JPWO2007119735A1 - 分散安定剤 - Google Patents

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Abstract

不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体(B)からなる分散安定剤によって、上記した課題を解決することができる。また、分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化して得られる、カルボン酸変性ポリビニルアルコール系重合体(C)からなる分散安定剤によって、上記した課題を解決することができる。

Description

本発明は、懸濁重合または乳化重合に用いられる分散安定剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、ビニル系化合物の懸濁重合または乳化重合に用いた場合に重合安定性に優れる分散安定剤に関する。
従来、ポリビニルアルコール系重合体は、ビニル系化合物の懸濁重合用および乳化重合用分散安定剤として広く利用されている。特に、ポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVC樹脂と略記することがある)の懸濁重合用として有用である。
PVC樹脂は耐薬品性、電気絶縁性などに優れているうえに、加工性にも優れており、硬質にも軟質にもなることから、各種成型材料として幅広い用途に使用されている。
PVC樹脂は一般に、塩化ビニルなどの単量体(以下、塩化ビニル系単量体を塩化ビニルと略記することがある)を、油溶性の重合開始剤を用いて、水性媒体中で分散安定剤の存在下に重合する懸濁重合法により工業的規模で製造されている。
懸濁重合法でPVC樹脂を製造する場合にPVC樹脂の品質を支配する因子としては、PVC樹脂の重合率、重合反応系における水と塩化ビニルの比率、重合温度、重合開始剤の種類および量、重合槽の型式、重合反応液の攪拌速度、分散安定剤の種類などが挙げられ、この中でも分散安定剤の種類による影響が大きい。
塩化ビニルの懸濁重合に用いられる分散安定剤としては、多くの場合ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある)が重用されており(特許文献1〜4)、塩化ビニルの重合時における安定性(重合安定性)を向上させる目的で、熱処理したPVAを重合反応に用いることが提案されている(特許文献1〜3)。しかしながら、これら従来の分散安定剤を用いて塩化ビニルの懸濁重合を行った場合に、重合安定性の点で必ずしも満足すべき効果が得られているとは言いがたい。
特開昭51−45189号公報 特開平10−67806号公報 特開2004−250695号公報 特開平8−259609号公報
一方、不飽和単量体の乳化重合用分散剤としてもPVAは多用されており、PVAとして、一般的にけん化度が98モル%程度のいわゆる「完全けん化PVA」、およびけん化度が88モル%程度の「部分けん化PVA」が用いられている。分散安定剤として前者を使用した場合、耐水性および流動性(高速塗工性)の点で比較的良好な不飽和重合体が得られるものの、分散安定剤自身の界面活性能が低いために、水性媒体の粘度が低温時に上昇したり、ゲル化が生じて乳化重合を行うこと自体が容易でないという問題がある。他方、分散安定剤として後者を使用した場合、水性媒体の低温時における粘度上昇やゲル化が生じるという問題は改善されるものの、得られる不飽和重合体は耐水性の点で劣るという問題がある。このような問題を改善するために、両者のPVAを併用したり、両者の中間的なけん化度を有するPVAを使用することが行われているが、重合時における安定性と不飽和重合体の耐水性を同時に満足するには至っていないのが現状である。
本発明は、懸濁重合または乳化重合に用いた場合に重合安定性に優れる分散安定剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体(B)からなる分散安定剤が、上記した課題を解決するものであることを見出した。また、分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩により、ポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化して得られる、カルボン酸変性ポリビニルアルコール系重合体(C)からなる分散安定剤が、上記した課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の分散安定剤を塩化ビニルなどの懸濁重合に用いた場合には、塩化ビニルを安定して重合することができるため、重合が不安定なことに起因するブロック化やスケール付着が低減されるという優れた効果を達成することができ、また、粗大粒子が少なくシャープな粒度分布を有する重合体粒子が得られる。また、本発明の分散安定剤を不飽和単量体の乳化重合に用いた場合にも、不飽和単量体を安定して重合することができ、得られる重合体はろ過残量が少ないという優れた効果を達成することができる。
本発明において用いられる不飽和二重結合を有するカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、プロピン酸、2−ペンテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、ケイ皮酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル;マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸ジエステルが挙げられる。これらのカルボン酸は塩として用いることもできる。カルボン酸またはそれらの塩は単独でまたは二種以上を併用して用いることができる。
別の本発明において用いられる分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アセト酢酸、グリコール酸、乳酸、アスコルビン酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、酒石酸、リンゴ酸等の脂肪族ジカルボン酸;クエン酸等の脂肪族トリカルボン酸が挙げられる。
また、分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない芳香族カルボン酸としては、フェニル酢酸、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
これらの脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸は塩として用いることもできる。これらの中でも特に、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩が好ましい。脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩は単独でまたは二種以上を併用して用いることができる。
ポリビニルアルコール系重合体(以下、ポリビニルアルコール系重合体をPVA系重合体と略記することがある)(A)をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するPVA系重合体(B)またはカルボン酸変性PVA系重合体(C)を、懸濁重合用分散安定剤として使用する場合は、PVA系重合体(A)のけん化度は好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上であり、けん化度の上限については特に制限はない。
また、PVA系重合体(A)をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するPVA系重合体(B)またはカルボン酸変性PVA系重合体(C)を、乳化重合用分散安定剤として使用する場合は、PVA系重合体(A)のけん化度は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは83モル%以上であり、けん化度の上限については特に制限はない。
また、PVA系重合体(A)の重合度について特に制限はないが、好ましくは100〜8000、より好ましくは200〜3000、さらに好ましくは250〜2500である。
本発明において、PVA系重合体(A)の製造原料として用いられるビニルエステル系重合体は、ビニルエステル系単量体を塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の従来公知の方法を採用して重合させることにより、製造することができる。工業的観点から好ましい重合方法は、溶液重合法、乳化重合法および分散重合法である。重合操作にあたっては、回分法、半回分法および連続法のいずれの重合方式を採用することも可能である。
重合に用いることができるビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどを挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
ビニルエステル系単量体の重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲であればビニルエステル系単量体を他の単量体を共重合させても差し支えない。使用しうる単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。
また、ビニルエステル系単量体の重合に際して、得られるビニルエステル系重合体の重合度を調節することなどを目的として、連鎖移動剤を共存させても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられ、中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数および目的とするビニルエステル系重合体の重合度に応じて決定されるが、一般にビニルエステル系単量体に対して0.1〜10重量%が望ましい。
本発明において、ビニルエステル系単量体を通常よりも高い温度条件で重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化して得られる、1,2−グリコール結合の含有量の多いPVA系重合体を好ましく用いることもできる。この場合の1,2−グリコール結合の含有量は特に制限されないが、好ましくは1.9モル%以上、より好ましくは2.0モル%以上、さらに好ましくは2.1モル%以上である。
ビニルエステル系重合体のけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒、またはp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いた、加アルコール分解ないし加水分解反応が適用できる。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。中でも、メタノールまたはメタノールと酢酸メチルとの混合溶液を溶媒として用い、塩基性触媒である水酸化ナトリウムの存在下にけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
本発明において用いられるPVA系重合体(A)は、末端にイオン性官能基を有していてもよい。これらのイオン性官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられ、その中でもカルボキシル基が好ましい。これらのイオン性基にはその塩も含まれ、PVA系重合体(A)は水分散性であることが好ましいという観点から、アルカリ金属塩が好ましい。PVA系重合体の末端部にイオン性官能基を導入する手法としては、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合させ、得られる重合体をけん化する等の方法を用いることができる。
本発明において、PVA系重合体(A)を、不飽和二重結合を有するカルボン酸あるいはその塩、または分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸あるいはそれらの塩(以下、これらを単に「カルボン酸(またはその塩)」と略記することがある)でエステル化させる方法については特に制限はない。その方法として、例えば、(i)PVA系重合体(A)を無水溶媒中、懸濁状態でカルボン酸またはその塩と反応させる方法;(ii)カルボン酸またはその塩を粉末状で、あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールもしくは水に溶解または分散させた後、スラリー状または粉末状のPVA系重合体(A)と混合し、窒素または空気雰囲気下で加熱処理して反応させる方法;(iii)ペースト状のポリ酢酸ビニルにカルボン酸またはその塩を添加し、けん化して得られるPVA系重合体(A)を加熱処理する方法;(iv)PVA系重合体(A)とカルボン酸またはその塩をリボンブラベンダー、Vブラベンダー、ヘンシェルミキサーなどでドライブレンドした後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または二軸の押出し機およびニーダーなどを用いて溶融混練する方法などが挙げられる。中でも、(ii)のPVA系重合体(A)とカルボン酸またはその塩を混合した後、窒素雰囲気下で加熱反応して反応させる方法、および(iv)のPVA系重合体(A)とカルボン酸またはその塩を溶融混練する方法が好ましい。
前記(ii)の方法において、PVA系重合体(A)とカルボン酸またはその塩の混合物を加熱処理する際の条件は、特に制限されないが、加熱処理時の温度は60〜190℃が好ましく、65〜185℃がより好ましく、70〜180℃がさらに好ましい。また加熱処理の時間は0.5〜20時間が好ましく、1〜18時間がより好ましく、1〜16時間がさらに好ましい。
前記(iv)の方法において、PVA系重合体(A)とカルボン酸またはその塩を溶融混合する際の温度は、130〜250℃が好ましく、140〜220℃がより好ましい。溶融混練に用いられる装置内にPVA系重合体(A)およびカルボン酸またはその塩を滞留させる時間は1〜15分が好ましく、2〜10分がより好ましい。
PVA系重合体(A)およびカルボン酸またはその塩を加熱処理する際にPVAが分解し、あるいはPVAの主鎖中にポリエンが形成されることによって生じる着色を防止する目的で、PVAに通常用いられる可塑剤を配合し、これにより加熱処理時の温度を下げることも可能である。可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;これらのアルコールにエチレンオキサイドを付加した化合物;水;糖類;ポリエーテル類;アミド化合物などを挙げることができ、これらは1種または2種以上を組合せて用いることができる。これら可塑剤の使用量は、通常PVA系重合体100重量部に対し1〜300重量部であり、1〜200重量部がより好ましく、1〜100重量部がさらに好ましい。
また、PVA系重合体(A)および不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩を加熱処理する際には、不飽和二重結合を有するカルボン酸あるいはその塩、またはPVA系重合体(A)が加熱処理時に熱重合してゲルが生成するのを防ぐため、重合禁止剤を配合して加熱処理することも可能である。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール系重合禁止剤、フェノチアジン、N,N−ジフェニルパラフェニレンジアミンなどを挙げることができる。重合禁止剤の配合量は、PVA系重合体100重量部に対して0.00001〜10重量部が好ましく、0.0001〜1重量部がより好ましい。
さらに、PVA系重合体(A)およびカルボン酸またはその塩を加熱処理する際に、PVA系重合体(A)100重量部に対してアルカリ金属イオンを0.003〜3重量%の割合で含有させると、PVA系重合体(A)の熱劣化、熱分解、ゲル化、着色などを抑制することができるため好ましい。アルカリ金属イオンとしては、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンなどが挙げられ、これらは主に酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸の塩として存在し、またPVA系重合体(A)がカルボキシル基やスルホン酸基を有している場合には、これらの官能基の塩として存在する。なお、PVA系重合体中のアルカリ金属イオンの含有量は、原子吸光法により測定することができる。
本発明において、カルボン酸またはその塩によるPVA系重合体(A)のエステル化を促進するために、触媒として作用する酸性物質または塩基性物質を配合した状態で、PVA系重合体(A)および不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩を加熱処理することも可能である。酸性物質としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸;p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、塩化アンモニウムなどの塩;塩化亜鉛、塩化アルミニウム、三塩化鉄、二塩化錫、四塩化錫、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体などのルイス酸などを挙げることができ、これらは1種または2種以上を組合せて用いることができる。また、塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;酸化バリウム、酸化銀などの金属酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムアミド、カリウムアミドなどのアルカリ金属アミドなどを挙げることができ、これらは1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの酸性物質および塩基性物質の配合量は、通常、PVA系重合体100重量部に対して0.0001〜5重量部が好ましい。
本発明において、PVA系重合体(A)は単独で使用しても、あるいは特性の異なる2種以上のPVA系重合体(A)を混合して使用してもよい。
PVA系重合体(A)を、不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩によりエステル化することにより、側鎖に二重結合を有するPVA系重合体(B)が得られる。不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩による変性量は、例えば、PVA系重合体(B)をd6−DMSO溶媒に溶解させ、これを1H−NMRにより測定し、二重結合に由来するシグナルを解析する方法、あるいは高速液体クロマトグラフィーにより未反応カルボン酸を測定し求める方法などが挙げられる。
本発明においてPVA系重合体(B)およびPVA系重合体(C)は、エステル化により導入されたカルボン酸またはその塩による変性量がPVA系重合体(A)のモノマーユニットあたり0.01〜50モル%が好ましく、0.01〜25モル%がより好ましく、0.02〜20モル%がさらに好ましく、0.05〜15モル%が特に好ましい。
本発明において、PVA系重合体(B)が、PVA系重合体(A)を不飽和ジカルボン酸類でエステル化したPVA系重合体である場合、またはPVA系重合体(C)が、PVA系重合体(A)をジカルボン酸類またはトリカルボン酸類でエステル化したPVA系重合体である場合、その水溶性を高めるために、エステル結合に関与していない方のカルボキシル基を、1〜3価の金属の水酸化物、塩類、アルコキシド、アンモニア、アンモニウム塩、アミン塩、アミン塩類のうちいずれかと反応させることも好適に行われる。
PVA系重合体(B)またはPVA系重合体(C)は懸濁重合用分散安定剤として、特にビニル系化合物の懸濁重合に好適に用いられる。ビニル系化合物としては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステルおよび塩;マレイン酸、フマル酸、これらのエステルおよび無水物;スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。これらのうち、特に好適には塩化ビニルを単独で、または塩化ビニルおよび塩化ビニルと共重合することが可能な単量体と共に懸濁重合する際に用いられる。塩化ビニルと共重合することができる単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;無水マレイン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類;アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。
ビニル系化合物の懸濁重合には、従来から塩化ビニル単量体等の重合に使用されている、油溶性または水溶性の重合開始剤を用いることができる。油溶性の重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。水溶性の重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの油溶性あるいは水溶性の重合開始剤は単独で、または2種類以上を組合せて用いることができる。
ビニル系化合物の懸濁重合に際し、必要に応じて、重合反応系にその他の各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、アルデヒド類、ハロゲン化炭化水素類、メルカプタン類などの重合調節剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキサイド化合物などの重合禁止剤などが挙げられる。また、pH調整剤、架橋剤なども任意に加えることができる。
ビニル系化合物の懸濁重合に際し、重合温度には特に制限はなく、20℃程度の低い温度はもとより、90℃を超える高い温度に調整することもできる。また、重合反応系の除熱効率を高めるために、リフラックスコンデンサー付の重合器を用いることも好ましい実施態様の一つである。
PVA系重合体(B)またはPVA系重合体(C)を乳化重合用分散安定剤として用いる場合、その使用量は特に限定されず、乳化重合に用いられる不飽和単量体100重量部に対して、固形分換算で好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、特に好ましくは3〜13重量部の範囲で用いられる。PVA系重合体(B)を分散安定剤として前記した範囲内の量で用いるとき、重合安定性がより向上する。
不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン;塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデングロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2―エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル;メテクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級化物を挙げることができる。さらに、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などのスチレン系単量体;N−ビニルピロリドン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体を挙げることができる。これらの不飽和単量体は単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。好適な不飽和単量体の重合体としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体が挙げられる。
本発明のPVA系重合体(B)またはPVA系重合体(C)からなる分散安定剤には、必要に応じて、懸濁重合および乳化重合に通常使用される防腐剤、防黴剤、ブロッキング防止剤、消泡剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の分散安定剤を懸濁重合または乳化重合に使用する場合、分散安定剤は単独で使用しても良いが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル;ポリビニルアルコール、ゼラチンなどの水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマーなどの油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤等と共に使用することができる。
さらに、本発明の分散安定剤を懸濁重合に用いる場合は、水溶性または水分散性の分散安定助剤を併用することができ、分散安定助剤としては、けん化度65モル%未満、重合度50〜750、好ましくはけん化度30〜60モル%で重合度180〜650の部分けん化PVAが好適に用いられる。また、分散安定助剤は、カルボン酸やスルホン酸のようなイオン性基などを導入することにより、自己乳化性が付与されたものであってもよい。
分散安定助剤を併用する場合の分散安定剤と分散安定助剤の添加量の重量比(分散安定剤/分散安定助剤)は、用いられる分散安定剤の種類等によって変化するのでこれを一律に規定することはできないが、95/5〜20/80の範囲が好ましく、特に90/10〜30/70が好ましい。分散安定剤と分散安定助剤は、重合の初期に一括して仕込んでもよいし、あるいは重合の途中で分割して仕込んでもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例において、特に断りがない場合、部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
実施例1
(PVA系重合体(B)の合成−加熱処理法)
重合度700、けん化度70モル%のPVA系重合体(A)の粉末100重量部を、フマル酸5重量部をメタノール200重量部に溶解させた溶液に加えて膨潤させた後、減圧下40℃の温度で24時間乾燥を行った。次いで、窒素雰囲気下にて130℃で1時間、加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソックスレー洗浄し、PVA系重合体(B)を得た。このPVA系重合体(B)をd6−DMSO溶媒に溶解させて1H−NMR測定を行ったところ、6.5ppmに二重結合由来のシグナルが観測された。カルボン酸によるPVA系重合体(B)への変性量は0.5モル%であった。また、得られたPVA系重合体(B)中のアルカリ金属イオン量を原子吸光法により測定したところ、けん化副生成物に由来すると思われるナトリウムイオンが観測され、酢酸ナトリウムに換算すると1.5重量%であった。
(塩化ビニルの懸濁重合)
上記で得られたPVA系重合体(B)を、塩化ビニルに対して600ppmに相当する量で脱イオン水に溶解させ、分散安定剤を調製した。このようにして得られた分散安定剤1150gを、容量5Lのグラスライニング製オートクレーブに仕込んだ。次いで、グラスライニング製オートクレーブにジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液1.5gを仕込み、オートクレーブ内の圧力が0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル1000gを仕込み、オートクレーブ内の内容物を57℃に昇温して、撹拌下に重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は0.83MPaであった。重合を開始してから7時間が経過し、オートクレーブ内の圧力が0.44MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去した後、重合スラリーを取り出し、65℃にて一晩乾燥を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。
(塩化ビニル重合体粒子の評価)
塩化ビニル重合体粒子について、平均粒径、粒度分布およびスケール付着量を以下の方法にしたがって測定した。評価結果を表1に示す。
(1)塩化ビニル重合体粒子の平均粒子径
タイラーメッシュ基準の金網を使用して、乾式篩分析により粒度分布を測定し、平均粒子径を求めた。
(2)塩化ビニル重合体粒子の粒度分布
JIS標準篩い42メッシュオンの含有量を重量%で表示した。数字が小さいほど粗大粒子が少なくて粒度分布がシャープであり、重合安定性に優れていることを示している。
(3)スケール付着量
重合体スラリーを重合槽から取り出した後の重合槽の内壁におけるスケールの付着状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:スケールの付着がほとんどない
○:スケールの付着が少ない
×:白色のスケール付着が著しい
実施例2〜12
表1に示すPVA系重合体(A)およびカルボン酸を用い、さらに表1に示す条件で加熱処理を行った以外は実施例1と同様にして合成されたPVA系重合体(B)を用い、実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。塩化ビニル重合体粒子の評価結果を表1に示す。
比較例1
PVA系重合体(A)の粉末をそのまま分散安定剤として用い、実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行ったが、塩化ビニルがブロック化して重合を行うことができなかったために、塩化ビニル重合体粒子を得ることはできなかった。
比較例2および3
表1に示すPVA系重合体(A)の粉末を、フマル酸を含まないメタノール溶液に加えて加熱処理を行った以外は実施例1と同様にしてPVA重合体を合成し、これを用いて実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。粗大粒子があり均一な重合体粒子が得られず、またスケール付着量も多く安定な重合ができなかった。
比較例4
加熱処理をしなかった以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行ったが、塩化ビニルがブロック化して重合を行うことができなかったために、塩化ビニル重合体粒子を得ることはできなかった。
実施例13
(PVA系重合体(C)の合成−加熱処理法)
重合度750、けん化度72モル%のPVA系重合体(A)の粉末100重量部を、マロン酸5重量部をメタノール200重量部に溶解させた溶液に加えて膨潤させた後、減圧下40℃の温度で24時間乾燥を行った。次いで、窒素雰囲気下にて140℃で2時間、加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソックスレー洗浄し、PVA系重合体(C)を得た。カルボン酸によるPVA系重合体(C)への変性量は0.8モル%であった。また、得られたPVA系重合体(C)中のアルカリ金属イオン量を原子吸光法により測定したところ、けん化副生成物に由来すると思われるナトリウムイオンが観測され、酢酸ナトリウムに換算すると0.5重量%であった。
(塩化ビニルの懸濁重合)
上記で得られたPVA系重合体(C)を、塩化ビニルに対して800ppmに相当する量で脱イオン水に溶解させ、分散安定剤を調製した。このようにして得られた分散安定剤1150gを、容量5Lのグラスライニング製オートクレーブに仕込んだ。次いで、グラスライニング製オートクレーブにジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液1.5gを仕込み、オートクレーブ内の圧力が0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル1000gを仕込み、オートクレーブ内の内容物を57℃に昇温して、撹拌下に重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は0.83MPaであった。重合を開始してから7時間が経過し、オートクレーブ内の圧力が0.44MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去した後、重合スラリーを取り出し、65℃にて一晩乾燥を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。
実施例14〜20
表1に示すPVA系重合体(A)およびカルボン酸を用い、さらに表1に示す条件で加熱処理を行った以外は実施例13と同様にして合成されたPVA系重合体(C)を用い、実施例13と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。塩化ビニル重合体粒子の評価結果を表1に示す。
比較例5
加熱処理をしなかった以外は実施例13と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行ったが、塩化ビニルがブロック化して重合を行うことができなかったために、塩化ビニル重合体粒子を得ることはできなかった。
Figure 2007119735
実施例21
(PVA系重合体(B)の合成−溶融混練法)
重合度500、けん化度74モル%のPVA系重合体(A)の粉末100重量部に対して、フマル酸1重量部をドライブレンドし、ラボプラストミルを用いて203℃の温度で2分間溶融混練し、混練物をTHFを用いてソックスレー洗浄し、PVA系重合体(B)を得た。PVA系重合体(B)をd6−DMSO溶媒に溶解させて1H−NMR測定を行ったところ、6.5ppmに二重結合由来のシグナルが観測された。カルボン酸によるPVA系重合体(B)への変性量は0.5モル%であった。
(塩化ビニルの懸濁重合)
実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、得られた塩化ビニル重合体粒子について実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例22〜23
表2に示すカルボン酸を用い、さらに表2に示す条件で加熱処理を行った以外は実施例21と同様にして合成されたPVA系重合体(B)を用い、実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。塩化ビニル重合体粒子の評価結果を表2に示す。
比較例6
フマル酸をドライブレンドしなかったことと、表2に示す条件で溶融混練を行った以外は実施例21と同様にして合成されたPVA系重合体(B)を用い、実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行ったが、塩化ビニルがブロック化して重合を行うことができなかったために、塩化ビニル重合体粒子を得ることはできなかった。
実施例24
(PVA系重合体(C)の合成−溶融混練法)
重合度550、けん化度74モル%のPVA系重合体(A)の粉末100重量部に対して、グルタル酸1重量部をドライブレンドし、ラボプラストミルを用いて200℃の温度で2分間溶融混練し、混練物をTHFを用いてソックスレー洗浄し、PVA系重合体(C)を得た。カルボン酸によるPVA系重合体(C)への変性量は0.5モル%であった。
(塩化ビニルの懸濁重合)
実施例13と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、得られた塩化ビニル重合体粒子について実施例13と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例25
グルタル酸1重量部の代わりにアジピン酸1重量部を用い、さらに表2に示す条件で加熱処理を行った以外は実施例24と同様にして合成されたPVA系重合体(C)を用い、実施例11と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。塩化ビニル重合体粒子の評価結果を表2に示す。
Figure 2007119735
実施例26
(PVA系重合体(B)の合成−加熱処理法)
重合度1700、けん化度98.5モル%のPVA系重合体(A)の粉末、および不飽和二重結合を有するカルボン酸としてフマル酸1重量部を用い、さらに表3に示す条件で加熱処理を行った以外は実施例1と同様にしてPVA系重合体(B)を合成した。
(酢酸ビニルの乳化重合)
攪拌機、還流冷却管、滴下ロート、窒素導入管および温度計を備えた容量1Lのガラス製反応器に、濃度2.5%に調整したPVA系重合体(B)312gを仕込み、温度を60℃に調整した後、酢酸ビニル26g、酒石酸ナトリウムの20%水溶液15gを仕込み、窒素で系内を置換した。反応器の内容物を200rpmで攪拌しながら、5%過酸化水素水30gを2.5時間かけて連続的に滴下して重合を行った。重合開始30分後に初期重合が終了したことを確認し、さらに酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加して重合を完結させ、固形分濃度48%のポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は0.1%(固形分)と少なく、また重合時の安定性にも極めて優れていた。結果を表3に示す。
実施例27〜28
表3に示したカルボン酸を用いた以外は実施例26と同様にして合成されたPVA系重合体(B)を用い、実施例26と同様にして酢酸ビニルの乳化重合を行い、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は0.2%(固形分)と少なく、また重合時の安定性にも極めて優れていた。結果を表3に示す。
実施例29
PVA系重合体(A)として、重合度1700、けん化度98.5モル%、1,2―グリコール結合量2.2モル%のPVAを用いた以外は実施例23と同様にして合成されたPVA系重合体(B)を用い、実施例26と同様にして酢酸ビニルの乳化重合を行い、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は0.05%(固形分)と少なく、また重合時の安定性にも極めて優れていた。結果を表3に示す。
比較例7
フマル酸を用いなかった以外は実施例26と同様にして合成されたPVA系重合体(B)を用い、実施例26と同様にして酢酸ビニルの乳化重合を行い、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は20%(固形分)であり、また安定して乳化重合を行うことができなかった。結果を表3に示す。
実施例30
(PVA系重合体(C)の合成−加熱処理法)
重合度1700、けん化度98.5モル%のPVA系重合体(A)の粉末、およびカルボン酸としてマロン酸1重量部を用い、さらに表3に示す条件で加熱処理を行った以外は実施例13と同様にしてPVA系重合体(C)を合成した。
(酢酸ビニルの乳化重合)
攪拌機、還流冷却管、滴下ロート、窒素導入管および温度計を備えた容量1Lのガラス製反応器に、濃度2.5%に調整したPVA系重合体(C)312gを仕込み、温度を60℃に調整した後、酢酸ビニル26g、酒石酸ナトリウムの20%水溶液15gを仕込み、窒素で系内を置換した。反応器の内容物を200rpmで攪拌しながら、5%過酸化水素水30gを2.5時間かけて連続的に滴下して重合を行った。重合開始30分後に初期重合が終了したことを確認し、さらに酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加して重合を完結させ、固形分濃度48%のポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は0.2%(固形分)と少なく、また重合時の安定性にも極めて優れていた。結果を表3に示す。
実施例31
マロン酸の代わりにアジピン酸を用いた以外は実施例30と同様にして合成されたPVA系重合体(C)を用い、実施例30と同様にして酢酸ビニルの乳化重合を行い、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は0.3%(固形分)と少なく、また重合時の安定性にも極めて優れていた。結果を表3に示す。
実施例32
PVA系重合体(A)として、重合度1700、けん化度98.5モル%、1,2―グリコール結合量2.2モル%のPVAを用い、カルボン酸としてマロン酸の代わりにアジピン酸を用いた以外は実施例30と同様にして合成されたPVA系重合体(C)を用い、実施例30と同様にして酢酸ビニルの乳化重合を行い、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過したところ、ろ過残量は0.03%(固形分)と少なく、また重合時の安定性にも極めて優れていた。結果を表3に示す。
Figure 2007119735
本発明の分散安定剤は、懸濁重合時に用いた場合に重合安定性に優れるため、重合が不安定なことに起因するブロック化やスケール付着が低減して、粗大粒子が少なくてシャープな粒度分布を有する重合体粒子を得ることができ、あるいは乳化重合に用いた場合に重合安定性に優れるため、ろ過残量が少ない重合体を得ることができ、工業的に極めて有用である。

Claims (9)

  1. 不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体(B)からなる分散安定剤。
  2. 側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体(B)の、不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩による変性量が、ポリビニルアルコール系重合体(A)のモノマーユニットあたり0.01〜50モル%である請求項1に記載の分散安定剤。
  3. 分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化して得られる、カルボン酸変性ポリビニルアルコール系重合体(C)からなる分散安定剤。
  4. 分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩が、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩である請求項3記載の分散安定剤。
  5. カルボン酸変性ポリビニルアルコール系重合体(C)の、分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩による変性量が、ポリビニルアルコール系重合体(A)のモノマーユニットあたり0.01〜50モル%である請求項3または4に記載の分散安定剤。
  6. 分散安定剤が、懸濁重合用分散安定剤である請求項1〜5のいずれかに記載の分散安定剤。
  7. 分散安定剤が、乳化重合用分散安定剤である請求項1〜5のいずれかに記載の分散安定剤。
  8. 不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化する、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体(B)の製造方法。
  9. 分子内にオレフィン性不飽和結合を含まない脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸またはそれらの塩によりポリビニルアルコール系重合体(A)をエステル化する、カルボン酸変性ポリビニルアルコール系重合体(C)の製造方法。
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