JPWO2007117041A1 - 連続乳化方法およびそのための乳化装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、粒径及び粒径分布制御が容易で、かつスケールアップ及びメンテナンスが簡易であり、さらに工業生産に十分な乳化量が得られる乳化方法および乳化装置に関する。すなわち、乳化剤の存在下に、相互に実質的に不溶性の複数の液体を、一定間隔を保持して配置されてなる複数の、網状体を連続して順次通過させることにより乳化させる方法、およびそのための装置として実質的に不溶である2種類以上の液体を送液する送液ポンプと、該送液ポンプにより前記2種以上の液体が送液される筒型流路を具備し、該筒型流路内には所定間隔で所定枚数の金網が配置されてなることを特徴とする乳化装置である。

Description

本発明は分散相の粒子径が均一な乳化物を連続的に安定的かつ大量に製造するための乳化方法および乳化装置に関するものである。また、当該方法および装置を用いて製造された乳化物を用いたマイクロカプセルおよびポリマー微粒子に関する。
乳化物は連続液相中に本連続相とは混ざり合わない液相物質が分散しているものである。一般的には水系の連続相中に油滴が分散したO/W型の乳化物、またそれとは逆に油系の連続相中に水系の液滴が分散したW/O型の乳化物が知られている。これら乳化物の製造方法としては乳化剤を用いて行う界面化学的方法と特殊な乳化装置を用いて行う機械的方法が知られているが,通常はこれら2つの手法を組み合わせた方法で安定な乳化物を製造する。しかしながら一般に後者の機械的方法を用いた場合、使用した乳化装置が異なると、結果として得られる乳化物の性状(分散相の液滴径、およびその液滴径分布)が大きく異なることが知られている。
現在では乳化物はさまざまな産業分野、たとえば化粧品、食品、塗料、製紙、フィルム、記録材料等の分野において、原料および製品として重要な位置を占めている。これら乳化物の性状として、分散相である前記液滴の粒子径や粒子径分布は、乳化物の安定性や最終的な製品の性状に大きな影響を与える重要な因子となる。具体的には化粧品などの乳化物では、乳化分散された液滴の平均粒径および粒径分布の違いで肌へのなじみが異なってくる。また、その製品安定性にも大きな影響が出る。
乳化物の連続相と分散相の界面へ高分子膜等を形成してなるマイクロカプセル、あるいは重合性の分散相からなる乳化液を重合してなるポリマー微粒子は、重合、ろ過洗浄、乾燥、ふるい分け、解砕といった工程により乳化物を処理せしめることで製造される。これらマイクロカプセルやポリマー微粒子も様々な産業分野で使用されている。マイクロカプセルは,複写機・プリンター用トナーをはじめとする感圧・感熱・感光性を利用した情報記録材料として、電子ペーパーのような表示材料として、さらに医薬、農薬、殺虫剤、芳香剤、蓄熱材などとして用いられる。ポリマー微粒子は、プラスチックフィルムのブロッキング防止剤として、光拡散・写りこみ防止機能の付与やスペーサー用途といった光学材料として、建築材料や自動車用内装に艶消し・着色・触感性といった機能を付与する塗料・インクとして、ファンデーションなどに滑り性を付与する化粧品材料として、耐熱性・耐溶剤性の向上や低収縮性といった諸性能を付与する樹脂添加剤として、さらには診断検査薬や微粒子製剤として医療分野でも用いられる。マイクロカプセルやポリマー微粒子は他にも顔料、染料、導電部材、感熱記録紙、樹脂強化材、油脂添加剤、人口石材、クロマトグラフィーなどの用途にも用いられる。マイクロカプセルやポリマー微粒子も、生成粒子の粒子径及び粒子径分布は乳化の段階でほぼ決定されるため、乳化液の性状が製品の最終性能を決定付けると言っても過言ではない。よって、乳化物として利用するにしろマイクロカプセあるいはポリマー微粒子として利用するにしろ、所望の平均粒径と粒径分布、特に狭い粒径分布を有する製品を簡易に製造しうる乳化装置の開発が必要となる。
乳化物の機械的製造方法に関しては、さまざまな方法が提案されている。もっとも一般的な方法としては回分式槽の中に原料を仕込み、高速で回転するせん断羽で槽内を攪拌し乳化するという方法である。しかしこの方法では、槽内に非流動部が発生しやすいため、最終乳化物の不連続相(分散相)の粒径が不均一となる、未乳化の原料が残る、或いはスケールアップが困難等の不具合が生じる。これらを防止するため、せん断羽とは別に槽内全体を流動させるための攪拌装置を別途装着する等の対策がなされている装置も存在するが、上記問題点を完全に解消することは極めて困難である。またスケールアップの際のせん断羽及びその駆動装置が大きくなり高価なものとなってしまう。また高速回転する駆動部は精密な構造であるため、メンテナンスの面でも不利である。更に乳化量が多量な場合には乳化操作に長時間を有するため、乳化操作中に内容物が変性してしまう場合もある。
一方,上記問題点を解消するため、連続的に乳化を行う方法も提案されている。
例えば、特許文献1では配管中の狭い領域で先端が特殊な形状を有する攪拌羽を高速で回転させ、外壁と攪拌羽先端の狭い領域に原料を導入することにより連続的に乳化を実施している。本手法ではせん断力が羽の回転で決定されため、大きなせん断力を必要とする場合、すなわち分散相液滴が小さな乳化物を得る場合には、極めて大きな動力部が必要となる。また、乳化量を増大させると乳化装置内に滞留可能な時間が短くなるため、均一な粒径分布を有する分散相を有する乳化液が得られないという問題が発生する。さらに羽先端の形状が複雑で外壁とのクリアランスが非常に狭いために加工及びメンテナンスが困難となる。
特許文献2での乳化装置ではまず原料の予備混合槽が必要でありその後連続的にせん断力が変化する乳化機(ライン中)に通すことで乳化を行っている。この方法では粒径分布の広い乳化物が製造されるが、極端に大きい粒子や小さい粒子がないことが特徴であると記述されている。しかし、この方法であると、原料挿入量と乳化機の回転数を制御しなければならず、運転が複雑になる。また被乳化物が反応性のものであると閉塞が起こる可能性がある。
特許文献3では連続的に原料を釜の底から中に送り込み、その釜中を攪拌し、その後釜の上部から連続的に挿入分を抜き出す方法で乳化を実施している。本手法を用いることにより、乳化原料が反応性化合物であっても乳化装置内における閉塞は起こらないことが記載されているが、やはり乳化速度を増大させた場合には分散相の粒径分布が悪化する、また最悪の場合は乳化されていない原料がショートパスして出て行く恐れがある。
特許文献4では多孔質ガラスパイプを用いて連続乳化を行う方法が記述されているが、装置が高価になることと、原料が反応性であると多孔質ガラスパイプを閉塞させてしまう恐れがある。また、多孔質ガラスパイプから乳化する原料を押し出す際の圧力と連続相になりうる流体の流動状態が乳化物の粒径を決定する。このため粒径制御のための運転条件が複雑で困難になる。また、多孔質ガラスパイプが高価であるためスケールアップにコストがかかる等の問題がある。
さらに特許文献5、特許文献6では乳化原料を超高圧および高速で衝突させることにより瞬間的に乳化させる手法が記載されている。これらの装置では装置の作動圧力が極めて高いため、装置本体を堅牢な構造とする必要がある、また装置の磨耗が激しい等の問題がある。さらに上記装置の乳化作用は乳化原料の衝突という衝撃力に基くため、制御が困難であり、乳化液中の分散相液滴の粒子径分布が著しく不均一なものになるという欠点を有している。
また、特許文献7、特許文献8には、隔壁にて多数の多角形に分割された板状エレメント、或いは多数の孔部を有する板状エレメントを直接複数重ね合わせた構造を有する乳化装置が提案されている。これらの装置では、上記複数の板状エレメントから形成される分割された流路を乳化原料が通過することにより原料の混合、或いは乳化が実施される。しかしながら当該手法では使用するエレメント形状が複雑であるばかりではなく、装置内における各エレメントの配置も厳密に調整する必要があるなどの問題点がある。また上記の分割方式による乳化装置では、乳化液中の分散相液滴の粒子径が小さくなると分割効果が低下し、装置自体の乳化作用が弱まるという欠点も有している。
さらに文献9には、1つ以上の小孔が形成された隔壁により仕切られた複数の空間からなる構造の乳化装置が記載されている。本装置では乳化原料を小孔から高速・高圧で隣接する空間へ噴出させる際の強力な衝撃力により乳化原料が粉砕・破壊されて乳化されるものであり、衝撃による破壊現象のコントロールが難しいところから、原理上得られる乳化液の粒径分布等が不均一になりやすい。つまり、乳化原理としては衝撃による破壊現象のみを利用するものなのである。さらに、高い圧力を用いて噴出させるため乳化装置を堅牢な構造としなければならない。
特開平5−49912号公報 特開平6−142492号公報 特開平9−029091号公報 特開平5−212270号公報 特開平2−261525号公報 特開平9−201521号公報 特開2000−254469号公報 特開2002−28463号公報 特開2002−159832号公報
以上のようにこれまで提案された連続式の乳化方法および装置では、得られる乳化液の分散相液滴の均一性に劣る、或いはスケールアップが困難、装置が複雑、メンテナンスが煩雑になる等、十分な満足の行くものではなかった。
本発明は従来の連続式乳化方法および装置における問題点を解決し、上記した各種用途に適した所望の平均粒径および所望の粒径分布、特に狭い(均一な)粒径分布、を有する液滴を含む乳化物を得るための、制御が容易で、かつスケールアップ及びメンテナンスが簡易であり、構造が簡単で、さらに工業生産に十分耐え得る乳化処理量を達成可能な連続式乳化方法および装置を提供するものである。また当該方法および装置により得られた乳化液を用いることにより、上記した各種用途に適した所望の平均粒径および所望の粒径分布、特に狭い(均一な)粒径分布、を有するマイクロカプセルやポリマー微粒子等のさまざまな工業製品を提供することを目的とするものである。
本発明の第1は、乳化剤の存在下、実質的に不溶性の複数の液体を、流路内に一定間隔を保持して配置されてなる、複数の網状体を連続して順次通過させることを特徴とする乳化方法に関する。
本発明の第2は、実質的に不溶である2種類以上の液体を送液する送液ポンプおよび該送液ポンプにより送液される前記2種以上の液体が一端から導入されて他端に向けて通過する筒型流路を具備する乳化装置であって、前記筒型流路内には所定間隔にて複数枚の網状体が配置され、前記複数の網状体を前記液体が順次通過することにより乳化がされることを特徴とする前記乳化装置に関する。
前記網状体は、例えば金網である。
さらに上記方法および装置により得られる乳化液を用いて製造されるマイクロカプセルあるいはポリマー微粒子に関するものである。
発明の効果
本発明によれば金網等の網状体の複数を流体の流路中に設置するのみという、極めて簡単な構造である乳化装置を用いることにより、分散相液滴を制御して所望の平均粒径および所望の粒径分布を有する乳化液を連続的かつ大量に得ることができる。本発明によれば、特に液滴の粒径分布が従来よりも狭い均一な乳化物を得ることができる。また、本装置は簡単な構造ゆえに、分解が容易でありメンテナンス性に優れている。本乳化装置により得られた乳化液を用いることにより、所望の粒子径および粒径分布を有するマイクロカプセルおよびポリマー粒子が得られる。本発明によれば、特に液滴の粒径分布が従来よりも狭い均一なマイクロカプセルおよびポリマー粒子を得ることができる。本発明の乳化方法によって得られた乳化液は、さまざまな産業分野、たとえば化粧品、食品、塗料、製紙、フィルム、記録材料等の分野において、原料及び製品として好適に使用できるものである。化粧品に使用すると肌へのなじみが優れており、かつその製品安定性にも優れている。
また、該乳化液から得られたマイクロカプセルは、複写機・プリンター用トナーをはじめとする感圧・感熱・感光性を利用した情報記録材料として、電子ペーパーのような表示材料として、さらに医薬、農薬、殺虫剤、芳香剤、蓄熱材などとして用いるのに適している。該乳化液から得られたポリマー微粒子は、プラスチックフィルムのブロッキング防止剤として、光拡散・写りこみ防止機能の付与やスペーサー用途といった光学材料として、建築材料や自動車用内装に艶消し・着色・触感性といった機能を付与する塗料・インクとして、ファンデーションなどに滑り性を付与する化粧品材料として、耐熱性・耐溶剤性の向上や低収縮性といった諸性能を付与する樹脂添加剤として、さらには医療分野における診断検査薬や微粒子製剤としても好適に使用できる。マイクロカプセルやポリマー微粒子は他にも顔料、染料、導電部材、感熱記録紙、樹脂強化材、油脂添加剤、人口石材、クロマトグラフィーなどの用途にも用いられる。マイクロカプセルやポリマー微粒子は、所望の平均粒径と粒径分布、特に狭い粒径分布を有する製品を有しているのでこれらの用途に使用したときに従来品よりも優れた性能を発揮する。
図1は、本発明の連続式乳化装置構成の一例の斜視図である。
図2は、本発明で使用するスペーサーcの斜視図である。
図3は、本発明の一つの例として10ユニットよりなる乳化装置の断面図である。
図4は、乳化原料槽、プランジャーポンプ、乳化装置Fおよび製品タンクからなるフローチャートである。
また、符号aはケーシングであり、bは金網、cはスペーサー、2aは止め具である。
本発明の乳化方法は、実質的に不溶性の複数種の液体を流路にフィードし、フィードした液体を、該流路内の複数個所に設置された網状体を順次通過させることにより乳化させるものである。
流路内へフィードされる乳化原料としての複数種の流体は特に予め混合される必要はない。適宜のフィードポンプ(送液ポンプ)により送液すればよく、フィードは各乳化原料毎になされる。たとえば、O/W型等の乳化液にはオイルと水とを個別のフィードポンプにより流路内へ送液することができる。無論予め適宜に混合しても良い。乳化装置内へ導入される際の混合についても特に制限はなく、撹拌器等の混合のための装置を使用することは不要であるが、通常はラインブレンド程度の混合で導入するのが好ましい。無論、予め混合しても良い。なお、網状体に各乳化原料が全く別個の流れを形成しつつ到達するような、全く混合されていない状態では流体分割による乳化も難しくなるので、乳化原料は予め一応の混合状態でもって網状体に到達させるのが好ましい。この程度は前述のようなラインブレンドで十分である。
フィードする乳化原料には、予め適宜に、乳化剤、分散剤を混合しておくことができる。必要ならば別個に直接乳化機内へフィードすることもできる。これらの種類、添加量は適宜に決定される。
乳化装置の流路内を流れる流体の流速は、後記する本願発明の乳化機構に鑑みれば、特に衝突・破壊となるような高速な流速を必要とはしないが、無論、遅すぎる流速では、分割した小滴が再度、凝集する可能性が高くなるので、適宜の流速を保持する。通常は、乳化液原料および乳化液の線速度0.1〜50cm/sec程度で流路内にフィードする。本願発明では、次に説明するように開口面積としては大なる網状体、例えば金網を用い、しかも複数個を使用するとはいえ、所定間隔を置いて配置されるので、流体系の圧力損失としては小さいものとすることができる。それ故、上記流体の線速度を比較的大きくすることができ、その結果、本願発明の処理量を大とすることが可能となるものである。
ここで、流路内には、複数個所に、所定間隔をもって網状体が配置され、供給された乳化原料は該複数の網状体を順次通過し、その間に乳化が進行・完了する。この方法による乳化の機構、網状体の作用効果等はいまだ明らかではないが、一旦網状体に達した流体が、網状体の多数の細孔により分割されて小滴となり、次の網状体に達するまでの間に当該生成した小滴は安定化し、その結果として分散相液滴の粒子径が均一化させるものと考えられる。この次の網状体に到達するまでの間が長いと、生成した小滴は凝集することがあるので、その長さは短すぎず、また長すぎず適宜の長さの間隔とすることが肝要である。
また、網状体へ流体が到達するといっても、到達時に衝突による液滴の粉砕等を期待するものではなく、網状体細孔での流体分割を目的とするので、流体を高速または高圧とする必要はない。むしろ高速または高圧の流体は、複数の網状体間隔における流体の安定化のための時間が短縮されたり、衝突・粉砕が増大したり過度に分割されるので、かえって不安定化し好ましくない恐れすらある。
この網状体の間隔は、流路内の流体流速、流体粘度等にも関係するが、具体的には、通常は5mm〜200mmが好ましい。さらに好ましくは10mmから100mmである。ここで、より高速の流速ではより長い間隔を採用し、また流体粘度がより高粘度では、反対に、より短い間隔を採用するようにするのが好ましい。
さらに、網状体の配設箇所は、流路に沿って複数個所とすることが肝要であるが、好ましくは5〜50箇所であり、さらに好ましくは10〜50箇所、特に好ましくは20〜40箇所である。フィードされた乳化原料は、これら複数個所に配設された網状体を、流路入口から出口に向って順次連続して通過する。
網状体も、金属製の網状体に相当する金網を採用すれば、一定の機械的強度があり、そして細孔の開口度、その密度等もメッシュのサイズに合わせて種々選択することができるので便利である。金網に相当する網状体ならば、他の材質のものも適宜に採用することができる。
金網のメッシュとしては後記するとおりASTM規格によるメッシュ数として、好ましくは35から4000、より好ましくは150メッシュ〜3000メッシュである。補強等のために適宜に多層の積層構造のものを使用することができる。なお、網状体の厚さは、あまり厚いのは好ましくない。したがって、多層積層体であっても金網は、通常は数mm以下の厚さとし、その機械的強度は適宜に後記するスペーサー等で支持するような構成とするのが好ましい。一般には、フィルター用等で使用されている金網の厚さで十分である。
乳化の流路内の温度、圧力等は特に制限されないが、適宜に粘度調整のために冷却または加温することができる。また圧力も適宜に変えて流体の流速を調整することができる。すなわち、適宜の流速とする程度の圧力でよく、特に高圧とすることはない。
以下に本発明の方法による装置を、添付図面を用いて詳しく説明する。
図1は本発明の連続式乳化装置構成の一例を示す斜視図である。
図2は、本発明で使用するスペーサーcの斜視図を示す。
図3は本発明の一つの例として10ユニットよりなる乳化装置の断面図を示す。
図4は、乳化原料槽、プランジャーポンプ、乳化装置Fおよび製品タンクからなるフローチャートである。
ここで、図1の本乳化装置は筒型ケーシングaと一対の金網bおよびスペーサーcからなるユニットをケーシング内に固定するための止め具2aからなる。
スペーサーcは、複数の金網bを所定間隔で持って保持するためのものである。
ここでケーシングaの長さはその内部に固定する金網bおよびスペーサーcからなるユニットの長さと個数によって決まる。またその耐圧性能はユニットを固定し、その内部を流れる乳化原料の挿入量(挿入圧力)によって決まり、適宜設計される。当該ユニットを挿入するケーシング断面の形状は特に限定されないが、加工性、耐圧性あるいは内部を通過する液体の滞留を防止する観点から、図1に示す円筒形が好ましい。またケーシングa、金網b、スペーサーcおよび止め具2aの材質としては内部を通過する乳化原料によって腐食の起こらないもの、また乳化動作時に発生する圧力に耐えられる強度を有するものであれば特に限定されない。
金網bの形状は、図1の場合筒型ケーシングaの内部断面とほぼ同じ形状およびサイズとしている。これは筒型ケーシングa内に固定する場合の歪みをなくし、かつ複数のユニットが構成する流路内を確実に乳化原料を通過させるためである。また、金網bとスペーサーcを重ね合わせてユニットを構成する場合には両者の接する面を密着させる必要がある。これは乳化原料が金網bとスペーサーcにより形成される流路のみを通り抜けることによって乳化を確実に行うためである。
金網bはASTM規格によるメッシュ数が35から4000の範囲ものを使用できる。使用するメッシュ数は使用するする乳化液原料および目的とする分散相液滴径により適宜選定できる。メッシュ数が35より小さくなると乳化作用が著しく低下するので好ましくない。また、メッシュ数が4000以上になると乳化操作時における作動圧力が著しく高くなり、乳化不能となるので好ましくない。金網の好ましい例としては150メッシュ〜3000メッシュである。金網の形状は特に限定されないが好ましくは平織、綾織、平畳織、綾畳織または半織綾織を使用することができる。
また、本発明においては、金網は表面保護、強度支持、および分散制御を目的とした複数の層を積層した多層構造とすることができる。以下、多層構造中の乳化のための金網を主金網と称する。当該主金網に積層する素材の形状としては、主金網の表面保護、強度支持,および分散制御を達成可能であれば特に限定されないが、パンチングメタル、金網等が好ましい。さらに当該目的に金網(以下副金網)を使用する場合には、副金網のメッシュ数(ASTM規格)は主金網のメッシュ数以下であることが必要である。本発明の乳化装置では、得られる乳化液性状は乳化装置流路内に設置された最大メッシュ数の金網(主金網)により決定されることから、副金網のメッシュ数を主金網のメッシュ数より大きくすることは好ましくない。また、複数の層が積層された主金網を使用する場合、乳化装置流路内における主金網の変形等を防止するする目的で、それぞれの層が焼結等の手法により固定化されたものを用いることが好ましい。
図2に上記スペーサーcを示す。本発明の乳化装置では金網を離隔することが必須であり、このためにはたとえばスペーサーが使用される。
該スペーサーは金網を筒形流路内に固定化するという作用に加え、金網により得られる乳化液を安定化させる効果があり、その結果として分散相液滴の粒子径を均一化させる。
スペーサーの長さLは特に限定されないが、5mm〜200mmが好ましい。さらに好ましくは7mmから100mm、特に好ましくは10mmから100mmである。スペーサーの長さが5mmより短いと乳化液中の分散相液滴の粒径が不均一になるので好ましくない。また200mmより長くなると乳化装置本体の長さが過大となり、スペーサー部において乳化液の分散相液滴の合一が発生する、あるいはデッドスペースが発生するので好ましくない。またスペーサーの外径d1は筒型ケーシングaに挿入可能な範囲においてケーシングの内径に近いことが好ましい。これは金網を流路内に完全に固定化すること、および乳化原料をスペーサーと金網により形成された流路へ確実に導くためである。さらにスペーサーの内径d2はスペーサー外径d1に対して(d1−d2)/d1=0.01〜0.5となる範囲で設定することが好ましい。さらに好ましくは0.1〜0.3の範囲である。本数値が0.01以下であると金網の固定が不十分となり好ましくない。また0.5より大きな場合には流路が著しく狭くなり、乳化効率が低下するので好ましくない。
本発明の乳化装置は筒型ケーシングaの内部に一対の金網bおよびスペーサーcからなるユニットを複数挿入して使用される。挿入するユニット数は複数であれば特に制限はないが好ましいユニット数は5〜50である。ユニット数が5より少ないと得られる乳化液中の分散相液滴の粒径分布が不均一となるので好ましくない。またユニット数が50を超えると乳化操作中の圧力が著しく高くなるので好ましくない。さらに好ましいユニット数としては10〜50、特に好ましくは20〜40である。
図3では1例として10ユニットよりなる乳化装置の例を示す。図3に示す例ではケーシング内部には金網およびスペーサーからなる10ユニットに加え、さらにスペーサー1個を挿入することにより、金網と止め具の接触による金網表面の損傷を防止している。また本例ではケーシング内部の各ユニットの固定は止め具をケーシング内部へねじ込むことにより実施しているが、同様の機能を有するものであればその形態は限定されるものではない。たとえばクランプ、或いはフランジ等の形態のものも使用可能である。
本発明による乳化装置では必要に応じて筒型ケーシング外部から加熱或いは冷却することにより、乳化時における温度調整が可能である。ケーシングの温度調整方式としてはバンド状或いはリボン状ヒータをケーシング外部に装着する、開放型、或いは密閉式の管状電気炉を用いる、ケーシング外部に加熱/冷却用ジャケットを装着する等があげられる。
次に本発による乳化装置に原料を導入し、乳化を行う手順について図4で具体的に説明する。図4においてタンクA、およびタンクBはそれぞれ乳化原料槽である。
例えばタンクAには、疎水性液、たとえば炭化水素液が貯蔵され、一方のタンクBには水が貯蔵される。
分散剤(乳化剤)は、いずれかの原料槽に仕込まれている。ここでは、タンクB内の水溶液として貯蔵される。
ここで、用いる分散剤の量、種類は特に限定されない。アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤等の分散剤、乳化剤が使用される。例えば炭化水素液を水中に乳化させるには、分散剤としてたとえばPVA(ポリビニルアルコール)が例示でき、この1質量%程度の水溶液を用いることができる。
上記の槽A、Bには乳化原料を調整する目的で適宜攪拌装置、加熱装置等を付加することができる。ポンプCおよびポンプDはそれぞれ流量調整可能なプランジャーポンプであり、乳化原料を任意の比率で乳化装置に導入するためのものである。送液量は特に限定されないが、通常は6〜3000ml/cm/分程度である。
各ポンプからの乳化原料は乳化装置Fの入口側ラインにてフィードされラインブレンドされて混合液が乳化装置Fへ導入される。
乳化装置Fの乳化原料入口のポンプ側には流体の脈動を抑えるためにアキュムレーターEを設置することができる。尚、乳化装置Fへの原料導入には、目的とする流量を安定的に供給可能なポンプであれば何れも使用可能であり、その形態に限定されない。例えば前記プランジャーポンプが例示される。
乳化装置Fで乳化されて、製品はタンクGに受け入れられる。タンクGは製品としての乳化液の受槽である。
製品タンクGにも乳化液を用いた反応、たとえばカプセル化或いは重合等を実施する目的で適宜攪拌装置、加熱装置等を付加することができる。
乳化操作に際してはタンクAおよびタンクBからそれぞれポンプC、およびポンプDにより任意の割合および流量にて乳化装置Fに導入され、乳化液が受槽Gへ導かれることになる。
本発明により、炭化水素液、メチルメタクリレート(MMA)などのアクリルモノマー、スチレンモノマー等のモノマーを適宜の媒体中に、例えば水中へ乳化することができる。
乳液の粒径は、特に限定されないが、通常は、0.1〜200μmの範囲であり、その粒径分布も後記のCV値(%)として、35%以下の狭い分布の粒子を得ることができる。
さらに、常法により、得られた乳液にメチロールメラミン等のカプセル膜形成用のモノマーを添加して、粒子界面で重合をさせると液滴のカプセル化を容易に行うことができる。得られるカプセルの粒子状態、分散状態は、乳液のそれに対応するものである。
また同じく、常法により、本発明に係る、開始剤を含むメチルメタクリレート(MMA)モノマーやスチレンモノマーのモノマーの水性乳液を調製し、これを加熱して液滴を重合させれば、同様に、もとの乳液中の粒子(乳液)状態、分散状態に対応するポリマー粒子が得られる。
本発明によれば金網等の網状体の複数を流体の流路中に設置するのみという、極めて簡単な構造である乳化装置を用いることにより、分散相液滴径の均一な乳化液を連続的かつ大量に得られることができる。また、本装置は簡単な構造ゆえに、分解が容易でありメンテナンス性に優れている。本乳化装置により得られた乳化液を用いることにより、粒子径の均一なマイクロカプセルおよびポリマー粒子が可能となる。
以下実施例によりさらに本発明を具体的に説明する。
内径20mmの円筒型ケーシング内に1400メッシュの主金網からなる金網と長さ10mm、内径15mmのスペーサーから成るユニットを10組挿入して乳化装置とした。ケーシング長さは約120mmである。
乳化原料にはナフテン(シクロパラフィン)系炭化水素混合物を主成分とする炭化水素系溶剤「日石ナフテゾール(グレード200)」(密度:813kg/m(15℃)、蒸留沸点範囲:201〜217℃、新日本石油製)および分散剤水溶液(1質量%PVA205、クラレ製)を使用し、それぞれ個別のプランジャーポンプにより100ml/分、200ml/分の流量にて乳化装置に導入することにより乳化操作を実施し、o/w型乳化液を得た。コールターカウンター(ベックマンコールター社製、マルチサイザーII)にて乳化液の分散相液滴体積平均径(以下「体積平均粒径」という。)および液滴径分布を測定した。なお測定粒子数は10万個である。その結果、液滴の体積平均粒径20μm、CV値は30%であった。
液滴径分布の指標に使用したCV値は以下の式にて算出した。
CV値=液滴径分布の標準偏差/体積平均粒径×100
以下の実施例、比較例においても同様の方法にて体積平均粒径およびCV値を測定した。
ケーシング内のユニット数を40組とした以外は実施例1と同様の操作により乳化液を作製した。分散相の体積平均粒径は18μm、CV値は24%であった。
主金網を250メッシュとした以外は実施例1と同様の操作により乳化液を作製した。分散相の体積平均粒径は55μm、CV値は25%であった。
主金網を2400メッシュとした以外は実施例1と同様の操作により乳化液を作製した。分散相の体積平均粒径は10μm、CV値は24%であった。
乳化原料を5質量%のクリスタルバイオレットラクトンを溶解させたジアリールアルカン構造を有する芳香族炭化水素混合物を主成分とする炭化水素系溶剤「日石ハイゾールSAS(グレード296)」(密度:987kg/m(15℃)、蒸留沸点範囲:290〜305℃、新日本石油製)と分散剤水溶液(5wt% Micron8020、日昇興業)に変更した以外は実施例1と同様の操作により乳化液を作製した。得られた乳化液にメチロールメラミンM3(住化ケムテック製)をSAS296に対するメチロールメラミンの固形分濃度が20質量%となるように添加し、60℃で3時間加熱攪拌反応を行いカプセル化を行った。カプセルの体積平均粒径は10μm、CV値は28%であった。得られたカプセルスラリーを水により4倍に希釈した後、市販CF紙に塗布した結果発色が起こらず、カプセル化が完了したことが確認された。
乳化原料を1質量%のベンゾイルパーオキサイドを溶解させたメチルメタクリレート(MMA)と分散剤水溶液(1質量%PVA205、クラレ製)に変更した以外は実施例1と同様の操作により乳化液を作製した。得られた乳化液を窒素雰囲気下にて60℃、8時間加熱攪拌することにより水を除去し、固形のMMAポリマー微粒子を得た。本ポリマー微粒子を水中に分散させて実施例1と同様の方法にて測定した体積平均粒径は10μm、CV値は26%であった。
乳化原料を1質量%のベンゾイルパーオキサイドを溶解させたスチレンに変更した以外は実施例5と同様の操作によりポリスチレン粒子を得た。実施例1と同様の方法にて測定した本ポリマー微粒子の体積平均粒径は11μm、CV値は24%であった。
(比較例1)
「日石ナフテゾール(グレード200)」300部と分散剤水溶液(1質量%PVA205、クラレ製)600部をTKホモミキサー(特殊機化工業製)にて分散相の平均体積粒径が20μmとなるまで乳化分散を実施した。この時のCV値は42%であった。
(比較例2)
乳化原料を5質量%のクリスタルバイオレットラクトンを溶解させた「日石ハイゾールSAS(グレード296)」300部と分散剤水溶液(5wt% Micron8020、日昇興業)600部に変更した以外は比較例1と同様の操作により分散相液滴が10μmになるまで乳化分散を実施した。得られた乳化液を用いて実施例5と同様の処理によりカプセル化と評価を実施した。カプセルの体積平均粒径は10μm、CV値は42%であった。評価の結果市販CF紙に発色が認められた。発色の原因はカプセルスラリー中に存在する大粒径カプセルの破壊に起因するものと考えられる。
(比較例3)
乳化原料を1質量%のベンゾイルパーオキサイドを溶解させたメチルメタクリレート(MMA)300部と分散剤水溶液(1質量% PVA 205、クラレ製)600部に変更した以外は比較例1と同様の操作により乳化分散を実施したのち、実施例6の手法により乳化液中のMMAを重合しMMAポリマー粒子を得た。MMAポリマー粒子の平均体積粒径は9μm、CV値は58%であった。
本発明の方法および装置によって得られた乳化液中の液滴は制御された粒径分布、特に従来よりも狭い、均一な粒径分布を有しているので、たとえば化粧品、食品、塗料、製紙、フィルム、記録材料等の分野において、原料及び製品として好適に使用できるものである。化粧品に使用すると肌へのなじみが優れており、かつその製品安定性にも優れている。
また、該乳化液から得られたマイクロカプセルおよびポリマー粒子も制御された粒径分布、特に従来よりも狭い、均一な粒径分布を有しているので、マイクロカプセルは、複写機・プリンター用トナーをはじめとする感圧・感熱・感光性を利用した情報記録材料として、電子ペーパーのような表示材料として、さらに医薬、農薬、殺虫剤、芳香剤、蓄熱材などとして用いるのに適している。また該乳化液から得られたポリマー微粒子は、プラスチックフィルムのブロッキング防止剤として、光拡散・写りこみ防止機能の付与やスペーサー用途といった光学材料として、建築材料や自動車用内装に艶消し・着色・触感性といった機能を付与する塗料・インクとして、ファンデーションなどに滑り性を付与する化粧品材料として、耐熱性・耐溶剤性の向上や低収縮性といった諸性能を付与する樹脂添加剤として、さらには医療分野における診断検査薬や微粒子製剤としても好適に使用できる。マイクロカプセルやポリマー微粒子は他にも顔料、染料、導電部材、感熱記録紙、樹脂強化材、油脂添加剤、人口石材、クロマトグラフィーなどの用途にも用いられる。

Claims (13)

  1. 乳化剤の存在下、実質的に不溶性の複数の液体を、流路内に一定間隔を保持して配置されてなる、複数の網状体を連続して順次通過させることを特徴とする乳化方法。
  2. 前記網状体が5〜200mmの間隔で配置される請求項1記載の方法。
  3. 前記複数の網状体が、5〜50個配置される請求項1または2記載の方法。
  4. 前記網状体の網の目の細かさが、ASTM規格によるmesh番号35〜4000の網に相当する請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法。
  5. 前記網状体が、多層構造をなす請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 実質的に不溶である2種類以上の液体を送液する送液ポンプおよび該送液ポンプにより送液される前記2種以上の液体が一端から導入されて他端に向けて通過する筒型流路を具備する乳化装置であって、前記筒型流路内には所定間隔にて複数枚の網状体が配置され、前記複数の網状体を前記液体が順次通過することにより乳化がされることを特徴とする前記乳化装置。
  7. 前記網状体の配置の数が、5から50である請求項6記載の乳化装置。
  8. 前記網状体の網の目の細かさが、ASTM規格によるメッシュ番号35〜4000の網に相当する請求項6記載の乳化装置。
  9. 前記網状体が、多層構造をなす請求項6に記載の乳化装置。
  10. 前記網状体が金網により構成される請求項6記載の乳化装置。
  11. 前記送液ポンプは、2種類以上の液体をそれぞれの液体毎に個別の送液する複数のポンプである請求項6の乳化装置。
  12. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法により、または請求項6ないし請求項11のいずれかに記載の乳化装置により得られた乳化液を用いて製造されるマイクロカプセル。
  13. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法により、または請求項6ないし請求項11のいずれかに記載の乳化装置により得られた乳化液を用いて製造されるポリマー粒子。
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