JP2000239317A - ポリビニルアルコールの部分エステル化方法 - Google Patents
ポリビニルアルコールの部分エステル化方法Info
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- JP2000239317A JP2000239317A JP11041240A JP4124099A JP2000239317A JP 2000239317 A JP2000239317 A JP 2000239317A JP 11041240 A JP11041240 A JP 11041240A JP 4124099 A JP4124099 A JP 4124099A JP 2000239317 A JP2000239317 A JP 2000239317A
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- polyvinyl alcohol
- anhydride
- organic acid
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/14—Esterification
Abstract
(57)【要約】
【課題】ポリビニルアルコールを簡便かつ効率良く部分
エステル化する方法を提供する。 【解決手段】ポリビニルアルコールの部分エステル化方
法は、ポリビニルアルコールと有機酸無水物とを、ポリ
ビニルアルコールが不溶かつ有機酸無水物が可溶な有機
溶剤中で不均一に分散させることにより、ポリビニルア
ルコールの水酸基の一部がエステル化されることを特徴
としている。
エステル化する方法を提供する。 【解決手段】ポリビニルアルコールの部分エステル化方
法は、ポリビニルアルコールと有機酸無水物とを、ポリ
ビニルアルコールが不溶かつ有機酸無水物が可溶な有機
溶剤中で不均一に分散させることにより、ポリビニルア
ルコールの水酸基の一部がエステル化されることを特徴
としている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング剤、
各種インキ、塗料中の硬化成分の原料、接着剤、または
フィルムとして用いられるポリビニルアルコールを部分
エステルにするための方法に関するものである。
各種インキ、塗料中の硬化成分の原料、接着剤、または
フィルムとして用いられるポリビニルアルコールを部分
エステルにするための方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ポリビニルアルコールが有する多数の水
酸基を部分的にエステル化した化合物は、エステルの種
類に応じて種々の特性が付与されており、コーティング
剤等の硬化成分の原料、接着剤に用いられる。このポリ
ビニルアルコール部分エステルに、重合性の不飽和基や
エポキシ基を有する化合物を付加させると硬化成分とな
る。
酸基を部分的にエステル化した化合物は、エステルの種
類に応じて種々の特性が付与されており、コーティング
剤等の硬化成分の原料、接着剤に用いられる。このポリ
ビニルアルコール部分エステルに、重合性の不飽和基や
エポキシ基を有する化合物を付加させると硬化成分とな
る。
【０００３】このようなポリビニルアルコール部分エス
テルの製造は、通常、ポリビニルアルコールと、有機酸
無水物や有機酸塩化物のエステル化剤とがいずれも溶解
する高極性のＮ，Ｎ―ジメチルホルムアミド等の高沸点
溶剤中での均一な反応系で行われている。ポリビニルア
ルコールは、高濃度では粘度が高すぎて十分反応しない
ため、多量の高沸点溶剤に希釈して製造されている。高
純度で固体のポリビニルアルコール部分エステルを得る
ためには、この高沸点溶剤を蒸留により除去しなければ
ならず、操作が煩雑で製造効率が悪いという問題があっ
た。
テルの製造は、通常、ポリビニルアルコールと、有機酸
無水物や有機酸塩化物のエステル化剤とがいずれも溶解
する高極性のＮ，Ｎ―ジメチルホルムアミド等の高沸点
溶剤中での均一な反応系で行われている。ポリビニルア
ルコールは、高濃度では粘度が高すぎて十分反応しない
ため、多量の高沸点溶剤に希釈して製造されている。高
純度で固体のポリビニルアルコール部分エステルを得る
ためには、この高沸点溶剤を蒸留により除去しなければ
ならず、操作が煩雑で製造効率が悪いという問題があっ
た。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、ポリビニルアルコールを
簡便かつ効率良く部分エステル化する方法を提供するこ
とを目的とする。
解決するためなされたもので、ポリビニルアルコールを
簡便かつ効率良く部分エステル化する方法を提供するこ
とを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明のポリビニルアルコールの部分エス
テル化方法は、ポリビニルアルコールと有機酸無水物と
を、ポリビニルアルコールが不溶かつ有機酸無水物が可
溶な有機溶剤中で不均一に分散させることにより、ポリ
ビニルアルコールの水酸基の一部がエステル化されるこ
とを特徴としている。
めになされた本発明のポリビニルアルコールの部分エス
テル化方法は、ポリビニルアルコールと有機酸無水物と
を、ポリビニルアルコールが不溶かつ有機酸無水物が可
溶な有機溶剤中で不均一に分散させることにより、ポリ
ビニルアルコールの水酸基の一部がエステル化されるこ
とを特徴としている。
【０００６】ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルを
塩基性条件下で加水分解したもので、完全ケン化ポリビ
ニルアルコール乃至、部分ケン化ポリビニルアルコール
が用いられる。この有機溶剤中でポリビニルアルコール
は、膨潤しているが殆ど溶解していないので不均一に分
散している。そのため、ポリビニルアルコールの有する
多数の水酸基のうち、ポリビニルアルコール分子表面に
露出した一部の水酸基のみが、有機溶剤に溶解した有機
酸無水物と反応して、部分的にエステル化が起こる。
塩基性条件下で加水分解したもので、完全ケン化ポリビ
ニルアルコール乃至、部分ケン化ポリビニルアルコール
が用いられる。この有機溶剤中でポリビニルアルコール
は、膨潤しているが殆ど溶解していないので不均一に分
散している。そのため、ポリビニルアルコールの有する
多数の水酸基のうち、ポリビニルアルコール分子表面に
露出した一部の水酸基のみが、有機溶剤に溶解した有機
酸無水物と反応して、部分的にエステル化が起こる。
【０００７】有機溶剤は、ケトン類を含んでいることが
好ましい。ケトン類には、アセトン、エチルメチルケト
ン、イソブチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、
エチルケトンが挙げられる。有機溶剤は、アミド類たと
えばＮ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ―ジメチル
アセトアミド、エーテル類たとえばジオキサン、または
ジアルキルジグリコール類たとえばジメチルジエチレン
グリコール、エステル類たとえば酢酸エチル、酢酸ブチ
ルの極性溶媒と、ケトン類との混合溶媒であってもよ
い。
好ましい。ケトン類には、アセトン、エチルメチルケト
ン、イソブチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、
エチルケトンが挙げられる。有機溶剤は、アミド類たと
えばＮ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ―ジメチル
アセトアミド、エーテル類たとえばジオキサン、または
ジアルキルジグリコール類たとえばジメチルジエチレン
グリコール、エステル類たとえば酢酸エチル、酢酸ブチ
ルの極性溶媒と、ケトン類との混合溶媒であってもよ
い。
【０００８】有機酸無水物は、無水コハク酸、無水フタ
ル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水グル
タル酸から選ばれる少なくとも一種類であることが好ま
しい。
ル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水グル
タル酸から選ばれる少なくとも一種類であることが好ま
しい。
【０００９】部分エステル化は、無触媒でも進行する
が、有機溶剤中に触媒として第３級アミン類たとえばジ
メチルベンジルアミンが含まれていてもよい。
が、有機溶剤中に触媒として第３級アミン類たとえばジ
メチルベンジルアミンが含まれていてもよい。
【００１０】この部分エステル化方法によれば、ポリビ
ニルアルコールの水酸基のうちの０．１〜２０％がエス
テル化される。
ニルアルコールの水酸基のうちの０．１〜２０％がエス
テル化される。
【００１１】部分エステル化したところで、ポリビニル
アルコールの部分エステルを濾取することにより好適に
実施できる。濾取したものは高純度なポリビニルアルコ
ール部分エステルであり、溶剤を含まない。
アルコールの部分エステルを濾取することにより好適に
実施できる。濾取したものは高純度なポリビニルアルコ
ール部分エステルであり、溶剤を含まない。
【００１２】得られた部分エステルに重合性の不飽和基
やエポキシ基含有化合物を付加させて得た硬化成分を、
基材へ塗布後、重合させるとインクジェット記録方式の
インク受容層や基材表面を保護するコーティング層が形
成される。
やエポキシ基含有化合物を付加させて得た硬化成分を、
基材へ塗布後、重合させるとインクジェット記録方式の
インク受容層や基材表面を保護するコーティング層が形
成される。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。還
流管と温度計を取り付けた反応容器に、ケン化度８０％
の部分ケン化ポリビニルアルコール（重合度５００）１
００重量部、無水コハク酸１０重量部、アセトン１００
重量部、およびジメチルベンジルアミン０．０５重量部
を加えた。反応容器を加熱し、アセトン還流下で６時間
攪拌した。溶剤を濾過し、生成した固形のポリビニルア
ルコール部分エステルを濾取した。
流管と温度計を取り付けた反応容器に、ケン化度８０％
の部分ケン化ポリビニルアルコール（重合度５００）１
００重量部、無水コハク酸１０重量部、アセトン１００
重量部、およびジメチルベンジルアミン０．０５重量部
を加えた。反応容器を加熱し、アセトン還流下で６時間
攪拌した。溶剤を濾過し、生成した固形のポリビニルア
ルコール部分エステルを濾取した。
【００１４】ポリビニルアルコール部分エステルを、ソ
クスレー抽出器に入れ抽出溶媒のアセトンにより精製し
た後、１０５℃で３０分間乾燥させた。このポリビニル
アルコール部分エステルの酸価を、０．１ｍｏｌ／Ｌ水
酸化カリウムエタノール溶液で中和滴定して求め、この
酸価の測定値をもとに算出した酸無水物当量より、ポリ
ビニルアルコールの水酸基のうちエステル化された水酸
基の比率、すなわちエステル化率を算出した。酸価は５
３．０であり、それより算出したエステル化率は５．５
％であった。
クスレー抽出器に入れ抽出溶媒のアセトンにより精製し
た後、１０５℃で３０分間乾燥させた。このポリビニル
アルコール部分エステルの酸価を、０．１ｍｏｌ／Ｌ水
酸化カリウムエタノール溶液で中和滴定して求め、この
酸価の測定値をもとに算出した酸無水物当量より、ポリ
ビニルアルコールの水酸基のうちエステル化された水酸
基の比率、すなわちエステル化率を算出した。酸価は５
３．０であり、それより算出したエステル化率は５．５
％であった。
【００１５】この部分エステルを溶融後、グリシジルメ
タクリレートを付加反応させて不飽和基を導入し、必要
に応じてＮ−ビニルアセトアミドやカチオン性ポリマー
を配合する。これを基材に塗布し紫外線照射により重合
させると架橋構造を有する硬化性重合物のコーティング
層が得られる。
タクリレートを付加反応させて不飽和基を導入し、必要
に応じてＮ−ビニルアセトアミドやカチオン性ポリマー
を配合する。これを基材に塗布し紫外線照射により重合
させると架橋構造を有する硬化性重合物のコーティング
層が得られる。
【００１６】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明のポ
リビニルアルコールの部分エステル化方法によれば、高
純度の部分エステルを簡便かつ容易に得ることができ
る。この部分エステルはコーティング剤、各種インキ、
塗料中の硬化成分の原料として用いられる。
リビニルアルコールの部分エステル化方法によれば、高
純度の部分エステルを簡便かつ容易に得ることができ
る。この部分エステルはコーティング剤、各種インキ、
塗料中の硬化成分の原料として用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4J100 AD02P CA01 CA31 HA11 HC10 HC25 HC28 HC30 HC33 HC38 HC50 JA01 JA03 JA07
Claims (4)
- 【請求項１】 ポリビニルアルコールと有機酸無水物
とを、該ポリビニルアルコールが不溶かつ該有機酸無水
物が可溶な有機溶剤中で不均一に分散させることによ
り、該ポリビニルアルコールの水酸基の一部がエステル
化されることを特徴とするポリビニルアルコールの部分
エステル化方法。 - 【請求項２】 前記有機溶剤がケトン類を含むことを
特徴とする請求項１に記載のポリビニルアルコールの部
分エステル化方法。 - 【請求項３】 前記有機酸無水物が無水コハク酸、無
水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無
水グルタル酸から選ばれる少なくとも一種類であること
を特徴とする請求項１に記載のポリビニルアルコールの
部分エステル化方法。 - 【請求項４】 ポリビニルアルコールの部分エステル
を濾取することを特徴とする請求項１に記載のポリビニ
ルアルコールの部分エステル化方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11041240A JP2000239317A (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | ポリビニルアルコールの部分エステル化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11041240A JP2000239317A (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | ポリビニルアルコールの部分エステル化方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000239317A true JP2000239317A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12602921
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11041240A Pending JP2000239317A (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | ポリビニルアルコールの部分エステル化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000239317A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| WO2007119735A1 (ja) * | 2006-04-12 | 2007-10-25 | Kuraray Co., Ltd. | 分散安定剤 |
| WO2008129936A1 (ja) * | 2007-04-16 | 2008-10-30 | Kuraray Co., Ltd. | 懸濁重合用分散安定剤 |
| JP2011052091A (ja) * | 2009-09-01 | 2011-03-17 | Jsr Corp | 接着剤用組成物 |
| KR101573115B1 (ko) | 2013-09-06 | 2015-12-01 | 아주대학교산학협력단 | 알코올의 에스테르화 방법 |
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| WO2020009178A1 (ja) * | 2018-07-05 | 2020-01-09 | 株式会社クラレ | 変性ビニルアルコール系重合体及びその製造方法、並びに懸濁重合用分散安定剤及びビニル系重合体の製造方法 |
| WO2020093317A1 (zh) * | 2018-11-08 | 2020-05-14 | 湖南新金辐医疗科技有限公司 | 一种接枝聚乙烯醇纤维及其制备方法和由该接枝聚乙烯醇纤维制成的纺织品 |
| CN111423532A (zh) * | 2020-05-11 | 2020-07-17 | 无锡时生高分子科技有限公司 | 一种分子链自旋转型含氟uv树脂及其制备方法 |
| WO2023052799A1 (en) | 2021-10-01 | 2023-04-06 | Szegedi Tudományegyetem | Self-assembled mucoadhesive biopolymer particle release system and preparation method thereof |
-
1999
- 1999-02-19 JP JP11041240A patent/JP2000239317A/ja active Pending
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| US9062132B2 (en) | 2007-04-16 | 2015-06-23 | Kuraray Co., Ltd. | Dispersion stabilizer for suspension polymerization |
| KR101044571B1 (ko) | 2007-04-16 | 2011-06-29 | 가부시키가이샤 구라레 | 현탁 중합용 분산 안정제 |
| WO2008129936A1 (ja) * | 2007-04-16 | 2008-10-30 | Kuraray Co., Ltd. | 懸濁重合用分散安定剤 |
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| CN112334498A (zh) * | 2018-07-05 | 2021-02-05 | 株式会社可乐丽 | 改性乙烯醇系聚合物及其制造方法、以及悬浮聚合用分散稳定剂及乙烯基系聚合物的制造方法 |
| JPWO2020009178A1 (ja) * | 2018-07-05 | 2020-07-30 | 株式会社クラレ | 変性ビニルアルコール系重合体及びその製造方法、並びに懸濁重合用分散安定剤及びビニル系重合体の製造方法 |
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| US11414507B2 (en) | 2018-07-05 | 2022-08-16 | Kuraray Co., Ltd. | Modified vinyl alcohol polymer, method for producing same, dispersion stabilizer for suspension polymerization, and method for producing vinyl polymer |
| CN112334498B (zh) * | 2018-07-05 | 2023-06-06 | 株式会社可乐丽 | 改性乙烯醇系聚合物及其制造方法、以及悬浮聚合用分散稳定剂及乙烯基系聚合物的制造方法 |
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