーが用いられる。この繊維形成性ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの繊維形成性芳香族ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド、ポリプロピレン、芳香族ポリアミドなどが挙げられる。好ましくは、上記の繊維形成性芳香族ポリエステルである。
上記ポリマーの融点は、160℃以上、好ましくは180℃以上である。160℃未満では、エアレイドウェブを熱圧処理する際、熱処理で軟化しやすく、得られるエアレイド不織布の剛性が保てない。
ここで、異形断面とは、長円形状、楕円形状、多角形状(例えば、三角形状、台形状などの四角形状、5角形状、六角形状など)、Y型、W型などが挙げられる。
(a1)合成繊維の単糸断面が異形断面であると、得られるエアレイド不織布の剛性が円形に比べて向上するばかりか、繊維表面積が大きくなることによって、集塵、除塵、濾過の機能を向上させる効果も期待できる。好ましくは、多角形状であり、特に好ましくは三角形状である。
これらの非円形、異形断面の繊維は、異形紡糸口金を用いて直接紡糸する方法、分割型複合繊維を紡糸したのちに、水流などの流体流、リファイナー、パルパー、ミキサー、ビーターなどの外力を加えて発生させる方法などが挙げられる。また、これらの繊維は、中実でも中空でも良い。
一方、(A)エアレイド不織布を構成する(a2)熱接着性複合短繊維としては、例えば、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型などが挙げられる。これらの複合短繊維の両方の成分の組み合わせとしては、PP〔ポリプロピレン〕/PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/PE、PP/低融点共重合PP、PET/低融点共重合ポリエステルなどが挙げられる。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合などが挙げられる。
なお、(A)エアレイド不織布の製法がエアレイド法であるので、(a2)熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜15mmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜10mmである。繊維長が3mm未満の場合は、強度や剛性アップの効果が十分で無く、一方、15mmを超えると、繊維どうしが絡まり易くなり、工程性や地合いの悪化につながりやすい。
(a1)と(a2)の混合比は、(a1)が30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、(a2)が70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%[ただし、(a1)+(a2)=100重量%]である。
(a1)合成繊維が30重量%未満、あるいは(a2)熱接着性複合短繊維が70重量%を超えると、得られるエアレイド不織布の剛性が低くなり、さらに圧損が高くなる。一方、(a1)合成繊維が70重量%を超えると、バインダー繊維である(a2)熱接着性複合短繊維の構成繊維本数が減るので、熱結合点の数が減って、得られるエアレイド不織布の不織布強力が下がるばかりか、剛性も低下する。
本発明の(A)エアレイド不織布は、多孔質ネットコンベア上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、上記(a1)合成繊維および(a2)熱接着性複合短繊維を噴出し、ネットコンベア下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベア上に、まずエアレイドウェブを形成する。
本発明の(A)エアレイド不織布は、以上のようにして得られるエアレイドウェブを熱圧処理して得られる。
なお、熱圧処理に先立ち、通常、熱風処理が行われる。
このうち、繊維間結合を形成するための熱風処理としては、(a2)熱接着性複合短繊維の低融点成分の融点+20℃以上、(a1)合成繊維の融点−30℃以下の温度が好ましい。熱風処理温度が低いと、繊維どうしの熱結合が不充分となり、得られるエアレイド不織布の剛性が下がる。しかしながら、上記低融点成分の融点よりも30℃以上高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘型複合繊維の芯成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易く、地合いの悪化を招いたり、はなはだしい場合は繊維の劣化を生じるので好ましくない。
熱風処理温度は、通常、110〜200℃、好ましくは120〜180℃である。
カレンダー処理には、一対の金属ローラー、または金属ローラーと弾性ローラーの組み合わせなどを任意に選択できるし、多段ローラーであっても良いが、好ましくは一対の金属ローラーが用いられる。
ローラー表面温度は、(a2)繊維の融点+10℃〜+50℃であり、通常、100〜190℃、好ましくは120〜180℃である。この熱処理温度が低すぎると、得られるエアレイド不織布の剛性が低下し、一方、高すぎると、ローラー表面に不織布が粘着しやすくなり、工程安定性に欠ける。
ここで、上記「剛性」は、JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」 6.7剛軟度 a)41.5度カンチレバー法に準拠する器具を用いる。
すなわち、本発明における「剛性」は、以下の方法で試料先端部が自重によって垂れ下がった距離により表すものとする。すなわち、値が小さいほど高い剛性を表すものとする。
(1)試験片の大きさ;(幅25±1)×(長さ160±1)mm
(2)試験方法;
(i)試験片と鋼製定規を重ねてプラットフォームの上に載せ、プラットフォーム・試験片・鋼製定規の前端部が一致するように合わせる。
(ii)試験片と鋼製定規とをプラットフォームの前端から80mm押し出す。
(iii)鋼製定規の先端と、自重で垂れ下がった試験片先端部との距離(mm)を測定する。
(iv)測定する試験片の表裏を入れ替えて、再度、(i)、(ii)の試験を実施し、その平均値を1データとする。それを別々の試験片で繰り返し、n=5の平均値として表す。
以上のようにして測定された「剛性」が10mmを超えると、剛性が不足するのでプリーツ加工性やプリーツの耐風圧性が悪化し、好ましくない。
これに対し、本発明に用いられる不織布は、短い繊維を使用したエアレイド不織布製造法によるものなので、単層のみならず、多層の場合でも、繊維は厚さ方向に配列しやすく、かつ層間において異なる繊維径の繊維どうしの混じり合いも生じ、繊維層間の繊維径勾配は比較的に連続傾斜になる。
従って、圧力損失が小さく、目詰まりも少なくなってライフ(ろ過可能時間)が長くなるうえ、圧損上昇が少ないというエアレイド不織布の特徴は、熱圧カレンダー処理しても傾向として変わらず発揮される。しかも、このような短繊維を原料繊維とするエアレイド不織布製造法によれば、極めて地合いの良好な、つまり均一性の良好なフィルターが得られるという大きな特徴を有する。均一性は、本発明が意図するエアフィルター材の用途において極めて重要であり、上記した既存の乾式不織布では得られ難い。
さらに、ニードルを使用していないので、ニードル跡による性能低下の問題も解消される。また、ケミカルバインダーを使用していないので、皮膜形成による圧力損失アップや捕集効率ダウンの弊害が無く、環境汚染の恐れも無い。
本発明のエアフィルターは、上記(A)エアレイド不織布単独からなるもののほか、この(A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化された複合不織布からなるものであってもよい。(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布との複合化のメリットは、(A)エアレイド不織布単体では得られにくい優れた集塵性が得られる。ここで、(B)メルトブロー不織布は、エアレイドに適用可能な合繊よりも一般的に細い極細繊維なので、微細粉塵の捕集に有効である。
本発明に用いられる(B)メルトブロー不織布は、本発明のエアフィルター用複合不織布において、数十μm以下の微細粒子の捕集の役目を果たすものである。
(B)メルトブロー不織布に用いられる熱可塑性ポリマーは、特に限定されることなく、用途に応じて、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ゴム弾性を有するポリウレタン、ポリエステルエーテル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどのメルトブロー法により不織布を形成できるものであれば任意に使用できる。しかしながら、汎用性に優れ、また、エレクトレット化が可能なことから、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン類が好ましい。特に好ましくは、ポリプロピレンである。これらのポリマーには、通常の艶消剤、熱安定剤、顔料、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、防カビ剤、芳香剤などの剤が添加、あるいは付着されていてもよい。
また、(B)メルトブロー不織布の目付けは、10g/m2未満では、強度が低過ぎて実用的でないばかりか、微細粉塵の捕集性能も悪化し、一方、60g/m2を超えると、通気性が悪化して好ましくない。
なお、(B)メルトブロー不織布は、芯鞘型複合繊維から形成されていても良い。
本発明の(B)メルトブロー不織布は、エレクトレット加工を施してもよい。
ここで、エレクトレット加工とは、例えば特開昭61−186568号公報に開示されている加工方法であり、公知の種々のエレクトレット化の方法、例えば、熱エレクトレット法、エレクトロエレクトレット法、ラジオエレクトレット法、メカノエレクトレット法などを適用することによって、シートなどを荷電状態にする加工方法である。
メルトブロー不織布は、通常、油剤などの処理はなされないが、油剤を含めたなんらかの剤で処理されている場合には、あらかじめ例えば50〜100℃の熱水浴に数秒〜数十分程度通して洗浄してから乾燥する方法、ウォータージェット処理して乾燥する方法などを加えておくことが必要となる。
エレクトレット加工の具体的な一例としての条件は、ポリプロピレン系メルトブロー不織布の場合、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは90℃〜120℃程度の加熱ローラー上にて、−30〜−5KVあるいは+5〜+30KV、さらに好ましくは−30〜−5KV程度の直流電圧を印加し、次に冷却ロール上にてさらに−30〜−5KVあるいは+5〜+30KV、さらに好ましくは−30〜−5KV程度の直流電圧を印加する方法などが挙げられる。生活空間に存在する微少塵埃の多くはプラス帯電しているものが比較的に多いので、印加電圧はマイナスとする方が好ましい。
(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布を積層・一体化して複合シートとするには、インラインでもアウトラインでも可能である。
複合・一体化の手段は、ポイントボンド(部分的に熱圧処理して熱接着する)、パウダーボンド(粉末状接着剤を使用する)、ホットメルト(熱可塑性ポリマーを溶融して、圧空とともに噴出させて、不織布上に細かい繊維状に噴出・スプレーする)などが挙げられる。接着剤の付与量は、圧損が増大しないように、少ない方が好ましいが、通常、固形分換算で、2〜20g/m2、好ましくは4〜10g/m2であり、圧損を上げずにしかも剥離を生じない範囲で決められる。
これらの一体化の過程で熱が加わる場合には、エレクトレット化の効果が減衰しやすいので、一体化したあとで再度エレクトレット加工を加える必要がある。ホットメルト法の場合は、メルトブロー不織布にほとんど熱が加わらないので、好ましい方法である。
本発明のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、以上の(A)エアレイド不織布単独、あるいは(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布からなる複合不織布を用いて、プリーツ加工が施される。
この際、プリーツ加工機は、レシプロまたは、ロータリー式が好適に使用され、プリーツの高さは10〜100mm、プリーツ間隔は2〜10mmが好適である。
なお、実施例中、剛性、通気性、捕集効率、プリーツ加工適性は、次のようにして測定した。
(1)剛性
前掲した。
(2)通気性
JIS L1096 フラジール型試験機を使用した。
(3)集塵効率
粉体として大気塵を用い、濾過面積が9.6cm2の試料(エアフィルター)を用い、空気流47リットル/分とし、パーティクルカウンターとして、リオン(株)製のKR12−Aを用いて、フィルター通過後の大気塵の0.3μm以上の粒径の数を計測した。試料なし(ブランク)のカウント数を(X)、試料(フィルター)を通した場合のカウント数を(Y)として、集塵効率は下式で表した。
集塵効率(%)=〔(X)−(Y)〕×100/(X)
(4)プリーツ加工適性
レシプロ式加工機を用い、山高さ40mmで加工したときの状態を、折れかた、折れ目の直線性、折れ癖のつき方、などについて観察した。
極めて良好:プリーツの山・谷部の折れ目は直線状にきれいに入った。
良好 :極く一部の折れ目に直線になっていない不揃いが見られるものの、実用上ほぼ支障はなかった。
不良 :山高さが不揃いで、しかも折れ目の直線がきれいに入らなかった。
(a1)合成繊維として、三角断面のポリエチレンテレフタレート繊維(ユニチカファイバー(株)製、20dtex×10mm)、(a2)熱接着性複合短繊維として、鞘部がイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレフタレート、芯部がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー(株)、鞘部融点150℃、5.5dtex×5mm)を混合比率が50/50重量%で100g/m2となるように、エアレイド法により積層ウェブを作成した。次に、このウェブに熱オーブンで180℃の熱風を吹き付け、エアレイドウェブの繊維間を熱融着させ、引き続き、一対の金属ローラーを用いて、170℃、線圧25kgf/cmで熱圧処理して、厚さが0.6mm、目付100g/m2の(A)エアレイド不織布を作製した。
このエアレイド不織布を用いて山高さ40mmのプリーツ加工を施した。
このエアレイド不織布の剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を表1に示す。
実施例1のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、剛性、通気性が大で、プリーツ加工性も極めて良好で、山倒れも無く、捕集性能は低いものの、単独で粗塵フィルターとして有用である。
実施例1で得られた(A)エアレイド不織布の一方の面に、(B)メルトブロー不織布として、ポリプロピレンからなる目付けが40g/m2のメルトブロー不織布(タピルス(株)製)を、ホットメルトラミネート法でポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト接着剤(松村石油研究所(株)製、モレスコメルト)を5g/m2用いて複合不織布を作製した。複合不織布の総目付けは、145g/m2で、厚さは1.0mmであった。
この複合不織布を用いて、実施例1と同様にして、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
実施例2の複合エアレイド不織布からなるエアフィルターは、通気性は低いものの、捕集効率が高く、剛性が大なので、プリーツ加工性が良好であり、工場空調用、自動車室内フィルターなどとして有用である。
(a1)合成繊維として、丸断面のポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー(株)製、18dtex×5mm)、(a2)熱接着性複合短繊維として、鞘部がイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレフタレート、芯部がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー(株)、鞘部融点150℃、5.5dtex×5mm)を混合比率が50/50重量%で100g/m2となるように、エアレイド法によりウェブを作成した。次に、このウェブに熱オーブンで170℃の熱風を吹き付け、エアレイドウェブの繊維間を熱融着させ、引き続き、一対の金属ローラー間で、170℃、線圧25kgf/cmで熱圧処理して、厚さが0.6mm、目付100g/m2の(A)エアレイド不織布を作製した。
この複合不織布を用いて、実施例1と同様にして、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
実施例3のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、実施例1に較べてやや剛性が低いものの、実用上十分な剛性を有し、高通気性の特徴を有する粗塵フィルターとして有用であった。
合成繊維として、三角断面のポリエチレンテレフタレート繊維(ユニチカファイバー(株)製、3.3dtex×5mm)、熱接着性複合短繊維として、鞘部がイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレフタレート、芯部がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー(株)製、鞘部融点150℃、4.4dtex×5mm)を混合比率が50/50重量%で100g/m2となるように、エアレイド法によりウェブを作成した。次に、このウェブに熱オーブンで180℃の熱風を吹き付け、エアレイドウェブ間を熱融着させ、引き続き、一対の金属ローラー間で、170℃、線圧25kgf/cmで熱圧処理して、厚さが0.4mm、目付100g/m2の(A)エアレイド不織布を作製した。
このようにして得られたエアレイド不織布の一方の面に、メルトブロー不織布として、ポリプロピレンからなる目付けが40g/m2のメルトブロー不織布(実施例2に同じ)を、ホットメルトラミネート法でポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト接着剤(実施例2に同じ)を5g/m2用いて、積層して複合不織布を作製した。複合不織布の総目付けは、145g/m2であった。
この複合不織布を用いて、実施例1と同様にして、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1の複合不織布からなるエアフィルターは、捕集効率は高いものの、剛性が不充分でプリーツ加工性が不良であり、風圧によってプリーツ山倒れしやすいなど、実用上問題があった。
合成繊維として、丸断面のポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー(株)、3.3dt×5mm)、熱接着性複合短繊維として、比較例1と同じものを使用し、混合比率60/40重量%で90g/m2となるようにエアレイドウェブを形成し、実施例1、比較例1と同一の条件で熱風処理、熱圧処理を加え、厚さが0.4mm、目付90g/m2の(A)エアレイド不織布を作製した。
この不織布を用いて、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、(a1)合成繊維が太繊度ではないので通気性が低いうえに、剛性が低いので、製品に加工しにくいなど実用上の問題があり、フィルターとして不適であった。
Claims (7)
- (A)(a1)融点が160℃以上、単糸繊度が6〜40dtex、繊維長3〜15mmの合成繊維30〜70重量%と、(a2)熱接着性複合短繊維70〜30重量%[ただし、(a1)+(a2)=100重量%]を主体とするエアレイドウェブが熱圧処理され、JIS L1913に準拠して測定された剛性が10mm以下であるエアレイド不織布からなる高剛性を有するエアフィルター。
- (a1)合成繊維の単糸断面が、非円形で異型断面である請求の範囲1記載の高剛性を有するエアフィルター。
- (a1)合成繊維が繊維形成性ポリエステルからなる請求の範囲1または2記載の高剛性を有するエアフィルター。
- (A)エアレイド不織布の目付けが、50〜200g/m2である請求の範囲1〜3いずれかに記載の高剛性を有するエアフィルター。
- (A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化されてなる、請求の範囲1〜4いずれかに記載の高剛性を有するエアフィルター。
- (B)メルトブロー不織布がポリプロピレンからなる請求の範囲5記載の高剛性を有するエアフィルター。
- (B)メルトブロー不織布の目付けが10〜60g/m2である請求の範囲5または6に記載の高剛性を有するエアフィルター。
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