JPWO2008041697A1 - 塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子は、一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂ラテックスに、水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を含み乾燥された凝集体粒子であり、前記凝集体粒子は前記一次粒子が集合して形成されており、前記凝集体粒子の平均粒子径は5μm〜40μmの範囲である。これにより、布地に対して無浸透性を示すプラスチゾルの原料となるペースト用塩化ビニル樹脂凝集体粒子及びその製造方法を提供する。
Description
本発明は、塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、布地に対して無浸透性のあるペースト加工用塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子及びその製造方法に関する。
塩化ビニル樹脂で被覆したシート、手袋、袋等は、機械的強度が強く、耐摩耗性、耐薬品性、耐油性に優れ、水産業、農業、鉱業等の広い分野に使用されている。
従来から、塩化ビニル樹脂を布地に被覆する製品は、カレンダー、押出機、射出機等で成形された塩化ビニル樹脂の溶融体を布地に流延するか、或いは、塩化ビニル樹脂をジオクチルフタル酸等の可塑剤と配合したプラスチゾルを、布地にスプレー塗布や浸漬することによって、製造されている。薄肉の塩化ビニル樹脂をコーティングした製品、例えば、手袋、袋物等を高生産速度で自動的に生産するには、溶融体を流延する方法より、プラスチゾルを用いたスプレー塗布や浸漬方法が、経済的に有利である。
スプレー塗布、浸漬方法の場合、プラスチゾルは、粘調な液体であるので、これを布地に塗布、浸漬すると、布地の中にプラスチゾルが浸透し、布地裏面まで浸透してしまったり、プラスチゾルを加熱処理した場合でも、ゲル化溶融体が布地裏面へ浸透してしまうことがある。プラスチゾルやこの溶融体が布地裏面に浸透すると、製品の柔軟性が著しく劣り、製品機能を損ねてしまう。特に、手袋に使用する場合は、局所的な浸透であっても、使用者に不快感を与え、製品価値が劣ってしまう。
布地に対するプラスチゾルの浸透を防止する方法として、布地を前処理する方法、プラスチゾルの粘度的な性質を改良する方法が提案されているが、いずれも不十分である。
水溶性高分子を添加しスプレー乾燥する方法(特許文献1)があるが、水溶性高分子を添加することによって、ラテックスの粘度が上昇し、スプレー乾燥のノズルの詰まり等が発生する。
ペースト用塩化ビニル樹脂を自己発熱型の高速回転混合機で、60〜110℃で熱処理し、融着凝集する方法(特許文献2)があるが、不均一に熱処理され、布地への非浸透性の改善には至っていない。
また、塩化ビニル樹脂の懸濁重合体を深冷粉砕して、樹脂粒径分布を調整し、粒子にある程度の強度をもたせる方法(特許文献3)が提案されているが、非浸透性には不十分である。
特開昭48−16946号公報
特公昭46−7177号公報
特公平2−40692号公報
本発明は、前記従来の問題を解決するため、布地に対して無浸透性のペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子に適した塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子及びその製造方法を提供する。
本発明の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子は、一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂ラテックスに、水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を含み乾燥された凝集体粒子であり、前記凝集体粒子は前記一次粒子が集合して形成されており、前記凝集体粒子の平均粒子径は5μm〜40μmの範囲であることを特徴とする。
本発明の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子の製造方法は、一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂ラテックスに、水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を添加し、前記塩化ビニル樹脂の凝集体粒子を含む混合水溶液とし、前記混合水溶液を噴霧乾燥することにより、平均粒子径5μm〜40μmの凝集体粒子を得ることを特徴とする。
本発明は、一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂と、水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を含み、前記凝集体粒子は前記一次粒子が集合して形成されており、前記凝集体粒子の平均粒子径は5μm〜40μmの範囲であることにより、布地に対して無浸透性のあるペースト加工用塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子を提供できる。また本発明は、塩化ビニル樹脂のラテックスと、水溶性高分子及び/又は水溶性電解質を噴霧直前に混合し、直ちに噴霧乾燥することによって、布地に対して無浸透性のあるペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子を、効率よく製造することができる。この方法は、とくに量産化する際に好適である。
さらに本発明は、一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂ラテックスに、ノニオン性界面活性剤(A)及び塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックス(B)から選ばれる少なくとも1成分と、水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を含み乾燥された凝集体粒子であり、前記凝集体粒子は前記一次粒子が集合して形成されており、前記凝集体粒子の平均粒子径は5μm〜40μmの範囲であることにより、布地に対して無浸透性のペースト加工用塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子を提供できる。
本発明の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子は、布地に対して無浸透性のペースト加工用塩化ビニル樹脂となる。また、このペースト加工用塩化ビニル樹脂は、微細懸濁或いは乳化重合で得られた塩化ビニル樹脂の基本粒子を、ラテックス中で、特定のノニオン性界面活性剤又は塩化ビニル重合体以外の重合体粒子を存在させ、その後に特定の凝集剤で凝集させることで、流動性のある凝集粒子を得、且つこれを噴霧乾燥することによって得られる。なお、本明細書において「布地」とは、織物、編物、不織布など繊維を使用したシート状物をいう。
本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単量体、又は塩化ビニル単量体と、これと共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で、乳化剤、必要に応じて、高級アルコール、高級脂肪酸などの分散助剤、更に油溶性重合開始剤を加えて均質化した後、微細懸濁重合するか、水溶性開始剤を加えて乳化重合、播種乳化重合する等により得られる。
本発明における塩化ビニル樹脂の一次粒子の平均粒子径は、通常0.1〜2.0μmの微粒子の水性均質分散液(ラテックス)であるが、本発明の目的を奏するものであれば、この範囲に限定されない。重合の安定性の観点からは0.1μm〜1.7μmが好ましく、0.1〜1.4μmがより好ましい。
塩化ビニル単量体とこれと共重合し得る単量体は、特に限定されるものではないが、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニリデン等のビニリデン類、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びその酸無水物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチルベンジル等の不飽和カルボン酸エステル類、スチレン、αーメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、更にはジアリルフタレート等の架橋性モノマー等の、塩化ビニルと共重合可能な全ての公知の単量体が使用できる。これらの単量体の使用量は、塩化ビニルとの混合物中50重量%未満であるのが好ましい。
重合に用いられる乳化剤は特に限定されるものではないが、アニオン性界面活性剤が通常単量体100重量部当たり0.1〜3重量部程度用いられる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルエーテルリン酸エステル等のカリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が挙げられる。
重合に用いる油溶性開始剤としては、ジラウロイルパーオキサイド、ジ−3,5,5,トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物開始剤及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤を用いることができる。乳化重合に用いる水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素水等を用い、必要に応じて、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート2水塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等の還元剤を併用することができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
本発明に用いられる凝集剤は、水溶性高分子及び無機塩(電解質)から選ばれる少なくとも一つのである。すなわち、水溶性高分子、無機塩(電解質)又は水溶性高分子と無機塩(電解質)の組み合わせである。
水溶性高分子としては、合成高分子では、アクリロイル基含有モノマー(共)重合体[ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)及びポリ(メタ)アクリレート等]、ビニル(共)重合体[ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシル基含有ビニル(共)重合体(ポリ酢酸ビニル等)及びポリスチレンスルホン酸(塩)等]、ポリアミジン、ポリエチレンオキサイド及びポリエチレンイミン等である。天然高分子としては、多糖類(デンプン、デキストリン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、アラビアゴム、キサンタンガム、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガント、キチン、キトサン、プルラン及びアルギン酸塩等)、及び蛋白質(ゼラチン、カゼイン及びコラーゲン等)等である。半合成高分子としては、セルロースエーテル(メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアンエチルセルロース、アミノエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシエチルセルロース等)及びデンプン誘導体(可溶性デンプン、メチルデンプン及びカルボキシメチルデンプン等)等、が挙げられる。これらの水溶性高分子は単独で添加しても良いし、2種以上の組み合わせて添加しても良い。
水溶性高分子の添加量としては、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部が好ましく、更には、0.1重量部〜2重量部が好ましい。前記の範囲であれば、無浸透性がさらに高く、スラリー粘度を好適な範囲に保ち、流動性をもったスラリーを得ることができ、送液ラインやノズルの通過性が良く、噴霧乾燥も良好にできる。
電解質は、具体的にはNa+、K+、Mg2+、Ca2+、Al3+、H+などや、Cl-、Br-、SO4 2-、SO3 2-、NO2 -、NO3 -、PO4 3-、CO3 2-、OH-などのイオンに解離する化合物などがあげられる。前記電解質を得るための無機塩としては、NaCl、KCl、Na2SO4、CaCl2、AlCl3などがあげられる。添加量としては塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。更には、0.3〜3重量部が好ましい。電解質の添加量が前記範囲であれば、凝集粒子が得やすく、無浸透性がさらに好ましく、噴霧乾燥も良好にできる。
電解質の中でも、Na+のような1価の金属イオンをもつ硫酸ナトリウムは、流動性のあるスラリーを得る点で好ましい。2価、3価の金属塩も使用可能であるが、ラテックスの安定性が低下する場合があり、注意を要する。
凝集剤である水溶性高分子と電解質の塩化ビニル樹脂ラテックスへの添加形態は、固体、水溶液のいずれもかまわないが、分散の点で、水溶液の形態が好ましく、更には、攪拌するラテックス中へ添加することが好ましい。水溶性高分子と電解質のラテックスへの添加は、塩化ビニル樹脂の乳化重合後半、或いは、重合終了後に添加するのが好ましい。凝集剤を添加する時のラテックスの温度は、凝集剤混合後の混合物の粘度が高くならない範囲で選定すればよい。
本発明においては、凝集剤を添加する前に、さらにノニオン性界面活性剤を添加するのが好ましい。ノニオン性界面活性剤は、凝集粒子を効率よく製造するのに寄与する。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤を添加する場合、その添加時期は、凝集剤である水溶性高分子及び無機塩(電解質)の添加前に加えておくのが好ましい。こうすることで、スラリー濃度が35重量%以上と高くてもその流動性が保たれ、ポンプ輸送が可能になる。
ノニオン性界面活性剤の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲である。好ましくは、0.05〜0.5重量部である。さらに好ましくは0.15〜0.35重量部である。前記の範囲であれば、凝集粒子の生産性が向上する。
本発明に用いられる塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックスは、無浸透性向上剤としての機能がある。塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックスとしては、(メタ)アクリル酸エステル系単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックスの添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、含有される重合体が1〜10重量部の範囲が好ましい。前記の範囲であれば、布地に対する無浸透性効果をさらに高くすることができる。
上記凝集したスラリーは熱処理するのが好ましい。熱処理することで凝集した粒子が強固に融着し、凝集粒子はより無浸透性を発現しやすい構造となる。熱処理温度は、塩化ビニル重合体のガラス転移温度(約80℃)(Polymer Handbook、3rd edition、V/63頁及びVI/222頁参照)以上である。好ましくは、95〜150℃である。より好ましくは、110〜145℃である。熱処理時間は1〜120分の範囲が好ましい。より好ましくは、5〜30分の範囲である。
上記で熱処理されたスラリーは、そのまま噴霧乾燥機にて乾燥され、ペースト加工用塩化ビニル樹脂を得ることができる。
本発明で用いられる噴霧乾燥機としては、アトマイザー(噴霧器)として、加圧ノズル(一流体ノズル)、二流体ノズル、回転円盤式(ディスク式)等を備えた噴霧乾燥機が使用される。
乾燥は常圧で熱風乾燥するのが好ましい。供給する熱風の温度は、ペースト用塩化ビニル樹脂の乾燥に使用される一般的な温度で、100〜220℃の範囲であり、乾燥機出口の温度は通常50〜100℃の範囲である。乾燥時間(乾燥機滞留時間)は20〜180秒が好ましい。
噴霧乾燥によって得られる噴霧乾燥粒子の平均粒子径は、ノズル式の乾燥機では、ノズル径、ラテックスまたはスラリーの供給量、供給空気量、固形分濃度等で調整され、回転円盤式の乾燥機では、回転円盤の回転数、ラテックスまたはスラリーの供給量、固形分濃度等で、調整される。噴霧乾燥で得られる塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は一般的に5〜120μmの範囲で調整される。このようにして得られた噴霧乾燥粒子は、平均粒子径が5〜40μmの範囲にあれば、そのまま製品(凝集体粒子)にすることができる。
噴霧乾燥で得られた粒子は、公知の方法で粉砕して使用することもできる。粉砕機としては、ローラーミル、高速回転粉砕機、ボールミル、気流式粉砕機を使用することができる。
凝集体粒子(以下「樹脂粒子」とも言う。)の平均粒子径が小さすぎると、プラスチゾルの粘度が高くなる。一方、平均粒子径が大きすぎると、プラスチゾル中の粗粒が増え、時間の経過とともにそれらが沈降し、混合が必要になる。この観点からすると、樹脂粒子の平均粒子径は5μm〜40μmの範囲であり、好ましくは5μm〜30μmの範囲である。過度に粉砕を施した場合、無浸透性については、好ましい結果は得られない傾向となる。
本発明の塩化ビニル樹脂粒子は、粒子内部に適度の空間を有していることが好ましく、最少可塑剤量が50重量部以上であることが好ましい。
噴霧乾燥機にて乾燥したペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子は、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等の可塑剤を混合し、更には、炭酸カルシウムなどの充填剤、発泡剤、安定剤、減粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、表面処理剤、チキソトロープ剤、接着性付与剤等を必要に応じて適当量用い、これらを混合、混練して、ペースト加工用塩化ビニル樹脂組成物(プラスチゾル)を得る。
一般に、布地にプラスチゾルを塗布、あるいは浸漬して得られるシート、手袋、袋等、はその製品の柔軟性を良くするために、可塑剤は塩化ビニル樹脂100重量部に対して、80〜160重量部と多量に用いられる。可塑剤量が多いほど、布地の裏面への浸透が起こりやすくなることは明らかであるが、本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子は、高部数の可塑剤配合でも布地の裏面への浸透は起こらない。
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例になんら限定されるものではない。下記の実施例、比較例において、単に「%」、「部」と記載されているのは各々「重量%」、「重量部」を意味する。
(1)一次粒子、凝集体粒子、噴霧粒子の平均粒子径
マイクロトラックHRA MODEL9320−X100(日機装株式会社)を用いて、粒子径分布を測定し、体積基準の中位径をもって、平均粒子径とした。測定条件としては、温度25℃、物質情報は透明で屈折率1.51、球形粒子のチェックはなし、キャリアーは水を用い屈折率は1.33とした。またSET ZERO 10秒、計測10秒、DRY CUT計算なしとした。
マイクロトラックHRA MODEL9320−X100(日機装株式会社)を用いて、粒子径分布を測定し、体積基準の中位径をもって、平均粒子径とした。測定条件としては、温度25℃、物質情報は透明で屈折率1.51、球形粒子のチェックはなし、キャリアーは水を用い屈折率は1.33とした。またSET ZERO 10秒、計測10秒、DRY CUT計算なしとした。
(2)無浸透性評価
ペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子100重量部に対して、可塑剤(ジオクチルフタレート)140重量部、安定剤(旭電化(株)製商品名“SC73”)を3重量部配合し、室温で石川式擂潰機にて10分間混合脱泡することによって、プラスチゾルを得た。布地に対する浸透試験は、木綿糸29.5番(綿番手)を使用したニット(両面2段スムース丸編)、24ゲージ、1インチ37目、目付け216g/m2の布上に、上記プラスチゾルを約3mm厚みに、室温で流延コーティングし、直ちに180℃の熱風循環炉に入れ、3分間加熱処理してゲル溶融させた後、溶融体の布地裏面への浸透有無を調べるゲル化溶融浸透試験を行った。
ペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子100重量部に対して、可塑剤(ジオクチルフタレート)140重量部、安定剤(旭電化(株)製商品名“SC73”)を3重量部配合し、室温で石川式擂潰機にて10分間混合脱泡することによって、プラスチゾルを得た。布地に対する浸透試験は、木綿糸29.5番(綿番手)を使用したニット(両面2段スムース丸編)、24ゲージ、1インチ37目、目付け216g/m2の布上に、上記プラスチゾルを約3mm厚みに、室温で流延コーティングし、直ちに180℃の熱風循環炉に入れ、3分間加熱処理してゲル溶融させた後、溶融体の布地裏面への浸透有無を調べるゲル化溶融浸透試験を行った。
評価は、布の裏側に目視でゲルが浸透していなければA、若干浸透していればB、ゲルが布の裏まで浸透していればC、の三段階評価とした。
(3)剥離性評価
前記(2)でAの評価を得たサンプルのゲル化物を布からはがし、次の基準によって判定した。なお測定面積は4cm2(縦横各2cmの正方形)とした。
AA:ゲル化物が布に0.03g未満残った。
A:ゲル化物が布に0.03g以上残った。
前記(2)でAの評価を得たサンプルのゲル化物を布からはがし、次の基準によって判定した。なお測定面積は4cm2(縦横各2cmの正方形)とした。
AA:ゲル化物が布に0.03g未満残った。
A:ゲル化物が布に0.03g以上残った。
(4)プラスチゾル粘度測定
プラスチゾルを25℃の恒温水槽に1時間漬けた後に、ブルックフィールド型粘度計(TOKIMEK製)を用い、No.3スピンドルV12の測定開始1分後の値を読み取ってプラスチゾル粘度とした。
プラスチゾルを25℃の恒温水槽に1時間漬けた後に、ブルックフィールド型粘度計(TOKIMEK製)を用い、No.3スピンドルV12の測定開始1分後の値を読み取ってプラスチゾル粘度とした。
(実施例1)
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液と10重量%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体及び追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90%であった。また得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.35μmであった。
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液と10重量%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体及び追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90%であった。また得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.35μmであった。
塩化ビニル樹脂の固形分濃度が30重量%になるように、重合ラテックスにイオン交換水を添加した。この時の混合物の温度は60℃であった。次に、塩化ビニル樹脂に対して、硫酸ナトリウム1重量部を10重量%水溶液として添加し、次いで、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製商品名“ゴーセノールKH−17”:ケン価度約80mol%)0.5重量部を3重量%水溶液として添加した。これにより平均粒子径20μmの凝集粒子(凝集剤添加後で乾燥前のラテックスに関するもの。)が得られ、この凝集剤添加後のラテックスを図3に示す二流体ノズル式噴霧乾燥機を用いて、供給する温風入口温度180℃、出口温度71℃の条件で乾燥した。乾燥機滞留時間は100秒であった。得られた塩化ビニル樹脂粒子を含む凝集体粒子(ラテックス乾燥後の樹脂に関するもの。尚、凝集体粒子と定義する場合、乾燥方法を問わない。)の平均粒子径は、6μmであった。
得られた凝集体粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)1000倍の写真を図1に示す。凝集体粒子は不定形であった。図2はSEM10000倍の写真である。凝集体粒子であることが確認できる。一次粒子(基本粒子)同士は独立しており、融着はしていなかった。
流動性をもったラテックスの評価として、凝集剤添加後のラテックス粘度を室温で測定した。表1に凝集剤の添加部数と、同添加後の混合物の粘度、乾燥粒子径、表2に浸透試験結果、粘度の経時変化を示す。
(実施例2)
水溶性高分子として、メチルセルロース(信越化学工業(株)メトローズSM−400)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
水溶性高分子として、メチルセルロース(信越化学工業(株)メトローズSM−400)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
(実施例3)
硫酸ナトリウムを添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
硫酸ナトリウムを添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
(実施例4)
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、ラウリル硫酸ナトリウム20g、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液と10重量%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体及び追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90重量%であった。また得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.15μmであった。
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、ラウリル硫酸ナトリウム20g、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液と10重量%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体及び追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90重量%であった。また得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.15μmであった。
塩化ビニル樹脂の固形分濃度が30重量%になるように、重合ラテックスにイオン交換水を添加した。この時の混合物の温度は60℃であった。次に、塩化ビニル樹脂に対して、硫酸ナトリウム1重量部を10重量%水溶液として添加し、次いで、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製商品名“ゴーセノールKH−17”:ケン価度約80mol%)0.5重量部を3重量%水溶液として添加した。これにより平均粒子径20μmの凝集粒子が得られ、この凝集剤添加後のラテックスを図3に示す二流体ノズル式噴霧乾燥機を用いて、供給する温風入口温度180℃、出口温度71℃の条件で乾燥した。得られた塩化ビニル樹脂粒子を含む凝集体粒子の平均粒子径は、20μmであった。
(実施例5)
ニ流体ノズルを取り替えて、噴霧粒子径を変えたほかは実施例1と同様の操作を行い評価した。
ニ流体ノズルを取り替えて、噴霧粒子径を変えたほかは実施例1と同様の操作を行い評価した。
(実施例6)
比較例4で得られた樹脂粒子をバンタムミルで粉砕した。得られた塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、10μmであった。
比較例4で得られた樹脂粒子をバンタムミルで粉砕した。得られた塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、10μmであった。
(実施例7)
水溶性高分子のポリビニルアルコールの添加をしないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
水溶性高分子のポリビニルアルコールの添加をしないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
(実施例8)
噴霧装置を回転ディスクに取り替えたほかは実施例1と同様の操作を行い評価した。調整したプラスチゾルを25℃で一日保管したところ、容器の底に粗粒が分離し、沈降していた。しかし、混合すれば再使用できるレベルにあった。
噴霧装置を回転ディスクに取り替えたほかは実施例1と同様の操作を行い評価した。調整したプラスチゾルを25℃で一日保管したところ、容器の底に粗粒が分離し、沈降していた。しかし、混合すれば再使用できるレベルにあった。
(実施例9)
噴霧装置を回転ディスクに取り替えたほかは実施例1と同様の操作を実施し、平均粒子径30μmの乾燥粒子を得た。これをマイクロバンタムミルAP−Bを用いて粉砕し、平均粒子径15μmの塩化ビニル樹脂粒子を得て、これを評価した。
噴霧装置を回転ディスクに取り替えたほかは実施例1と同様の操作を実施し、平均粒子径30μmの乾燥粒子を得た。これをマイクロバンタムミルAP−Bを用いて粉砕し、平均粒子径15μmの塩化ビニル樹脂粒子を得て、これを評価した。
(実施例10)
回転ディスクの回転数を変更したほかは実施例9と同様の操作を実施し、平均粒子径100μmの乾燥粒子を得た。これをマイクロバンタムミルAP−Bを用いて粉砕し、平均粒子径25μmの塩化ビニル樹脂粒子を得て、これを評価した。
回転ディスクの回転数を変更したほかは実施例9と同様の操作を実施し、平均粒子径100μmの乾燥粒子を得た。これをマイクロバンタムミルAP−Bを用いて粉砕し、平均粒子径25μmの塩化ビニル樹脂粒子を得て、これを評価した。
(比較例1)
水溶性高分子のポリビニルアルコール、電解質のボウ硝を添加しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
水溶性高分子のポリビニルアルコール、電解質のボウ硝を添加しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い評価した。
(比較例2)
実施例6で得られた樹脂粒子をジェットミルで粉砕した。しかし、得られた粒子は細かすぎ、無浸透性評価は劣っていた。
実施例6で得られた樹脂粒子をジェットミルで粉砕した。しかし、得られた粒子は細かすぎ、無浸透性評価は劣っていた。
(比較例3)
実施例1で重合して得られた塩化ビニル樹脂のラテックスに、硫酸バンド1重量部を添加し、次いで、ポリビニルアルコールを0.5重量部添加した。ラテックス全体が凝固してしまい、噴霧乾燥機に供給することができず、噴霧乾燥によるサンプルを得ることができなかった。
実施例1で重合して得られた塩化ビニル樹脂のラテックスに、硫酸バンド1重量部を添加し、次いで、ポリビニルアルコールを0.5重量部添加した。ラテックス全体が凝固してしまい、噴霧乾燥機に供給することができず、噴霧乾燥によるサンプルを得ることができなかった。
(比較例4)
噴霧装置の回転数を下げた他は実施例8と同様の操作を行い評価した。調整したプラスチゾルを25℃で一日保管したところ、容器の底に多量の粗粒が分離し、沈降していた。また、無浸透性は表に示すようにCランクであった。
噴霧装置の回転数を下げた他は実施例8と同様の操作を行い評価した。調整したプラスチゾルを25℃で一日保管したところ、容器の底に多量の粗粒が分離し、沈降していた。また、無浸透性は表に示すようにCランクであった。
表1−2に示すとおり、本発明の実施例1〜10は無浸透性評価が高く、プラスチゾル粘度特性も高かった。
(実施例11)
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1wt%亜硫酸ナトリウム水溶液と10wt%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体および追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90wt%であった。得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.35μmであった。また、ラテックスの固形分濃度は46wt%であった。
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1wt%亜硫酸ナトリウム水溶液と10wt%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体および追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90wt%であった。得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.35μmであった。また、ラテックスの固形分濃度は46wt%であった。
次に、このラテックスに、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、硫酸ナトリウム1重量部を10wt%水溶液として添加した。
次に、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製:ゴーセノールKH−17:ケン価度約80mol%)の3wt%水溶液を調製した。
両者を図4に示すニ液混合型の二流体式噴霧ノズル(株式会社アトマックス製、CNW200)を取り付けた噴霧乾燥機(供給する温風入口温度180℃、出口温度71℃の条件)に、流体(ラテックスと電解質水溶液)31は54kg/hr(47リットル/hr)、水溶性高分子水溶液33は3.6kg/hrの供給速度で供給し、二流体ノズル内の滞留時間は0.15sec以下となるようにした。二流体式噴霧ノズルから噴霧された粒子は噴霧乾燥機で乾燥した。得られた塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、65μmであった。
一次粒子は、図6に示すとおり不定形であった。図7は倍率を上げたものであるが、基本粒子同士は独立しており、融着していなかった。図6は、本実施例で得られた凝集体粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)1000倍の写真であり、図7は、同SEMの10000倍の写真である。
得られた樹脂粒子を、ホソカワミクロン株式会社製マイクロバンタムミルAP−B型粉砕機で粉砕した。得られた樹脂粒子の平均粒子径は10μmであった。
表3に乾燥粒子径、粉砕粒子径、無浸透性評価結果を示す。
(実施例12)
水溶性高分子として、メチルセルロース(信越化学工業(株)メトローズSM−400)を用いた以外は、実施例11と同様の操作を行い評価した。
水溶性高分子として、メチルセルロース(信越化学工業(株)メトローズSM−400)を用いた以外は、実施例11と同様の操作を行い評価した。
(実施例13)
硫酸ナトリウムを添加しない以外は、実施例11と同様の操作を行い評価した。
硫酸ナトリウムを添加しない以外は、実施例11と同様の操作を行い評価した。
(実施例14)
アトマイザーを図4に示す回転円盤式に替えたほかは。実施例11と同じ方法で乾燥樹脂粒子を得た。円盤の直径は84mm、回転数は15000rpm、流体(ラテックスと電解質水溶液)31は54kg/hr(47リットル/hr)、水溶性高分子水溶液33は3.6kg/hrの供給速度で供給した。両液の回転円盤上の滞留時間は1sec以下であった。得られた塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、60μmであった。これをホソカワミクロン株式会社製マイクロバンタムミルAP−B型粉砕機で粉砕した。得られた樹脂粒子の平均粒子径は8μmであった。
アトマイザーを図4に示す回転円盤式に替えたほかは。実施例11と同じ方法で乾燥樹脂粒子を得た。円盤の直径は84mm、回転数は15000rpm、流体(ラテックスと電解質水溶液)31は54kg/hr(47リットル/hr)、水溶性高分子水溶液33は3.6kg/hrの供給速度で供給した。両液の回転円盤上の滞留時間は1sec以下であった。得られた塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、60μmであった。これをホソカワミクロン株式会社製マイクロバンタムミルAP−B型粉砕機で粉砕した。得られた樹脂粒子の平均粒子径は8μmであった。
(比較例5)
ラテックスに硫酸ナトリウム1部、PVAを0.5部、混合後の樹脂固形分濃度が40wt%になるように各水溶液を添加、混合したところ、急速に“おから”状(流動化しにくい状態)になりアトマイザーまで送液できなかった。このことから、量産化においては、前記各成分の水溶液を噴霧直前に混合する必要があることが確認できた。
ラテックスに硫酸ナトリウム1部、PVAを0.5部、混合後の樹脂固形分濃度が40wt%になるように各水溶液を添加、混合したところ、急速に“おから”状(流動化しにくい状態)になりアトマイザーまで送液できなかった。このことから、量産化においては、前記各成分の水溶液を噴霧直前に混合する必要があることが確認できた。
(参考例1)
ラテックスに硫酸ナトリウム1部、PVAを0.5部、混合後の樹脂固形分濃度が20wt%になるように各水溶液を添加、混合したところ、流動性のあるスラリーが得られた。これを実施例14の乾燥機で処理し、粉砕したところ、平均粒子径7μmの樹脂粒子が得られた。この粒子は良好な無浸透性を示した。
ラテックスに硫酸ナトリウム1部、PVAを0.5部、混合後の樹脂固形分濃度が20wt%になるように各水溶液を添加、混合したところ、流動性のあるスラリーが得られた。これを実施例14の乾燥機で処理し、粉砕したところ、平均粒子径7μmの樹脂粒子が得られた。この粒子は良好な無浸透性を示した。
以上のとおり、本発明の実施例によれば、乳化重合等で得られた塩化ビニル樹脂のラテックス、あるいは予めこれに無機塩を溶解させたものと、水溶性高分子水溶液を連続で混合して、混合物の流動性が失われる前にアトマイザーで微粒化し、噴霧乾燥、粉砕することで、布地に対して無浸透性を発現するプラスチゾルを得ることが確認できた。
(実施例15)
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液と10重量%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体及び追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90%であった。得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.35μmであった。また、ラテックスの固形分濃度は46.4wt%であった。
ジャケット付き300リットル耐圧容器に塩化ビニル単量体110Kg、イオン交換水110Kg、過硫酸アンモニウム40g、硫酸銅5水和物0.3gを仕込んで50℃に昇温し、攪拌下、1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液と10重量%ミリスチン酸アンモニウム水溶液を連続的に追加することで、重合を行った。重合圧力が初期圧力(0.7MPa)より0.15MPa低下するまで重合した後、残存単量体を回収して塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。最終的に得られたラテックスの、初期仕込み単量体及び追加単量体の総量(以下全単量体量と記す)に対する重合転化率は90%であった。得られたラテックスの一次粒子の平均粒子径は0.35μmであった。また、ラテックスの固形分濃度は46.4wt%であった。
上記で得たラテックスを1077.6g(固形分で500g)を3Lステンレス容器に採取した。攪拌下、ノニオン性界面活性剤(日本油脂株式会社製商品名“プロノン102”)1g(塩化ビニル樹脂に対して0.2重量部)を添加した。さらにイオン交換水46.6gを添加した。この時の混合物の温度は30℃であった。次に、塩化ビニル樹脂に対して、硫酸ナトリウム1重量部を10重量%水溶液として50g添加し、次いで、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製商品名“ゴーセノールKH−17”:ケン価度約80mol%)0.5重量部を3重量%水溶液として83.3g添加した。その後、5分間攪拌を続け、スラリーを得た。これにより塩化ビニル樹脂の固形分濃度は40重量%、平均粒子径20μmの凝集粒子(凝集剤添加後で乾燥前のラテックスに関するもの。)が得られ、この凝集剤添加後のラテックスを2流体ノズル式噴霧乾燥機を用いて、供給する温風入口温度180℃、出口温度81℃の条件で乾燥した。乾燥機滞留時間は100秒であった。得られた塩化ビニル樹脂粒子を含む凝集体粒子(ラテックス乾燥後の樹脂に関するもの。尚、凝集体粒子と定義する場合、乾燥方法を問わない。)の平均粒子径は、6μmであった。
(実施例16)
ノニオン性界面活性剤(日本油脂株式会社製商品名“プロノン102”)1.5g(塩化ビニル樹脂に対して0.3重量部)を添加した以外は、実施例15と同様の操作を行い評価した。
ノニオン性界面活性剤(日本油脂株式会社製商品名“プロノン102”)1.5g(塩化ビニル樹脂に対して0.3重量部)を添加した以外は、実施例15と同様の操作を行い評価した。
(実施例17)
実施例15で得たポリ塩化ビニルラテックスを1077.6g(固形分で500g)を3Lステンレス容器に採取した。攪拌下、アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“AE945H”固形分濃度51.75%)29.0g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)を添加した。さらにイオン交換水435.3gを添加した。この時の混合物の温度は30℃であった。次に、塩化ビニル樹脂に対して、硫酸ナトリウム1重量部を10重量%水溶液として50g添加し、次いで、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製商品名“ゴーセノールKH−17”:ケン価度約80mol%)0.5重量部を3重量%水溶液として83.3g添加した。その後、5分間攪拌を続け、スラリーを得た。これにより塩化ビニル樹脂の固形分濃度は30重量%、平均粒子径25μmの凝集粒子(凝集剤添加後で乾燥前のラテックスに関するもの。)が得られた。実施例15と同様に評価した。
実施例15で得たポリ塩化ビニルラテックスを1077.6g(固形分で500g)を3Lステンレス容器に採取した。攪拌下、アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“AE945H”固形分濃度51.75%)29.0g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)を添加した。さらにイオン交換水435.3gを添加した。この時の混合物の温度は30℃であった。次に、塩化ビニル樹脂に対して、硫酸ナトリウム1重量部を10重量%水溶液として50g添加し、次いで、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製商品名“ゴーセノールKH−17”:ケン価度約80mol%)0.5重量部を3重量%水溶液として83.3g添加した。その後、5分間攪拌を続け、スラリーを得た。これにより塩化ビニル樹脂の固形分濃度は30重量%、平均粒子径25μmの凝集粒子(凝集剤添加後で乾燥前のラテックスに関するもの。)が得られた。実施例15と同様に評価した。
(実施例18)
アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“AE945H”固形分濃度51.75%)14.5g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で1.5重量部)を添加した。イオン交換水456.3gを添加したこと以外は、実施例171と同様の操作を行い評価した。
アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“AE945H”固形分濃度51.75%)14.5g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で1.5重量部)を添加した。イオン交換水456.3gを添加したこと以外は、実施例171と同様の操作を行い評価した。
(実施例19)
アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“AE945H”固形分濃度51.75%)58g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で6重量部)を添加した。イオン交換水435.3gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“AE945H”固形分濃度51.75%)58g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で6重量部)を添加した。イオン交換水435.3gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(実施例20)
エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス(昭和高分子株式会社製商品名“AD−10”固形分濃度56.52%)26.5g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水451.7gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス(昭和高分子株式会社製商品名“AD−10”固形分濃度56.52%)26.5g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水451.7gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(実施例21)
アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“0568”固形分濃度51.0%)29.4g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)を添加した。イオン交換水448.8gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
アクリル系ラテックス(JSR株式会社製商品名“0568”固形分濃度51.0%)29.4g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)を添加した。イオン交換水448.8gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(実施例22)
(1)ラテックス製造例1
8Lセパラブルフラスコにイオン交換水を2500g仕込んだ。気相部を窒素で置換した後攪拌を開始し、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを20g、メタクリル酸メチル200gを添加し、内温を70℃にした。2%過硫酸カリウム水溶液500gを追加し、重合を開始した。5分後からスチレン1800gを3時間かけて添加し、さらに1時間重合した。得られたラテックスの転化率は99%であった。ラテックスの固形分濃度は39.4wt%であった。
(2)凝集粒子の製造と評価
ラテックス製造例1で得たラテックス37.7g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水440.6gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(1)ラテックス製造例1
8Lセパラブルフラスコにイオン交換水を2500g仕込んだ。気相部を窒素で置換した後攪拌を開始し、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを20g、メタクリル酸メチル200gを添加し、内温を70℃にした。2%過硫酸カリウム水溶液500gを追加し、重合を開始した。5分後からスチレン1800gを3時間かけて添加し、さらに1時間重合した。得られたラテックスの転化率は99%であった。ラテックスの固形分濃度は39.4wt%であった。
(2)凝集粒子の製造と評価
ラテックス製造例1で得たラテックス37.7g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水440.6gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(実施例23)
(1)ラテックス製造例2
実施例22のラテックス製造例1において、メタクリル酸メチルの代わりにアクリル酸ブチルを用いて重合した。得られたラテックスの転化率は99.5%であった。ラテックスの固形分濃度は39.8wt%であった。
(2)凝集粒子の製造と評価
ラテックス製造例2で得たラテックス37.9g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)を添加した。イオン交換水440.4gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(1)ラテックス製造例2
実施例22のラテックス製造例1において、メタクリル酸メチルの代わりにアクリル酸ブチルを用いて重合した。得られたラテックスの転化率は99.5%であった。ラテックスの固形分濃度は39.8wt%であった。
(2)凝集粒子の製造と評価
ラテックス製造例2で得たラテックス37.9g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)を添加した。イオン交換水440.4gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(実施例24)
実施例15で得られた濃度40%の凝集ラテックスを攪拌機付3L耐圧容器に仕込み、攪拌下、120℃まで蒸気吹込みで昇温し、15分間120℃を保った。冷却後、ラテックスを取出し、実施例15と同様にして乾燥、評価した。得られた凝集粒子は融着していることを走査型電子顕微鏡(SEM、1000倍)で確認した。
実施例15で得られた濃度40%の凝集ラテックスを攪拌機付3L耐圧容器に仕込み、攪拌下、120℃まで蒸気吹込みで昇温し、15分間120℃を保った。冷却後、ラテックスを取出し、実施例15と同様にして乾燥、評価した。得られた凝集粒子は融着していることを走査型電子顕微鏡(SEM、1000倍)で確認した。
(実施例25)
実施例24で温度を140℃にした以外は、実施例24と同様の操作を行い評価した。得られた凝集粒子は融着していることをSEM(1000倍)で確認した。
実施例24で温度を140℃にした以外は、実施例24と同様の操作を行い評価した。得られた凝集粒子は融着していることをSEM(1000倍)で確認した。
(実施例26)
実施例15で二流体ノズルを回転ディスクに変えて噴霧粒径を変え、平均粒子径60μmの乾燥粒子を得た。ホソカワミクロン株式会社製マイクロバンタムミルAP−B型粉砕機で粉砕し、平均粒子径40μmの樹脂を得た。それ以外は、実施例15と同様の操作を行い、評価した。
実施例15で二流体ノズルを回転ディスクに変えて噴霧粒径を変え、平均粒子径60μmの乾燥粒子を得た。ホソカワミクロン株式会社製マイクロバンタムミルAP−B型粉砕機で粉砕し、平均粒子径40μmの樹脂を得た。それ以外は、実施例15と同様の操作を行い、評価した。
(比較例6)
ノニオン性界面活性剤、水溶性高分子のポリビニルアルコール、電解質のボウ硝を添加しないこと以外は、実施例15と同様の操作を行い評価した。
ノニオン性界面活性剤、水溶性高分子のポリビニルアルコール、電解質のボウ硝を添加しないこと以外は、実施例15と同様の操作を行い評価した。
(比較例7)
実施例15で重合して得られた塩化ビニル樹脂のラテックスに、硫酸バンド1重量部を添加し、次いで、ポリビニルアルコールを0.5重量部添加した。ラテックス全体が凝固してしまい、噴霧乾燥機に供給することができず、噴霧乾燥によるサンプルを得ることができなかった。
実施例15で重合して得られた塩化ビニル樹脂のラテックスに、硫酸バンド1重量部を添加し、次いで、ポリビニルアルコールを0.5重量部添加した。ラテックス全体が凝固してしまい、噴霧乾燥機に供給することができず、噴霧乾燥によるサンプルを得ることができなかった。
(比較例8)
実施例17でアクリル系ラテックスの代わりにポリ酢酸ビニルラテックス(昭和高分子株式会社製商品名“SH−502”固形分濃度51.45%)29.2g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水449.1gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
実施例17でアクリル系ラテックスの代わりにポリ酢酸ビニルラテックス(昭和高分子株式会社製商品名“SH−502”固形分濃度51.45%)29.2g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水449.1gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(比較例9)
(1)ラテックス製造例3
実施例22のラテックス製造例1において、メタクリル酸メチルの代わりにスチレンを用いて重合した。得られたラテックスの転化率は99%であった。ラテックスの固形分濃度は39.6wt%であった。
(2)凝集粒子の製造と評価
実施例17でアクリル系ラテックスの代わりにラテックス製造例3で得たポリスチレンラテックス38.1g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水440.2gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
(1)ラテックス製造例3
実施例22のラテックス製造例1において、メタクリル酸メチルの代わりにスチレンを用いて重合した。得られたラテックスの転化率は99%であった。ラテックスの固形分濃度は39.6wt%であった。
(2)凝集粒子の製造と評価
実施例17でアクリル系ラテックスの代わりにラテックス製造例3で得たポリスチレンラテックス38.1g(塩化ビニル樹脂に対して固形分で3重量部)、イオン交換水440.2gを添加したこと以外は、実施例17と同様の操作を行い評価した。
以上の条件と結果を表4にまとめる。
表4に示すとおり、本発明の実施例によれば、ノニオン性界面活性剤を添加すれば処理濃度を高くすることができ、無浸透性評価が良好で、プラスチゾル粘度もすぐれていた。すなわち、塩化ビニル重合体以外の(メタ)アクリル酸エステル系単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種である乳化重合ラテックスを添加した場合、無浸透性に加え、剥離性も良好で、プラスチゾル粘度もすぐれていた。
Claims (20)
- 一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂ラテックスに、
水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を含み乾燥された凝集体粒子であり、
前記凝集体粒子は前記一次粒子が集合して形成されており、前記凝集体粒子の平均粒子径は5μm〜40μmの範囲であることを特徴とする塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。 - 前記水溶性高分子は、アクリロイル基含有モノマー(共)重合体、ビニル(共)重合体、ポリアミジン、ポリエチレンオキサイド及びポリエチレンイミン、多糖類、蛋白質、セルロースエーテル、及びデンプン誘導体から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記水溶性高分子は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲である請求項1又は2に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記無機塩は電解質である請求項1に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記無機塩は、NaCl、KCl、Na2SO4、CaCl2、及びAlCl3から選ばれる少なくとも一つである請求項1又は4に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記無機塩の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲である請求項1、4又は5に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記凝集体粒子には、さらにノニオン性界面活性剤(A)及び塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックス(B)から選ばれる少なくとも1つを添加する請求項1〜6のいずれかに記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集粒子。
- 前記ノニオン性界面活性剤(A)は、ポリオキシアルキレン化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、及びグリセリンモノ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1つである請求項7に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記ノニオン性界面活性剤(A)は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.05〜1重量部の範囲である請求項7又は8に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックス(B)は、(メタ)アクリル酸エステル系単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1つである請求項7に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記乳化重合ラテックス(B)は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1〜10重量部の範囲である請求項7又は10に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 前記凝集体粒子は融着している請求項1〜11のいずれかに記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子。
- 一次粒子が平均粒子径0.1〜2.0μmの範囲の塩化ビニル樹脂ラテックスに、
水溶性高分子及び無機塩から選ばれる少なくとも一つの凝集剤を添加し、前記塩化ビニル樹脂の凝集体粒子を含む混合水溶液とし、
前記混合水溶液を噴霧乾燥することにより、平均粒子径5μm〜40μmの凝集体粒子を得ることを特徴とする塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子の製造方法。 - 前記凝集剤を加える前に、さらにノニオン性界面活性剤(A)及び塩化ビニル重合体以外の乳化重合ラテックス(B)から選ばれる少なくとも1つを添加する請求項13に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子の製造方法。
- 前記混合し、噴霧乾燥する方法が、混合物の流動性が失われる前に、塩化ビニル樹脂ラテックスと水溶性高分子を含む水溶液を混合し、アトマイザーで微粒化し、噴霧乾燥する方法である請求項13に記載の塩化ビニル樹脂粒子の製造方法。
- 前記アトマイザーが、混合物を回転体又は噴射ノズルから噴射して微粒化する装置である請求項15に記載の塩化ビニル樹脂粒子の製造方法。
- 前記塩化ビニル樹脂ラテックスと水溶性高分子を含む水溶液を混合する前に、塩化ビニル樹脂ラテックスと無機塩の水溶液を予め混合しておく、請求項13に記載の塩化ビニル樹脂粒子の製造方法。
- 前記塩化ビニル樹脂の凝集体粒子を含む混合水溶液を、塩化ビニル重合体のガラス転移温度以上で熱処理することにより前記凝集体粒子を融着させる請求項13に記載の塩化ビニル樹脂を含む凝集体粒子の製造方法。
- 前記噴霧乾燥後の塩化ビニル樹脂粒子を粉砕する請求項13〜18のいずれか1項に記載の塩化ビニル樹脂粒子の製造方法。
- 前記粉砕後の樹脂粒子の平均粒子径が、5〜30μmである請求項19に記載の塩化ビニル樹脂粒子の製造方法。
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