JPWO2007126127A1 - 細胞培養容器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

生体内での細胞機能を再現することができる細胞培養容器およびその製造方法を提供すること。本発明にかかる細胞培養容器は、細胞が培養される面に凹凸パターンを有する細胞培養容器であって、前記凹凸パターンの凹部は、細胞培養部と、前記細胞培養部に連通したマイクロ流路とを備え、前記細胞培養部の底面幅が培養細胞の相当直径の1.0倍〜20倍であり、前記凹部の底面及び側壁上にのみ細胞接着誘導物質が形成されたものである。

Description

本発明は、細胞培養容器およびその製造方法に関する。
組織から単離した細胞を試験、検査に用いる手法は、バイオテクノロジー関連分野では欠かせない方法となっている。疾病、病態の診断、新薬の探索および薬効の判定、あるいは動物検査、植物検査、環境汚染物質の試験などに幅広く用いられている。そのため、バイオテクノロジー分野で使用される細胞類は、極めて多様化してきている。
単離した細胞は、直ちに試験に用いられる場合もあるが、多くの場合、培養皿や試験管のなかで細胞培養が行われる。この培養細胞を用いて、種々の検査が行われる。細胞培養試験に用いられる細胞培養株には、生体内での試験いわゆるin vivo試験と同様の薬剤感受性、毒性反応を示すことが要求される。すなわち、細胞培養容器の表面で規則性を有して配列された細胞間のネットワークを構築できることが必要とされる。また、細胞培養試験に用いられる細胞培養株は極めて高額であるため、細胞の生存率および増殖速度の向上が望まれている。
上記細胞培養試験は、同一条件下、評価する薬物等の量、濃度などを変量し、その効果を測定するものである。そのため、細胞培養容器の材質、形状等も同一にする必要がある。この細胞培養容器としては、プラスチック製シャーレ、ガラス製シャーレ、容器内に固定されたガラスプレート、ウェルプレート等が一般的に用いられる。ウェルプレートには、6ウェル、12ウェル、48ウェル、96ウェルの各プレートまたはシャーレがある。これらは、一般に、プレート全体の大きさはほぼ同じであり、ウェル数が大きくなるほど、1ウェルのサイズが小さくなる。この1ウェルが1培養皿に相当する。また、最近の微量化への流れから、さらに小口径で多数の培養皿からなる384ウェルプレートも使用され始めている。
しかしながら、組織細胞の培養に、従来の細胞培養容器を用いると、細胞が薄く伸びて方向性のない形態となる。また、細胞培養容器の表面にランダムに配置されるため、細胞間のネットワークは、複雑に交錯して形成される。そのため、生体内での細胞機能を再現できないという問題があった。この理由として、ウェルサイズを小口径にしても、細胞サイズは数μm〜数10μmであるため、平板上での培養と変わらないこと、ピペット等を用いて細胞を配置する際、培養液によって細胞が移動するため、規則正しく配置できないこと等が考えられる。
上記問題を解決するため、細胞接着誘導物質であるポリリジンなどを、所望するパターン通りに細胞が培養される面に被覆する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2004−8173号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、細胞が培養される面全体にポリリジンを被覆した後、線幅20μmの金属メッシュをマスクとしてその上に重ね、紫外線を照射し、洗浄後に紫外線が照射されていない20μmのパターンを得る。そのため、1枚のプレートの製造ごとに複雑な工程が必要となり、高コストとなる問題があった。また、1枚ごとに紫外線を照射し、微細なポリリジンパターンを製造するため、金属メッシュとポリリジンの隙間、紫外線照射条件、洗浄条件により、ポリリジンパターンが安定して製造できない問題もあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、生体内での細胞機能を再現することができる細胞培養容器、その製造方法および細胞培養方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる細胞培養容器は、細胞が培養される面に凹凸パターンを有する細胞培養容器であって、前記凹凸パターンの凹部は、細胞培養部と、前記細胞培養部に連通したマイクロ流路とを備え、前記細胞培養部の底面幅が培養細胞の相当直径の1.0倍〜20倍であり、前記凹部の底面及び側壁上にのみ細胞接着誘導物質が形成されたものである。
本発明にかかる細胞培養容器の製造方法は、細胞が培養される面に凹凸パターンを有する細胞培養容器の製造方法であって、前記凹凸パターンの凹部により構成される、細胞培養部及び前記細胞培養部に連通したマイクロ流路を形成するステップと、毛細管現象により前記凹部のみに細胞接着誘導物質を導入するステップとを備えるものである。
本発明によれば、生体内での細胞機能を再現することができる細胞培養容器および細胞培養方法を提供することができる。
本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の構成を模式的に示す平面図である。 図1Aの断面図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器のSEM写真である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる細胞培養容器の製造方法を模式的に示す図である。 比較例2にかかる細胞培養容器を模式的に示す平面図である。 図4Aの破線円内の拡大図である。 図4Bの断面図である。 本発明の実施例1にかかる細胞培養容器を模式的に示す平面図である。 図5Aの破線円内の拡大図である。 図5Bの断面図である。 本発明の実施例2にかかる細胞培養容器を模式的に示す平面図である。 図6Aの破線円内の拡大図である。 図6Bの断面図である。 本発明の実施例3にかかる細胞培養容器を模式的に示す平面図である。 図7Aの破線円内の拡大図である。 図7Bの断面図である。 本発明の実施例4にかかる細胞培養容器を模式的に示す平面図である。 図8Aの破線円内の拡大図である。 図8Bの断面図である。 図8Bの断面図である。 比較例2において、10日間培養後の褐色細胞腫(PC12)の写真である。 実施例1において、10日間培養後の褐色細胞腫(PC12)の写真である。 実施例1において、10日間培養後の褐色細胞腫(PC12)の写真である。
符号の説明
1 マイクロ流路
2 交差部
3 凸部
4 マイクロ容器
5 導入領域
11 基板
12 第1レジスト層
13 マスクA
14 第2レジスト層
15 マスクB
16 レジストパターン
17 導電性膜
18 金属構造体
19 樹脂製成型品
本発明者らは、鋭意研究した結果、プレート、シャーレ等の細胞培養容器において、細胞が培養される面(以下、培養面という)に所望の寸法のマイクロ流路を形成し、そのマイクロ流路に、毛細管現象を利用して、細胞接着誘導物質含有液を導入することにより、細胞の培養密度を高め、生体内での細胞機能を再現するのに最適な細胞培養容器を提供できることを見出した。以下に、本発明の実施の形態について説明する。
通常、細胞の培養試験では、細胞の接着・増殖を促進するため、培養面全体に、コラーゲン、ラミニン、ポリリジン等の細胞接着誘導物質を被覆し、細胞を配置する。そのため、細胞は、培養される面全体にランダム配置され、規則正しく配置できない。
ランダムに配置され、増殖した細胞は、近隣の細胞や100μm以上離れた細胞との間で、無秩序で複雑かつ多数の細胞間ネットワークを形成する。したがって、例えば、蛍光プローブを用いて細胞間の信号伝達を観察する場合、容器内の細胞は、蛍光プローブにより一様に染色されてしまう。また、信号伝達に必要なネットワーク径が細くなり、蛍光強度も小さくなる。そのため、ネットワーク内信号伝達を介した秩序統制機構を解明することができない。
本発明にかかる細胞培養容器には、培養面にマイクロ流路が形成されている。そして、毛細管現象を利用して、細胞接着誘導物質をそのマイクロ流路に導入し、乾燥すれば、容易に、培養面の所定の部位のみに細胞接着誘導物質を被覆することができる。そのため、細胞は所定の部位のみに接着し、増殖する。その結果、ロジック回路のように、秩序ある細胞間ネットワークが形成される。すなわち、生体組織を再現した信号伝達モデルを実現でき、培養した細胞を用いた信号伝達過程の研究に適用できる。同様に、薬剤感受性、毒性試験でも、その信号伝達過程の研究に適用できる。ネットワーク経路が制御できるため、ネットワーク径が太くなり、蛍光強度も向上する。このため、信号伝達過程を容易に観察できる。また、将来的には、ホモ培養、ヘテロ培養または毛細血管細胞シート等と組み合わせることによって、再生医療分野への展開が期待できる。
実施の形態
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
実施の形態にかかる細胞培養容器の構成について図1A、図1Bおよび図2を用いて説明する。図1Aは、実施の形態にかかる細胞培養容器の構成を示す平面図である。図1Bは、図1Aの断面図、図2は、SEM写真(斜視図)である。
細胞培養容器の培養面には、図1Aに示すように、複数のマイクロ流路1が網目状に形成されている。換言すれば、矩形状の凸部3に囲まれた領域がマイクロ流路1である。矩形状の凸部3の4つの頂点は角がR加工されたように丸みを帯びた形状であるが、完全な矩形や面取りされたような形状でもよい。凸部3の側壁は底面に対して略垂直に形成されている。このマイクロ流路1に細胞接着誘導物質含有液を導入し、乾燥することにより、マイクロ流路上に細胞誘導物質を被覆する。細胞培養では、マイクロ流路1の交差部2に細胞が配置・固定され、マイクロ流路1に沿って、細胞のネットワークが形成される。
培養面に形成されるマイクロ流路1の幅は、培養細胞の相当直径の0.1倍〜10倍であることが好ましい。具体的数値としては、幅2μm〜500μmが好ましく、5μm〜400μmの範囲がより好ましい。2μmよりも小さい、または500μmよりも大きいと、毛細管現象により細胞接着誘導物質含有液を導入することが困難となる。そのため、制御されたネットワーク形成が困難となる。流路の幅が200μmよりも大きくなると、細胞が複数配置され、細胞を培養する容器の役割を兼ねることになる。マイクロ流路1内に細胞が複数配置されても、マイクロ流路1に沿ってネットワークが形成されるため、細胞間の信号伝達等の研究に用いることはできる。また、細胞培養部である交差部2の幅は培養細胞の相当直径の1.0倍〜20倍であることが好ましい。
マイクロ流路1の深さ(側壁の高さ)は、培養細胞の相当直径の0.1倍〜10倍であることが好ましい。具体的数値としては、2μm〜500μmが好ましく、5μm〜400μmの範囲がより好ましい。2μmよりも浅いと、毛細管現象により細胞接着誘導物質含有液を導入することが困難となり、500μmよりも深いと、製造技術上での難易度が増し、高コストとなる。
対向するマイクロ流路1同士の間隔は、縦・横いずれも5μm〜150mmが好ましく、10μm〜100mmがさらに好ましい。5μm未満では、細胞がネットワークを形成しなくても近接でき、細胞間の活動電位伝達に関する研究等には適さなくなる。150mmを超えると、細胞の走査機能を観察することが困難になる。
細胞が培養される面に、細胞接着誘導物質含有液を導入するには、例えば、ピペット等を用いてマイクロ流路1の端部に注入することもできるが、マイクロ流路の少なくとも1つと連通する凹部からなる導入領域5を設けて、そこに細胞接着誘導物質含有液を滴下するのが、操作が簡便になり好ましい。マイクロ流路1の深さは、細胞接着誘導物質含有液のマイクロ流路1への均一な導入を促進するために、段階的に深くしてもよい。
細胞が培養される面におけるマイクロ流路1の交差部2にマイクロ容器を設けることにより、さらに高度な細胞ネットワークを構築することもできる。例えば、マイクロ流路1の幅を10μm、マイクロ容器の幅を直径40μmとした場合、細胞は流路に入れないため、マイクロ容器に配置される。そして、マイクロ流路1に沿ってネットワークが形成される。マイクロ容器の幅または直径は、5μm〜1000μmが好ましく、10μm〜500μmの範囲がより好ましい。5μmよりも小さいと、細胞を配置することが困難となり、1000μmよりも大きいと、複数の細胞が一マイクロ容器内で無秩序に接着し、ネットワーク形成を意図したパターンに誘導できなくなる。
本発明にかかる細胞培養容器を適用できる細胞種は限定されないが、特に、ラットやマウスの神経細胞、褐色細胞腫(PC12)等の神経突起部からネットワークを形成する細胞種が特に好適である。
透過光観察を可能にするため、樹脂プレートをガラスプレートと同等の光透過率とするには、紫外線領域を含む波長300nm〜800nmの光透過率を80%以上、ヘイズ値を10%以内とすることが好ましい。上記要求を満たすため、細胞培養容器には、紫外線吸収剤が含まれないアクリル樹脂を用いるか、PC(ポリカーボネイト)、ポリスチレン等の化学構造に環構造を有さない材料を選択する必要がある。また、酸化防止剤、粘度向上剤、耐熱安定剤、膠着防止剤等の添加物に、紫外線吸収剤が含まれていない必要がある。
蛍光観察法では、蛍光色素を光らせるための光(励起光)は、細胞培養容器を透過しなければ、それにより発生した蛍光(蛍光放射光)を識別できない。したがって、高い光透過性が要求される。蛍光(蛍光放射光)を識別するために必要な透明性は、可視光の全光線透過率80%以上、ヘイズ値10%以内とする必要がある。上記要求を満たすため、細胞培養容器には、例えば、ポリメチルメタクリレート等の光学特性に優れる材料を用いることが好ましく、結晶性樹脂であるポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、非結晶状態で用いることが好ましい。
自家蛍光とは、ポリマー分子が紫外・可視光を吸収した後、光を放出して自ら蛍光を発することをいう。ガラスプレートは自家蛍光を発しないのに対し、樹脂プレートの多くは自家蛍光するため、サンプルから発生した蛍光(蛍光放射光)を識別できなくなり、蛍光分析の特徴である微量分析が困難となる。
自家蛍光の影響を受けないためには、波長230nm〜800nmの光を照射することで自家蛍光しないことが要求される。そのため、細胞培養容器には、PC(ポリカーボネイト)、ポリスチレン等の化学構造に環構造を有しない樹脂材料を選択する必要がある。また、自家蛍光の可能性を極力排除するため、酸化防止剤、粘度向上剤、耐熱安定剤、膠着防止剤等の添加物は、できる限り少量とするか、添加しないことが好ましい。
微分干渉観察法のコントラストを低下させずに、偏光顕微鏡や微分干渉顕微鏡により観察するために、光学ひずみの小さい材料が要求される。そのため、細胞培養容器には、PC(ポリカーボネイト)、ポリスチレン等の化学構造に環構造を有しない樹脂材料を選択する必要がある。
細胞培養容器に有機膜または無機膜を被覆することで、親水化または疎水化することができる。これにより、微細な突起への気泡の付着防止や細胞の接着度合いを制御することができる。例えば、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射等を用いる方法、細胞の接着を促すタンパク質であるコラーゲン等を塗布する方法がある。また、一部分をマスクすることにより、他の部分のみを有機膜または無機膜により被覆することもできる。これにより、培養試験条件の幅をさらに広くすることができる。
スパッタリング法、蒸着法等の無機膜形成法は、油浸レンズ観察法への適用もできる。通常、油浸レンズに用いるオイルには、細胞を培養するガラスプレートおよび光学レンズと光学物性を適合させるため、有機溶剤が配合されている。有機溶剤は、樹脂製細胞培養容器に浸透し、白化や溶解の問題を発生させるため、適用できない可能性がある。無機材料は、ガスバリヤー効果と同時に、耐有機溶剤性を有するため、油浸レンズのオイルが接触する細胞培養容器の底面に、無機膜を形成することで、油浸レンズ観察法への適用も可能となり、樹脂製細胞培養容器の適用範囲を広げることができる。透過光観察を行う場合、膜厚を400nm以下とするか、SiO等の透明無機材料を用いることが好ましい。
上記の複数のマイクロ容器を有する樹脂製の細胞培養容器の製造方法について説明する。この製造方法は、基板上にマイクロ容器に相当するマイクロ空間構造を形成するステップと、基板上に形成されたマイクロ空間構造パターンまたはその転写パターンにしたがって金属を付着させ、前記樹脂プレートの構造パターンの反対パターンを有する金属構造体を形成するステップと、前記金属構造体のパターンを転写して樹脂プレートを形成するステップとを備える。
本方法により得られるマイクロ流路およびマイクロ容器は、原盤となる金属構造体のパターンを転写することにより樹脂プレートを形成するため、高い寸法精度と低コストを両立できる。また、そのマイクロ流路に、毛細管現象を利用して、細胞接着誘導物質を導入すればよいため、細胞接着誘導物質を形成するための複雑なパターンニングプロセスが不要である。
詳細には以下の通りである。
(i)基板上への第1レジスト層の形成
(ii)基板とマスクAとの位置合わせ
(iii)マスクAを用いた第1レジスト層の露光
(iv)第1レジスト層の熱処理
(v)第1レジスト層上への第2レジスト層の形成
(vi)基板とマスクBとの位置合わせ
(vii)マスクBを用いた第2レジスト層の露光
(viii)第2レジスト層の熱処理
(ix)レジスト層の現像
を行い、所望のレジストパターンを形成する。
(x)さらに、形成されたレジストパターンを導電化処理した後、形成されたレジストパターンにしたがって、基板上に金属構造体をメッキにより堆積させる。
(xi)この金属構造体を型として、樹脂成形品を形成する
ことによって、細胞培養容器が製造される。(v)〜(viii)の工程は任意であり、省略できる。一方、(v)〜(viii)の工程を複数回繰り返すこともできる。
レジストパターン形成処理についてさらに詳細に説明する。基板上に、例えば、深さ30μmと深さ100μmの構造体を得ようとした場合、第1レジスト層(厚さ70μm)、第2レジスト層(厚さ30μm)順に形成し、各層に露光、または露光、熱処理を行う。現像工程では、最初に第2レジスト層である深さ30μmのパターンが得られ、次に第1レジスト層と第2レジスト層を合わせた深さ100μmのパターンが得られる。深さ100μmのパターンが得られた時点で、第2レジスト層である深さ30μmのパターンを現像液に溶解、または変形させないためには、各層の現像液への溶解性を制御させることが要求される。
光分解型のポジ型レジストを用いて、耐アルカリ性を発現させる方法の一つとして、ベーク時間(溶剤の乾燥時間)を長くし、レジストを硬化させることがあげられる。通常、レジストは膜厚、シンナー等の溶剤濃度および感度に応じてベーク時間を設定している。この時間を長くすることによって耐アルカリ性を持たせることができる。また、第1レジスト層のベークが進行しすぎると、レジストが極度に硬化し、後の現像において光が照射された部分を溶解させパターンを形成することが困難になることから、ベーク時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。ベークに用いる装置は、溶剤を乾燥できれば特に限定されるものではなく、オーブン、ホットプレート、熱風乾燥機等があげられる。光架橋型のネガ型レジストと比較して、耐アルカリ性の発現幅は制限されるため、設定するレジスト厚さは、各層を合わせて5〜200μmの範囲内が好ましく、10〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
光架橋型のネガ型レジストを用いて耐アルカリ性を発現させる方法として、ベーク時間の最適化の他に、架橋密度の最適化があげられる。通常、ネガ型レジストの架橋密度は、露光量によって設定することができる。化学増幅系ネガ型レジストの場合、露光量および熱処理時間によって架橋密度を設定することができる。この露光量、または熱処理時間を長くすることによって、耐アルカリ性を発現させることができる。光架橋型のネガ型レジストの場合、設定するレジスト厚さは、各層を合わせて5〜500μmの範囲内が好ましく、10〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
(i)基板11上への第1レジスト層12の形成について説明する。
図3Aに基板11上に第1レジスト層12が形成された状態を示す。成形品形成ステップで得られる樹脂製細胞容器の平面度は、基板11上へ第1レジスト層12を形成する工程で決定づけられる。すなわち、基板上に第1レジスト層を形成した時点の平面度が金属構造体、ひいては細胞培養容器の平面度に反映される。
基板11上に第1レジスト層12を形成する方法は何ら限定されないが、一般的にスピンコート方式、ディッピング方式、ロール方式、ドライフィルムレジストの貼り合わせ等を挙げることができる。なかでも、スピンコート方式は、回転しているガラス基板上にレジストを塗布する方法で、直径300mmを超えるガラス基板にレジストを高い平面度で塗布する利点がある。従って、高い平面度を実現できる観点から、スピンコート方式が好ましい。
第1レジスト層12として用いられるレジストは、ポジ型レジスト、ネガ型レジストのいずれもでもよい。いずれの場合も、レジストの感度、露光条件により、レジストの焦点深度が変わる。そのため、例えば、UV露光装置を用いた場合、露光時間、UV出力値をレジスト厚さ、感度に応じて種類を選択するのが好ましい。
第1レジスト層12として用いるレジストがウェットレジストの場合、例えば、スピンコート方式で所定のレジスト厚さを得る方法としては、スピンコート回転数の変更や粘度調整による方法がある。スピンコート回転数の変更による方法は、スピンコーターの回転数を適宜設定することによって所望のレジスト厚さを得るものである。粘度調整による方法は、レジスト厚さが厚い場合や塗布面積が大きい場合に、平面度が低下することが懸念されるため、実際使用上で要求される平面度に応じて粘度を調整するものである。
例えばスピンコート方式の場合、1回で塗布するレジスト層の厚さは、高い平面度を保持することを考慮し、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは、20〜50μmの範囲内であることが好ましい。高い平面度を保持したうえで、所望のレジスト層の厚さを得るためには、レジスト層を複数回に分けて形成することができる。
第1レジスト層12にポジ型レジストを用いた場合、ベーク時間(溶剤の乾燥)が過度に進行しすぎると、レジストが極度に硬化し、後の現像においてパターンを形成することが困難になることから、設定するレジスト厚さが100μm以上でない場合、ベーク時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。
(ii)基板11とマスクA13との位置合わせについて説明する。
第1レジスト層12のパターンと、第2レジスト層14のパターンにおける位置関係を所望の設計通りにするためには、マスクA13を用いた露光時に、正確な位置合わせを行うことが必要となる。位置合わせには、基板とマスクAの同位置に切削加工を施しピン固定する方法、レーザー干渉計を用い位置だしする方法、基板11とマスクA13の同位置に位置マークを作製、光学顕微鏡で位置合わせをする方法等があげられる。光学顕微鏡で位置合わせをする方法は、例えば、フォトリソグラフ法にて基板に位置マークを作製し、マスクAにはレーザー描画装置で位置マークを描画する。光学顕微鏡を用いた手動操作においても、5μm以内の精度が簡単に得られる点で有効である。
(iii)マスクA13を用いた第1レジスト層12の露光について説明する。
図3Bに示される工程で用いるマスクA13は何ら限定されないが、エマルジョンマスク、クロムマスク等を挙げることが出来る。レジストパターン形成ステップでは、用いるマスクA13によって寸法、および精度が左右される。そして、その寸法、および精度は、樹脂製細胞培養容器にも反映される。したがって、樹脂製細胞培養容器の各寸法、および精度を所定のものとするためには、マスクA13の寸法、および精度を規定する必要がある。マスクA13の精度を高める方法は何ら限定されないが、例えば、マスクA13のパターン形成に用いるレーザー光源をより波長の短いものに変えることを挙げることができるが、設備費用が高額であり、マスクA13製作費が高額となるため、樹脂製細胞培養容器が実用的に要求される精度に応じて適宜規定するのが好ましい。
マスクA13の材質は温度膨張係数、UV透過吸収性能の面から石英ガラスが好ましいが比較的高価であるため、樹脂成形品が実用的に要求される精度に応じて適宜規定するのが好ましい。設計通りの所望の深さまたは高さが異なる構造体、あるいは、第1レジストパターンと第2レジストパターンが異なる構造体を得るには、第1レジスト層12および第2レジスト層14の露光に用いるマスクのパターン設計(透過/遮光部)が確実であることが必要であり、CAE解析ソフトを用いたシミュレーションもその解決策の一つである。
露光に用いられる光源は設備費用が安価である紫外線またはレーザー光であることが好ましい。シンクロトロン放射光は、設備費用が高額であり、実質的に樹脂プレートの価格が高額となるものの、露光深度が深いものを得たい場合などに用いることができる。
露光時間や露光強度等の露光条件は第1レジスト層12の材質、厚み等により変化するため、得られるパターンに応じて適宜調節することが好ましい。特に空間構造パターンの寸法、および精度に影響を与えるため、露光条件の調節は重要である。また、レジストの種類により焦点深度が変わるため、例えばUV露光装置を用いた場合、露光時間、UV出力値をレジストの厚さ、感度に応じて選択するのが好ましい。
(iv)第1レジスト層12の熱処理について説明する。
露光後の熱処理は、レジストパターンの形状を補正するためにアニールといわれる熱処理が知られている。ここでは、化学架橋を目的とし、化学増幅系ネガレジストを用いた場合のみに行う。化学増幅系ネガレジストとは、主に、2成分系または3成分系からなり、露光時の光によって、例えば、化学構造の末端のエポキシ基が開環し、熱処理によって架橋反応させるものである。熱処理時間は、例えば膜厚100μmの場合、設定温度100℃の条件下においては数分で架橋反応は進行する。
第1レジスト層12の熱処理が進行しすぎると、後の現像において未架橋部分を溶解させパターンを形成することが困難になることから、設定するレジスト厚さが100μm以上でない場合、熱処理時間を短くする、または後の第2レジスト層14の熱処理のみとする等、適宜選択することが好ましい。
(v)第1レジスト層12上への第2レジスト層14の形成について説明する。
図3Cに第2レジスト層14が形成された状態を示す。この第2レジスト層14の形成は、上記(i)において説明した第1レジスト層12の形成と同様の方法による。また、スピンコート方式にて、ポジ型レジストを使用してレジスト層を形成する場合、ベーク時間を通常の1.5〜2.0倍程度とすることで、耐アルカリ性を発現させることができる。これにより、第1レジスト層12と第2レジスト層14の現像終了時、第2レジスト層14のレジストパターンの溶解、または変形を防止することができる。
(vi)基板1とマスクB15との位置合わせについて説明する。
基板1とマスクB15との位置合わせは、上記(ii)について説明した、基板1とマスクA13との位置合わせと同様の方法による。
(vii)マスクB15を用いた第2レジスト層14の露光について説明する。
マスクB15を用いた第2レジスト層14の露光は、上記(iii)において説明したマスクA13を用いた第1レジスト層12の露光と同様の方法による。図3Dに第2レジスト層14の露光の様子を示す。
(viii)第2レジスト層14の熱処理について説明する。
第2レジスト層14の熱処理は、上記(iv)において説明した第1レジスト層12の熱処理と同様の方法による。また、第2レジスト層14の熱処理は、後の現像において第1レジスト層12のパターンが得られた時点で、第2レジスト層14のパターンが溶解、または変形させないために行う。熱処理によって化学架橋が進行し、架橋密度を高めることで耐アルカリ性が発現する。耐アルカリ性を発現させるための熱処理時間は、通常の1.1〜2.0倍の範囲からレジストの厚さに応じて適宜選択することが好ましい。
(ix)レジスト層12および14の現像について説明する。
図3Eに示す現像工程では、用いたレジストに対応する所定の現像液を用いることが好ましい。現像時間、現像温度、現像液濃度等の現像条件はレジスト厚みやパターン形状に応じて適宜調節することが好ましい。例えば、必要な深さを得るために現像時間を長くしすぎると、所定の寸法よりも大きくなってしまうため、適宜条件を設定することが好ましい。この現像工程により、レジストパターン16が形成される。
細胞培養容器の上面、または微細パターン底部の平面精度を高める方法としては、例えば、レジスト塗布で用いるレジスト種類(ネガ型、ポジ型)を変更する方法、金属構造体の表面を研磨する方法などがあげられる。
なお、所望の造型深さを得るために複数のレジスト層を形成する場合、それら複数のレジスト層を同時に露光・現像処理する、あるいは、一つのレジスト層を形成および露光処理した後、さらにレジスト層の形成および露光処理を行い、2つのレジスト層を同時に現像処理することができる。
(x)金属構造体形成ステップについてさらに詳細に説明する。
金属構造体形成ステップとはレジストパターン形成ステップで得られたレジストパターン16に沿って金属を堆積させ、金属構造体18のマイクロ空間構造面をレジストパターン16に沿って形成することにより、金属構造体18を得る工程である。
図3Fに示すように、この工程では予めレジストパターン16に沿って導電性膜17を形成する。導電性膜17の形成方法は、特には限定されないが、好ましくは、真空蒸着法、スパッタリング法等による。導電性膜17に用いられる導電性材料としては金、銀、白金、銅、アルミニウムなどを挙げることができる。
図3Gに示すように、導電性膜17を形成した後、レジストパターン16に沿って金属をメッキにより堆積させ、金属構造体18を形成する。メッキ方法は特に限定されないが、例えば電解メッキ、無電解メッキ等を挙げることができる。用いられる金属は特に限定されないが、ニッケル、ニッケル−コバルト合金、銅、金を挙げることができ、経済性・耐久性の観点からニッケルが好ましく用いられる。
金属構造体18はその表面状態に応じて研磨しても構わない。ただし、汚れが造形物に付着することが懸念されるため、研磨後、超音波洗浄を実施することが好ましい。また、金属構造体18はその表面状態を改善するために、離型剤等で表面処理しても構わない。なお、金属構造体18の深さ方向の傾斜角度は、樹脂成形品の形状から50°〜90°であることが望ましく、より望ましくは60°〜87°である。メッキにより堆積した金属構造体18はレジストパターン16から分離される。
(xi)成形品形成ステップについて詳細に説明する。
成形品形成ステップは、図3Hに示すように、前記金属構造体18を型として、樹脂成形品19を形成する工程である。樹脂成形品19の形成方法は特に限定されないが、例えば射出成形、プレス成形、モノマーキャスト成形、溶剤キャスト成形、押出成形によるロール転写法等を挙げることができ、生産性、型転写性の観点から射出成形が好ましく用いられる。所定の寸法を選択した金属構造体18を型として射出成形で樹脂成形品19を形成する場合、金属構造体18の形状を高い転写率で樹脂成形品19に再現することができる。転写率を確認する方法としては、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)等を用いる方法がある。
樹脂成形品19の平面度の最小値は、工業的に再現し易い観点から1μm以上であることが好ましい。樹脂成形品19の平面度の最大値は、例えば、該成形品に反り等が発生して光学系ユニットと接触しない等、支障とならない観点から200μm以下であることが好ましい。樹脂成形品の造形部に対する寸法精度は、工業的に再現し易い観点から±0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。
以下に、本発明にかかる実施例および比較例を示す。これらの実施例および比較例は、細胞培養容器のマイクロ流路の寸法を変量し、ラット脳海馬神経細胞および褐色細胞腫(PC12)のネットワーク構築度合および細胞興奮性を評価したものである。光学物性値である全光透過率およびヘイズ値は、株式会社スガ試験機製の可視光線透過率計(型式:HA−TR)を用いて測定した。具体的には、全光線透過率をJIS K6714に準拠した方法で2回測定し、その平均値を求めた。また、蒸着膜の厚さは、株式会社アルバック製の表面形状測定器(DEKTAK3030)による触針法にて測定した。
細胞接着誘導物質の導入方法は以下の通りである。比較例の場合、細胞を培養する面を細胞接着誘導物質含有液に浸した後、6時間乾燥した。実施例の場合、ピペットを用いて細胞接着誘導物質含有液を導入領域5に滴下し、毛細管現象により、マイクロ流路およびマイクロ容器の側壁、低部のみに導入した後、6時間乾燥した。細胞接着誘導物質含有液は、脳海馬神経細胞ではポリリジン+ラミニン、褐色細胞腫ではコラーゲンIを用いた。
散布した細胞数は、いずれの細胞も2.0×10個とした。脳海馬神経細胞では、細胞散布後10日間培養した。PC12細胞では、細胞散布2日後に神経成長因子を添加し、その後10日間培養した。
細胞のネットワーク構築度合は、株式会社ニコン製の倒立顕微鏡(TE2000−PFS)を用いて観察した。ネットワーク構築度合を、○(ネットワーク構築)、△(一部構築)、×(ランダムネットワーク)に分類し、評価した。
細胞のネットワーク構築における活動状態(細胞興奮性)については、Dojindo社のCa2+感受性蛍光色素(型式:Fluo−4)を用いて細胞内Ca2+動態を測定・解析した。解析には、浜松ホトニクス株式会社製のレシオイメージングシステム(AQUACOSMOS/RATIO)を用い、ネットワークにおける染色性の違いにより、0、1+〜4+の等級に分類し、評価を行った。
[比較例1]
市販の滅菌済みのポリスチレン製シャーレ(φ90mm−深さ20mm)を用いた。
光学物性値は、全光線透過率84%、ヘイズ値4.3%であった。
[比較例2]
株式会社クラレ製のアクリル樹脂(パラペットGH−S)を用い、スタンパーを使用した射出成形法により、図4Aに示す、幅24mm、長さ74mm、厚さ1.0mmの樹脂プレート上に、図4Bおよび(c)に示す縦・横50μm、深さ30μmの複数のマイクロ容器4を有するプレートを作製した。マイクロ容器4同士の間隔は縦・横いずれも15μmである。図4Bは、図4Aにおける点線で示した円内の拡大図であって、比較例2にかかる細胞培養容器の構成を模式的に示す平面図である。図4Cは図4Bの断面図である。
次に、マイクロ容器への気泡混入を防止するため、株式会社アルバック製の蒸着装置(UEP)を用い、厚さ0.2μmの酸化ケイ素(SiO)膜を形成した。その後、滅菌した。
光学物性値は、全光線透過率83%、ヘイズ値8.2%であった。
[実施例1]
株式会社クラレ製のアクリル樹脂(パラペットGH−S)を用い、スタンパーを使用した射出成形法により、図5Aに示す、幅24mm、長さ74mm、厚さ1.0mmの樹脂プレート上に、図5Bおよび(c)に示す、幅20μm、深さ30μm、縦横いずれも間隔(凸部3の幅)180μmのマイクロ流路1および細胞接着誘導物質含有液の直径4mmの導入領域5を2つ有するプレートを作製した。導入領域5はマイクロ流路1よりも一段低く、凹部となっている。図5Bは、図5Aにおける点線で示した円内の拡大図であって、実施例1にかかる細胞培養容器の構成を模式的に示す平面図である。図5Cは図5Bの断面図である。
次に、マイクロ流路1への気泡混入を防止するため、株式会社アルバック(型式:UEP)の蒸着装置を用い、厚さ0.3μmの酸化ケイ素(SiO)膜を形成した。その後、滅菌した。
光学物性値は、全光線透過率87%、ヘイズ値9.7%であった。
[実施例2]
株式会社クラレ製のアクリル樹脂(パラペットGH−S)を用い、スタンパーを使用した射出成形法により、図6Aに示す、幅24mm、長さ74mm、厚さ1.0mmの樹脂プレート上に、図6Bおよび(c)に示す、幅20μm、深さ50μm、縦横いずれも間隔(凸部3の幅)280μmのマイクロ流路1および細胞接着誘導物質含有液の直径4mmの導入領域5を2つ有するプレートを作製した。導入領域5はマイクロ流路1よりも一段低く、凹部となっている。また、2つの導入領域5を中心に凹部が十字状に形成され、細胞接着誘導物質含有液がプレート全体に充満しやすくなっている。図6Bは、図6Aにおける点線で示した円内の拡大図であって、実施例2にかかる細胞培養容器の構成を模式的に示す平面図である。図6Cは図6Bの断面図である。
次に、マイクロ流路1への気泡混入を防止するため、株式会社アルバック(型式:UEP)の蒸着装置を用い、厚さ0.3μmの酸化ケイ素(SiO)膜を形成した。その後、滅菌した。
光学物性値は、全光線透過率88%、ヘイズ値5.2%であった。
[実施例3]
株式会社クラレ製のアクリル樹脂(パラペットGH−S)を用い、スタンパーを使用した射出成形法により、図7Aに示す、幅24mm、長さ74mm、厚さ1.0mmの樹脂プレート上に、図7Bおよび(c)に示す、幅25μm、深さ50μm、縦横いずれも間隔(凸部3の幅)275μmのマイクロ流路1および細胞接着誘導物質含有液の4mm×20mmの導入領域5を2つ有するプレートを作製した。導入領域5はマイクロ流路1よりも一段低く、凹部となっている。図7Bは、図7Aにおける点線で示した円内の拡大図であって、実施例3にかかる細胞培養容器の構成を模式的に示す平面図である。図7Cは図7Bの断面図である。
次に、マイクロ流路1への気泡混入を防止するため、株式会社アルバック(型式:UEP)の蒸着装置を用い、厚さ0.3μmの酸化ケイ素(SiO)膜を形成した。その後、滅菌した。
光学物性値は、全光線透過率89%、ヘイズ値4.2%であった。
[実施例4]
株式会社クラレ製のアクリル樹脂(パラペットGH−S)を用い、スタンパーを使用した射出成形法により、図8Aに示す、幅24mm、長さ74mm、厚さ1.0mmの樹脂プレート上に、図8Bおよび(c)に示す、幅10μm、深さ30μm、縦横いずれも間隔(凸部3の幅)190μmのマイクロ流路1および細胞接着誘導物質含有液の直径10mmの導入領域5を1つ有し、さらに、マイクロ流路1の交差部2に直径40μm、深さ20μmのマイクロ容器4を有するプレートを作製した。導入領域5はマイクロ流路1よりも一段低く、凹部となっている。また、導入領域5を中心に凹部が十字状に形成され、細胞接着誘導物質含有液がプレート全体に充満しやすくなっている。図8Bは、図8Aにおける点線で示した円内の拡大図であって、実施例4にかかる細胞培養容器の構成を模式的に示す平面図である。図8Cは図8BのVIIIC−VIIIC断面図、図8Dは図8BのVIIID−VIIID断面図である。図8Dに示すように、マイクロ容器4は、マイクロ流路1の下側に位置するため、細胞接着誘導物質含有液はマイクロ容器4へ容易に導入される。
次に、マイクロ流路1への気泡混入を防止するため、株式会社アルバック(型式:UEP)の蒸着装置を用い、厚さ0.3μmの酸化ケイ素(SiO)膜を形成した。その後、滅菌した。
光学物性値は、全光線透過率89%、ヘイズ値6.5%であった。
以上の比較例および実施例についての、ラット脳海馬神経細胞および褐色細胞腫(PC12)の培養結果を表1にまとめて示す。
マイクロ流路1を有さない比較例の場合、細胞は規則性のあるネットワークを構築できなかった。また、ネットワーク径が細いため、細胞興奮性も、実施例と比較して低い。マイクロ容器4のみを備える比較例2では、細胞接着誘導物質が培養面全体に被覆された結果、細胞がマイクロ容器の壁を乗り越えて、ランダムにネットワークを形成した。図9に、比較例2の細胞培養容器で10日間培養後の褐色細胞腫(PC12)の顕微鏡観察写真を示す。
一方、実施例では、マイクロ流路1を有することで、毛細管現象により、マイクロ流路1のみに細胞接着誘導物質含有液が導入されたため、細胞が、マイクロ流路1の壁を乗り越えることなく、高度にネットワークを形成できる。マイクロ流路1の深さは、実施例2の30μmよりも深くすることで、確実に流路のみに細胞接着誘導物質を導入でき、より完成度の高いネットワークを構築できる。また、ネットワーク径が太くなるため、細胞興奮性も、比較例に比べ高い。また、実施例は、透明性、ネットワーク構築および細胞興奮性すべてにおいて優れており、透過光での細胞観察用途に特に適している。図10に、実施例1の細胞培養容器で10日間培養後の褐色細胞腫(PC12)について、顕微鏡観察写真(図10A)および細胞内蛍光プローブによるCa2+由来の蛍光イメージ(図10B)を示す。
本発明は、例えば、組織から単離した細胞を培養し、試験、検査に用いるための細胞培養容器に利用される。

Claims (10)

  1. 細胞が培養される面に凹凸パターンを有する細胞培養容器であって、
    前記凹凸パターンの凹部は、細胞培養部と、前記細胞培養部に連通したマイクロ流路とを備え、
    前記細胞培養部の底面幅が培養細胞の相当直径の1.0倍〜20倍であり、
    前記凹部の底面及び側壁上にのみ細胞接着誘導物質が形成された細胞培養容器。
  2. 前記細胞接着誘導物質を前記凹凸パターンの凹部に導入するための、前記マイクロ流路の少なくとも1つと連通する凹部からなる導入領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記凹部の底面及び側壁が表面処理をされ、その上に細胞接着誘導物質が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞培養容器。
  4. 前記表面処理は親水化処理であることを特徴とする請求項3記載の細胞培養容器。
  5. 前記側壁の高さが培養細胞の相当直径の0.5倍〜10倍であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の細胞培養容器。
  6. 前記マイクロ流路の底面幅が培養細胞の相当直径の0.1倍〜10倍であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の細胞培養容器。
  7. 少なくとも前記細胞が配置される凹凸パターン領域が透明であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の細胞培養容器。
  8. 細胞が培養される面に凹凸パターンを有する細胞培養容器の製造方法であって、
    前記凹凸パターンの凹部により構成される、細胞培養部及び前記細胞培養部に連通したマイクロ流路を形成するステップと、
    毛細管現象により前記凹部のみに細胞接着誘導物質を導入するステップとを備える細胞培養容器の製造方法。
  9. 前記凹部を表面処理し、その上に細胞接着誘導物質を導入することを特徴とする請求項8記載の細胞培養容器の製造方法。
  10. 前記表面処理は親水化処理であることを特徴とする請求項9記載の細胞培養容器の製造方法。
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