JP6756118B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1の製造方法でも、トナーに含まれる粗大粒子を除去する効率は、十分ではなく、更に除去効率が向上した静電荷像現像用トナーの製造方法が望まれている。
空気流を用いて篩に供給する前記着色樹脂粒子は、体積平均粒径(Dv)が4〜11μmの範囲にある着色樹脂粒子であり、
前記篩として、少なくとも2枚の目開きが異なる金網を、焼結により張り合わせた積層金網を使用し、
前記積層金網は、前記着色樹脂粒子の供給側に目開きが最小の金網が配置され、目開きの大きさ順に金網が積層されたものであって、
前記積層金網を構成する金網の中で、目開きが最小である金網の目開きが32〜110μmの範囲内であり、
前記積層金網は、当該積層金網を構成する全ての金網から任意に選択される2枚の金網の目開きの比が、当該目開きの比を目開きが相対的に小さい金網の目開きに対する目開きが相対的に大きい金網の目開きの比と特定したときに、全て1.18〜27の範囲内であること、を特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
本願発明の製造方法において、前記積層金網を構成する全ての金網から任意に選択される2枚の金網の前記目開きの比が、全て1.18〜15の範囲内であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、空気流を用いて着色樹脂粒子を篩に供給することによって、着色樹脂粒子中の粗大粒子を除去する篩分工程を有する。
このような装置の具体例として、ハイボルター(商品名、東洋ハイテック株式会社製)、スピンエアシープ(商品名、株式会社セイシン企業製)などを挙げることができる。
固気比(kg/kg)=着色樹脂粒子供給レート(kg/Hr)/空気の供給レート(kg/Hr)
空気の供給レート(kg/Hr)=ブロワー風量(m3/Hr)×空気密度(kg/m3)
また、本発明の方法においては、篩前後の圧力差が通常3kPa以下、好ましくは2kPa以下となるようにして粗大粒子の除去を行う。篩前後の圧力差を前記範囲となるように粗大粒子の除去を行うことにより、篩の目詰まりを起こさずに、効率よく粗大粒子を除去することができる。
本発明で積層金網を構成する金網は、経線及び緯線が等間隔に配置された金網であれば、特に制限はなく、当該経線の間隔と緯線の間隔は同一であっても良いし、異なっていても良い。入手の容易性などの観点から、当該経線の間隔と緯線の間隔は同一であることが好ましい。
図2に示すように、経線及び緯線が等間隔に配置され、当該経線の間隔と緯線の間隔が同一である金網では、緯線を基準とした目開きと経線を基準とした目開きが同一であることから、目開きは金網のどの箇所で測定しても誤差を除けば同一である。
一方、経線及び緯線が等間隔に配置され、経線の間隔と緯線の間隔が異なる金網では、経線を基準とした目開きと緯線を基準とした目開きが異なる。
本発明において、経線の間隔と緯線の間隔が異なる金網を使用する場合には、「目開き」の用語は、経線及び緯線を基準とした目開きのうち、より小さい目開きを示すものとする。
また、本発明で使用する金網は経線と緯線が直交するものであることが好ましい。
金網の織り方に特に制限はないが、たとえば、平織りや綾織りなどが挙げられる。
図3に例示すように、開孔率を極力低下させない観点から、積層金網を構成する全ての金網の経線及び全ての金網の緯線が、それぞれ略平行である積層金網を使用することが好ましい。
目開きが最小である金網の目開きが32μm未満では、焼結後の開口率が非常に小さく篩前後の差圧が大きくなりすぎ、焼結金網といえども破損の懸念が高くなる。更に、目開きが小さい事によって発生する目詰りの発生確率も格段に上昇する為、本技術の目的である生産性の向上と製造コストの低減に寄与しない。
一方、目開きが最小である金網の目開きが110μmを超えると、本来除去すべき粗大粒子までが通過してしまう事となり、印字性能が優れたトナーを製造することができない。
目開きが相対的に小さい金網の目開きに対する目開きが相対的に大きい金網の目開きの比が1.18未満では相対的に目開きの大きい金網による補強の効果が小さく、相対的に小さい金網の開孔率が著しく低下する為、積層金網の目詰まりや破損を招くことがある。一方、当該比が27を超える場合には相互の目開きの差が大きすぎて相対的に目開きの小さい金網が相対的に目開きの大きい金網の目を抜けてしまい、補強の効果が小さくなる。
積層金網を構成する金網として、目開き32μm未満の金網を使用すると、焼結金網といえども破損の懸念が高くなるうえ、目詰りの発生確率も格段に上昇する。積層金網を構成する金網として、目開き850μmを超える金網を使用すると、篩の補強する効果を示さない。
前記ワイヤーの線径にも特に制限はないが、目開きが相対的に小さい金網の線径は、20〜90μmの範囲内であると好ましく、25〜80μmの範囲内であるとさらに好ましい。
また、当該積層金網を構成する全ての金網から任意に選択される2枚の金網の線径の比が、当該線径の比を目開きが相対的に小さい金網の線径に対する目開きが相対的に大きい金網の線径の比と特定したときに、全て1.1〜26の範囲内であることが好ましく、1.15〜20の範囲内であるとより好ましい。
本発明で使用する積層金網は、積層する金網すべての線径の範囲が20〜550μmの範囲内であることが好ましく、25〜525μmの範囲内であるとより好ましい。
本発明の製造方法に適用できる着色樹脂粒子は、通常、結着樹脂、着色剤を必須成分として含有し、必要に応じて、帯電制御剤や離型剤等を含有したものを用いる。
後述する公知の着色樹脂粒子の製造方法では、得られる着色樹脂粒子中に、白抜けやフィルミングを発生させる粗大粒子が混入してしまう。従って、高い印字性能を有するトナーを得るためには、当該粗大粒子を除去する必要がある。特に、体積平均粒径(Dv)が4〜11μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)が20μm以上の粗大粒子が体積基準で0.2%以上含まれる着色樹脂粒子では、本発明の製造方法で粗大粒子を除去することによる印字性能の向上効果が顕著である。着色樹脂粒子中のDvが20μm以上の粗大粒子の含有量は、例えば、粒度分析計(商品名:マルチサイザー、ベックマン・コールター製)等を用いて測定することができる。
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、及び離型剤等のその他の添加物を混合、溶解又は分散して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際には、例えば、メディア式分散機を用いて行なう。
モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノビニル単量体のうち、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが特に好適に用いられる。
架橋性の重合性単量体としては、一般に、トナー用の架橋性の重合性単量体として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の二官能性のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のヘテロ原子含有ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
マクロモノマーとは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、数平均分子量(Mn)が、通常1,000〜30,000の反応性のオリゴマーまたはポリマーのことをいう。マクロモノマーとして、重合性単量体を重合して得られる重合体(結着樹脂)のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有するオリゴマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、着色剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、結着樹脂(又は重合性単量体)との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−161P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−207P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−201−PS(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製の市販品等を用いることができ、例えば、FCA−626N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−748N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−1001N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、及びN,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
上記(A−1)重合性単量体組成物の調製工程により得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)、高速乳化・分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径コントロール、及び円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
重合開始剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、1.0〜10重量部であることがさらに好ましい。
上記(A−2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(A−2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行いながら重合反応を進行させてもよい。
コアシェル構造を有する着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質であるシェル層で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスをとることができる。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂、着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、離型剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
本発明の製造方法の篩分工程において、粗大粒子が除去された着色樹脂粒子では、除去前と比較して体積平均粒径(Dv)が20μm以上の粗大粒子の含有割合が減少し、粒径の分布範囲が狭まっている。
本発明の製造方法で粗大粒子が除去された着色樹脂粒子は、体積平均粒径(Dv)が、好ましくは4〜11μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが11μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
本発明の製造方法では、上記篩分工程で得られた粗大粒子が除去された着色樹脂粒子からトナーを製造する方法に特に制限はない。粗大粒子が除去された着色樹脂粒子をそのままトナーとしても良いが、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行うことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナー(現像剤)とすることが好ましい。なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることができる。中でも粒径の異なる2種以上のシリカを併用することが好ましい。
上記工程を経て得られるトナーは、粗大粒子が除去されているため、白抜け及びフィルミングの発生が少なく、優れた印字性能を有する。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。なお、篩分工程は篩に破損又は目詰まりが発生した時点で終了し、破損又は目詰まりが発生しなかった場合には1000時間連続運転後に終了した。また、本実施例で使用した全ての金網は、経線と緯線が直交するものであり、且つ、当該経線及び緯線が等間隔に配置され、当該経線の間隔と緯線の間隔が同一である金網(金網の開孔部は正方形)である。
1.篩機の準備
線径が45μm、目開きAが63μmの第1金網、及び線径が340μm、目開きBが500μmの第2金網を、それぞれの経線と緯線が互いに平行である状態で焼結して張り合わされた積層金網を準備した。
前記積層金網を、第1金網側から着色樹脂粒子が供給されるように、ブロースルー式篩機(商品名:ハイボルター、型式:NR−450S、東洋ハイテック株式会社製)に装着した。
モノビニル単量体としてスチレン81部及びn−ブチルアクリレート19部(得られる共重合体のTg=55℃)、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、得られる重合体のTg=94℃)0.3部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.2部、及びブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7部を混合し、メディア式分散機を用いて湿式粉砕を行なった。
上記方法により、体積平均粒径(Dv)が7.8μmであり、Dvが20μm以上の粗大粒子(以下、単に粗大粒子と称することがある。)を0.3vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備した。
前記ブロースルー式篩機を用いて、ブロワー風量が14m3/min、着色樹脂供給量が250kg/Hr、固気比が0.23の条件で、前記篩分前の着色樹脂粒子を前記積層金網に供給し、篩分けを行った。
実施例1において、第1金網を線径が52μm、目開きAが75μmの金網に変更した積層金網を準備したこと、及び、Dvが9.5μmであり、粗大粒子を0.7vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、第1金網を線径が32μm、目開きAが45μmの金網に変更した積層金網を準備したこと、Dvが9.5μmであり、粗大粒子を0.7vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備したこと、及び、着色樹脂供給量を200kg/Hr、固気比を0.18に変更したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、Dvが6.0μmであり、粗大粒子を0.4vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備したこと、及び、着色樹脂供給量を100kg/Hr、固気比を0.09に変更したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、第1金網を線径が52μm、目開きAが75μmの金網に、第2金網を線径が523μm、目開きBが850μmの金網に変更した積層金網を準備したこと、Dvが6.0μmであり、粗大粒子を0.4vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、線径が32μm、目開きAが45μmの第1金網、線径が104μm、目開きBが150μmの第2金網、及び線径が523μm、目開きCが850μmの第3金網の順に、それぞれの経線と緯線が互いに平行である状態で焼結して張り合わされた積層金網を準備したこと、Dvが6.0μmであり、粗大粒子を0.4vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備したこと、及び、着色樹脂供給量を200kg/Hr、固気比を0.18に変更したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、着色樹脂供給量を350kg/Hr、固気比を0.32に変更したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、第1金網を線径が32μm、目開きAが45μmの金網に変更し、焼結による張り合わせを行わなかった積層金網を準備したこと、及び、Dvが9.5μmであり、粗大粒子を0.7vol%含有する篩分前の着色樹脂粒子を準備したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
実施例1において、第1金網を線径が23μm、目開きAが25μmの金網に変更し、第2金網を線径75μm、目開きBが106μmの金網に変更した積層金網を準備したこと、及び、着色樹脂供給量を200kg/Hr、固気比を0.18に変更したこと以外は、実施例1と同様にして篩分を行った。
5.結果
実施例1〜7、及び比較例1〜2の篩分条件及び篩分け効率の評価結果を表1に示す。
表1より、比較例1では、焼結による張り合わせを行わなかった積層金網を篩として使用して、着色樹脂粒子中の粗大粒子の除去を行った。
比較例1では、篩前の着色樹脂粒子は、粗大粒子の含有量が体積基準で0.7%であるが、篩後に得られた着色樹脂粒子では、粗大粒子の含有量が0.4%であることから、着色樹脂粒子中の粗大粒子を除去することが可能であった。
しかし、連続運転時間が400時間で、積層金網が破損していることから、効率的に着色樹脂粒子から粗大粒子除去することはできなかった。第1金網と第2金網を焼結しなかったため、強度が不足したためであると考えられる。
比較例2では、篩前の着色樹脂粒子は粗大粒子の含有量が体積基準で0.3%であるが、篩後に得られた着色樹脂粒子では、粗大粒子の含有量で0.1%であることから、着色樹脂粒子中の粗大粒子を除去することが可能であった。
しかし、連続運転時間が10時間で、積層金網に目詰まりが発生していることから、効率的に着色樹脂粒子から粗大粒子除去することはできなかった。目開きが最小である第1金網の目開きが25μmと小さすぎるために、目詰りの発生しやすくなったことによると考えられる。
実施例1〜7の全てにおいて、篩前の着色樹脂粒子中の粗大粒子の含有量が、篩後に減少していることから、着色樹脂粒子中の粗大粒子を除去することが可能であった。
また、実施例1〜7では、積層金網に目詰まりや破損が発生することなく、1000時間以上連続運転することが可能であったことから、効率的に着色樹脂粒子から粗大粒子を除去することができることが明らかとなった。
目開きが最小である第1金網の目開きAが45〜75μmであるために、目詰まりを起こすことなく、粗大粒子を除去することが可能であるうえ、目開きが最小である金網に当該金網より目開きが大きい金網を焼結により張り合わせて積層することによって、十分な強度を得ることができたためであると考えられる。
2 空気吹き出しノズル
3 粉流体吸入ノズル
4 粉粒体
5 空気の吹き出し方向
6 粉流体の吸入方向
7 分散された粉流体の進行方向
Claims (6)
- 空気流を用いて着色樹脂粒子を篩に供給することによって、当該着色樹脂粒子中の粗大粒子を除去する篩分工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
空気流を用いて篩に供給する前記着色樹脂粒子は、体積平均粒径(Dv)が4〜11μmの範囲にある着色樹脂粒子であり、
前記篩として、少なくとも2枚の目開きが異なる金網を、焼結により張り合わせた積層金網を使用し、
前記積層金網は、前記着色樹脂粒子の供給側に目開きが最小の金網が配置され、目開きの大きさ順に金網が積層されたものであって、
前記積層金網を構成する金網の中で、目開きが最小である金網の目開きが32〜110μmの範囲内であり、
前記積層金網は、当該積層金網を構成する全ての金網から任意に選択される2枚の金網の目開きの比が、当該目開きの比を目開きが相対的に小さい金網の目開きに対する目開きが相対的に大きい金網の目開きの比と特定したときに、全て1.18〜27の範囲内であること、を特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 目開きが最小である金網の目開きが45〜110μmの範囲内であること、を特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記積層金網を構成する全ての金網から任意に選択される2枚の金網の前記目開きの比が、全て1.18〜15の範囲内であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記積層金網を構成する全ての金網の目開きが32〜850μmの範囲内であること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記積層金網を構成する全ての金網は経線と緯線が直交するものであり、全ての金網の経線及び全ての金網の緯線が、それぞれ略平行となるように配置されていること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 空気流を用いて前記着色樹脂粒子を篩に供給する際に、空気に対する着色樹脂粒子の固気比を、質量換算で0.05〜0.37の範囲とすること、を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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