JPH1057789A - 水性微粒子分散体の製法 - Google Patents

水性微粒子分散体の製法

Info

Publication number
JPH1057789A
JPH1057789A JP25526696A JP25526696A JPH1057789A JP H1057789 A JPH1057789 A JP H1057789A JP 25526696 A JP25526696 A JP 25526696A JP 25526696 A JP25526696 A JP 25526696A JP H1057789 A JPH1057789 A JP H1057789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous
dispersion
block
holes
wet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25526696A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Hasegawa
一利 長谷川
Toku Toda
徳 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JIINASU KK
Original Assignee
JIINASU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JIINASU KK filed Critical JIINASU KK
Priority to JP25526696A priority Critical patent/JPH1057789A/ja
Publication of JPH1057789A publication Critical patent/JPH1057789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿式法超微粒子珪酸の粒子径が細かくかつ均
一な水性微粒子分散体の製造方法を提供する。 【解決手段】 湿式法超微粒子珪酸の水性懸濁液を通過
させることのできる貫通孔10a、10b、11、12
a、12bを形成したブロックを、少なくとも3個、貫
通方向が懸濁液の流れ方向に沿うように実質的に密着し
て配説するとともに、貫通孔は懸濁液導入側ブロック1
0に少なくとも2本、中間ブロック11に1本、懸濁液
排出側ブロック12に少なくとも2本それぞれ形成し、
また、導入側ブロック10と中間ブロック11の対向
面、および中間ブロック11と排出側ブロック12の対
向面におけるいずれかのブロック表面には、懸濁液の流
れ方向と直交する方向の溝状通路10c、12cを形成
し、隣接する各ブロックの貫通孔を該溝状通路を介して
連通させるようにように構成された微粒化装置を用いる
ことにより湿式法超微粒子珪酸の高分散体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿式法超微粒子珪酸
の水性微粒子分散体の製造方法に関するものである。こ
の水性微粒子分散体は化粧品、プラスチック、ラテック
ス、塗料、インク、繊維、紙の分野で用いられ、タレ止
め、つや消し、補強充填剤、軽量紙、消火器など湿式法
超微粒子珪酸(ホワイトカーボン)の利用されるあらゆ
る産業分野の各種原材料および前駆体として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来は湿式法超微粒子珪酸の水相への分
散体を得る場合は、ビーズミル、ボールミル、アトライ
タ、ペイントシェーカー、サンドミル等のメディア媒体
型分散機、コロイドミル、ハイスピードディスパーサー
等の撹拌型分散機、超音波分散機など各種分散機を用い
られてきた。
【0003】また懸濁液を超高圧で衝突させる微粒化装
置として、複数の液体を互いに衝突させて乳化させる装
置(米国特許第4533254号公報で開示された発
明)や複数のノズルから同一個所に噴射衝突させて乳化
をする装置(特開平2−261525号に記載されてい
る乳化装置)が知られており、これらの微粒化装置を利
用する分散方法も知られていた。
【0004】
【従来技術の問題点】撹拌型分散機を用いて、湿式法超
微粒子珪酸の水相への分散体を得ようとする場合、これ
らの微粒子粉体は表面エネルギーが高く、強く凝集して
おり一次粒子径または一次粒子径近くの粒子径まで分散
されていてかつ均一な粒子の分散体を製造することが困
難であり、二次凝集体の分散を行うのであれば動力、時
間さえ厭わなければある程度までは可能であるが、二次
凝集性が極端に著しい微粒子や焼結した粒子の破砕まで
は困難である。また分散剤とその選定によっては発泡し
てその泡の除去に困難さをきたす。
【0005】また高濃度の分散体を得ようとする場合、
分散工程で増粘して得られる高濃度の分散体の収率が低
く、目的とする分散体が得られないばかりでもなく経済
的でもなかった。
【0006】メディア媒体型分散機を用いた場合では、
エネルギーコストの問題を考えなければ、比較的一次粒
子径近くの分散体は得られるもののメディア材質の混入
および装置の連続化において難点がある。また長時間の
運転により分散質の表面および結晶内部にまで歪みの発
生するいわゆるメカノケミカル変化が発現し、分散質の
特性、機能の変化が避けられなかった。
【0007】また従来の懸濁液に超高圧で衝突させる微
粒化装置、例えば米国特許第4533254号公報で開
示された発明や特開平2−261525号に記載されて
いる乳化装置を用いると、懸濁液が低濃度の場合比較的
細かく分散した分散体を短時間で得ることができるが、
懸濁液が高濃度の場合は分散に必要なエネルギーが高
く、効率良く分散体が製造できなかった。またこれらの
装置を用いて分散体を長期間製造する場合は、混合液が
最大流速で衝突する溝状通路の磨耗が著しく、連続して
使用すると分散性能の低下が避けられなかった。
【0008】特に湿式法超微粒子珪酸のように、比表面
積が大きく強い凝集性の粒子のものは、その凝集力のバ
ランスの違いや凝集構造をコントロールすることでその
機能を発揮することが可能である。一般に一次粒子また
は一次粒子近くまで分散されていてかつ均一な分散体が
必要不可欠であるが、従来の分散機を用いると超微粒子
珪酸の凝集体が存在するので目的とする機能が十分に発
揮できず、高濃度で一次粒子または一次粒子近くまで分
散されていてかつ均一な分散体が必要とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は水系の湿式法
超微粒子珪酸の分散体の製造方法において、一次粒子径
または一次粒子径近くの粒子径まで分散されていてかつ
均一な微粒子分散体を安定的に製造できる方法の提供を
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の水性微粒子分散
体の製法は、流体の流路に沿って貫通孔を有し、実質的
に密着して配設された3個のブロックに湿式法超微粒子
珪酸の水性懸濁液を導入し高速で衝突させることにより
湿式法超微粒子珪酸の水性微粒子分散体を製造する方法
であって、流体導入側ブロックの前記貫通孔から導入し
た前記水性懸濁液を対向流に変えて衝突させることによ
り湿式法超微粒子珪酸の水性分散体とし、中間ブロック
の前記貫通孔にて前記水性分散体の乱流を維持しつつそ
の流れを前記流路方向に変え、排出側ブロックに前記中
間ブロックを通過した前記水性分散体を衝突させること
により、湿式法超微粒子珪酸の水性微粒子分散体とし、
前記排出側ブロックで該水性微粒子分散体の流れを前記
流路と直交する方向に変えて前記貫通孔から排出させる
ところにその特徴がある。
【0011】上記において、湿式法超微粒子珪酸の好ま
しい水性懸濁液(分散体)濃度は1%超40%以下、よ
り実用的には5%ないし40%の範囲である。また特に
高濃度の水性微粒子分散体を製造する場合は、分散剤と
してメタリン酸塩および/またはポリカルボン酸型高分
子活性剤を湿式法超微粒子珪酸に対して0.1〜5.0
%添加することが望ましい。
【0012】前記水性微粒子分散体を製造するための好
ましい微粒化装置としては、流体を通過させることので
きる貫通孔を形成したブロックを、少なくても3個、貫
通方向が前記流体の流れ方向に沿うように実質的に密着
配設するとともに、前記貫通孔は流体導入側ブロックに
少なくとも2本それぞれ形成し、また前記導入側ブロッ
クと前記中間ブロックの対向面および、前記中間ブロッ
クと前記排出側ブロックの対向面におけるいずれかのブ
ロック表面には、前記流体の流れ方向と直交する方向の
溝状通路を形成し、前記隣接する各ブロックの貫通孔を
該溝状通路を介して連通させるように構成した微粒化装
置があげられる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の製法は、湿式法超微粒子
珪酸の水性懸濁液から、湿式法超微粒子珪酸が一次粒子
状態で微細均一に分散した水性微粒子分散体を製造する
方法を提供するものである。
【0014】この発明で用いられる好ましい湿式法超微
粒子珪酸としては、一次粒子の比表面積が90〜200
/g(簡易BET法による測定値)のものが用いら
れる。また比表面積が90m/g未満の珪酸を用いて
も均一な分散体は製造することは可能である。これらは
単独で使用してもよくあるいは併用することも可能であ
り、特にラテックス工業におけるバッキング、カーペッ
ト、接着剤、手袋、衛生用品、織布フォーム、フォーム
ラバー配合において、硫黄、酸化亜鉛、加硫促進剤、炭
酸カルシウム、その他の添加物またプロセス油の添加な
どにも、本発明に使用する微粒化装置は分散機能の上に
更には油と水との乳化機能も備えているため有用であ
り、また軽量紙として用いる場合湿式法超微粒子珪酸の
他に分散剤、沈降防止剤、バインダーなどの併用するこ
とも可能であり、使用する場合比率は特に限定されな
い。
【0015】ここで用いられる湿式法超微粒子珪酸は合
成シリカ、具体的には沈殿法シリカといわれ通称ホワイ
トカーボンと称されるものであり、珪石を高温にて苛性
ソーダで溶解した後、濾過精製し透明な珪酸ソーダ溶液
(水ガラス)を得る。次にこの珪酸ソーダ溶液と硫酸を
反応させSiO・nHOを生成させる。反応条件の
選択により粒子径、表面構造、細孔状態等の異なるシリ
カを得る、次いでこの湿潤シリカケークを乾燥、粉砕、
分級して製品としたものである。この方法で合成された
シリカは、さまざまな性状を示し、多くの機能を発揮す
るが補強性、増粘性、つや消し性、吸油性、吸着性、接
着性、断熱性、アンチブロッキング性、流動改質剤など
多面的な機能を示す素材である。
【0016】湿式法超微粒子珪酸の好ましい水性分散質
濃度は1%超40%以下であるが、本発明の特徴がより
一層発揮されるのは5%超40%以下であり、本発明の
方法によればこのような高濃度の水性分散液であっても
湿式法超微粒子珪酸が一次粒子径または一次粒子径近く
の粒子径まで分散された均一な水性微粒子分散体を得る
ことができる。
【0017】なお高濃度の水性微粒子分散体を製造する
場合は分散剤を使用しなくとも所定の分散液が製造でき
るが、また分散剤を使用しても所定の分散液が製造でき
る。分散剤を使用する場合は、用いられる分散剤として
は、無機物質してはメタリン酸塩、有機物質としてはポ
リカルボン酸型高分子活性剤があげられる。これらの分
散剤は使用する目的に応じて使い分ければ良いが、場合
によってはこれらを混合して使用することもできる。
【0018】この発明に用いられる分散剤を使用する場
合の好ましい濃度は、分散質に対し0.1%から5.0
%の範囲内であり、0.1%未満では分散剤の効果が減
少する場合もあり、5.0%を超えてそれ以上添加して
も分散促進効果は得られず、場合によっては凝集作用を
起こす場合もある。
【0019】ここで分散剤として用いられるメタリン酸
塩としては、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸
ナトリウム、メタリン酸カリウム等があげられるが上記
以外のメタリン酸塩を用いてもよい。
【0020】またここで分散剤として用いられるポリカ
ルボン酸型の高分子活性剤としてはオレフィン−マレイ
ン酸塩共重合体およびアクリル酸−アクリル酸エステル
系ポリカルボン酸ポリマーおよびアクリル酸−アクリル
酸エステル系多元ポリマーなど要するに分子中にカルボ
キシル基もしくはその塩を有する高分子活性剤であっ
て、その具体例としては「デモールEP」、「ポイズ5
20」、「ポイズ521」、「ポイズ530」、「ホモ
ゲノールL−18」、「ホモゲノールL−1820」、
「ホモゲノールL−95」、「ホモゲノールL−9
5」、「ホモゲノールL−100」(以上花王製);
「ポリティA−300」、「ポリティA−530」、
「ポリティA−550」(以上ライオン製);「シャロ
ールAN−103P」、「シャロールAN−403
P」、「シャロールAN−144P」、「シャロールA
H−103P」、「シャロールAH−403P」、「シ
ャロールAH−144P」、「ディスコートN−14」
(以上第一工業製薬製);「DisrolH12」(以
上日本乳化剤製);「キャリボンB」、「キャリボンL
−400」、「エレミノールMBN−1)「サンスパー
ルPS−2」、「サンスパールPS−8」、「サンスパ
ールPDN−173」、「サンスパールPC−3」(以
上三洋化成製);「トーホーCT」、「ネオスコープS
CT−30」、「トーホーNo2A」、「ディブロジン
A−100」、「ディブロジンK−25」、「ディブロ
ジンN−20」(以上東邦化学工業製)などの市販品が
あげられる。
【0021】次に、本発明で使用される好ましい微粒化
装置について説明する。本発明で用いられる微粒化装置
は、流体を通過させることのできる貫通孔を形成したブ
ロックを、少なくとも3個、貫通方向が流れ方向に沿う
ように実質的に密着配設するとともに、貫通孔は流体導
入側ブロックに少なくとも2本、中間ブロックに1本、
流体排出側ブロックに少なくとも2本それぞれ形成し、
また、導入側ブロックと中間ブロックの対向面、および
中間ブロックと排出側ブロックの対向面におけるいずれ
かのブロック表面には、流体の流れ方向と直交する方向
の溝状通路を形成し、隣接する各ブロックの貫通孔を該
溝状通路を介して連通させるように構成したものであ
る。
【0022】上記の微粒化装置において、導入側ブロッ
クと中間ブロックの対向面のいずれかに形成される溝状
通路の断面積をA、中間ブロックの貫通孔の断面積を
、中間ブロックと排出側ブロックの対向面のいずれ
かに形成される溝状通路の断面積をAとするとき、各
断面積の関係がA<A<Aであることが好まし
く、溝状通路の断面形状は、丸溝またはU字溝で構成す
ることが望ましい。
【0023】また、上記各ブロックは、セラミックス、
超硬合金、ダイヤモンド等の耐磨耗性部材から構成する
ことができる。また、流体を超高速で衝突させるには、
この微粒化装置に導入する湿式法超微粒子珪酸の水性懸
濁液(以下、単に懸濁液という)を例えば高圧ポンプを
用いて100〜3000kgf/cmに加圧すること
が好ましい。
【0024】また、上記導入側および排出側ブロックに
おける貫通孔は、ブロックに少なくとも2個形成されて
いればよいが、それ以上であってもよい。なお、貫通孔
を同心円上に2個形成する場合は、ブロックの中心から
放射状に延びる溝状通路で連通させることが好ましい。
【0025】この微粒化装置は、高分散させる懸濁液の
流路に沿って貫通孔を有し実質的に密着配設された3個
のブロックに懸濁液を導入し、高速で衝突させることに
より高分散化を行う微粒化装置であって、懸濁液導入側
ブロックの貫通孔から導入した懸濁液を対向流に変えて
衝突させ、中間ブロックの貫通孔にてその衝突した液状
懸濁液の乱流を維持しつつその流れを流路方向に変え、
排出側ブロックにて中間ブロックを通過した懸濁液の流
れを流路と直交する方向に変えて貫通孔から排出させる
微粒化装置である。
【0026】この微粒化装置を用いることにより、導入
側ブロックと中間ブロックの対向面のいずれかに形成さ
れた溝状通路内に案内された懸濁液は、加速されるとと
もに対向流となって衝突し、圧力変化、衝撃波等が複合
された状態にて微粒子化が行われ、速やかに中間ブロッ
クの貫通孔に案内されるとともにその分散作用は維持さ
れ、さらに中間ブロックと排出側ブロックの対向面のい
ずれかに形成された溝状通路に衝突してその流れが流路
と直交する方向に変えられることによって再度微粒子化
が行われ、水性微粒子分散体が得られる。
【0027】以下、図面に示した微粒化装置を詳細に説
明する。図1は、本発明で使用される微粒化装置、およ
びその周辺設備を含む微粒化システムの概略構成を示し
たものであり、その構成は、水性懸濁液を高圧ポンプを
用いて微粒化装置に圧送し、その微粒化装置内で懸濁液
状の湿式法超微粒子珪酸の分散または微粉砕を行うよう
になっている。以下、各部の構成について説明する。
【0028】同図において、水性懸濁液は高圧ポンプ7
の吸入口に供給されるようになっている。高圧ポンプ7
で1000〜3000kgf/cmに加圧して超高速
流を形成した後、微粒化装置8に導入するようになって
いる。
【0029】微粒化装置8は、図2に示すように、水性
懸濁液導入側ブロックとしての円盤状のディスク10、
中間ブロックとしての円盤状のディスク11、および懸
濁液排出側ブロックとしての円盤状のディスク12を、
流路に沿って直列に、かつ上記記載順にそれぞれ円筒状
容器9内に密着させて配置したものである。また、以下
の説明では、各ディスクにおける上流側の面を表面、下
流側の面を裏面と呼ぶ。
【0030】上記ディスク10は図3に示すように直径
10mm、厚さ3mmからなるセラミックス、超硬合
金、ダイヤモンド等の耐磨耗部材から構成されている。
このディスク10には、同心円上の2箇所に直径0.5
mmの導入貫通孔10a、10bが形成されている。こ
のディスク10裏面における導入貫通孔の出口部10
a’および10b’は、ディスク10の中心を通る幅
0.12mm、深さ0.05mmからなる溝状導入通路
10cによって連通されている(図2参照)。
【0031】このような構成のディスク10の溝状導入
通路10c覆うようにして、ディスク11が密着配置さ
れている。それにより、各導入貫通孔10a、10bを
通過した懸濁液はディスク11の表面と衝突して強制的
にその流れがディスク10の中心に向けて変えられると
ともに加速され、対向流が発生する。
【0032】ディスク11は上記ディスク10と、同
径、同じ厚さ、同じ材質からなり、図4に示すように、
その中心部分に直径0.138mmからなる中間貫通孔
11aが形成されている。
【0033】ディスク12は上記ディスク10と、同
径、同じ厚さ、同じ材質からなり、図5に示すように、
同心円上の2箇所に直径0.6mmの排出貫通孔12
a、12bが形成されている。ディスク12表面の排出
貫通区の入口部12a’および12b’は、、ディスク
12の中心を通る幅0.13mm、深さ0.06mmか
らなる溝状送出通路12cによって連通されている。な
お、上記溝上導入通路10cの断面積をAとし、中間
貫通孔11aの断面積をAとし、溝状送出通路12c
の断面積をAとするとき、A<A<Aとなって
いる。なお溝状導入(送出)通路10c(12c)は、
たとえば図6(a)、(b)にしめす如くR加工もしく
は丸溝加工を施し、高速流体の導入(送出)による磨耗
を可及的に抑えることのできる形状にしておくのがよ
い。
【0034】従って、各ディスクを通過する水性懸濁液
は、ディスクを通過する毎に圧力差を受けながら衝突
し、微粒化が行われることになる。またディスク11に
形成されている中間貫通孔11aの径を調整すれば、デ
ィスク10における溝状導入通路10c内を流れる流速
を所望の値に設定することができる。
【0035】次に、上記構成を有する微粒化装置を用い
た本発明の動作について説明する。高圧ポンプ7によっ
て加圧され超高速懸濁液とされた水性懸濁液が微粒化装
置8に導入されると、まず、円筒上容器9内にて流れA
と流れBに分岐され、導入貫通孔10aと10bを通過
し、ディスク11表面と衝突した後、ディスク10の中
心に向けて強制的に方向が変えられるとともに加速さ
れ、溝状導入通路10c内を流れて対向流となる。
【0036】対向流によって衝突した水性懸濁液は、つ
いでディスク11の中間貫通孔11aに案内されること
によって、衝突エネルギーが一部開放され、ディスク1
0の溝状導入通路中心部分にて発生する磨耗を軽減させ
る。このとき、衝突よって生じた乱流はその状態が維持
される。
【0037】この中間貫通孔11aを通過した水性懸濁
液は、さらに、ディスク12の表面と衝突しつつそのデ
ィスク12の外周に向けて流れが変えられて再度微粒化
が行われ各排出貫通孔12a、12bを通過して排出さ
れる。
【0038】
【実施例】下記の実験では、下記構成の微粒化装置を使
用し下記の条件で実験を行った。微粒化装置の具体的構
成 導入側ブロックの形状:直径10mm×厚さ3mm 中間側ブロックの形状:直径10mm×厚さ3mm 排出側ブロックの形状:直径10mm×厚さ3mm 導入側ブロックの溝径:0.12mm、深さ0.05m
mの丸溝 中間側ブロックの孔径:0.138mm 排出側ブロックの溝径:0.13mm、深さ0.06m
mの丸溝 操作条件 高圧ポンプを用い、1000〜3000kgf/cm
の圧力で圧送なお比較のため、従来の懸濁液に超高圧で
衝突させる微粒化装置としてナノマイザー社製装置「L
A−33」、メディア型分散機として「ペイントシェー
カー」(東洋精機(株)製)、撹拌型分散機として「ホ
モジナイザーAM−7」(日本精機(株)製)を用いて
同様の実験を行った。評価は、島津製作所(株)製レー
ザー回折粒度分布測定装置「SALD−2000A」を
用いてメジアン径を測定し、その大小で評価を行った。
【0039】実施例1 試料内容 超微粒子珪酸(日本シリカ工業(株)製「ニップシール
VN−3」) 蒸留水 超微粒子珪酸濃度:5%、10%、20%、30%
【0040】実験結果
【表1】
【0041】実施例2 試料内容 超微粒子珪酸(日本シリカ工業(株)製「ニップシール
VN−3」) 蒸留水 ヘキサメタリン酸ナトリウム1.0%(湿式法超微粒子
珪酸に対して) 超微粒子珪酸濃度:5%、10%、20%、30%
【0042】実験結果
【表2】
【0043】実施例3 試料内容 試料内容 超微粒子珪酸(日本シリカ工業(株)製「ニップシール
VN−3」) 蒸留水 「デモールEP」(特殊ポリカルボン酸型高分子活性
剤:花王(株)製) 1.0%(に超微粒子珪酸対し
て) 超微粒子珪酸濃度:5%、10%、20%、30%
【0044】実験結果
【表3】
【0045】以上の実験結果からも明らかである様に本
発明によれば湿式法超微粒子珪酸がサブミクロン状態で
高分散した水性微粒子分散体を得ることができ、この分
散体は長期間安定であった。
【発明の効果】本発明で得られる湿式法超微粒子珪酸の
水性微粒子分散体は、一次粒子もしくは一次粒子近くの
粒子径まで分散しており、また経時変化による沈降も少
なく安定した分散体が得られる。得られた水性微粒子分
散体は長期間安定である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる微粒化装置の全体概念図であ
る。
【図2】図1に示す微粒化装置の構成を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に用いる微粒化装置の第1のディスクの
形状を示す説明図である。
【図4】本発明に用いる微粒化装置の第2のディスクの
形状を示す説明図である。
【図5】本発明に用いる微粒化装置の第3のディスクの
形状を示す説明図である。
【図6】本発明に用いる微粒化装置の溝状導入通路また
は溝状送出通路の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
7 高圧ポンプ 8 微粒化装置 9 円筒部 10 第1のディスク 10a、10b 導入貫通孔 10c 溝状導入通路 11 第2のディスク 11a 中間貫通孔 12 第3のディスク 12a、12b 排出貫通孔 12c 溝状送出通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流路に沿って貫通孔を有し、実質
    的に密着して配設された3個のブロックに湿式法超微粒
    子珪酸の水性懸濁液を導入し高速で衝突させることによ
    り湿式法超微粒子珪酸の水性微粒子分散体を製造する方
    法であって、流体導入側ブロックの前記貫通孔から導入
    した前記水性懸濁液を対向流に変えて衝突させることに
    より湿式法超微粒子珪酸の水性分散体とし、中間ブロッ
    クの前記貫通孔にて前記水性分散体の乱流を維持しつつ
    その流れを前記流路方向に変え、排出側ブロックに前記
    中間ブロックを通過した前記水性分散体を衝突させるこ
    とにより、湿式法超微粒子珪酸の水性微粒子分散体と
    し、前記排出側ブロックで該水性微粒子分散体の流れを
    前記流路と直交する方向に変えて前記貫通孔から排出さ
    せることを特徴とする水性微粒子分散体の製法。
  2. 【請求項2】 湿式法超微粒子珪酸の水性懸濁液濃度が
    1%超40%以下である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 前記水性微粒子分散体を製造するための
    微粒化装置として、流体を通過させることのできる貫通
    孔を形成したブロックを、少なくとも3個、貫通方向が
    前記流体の流れ方向に沿うように実質的に密着配設する
    とともに、前記貫通孔は流体導入側ブロックに少なくと
    も2本それぞれ形成し、また前記導入側ブロックと前記
    中間ブロックの対向面および、前記中間ブロックと前記
    排出側ブロックの対向面におけるいずれかのブロック表
    面には、前記流体の流れ方向と直交する方向の溝状通路
    を形成し、前記隣接する各ブロックの貫通孔を該溝状通
    路を介して連通させるように構成した微粒化装置を使用
    する請求項1に記載の製法。
JP25526696A 1996-08-20 1996-08-20 水性微粒子分散体の製法 Pending JPH1057789A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25526696A JPH1057789A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 水性微粒子分散体の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25526696A JPH1057789A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 水性微粒子分散体の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1057789A true JPH1057789A (ja) 1998-03-03

Family

ID=17276368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25526696A Pending JPH1057789A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 水性微粒子分散体の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1057789A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007117041A1 (ja) * 2006-04-10 2009-08-27 新日本石油株式会社 連続乳化方法およびそのための乳化装置
JP2018047407A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社常光 微粒化ユニット、微粒化装置及び微粒化方法
JP2024002719A (ja) * 2022-06-24 2024-01-11 株式会社スギノマシン スリットチャンバーおよび微粒化装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007117041A1 (ja) * 2006-04-10 2009-08-27 新日本石油株式会社 連続乳化方法およびそのための乳化装置
JP5629432B2 (ja) * 2006-04-10 2014-11-19 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 連続乳化方法およびそのための乳化装置
JP2018047407A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社常光 微粒化ユニット、微粒化装置及び微粒化方法
JP2024002719A (ja) * 2022-06-24 2024-01-11 株式会社スギノマシン スリットチャンバーおよび微粒化装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6443610B1 (en) Processing product components
JP2007521945A (ja) 分散液を製造する方法および装置
KR20070085524A (ko) 카본 블랙 수분산체 및 그 제조 방법
EP0860201B1 (en) High- speed collision reaction method
JP3296954B2 (ja) 微粒化装置及び微粒化方法
CN101610833A (zh) 反应性单体的高压分散方法
Sauter et al. High pressure for dispersing and deagglomerating nanoparticles in aqueous solutions
JPH1057789A (ja) 水性微粒子分散体の製法
KR20000006595A (ko) 반도체소자 cmp용 금속산화물 슬러리의 제조방법
JP3447502B2 (ja) 粉砕方法及びその設備
JPH09299774A (ja) 水性微粒子分散体の製法
JP6837666B2 (ja) 湿式分散器
JP3167913B2 (ja) 微粒化装置及び微粒化方法
JP3149375B2 (ja) 微粒化方法及びその装置
JPH10180066A (ja) 微粒化方法及びその装置
JP2007176738A (ja) 安定化された表面処理葉状シリカ2次粒子粉末及びその製造方法
JP2000189830A (ja) 微粒子分散体の製法および微粒子分散体
US9675951B2 (en) Method for treating slurry and treatment apparatus used for the same
JPH05212307A (ja) 気流式粉砕装置
KR101208211B1 (ko) 고체 입자 분산 및 분쇄 장치
WO2001064352A1 (en) Twin fluid centrifugal nozzle for spray dryers
CN113617326B (zh) 一种用于高稳定o/w纳米乳液的制备装置及其制备方法
KR100239240B1 (ko) 압축성 유체를 이용한 미분체 분쇄장치 및 분쇄방법
JP2003093916A (ja) 高圧微粒化設備
Bacon et al. Break up of silica nanoparticle clusters using ultrasonication