JPH04338244A - 竪型ローラミルによる粉砕装置および粉砕方法 - Google Patents
竪型ローラミルによる粉砕装置および粉砕方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
粉砕装置に関し、また竪型ローラミルによる粉砕装置を
用いた粉砕方法に関する。
セメント原料、スラグ、および鉱石類などの被粉砕物を
粉砕する場合そのような被粉砕物を、粗粉砕効率の優れ
ている竪型ローラミルによって予粉砕し、その後、微粉
砕効率に優れたチューブミルによって粉砕する先行技術
がある。そのような先行技術の1つは、図10に示され
ており、これは特開昭61−238349に開示されて
いる。原料投入口1から投入された被粉砕物は、竪型ロ
ーラミル2において粉砕され、バケットエレベータ3か
らセパレータ4に導かれ、このセパレータ4において分
級された粗粉はチューブミル5に導かれ、チューブミル
5において粉砕された粉体は、バケットエレベータ3か
ら再びセパレータ4に導かれる。セパレータ4によって
分級された細粉は、シュート6から製品として取出され
る。
竪型ローラミル2による被粉砕物の一粉砕工程が行われ
るので、ワンパス(one pass)粉砕装置と称す
ることができる。このワンパス粉砕装置においては、竪
型ローラミル2の被粉砕物は実質的に粗粉砕され、たと
えばセメントクリンカでは、被粉砕物の粒径50mm〜
1mmのものを15mm〜0.01mm程度に粉砕する
。竪型ローラミルの粉砕様式は、鉛直軸線まわりに回転
するテーブル上に、複数のローラを周方向に間隔をあけ
て配置し、テーブル中央部に供給される被粉砕物を、テ
ーブルとローラとの間に噛み込ませ、圧潰粉砕を行わせ
るものであり、このためローラを鉛直下方向に油圧シリ
ンダなどの加圧装置により大きな力を与え、ローラとテ
ーブル間で大きな押圧力が発生するようにしている。し
たがって、竪型ローラミル2では、どのような被粉砕物
を粉砕する場合でも、粉砕に伴い大きな振動が発生する
ため、この振動をいかに小さく抑えるかが、設計者にお
いて重要な問題点となっている。
用する場合には、前述した如く予粉砕が、実質的に粒径
の大きなものを粉砕する粗粉砕であることと同時に、実
質的に一粉砕工程で効果的な粉砕を行う必要があるため
、一般的に用いられる竪型ローラミルに比べて、さらに
強い押圧力を必要とする。すなわち、竪型ローラミル2
に供給される被粉砕物は、粗い粒子が大きい割合で含ま
れているので、少ない粉砕の機会で効率よく粉砕する必
要があり、したがって上述のように強い押圧力を必要と
する。このため、予粉砕機として用いる竪型ローラミル
2は、一般的に用いられる竪型ローラミルに比べてより
大きな振動が発生するため、現実的にはローラの加圧力
を粉砕効率上、望ましい値よりも、相当低いところで使
用せざるを得ないと言う問題がある。さらに機械的には
、耐振設計のため構造部材を大きくしなければならず、
コストアップの要因となっている。
や被粉砕性など)は、かならずしも常に一定ではなく絶
えず変動しているのが通例である。このワンパス粉砕装
置では、この新たな被粉砕物の性状変化を直接的に受け
る。すなわち、粒度構成の変動に対しては、振動レベル
が大きく変動するとともに、竪型ローラミルの消費動力
も少なからず変動する。
、粉砕プラントの粉砕能力が低下するので竪型ローラミ
ルに供給される被粉砕物の量が減少し、ローラとテーブ
ル間の噛み込み原料層厚が減少する。この結果、振動レ
ベルが増大するとともに、竪型ローラミルの消費動力が
減少し、プラントの粉砕能力をさらに低下させることに
なる。
能力が増大するので、竪型ローラミル2に供給される被
粉砕物の量が増加し、ローラとテーブル間の原料層厚が
増大する。この結果、振動レベルは低下するが、原料層
厚が増大するため、ローラ加圧力の受圧面積が増えるこ
とになり、単位面積当りの実質的圧潰圧力が減少し、粉
砕効率を低下させることになる。
新たな被粉砕物の性状変化の影響を直接的に受けるため
、粉砕効率上最適条件での運転(圧潰圧力や、原料噛み
込み層厚、ミル動力など)を、常時維持することができ
ないという問題がある。
、竪型ローラミル9によって粉砕し、その粉砕された粉
体はバケットエレベータ10からふるい装置11の網ふ
るい12を用いて、竪型ローラミル9によって粉砕され
た予粉砕品中の、たとえば粒径2.5mm以上の粗粒を
分離し、その粗粒を戻り粉としてシュート13から竪型
ローラミル9に戻して再粉砕する。ふるい装置11で分
離された残りの細粉は、シュート14から2次粉砕工程
のためのチューブミル15に供給される。チューブミル
15で粉砕された粉体はセパレータ16によって分級さ
れ、その粗粉は再びチューブミル15に戻され、精粉は
製品として排出される。このような先行技術は、たとえ
ば特開昭63−116751に開示されており、ふるい
循環粉砕装置と称することができる。
砕装置は、前述したワンパス粉砕装置における竪型ロー
ラミル2からの粉砕品中に、まだ粗粒(たとえば粒径2
.5mm以上約30%)が多く含まれているので、この
粉砕品を振動ふるいなどのふるい装置11を用いて粒径
2.5mm以上の粗粒を分離し、ふるい上の粗粒を竪型
ローラミル9に戻し、新たな被粉砕物とともに再粉砕さ
せ、ふるい下の微細粉のみ2次粉砕工程のチューブミル
15に供給することにより、チューブミル15の粉砕媒
体、たとえば粉砕ボールを、前述のワンパス粉砕装置に
おけるチューブミル5の粉砕ボールのサイズよりもさら
に小径化してチューブミル15側の粉砕効率の改善をね
らったものである。
型ローラミル9で粉砕される被粉砕物のうち粒度構成が
2.5mm以上の粗粒分(粒径2.5mm〜15mm)
を戻しているため、ローラミルの被粉砕物の粒度構成は
、新たな被粉砕物の粒度構成とほぼ同じとなり、実質的
に前述したワンパス粉砕装置と同じである。したがって
、当然のことながらワンパス粉砕装置と同様に、大きな
振動が発生する問題がある。
る影響は、竪型ローラミル9はワンパス粉砕装置よりも
大きく受けることになり、さらにプラント全体の運転状
態にも影響を与え、非常に不安定な運転となる欠点があ
る。すなわち、竪型ローラミル9の粉砕品を振動ふるい
などのふるい装置11で、ふるい上(粗粒)とふるい下
(微細粉)とに分離し、粗粒を竪型ローラミル9に戻し
、微細粉を2次粉砕工程のチューブミル15へ供給して
いるため、その各々の量は竪型ローラミル9の粉砕品の
粒度に左右される。ところが、竪型ローラミル9の粉砕
品の粒度は当然のことながら常に一定ではなく、新たな
被粉砕物の性状変化の影響や、竪型ローラミル9の粉砕
状態の変化の影響などにより、絶えず変化する。したが
って、竪型ローラミル9側では、仮に新たな被粉砕物の
供給量を一定にしていても、循環するふるい上(粗粒)
の量が絶えず変動するため、竪型ローラミル9に供給さ
れる被粉砕物の総量が変動することになり、粉砕状態が
絶えず変化することになる。実際には、新しい被粉砕物
の供給量も常に一定ではないので、相乗的に竪型ローラ
ミルへの供給総量が大きく変動することになり、振動や
ミル消費動力が絶えず変動する。
側でも、前述した如くふるい下の微細粉が供給されるが
、この量も絶えず変化するので、運転状態が一定になら
ず、不安定な運転となる。
ラミル9への循環量やチューブミル15への供給量を、
新たな被粉砕物の性状変化に応じて任意に最適化するこ
とができないと言う欠点がある。
ントでは、粉砕能力は、100ton/h〜150to
n/hが代表的であり、このような粉砕量を振動ふるい
などで処理しようとすれば、循環量を含めて処理量は約
130〜200ton/hにもなり、非常に大きなふる
い装置11が必要となるばかりか、ふるい網の寿命も短
く、経済性、メンテナンス性に難があるなどの問題があ
る。
来技術の問題点を有効に解決するために本発明は、本発
明者が予粉砕機として用いる竪型ローラミルの振動、メ
カニズムの研究を通じて得た知識から、振動を発生源そ
のものから軽減させ、ローラ加圧力を粉砕効率上最適の
値とすることを可能にし、同時に新たな被粉砕物の性状
変化に対しても、常に粉砕装置の安定的な運転を可能と
し、最高性能が維持できる竪型ローラミルによる粉砕装
置を提供することを目的とする。
による粉砕装置を用いてセメントクリンカを、竪型ロー
ラミルの振動を極力軽減させ、良好な粉砕効率で、粉砕
することができるようにした竪型ローラミルによる粉砕
装置を用いた粉砕方法を提供することである。
ローラを圧接してテーブル下方から実質的に全量の粉砕
された粉砕品を取出す竪型ローラミルと、竪型ローラミ
ルからの粉砕品の一部を、竪型ローラミルに戻す分配手
段とを含むことを特徴とする竪型ローラミルによる粉砕
装置である。
装置を用いた粉砕方法であって、この竪型ローラミルに
よる粉砕装置は、テーブル上にローラを圧接してテーブ
ル下方から実質的に全量の粉砕された粉砕品を取出す竪
型ローラミルと、竪型ローラミルからの粉砕品の一部を
、竪型ローラミルに戻す分配手段とを含む竪型ローラミ
ルによる粉砕装置を用いた粉砕方法であって、竪型ロー
ラミルに装入される被粉砕物は、セメントクリンカであ
り、分配手段は、その分配手段から竪型ローラミルに、
竪型ローラミルからの粉砕品を新たな被粉砕物に対する
重量比で20%以上、戻すことを特徴とする竪型ローラ
ミルによる粉砕装置を用いた粉砕方法である。
ーラを圧接して被粉砕物をテーブルとローラとの間に噛
み込ませて圧潰粉砕し、こうして粉砕された粉砕品を、
実質的にほぼ全量を、テーブル下方から取出すようにし
た竪型ローラミルを用い、この竪型ローラミルからの粉
砕された粉砕品を、分配手段によって、粗粒と細粉とを
分離することなく、そのまま、一部分を、竪型ローラミ
ルに供給される新たな被粉砕物とともに粉砕させる。こ
れによって、テーブルとローラとの間に噛み込まれる被
粉砕物の嵩比重を高めることができ、被粉砕物の空隙率
を小さくし、こうして竪型ローラミルの振動を著しく軽
減することができるようになる。したがって、粉砕効率
上を、最適な高いローラ加圧力をかけることができ、さ
らに、竪型ローラミルの消費動力が著しく増加し、この
結果粉砕能力の著しい向上を図ることが可能となる。さ
らにまた、被粉砕物の嵩比重が増加されることによって
、竪型ローラミルのローラの転動抵抗を減少させること
ができ、したがってこのことによってもまた、粉砕効率
の向上を図ることができるようになる。
を竪型ローラミルに供給し、分配手段によって、その竪
型ローラミルからの粉砕品を新たな被粉砕物に対する重
量比で20%以上を竪型ローラミルに戻すようにし、こ
れによって竪型ローラミルにおける大きな嵩比重を有す
る被粉砕物の粉砕が可能になる。
18から、定量供給機19で、単位時間あたり一定重量
が切出されて、シュート20から竪型ローラミル21の
入口22に供給されて粉砕される。竪型ローラミル21
のテーブル34の下方からは、シュート24に、その粉
砕された粉砕品の実質的に全量が取出される。このシュ
ート24から取出された粉砕品は、バケットエレベータ
25によって運ばれ、分配手段26に導かれる。分配手
段26によって、竪型ローラミル21からの粉砕品の一
部がシュート27を介して竪型ローラミル21の入口2
2に戻され、また残余の部分はシュート28から2次粉
砕工程を行うチューブミル29に供給されて、振分けら
れて分配される。チューブミル29は、ほぼ水平な軸線
を有する胴体内に粉砕媒体が設けられ、この粉砕媒体に
よって、粉砕された粉体はバケットエレベータ30から
気流分級器などのセパレータ31に導かれ、その分級後
の粗粉は、シュート32から再びチューブミル29に導
かれて再粉砕される。分級された後の微粉は、シュート
33から製品として取出される。
る。鉛直軸線を有するテーブル34は、モータ35およ
び減速機36によって鉛直軸線まわりに回転駆動される
。このテーブル34は、ハウジング37内に設けられて
おり、このハウジング37内で周方向に複数個、たとえ
ば3個設けられたローラ38は、油圧シリンダなどの加
圧装置39によってテーブル34上に圧接される。ロー
ラ38はアーム40によって支持されており、このアー
ム40は支軸41のまわりに角変位され、上述のように
加圧装置39によってテーブル34上に圧接される。 被粉砕物が供給される入口22は、シュート42の上部
に形成され、このシュート42に投入された被粉砕物は
、テーブル34の軸線上に落下されて装入される。ハウ
ジング37の内周面とテーブル34の外周面との間の間
隙43からの粉砕された粉砕品は、前述のようにシュー
ト24からバケットエレベータ25に導かれる。
ウジング44の上部からは、バケットエレベータ25か
らの粉体が供給される。水平な軸線を有する軸45によ
って分配羽根46が、矢符47aで示されるように角変
位可能に設けられる。この分配羽根46は、角変位駆動
手段47によって、希望する角度に調節して設定するこ
とができる。分配羽根46の角度を変化することによっ
て、シュート27,28に振分けて分配供給される粉砕
品の比率を変化調整することができる。このような本発
明の一実施例が、前述の従来技術の問題点を解決するた
めに非常に効果的で、有効な手段であることを以下に詳
述する。
ラミル21がなぜ大きな振動を発生するのか、セメント
クリンカの場合を例に、そのメカニズムについて説明す
る。図4において、ローラ38とテーブル34間の粉砕
メカニズムを略図で示している。テーブル34の鉛直軸
線まわりの回転により、テーブル34上の被粉砕物48
はローラ38とテーブル34との間に噛み込まれ、ロー
ラ38の圧下力により、圧潰粉砕される。
に噛み込まれる前のクリンカの嵩比重G1は通常1.5
程度であり、ローラ38で圧潰粉砕された直後の嵩比重
G2は約2.5程度である。したがって、ローラ38に
噛み込まれる前のクリンカ層厚をTとし、圧潰粉砕され
た直後の層厚をtとすれば、T/t=1.67、すなわ
ち層厚変位ΔT(=T−t)は0.4Tとなる。セメン
トクリンカの予粉砕機として使用されている竪型ローラ
ミルでは、通常層厚tは30mm程度であり、これより
層厚Tは約50mmとなり、層厚変位量は約20mmと
なる。一方、テーブル34の周速度は3.5m/sec
程度で、このような大きい速度でテーブル34上のクリ
ンカがローラ38に噛み込まれているため、クリンカの
性状変化や粉砕量の変化に伴い、層厚変位量ΔTが頻繁
に大きく変動することになる。これに伴い、ローラ38
が上下方向に激しく変位するため、大きな振動が発生す
る原因となっている。
ラ38の圧下力を低くしたり、テーブル34の回転速度
を遅くしてローラ38への噛み込み速度を遅くしたりし
て対処している。しかし前者の構成では、粉砕効率が低
下するとともに竪型ローラミルの消費動力が減少するの
で、同じ粉砕能力を得るためには大きな竪型ローラミル
を必要とする。一方、後者の構成では、やはり竪型ロー
ラミルの消費動力が減少するため、大きな竪型ローラミ
ルが必要となる欠点がある。
メカニズムの解析から、予粉砕用竪型ローラミル21の
振動を軽減する最も有効な構成は、層厚変位量ΔTを小
さくすることであると考えた。すなわち、クリンカなど
の新たな被粉砕物は、主として粗粒の粒度構成となって
いるので、空隙率が大きく、嵩比重が小さいため、これ
を圧潰粉砕した場合、体積が著しく減少し、大きな層厚
変位量を生じることになる。したがって、ローラに噛み
込まれる被粉砕物の嵩比重を高めることに着目し、種々
調査研究を行った結果、竪型ローラミル21の予粉砕品
を粗粒と微粉に分離せず、そのまま新たなクリンカに混
入することが最も有効な構成であるとの結論を得た。層
厚Tにおける被粉砕物の嵩比重をG1とし、層厚tにお
ける粉体の嵩比重をG2とするとき、数1にその関係を
示す。
を小さくするには、被粉砕物の嵩比重G1を大きくする
ことが好ましいことが判る。
べき粉体の混合比率と嵩比重との関係を示す本件発明者
の実験結果である。粉体混合比率Rと言うのは、数3に
その関係を示す。
ート20を介して入口22に供給される新たな被粉砕物
であるセメントクリンカの重量を示し、W2はシュート
27を介して供給されるセメントクリンカの重量を示す
。ラインL1は、シュート27を介して混入されるセメ
ントクリンカが、図1に示されるように、竪型ローラミ
ル21で粉砕されたワンパス粉砕品、すなわち予粉砕品
であるときの特性を示している。ラインL2は、竪型ロ
ーラミル21によって粉砕された予粉砕品をふるい装置
で分級して粒径2.5mm以上のセメントクリンカをシ
ュート27から混合するとき、すなわち2.5mmふる
い上であるときの特性を示す。ラインL3は、300μ
m以下の微粉をシュート27から混合したときの特性を
示す。
ふるい上の場合には、その混合比率Rにかかわらず、ク
リンカ自体の嵩比重1.61とほぼ同じ低い値となつて
おり、図11に関連して前述したようにふるい循環粉砕
装置では、ワンパス粉砕装置と同様の問題点が発生する
ことがうなずける。
以下の微粉を混合した場合には、微粉の混合比率Rが約
40%までは嵩比重が増加するが、それをピークに混合
比率がさらに増加すると嵩比重は減少する。したがって
、微粉のみを混合する場合には、混合比率Rを変化させ
ると、竪型ローラミル21の運転状態が不安定になる。
に予粉砕品をそのまま混合させた場合には、混合比率R
が20%までは嵩比重は1.55から1.95まで増加
し、それ以上ではほぼ2.1の大きい一定値となってい
る。したがって、予粉砕品をそのまま混合することが、
予粉砕用竪型ローラミルの問題点を解決するうえで非常
に効果的である。すなわち図5から明らかなように、本
発明では、ラインL1において、粉体混合比率Rが20
%以上、好ましくは25%以上であるとき、竪型ローラ
ミル21において粉砕される被粉砕物の嵩比重が大きな
値となり、振動を低減するのに効果的であることが本件
発明者の実験によって確認された。さらに、粉体混合比
率Rが40%以上では、嵩比重は大きな値で、常に一定
に保たれる。したがって、この範囲では、シュート20
から投入されるクリンカの性状などが変化しても、竪型
ローラミル21内では、その嵩比重はほぼ一定値であり
、振動を低減するのに極めて好都合である。
ローラミル21で粉砕された粉砕品である予粉砕品の分
配手段26で分配された予め定める一定量を、そのまま
竪型ローラミル21に戻すだけで、竪型ローラミル21
の振動が軽減されるため、粉砕効率上、最適な高いロー
ラ加圧力を作用させることができる。この結果、竪型ロ
ーラミル21の消費動力が著しく増加し、同じ設備で大
幅な粉砕能力アップが実現される。
の分配羽根46の左右の角度、すなわち、その開度の調
整により竪型ローラミル21に戻す循環量を任意に変更
できるため、新たな被粉砕物の性状変化に対して竪型ロ
ーラミル21の運転状態が変化した場合でも、循環量の
変更により竪型ローラミル21の運転状態を常に一定状
態に維持することが可能である。
も常に一定量が供給され、チューブミル29側の運転状
態も安定する。
段26は、非常に簡単な小さな設備ですむことは明らか
である。
、非常に簡単な設備で従来技術の問題を全て解決できる
大きな効果を得ることができる。なお、本件粉砕装置は
本件発明者の実験によって、実機においてその有効性を
確認している。
砕物が難砕性になり、粉砕能力が減少した場合、予粉砕
用竪型ローラミル21に供給される新たな被粉砕物の供
給量が減少する。その結果、当然、竪型ローラミル21
から取出される予粉砕品の量も減少する。もし分配手段
26の振分け率を一定に保持していれば、当然、竪型ロ
ーラミル21に循環する戻り量も減少する。この結果、
竪型ローラミル21に供給される総量が減少し、竪型ロ
ーラミル21の消費動力が減少する。この結果、さらに
粉砕能力の減少をきたすことになる。
砕能力が増加した場合には、竪型ローラミル21に供給
される新たな被粉砕物の供給量を増加させる。もしも、
分配手段26の振分け率を一定に保持していれば、循環
量も増加する。かくして、竪型ローラミル21に供給さ
れる総量が増加するので、竪型ローラミル21のモータ
35の消費動力が増加する。もしそれまで、竪型ローラ
ミル21の消費動力をモータ35のほぼ定格で使用して
いた場合には、上述のように粉砕量が増加すると竪型ロ
ーラミル21の消費動力が増加し、モータ35のオーバ
ーロードを引起こし、モータ35の焼損を招く恐れがあ
る。
型ローラミルの消費動力に対して少なからず大きなモー
タ35を設備しなければならず、また被粉砕物の性状変
化につれ竪型ローラミル21の消費動力が自然に変動す
るため、粉砕能力の変動を助長するなどの難点がある。
を解決する手段を提供するものである。
る。この実施例は、前述の実施例に類似し、対応する部
分には同一の参照符を付す。この実施例では、予粉砕用
竪型ローラミル21の駆動モータ35の消費電力により
、分配手段26の振分け比率を自動的に行わせることに
より、竪型ローラミル21の消費動力を常に一定にする
ものである。竪型ローラミル21のテーブル34を駆動
するモータ35の消費電力は、消費電力検出手段51に
よって検出される。この検出出力は、制御回路52に与
えられ、制御回路52は、分配手段26の分配羽根46
を駆動する駆動手段47を制御する。
明するための図である。定量供給機19からシュート2
0を経て竪型ローラミル21に供給される新たな被粉砕
物の投入量が増大すると、検出手段51によって検出さ
れるモータ35の消費電力は図7のラインL4で示され
るように増大する。これに応じて制御回路52は、駆動
手段47を制御し、分配羽根46を図3の左方に角変位
し、これによって図7のラインL5で示されるように、
シュート27を介して竪型ローラミル21に戻される循
環量が減少する。こうして、竪型ローラミル21におけ
るモータ35の消費電力をラインL6で示すように一定
に保つことができる。
よれば、被粉砕物の性状変化により竪型ローラミル21
の消費動力が変動した場合、たとえば竪型ローラミル2
1の消費動力が減少し、モータ35の消費電力が減少す
れば、その減少割合に応じて、分配手段26の振分け率
を竪型ローラミル21に循環する戻り量を自動的に多く
するようにしてあるので、竪型ローラミル21への供給
総量が増加する結果、竪型ローラミル21の消費動力は
元に戻ることになる。反対に、竪型ローラミル21の消
費動力が増加し、モータ35の消費電力が増加すれば、
その増加割合に応じて竪型ローラミル21に循環する戻
り量が自動的に少なくなり、竪型ローラミル21への総
供給量が減少する結果、竪型ローラミル21の消費動力
は元に戻る。このように本実施例では、被粉砕物の性状
変化に関係なく、竪型ローラミル21の消費動力を常に
一定にすることができ、任意に竪型ローラミル21を所
要の消費動力とすることができるので、必要以上に大き
なモータ35を設備することもなく、また粉砕能力の変
動を少なくすることができる優れた効果がある。
性状変化にかかわらず、予粉砕用竪型ローラミル21の
消費動力を容易に同じ消費動力に維持することができ、
粉砕プラントの粉砕能力の変動を最小限に抑えることが
できる。しかも、予粉砕用竪型ローラミル21の駆動用
設備モータ35を必要以上に大きな設備とする必要がな
く、設備コストが安くすむ。こうして被粉砕物の性状変
化にかかわらず、粉砕プラントの運転状態を常に安定的
に維持することができ、粉砕プラントの粉砕性能を常に
最高性能に維持することができる。本実施例では、竪型
ローラミルの消費電力により分配手段26の振分け比率
を自動的に行わせるようにしたが、分配手段26の振分
け比率を遠隔手動操作などの他の手段で行わせてもよく
、本旨の効果を得ることができる。
図である。この実施例は、前述の実施例に類似し、対応
する部分には同一の参照符を付す。特に、この実施例で
は、予粉砕用竪型ローラミル21のモータ35の消費電
力によりローラ38の加圧装置39として用いられてい
る油圧シリンダの油圧を自動的に変更することにより、
ローラ38の加圧力を変更させ、竪型ローラミルの消費
動力を常に一定にするものである。モータ35の消費電
力は、検出手段51によって検出され、制御回路53は
、加圧手段39を制御する。
明するための図である。定量供給機19からシュート2
0を経て竪型ローラミル21に供給される被粉砕物の投
入量が増大すると、検出手段51によって検出されるモ
ータ35の消費電力は、図9のラインL7で示されるよ
うに増大する。制御回路53は、この検出手段51の出
力に応答して、加圧手段39を制御し、これによって、
ローラ38のテーブル34への加圧力をラインL8で示
されるように減少する。こうして、モータ35の消費電
力をラインL9で示すように一定に保つ。
目すべき構成についても述べる。前述の図6および図7
で示される実施例では、竪型ローラミル21の消費動力
を一定にするために、分配手段26の振分け率を変更す
ることで竪型ローラミル21へ循環する戻り量を変更す
ることで行っているが、この場合には、竪型ローラミル
21へ循環する戻り量を変更するに伴う2次粉砕工程の
チューブミル29に供給される量が一時的に変動し、チ
ューブミル29側の運転状態を一時的に乱す難点がある
が、この図8および図9の実施例はこの難点を解決した
ものである。すなわち、分配手段26の振分け率は、常
に一定比率で使用し、被粉砕物の性状変化に伴う竪型ロ
ーラミル21のモータ35の消費動力の変動に対して、
ローラ38の加圧力を自動的に変更させることにより、
竪型ローラミル21の消費動力を常に一定にさせるよう
にする。この構成によれば、被粉砕物の性状が変化して
も、チューブミル29に供給される量が常時安定的に供
給されるので、チューブミル29側の運転状態を乱すこ
となく、安定運転を維持することができ、さらに予粉砕
用竪型ローラミル21の消費動力も常に一定に保たれる
結果、プラントの粉砕性能を常に最高性能で使用するこ
とが可能となる。なお、このようにローラ38の加圧力
を自由に変更することを可能にした背景には、竪型ロー
ラミル21の予粉砕品をそのまま一部分循環粉砕させる
ことにより、竪型ローラミル21の振動を軽減させ得た
ことによる。
レベータ30およびセパレータ31の構成に代えて、他
の構成であってもよい。本発明は、チューブミル29の
ための予粉砕だけでなく、その他の用途にもまた、実施
することができる。
ラミルの下方から粉砕された粉砕品の実質的に全量を取
出し、分配手段によってその竪型ローラミルからの粉砕
品の一部を分配して竪型ローラミルに戻すようにしたの
で、竪型ローラミルにおいてテーブルとローラとの間に
噛み込んで圧潰粉砕される被粉砕物の嵩比重を高めるこ
とができる。これによって、次のような多大の効果を得
ることができる。
することができ、竪型ローラミルの構造部材を軽量化す
ることができる。
を、振動により制限されることなく、粉砕効率上、最適
の高い加圧力に任意に設定することが可能となる。
ので、従来用いられている同サイズの竪型ローラミルで
、粉砕効率上有効な大きな消費動力を発生させることが
できる。
ている同サイズの竪型ローラミル自体の粉砕能力を著し
く増加させることができ、同時に粉砕装置の粉砕能力も
大幅に増加させることができる。
配手段が非常に小形軽量で、かつ簡単な設備ですみ、経
済的であるにもかかわらず、その効果が多大である。
を小さくする他の注目すべき効果として、ローラの転動
抵抗を減少させる結果、竪型ローラミルの消費動力にし
めるローラの転動抵抗から発生する動力割合を減少させ
ることができる。このローラの転動抵抗から発生する動
力は、実質的に粉砕に寄与しない無駄な動力として使わ
れているため、この無駄な動力を減少させることは、す
なわち粉砕効率を向上させることになる。
によってセメントクリンカを粉砕し、竪型ローラミルか
らの粉砕品を新たな被粉砕物に対する重量比で20%以
上を、竪型ローラミルに戻して再粉砕し、こうして竪型
ローラミルにおけるテーブルとローラとの間で圧潰粉砕
される被粉砕物であるセメントクリンカの嵩比重を常に
高く維持することができ、これによって上述のような多
大の効果を得ることが可能となる。
テーブル34の周方向に展開した簡略化した断面図であ
る。
重を示すグラフである。
ある。
ラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 テーブル上にローラを圧接してテーブ
ル下方から実質的に全量の粉砕された粉砕品を取出す竪
型ローラミルと、竪型ローラミルからの粉砕品の一部を
、竪型ローラミルに戻す分配手段とを含むことを特徴と
する竪型ローラミルによる粉砕装置。 - 【請求項2】 竪型ローラミルによる粉砕装置を用い
た粉砕方法であって、この竪型ローラミルによる粉砕装
置は、テーブル上にローラを圧接してテーブル下方から
実質的に全量の粉砕された粉砕品を取出す竪型ローラミ
ルと、竪型ローラミルからの粉砕品の一部を、竪型ロー
ラミルに戻す分配手段とを含む竪型ローラミルによる粉
砕装置を用いた粉砕方法であって、竪型ローラミルに装
入される被粉砕物は、セメントクリンカであり、分配手
段は、その分配手段から竪型ローラミルに、竪型ローラ
ミルからの粉砕品を新たな被粉砕物に対する重量比で2
0%以上、戻すことを特徴とする竪型ローラミルによる
粉砕装置を用いた粉砕方法。
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