JPWO2008053741A1 - 高剛性を有するエアフィルター - Google Patents

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Abstract

高融点・太繊度の合成繊維を主体とする、熱圧処理された剛性のあるエアレイド不織布そのものを用いるか、さらにはこれにメルトブロー不織布を組み合わせることにより、地合いの均一性がよく、ダスト集塵性に優れ、圧損も少なく、さらに高剛性なのでプリーツ加工性、プリーツの耐風圧性に優れた不織布フィルターを提供する。(A)(a1)融点が160℃以上、単糸繊度が6〜40dtex、繊維長3〜15mmの合成繊維30〜70重量%と、(a2)熱接着性複合短繊維70〜30重量%[ただし、(a1)+(a2)=100重量%]を主体とするエアレイドウェブが熱圧処理され、JIS L1913に準拠して測定された剛性が10mm以下であるエアレイド不織布からなる高剛性を有するエアフィルター、さらにこの(A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化されてなる、高剛性を有するエアフィルター。

Description

本発明は、空気中に存在する粒子状の物質を捕捉し清浄にするためのエアフィルターに関し、例えば工場、自動車、事務所などの空気清浄機器用濾材としても有効であるが、特にプリーツ加工されて、自動車のエンジン用あるいはキャビン用の空気清浄機器用濾材に適用するのが好適なエアレイド不織布からなる高剛性を有するエアフィルターに関する。
一般に、上記の用途に使用される不織布エアフィルターの製法は、比較的長い繊維(例えば、繊維長30mm〜105mm)を使用してカーディング法によるウェブを形成したのち、繊維間結合の方法としてニードルパンチまたはウォータージェットにより機械的に繊維交絡を付与する方法、合成樹脂などのケミカル系接着剤で繊維間を結合する方法、あるいはバインダー繊維を混綿して熱接着する方法などが知られている。
ところで、これらの用途に使用される不織布エアフィルター材は、一般的にプリーツ形状を付与されたものが使用され、しかもフィルターの見掛け密度が低い。プリーツ形状を維持するために、バインダー繊維を使用したエアフィルターが、種々提案されている(例えば、特許文献1〜2)。
しかしながら、特許文献1は、性能的には優れているが、エアフィルターを構成するエアレイド不織布は、流体流入側が太い繊維、流体流出側が細い繊維から構成され、やや構造が複雑な面がある。また、特許文献1には、エアフィルターに剛性を付与するために、高融点かつ太繊度の合成繊維や、さらには非円形で異形断面の合成繊維を用いることについては、なんら記載も示唆もされていない。
また、特許文献2には、繊維径の異なる熱可塑性繊維からなる異繊度混繊不織繊維集合体がひだ折り加工されたシートで、異繊度混繊不織繊維集合体シートが繊維交点で熱接着され、かつ表層部と裏層部で繊維径勾配を形成しているプリーツフィルターが提案されている。しかしながら、特許文献2も、構造が複雑な面があり、また、エアフィルターに剛性を付与するために、高融点かつ太繊度の合成繊維や、さらには非円形で異形断面の合成繊維を用いることについては、なんら記載も示唆もされていない。
特開2004−301121号公報 特開平11−90135号公報
本発明は、高融点・太繊度の合成繊維を主体とする、熱圧処理された剛性のあるエアレイド不織布そのものを用いるか、さらにはこれにメルトブロー不織布を組み合わせることにより、地合いの均一性がよく、ダスト集塵性に優れ、かつ圧損も少なく、さらに合成繊維100%の場合には接着剤を用いずにヒートシール法や超音波シール法のような効率的かつ副資材不要な方法で製袋できるという特徴や、同種繊維材料で形成すればリサイクル性をも有する、高剛性を有するエアフィルターを提供することにある。
本発明は、(A)(a1)融点が160℃以上、単糸繊度が6〜40dtex、繊維長3〜15mmの合成繊維30〜70重量%と、(a2)熱接着性複合短繊維70〜30重量%[ただし、(a1)+(a2)=100重量%]を主体とするエアレイドウェブが熱圧処理され、JIS L1913に準拠して測定された剛性が10mm以下であるエアレイド不織布からなる高剛性を有するエアフィルターに関する。
ここで、(a1)合成繊維の単糸断面は、非円形で異形断面であることが好ましい。
また、(a1)合成繊維は、繊維形成性ポリエステルからなるものが好ましい。
さらに、(A)エアレイド不織布の目付けは、好ましくは50〜200g/mである。
次に、本発明は、上記(A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化されてなる高剛性を有するエアフィルターに関する。
ここで、(B)メルトブロー不織布は、ポリプロピレンからなるものが好ましい。
また、(B)メルトブロー不織布の目付けは、好ましくは10〜50g/mである。
本発明のエアフィルターは、剛性に優れたエアレイド不織布そのもの、あるいはこれとメルトブロー不織布とを複合化することによって、次のような効果を奏する。
(1)本発明のエアフィルターを構成するエアレイド不織布は、高融点で太繊度の短繊維からなる(A)合成繊維と(B)熱接着複合短繊維を主体とするエアレイドウェブが熱圧処理されているので剛性があり、このもの単体で、プリーツ加工が容易で、低圧損で、粗な粉塵に対する濾過性能に優れる。
(2)エアレイド不織布は、通気性が良く、エアフィルターに適した構造体であり、さらにメルトブロー不織布の細繊度によるダスト集塵性を組み合わせることにより、優れた性能を発揮する。
(3)エアレイド不織布単独では、メルトブロー不織布のような微細繊度の繊維が適用できず、メルトブロー不織布の微細粉塵の高集塵性は期待できない。しかしながら、エアレイド不織布に、メルトブロー不織布を複合化して一体化すれば、プリーツ加工性、風圧に耐えるプリーツ剛性、粗塵と微細塵両方に有効な複合体を得ることができる。
(4)本発明のエアフィルターは、すべて合成繊維製の場合には、プリーツ加工が容易で、またヒートシール、超音波シールなどが可能で、ケミカル系接着剤を使用しないで済むので、モノマー、ホルマリンなどの微量残存の恐れが全くない。
(5)本発明に用いられるエアレイド不織布は、均一性が良いので、単なるスパンボンド不織布/メルトブロー不織布や、カード式不織布/メルトブロー不織布の組み合わせよりもフィルター性能が安定する。
(A)エアレイド不織布
本発明に用いられる(A)エアレイド不織布は、低圧損であり、これは、シートの厚さ方向に空気を貫通させながらシート化するという製法上の特徴に起因する。結果的に、構成する繊維が面方向のみならず厚さ方向にも配列し、良好な通気性を示す。従って、使用する繊維の適正化をすれば、良好なダスト集塵性を有するエアフィルターとして有効である。
本発明は、特に高融点・太繊度の合成繊維と、低融点・中繊度の熱接着性複合短繊維とからなるエアレイドウェブを熱圧処理することによって、低圧損で高剛性を有する、粗な粉塵に対する濾過性能に優れたエアフィルターを提供するものである。また、他のフィルターの支持体としても極めて有用である。
また、(A)エアレイド不織布は、地合いが良好であり、メルトブロー不織布やスパンボンド不織布よりも地合いの均一性が良い。従って、品質の安定性につながる。
以上の本発明に用いられる(A)エアレイド不織布は、エアレイド法によって形成する。すなわち、多孔質ネットコンベア上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、上記(a1)合成繊維および(a2)熱接着性複合短繊維を噴出し、ネットコンベア下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベア上に、エアレイドウェブを形成する。
(a1)合成繊維:
ここで、(A)エアレイド不織布を構成する(a1)合成繊維の素材としては、融点160℃以上の繊維形成性ポリマーが用いられる。この繊維形成性ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの繊維形成性芳香族ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド、ポリプロピレン、芳香族ポリアミドなどが挙げられる。好ましくは、上記の繊維形成性芳香族ポリエステルである。
上記ポリマーの融点は、160℃以上、好ましくは180℃以上である。160℃未満では、エアレイドウェブを熱圧処理する際、熱処理で軟化しやすく、得られるエアレイド不織布の剛性が保てない。
また、(a1)合成繊維の単糸繊度は、6〜40dtex、好ましくは10〜30dtexである。(a1)合成繊維として、6〜40dtexの単糸繊度を有する太繊度のタイプを使用することにより、得られるエアレイド不織布の通気性が向上するばかりか、剛性が向上し、プリーツ加工が容易となり、かつ高風圧でもプリーツの山倒れが起き難いという効果(耐風圧性)も得られる。この耐風圧性は、実用上重要な特性である。単糸繊度が6dtex未満では、剛性が低くなり、プリーツ加工などの成形性やプリーツ剛性が充分ではなく、一方、40dtexを超えると、構成繊維本数が小さくなり、実用上の強度が不充分なばかりか、粗い粉塵の濾過、集塵、除塵機能も低下してしまう。
また、(a1)合成繊維の繊維長は、3〜15mm、好ましくは5〜12mmである。3mm未満では、不織布強度が低下し、一方15mmを超えると、エアレイド工程で繊維どうしが絡まり易くなり、工程性や地合いの悪化につながりやすい。
なお、(a1)合成繊維の単糸断面は、円形でも、非円形で異形断面であってもよいが、特に好ましくは異形断面である。
ここで、異形断面とは、長円形状、楕円形状、多角形状(例えば、三角形状、台形状などの四角形状、5角形状、六角形状など)、Y型、W型などが挙げられる。
(a1)合成繊維の単糸断面が異形断面であると、得られるエアレイド不織布の剛性が円形に比べて向上するばかりか、繊維表面積が大きくなることによって、集塵、除塵、濾過の機能を向上させる効果も期待できる。好ましくは、多角形状であり、特に好ましくは三角形状である。
これらの非円形、異形断面の繊維は、異形紡糸口金を用いて直接紡糸する方法、分割型複合繊維を紡糸したのちに、水流などの流体流、リファイナー、パルパー、ミキサー、ビーターなどの外力を加えて発生させる方法などが挙げられる。また、これらの繊維は、中実でも中空でも良い。
(a2)熱接着性複合短繊維:
一方、(A)エアレイド不織布を構成する(a2)熱接着性複合短繊維としては、例えば、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型などが挙げられる。これらの複合短繊維の両方の成分の組み合わせとしては、PP〔ポリプロピレン〕/PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/PE、PP/低融点共重合PP、PET/低融点共重合ポリエステルなどが挙げられる。ここで、上記低融点共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールなどとの変性共重合などが挙げられる。
低融点成分である熱接着成分の融点は、通常、80〜180℃、好ましくは90〜160℃である。80℃未満の場合、不織布としての耐熱性が低いので、複合化の加工やプリーツ加工などにおいてトラブルが生じやすく、また自動車や工場などで使用する場合、実用上の温度に耐えられない。一方、180℃を超えると、不織布製造工程における熱処理温度を高くする必要が生じ、生産性が落ち、実用的でないばかりか、後述する熱圧処理における接着効果も期待できなくなる。
(a2)熱接着性複合短繊維の繊度は、好ましくは2〜15dtex、さらに好ましくは3〜10dtexである。2dtex未満の場合は、細すぎて、圧損が上昇する。一方、15dtexを超えると、構成繊維本数が減るので、熱結合点の数が減少して不織布強度が低下するばかりか、得られるエアレイド不織布の剛性が低下し、好ましくない。
なお、(A)エアレイド不織布の製法がエアレイド法であるので、(a2)熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜15mmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜10mmである。繊維長が3mm未満の場合は、強度や剛性アップの効果が十分で無く、一方、15mmを超えると、繊維どうしが絡まり易くなり、工程性や地合いの悪化につながりやすい。
なお、以上の(a1)合成繊維や、(a2)熱接着性複合短繊維には、各種の添加物を付与していても良い。例えば、通常の艶消剤、熱安定剤、顔料、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、防カビ剤、芳香剤などの剤を添加、あるいはコーティング、付着されていてもよい。
また、以上の(a1)合成繊維や(a2)熱接着性複合短繊維は、捲縮していても、していなくてもよく、またストランドチョップであってもよい。捲縮している場合、ジグザグ型の二次元捲縮繊維およびスパイラル型やオーム型などの三次元(立体)捲縮繊維の何れも使用できる。
(a1)合成繊維と(a2)熱接着性複合短繊維の混合比:
(a1)と(a2)の混合比は、(a1)が30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、(a2)が70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%[ただし、(a1)+(a2)=100重量%]である。
(a1)合成繊維が30重量%未満、あるいは(a2)熱接着性複合短繊維が70重量%を超えると、得られるエアレイド不織布の剛性が低くなり、さらに圧損が高くなる。一方、(a1)合成繊維が70重量%を超えると、バインダー繊維である(a2)熱接着性複合短繊維の構成繊維本数が減るので、熱結合点の数が減って、得られるエアレイド不織布の不織布強力が下がるばかりか、剛性も低下する。
さらに、以上の(a1)合成繊維、(a2)熱接着性複合短繊維以外の繊維として、例えばビニロン繊維、合成パルプ(例えば、三井化学(株)製のSWPのような、PEやPPを素材とする多分岐フィブリル状繊維)、木材パルプ、麻、レーヨン、ビスコース繊維などを本発明の趣旨、効果を阻害しない範囲で混合しておいても良い。この場合、他の繊維の比率は30重量%未満に留めるのが好ましい。30重量%以上であると、不織布強力やヒートシール性に影響が出るばかりか、熱接着性のない繊維は実使用中に脱落し易くなる。
なお、(A)エアレイド不織布は、(a1)合成繊維および(a2)熱接着性複合短繊維の割合や種類が上記の範囲内であれば、単層でも、複層でもよく、また、(a1)成分と(a2)成分の割合や種類が不織布の断面方向に異なるエアレイドウェブで構成されていてもよい。
熱圧処理:
本発明の(A)エアレイド不織布は、多孔質ネットコンベア上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、上記(a1)合成繊維および(a2)熱接着性複合短繊維を噴出し、ネットコンベア下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベア上に、まずエアレイドウェブを形成する。
本発明の(A)エアレイド不織布は、以上のようにして得られるエアレイドウェブを熱圧処理して得られる。
なお、熱圧処理に先立ち、通常、熱風処理が行われる。
このうち、繊維間結合を形成するための熱風処理としては、(a2)熱接着性複合短繊維の低融点成分の融点+20℃以上、(a1)合成繊維の融点−30℃以下の温度が好ましい。熱風処理温度が低いと、繊維どうしの熱結合が不充分となり、得られるエアレイド不織布の剛性が下がる。しかしながら、上記低融点成分の融点よりも30℃以上高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘型複合繊維の芯成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易く、地合いの悪化を招いたり、はなはだしい場合は繊維の劣化を生じるので好ましくない。
熱風処理温度は、通常、110〜200℃、好ましくは120〜180℃である。
また、熱風処理したのち熱圧処理は、具体的には熱圧カレンダー処理が好ましい。
カレンダー処理には、一対の金属ローラー、または金属ローラーと弾性ローラーの組み合わせなどを任意に選択できるし、多段ローラーであっても良いが、好ましくは一対の金属ローラーが用いられる。
カレンダー処理の場合、圧力は希望する厚さになるよう適宜選択することができる。熱圧カレンダーにより繊維間の熱結合を強固にし、剛性、強度、表面耐摩耗性、層間剥離防止などを向上するため、ローラー表面の温度は、熱接着性複合繊維の低融点成分の融点以上の温度が必要である。しかしながら、低融点成分の融点よりも50℃を超えて高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘型複合繊維の芯成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易いばかりか、ローラー表面への粘着が発生し、工程性に欠ける。融点未満の場合は、当然のことながら繊維間結合が充分でなくなる。
ローラー表面温度は、(a2)繊維の融点+10℃〜+50℃であり、通常、100〜190℃、好ましくは120〜180℃である。この熱処理温度が低すぎると、得られるエアレイド不織布の剛性が低下し、一方、高すぎると、ローラー表面に不織布が粘着しやすくなり、工程安定性に欠ける。
また、カレンダー処理の線圧は、幅方向で均一な接圧になるよう設定すれば、任意の圧力を選択することができる。高圧の場合は密度・剛性・不織布強力・層間強力がアップし、厚さ・通気性がダウンする。低圧の場合は、もちろんこれに反する影響が出る。本発明の趣旨である高剛性や、不織布強力アップのためには、極力高圧のほうが好ましい。低圧損、高通気性を重視するのであれば、低圧の方が好ましい。カレンダー処理の線圧は、通常、10〜100kgf/cmの範囲で任意に選択できる。また、一対のローラー間に任意の隙間を設けても良い。金属ローラー表面は、フラットが好ましいが、凸凹形状のエンボス加工がされていても良い。
このようにして得られる本発明の(A)エアレイド不織布の厚さは、通常、0.3〜2mm、好ましくは0.5〜1.5mmであり、目付けは、50〜200g/m、好ましくは60〜180g/m程度である。(A)エアレイド不織布の目付が、50g/m未満の場合は、剛性が不十分で、本発明の趣旨にそぐわない。さらに、フィルター性能が悪化するばかりか、不織布強力も低くなるので実使用で破壊などのトラブルを引き起こし易い。一方、200g/mを超えると、通気性ダウン、圧損アップが生じ、粗塵フィルターとしての性能が不十分となり、好ましくない。
以上の熱圧処理が施された(A)エアレイド不織布は、JIS L1913に準拠して測定された剛性が10mm以下、好ましくは9mm以下である。
ここで、上記「剛性」は、JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」 6.7剛軟度 a)41.5度カンチレバー法に準拠する器具を用いる。
すなわち、本発明における「剛性」は、以下の方法で試料先端部が自重によって垂れ下がった距離により表すものとする。すなわち、値が小さいほど高い剛性を表すものとする。
(1)試験片の大きさ;(幅25±1)×(長さ160±1)mm
(2)試験方法;
(i)試験片と鋼製定規を重ねてプラットフォームの上に載せ、プラットフォーム・試験片・鋼製定規の前端部が一致するように合わせる。
(ii)試験片と鋼製定規とをプラットフォームの前端から80mm押し出す。
(iii)鋼製定規の先端と、自重で垂れ下がった試験片先端部との距離(mm)を測定する。
(iv)測定する試験片の表裏を入れ替えて、再度、(i)、(ii)の試験を実施し、その平均値を1データとする。それを別々の試験片で繰り返し、n=5の平均値として表す。
以上のようにして測定された「剛性」が10mmを超えると、剛性が不足するのでプリーツ加工性やプリーツの耐風圧性が悪化し、好ましくない。
ところで、従来から知られている一般的な乾式不織布製造法、つまり短繊維のカーディング法、あるいは連続繊維のスパンボンド法などによる場合、層を構成する繊維はほぼ面状に配列していて、厚さ方向に配向させることは困難である。従って、既存の乾式不織布を本発明が意図するエアフィルター材に使用した場合、圧力損失が高いという欠点を有する。ニードルパンチやスパンレースのような機械的繊維交絡の方法を加えれば比較的に厚さ方向へ繊維を並び変えることができるものの、ニードルまたはスパンレースの水スジによる貫通孔が残るために微細なダストの捕捉作用に欠けるものとなってしまう。
これに対し、本発明に用いられる不織布は、短い繊維を使用したエアレイド不織布製造法によるものなので、単層のみならず、多層の場合でも、繊維は厚さ方向に配列しやすく、かつ層間において異なる繊維径の繊維どうしの混じり合いも生じ、繊維層間の繊維径勾配は比較的に連続傾斜になる。
従って、圧力損失が小さく、目詰まりも少なくなってライフ(ろ過可能時間)が長くなるうえ、圧損上昇が少ないというエアレイド不織布の特徴は、熱圧カレンダー処理しても傾向として変わらず発揮される。しかも、このような短繊維を原料繊維とするエアレイド不織布製造法によれば、極めて地合いの良好な、つまり均一性の良好なフィルターが得られるという大きな特徴を有する。均一性は、本発明が意図するエアフィルター材の用途において極めて重要であり、上記した既存の乾式不織布では得られ難い。
さらに、ニードルを使用していないので、ニードル跡による性能低下の問題も解消される。また、ケミカルバインダーを使用していないので、皮膜形成による圧力損失アップや捕集効率ダウンの弊害が無く、環境汚染の恐れも無い。
(B)メルトブロー不織布
本発明のエアフィルターは、上記(A)エアレイド不織布単独からなるもののほか、この(A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化された複合不織布からなるものであってもよい。(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布との複合化のメリットは、(A)エアレイド不織布単体では得られにくい優れた集塵性が得られる。ここで、(B)メルトブロー不織布は、エアレイドに適用可能な合繊よりも一般的に細い極細繊維なので、微細粉塵の捕集に有効である。
ここで、(B)メルトブロー不織布は、熱可塑性ポリマーを溶融して、口金より押し出し、高速加熱媒体で繊維を細化して、走行するネットコンベア上に捕集し不織布構造体として得られる。
本発明に用いられる(B)メルトブロー不織布は、本発明のエアフィルター用複合不織布において、数十μm以下の微細粒子の捕集の役目を果たすものである。
(B)メルトブロー不織布に用いられる熱可塑性ポリマーは、特に限定されることなく、用途に応じて、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ゴム弾性を有するポリウレタン、ポリエステルエーテル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどのメルトブロー法により不織布を形成できるものであれば任意に使用できる。しかしながら、汎用性に優れ、また、エレクトレット化が可能なことから、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン類が好ましい。特に好ましくは、ポリプロピレンである。これらのポリマーには、通常の艶消剤、熱安定剤、顔料、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、防カビ剤、芳香剤などの剤が添加、あるいは付着されていてもよい。
上記(B)メルトブロー不織布は、繊維の平均径は0.2〜25μm、好ましくは0.5〜15μm、目付が10〜60g/m、好ましくは12〜50g/mである。平均径が0.2μm未満の場合、メルトブロー法の生産性が悪化して高コストとなるので実用的でなくなり、かつ、繊維が平面配列となりやすいメルトブロー法不織布においては、特に極細化すると通気性が悪化しやすい傾向があるので、エアフィルターとして好ましくない。一方、25μmを超えると、太過ぎて微細粉塵の捕集性能が悪化する。(B)メルトブロー不織布を構成する繊維の平均径は、ポリマー粘度、紡糸口金のポリマー吐出口の口径、ポリマー吐出量、高速加熱媒体流の流量と流速、温度などの条件により、容易に調整することができる。
また、(B)メルトブロー不織布の目付けは、10g/m未満では、強度が低過ぎて実用的でないばかりか、微細粉塵の捕集性能も悪化し、一方、60g/mを超えると、通気性が悪化して好ましくない。
なお、(B)メルトブロー不織布は、芯鞘型複合繊維から形成されていても良い。
エレクトレット加工:
本発明の(B)メルトブロー不織布は、エレクトレット加工を施してもよい。
ここで、エレクトレット加工とは、例えば特開昭61−186568号公報に開示されている加工方法であり、公知の種々のエレクトレット化の方法、例えば、熱エレクトレット法、エレクトロエレクトレット法、ラジオエレクトレット法、メカノエレクトレット法などを適用することによって、シートなどを荷電状態にする加工方法である。
メルトブロー不織布は、通常、油剤などの処理はなされないが、油剤を含めたなんらかの剤で処理されている場合には、あらかじめ例えば50〜100℃の熱水浴に数秒〜数十分程度通して洗浄してから乾燥する方法、ウォータージェット処理して乾燥する方法などを加えておくことが必要となる。
エレクトレット加工の具体的な一例としての条件は、ポリプロピレン系メルトブロー不織布の場合、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは90℃〜120℃程度の加熱ローラー上にて、−30〜−5KVあるいは+5〜+30KV、さらに好ましくは−30〜−5KV程度の直流電圧を印加し、次に冷却ロール上にてさらに−30〜−5KVあるいは+5〜+30KV、さらに好ましくは−30〜−5KV程度の直流電圧を印加する方法などが挙げられる。生活空間に存在する微少塵埃の多くはプラス帯電しているものが比較的に多いので、印加電圧はマイナスとする方が好ましい。
(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布の複合・一体化:
(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布を積層・一体化して複合シートとするには、インラインでもアウトラインでも可能である。
複合・一体化の手段は、ポイントボンド(部分的に熱圧処理して熱接着する)、パウダーボンド(粉末状接着剤を使用する)、ホットメルト(熱可塑性ポリマーを溶融して、圧空とともに噴出させて、不織布上に細かい繊維状に噴出・スプレーする)などが挙げられる。接着剤の付与量は、圧損が増大しないように、少ない方が好ましいが、通常、固形分換算で、2〜20g/m、好ましくは4〜10g/mであり、圧損を上げずにしかも剥離を生じない範囲で決められる。
これらの一体化の過程で熱が加わる場合には、エレクトレット化の効果が減衰しやすいので、一体化したあとで再度エレクトレット加工を加える必要がある。ホットメルト法の場合は、メルトブロー不織布にほとんど熱が加わらないので、好ましい方法である。
このようにして得られる本発明の複合エアレイド不織布の厚さは、通常、0.3〜2mm、好ましくは0.5〜1.5mmであり、複合不織布の総目付けは、通常、60〜260g/m、好ましくは70〜200g/m程度である。
プリーツ加工:
本発明のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、以上の(A)エアレイド不織布単独、あるいは(A)エアレイド不織布と(B)メルトブロー不織布からなる複合不織布を用いて、プリーツ加工が施される。
この際、プリーツ加工機は、レシプロまたは、ロータリー式が好適に使用され、プリーツの高さは10〜100mm、プリーツ間隔は2〜10mmが好適である。
本発明のエアフィルターは、(B)メルトブロー不織布側が空気流入の下流側で使用するのが好適であるが、あるいは、(A)エアレイド不織布側が空気流入の下流側でもよい。
なお、空気の流入側または流出側には、捕集性能の強化、強度の補強などを目的として、目付けが好ましくは10〜80g/m、さらに好ましくは12〜60g/m程度の乾式不織布(サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ケミカルボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布、エアレイド不織布など)や、湿式不織布などの他の合繊不織布を適宜、積層してもよい。これらの合繊不織布には、30重量%未満のセルロース系繊維、例えば木材パルプ、レーヨン、コットン、リンターパルプなどが含まれていても良い。
以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中、剛性、通気性、捕集効率、プリーツ加工適性は、次のようにして測定した。
(1)剛性
前掲した。
(2)通気性
JIS L1096 フラジール型試験機を使用した。
(3)集塵効率
粉体として大気塵を用い、濾過面積が9.6cmの試料(エアフィルター)を用い、空気流47リットル/分とし、パーティクルカウンターとして、リオン(株)製のKR12−Aを用いて、フィルター通過後の大気塵の0.3μm以上の粒径の数を計測した。試料なし(ブランク)のカウント数を(X)、試料(フィルター)を通した場合のカウント数を(Y)として、集塵効率は下式で表した。
集塵効率(%)=〔(X)−(Y)〕×100/(X)
(4)プリーツ加工適性
レシプロ式加工機を用い、山高さ40mmで加工したときの状態を、折れかた、折れ目の直線性、折れ癖のつき方、などについて観察した。
極めて良好:プリーツの山・谷部の折れ目は直線状にきれいに入った。
良好 :極く一部の折れ目に直線になっていない不揃いが見られるものの、実用上ほぼ支障はなかった。
不良 :山高さが不揃いで、しかも折れ目の直線がきれいに入らなかった。
実施例1
(a1)合成繊維として、三角断面のポリエチレンテレフタレート繊維(ユニチカファイバー(株)製、20dtex×10mm)、(a2)熱接着性複合短繊維として、鞘部がイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレフタレート、芯部がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー(株)、鞘部融点150℃、5.5dtex×5mm)を混合比率が50/50重量%で100g/mとなるように、エアレイド法により積層ウェブを作成した。次に、このウェブに熱オーブンで180℃の熱風を吹き付け、エアレイドウェブの繊維間を熱融着させ、引き続き、一対の金属ローラーを用いて、170℃、線圧25kgf/cmで熱圧処理して、厚さが0.6mm、目付100g/mの(A)エアレイド不織布を作製した。
このエアレイド不織布を用いて山高さ40mmのプリーツ加工を施した。
このエアレイド不織布の剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を表1に示す。
実施例1のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、剛性、通気性が大で、プリーツ加工性も極めて良好で、山倒れも無く、捕集性能は低いものの、単独で粗塵フィルターとして有用である。
実施例2
実施例1で得られた(A)エアレイド不織布の一方の面に、(B)メルトブロー不織布として、ポリプロピレンからなる目付けが40g/mのメルトブロー不織布(タピルス(株)製)を、ホットメルトラミネート法でポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト接着剤(松村石油研究所(株)製、モレスコメルト)を5g/m用いて複合不織布を作製した。複合不織布の総目付けは、145g/mで、厚さは1.0mmであった。
この複合不織布を用いて、実施例1と同様にして、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
実施例2の複合エアレイド不織布からなるエアフィルターは、通気性は低いものの、捕集効率が高く、剛性が大なので、プリーツ加工性が良好であり、工場空調用、自動車室内フィルターなどとして有用である。
実施例3
(a1)合成繊維として、丸断面のポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー(株)製、18dtex×5mm)、(a2)熱接着性複合短繊維として、鞘部がイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレフタレート、芯部がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー(株)、鞘部融点150℃、5.5dtex×5mm)を混合比率が50/50重量%で100g/mとなるように、エアレイド法によりウェブを作成した。次に、このウェブに熱オーブンで170℃の熱風を吹き付け、エアレイドウェブの繊維間を熱融着させ、引き続き、一対の金属ローラー間で、170℃、線圧25kgf/cmで熱圧処理して、厚さが0.6mm、目付100g/mの(A)エアレイド不織布を作製した。
この複合不織布を用いて、実施例1と同様にして、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
実施例3のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、実施例1に較べてやや剛性が低いものの、実用上十分な剛性を有し、高通気性の特徴を有する粗塵フィルターとして有用であった。
比較例1
合成繊維として、三角断面のポリエチレンテレフタレート繊維(ユニチカファイバー(株)製、3.3dtex×5mm)、熱接着性複合短繊維として、鞘部がイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレフタレート、芯部がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維(帝人ファイバー(株)製、鞘部融点150℃、4.4dtex×5mm)を混合比率が50/50重量%で100g/mとなるように、エアレイド法によりウェブを作成した。次に、このウェブに熱オーブンで180℃の熱風を吹き付け、エアレイドウェブ間を熱融着させ、引き続き、一対の金属ローラー間で、170℃、線圧25kgf/cmで熱圧処理して、厚さが0.4mm、目付100g/mの(A)エアレイド不織布を作製した。
このようにして得られたエアレイド不織布の一方の面に、メルトブロー不織布として、ポリプロピレンからなる目付けが40g/mのメルトブロー不織布(実施例2に同じ)を、ホットメルトラミネート法でポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト接着剤(実施例2に同じ)を5g/m用いて、積層して複合不織布を作製した。複合不織布の総目付けは、145g/mであった。
この複合不織布を用いて、実施例1と同様にして、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1の複合不織布からなるエアフィルターは、捕集効率は高いものの、剛性が不充分でプリーツ加工性が不良であり、風圧によってプリーツ山倒れしやすいなど、実用上問題があった。
比較例2
合成繊維として、丸断面のポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー(株)、3.3dt×5mm)、熱接着性複合短繊維として、比較例1と同じものを使用し、混合比率60/40重量%で90g/mとなるようにエアレイドウェブを形成し、実施例1、比較例1と同一の条件で熱風処理、熱圧処理を加え、厚さが0.4mm、目付90g/mの(A)エアレイド不織布を作製した。
この不織布を用いて、剛性、通気性、集塵効率、プリーツ加工適性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2のエアレイド不織布からなるエアフィルターは、(a1)合成繊維が太繊度ではないので通気性が低いうえに、剛性が低いので、製品に加工しにくいなど実用上の問題があり、フィルターとして不適であった。

Figure 2008053741
本発明のエアフィルターは、家庭、工場、事務所などの空気清浄機器用濾材、自動車・列車・航空機などの外部空気取り入れ用、あるいは車内・機内空気清浄用のフィルターなどのほか、電気掃除機の集塵バッグやファイナルフィルターやマスクなどの用途に有用である。

Claims (7)

  1. (A)(a1)融点が160℃以上、単糸繊度が6〜40dtex、繊維長3〜15mmの合成繊維30〜70重量%と、(a2)熱接着性複合短繊維70〜30重量%[ただし、(a1)+(a2)=100重量%]を主体とするエアレイドウェブが熱圧処理され、JIS L1913に準拠して測定された剛性が10mm以下であるエアレイド不織布からなる高剛性を有するエアフィルター。
  2. (a1)合成繊維の単糸断面が、非円形で異型断面である請求の範囲1記載の高剛性を有するエアフィルター。
  3. (a1)合成繊維が繊維形成性ポリエステルからなる請求の範囲1または2記載の高剛性を有するエアフィルター。
  4. (A)エアレイド不織布の目付けが、50〜200g/mである請求の範囲1〜3いずれかに記載の高剛性を有するエアフィルター。
  5. (A)エアレイド不織布の少なくとも一方の面に、(B)メルトブロー不織布が複合・一体化されてなる、請求の範囲1〜4いずれかに記載の高剛性を有するエアフィルター。
  6. (B)メルトブロー不織布がポリプロピレンからなる請求の範囲5記載の高剛性を有するエアフィルター。
  7. (B)メルトブロー不織布の目付けが10〜60g/mである請求の範囲5または6に記載の高剛性を有するエアフィルター。
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