JP6665854B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の、電子写真法を利用した画像形成装置の現像に用いることが出来る静電荷像現像用トナーに関するものである。
従来、一般的な電子写真法に用いられる現像剤においては、着色樹脂粒子表面に外添剤を付着させることにより、所望の流動性や帯電特性が得られている。外添剤としては、無機物、又は有機物からなる微粒子が広く一般的に使用されている。このような外添剤としては、従来から金属酸化物粒子や樹脂粒子、及びこれらを表面処理した物等が広く利用されてきた。中でもシリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛等の金属酸化物の粒子や脂肪酸金属塩の粒子、及びこれらを疎水化処理した物が特に多く用いられており、それらを複数種組み合わせて用いることも一般的に行われている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂系のバインダー及び顔料を主成分とする粒子からなるトナー粒子の表面に、少なくともアミノ基もしくはエポキシ基のいずれか一方の有機基を有する変性シリコーンオイルが被覆された酸化亜鉛微粒子を付着させてなる静電現像トナーが開示され、カブリの少ない画像が得られ、耐久性に優れるトナーが得られることも開示されている。
特許文献2には、着色粒子を含有する球形ポリエステル系樹脂粒子に、複数の疎水化された外添剤を外添して得られる負帯電性トナーにおいて、外添剤として、少なくとも負帯電性シリカ粒子、棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子、及び正帯電性シリカ粒子を外添した負帯電性トナーが開示され、帯電安定性に優れ、トナー漏れやトナー飛散がなく、印字画像にムラが生じることがないことも開示されている。
特許文献3には、特定比率の処理量で正帯電処理及びシリコーンオイル処理された酸化亜鉛微粒子を含む外添剤によって表面処理されたトナー母粒子を含有する正帯電性トナーが開示され、長時間使用しても帯電量の低下が生じず、トナー飛散及びカブリの起こりにくい画像が得られることも開示されている。
また、特許文献4には、電子写真用現像剤として、形状、粒径及び粒度分布が規定されたトナー添加剤用アルミナ粉末を用いることが開示されている。当該文献の明細書の段落[0035]には、当該アルミナ粉末を用いることにより、ドラムフィルミングの無い現像剤が得られ、画質向上及び耐久性に優れた電子写真用現像剤が得られることが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載された外添剤を用いたとしても、近年の高速印刷に伴い要求される、状況が極端に異なる環境下全域での安定的なカブリの抑制、低温定着性、フィルミング特性、及び連続印字における初期トナー搬送量の維持という多面的なトナー特性を高いレベルで同時に発揮させることは困難であった。従って、前記のごとき多面的なトナー特性を高いレベルで同時に発揮できることが、静電荷像現像用トナーには求められている。
特開平9−325511号公報 特開2007−121481号公報 特開2012−68497号公報 特開2000−250251号公報
従来技術では達成できなかった静電荷像現像用トナーに同時に求められているトナー特性の中で、本発明の課題は、低温定着性に優れ、フィルミングが起こりにくく、高温高湿環境下において初期カブリの発生が抑えられ、しかも高温高湿環境下における印字耐久性(連続印字負荷でのカブリ耐性)にも優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明者らは、着色樹脂粒子と共に静電荷像現像用トナーを構成する外添剤について鋭意検討を重ねた結果、外添剤として特定の粒径を有する酸化亜鉛微粒子と特定の粒径を有するアルミナ微粒子とを併用し、静電荷像現像用トナーに特定量含有させることにより、上述の問題を解決出来ることを見出した。
すなわち、本発明によれば、結着樹脂及び着色剤を含む着色樹脂粒子、並びに、外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤として、個数平均粒径が0.1〜2.0μmの酸化亜鉛粒子、個数平均粒径が0.05〜1.0μmのアルミナ粒子、及び、個数平均粒径が5〜25nmの無機微粒子Aを含有し、前記酸化亜鉛粒子を前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で含有し、前記アルミナ粒子を前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で含有し、前記無機微粒子Aを前記着色樹脂粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で含有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明においては、前記アルミナ粒子と前記酸化亜鉛粒子との含有比が質量基準で1:0.6〜1:5の範囲内であることが好ましい。
本発明においては、前記酸化亜鉛粒子の形状が、板状であることが好ましい。
本発明においては、前記無機微粒子Aが正帯電性を示すことが好ましい。
本発明においては、 前記外添剤として、さらに個数平均粒径が30〜200nmのシリカ又はチタニアの微粒子である無機微粒子Bを含有し、当該無機微粒子Bを前記着色樹脂粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で含有することが好ましい。
本発明においては、前記着色樹脂粒子が正帯電性を示すことが好ましい。
本発明においては、前記静電荷像現像用トナーが正帯電性を示すことが好ましい。
上記の如き本発明の静電荷像現像用トナーによれば、外添剤として、特定の粒径を有する酸化亜鉛微粒子と特定の粒径を有するアルミナ微粒子とを特定量含有させることにより、低温定着性に優れ、フィルミングが起こりにくく、高温高湿(H/H)環境下においてカブリの発生が抑えられ、印字耐久性に優れる、という特性を全て兼ね備えた静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び着色剤を含む着色樹脂粒子、並びに、外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤として、個数平均粒径が0.1〜2.0μmの酸化亜鉛粒子、及び、個数平均粒径が0.05〜1.0μmのアルミナ粒子を含有し、前記酸化亜鉛粒子を前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で含有し、前記アルミナ粒子を前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で含有することを特徴とする。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)について説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、湿式法、または乾式法を採用して製造することが出来る。湿式法の中でも好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより行われる。
(A)懸濁重合法
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、着色剤、及び帯電制御剤、さらに必要に応じて添加される離型剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いる。
本発明で重合性単量体は、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルが、好適に用いられる。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールに炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマー又はポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いることが望ましい。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤を用いることができる。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料、染料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、186、及び213等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料、染料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、237、238、251、254、255、269及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
本発明では、各着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。着色剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。
本発明においては、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。本発明のトナーは、正帯電性トナーであることが好ましい。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善する観点から、重合性単量体組成物には、離型剤を添加することが好ましい。離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に制限無く用いることができる。
上記離型剤は、エステルワックス及び炭化水素系ワックスの少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することにより、低温定着性と保存性とのバランスを好適にすることができる。
本発明において離型剤として好適に用いられるエステルワックスは、多官能エステルワックスがより好適であり、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物;ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミネート等のジペンタエリスリトールエステル化合物;等が挙げられる。
本発明において離型剤として好適に用いられる炭化水素系ワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックス等が挙げられ、中でも、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックスが好ましく、石油系ワックスがより好ましい。
上記離型剤の他にも、例えば、ホホバ等の天然ワックス;オゾケライト等の鉱物系ワックス;等を用いることができる。
離型剤は、上述した1種又は2種以上のワックスを組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
(A−2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明では、少なくとも重合性単量体、着色剤、及び帯電制御剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス株式会社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジエチルアセテート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中でも、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。
本発明において、水系媒体とは、水を主成分とする媒体のことを言う。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、且つ環境安定性が優れたものとなる。
(A−3)重合工程
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのまま外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(又は、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
(A−4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤、さらに必要に応じて添加される離型剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。
得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤、さらに必要に応じて添加される離型剤等のその他の添加物は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
結着樹脂としては、他にも、従来からトナーに広く用いられている樹脂を使用することができる。粉砕法で用いられる結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等を例示することができる。
2.得られた着色樹脂粒子の基本特性
以下、上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、得られた着色樹脂粒子の基本特性について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
本発明の着色樹脂粒子は、正帯電性を示すことが好ましい。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは4〜12μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが12μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dnが1.3を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名:マルチサイザー)等を用いて測定することができる。
本発明の着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.96〜1.00であることが好ましく、0.97〜1.00であることがより好ましく、0.98〜1.00であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。
3.本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法
本発明においては、上記着色樹脂粒子を、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行うことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナー(現像剤)とする。
なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
本発明のトナーは、外添剤として、個数平均粒径が0.1〜2.0μmの酸化亜鉛粒子、及び、個数平均粒径が0.05〜1.0μmのアルミナ粒子を含有する。
酸化亜鉛粒子の個数平均粒径が0.1μm未満である場合には、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリが特に生じやすくなる。一方、酸化亜鉛粒子の個数平均粒径が2.0μmを超える場合には、印字耐久性が低下し、低温低湿(L/L)環境下における初期カブリが特に生じやすくなる他、耐久後搬送量が初期搬送量よりも大きくなる。
酸化亜鉛粒子の個数平均粒径は0.15〜1.2μmであることが好ましく、0.2〜0.8μmであることがさらに好ましい。
本発明に使用される亜鉛酸化物粒子、アルミナ粒子、並びに、後述する無機微粒子A、及び無機微粒子Bの個数平均粒径は、例えば、以下のように測定できる。まず、これら外添剤の個々の粒子について、TEMやSEM等により粒径を測定する。このように30個以上の外添剤粒子の粒径を計測し、その平均値を、その粒子の個数平均粒径とする。ここで、外添剤粒子の形状が板状の場合には、前記粒径は長径を示す。なお、板状粒子の長径とは、板状粒子の底面における絶対最大長を指す。ここで、本発明において板状粒子の底面とは、板状粒子を構成する面のうち、最も表面積が大きい面のことを指す。
また、本発明に使用されるこれら外添剤の個数平均粒径の他の測定方法としては、外添剤粒子を水などの分散媒中に分散させ、当該分散液を粒度分布測定装置(日機装製、商品名:マイクロトラック3300EXII)等により測定する方法により、個数平均粒径を測定する方法等が挙げられる。
酸化亜鉛粒子は、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で、トナー中に含有される。酸化亜鉛粒子の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、0.3〜0.8質量部であることが好ましく、0.4〜0.6質量部であることがさらに好ましい。
また、酸化亜鉛粒子の形状は、板状であることが好ましく、六角板状であると更に好ましい。
アルミナ粒子の個数平均粒径が0.05μm未満である場合には、高温高湿(H/H)環境下における帯電量の低下が著しくなり、全般的に印字カブリが発生しやすくなる。一方、アルミナ粒子の個数平均粒径が1.0μmを超える場合には、低温低湿(L/L)環境下における帯電量の上昇が著しくなり、全般的に印字カブリが発生しやすくなる。
アルミナ粒子の個数平均粒径は0.2〜0.7μmであることがより好ましく、0.3〜0.5μmであることがさらに好ましい。
アルミナ粒子は、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で、トナー中に含有される。アルミナ粒子の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であることが好ましく、0.2〜0.4質量部であることがさらに好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、アルミナ粒子と酸化亜鉛粒子との含有比が質量基準で1:0.6〜1:5の範囲内であることが好ましい。アルミナ粒子1質量部に対して酸化亜鉛粒子の含有量が0.6質量部未満である場合には高温高湿環境下で初期カブリが生じやすくなり、アルミナ粒子1質量部に対して酸化亜鉛粒子の含有量が5質量部を超える場合には高温高湿環境下で印字耐久性が低下する場合がある。本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、アルミナ粒子と酸化亜鉛粒子との含有比が質量基準で、1:1〜1:2.6の範囲内であることがより好ましく、1:1〜1:2.0の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明のトナーは、外添剤として、個数平均粒径が5〜25nmの無機微粒子Aを含有していることが好ましい。
無機微粒子Aの個数平均粒径が、5nm未満である場合には、着色樹脂粒子の表面から内部に、当該無機微粒子Aが埋没し易くなり、流動性をトナーに十分に付与させることができず、印字性能に悪影響を及ぼすことがある。一方、無機微粒子Aの個数平均粒径が、25nmを超える場合には、表面空隙率が増加する。従って、着色樹脂粒子の表面に対して、当該無機微粒子が占める割合(被覆率)が低下するため、流動性をトナーに十分に付与させることができないことがある。無機微粒子Aの個数平均粒径は、7〜25nmであることがより好ましく、7〜20nmであることが更に好ましく、7〜15nmであることが特に好ましい。
無機微粒子Aは、シリカ又はチタニアの微粒子が好ましく、シリカ微粒子がより好ましい。さらに、正帯電性シリカ微粒子であることが好ましく、フュームドシリカであることがより好ましい。ここで、無機微粒子Aを正帯電性とするために、正帯電性の疎水化処理剤で疎水化されていることが好ましい。
正帯電性の疎水化処理剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物やアミノ変性シリコーンオイルが挙げられる。疎水化処理剤は、上記のうち、1種のみを用いてもよく、又は2種以上用いてもよい。
無機微粒子Aの含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、0.1〜2.0質量部であることが好ましく、0.2〜1.5質量部であることがより好ましく、0.3〜1.0質量部であることが更に好ましい。
無機微粒子Aの含有量が0.1質量部未満の場合、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、流動性が低下したり、保存性や印字耐久性が低下したりすることがある。一方、無機微粒子Aの含有量が2.0質量部を超える場合、現像剤粒子の表面から、当該無機微粒子Aが遊離し易くなり、高温高湿環境下での帯電性が低下してカブリが発生したり、定着性が低下したりすることがある。
無機微粒子Aとして好ましく用いられる正帯電性のフュームドシリカ微粒子としては、種々の市販品を用いることができ、例えば、クラリアント社製のHDK2150(:商品名、個数平均粒径:12nm)、日本アエロジル社製のR504(:商品名、個数平均粒径:12nm)、RA200HS(:商品名、個数平均粒径:12nm)、テイカ社製のMSP−012(:商品名、個数平均粒径:16nm)、MSP−013(:商品名、個数平均粒径:12nm)、キャボット社製のTG820F(:商品名、個数平均粒径:7nm)、TG7120(:商品名、個数平均粒径:20nm)等が挙げられる。
本発明のトナーは、外添剤として、無機微粒子Aに加えて、個数平均粒径が30〜200nmの無機微粒子Bを含有していることが好ましい。
無機微粒子Bの個数平均粒径が、30nm未満である場合には、スペーサー効果が低下し、カブリの発生など印字性能に悪影響を及ぼすことがある。一方、無機微粒子Bの個数平均粒径が、200nmを超える場合には、現像剤粒子の表面から、当該無機微粒子が遊離し易くなり、外添剤としての機能が低下し、印字性能に悪影響を及ぼすことがある。
無機微粒子Bの個数平均粒径は、30〜100nmであることがより好ましく、35〜80nmであることが更に好ましい。無機微粒子Bはシリカ又はチタニアの微粒子であることが好ましく、シリカ微粒子がより好ましく、疎水化処理されていると更に好ましい。
無機微粒子Bの含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、0.1〜2.0質量部であることが好ましく、0.3〜1.8質量部であることがより好ましく、0.5〜1.5質量部であることが更に好ましい。
無機微粒子Bの含有量が0.1質量部未満の場合、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、印字性能に悪影響を及ぼすことがある。一方、無機微粒子Bの含有量が2.0質量部を超える場合、現像剤粒子の表面から、当該無機微粒子Bが遊離し易くなり、外添剤としての機能が低下し、印字性能に悪影響を及ぼすことがある。
本発明において、好ましく用いられる疎水化処理されている無機微粒子Bは、シランカップリング剤、シリコーンオイル、脂肪酸及び脂肪酸金属塩等の疎水化処理剤により疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理剤としては、上述した無機微粒子Aと同様に、正帯電性の疎水化処理剤であるアミノシラン化合物やアミノ変性シリコーンオイルを用いることがより好ましく、アミノ変性シリコーンオイルを用いることが特に好ましい。
無機微粒子Bとして好ましく用いられるシリカ微粒子としては、種々の市販品を用いることができ、例えば、日本アエロジル社製のNA50Y(:商品名、個数平均粒径:35nm)、VPNA50H(:商品名、個数平均粒径:40nm);クラリアント社製のH05TA(:商品名、個数平均粒径:50nm);等が挙げられる。
本発明のトナーは、無機微粒子A及び無機微粒子Bのうちいずれか一方を含有していてもよいが、無機微粒子A及び無機微粒子Bをいずれも含有することがより好ましい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
4.本発明の静電荷像現像用トナー
トナーに外添剤として、酸化亜鉛粒子を単独で含有させた場合、高温高湿環境下における初期カブリが特に改善されるものの、高温高湿環境下における印字耐久性(連続印字負荷でのカブリ耐性)が特に悪化する。一方、トナーに外添剤として、アルミナ粒子を単独で含有させた場合、高温高湿環境下における印字耐久性(連続印字負荷でのカブリ耐性)が特に改善されるものの、高温高湿環境下における初期カブリが特に悪化する。
本発明の静電荷像現像用トナーでは、外添剤として酸化亜鉛粒子とアルミナ粒子を併用することで、各粒子単独で改善する特性と悪化する特性とが打ち消しあうことなく、改善する特性のみを発揮することができる。
よって、本発明の静電荷像現像用トナーは、低温定着性に優れ、フィルミングが起こりにくく、高温高湿環境下においてカブリの発生が抑えられ、しかも印字耐久性に優れるというトナー特性を高いレベルで兼ね備えている。
なお、本発明の静電荷像現像用トナーは正帯電性を示すことが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1.静電荷像現像用トナーの製造
[実施例1]
重合性単量体としてスチレン75部とn−ブチルアクリレート25部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)5部を、メディア型乳化分散機を用いて分散させて、重合性単量体混合物を得た。
上記重合性単量体混合物に、正帯電性の帯電制御剤として帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベース FCA−161P)1部、離型剤としてエステルワックス(日油社製、商品名:WEP7)5部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6)0.3部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.6部、及び分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.6部を添加した後、混合及び溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.2部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、上記重合性単量体組成物を投入し、攪拌した。そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)4.4部を投入した後、インライン型乳化分散機を用いて、15,000rpmの回転数で10分間高速剪断攪拌して分散を行い、重合性単量体組成物の液滴形成を行った。
上記重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率が、ほぼ100%に達したときに、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート1部、及びイオン交換水10部に溶解したシェル用重合開始剤である2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.3部を添加し、90℃で4時間反応を継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型構造を有する着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上記着色樹脂粒子の水分散液を、室温下で、硫酸を攪拌しながら滴下し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄、濾過、及び脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、45℃で48時間乾燥を行い、体積平均粒径(Dv)が7.8μm、個数平均粒径(Dn)が6.9μm、粒径分布(Dv/Dn)が1.13及び平均円形度が0.987である着色樹脂粒子を得た。
上記で得られた着色樹脂粒子100部に、外添剤として、酸化亜鉛粒子(堺化学工業製、商品名:XZ−300、六角板状、個数平均粒径:0.3μm、)0.5部、アルミナ粒子(住友化学製、商品名:AKP−30、個数平均粒径:0.4μm、)0.3部、無機微粒子Aとしての正帯電性のフュームドシリカ微粒子(キャボット社製、商品名:TG820F、個数平均粒径:7nm)0.6部、及び無機微粒子Bとしてのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:NA50Y、個数平均粒径:35nm)1.0部、を添加し、高速攪拌装置(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合攪拌して外添処理を行い、実施例1の静電荷像現像剤を得た。試験結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、酸化亜鉛粒子の種類をXZ−300(堺化学工業製、六角板状、個数平均粒径:0.3μm)から個数平均粒径の異なるXZ−100(堺化学工業製、六角板状、個数平均粒径:0.1μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例3]
実施例1において、酸化亜鉛粒子の種類をXZ−300(堺化学工業製、六角板状、個数平均粒径:0.3μm)から個数平均粒径の異なるXZ−1000(堺化学工業製、六角板状、個数平均粒径:1.0μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例4]
実施例1において、酸化亜鉛粒子の添加量を0.5部から0.3部に変更したこと、アルミナ粒子の添加量を0.3部から0.2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例5]
実施例1において、酸化亜鉛粒子の添加量を0.5部から0.3部に変更したこと、アルミナ粒子の添加量を0.3部から0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例6]
実施例1において、アルミナ粒子の添加量を0.3部から0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例7]
実施例1において、アルミナ粒子の添加量を0.3部から0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例8]
実施例1において、酸化亜鉛粒子の添加量を0.5部から0.8部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例9]
実施例1において、酸化亜鉛粒子の添加量を0.5部から0.3部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例10]
実施例1において、アルミナ粒子の種類をAKP−30(住友化学製、個数平均粒径:0.4μm)から個数平均粒径の異なるAKP−50(住友化学製、個数平均粒径:0.2μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例11]
実施例1において、アルミナ粒子の種類をAKP−30(住友化学製、個数平均粒径:0.4μm)から個数平均粒径の異なるAKP−15(住友化学製、個数平均粒径:0.7μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のトナーを作製し、試験に供した。
参考例12
実施例1において、無機微粒子Aを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、参考例12のトナーを作製し、試験に供した。
[実施例13]
実施例1において、無機微粒子Bを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13のトナーを作製し、試験に供した。
[比較例1]
実施例1において、アルミナ粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトナーを作製し、試験に供した。
[比較例2]
実施例1において、酸化亜鉛粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナーを作製し、試験に供した。
[比較例3]
比較例1において、酸化亜鉛粒子の添加量を0.5部から0.8部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例3のトナーを作製し、試験に供した。
[比較例4]
比較例2において、アルミナ粒子の添加量を0.3部から0.8部に変更したこと以外は、比較例2と同様にして、比較例4のトナーを作製し、試験に供した。
2.静電荷像現像用トナーの評価
上記実施例1〜実施例11、参考例12、実施例13、及び比較例1〜比較例4の静電荷像現像用トナーについて、定着温度、高温高湿条件下における印字特性、及び、フィルミング特性を調べた。詳細は以下の通りである。
2−1.トナーの定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷速度:20枚/分)の定着ロールの温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃刻みで変化させ、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定した。
定着率は、改造プリンターで試験用紙に印刷した黒ベタ領域の、テープ剥離操作前後の画像濃度の比率から計算した。即ち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、次式から算出することができる。
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分(黒ベタ領域)に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射型濃度計(マクベス社製、商品名:RD918)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%以上になる最低定着ロール温度をトナーの最低定着温度とした。
〈合格基準〉
本試験においては、前記最低定着温度が165℃以下であるときに、トナーに求められる定着温度の評価を合格とした。
2−2.トナーの高温高湿条件下(H/H)における印字特性(初期カブリ及び印字耐久性)
初期カブリ及び印字耐久性試験(連続印字負荷でのカブリ耐性)には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷スピード:A4サイズ20枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
高温高湿(H/H)環境下(温度:35℃、湿度:80%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で15,000枚まで連続印刷を行った。
500枚毎に、黒ベタ印字(印字濃度100%)を行い、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD918)を用いて黒ベタ画像の印字濃度を測定した。さらに、その後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行い、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上における非画像部のトナーを、粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた後、剥ぎ取り、それを印字用紙に貼り付けた。次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製、商品名:ND−1)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値とした。この値が小さいほど、カブリが少なく良好であることを示す。
黒ベタ画像の印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が3以下の画質を維持できる連続印刷枚数を調べた。表1中、「15000<」とあるのは、15,000枚の時点においても、印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が3以下の画質を維持できたことを示す。
また、印刷1枚目でのカブリ値を初期カブリ値とした。
〈合格基準〉
本試験においては、前記連続印刷枚数が10,000枚以上であるときに、トナーに求められる印字耐久性の評価を合格とした。また、前記初期カブリ値が2.0以下であるときに、トナーに求められる初期カブリ特性の評価を合格とした。
2−3.トナーのフィルミング特性
2−2と同様にして、連続印字を15,000枚行なった。500枚ごとに、感光体を目視で観察し、フィルミングの有無を確認した。フィルミングが確認された枚数を、フィルミング発生枚数とした。感光体上にフィルミング物質が形成されると、画像に白く抜ける部分ができるという問題が生じるため、フィルミング発生枚数が多いほど、フィルミングが発生しにくい好ましいトナーであるといえる。
〈合格基準〉
本試験においては、前記フィルミング発生枚数が10,000枚以上であるときに、トナーに求められるフィルミング特性の評価を合格とした。
実施例1〜実施例11、参考例12、実施例13、比較例1〜比較例4の静電荷像現像用トナーの評価結果を、酸化亜鉛粒子、アルミナ粒子、無機微粒子A及び無機微粒子Bの特性等と併せて表1に示す。
3.静電荷像現像用トナーの評価
以下、表1を参照しながら、トナーの評価結果について検討する。
表1より、比較例1及び3のトナーは、アルミナ粒子を含有しないトナーである。比較例1のトナーは、最低定着温度が155℃、フィルミング発生枚数が13,000枚、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリ値が0.2である。したがって、比較例1のトナーは、少なくとも低温定着性、フィルミング特性、及び高温高湿(H/H)環境下におけるカブリに問題は見られない。
しかし、比較例1のトナーは、高温高湿(H/H)環境下の印字耐久試験における連続印刷枚数が8,000枚と極めて少なく、この数字は、実施例1〜実施例11、参考例12、実施例13、並びに比較例1〜比較例4の中で、最も少ない。
ここで、比較例1のトナーはアルミナ粒子を含まないため、後述する実施例1のトナーより外添剤の総量が少ないが、実施例1のトナーが含有するアルミナ粒子(0.3部)と同量の外添剤を酸化亜鉛粒子で補った比較例3のトナー(酸化亜鉛粒子含有量0.8部)でも、高温高湿(H/H)環境下の印字耐久試験における連続印刷枚数が9,000枚と極めて少ないことから、酸化亜鉛粒子の含有量を増やしても高温高湿(H/H)環境下の印字耐久性を改善することはできない。
したがって、アルミナ微粒子を含有しない比較例1及び3のトナーは、高温高湿(H/H)環境下の印字耐久性が劣ることが分かる。
表1より、比較例2及び4のトナーは、酸化亜鉛粒子を含有しないトナーである。比較例2のトナーは、最低定着温度が155℃、フィルミング発生枚数が12,000枚、高温高湿(H/H)環境下の印字耐久試験における連続印刷枚数が15,000枚以上である。したがって、比較例2のトナーは、少なくとも低温定着性、フィルミング特性、及び高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性に問題は見られない。
しかし、比較例2のトナーにおいては、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリ値が4.5と極めて高く、この数値は、実施例1〜実施例11、参考例12、実施例13、並びに比較例1〜比較例4の中で、最も高い。
ここで、比較例2のトナーは酸化亜鉛粒子を含まないため、後述する実施例1のトナーより外添剤の総量が少ないが、実施例1のトナーが含有する酸化亜鉛粒子(0.5部)と同量の外添剤をアルミナ粒子で補った比較例4のトナー(アルミナ粒子含有量0.8部)でも、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリ値が3.3と極めて高いことから、アルミナ粒子の含有量を増やしても高温高湿(H/H)環境下の印字耐久性を改善することはできない。
したがって、酸化亜鉛粒子を含有しない比較例2及び4のトナーは、高温高湿(H/H)環境下において初期カブリが極めて生じやすいことが分かる。
一方、表1より、実施例1〜実施例11、参考例12、実施例13、のトナーは、個数平均粒径が0.1〜1.0μmである酸化亜鉛粒子を、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.3〜0.8質量部、及び、個数平均粒径が0.2〜0.7μmのアルミナ粒子を、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.1〜0.5質量部含有するトナーである。表1より、実施例1〜実施例11、参考例12、実施例13、のトナーは、最低定着温度が165℃以下と低く、高温高湿(H/H)環境下での印字耐久性試験における連続印刷枚数が10,000枚以上と多く、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリ値が1.5以下と小さく、フィルミング発生枚数が11,000枚以上と多い。よって、上記実施例と比較例から、外添剤として、個数平均粒径が0.1〜2.0μmの酸化亜鉛粒子、及び、個数平均粒径が0.05〜1.0μmのアルミナ粒子を、着色樹脂粒子100質量部に対して、それぞれ0.05〜1.0質量部ずつ含有するトナーは、低温定着性に優れ、フィルミングが起こりにくく、高温高湿環境下においてカブリの発生が抑えられ、しかも高温高湿環境下での印字耐久性に優れるという特性を全て兼ね備えた静電荷像現像用トナーであることが分かる。
ここで、酸化亜鉛粒子の含有量及び個数平均粒径の違いが、トナー特性に与える影響について検討する。
酸化亜鉛粒子の含有量の条件のみが異なる実施例1(含有量:0.5部)、実施例8(含有量:0.8部)、実施例9(含有量:0.3部)、及び比較例2(含有量:0部)を比較する。
表1より、実施例8のトナーは、実施例1のトナーと比較して、最低定着温度がやや高く、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性にやや劣る。実施例9のトナーは、実施例1のトナーと比較して、最低定着温度がやや優れ、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリがやや生じやすく、フィルミングも生じやすい。また、比較例2のトナーは、上述したように、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリが極めて生じやすく、フィルミングも生じやすい。
以上の結果から、酸化亜鉛粒子の含有量は0.5部程度で最もバランス良く効果を発揮し、酸化亜鉛粒子の含有量が多いほど、酸化亜鉛粒子の効果により高温高湿(H/H)環境下における初期カブリやフィルミング特性が改善される一方、低温定着性及び高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性にやや劣ることになり、その逆として、酸化亜鉛粒子の含有量が少ないほど、低温定着性に優れる一方、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリが生じやすく、フィルミングも生じやすくなると推測される。
酸化亜鉛粒子の個数平均粒径の条件のみが異なる実施例1(平均粒径:0.3μm)、実施例2(平均粒径:0.1μm)、及び実施例3(平均粒径:1.0μm)を比較する。
表1より、実施例2のトナーは、実施例1のトナーと比較して、最低定着温度、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣る。また、実施例3のトナーは、実施例1のトナーと比較して、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリやフィルミングがやや生じやすい。
以上の結果から、酸化亜鉛粒子の平均粒径は0.3μm程度で最もバランス良く効果を発揮し、大きくなると、高温高湿(H/H)環境下において初期カブリ、フィルミングがやや生じやすくなり、小さくなると最低定着温度、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣ると推測される。
次に、アルミナ粒子の含有量及び個数平均粒径の違いが、トナー特性に与える影響について検討する。
アルミナ粒子の含有量の条件のみが異なる実施例1(含有量:0.3部)、実施例6(含有量:0.1部)、実施例7(含有量:0.5部)、及び比較例1(含有量:0部)を比較する。
表1より、実施例7のトナーは、実施例1のトナーと比較して、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリがやや生じやすい。実施例6のトナーは、実施例1のトナーと比較して、最低定着温度がやや優れ、高温高湿(H/H)環境下の印字耐久特性がやや劣る。また、比較例1のトナーは、上述したように、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久特性が極めて悪く、フィルミングがやや生じやすい。
以上の結果から、アルミナ粒子の含有量は0.3部程度で最もバランス良く効果を発揮し、アルミナ粒子の含有量が多いほど、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性やフィルミング特性が改善される一方、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリが生じやすくなり、その逆として、アルミナ粒子の含有量が少ないほど、低温定着性に優れる一方、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性に劣り、フィルミングも生じやすくなると推測される。
アルミナ粒子の個数平均粒径の条件のみが異なる実施例1(平均粒径:0.4μm)、実施例10(平均粒径:0.2μm)、及び実施例11(平均粒径:0.7μm)を比較する。
表1より、実施例10のトナーは、実施例1のトナーと比較して、最低定着温度、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣る。また、実施例11のトナーは、実施例1のトナーと比較して、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣り、フィルミングがやや生じやすい。
以上の結果から、アルミナ粒子の個数平均粒径は0.4μm程度で最もバランス良く効果を発揮し、大きくなると、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性が劣り、フィルミングも生じやすくなり、小さくなると最低定着温度、高温高湿(H/H)環境下において印字耐久性がやや劣ると推測される。
続いて、アルミナ粒子と酸化亜鉛粒子の含有比の違いが、トナー特性に与える影響について検討する。
アルミナ粒子と酸化亜鉛粒子の含有比の条件が異なる実施例1(1:1.7)、実施例5(1:0.6)、実施例6(1:5)、実施例7(1:1)及び実施例8(1:2.7)を比較する。
表1より、実施例5及び実施例7のトナーは、実施例1のトナーと比較して、高温高湿(H/H)環境下において初期カブリがやや生じやすい。また、実施例6及び実施例8のトナーは、実施例1のトナーと比較して、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣る。
以上の結果から、アルミナ粒子と酸化亜鉛粒子の含有比は1:1.7程度で最もバランス良く効果を発揮し、酸化亜鉛粒子の含有比が少なくなると、高温高湿(H/H)環境下において初期カブリがやや生じやすくなり、多くなると高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣ると推測される。
表1より、参考例12のトナーは無機微粒子Aを含有しないトナー、実施例13のトナーは無機微粒子Bを含有しないトナーである。表1より、参考例12及び実施例13のトナーは共に、最低定着温度が150℃、フィルミング発生枚数が15,000枚以上である。したがって、参考例12及び実施例13のトナーは、少なくとも低温定着性、及びフィルミング特性に問題は見られない。しかし、参考例12及び実施例13のトナーは、高温高湿(H/H)環境下における初期カブリ値が比較的高く、高温高湿(H/H)環境下の印字耐久試験における連続印刷枚数が比較的少ない。したがって、無機微粒子A及び無機微粒子Bを含有しないトナーは、高温高湿(H/H)環境下において初期カブリがやや生じやすくなり、高温高湿(H/H)環境下における印字耐久性がやや劣ると推測される。

Claims (7)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含む着色樹脂粒子、並びに、外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記外添剤として、個数平均粒径が0.1〜2.0μmの酸化亜鉛粒子、個数平均粒径が0.05〜1.0μmのアルミナ粒子、及び、個数平均粒径が5〜25nmの無機微粒子Aを含有し、前記酸化亜鉛粒子を前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で含有し、前記アルミナ粒子を前記着色樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の割合で含有し、前記無機微粒子Aを前記着色樹脂粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で含有することを特徴とする、静電荷像現像用トナー。
  2. 前記アルミナ粒子と前記酸化亜鉛粒子との含有比が質量基準で1:0.6〜1:5の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記酸化亜鉛粒子の形状が、板状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記無機微粒子Aが正帯電性を示すことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記外添剤として、さらに個数平均粒径が30〜200nmのシリカ又はチタニアの微粒子である無機微粒子Bを含有し、当該無機微粒子Bを前記着色樹脂粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記着色樹脂粒子が正帯電性を示すことを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 静電荷像現像用トナーが正帯電性を示すことを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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