JP3447502B2 - 粉砕方法及びその設備 - Google Patents

粉砕方法及びその設備

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JP3447502B2
JP3447502B2 JP02276797A JP2276797A JP3447502B2 JP 3447502 B2 JP3447502 B2 JP 3447502B2 JP 02276797 A JP02276797 A JP 02276797A JP 2276797 A JP2276797 A JP 2276797A JP 3447502 B2 JP3447502 B2 JP 3447502B2
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正治 片山
三郎 八嶋
貫太郎 金子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭酸カルシウム
などの原料鉱石を超微粉砕して、特性の優れたスラリー
を製造するための粉砕方法及びその設備に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】製紙用塗工料、各種充填剤、ピグメント
等の工業の分野で使用する炭酸カルシウムなどの原料鉱
石の微粉砕には、公知の技術として、実開昭63−12
2647号公報などに記載の乾式と、特開平7−515
90号公報などに記載の湿式がある。
【0003】上記乾式においては、ローラミルで荒粉砕
したのち、バーチカルミルで分散剤の添加の下で微粉砕
する。このとき、ローラミル内に粉砕助剤を添加するこ
とも適宜に行われる。一方、上記湿式においては、微粉
砕する攪拌ミルの前段で分散機により粉末を分散して粉
砕効率を向上させている。
【0004】この公知技術において、一般に、湿式粉砕
は、乾式粉砕より超微粉の生産に適しているといわれて
いるが、その湿式粉砕においても、微粉化は、粒子相互
および粒子と粉砕媒体との圧縮摩擦による粉砕、いわゆ
る摩砕によって行われ、この摩砕は、表面粉砕のため、
所定粒径、例えば2μm径以下の微粉を所要量得ようと
すれば、粉砕機における粉末の摩砕時間が長くなり、ス
ラリー化する場合、そのスラリーの特性を低下させる
0.2μm以下の極超微粒子が多く生成される問題があ
る。0.2μm以下の極超微粒子が多く存在すると、ス
ラリーの粘度が増大する。
【0005】このような状況の下、図3に示す、極超微
粒の生成を抑えて効率よく微粉砕する粉砕設備として、
砕料aを、竪型ミル1などの一次粉砕機で粉砕した後、
媒体攪拌ミル15、18などの二次粉砕機でさらに細か
く粉砕するものが考えられている。
【0006】この粉砕設備を詳述すると、あらかじめ、
破砕機などにより約50mm以下に破砕された砕料a
が、ホッパ5へ投入され、該ホッパ5から供給機6によ
り、竪型ミル1に定量的に供給される。竪型ミル1内
で、砕料aは回転テーブル2とローラ3の間に噛み込ま
れて、圧縮・剪断作用により砕製物a1 に粉砕される。
【0007】竪型ミル1内は、捕集機8を介して排風機
10に接続されているので内部は負圧となっており、粉
砕された砕製物a1 は、竪型ミル1の下部より取入れた
空気とともに竪型ミル1内を上昇する。竪型ミル1内の
上部には回転式分級機4が備えられており、充分に粉砕
されていない砕製物(粒子径が約50μm以上の粗粒)
1 は回転式分級機4による遠心力により撥ね飛ばされ
て、竪型ミル1内を落下し再び粉砕作用を受ける。
【0008】一方、充分に粉砕された砕製物a1 (最大
粒子径が約50μm以下で平均粒子径が10μm程度の
微粒)は捕集機8へ空気輸送され、捕集機8ではその微
粒a1 が捕集され、空気だけが排風機10により大気中
に放出される。捕集された微粒a1 は、移送機9、バケ
ットエレベータ11、第二の移送機12などにより、貯
留槽13に蓄えられた後、供給機14により攪拌機31
へ供給される。
【0009】攪拌機31へは、水と少量の分散剤bが供
給されており、微粒a1 はこれらとともに攪拌羽根32
により攪拌されて均質なスラリーが生成される。使用さ
れる分散剤bの量は、例えば、砕料aが炭酸カルシウム
で、分散剤bが陰イオン系の分散剤の場合は、分散剤b
を水に溶解させて40重量%の水溶液としたものを、炭
酸カルシウムの微粒a1 に対して1%程度が供給され
る。
【0010】攪拌機31で生成されたスラリーe1 はス
クリーン33へ移送され、微粒a1中に混入していた粗
粒などの除去物dが取り除かれた後、湿式の媒体攪拌ミ
ル15へ送られる。この媒体攪拌ミル15内には、粉砕
媒体cが入れられており、スラリーe1 は粉砕媒体cと
ともに攪拌羽根16による攪拌作用を受ける。そして、
微粒a1 どうしあるいは粉砕媒体cとの摩擦により、微
粒a1 はさらに細かく粉砕された後(微粒a2 )、スク
リーン17へ移送される。
【0011】スクリーン17で、割れた粉砕媒体cや充
分に粉砕されていない微粒a1 (除去物d)が取り除か
れた後、スラリーe2 は第二の媒体攪拌ミル18へ移送
され、微粒a2 がより細かく粉砕された後(微粒
3 )、そのスラリーe3 がスクリーン20へ移送さ
れ、ここで除去物dが取り除かれた後、スラリーeは製
品タンク23に送られる。
【0012】このようにして、粒子径が約50mm以下
であった砕料aは、竪型ミル1で平均粒径が約10μm
程度の微粒a1 に粉砕され、さらに湿式の媒体攪拌ミル
15、18で平均粒径が約2μm以下の超微粒a3 に微
粉砕され、製品であるスラリーeの状態でタンク23に
蓄えられる。
【0013】このように、図3に示す粉砕設備は、供給
された原料鉱石(砕料)aを高圧乾式粉砕機1によって
粉砕することによって、微粒a1 を生成させると同時
に、従来の方法では実現困難であったこれらの微粒a1
に含まれている、極く強度の強いミクロスコピックな潜
在クラックまでも一挙に強制的に活性化させておき、こ
の潜在クラックが活性化した微粒a1 を湿式媒体攪拌ミ
ル15、18によって主として体積粉砕により、その活
性化クラックの存在下で超微粒a3 を円滑に生成させる
ことができ、所要の粒度までの粉砕時間が短くなって、
スラリー(製品)eの特性に悪影響を及ぼす粒子径約
0.2μm以下の極超微粒子の生成を極力抑制して高品
質のスラリーeを製造し得る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この図3の粉砕設備に
おいて、竪型ミル1で砕料aを粉砕すると、粉砕された
砕製物a1 の表面は活性度が極めて高くなるとともに、
静電気を帯びるので、砕製物a1 どうしが付着して見か
けの粒子径が大きくなる凝集現象が発生しやすくなる。
凝集の生じた砕製物a1 は、粗粒と同様に回転式分級機
4による遠心力により撥ね飛ばされて、竪型ミル1内を
落下するので粉砕効率の低下を招くことになる。このた
め、このような凝集現象を抑制して、粉砕効率を高める
ために、竪型ミル1に少量の水やステアリン酸等の粉砕
助剤を添加し、砕製物a1 の表面に粉砕助剤を付着させ
ることで、活性度を低下させたり、電気的に中性化させ
る場合がある。
【0015】また、竪型ミル1で粉砕された砕製物a1
は、その表面の活性度が極めて高いことや、静電気を帯
びているために、捕集機9から供給機14へ移送される途
中で、砕製物a1 どうしが凝集したり、機内の壁面に付
着したりする現象が発生しやすくなる。このため、竪型
ミル1内に、粉砕助剤を添加して、前記凝集や付着の防
止を図ることも行われる。
【0016】しかしながら、粉砕助剤の添加は、製品
(スラリーe)の性状に変化を与える場合もあって、そ
のことを考慮する必要があるうえに、コスト面でも問題
となる。
【0017】また、上述したように、微粒a1 を水中に
分散させて均質なスラリーe1 を得るために分散剤bを
用いるが、上記粉砕助剤の添加でその分散剤bの効果が
減殺される場合がある。減殺されれば、分散剤bの添加
量も増大し、コスト的に問題となる。
【0018】さらに、分散剤bと微粒a1 と水は充分に
攪拌しなければならず、図3の技術では、そのために攪
拌機31を用いているが、該攪拌機31は、スラリーe
1 中に微粒a1 を均質に分散させるためのものであるか
ら、微粒a1 をさらに細かく粉砕することに関してはほ
とんど寄与せず、送り込まれた微粒a1 どうしが凝集し
ていれば、その寄与率はさらに低下する。ここで、攪拌
機31を省略して、微粒a1 を直接湿式の媒体攪拌ミル
15へ投入し、そこへ水と分散剤bを加えることも考え
られるが、微粒a1 がスラリー(水及び分散剤)中へ均
質に分散し得ないため、攪拌機31を介した場合に比べ
て、当然に粉砕効率が悪くなる。
【0019】本発明は、以上の点に留意し、砕料を、安
価にして効率的に超微粉に粉砕できるようにすることに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、図3で示される、砕料に乾式超高圧で
圧縮・せん断作用を加えて粒子径約50μm以下に粉砕
し、次に、その微粉を湿式媒体攪拌粉砕法により、分散
剤を添加して粒子径約5μm以下の超微粒まで生成させ
てスラリー化する粉砕方法であって、前記分散剤の一部
を、前記乾式超高圧の圧縮・せん断作用時に添加するよ
うにしたのである(請求項1)。
【0021】ここで、上記分散剤は、粒子間の凝結エネ
ルギーを取除いて(排除して)各粒子を離して分離させ
る作用をなす。一方、粉砕助剤は、粉砕によって粉砕粒
子表面に生じる帯電などのエネルギーを取除いて各粒子
の凝集を阻止する作用をなす。すなわち、分散剤と粉砕
助剤は、粉砕粒子の凝集解除と凝集阻止と一見作用は異
なるが、本質的には凝集作用をなくすものであり、その
作用は同一である。
【0022】してみると、分散剤の一部を粉砕助剤とし
て圧縮・せん断作用に添加してもその作用はなし得る。
その作用は、乾式で圧縮・せん断された粉砕粒子はその
表面に帯電などのエネルギーがある、いわゆる活性度が
高いため、その活性度に基づき、分散剤は粉砕粒子表面
に付着し、活性度を低下させて、粒子間の凝集をなく
す。すなわち、分散させる。この分散により、粉砕効率
は向上し、空気輸送にも有利なものとなるとともに、ミ
ル内面への付着度合も低減化する。
【0023】また、その分散剤が付着した粒子(微粉)
による湿式媒体攪拌粉砕となるため、微粉そのものが分
散しており、従来の攪拌機31による分散作用を削除で
きる場合もあるうえに、この粉砕時の分散剤の添加量は
少なくてすむとともに、圧縮・せん断時の粉砕助剤もそ
の分散剤と同じもののため、その分散作用に悪影響を及
ぼすことはない。なお、分散剤としては陰イオン系が好
ましいが、陽イオン系でもよく、また、液状でなく、固
体微粒子系も採用し得る。
【0024】この粉砕を行う設備としては、砕料を微粒
に粉砕する乾式の竪型ミルと、その微粒を、分散剤を添
加し水と混合して粉砕媒体とともに攪拌し、微粒をさら
に細かい超微粒に攪拌粉砕してスラリー化する湿式の媒
体攪拌ミルとから成り、前記分散剤の一部を、前記竪型
ミルに供給する手段を設けたものを採用し得る。
【0025】この粉砕設備では、竪型ミルで、圧縮・せ
ん断作用を行い、媒体攪拌ミルで5μm以下の超微粒の
スラリー化を行う。
【0026】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参
照して説明する。図1において、1は竪型ミルで、図2
に示すように、内部にモータM駆動の回転テーブル2
と、油圧ユニットUでテーブル2に圧接され、鎖線のご
とく退去し得るローラ3と、粒子径約50μm以下のも
のを外部に出す回転式分級機4を内蔵している。5は砕
料aのホッパで、該ホッパ5の下部には供給機6が設け
られている。7は竪型ミルに分散助剤bを添加するため
の供給手段としての配管で、8は下部に移送機9を備え
た捕集機である。10は捕集機8に接続された排風機、
11はバケットエレベータ、12は第二の移送機、13
は貯留槽、14は供給機、15は、攪拌羽根16を備え
た湿式の媒体攪拌ミル、17はスクリーン、18は、攪
拌羽根19を備えた第二の媒体攪拌ミル、20はスクリ
ーン、21は攪拌ミル15に水を供給するための配管、
22は攪拌ミル15に分散剤bを供給するための配管、
23は製品タンクである。なお、媒体攪拌ミル15、1
8内には、粒子径が数mmのセラミックボール等が粉砕
媒体cとして充填されている。
【0027】以下、この実施の形態の作用を説明する。
炭酸カルシウムなどの砕料aが、ホッパ5へ供給され
る。なお、砕料aは既に破砕機などにより、粒子径が約
50mm以下に破砕されている。そして、この砕料aは
供給機6により竪型ミル1に定量的に供給される。竪型
ミル1内で、砕料aは回転テーブル2とローラ3の間に
噛み込まれて、圧縮・剪断作用により砕製物a1 に粉砕
される。
【0028】そして、粉砕助剤として用いられる分散剤
bは、配管7より、供給機6から落下してくる砕料aや
回転テーブル2の上の粉砕されたばかりの砕製物a1
噴霧される。
【0029】粉砕されたばかりの砕製物a1 は、粉砕表
面の活性度が高くかつ静電気を帯びているので分散剤b
が付着しやすく、砕製物a1 に噴霧された分散剤bは、
砕製物a1 の表面に効率的に付着する。また、落下して
くる砕料aに噴霧された分散剤bは、砕料aの表面に付
着するとともに、回転テーブル2とローラ3の間に噛み
込まれて砕製物a1 が粉砕される際に、砕製物a1 どう
しが接触し、新たに生じた砕製物a1 の表面にも付着す
る。
【0030】このように、粉砕された砕製物a1 の表面
に、分散剤bが効率的に付着するので、砕製物a1 表面
の活性度が低くなり、かつ電気的にも中性になるので、
砕製物a1 どうしが付着して見かけの粒子径が大きくな
る凝集現象を阻止することができる。
【0031】この実施の形態では、陰イオン系の分散剤
bを竪型ミル1に噴霧し、その量は、分散剤bを水に溶
解させて40重量%の水溶液としたものを砕料aに対し
て0.37%を添加した。この量は前述した従来技術
で、攪拌機31に添加した分散剤の40%以下となる。
【0032】また、供給手段による分散剤bの供給は、
配管7により、竪型ミル1内へ水に溶解させた分散剤b
を噴霧したが、ホッパ5あるいは供給機6へ固体微粒子
系の分散剤bを供給するなど、色々な方法を用いること
ができる。
【0033】竪型ミル1内は、捕集機8を介して排風機
10に接続されているので内部は負圧となっており、竪
型ミル1の下部より取入れた空気とともに、粉砕された
砕製物a1 は竪型ミル1内を上昇し、充分に粉砕されて
いない砕製物a1 (粗粒)は回転式分級機4による遠心
力により撥ね飛ばされて、竪型ミル1内を落下し再び粉
砕作用を受ける。一方、充分に粉砕された砕製物a
1 (最大粒子径が約50μm以下で平均粒子径が10μ
m程度の微粒)は捕集機8へ空気輸送される。
【0034】捕集機8にはサイクロンやバグフィルタな
どが用いられ、微粒a1 が捕集され、空気だけが排風機
10により大気中に放出される。捕集された微粒a
1 は、移送機9、バケットエレベータ11、移送機12
などにより、貯留槽13に蓄えられる。
【0035】この貯留槽13からは、供給機14によ
り、湿式の媒体攪拌ミル15へ微粒a1 を供給する。こ
の媒体攪拌ミル15には、配管21により水が、配管2
2により分散剤bが供給されており、微粒a1 と水と新
たに加えられた分散剤bが攪拌羽根16により攪拌され
て均質なスラリーe1 が生成される。
【0036】ここで、竪型ミル1で添加される粉砕助剤
には、各種各様のものがあり、その添加粉砕助剤が均質
なスラリーe1 の生成に悪影響を与える恐れがあるが、
この発明では、媒体攪拌ミル15に供給する分散剤bの
一部を粉砕助剤として竪型ミル1へ投入しているので、
そのような恐れはない。
【0037】この媒体攪拌ミル15内には、粉砕媒体c
が入れられており、スラリーe1 は粉砕媒体cとともに
攪拌羽根16による攪拌作用を受ける。そして、微粒a
1 どうしあるいは粉砕媒体cとの摩擦により、微粒はさ
らに細かく粉砕される(微粒a2 )。
【0038】なお、この湿式媒体攪拌ミル15には配管
22により分散剤bを加えているが、これは、媒体攪拌
ミル15内で、微粒a1 がさらに細かく粉砕され新たな
粉砕表面が生じるので、この新たな粉砕表面に分散剤b
を付着させるためである。
【0039】また、媒体攪拌ミル15に供給される微粒
1 は、竪型ミル1での分散剤bの添加により分散(活
性劣化)しているため、移送工程で凝集現象を起こす恐
れがなく、それゆえ、微粒a1 はスラリーe1 中に均質
に分散している。このように、凝集現象を起こしていな
いので、攪拌羽根16による攪拌エネルギは、凝集状態
をほぐすために用いる必要がなく、微粒a1 を粉砕する
ために用いられることになり、微粒a1 は粒子径が約5
μm以下に効率的に粉砕される。
【0040】細かく粉砕された微粒a1 を含むスラリー
1 は、スクリーン17へ移送され、割れた粉砕媒体c
や充分に粉砕されていない微粒(除去物)dが除去され
た後、スラリーe1 は第二の媒体攪拌ミル18へ移送さ
れ、攪拌羽根19による攪拌作用で粒子径が約2μm以
下程度の超微粒a3 に粉砕される。この超微粒a3 を含
むスラリーe2 は、スクリーン20へ移送され、除去物
dが取り除かれて、製品となる超微粒a4 のスラリーe
がタンク23に蓄えられる。
【0041】なお、この実施の形態では、最初(第1)
の媒体攪拌ミル15と第二の媒体攪拌ミル18の2段階
の媒体攪拌ミルを用いているが、製品e(超微粒a4
の粒子径を考慮して、第二の媒体攪拌ミル18を省略し
てもよいし、あるいは、第三の媒体攪拌ミルを追加して
もよい。また、製品eの処理量を考慮して、これらの媒
体攪拌ミル15、16を、それぞれ、並列に複数機1
5、15……、16、16……などと設けてもよい。さ
らに、第1の媒体攪拌ミル15の前段に、必要があれば
従来と同様に攪拌機31を設けることもできる。
【0042】
【実施例】砕料aとして平均粒径が約25mmの石灰石
(重質炭酸カルシウム)を、分散剤bとして陰イオン系
の分散剤を用い、分散剤bの量を変えて、竪型ミル1で
粉砕実験を行った。分散剤bは40%水溶液で、竪型ミ
ル1の側壁に設けたノズルにより竪型ミル1内へ噴霧し
た。その実験結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】この実験結果において、実施例1は、比較
例に対し、水中での沈降速度が遅いこと(分散性が良
い)、およびミル動力原単位が小さくなっている。実施
例2は、ミル動力原単位が最も小さく、水中での沈降速
度が遅いこと(分散性が良い)から、最も良い結果であ
る。実施例3は、比較例に対し、水中での沈降速度が遅
いこと(分散性が良い)、およびミル動力原単位が小さ
いが、実施例2よりは劣っている。これらから、各実施
例は比較例に対し優れていることが窺える。
【0045】
【効果】この発明は、以上のようにして、竪型ミルで、
分散剤の一部を粉砕助剤として添加したので、竪型ミル
の動力原単位を、例えば最大17%低減させることがで
き、ランニングコストを著しく低減することができると
ともに、媒体攪拌ミル内で、微粒をスムーズに水中に分
散させてスラリー化することができるので、従来技術に
示したようにスラリー化させるための攪拌機31を不用
にすることができる場合もあり、その場合には、攪拌機
の設置費用及びそのランニングコストが不用となり、経
済的なメリットが大きい。
【0046】また、竪型ミルで添加された粉砕助剤も湿
式の媒体攪拌ミルに添加される分散剤と同一のもののた
め、その分散剤の効果に悪影響を及ぼすこともなく、そ
の竪型ミルで粉砕されたばかりの砕製物は、粉砕表面の
活性度が高く分散剤(粉砕助剤)を効率的に吸着させる
ことができるので、媒体攪拌ミルで添加する分散剤も少
なくてすみ、結果として、従来技術のものより、その分
散剤の総量を少なくすることができる。
【0047】さらに、移送中に、微粒どうしが凝集する
現象や微粒が機内の壁面に付着する現象を有効に阻止す
ることができ、媒体攪拌ミルで微粒を効率的に超微粒に
粉砕することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の概略図
【図2】同実施形態の竪型ミルの概略図
【図3】従来例の概略図
【符号の説明】
1 竪型ミル 2 回転テーブル 3 ローラ 4 回転式分級機 5 ホッパ 6 供給機 7 配管 8 捕集機 9 移送機 10 排風機 11 バケットエレベータ 12 移送機 13 貯留槽 14 供給機 15 媒体攪拌ミル 16 攪拌羽根 17 スクリーン 18 媒体攪拌ミル 19 攪拌羽根 20 スクリーン 21 配管 22 配管 23 製品タンク a 砕料(原料鉱石) a1 砕製物(微粒) a2 微粒(微粉) a3 微粒(微粉) a4 超微粒(超微粉) c 粉砕媒体 e 製品 e1 、e2 、e3 スラリー 31 攪拌機 32 攪拌羽根 33 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八嶋 三郎 宮城県仙台市若林区二軒茶屋2番8号 (72)発明者 金子 貫太郎 大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式 会社栗本鐵工所内 (56)参考文献 特開 昭57−30555(JP,A) 特開 平1−151955(JP,A) 特開 昭63−224744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16 B02C 17/00 - 17/24 B02C 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砕料aに乾式超高圧で圧縮・せん断作用
    を加えて粒子径約50μm以下に粉砕し、次に、その微
    粒a1 を湿式媒体攪拌粉砕法により、分散剤bを添加し
    て粒子径約5μm以下の超微粒a3 まで生成させてスラ
    リー化する粉砕方法であって、 上記分散剤bの一部を、上記乾式超高圧の圧縮・せん断
    作用時に添加することを特徴とする粉砕方法。
  2. 【請求項2】 砕料aを微粒a1 に粉砕する乾式の竪型
    ミル1と、その微粒a1 を、分散剤bを添加し水と混合
    して粉砕媒体cとともに攪拌し、微粒a1 をさらに細か
    い超微粒a3 に攪拌粉砕してスラリー化する湿式の媒体
    攪拌ミル15、18とから成る粉砕設備において、 上記分散剤bの一部を、上記竪型ミル1に供給する手段
    7を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粉砕方法
    をなす粉砕設備。
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