JPH09228219A - 繊維成形体 - Google Patents

繊維成形体

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JPH09228219A
JPH09228219A JP8031784A JP3178496A JPH09228219A JP H09228219 A JPH09228219 A JP H09228219A JP 8031784 A JP8031784 A JP 8031784A JP 3178496 A JP3178496 A JP 3178496A JP H09228219 A JPH09228219 A JP H09228219A
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JP
Japan
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fiber
fibers
molded body
melting point
fiber molded
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Application number
JP8031784A
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English (en)
Inventor
Masuki Fujimoto
倍己 藤本
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水洗いに対する速乾性や屈曲性に優れ、通気性
や透湿性が高くて快適な使用感を有する繊維成形体を提
供する。 【解決手段】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
あって、該繊維成形体は融点が他の繊維より低い熱可塑
性重合体R1からなる繊維Cを含み、繊維C相互間およ
び繊維Cと他の繊維との接触点の一部が接着し、さら
に、構成繊維の少くとも一部が繊維表面にシリコン系樹
脂を付与されてなり、本文中に記載する方法により測定
した含水率が350%以下であることを特徴とする繊維
成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用、寝装用、
家具用、こたつ用等のクッション体の詰め物材や衣料用
パッド、フィルター等の詰め物材として好適な繊維成形
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クッション材や詰め物材として
は、一般にポリウレタンなどの樹脂発泡体が主に使用さ
れてきた。しかし、樹脂発泡体は発泡時にフロンガスま
たはその代替ガスを使用し、燃焼時には有毒ガスを発生
するなど、環境面で問題があった。また、通気性や透湿
性が低く、蒸れやすいうえに、雨や水飛沫のあたる場所
に設置されたシートなどに用いると、透水性が低いため
に、シートにあたった雨や水飛沫が溜まり、シートの腐
食や着座時に水が滲みだして不快感を与えることがあっ
た。
【0003】これらの問題を解消する繊維詰め物材が、
特公昭62−2155号公報、特公平1−18183号
公報、特公平4−33478号公報、特開平3−140
185号公報などに提案されている。これらの繊維詰め
物材は、熱接着性の繊維として、低融点の繊維を使用し
たり、高融点の熱可塑性樹脂を芯部とし、低融点の熱可
塑性樹脂を鞘部とする、芯−鞘構造の複合繊維を使用す
ることにより、ある程度の成果をもたらしはしたがさら
に向上が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水洗
いに対する速乾性や屈曲性に優れ、通気性や透湿性が高
くて快適な使用感を有する繊維成形体を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維成形体は、
前記の課題を解決するために、次の構成を有する。
【0006】すなわち、2種以上の繊維で構成された繊
維成形体であって、該繊維成形体は融点が他の繊維より
低い熱可塑性重合体R1からなる繊維Cを含み、繊維C
相互間および繊維Cと他の繊維との接触点の一部が接着
し、さらに、構成繊維の少くとも一部が繊維表面にシリ
コン系樹脂を付与されてなり、本文中に記載する方法に
より測定した含水率が350%以下であることを特徴と
する繊維成形体である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の繊維成形体につい
て図面を参照しつつ、実施態様例を挙げながら詳細に説
明する。
【0008】本発明の繊維成形体は、2種以上の繊維で
構成された繊維成形体であって、融点が他の繊維より低
い熱可塑性重合体R1からなる繊維Cを含み、繊維C相
互間および繊維Cと他の繊維との接触点の一部が接着し
たものである。
【0009】熱可塑性重合体R1としては、例えばポリ
エステル系の場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、
エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンあるい
はオレフィン共重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレ
ート、ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポ
リヘキサメチレンテレフタレートイソフタレート等のポ
リエステルあるいは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポ
リマーから選ばれる、少なくとも一種類のポリマーを挙
げることができる。
【0010】これら熱可塑性重合体R1の融点は、繊維
成形体の製造において熱処理を施して熱融着するため、
繊維間の十分な熱接着性を得ることや必要以上に高温熱
処理を施すことを避けるために、その他の繊維に比べて
20℃以上低く、80〜170℃である成分が望まし
い。
【0011】また、繊維Cとしては、繊維成形体使用時
の圧縮や揉み作用によって微粉末化を避けるために、熱
可塑性重合体R1を表面側にして、R1より融点が20
℃以上高い熱可塑性重合体R2が芯側に複合された複合
繊維が好ましく、繊維間の十分な熱接着性を得ることや
繊維成形体の圧縮性、圧縮回復性、ソフト感を得るため
に、R1/R2で表される重量比が20/80〜60/
40の範囲の複合繊維(以下、複合繊維Cという)が好
ましい。
【0012】熱可塑性重合体R2は、特に限定されない
が、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジカルボン酸
成分とし、エチレングリコールもしくはテトラメチレン
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるい
は、ポリエチレン2,6−ナフタレートなどの線状ポリ
エステルがあげられる。このうちポリエチレンテレフタ
レート(通常のポリエステル)が好ましい。
【0013】また、上記の複合繊維Cがナイロン系の場
合は、例えば熱可塑性重合体R2がナイロン6で熱可塑
性重合体R1がナイロン6にナイロン6を共重合して融
点を低くしたものも等も使用可能である。
【0014】さらに、上記の複合繊維Cには、この他必
要に応じてR1、R2以外の重合体成分や、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料のほか、従来公知の抗酸
化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が、本来の機
能を喪失しないかぎり、複合や混合などにより添加する
ことができる。このような複合繊維Cは、複合紡糸によ
って製造することができる。
【0015】上記の繊維Cは、繊度が1〜30デニー
ル、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく用い
られる。1デニールより細い場合は、繊維と繊維の接触
点において、低融点成分である熱可塑性重合体R1の量
が相対的に少なくなり、熱接着による形態安定性が悪く
なることがある。30デニールを越えると、融点の高い
その他の繊維と複合繊維Cとの接触点および複合繊維C
の繊維間接触点が相対的に減少し、熱接着むらにより均
質な繊維成形体が得にくくなることがある。また、繊維
長が10mmより短いと、繊維間の絡合性が悪くなり、
繊維成形体を薄くした場合に形状を保持し難くなること
があり、100mmより長いと繊維が絡み合い過ぎて開
繊・混綿性が悪くなり、均一な密度の繊維成形体が得に
くくなることがある。
【0016】繊維Cの捲縮は、繊維成形体の用途によっ
て適宜選択すればよく、嵩高性、ソフト感、圧縮に対す
る回復性をよくするためには、捲縮数が3〜10山/2
5mm、捲縮度が5〜30%の範囲であることが好まし
い。
【0017】また、本発明の繊維成形体は、構成繊維の
少なくとも一部の繊維表面にシリコン系樹脂が付与され
ており、後記する含水率が350%以下であることを特
徴とする。シリコン系樹脂が付与された繊維Aは前記複
合繊維Cの表面にシリコン系樹脂が付与されたものであ
っても良いが、一般的に繊維の表面にシリコン系樹脂が
付与されたものは熱による接着性が低いため、好ましい
繊維構成はシリコン系樹脂が付与された繊維Aとシリコ
ン系樹脂が付与されていない繊維C、あるいはシリコン
系樹脂が付与された繊維Aとシリコン系樹脂が付与され
ていない繊維Cおよびシリコン系樹脂が付与されていな
い繊維Bの組み合わせである。
【0018】繊維Aや繊維Bは熱可塑性重合体R1の融
点より20℃以上高ければ特に限定されない。ポリエス
テルの他にも、例えば、6−ナイロン、66−ナイロ
ン、610−ナイロン、109−ナイロン、11−ナイ
ロン、12−ナイロン等のポリアミドを挙げることがで
きるが、なかでもポリエステルは圧縮特性(圧縮回復
性)、熱接着形態固定性に優れ、燃焼ガスの毒性が低
く、リサイクルできるなどの総合的な面で、好ましい材
料である。
【0019】繊維Aやその他の繊維Bとしては、繊度が
2〜30デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維
が好ましく用いられる。2デニールより細いと、繊維の
嵩が低くなったり、繊維成形体の密度のわりに圧縮に対
する抵抗が低くなり、かつ圧縮回復性も低下することが
ある。また、30デニールより太くなると、触感が粗硬
になることがある。また、繊維長が10mmより短い
と、繊維間の絡合性が悪くなり、繊維成形体を薄くした
場合に形状を保持し難くなることがあり、100mmよ
り長いと、開繊・混綿性が悪くなり、均一な密度の繊維
成形体を得にくくなることがある。
【0020】繊維Aやその他の繊維Bの捲縮は、繊維成
形体の用途によって適宜選択すればよく、嵩高性、ソフ
ト感、圧縮に対する回復性をよくするためには、捲縮数
が3〜10山/25mm、捲縮度が5〜30%の範囲で
あることが好ましい。
【0021】本発明の一つの目的である水洗いによる速
乾性の面では、後記する含水率が350%以下であるこ
とが重要である。350%を越えると繊維成形体使用用
途での水洗い時に取扱性が悪くなると同時に、乾燥速度
が遅いため水切れ性が悪く、水洗いコストが高くなって
好ましくない。含水率を350%以下にするためには、
繊維成形体の構成繊維に少なくともシリコン系樹脂を付
与され繊維Aを15重量%以上、より好ましくは30重
量%以上含ませることである。
【0022】前記繊維表面にシリコン系樹脂を付与する
方法としては、繊維Cとその他の繊維の混合物を熱処理
し、繊維C相互間および繊維Cとその他の繊維間を融着
して繊維成形体とした後、シリコン系の樹脂を付与し、
熱処理して固着させることもできるし、繊維A製造時に
シリコン系の樹脂を付与し、熱処理して固着させた繊維
Aを繊維成形体の構成繊維として使用し、繊維C相互間
および繊維Cとその他の繊維間を融着して繊維成形体と
することもできる。後者は加工コストとして安くなるた
めより好ましい方法である。
【0023】シリコン系樹脂付与量としては、水濡れに
よる水切れ性や水洗いによる速乾性およびコストの観点
から、たとえばジメチルポリシロキサンを主成分とする
シリコン樹脂を0.1〜2%owf程度付着させるのが
好ましい。
【0024】本発明の繊維成形体は、前記の繊維Cを2
0〜60重量%と繊維Aまたは繊維Aとその他の繊維B
の合計を80〜40重量%とすることが好ましい。繊維
Cが20重量%未満であると、繊維C相互間および繊維
Cとその他の繊維Bとの熱接着点が少なくなって形態安
定性が悪くなることがあり、60重量%以上では、繊維
成形体のソフト感が低下し、触感が粗硬になることがあ
る。
【0025】本発明の繊維成形体は、2種以上の繊維で
構成された繊維成形体であって、後述する方法により測
定した撓み量が5〜20cmであることが好ましい。5
cm未満では屈曲性不良で繊維成形体を詰め物として使
用した場合、その用途の構造体の変形に追従し難いた
め、皺が入る等の外観や機能を損なうことがあり、20
cmを越えると洗濯等でその用途の構造体を移動させる
場合の取扱い性が悪くなることがある。
【0026】図1は、本発明の繊維成形体の繊維配列の
一例を示す斜視図である。撓み量が5〜20cmの範囲
の繊維成形体とするためには、例えば繊維成形体の構成
繊維の多くが繊維成形体のある一方向断面(bdef)
に対してのみ繊維軸方向を略平行に配列して、該断面内
(bdef)でランダムな方向に配列させることによっ
て得られる。このような繊維成形体は詰め物材として使
用する場合の厚み方向、すなわち圧縮作用を受ける方向
に対して略平行に配列した繊維が多くなるように裁断・
成形して使用すると、例えばab線の方向を長尺方向と
したクッション体の詰め物材とすれば、クッション体の
長尺方向が曲げられた場合、中の詰め物材も容易に変形
する、つまり屈曲性の良好な繊維成形体が得られるので
ある。
【0027】さらに、構成繊維の多くが、繊維成形体の
厚み方向の断面(bdef)に対し繊維軸方向を略平行
に配列し、かつ繊維成形体の厚み方向の断面内(bde
f)でランダムな方向に配列するようにすることによ
り、屈曲性が良好であるにもかかわらず洗濯や使用によ
る耐久性が高く、透湿性や透水性が高くて、使用快適感
の高い繊維成形体が得られ、圧縮作用を受ける方向に対
して平行に配列した繊維が多くなることになり、圧縮回
復性や反発力を高める構造となる。
【0028】ここで、厚み方向の断面は、例えば図1の
ae線に沿った角度の面やab線に沿った角度の断面等
多数あるが、繊維が略平行に配列した厚み方向の断面
(bdef)はbe線に沿った角度の面のみで、この角
度の面に繊維が略平行に配列しているため、繊維成形体
を引張ったり、歪曲させると他の角度の面に比べて比較
的剥離しやすい角度の面のことである。
【0029】繊維成形体の屈曲性を高める繊維成形体構
造としては前記の繊維配列をもつものが好ましいが、そ
の他にも使用繊維を混綿・開繊し、カードでさらに混綿
・開繊してウエッブ状とし、製綿成形機で積層ウエッブ
とした後、該ウエッブを波状に折り畳んで、波の波高が
使用用途の厚みになるようにして使用繊維内の低融点繊
維で固定することによっても得られる。
【0030】次に、本発明の繊維成形体の好ましい製造
方法例について説明する。
【0031】図2は、本発明の繊維成形体の製造方法の
一例に用いられる装置の金型の縦断面図である。
【0032】前記繊維Aと繊維C、または繊維Aと、そ
の他の繊維Bおよび繊維Cとを、通常の紡績工程で使用
する給綿機、混綿機、開繊機によって、十分に混綿、開
繊し、目的に応じた形状の通気性型枠に送綿ファンによ
る空気流などの気体と共に吹き込んで充填する。
【0033】吹き込んで充填するためには、型枠は適度
の通気性を有するものを使用する。例えば、JIS L
1079−1966フラジール型通気性試験機により
測定した際においては、通気性は5〜200cc/cm
2 ・secの範囲が好ましい。
【0034】このような型枠としては、例えば、図2に
示すパンチング金属板を用いた金型1、2を用いること
ができる。通気性型枠内に吹込み口3から吹込まれた繊
維混合物4は、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配列
した状態となる。
【0035】次に、充填した繊維混合物を上金型2によ
り圧縮して、適当な密度にする。密度は、0.01〜
0.1g/cm3 であることが好ましい。密度が0.0
1g/cm3 未満では、繊維成形体がソフトすぎて形態
安定性が悪くなり、希望の形状に裁断、成形し難くなる
ことがある。0.1g/cm3 を越えると、繊維成形体
のソフト感が低下することがある。また、前記圧縮処理
は本発明の繊維成形体の繊維軸方向を使用する繊維成形
体の厚み方向の断面(bdef)に対し略平行に配列さ
せて、狙いの屈曲性を高める作用もある。
【0036】圧縮した充填物を熱処理して、複合繊維C
相互間および繊維Cと繊維Aやその他の繊維Bとの接触
点の一部を接着して形態を固定する。熱処理の温度は繊
維CのR1が溶融接着する温度であればよく、一般的に
は、80〜200℃が好ましい。
【0037】さらに、本発明は、複合繊維Cの熱可塑性
重合体R1の融点未満の温度下で、前記吹き込み充填後
の圧縮方向に対し垂直な2方向の内2方向または2方向
の内1方向に5〜80%の範囲で1回以上仕上げ2次圧
縮処理して本発明の繊維成形体とすことも好ましい。本
発明の繊維成形体は、圧縮弾力性、屈曲性、透湿性、透
水性の優れたものとするため、使用される用途の例えば
着座位や就寝位で圧縮作用を受ける方向の面に構成繊維
の多くの繊維軸方向を平行に配列する。そのためには、
前記繊維成形体製造時の2次圧縮処理方向が使用される
用途の例えば着座位や就寝位で圧縮作用を受ける方向、
つまりその用途の厚み方向とする。この場合、2次圧縮
処理によって繊維AのR1で溶融接着した不必要な接着
点をあらかじめ除去し、繊維成型体使用時のソフト感や
圧縮回復性を良好にする作用がある。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例を挙げてさ
らに具体的に説明する。本発明に記述した諸特性の測定
法は次の通りである。
【0039】(1)含水率 厚み7cm、幅80cm、長さ50cmの長方形の繊維
成形体試験片を2個準備し、まず自然状態(20℃×6
5%RH)で24時間放置後の重量(Wo)を測定す
る。その後水槽内に30分間浸漬し、幅方向が垂直方向
になるようにして取り出した状態で3分間後の重量
(W)を測定し、次式で含水率求めて2回の平均で表わ
した。
【0040】 含水率(%)=[(W−Wo)/W]×100 (2)撓み量 厚み5cm、幅10cm、長さ50cmの長方形の繊維
成形体試験片を3個準備し、水平な台上にのせ、試験片
をすべらせて台の端から長さ30cmだした状態で1分
間放置後、台の上面と試験片の先端の下面の高さの差
(撓み量mm)をスケールで読とり、3回の平均値で表
わした。
【0041】(3)繊度 JIS L1015−7−51Aの方法に準じて測定し
た。
【0042】(4)平均繊維長(カット長) JIS L1015A法(ステープルダイヤグラム法)
に準じて測定した。
【0043】(5)巻縮数および巻縮度 巻縮数および巻縮度はJIS L1015−7−12−
1およびJIS L1015−7−12−2の方法に準
じて測定した。
【0044】(6)充填密度 試験片(タテ:20cm、ヨコ:20cm、厚さ:20
cm)を20℃×65%RHの雰囲気中に24時間放置
した後の重量(w)を測定し、次式で求めた。 密度(g/cm3 )=w/8000 実施例1〜4および比較例1〜2 熱可塑性重合体R1としてイソフタル酸40モル%共重
合したポリエチレンテレフタレート系ポリエステルで極
限粘度0.55を用い、熱可塑性重合体R2として通常
のポリエチレンテレフタレートで極限粘度0.65を用
いて、紡糸温度285℃、引取り速度1350m/分、
重量比R1/R2を50/50とし、R1を鞘、R2を
芯とする芯鞘複合繊維を紡糸した。
【0045】次いで、該未延伸糸を延伸倍率3.0倍、
延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を付与
した。さらに、70℃の熱セッターで乾燥した後、仕上
げ油剤を付与して、カット長32mmに切断して、繊度
4.1デニール、表面層の融点が約110℃の複合短繊
維Cを得た。
【0046】これとは別に、極限粘度0.65のポリエ
チレンテレフタレートを用い、紡糸口金直下で非対象冷
却しながら紡糸し、延伸、機械巻縮を付与した後、市販
のジメチルポリシロキサンを主成分とするシリコン樹脂
液を噴霧器で均一に付着させ、熱処理、固着させてシリ
コン樹脂を付与された繊維Aとした。得られた繊維Aは
カット長32mm、繊度約6.2デニールの中空(中空
率38%)丸断面、巻縮数4.7山/25mm、巻縮度
24.6%で、シリコン樹脂の付着量は繊維重量当たり
(owf)約0.7%であった。
【0047】また、シリコン樹脂を付与されていない繊
維Bとしては、繊維A製造時にシリコン樹脂液を噴霧し
ないでカット長32mm、繊度約6.2デニールの中空
(中空率38%)丸断面、巻縮数4.6山/25mm、
巻縮度25.1%の短繊維および、カット長32mm、
繊度約13.1デニールの中空(中空率31%)丸断
面、巻縮数4.1山/25mm、巻縮度22.0%の短
繊維の2種類製造した。得られた繊維A、繊維B、繊維
Cを表1に示す混綿割合いで混綿し、ローラカードでさ
らに混綿・開繊し、繊維混合物を得た。この繊維混合物
を、図1の金型の吹込口3から、各面にパンチングが施
された、内面の幅×長さ×深さが100×100mm1
00cmの下金型1に、空気流と共に吹き込んだ後、各
面にパンチングが施された上金型2で吹き込まれた繊維
混合物4を圧縮して、深さ50cmの目標の密度まで圧
縮し固定した。金型に圧縮固定した繊維混合物4を、通
常、紡績糸のセットに使用するヒートセッターを用い
て、蒸熱130℃×25分間熱セットし、複合繊維Cと
繊維AやBとの接触点および複合繊維C間の接触点で熱
接着した繊維成形体を得た。
【0048】実施例1は繊維Aを10重量%、6.2デ
ニールの繊維Bを50重量%、繊維Cを40重量%使用
したもの、実施例2は繊維Aを15重量%、6.2デニ
ールの繊維Bを45重量%、繊維Cを40重量%使用し
たもの、実施例3は繊維Aを30重量%、6.2デニー
ルの繊維Bを30重量%、繊維Cを40重量%使用した
もの、実施例4は繊維Aを40重量%、6.2デニール
の繊維Bを20重量%、繊維Cを40重量%使用したも
ので、表1に示すように、本発明の繊維成形体は、含水
率が348〜109%と水切れ性や乾燥性に優れ、撓み
量も7.8〜20.6cmで屈曲性のある繊維成形体で
あった。さらに、通気性や透湿性が高くて快適な使用感
を発揮する繊維成形体であった。
【0049】これに対し、比較例1は6.2デニールの
繊維Bを60重量%と繊維Cを40重量%使用したも
の、比較例2は13.1デニールの繊維Bを60重量%
と繊維Cを40重量%使用したもので、表1に示す如
く、通気性や透湿性が高くて快適な使用感を発揮する繊
維成形体ではあるが、いずれもシリコン樹脂を付与した
繊維Aが含まれず、含水率が391〜357%と水切れ
性や乾燥性に劣るもので、撓み量も4.9〜4.5cm
でやや屈曲性に欠ける繊維成形体であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、水洗いに対する速乾性
や屈曲性に優れ、通気性や透湿性が高くて快適な使用感
を有する繊維成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック形状繊維成形体の一例を示す
斜視図である。
【図2】本発明の繊維成形体の製造装置の一例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1: 下金型 2: 上金型 3: 気体の吹き込み口 4: 繊維混合物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
    あって、該繊維成形体は融点が他の繊維より低い熱可塑
    性重合体R1からなる繊維Cを含み、繊維C相互間およ
    び繊維Cと他の繊維との接触点の一部が接着し、さら
    に、構成繊維の少くとも一部が繊維表面にシリコン系樹
    脂を付与されてなり、本文中に記載する方法により測定
    した含水率が350%以下であることを特徴とする繊維
    成形体。
  2. 【請求項2】熱可塑性重合体R1の融点が、他の繊維の
    融点より20℃以上低く、かつ、80〜170℃である
    ことを特徴とする請求項1に記載の繊維成形体。
  3. 【請求項3】繊維Cが、熱可塑性重合体R1を表面側に
    して、R1より融点が20℃以上高い熱可塑性重合体R
    2が芯側に複合され、かつ、R1/R2で表される重量
    比が20/80〜60/40の範囲である複合繊維であ
    って、該複合繊維を20〜60重量%含んでいることを
    特徴とする請求項1または2に記載の繊維成形体。
  4. 【請求項4】繊維成形体の構成繊維の多くが繊維成形体
    の一方向の断面(bdef)に対し繊維軸方向を略平行
    に配列して、該断面内でランダムな方向に配列した繊維
    成形体であって、該繊維成形体は本文中に記載する方法
    により測定した撓み量が5〜20cmであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維成形体。
  5. 【請求項5】シリコン系樹脂が、ジメチルポリシロキサ
    ンを主成分とするものであることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の繊維成形体。
  6. 【請求項6】シリコン系樹脂の付着量が、0.1〜2%
    owfであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の繊維成形体。
  7. 【請求項7】構成繊維の繊度が2〜30デニールである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維
    成形体。
  8. 【請求項8】構成繊維がいずれもポリエステルであるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の繊維成
    形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007308831A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Teijin Fibers Ltd 繊維クッション材およびその製造方法
WO2008053741A1 (fr) * 2006-10-30 2008-05-08 Kinsei Seishi Co., Ltd. Filtres à air à rigidité élevée

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