JPWO2007099848A1 - クリーニング装置、クリーニング方法、パターン形成装置、およびパターン形成方法 - Google Patents

クリーニング装置、クリーニング方法、パターン形成装置、およびパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

パターン形成装置は、被転写媒体に沿って転動するドラム状の凹版1を有する。帯電器によって凹版1を帯電させた後、現像装置を介して各色の液体現像剤を凹版1に供給してトナー粒子によるパターンを形成し、凹版1を被転写媒体に沿って転動させて両者間に電界を形成して帯電したトナー粒子を被転写媒体へ転写する。各色パターンを被転写媒体へ転写した後、凹版1をクリーニングするクリーニング装置8は、凹部にクリーニング液を吹き付ける角度の付いたノズル102、103、および凹部から遊離したトナー粒子をクリーニング液とともに除去する除去ローラ104、105を有する。

Description

この発明は、例えば、平面型画像表示装置、配線基板、ICタグなどの製造に用いるパターン形成装置、パターン形成方法、このパターン形成装置に組み込まれた凹版のクリーニング装置、およびクリーニング方法に関する。
従来、基材の表面に微細なパターンを形成する技術として、フォトリソグラフィー技術が中心的な役割を果たしてきている。しかし、このフォトリソグラフィー技術は、その解像度やパフォーマンスをますます高めつつある反面、巨大で高額な製造設備を必要とし、製造コストも解像度に応じて高くなりつつある。
一方、半導体デバイスはもとより、画像表示装置などの製造分野においては、性能の改良とともに低価格化の要求が高まりつつあり、上記のフォトリソグラフィー技術ではこのような要求を十分に満足できなくなってきている。このような状況下で、デジタル印刷技術を用いたパターン形成技術が注目されつつある。
これに対し、例えば、インクジェット技術は、装置の簡便さや非接触パターニングといった特徴を生かしたパターニング技術として実用化され始めているが、高解像度化や高生産性には限界があると言わざるを得ない。つまり、この点において、電子写真技術、とりわけ液体トナーを用いた電子写真技術は、優れた可能性を有している。
このような電子写真技術を用いて、フラットパネルディスプレイ用の前面基板の蛍光体層やブラックマトリックス、カラーフィルターなどを形成する方法が提案されている(例えば、特開2004−30980号公報、特開平6−265712号公報参照)。
フラットパネルディスプレイの分野においては、高解像度化の要求は益々高まりつつあり、より高い位置精度で高解像度のパターンを形成することが要請されている。しかし、上述した電子写真方式では、この課題に答えることは困難である。何故ならば、書き込み光学系の解像度は高々1200[dpi]程度であり、解像度や位置合せにおいて不十分であるからである。また、近年の大画面化に対応できる広幅の書き込み光学系を実現できていないという課題もある。
これに対し、感光体の代わりに表面に予め電気抵抗の異なるパターンを形成した静電印刷プレートを用いて、このプレートに液体トナーを作用させてパターンを現像し、このパターン像をガラス板に転写することで、ディスプレイ用フロントガラスに蛍光体などのパターンを形成する方法が提案されている(例えば、特表2002−527783号公報参照)。
この方法を採用してガラス板に解像度の高い高精細なパターン像を形成するためには、静電印刷プレートに予め形成する電気抵抗の異なるパターンを高精細にする必要があるとともに、パターン転写後の静電印刷プレートに不所望に残留するトナーを確実にクリーニングする必要がある。
また、湿式電子写真技術は、乾式電子写真には達成できない高解像度や高い位置合せ精度で、微細なパターンの形成に適している(例えば、特開2001−13795号公報参照)。
湿式電子写真技術では、パターン形成工程において、像担持体に形成されたパターン像、或いは最終的に形成されるパターン像からキャリア液を取り除く乾燥工程が必要とされる場合があり、また、パターン形成後、像担持体に付着したトナー粒子のクリーニング工程においても、キャリア液をクリーニング液として用いることが多い。このため、トナー粒子を含んだ多量のキャリア液が廃液として排出される。このため、従来の湿式電子写真技術を用いたパターン形成装置では、例えば像担持体上に少量残存する未転写液体現像剤を回収し、トナー固形分を除去して、キャリア液を分離抽出して再生するユニットを設け、再生されたキャリア液を現像手段の現像剤に添加している。キャリア液分離ユニットの濾過フィルターとして、例えば回収現像剤の拡散を抑制する液拡散抑制部材としての連続発泡体、連続発泡体を通過中の回収現像液に電界を作用させるために互いに異なる電位が印加される一対の平面電極を設けていた。これにより、正極性に帯電したトナー固形分のみを、マイナス電圧を印加した一方の電極に電着保持し、キャリア液のみをキャリア液回収タンクに分離抽出していた。
しかしながら、従来の湿式電子写真技術を用いたパターン形成装置では、トナー固形分は除去できるものの、イオン性化合物として現像液に添加されているいわゆる金属石鹸分は電極に電着されないため、除去が出来ないという問題点があった。
そこで、このイオン性化合物の除去を行う方法として、吸着剤を用いた方法がある(例えば、特開2004−117772号公報参照)。この方法では、イオンを化学的に吸着するイオン吸着剤を収納したイオン性化合物除去装置を用いて、回収液に含まれているイオン性化合物を吸着剤に吸着除去することで、金属石鹸を除去し、キャリア液の再生を行っていた。また、この方法では、トナー固形分の除去は、別途フィルターを付加することにより、トナー固形分の除去を行っていた。
しかしながら、上記の方法では、吸着剤の保持機構がないため、イオン吸着剤の吸着効率を上げるためには、100gの吸着剤に対して、キャリア流速10ml/分という非常に低い流速で回収液を通過させ、イオン性吸着剤と回収キャリア液との接触時間を長くすることが必要であった。このため、単位時間当たりの処理能力が大きく出来ず、処理効率が著しく低いという欠点があった。また、吸着剤は液中で沈殿しやすいため、液と接触している最表層の吸着剤のみが吸着能力を発揮し、他層の吸着剤は十分能力を発揮できず、投入した吸着剤の単位量当たりの吸着効率が低いという問題点があった。さらに、イオン性化合物除去装置内では、底部に沈殿したイオン性吸着剤の攪拌が必要となるという煩雑さもあった。
また、この方法では、トナー固形分の除去とイオン性化合物の除去を同時に行うことは出来なかった。また、投入した吸着剤の吸着能力が飽和したかどうかの判断は、イオン性化合物除去装置を通過した再生キャリア液中のイオン性化合物の含有量を長時間モニターし、変化しなくなった状態から判断するしかなく、吸着剤の入れ替えの判断が容易につかないという欠点があった。
この発明の目的は、像保持体に保持された帯電粒子を良好にクリーニングできるクリーニング装置、およびクリーニング方法を提供することにある。
また、この発明の目的は、液体現像剤廃液からイオン性化合物及びトナー固形分を並行して除去してキャリア液を再生することが可能で、単位時間当たりの処理能力、及び使用される吸着剤の単位量当たりの吸着効率が良好な廃液処理ユニットを備えたパターン形成装置、およびパターン形成方法を得ることにある。
上記目的を達成するため、この発明のクリーニング装置は、パターン状の凹部に現像剤粒子を凝集せしめて被転写媒体へ転写した後の凹版をクリーニングする装置であって、上記凹部にクリーニング液を供給する供給装置と、上記凹部に残留した現像剤粒子を上記供給装置によって供給したクリーニング液とともに除去する除去装置と、を有する。
また、この発明のクリーニング装置は、パターン状の凹部を有する凹版に、絶縁性液体中に帯電した現像剤粒子を分散させた液体現像剤を供給し、上記凹部の近くに電界を作用させて上記液体現像剤中の現像剤粒子を該凹部内に凝集させ、この凹部に集めた現像剤粒子に電界を作用させて被転写媒体へ転写するパターン形成装置に組み込まれた、上記転写後の凹部をクリーニングするクリーニング装置であって、上記凹部にクリーニング液を供給する供給装置と、上記凹部に残留した現像剤粒子を上記供給装置によって供給したクリーニング液とともに除去する除去装置と、を有する。
さらに、この発明のクリーニング方法は、パターン状の凹部に現像剤粒子を凝集せしめて被転写媒体へ転写した後の凹版をクリーニングする方法であって、上記凹部にクリーニング液を供給する供給工程と、上記凹部に残留した現像剤粒子を上記供給工程によって供給したクリーニング液とともに除去する除去工程と、を有する。
上記発明によると、現像剤粒子を被転写媒体へ転写した後、凹版の凹部に残留した現像剤粒子をクリーニングする際に、まず、クリーニング液を凹部へ供給して凹部に付着した現像剤粒子をクリーニング液中に遊離させ、その後、遊離した現像剤粒子をクリーニング液とともに除去するようにしたため、凹部に付着した現像剤粒子を確実に除去でき、解像度の高い高精細なパターンを被転写媒体へ転写可能な凹版を提供できる。
また、この発明のクリーニング装置は、帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングする装置であって、上記像保持体に近接対向して配置され、上記像保持体との間で電界を形成して上記像保持体に保持されている帯電粒子を吸着させる電極と、この電極と上記像保持体との間をクリーニング液で満たすとともに、上記電界を消失させた後、上記電極に吸着されていた帯電粒子を流すようにクリーニング液を流通させる液流装置と、を有する。
また、この発明のパターン形成装置は、平板状の被転写媒体を保持した保持機構と、ドラム状の像保持体と、この像保持体を上記保持機構によって保持された平板状の被転写媒体に沿って転動させる転動機構と、上記像保持体の周面上に帯電粒子によるパターン像を形成する像形成装置と、上記転動する像保持体と上記被転写媒体との間に電界を形成して上記周面上のパターン像を上記被転写媒体へ転写する転写装置と、上記像保持体の周面をクリーニングするクリーニング装置と、を有し、上記クリーニング装置は、上記像保持体の周面に近接対向して配置され、上記像保持体との間で電界を形成して上記周面に保持されている帯電粒子を吸着させる電極と、この電極と上記像保持体の上記周面との間をクリーニング液で満たすとともに、上記電界を消失させた後、上記電極に吸着されていた帯電粒子を流すようにクリーニング液を流通させる液流装置と、を有する。
さらに、この発明のクリーニング方法は、帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングする方法であって、上記像保持体に近接対向して電極を配置する工程と、上記電極と上記像保持体との間をクリーニング液で満たす工程と、上記電極と上記像保持体との間で電界を形成して上記像保持体に保持されている帯電粒子を上記電極へ吸着させる工程と、上記電界を消失させた後、上記電極と上記像保持体との間を満たしたクリーニング液を流通させて上記電極に吸着されていた帯電粒子を流す工程と、を有する。
上記発明によると、像保持体によって保持された帯電粒子をクリーニングする際、像保持体に近接対向させた電極と像保持体との間をクリーニング液で満たし、電極と像保持体との間に電界を形成して像保持体に保持されている帯電粒子を電極に吸着させ、電界を消失させた後、クリーニング液を流して電極に吸着していた帯電粒子を流すようにした。これにより、例えば、現像不良によって像保持体に多量に残った帯電粒子を良好にクリーニングできる。
また、この発明のクリーニング装置は、像保持体の表面をクリーニング液で満たすとともにこのクリーニング液を流す液流装置と、上記像保持体の表面をクリーニング液によって満たした状態で、上記像保持体に残留した現像剤粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した現像剤粒子間に浸透させる超音波装置と、を有する。
上記発明によると、像保持体の表面をクリーニング液で満たした状態で該表面に残留した現像剤粒子に超音波を作用させてクリーニング液を現像剤粒子間に浸透させるようにしたため、クリーニング液を流すときには現像剤粒子をふやかした状態とすることができ、像保持体に残留した現像剤粒子を効果的に除去することができる。これにより、例えば、現像不良によって像保持体に多量に残った現像剤粒子を良好にクリーニングできる。特に、この発明は、像保持体の表面に現像剤粒子を収容するパターン状の凹部を有する凹版を使用する際に有効である。
また、この発明のクリーニング装置は、帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングする装置であって、上記像保持体の表面をクリーニング液で満たすとともにこのクリーニング液を流す液流装置と、上記像保持体の表面をクリーニング液によって満たした状態で、上記像保持体に残留した帯電粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した帯電粒子間に浸透させる超音波装置と、上記像保持体の表面に近接対向して配置され、上記像保持体との間で電界を形成して上記像保持体に保持されている帯電粒子を吸着させる導電部材と、を有する。
上記発明によると、像保持体の表面をクリーニング液で満たした状態で残留した帯電粒子に超音波を作用させ、このようにふやかした状態の帯電粒子に電界を作用させて導電部材に吸着せしめるようにしたため、電界を消失させた後、クリーニング液を流すことにより、像保持体に残留した帯電粒子を容易に除去することができ、像保持体を良好にクリーニングできる。
また、この発明のクリーニング方法は、現像剤粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングする方法であって、上記像保持体の表面をクリーニング液で満たす工程と、上記像保持体に残留した現像剤粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した現像剤粒子間に浸透させる超音波発生工程と、上記像保持体の表面を満たしたクリーニング液を流す液流工程と、を有する。
さらに、この発明のクリーニング方法は、帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングする方法であって、上記像保持体の表面をクリーニング液で満たす工程と、上記像保持体に残留した帯電粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した帯電粒子間に浸透させる超音波発生工程と、上記像保持体の表面に近接対向せしめた導電部材と上記像保持体との間で電界を形成して、上記像保持体に保持されている帯電粒子を上記導電部材に吸着させる工程と、上記電界を消失させた後、上記像保持体の表面を満たしたクリーニング液を流して上記導電部材に吸着されていた帯電粒子を流す液流工程と、を有する。
また、本発明のパターン形成装置は、像担持体と、該像担持体に対向して設けられ、該像担持体上に形成された静電潜像を、イオン性化合物を含有するトナーとキャリア液とを含む液体現像剤により現像し、トナー像を形成する現像部、該トナー像を転写媒体に転写する転写部を有するパターン形成ユニットと、該パターン形成ユニットに接続され、トナー固形分、イオン性化合物、及び該キャリア液を含有する廃液を回収する廃液回収ラインと、該回収ラインに接続され、30〜100μm径の開孔を持つ導電性の障壁構造体を有し、該廃液中の該トナー固形分及び該イオン性化合物の除去を行う濾過器、該濾過器の上流に設けられ、吸着剤粒子を投入するための投入口を含む廃液処理ユニットと、及び該廃液処理ユニットから排出された処理済みの廃液をパターン形成ユニットに戻す再生液供給ラインとを具備し、該濾過器は、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つ吸着剤粒子を添加した廃液を通過させて、前記障壁構造体上に0.5mm〜10mmの厚さの吸着剤粒子層を形成せしめて廃液処理に供することを特徴とする。
図1は、この発明の実施の形態に係るパターン形成装置の概略構成を示す斜視図である。 図2は、図1のパターン形成装置で使用する原版を示す平面図(a)、および断面図(b)である。 図3は、図2の原版を部分的に拡大して示す部分拡大平面図である。 図4は、図2の原版の1つの凹部の構造を説明するための部分拡大斜視図である。 図5は、図2の原版をドラム素管に巻き付けた状態を示す概略図である。 図6は、図2の原版の高抵抗層の表面を帯電させるための構成を示す概略図である。 図7は、図2の原版に液体現像剤を供給してトナー粒子によるパターンを形成するための構成を示す概略図である。 図8は、図2の原版に形成したパターンをガラス板に転写するための構成を示す概略図である。 図9は、図2の原版をガラス板に沿って転動させるための転動機構の要部の構成を示す概略図である。 図10は、凹版の凹部に集めたトナー粒子をガラス板に転写する動作を説明するための動作説明図である。 図11は、凹版をクリーニングするこの発明の第1の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図12は、図11のクリーナによるクリーニング液の吹き付け角度を説明するための図である。 図13は、凹版の凹部にクリーニング液を吹き付けた状態を示す概略図である。 図14は、クリーニング液の吹き付けによってトナー粒子が遊離した状態を示す概略図である。 図15は、クリーニング液吹き付け後に除去ローラを凹部に摺接させる状態を示す概略図である。 図16は、凹部開口に除去ローラを接触させてトナー粒子をクリーニング液とともに吸引する状態を示す概略図である。 図17は、この発明の第2の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図18は、この発明の第3の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図19は、この発明の第4の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図20は、この発明の第5の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図21は、この発明の第6の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図22は、この発明の第7の実施の形態に係るクリーナの要部の構造を示す模式図である。 図23は、この発明の第8の実施の形態に係るクリーナの要部の構造を示す模式図である。 図24は、この発明の第9の実施の形態に係るクリーナの要部の構造を示す模式図である。 図25は、この発明の第10の実施の形態に係るクリーナを示す模式図である。 図26は、凹部に残った現像剤粒子の量を判定する方法を説明するための図である。 図27は、この発明の第1の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図28は、図27のクリーニング装置で原版と電極との間をクリーニング液で満たした状態を示す動作説明図である。 図29は、図28に示す状態から原版と電極との間に電界を形成して現像剤粒子を電極に吸着させた状態を示す動作説明図である。 図30は、図29に示す状態からクリーニング液を流通させて現像剤粒子を流す状態を示す動作説明図である。 図31は、この発明の第2の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図32は、この発明の第3の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図33は、この発明の第4の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図34は、この発明の第5の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図35は、この発明の第6の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図36は、図35の装置の構成部材に印加する電圧について説明するための図である。 図37は、この発明の第11の実施の形態に係るクリーナを示す概略図である。 図38は、この発明の第7の実施の形態に係るクリーニング装置の動作を制御する制御系のブロック図である。 図39は、凹部に残った現像剤粒子の量を判定する方法を説明するための図である。 図40は、この発明の第7の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図41は、図40のクリーニング装置による動作を説明するためのフローチャートである。 図42は、図40のクリーニング装置で原版と電極との間をクリーニング液で満たした状態を示す動作説明図である。 図43は、図42に示す状態から原版と電極との間に超音波を付与して現像剤粒子をほぐした状態を示す動作説明図である。 図44は、図43に示す状態からクリーニング液を流通させて現像剤粒子を流す状態を示す動作説明図である。 図45は、A、B粒子を洗浄したときの洗浄効果について周波数と洗浄指数の関係を示すグラフである。 図46は、洗浄指数の計算方法を説明するための図である。 図47は、原版の洗浄時に付与する超音波の周波数と原版へのダメージの関係を示す表である。 図48は、図1のパターン形成装置からクリーナを取り除いた実施例を示す概略図である。 図49は、この発明の第8の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図50は、図49のクリーニング装置の動作を制御する制御系を示すブロック図である。 図51は、図49のクリーニング装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図52は、図49のクリーニング装置で原版と電極との間をクリーニング液で満たした状態を示す動作説明図である。 図53は、図52に示す状態から原版と電極との間に超音波を付与して現像剤粒子をほぐした状態を示す動作説明図である。 図54は、図53に示す状態から原版と電極との間で電界を形成して現像剤粒子を電極に引き寄せた状態を示す動作説明図である。 図55は、図54の状態から電極に現像剤粒子を吸着せしめた状態を示す動作説明図である。 図56は、図55に示す状態から電界を消失させてクリーニング液を流通させて現像剤粒子を流す状態を示す動作説明図である。 図57は、図49のクリーニング装置の第1の変形例を示す概略図である。 図58は、図57のクリーニング装置で原版の表面をクリーニング液で濡らした状態を示す図である。 図59は、図58の状態から電極と原版との間に電界および超音波を発生させた状態を示す図である。 図60は、図59の状態から電界を消失させた後、クリーニング液を流通させて現像剤粒子を流す状態を示す動作説明図である。 図61は、図49のクリーニング装置の第2の変形例を示す概略図である。 図62は、図49のクリーニング装置の第3の変形例を示す概略図である。 図63は、図62のクリーニング装置の各構成要素に付与する電圧について説明するための図である。 図64は、この発明の第9の実施の形態に係るクリーニング装置を示す概略図である。 図65は、図64のクリーニング装置で原版と電極との間をクリーニング液で満たした状態を示す図である。 図66は、図65の状態で超音波をかける前の液未浸透部を有する状態を示す図である。 図67は、図66の状態から超音波を付与した際のクリーニング液の浸透具合を説明するための図である。 図68は、図64のクリーニング装置に組み込まれた吹き付けユニットによるクリーニング液の吹き付け動作を説明するための図である。 図69は、この発明の他の実施態様に係るパターン形成装置の一例の概要を表す模式図である。 図70は、この発明に係るパターン形成装置に適用される廃液処理機構の一例の構成を説明するための模式図である。 図71は、廃液処理機構に使用される濾過器の一例の構成を表す模式図である。 図72は、図71の障壁構造体の一部を拡大した図である。 図73は、図72の吸着剤粒子層における動作の一例を説明するための図である。 図74は、吸着剤投入量と除去された金属石鹸量との関係を表すグラフ図である。 図75は、廃液処理ユニット内の循環回数と金属石鹸除去量とを表すグラフ図である。 図76は、吸着剤粒子の飽和度と廃液の導電率との関係を表すグラフ図である。 図77は、廃液処理機構の濾過器に使用される障壁構造体の他の一例の構成を表す模式図である。 図78は、図77の障壁構造体を部分的に拡大した図である。 図79は、液処理機構の濾過器に使用される障壁構造体のさらに他の一例の構成を表す模式図である。 図80は、図79の障壁構造体を拡大した図である。 図81は、図79の障壁構造体として使用されるステンレス板の構成を示す図である。 図82は、図81の障壁構造体間隙の断面の状態を表す模式図である。 図83は、本発明のさらに他の実施態様に係るパターン形成装置の一例の概要を表す模式図である。 図84は、図83のパターン形成装置に用いられる凹版ドラムの構成を説明するための図である。 図85は、回路基板の製造に用いられる配線基板製造装置の構成を説明するための図である。 図86は、本発明に使用可能な液体現像剤の構成を模式的に示した図である。 図87は、本発明に使用可能な液体現像剤の構成を模式的に示した図である。 図88は、本発明により形成されたパターンを用いた回路基板の断面構成を模式的に示す図である。 図89は、吸着剤の交換目安を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、この発明の実施の形態に係るパターン形成装置10は、図中時計回り方向(矢印R方向)に回転するドラム素管(後述する)の周面に巻かれた原版1(凹版、像保持体)、この原版1の後述する高抵抗層に電荷を与えて帯電させる帯電器2、原版1に各色(r:赤、g:緑、b:青)の液体現像剤を供給して現像する複数の現像装置3r、3g、3b(以下、総称して現像装置3と称する場合もある)、現像によって原版1に付着した液体現像剤の溶媒成分をエアブローによって気化して乾燥させる乾燥器4、原版1に付着した現像剤粒子を転写してパターンを形成する被転写媒体となるガラス板5を定位置で保持するステージ6(保持機構)、転写に先立ってガラス板5の表面に高抵抗もしくは絶縁性の溶媒を塗布する塗布装置7、転写を終えた原版1をクリーニングするクリーナ8、通常より多量の現像剤粒子(帯電粒子)が原版1に付着しているときにこれら比較的多量の現像剤粒子をクリーニングするクリーニング装置100、および原版1の電荷を除去する除電器9を有する。なお、ドラム素管の回転方向Rに沿って除電器9の上流側には、原版1に残留した現像剤粒子の量を検出する検出器11(検出装置)が対向配置されている。また、上記帯電器2、現像装置3、および乾燥器4は、本発明の像形成装置として機能する。
各色の現像装置3r、3g、3bに収納される液体現像剤は、炭化水素系やシリコーン系などの絶縁性溶媒中に帯電した微粒子(帯電粒子)を分散したもので、この微粒子が電界で電気泳動することによって現像が行われる。微粒子としては、例えば平均粒径4[μm]程度の各色の蛍光体粒子をこれよりも平均粒径が小さい樹脂粒子が取り囲み、樹脂粒子がイオン性帯電サイトを有していて電界中でイオン解離することで電荷を帯びる構成や、樹脂粒子の内部に各色の顔料微粒子を内包する構成、もしくは樹脂粒子の表面に各色の顔料微粒子を担持する構成などが実施可能である。
図2(a)に平面図を示すように、原版1は、矩形の薄板状に形成されている。この原版1は、図2(b)に断面図を示すように、厚さ0.05[mm]ないし0.4[mm]、より好ましくは厚さ0.1[mm]ないし0.2[mm]の矩形の金属フィルム12(導電部材)の表面に高抵抗層13を形成して構成されている。
金属フィルム12は可撓性を有し、アルミニウム、ステンレス、チタン、アンバーなどの素材で構成可能であるほかに、ポリイミドやPETなどの表面に金属を蒸着したものなどでも良いが、転写パターンを高い位置精度で形成するためには、熱膨張や応力による伸びなどが生じにくい素材で構成することが望ましい。
また、高抵抗層13は、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリエステル、ウレタン、エポキシ、テフロン(登録商標)、ナイロン、公知のレジスト材料などの体積抵抗率が1010[Ωcm]以上の材料(絶縁体を含む)により形成され、その膜厚は、10[μm]〜40[μm]、より好ましくは20[μm]±5[μm]に形成されている。
また、原版1の高抵抗層13の表面13aには、図3に部分的に拡大して示すような矩形の凹部14aを多数整列配置したパターン14が形成されている。本実施の形態では、例えば平面型画像表示装置の前面基板に形成する蛍光体スクリーンを製造する凹版として、1色分の画素に相当する凹部14aだけを高抵抗層13の表面13aから凹ませて形成し、図3中に破線で示す他の2色分の領域14bには凹部を形成しないでスペースだけを確保してある。つまり、この原版1を用いてカラーパターンを形成する際に、原版1を被転写媒体に対して1色分ずつずらすための領域を確保してある。
図4には、1つの凹部14aを拡大した原版1の断面図を示してある。本実施の形態では、凹部14aの底には金属フィルム12の表面12aが露出しており、凹部14aの深さは、高抵抗層13の層厚に概ね相当する。凹部14aの底に露出した金属フィルム12の表面12a、および高抵抗層13の表面13aを含む原版1の表面全体に、厚さ0.5[μm]ないし3[μm]程度の表面離型層をコーティングすれば、転写特性が向上しより好ましい特性が得られる。あるいは、表面離型層をコーティングした金属フィルム12に高抵抗層13を形成し、凹部14aの底にのみ離型層が露出している構成でも、転写特性を向上させることが可能である(図示せず)。
図5には、上記構造のフィルム状の原版1をドラム素管31に巻きつける様子を描いた概略断面図を示してある。ドラム素管31の図中上部の切り込み部31aには、原版1の一端を固定するクランプ32と他端を固定するクランプ33が設けられている。原版1をドラム素管31の周面上に巻き付ける場合、まず、原版1の一端をクランプ32に固定し、その後、原版1を架張しつつその他端34をクランプ33で固定する。これにより、たるみ無く原版1をドラム素管31周面の規定位置に巻き付けることができる。
図6は、このようにしてドラム素管31に巻きつけられた原版1の高抵抗層13の表面13aを帯電器2によって帯電する工程を説明するための部分構成図である。帯電器2は、周知のコロナ帯電器であり、コロナワイヤー42とシールドケース43で基本的に構成されているが、メッシュ状のグリッド44を設けることで帯電の均一性を向上できる。例えば、原版1の金属フィルム12とシールドケース43を接地し、コロナワイヤー42に不図示の電源装置によって+5.5[kV]の電圧を印加し、更にグリッド44に+500[V]の電圧を印加して原版1を図中矢印R方向に移動させると、高抵抗層13の表面13aは略+500[V]に均一に帯電される。
同図に示した除電器9は、帯電器2とほぼ同様の構造であるが、コロナワイヤー46に例えば実効電圧6[kV]、周波数50[Hz]の交流電圧を印加すべく不図示の交流電源に接続し、シールドケース47とグリッド48を設置すると、帯電器2による帯電に先立って原版1の高抵抗層13の表面13aを略0[V]となるよう除電することが可能で、高抵抗層13の繰り返し帯電特性を安定化させることができる。
図7には、上記のように帯電された原版1に対する現像動作を説明するための図を示してある。現像時には、現像する色の現像器3を原板1に対向させて、その現像ローラ51(供給部材)とスクイズローラ52を原版1に近接させ、原版1に上述した液体現像剤を供給する。現像ローラ51は、搬送される原版1の高抵抗層13の表面13aに対して100〜150[μm]程度のギャップを介してその周面が対向する位置に配置され、原版1の回転方向と同じ方向(図中反時計回り方向)に1.5倍ないし4倍程度の速度で回転する。
不図示の供給系によって現像ローラ51周面に供給される液体現像剤53は、絶縁性液体としての溶媒54に現像剤粒子としての帯電したトナー粒子55を分散させて構成されており、現像ローラ51の回転に伴って原版1の周面に供給される。ここで、現像ローラ51に図示しない電源装置によって例えば+250[V]の電圧を印加すると、正に帯電しているトナー粒子55は、接地電位の金属フィルム12に向かって溶媒54中を泳動し、原版1の凹部14a内に集められる。このとき、高抵抗層13の表面13aは、+500[V]程度に帯電されているので正帯電したトナー粒子55は表面13aから反発されて付着しない。
このようにして原版1の凹部14a内にトナー粒子55が集められた後、トナー粒子55の濃度が薄くなった液体現像剤53が引き続いてスクイズローラ52と原版1が対向するギャップに進入する。ここでは、ギャップ(絶縁層13表面13aとスクイズローラ52表面の間の距離)が30[μm]ないし50[μm]、スクイズローラの電位が+250[V]で、スクイズローラ52は原版1とは逆向きに原版1の速度の3倍から5倍程度の速度で移動するように設定されているため、現像をさらに促進しつつ、同時に原版1に付着している溶媒56の一部を絞り取る効果を奏する。このようにして、原版1の凹部14aにトナーによるパターン57が形成される。
ところで、ガラス板5上に3色の蛍光体のパターンを形成する場合、図8に示すように、まず、青色蛍光体粒子を含む液体現像剤を収納する現像器3bが原版1の直下に移動し、ここで図示しない昇降機構によって現像器3bが上昇して原版1に近接させる。この状態で、原板1が矢印R方向に回転して凹部14aによるパターンが現像される。青色パターンの現像が終了すると、現像器3bが下降して原版1から離間する。
この青色現像プロセスの間に、図示しない搬送装置によって予め搬送されてステージ6上に保持されているガラス板5のステージ6から離間した表面に沿って塗布装置7が図中の破線矢印T1方向に移動し、ガラス板5の表面に溶媒が塗布される。この溶媒の役割と材料組成については後述する。また、溶媒の塗布方法についても後に詳述する。
しかる後に、青色のパターンを周面に担持した原版1が回転しつつ図中の破線矢印T2に沿って移動(この動作を転動と称する)し、青色のパターン像がガラス板5の表面に転写される。転写の詳細についても後述する。青パターンの転写を終えた原版1は図中左方に平行移動し、現像時の初期位置に戻る。このとき、ガラス板5を保持したステージ6が下降して初期位置に戻る原版1との接触が避けられる。
この後、クリーナ8が動作されて、ガラス板5に転写されずに原版1に残留した青色の現像剤粒子がクリーニングされる。このクリーナ8は、各色の現像剤粒子の転写プロセス終了後の通常のクリーニング動作を担う。このクリーナ8についても後に詳述する。
次に、3色の現像器3r、3g、3bが図中左方に移動し、緑色の現像器3gが原版1の直下に位置するところで停止し、青色の現像のときと同様にして現像器3gの上昇、現像、下降が行われる。引き続いて上記と同様の操作で緑パターンが原版1からガラス板5の表面に転写される。このとき、緑色のパターンのガラス板5表面上の転写位置は、上述した青色のパターンから1色分ずらされることは言うまでもない。また、このとき、緑色のパターンを転写した後の原版1がクリーナ8によってクリーニングされる。
そして、上記の動作を赤色の現像についても繰り返し、ガラス板5の表面上に3色パターンを並べて転写して3色のパターン像をガラス板5の表面に形成する。このように、ガラス板5を定位置に保持して固定し、原版1をガラス板5に対して移動させることで、ガラス板5の往復移動が不要になり、大きな移動スペースの確保や装置の大型化を抑制できる。
図9には、上述した原版1をガラス板5に沿って転動させるための転動機構の要部の構造を示してある。原版1を周面上に巻き付けたドラム素管31の軸方向両端には、ピニオンと呼ばれる歯車71が取り付けられている。原版1は、この歯車71とモーター72の駆動歯車73のかみ合わせによって回転するとともに、ステージ6の両端に設置されている直線軌道のラック74とピニオン(歯車71)の噛み合わせによって図中右方向に並進する。このとき、ステージ6上に保持されたガラス板5の表面と原版1の周面との間に相対的なズレを生じることのないように、転動機構の各部の構造が設計されている。このように回転しながらガラス板5に沿って平行に移動する動作を転動と称している。
このようなラック・アンド・ピニオン機構によれば、駆動伝達用のアイドラが無いため、バックラッシュの無い高精度の回転・並進駆動を実現でき、ガラス板5上に例えば±5[μm]といった位置精度の高い高精細パターンを転写することが可能となる。
一方、ガラス板5(図9では図示していない)は、図8に示すように、ステージ6の平らな接触面6aに対してその裏面5b(原版1から離間した側の面)の略全面を面接させるようにステージ6上に配置される。その上、ガラス板5には、ステージ6を貫通して接触面6aまで延びた吸気口76に、接続パイプ75から主パイプ77を経由して不図示の真空ポンプを接続することによって、吸気口76の接触面6aに開口した図示しない吸着孔を介して負圧が作用され、ステージ6の接触面6a上に吸着される。この吸着機構によって、ガラス板5は、高い平面度を持った接触面6aにその裏面5bの略全面を押圧させて密着され、平面性が高い状態でステージ6上に保持される。このように平らな接触面6aにガラス板5を押し付けることにより、ガラス板5の歪み等をも矯正でき、原版1との間の相対位置を高精度に維持できる。
図10は、原版1からガラス板5にトナー粒子55を転写する際の様子を説明する要部断面図である。ガラス板5の表面5aには、例えば導電性高分子などで構成される導電層81が塗布されており、この導電層81の表面81aと原版1の高抵抗層13の表面13aとは、ギャップd2を介して非接触状態に設置される。d2は例えば10[μm]ないし40[μm]の範囲の値に設定される。高抵抗層13の厚さが例えば20[μm]の場合は、金属フィルム12と導電層81表面81aとの間の距離は、30[μm]ないし60[μm]となる。或いは、ガラス板表面5aに塗布した導電層81と原版1の高抵抗層表面13aを接触させるようにしても良い。
この状態で、電源装置82(転写装置)を介して導電層81に例えば−500[V]の電圧を印加すると、接地電位の金属フィルム12との間に500[V]の電位差が形成され、その電界によってトナー粒子55が溶媒54中を電気泳動して導電層81の表面81aに転写される。このように、トナー粒子55は非接触状態でも転写が可能なので、オフセット印刷やフレキソ印刷の場合のように、ブランケットやフレキソ版といった弾性体を介在させる必要がなく、常に位置精度の高い転写を実現することが可能となる。導電層81は、トナー粒子55の転写後、ガラス板5を図示しないベーク炉へ投入して焼成することで消失させる。
なお、上記のように、電界を用いてトナー粒子をガラス板5に転写する場合、転写ギャップに溶媒が存在してガラス板5側の導電層81と原版1との間を濡らすことが必須条件となるため、転写に先立ってガラス板5の表面5aを溶媒でプリウェットしておくことが有効である。プリウェット溶媒としては絶縁性もしくは高抵抗であれば良いが、液体現像剤に用いられている溶媒と同一の溶媒、もしくはこれに帯電制御剤などが添加されたものであればなお好適である。プリウェット溶媒は、図8を用いて説明したように、塗布装置7によって適切なタイミングで適当な塗布量でガラス板5の表面5a上に塗布される。
ところで、上述したパターン形成装置10によって解像度の高い高精細なパターン像をガラス板5に形成するためには、高抵抗層13に凹部14aによるパターンを高精細に形成し且つ電界を用いて凹部14a内のトナー像をガラス板5に転写することに加え、パターン像を転写した後の原版1を確実にクリーニングすることが重要となる。特に、本実施の形態のように、原版1の同じ凹部14aを繰り返し使用して3色のパターン像を現像および転写するような場合、前の色のトナー粒子55が凹部14a内に残留していると次の色のパターン像を形成する際に混色の問題が生じてしまう。また、本実施の形態で採用したような原版1をクリーニングする場合、凹部14aの底の角部近くに現像剤の微粒子が残留し易く、従来のようにスクイズローラを摺接させるだけでは極めて微細なパターン状の凹部14aから十分にトナー粒子55を除去できない。
このため、本実施の形態では、原版1をクリーニングする際に、まず、クリーニング液を凹部14aに供給して、凹部14aの特に角部に残留したトナー粒子55をクリーニング液中で遊離させ、その後、遊離せしめたトナー粒子55をクリーニング液とともに除去するようにした。以下、いくつかの例をあげて原版1のクリーニング方法について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、全て模式図であり、実際の装置の構造を示すものではなくその機能を説明するためのものである。
図11には、この発明の第1の実施の形態に係るクリーナ8の要部の構造を模式的に示してある。
このクリーナ8は、原版1の表面に向けて開口したケース101を有する。このケース101は、原版1から除去したトナー粒子55を含むクリーニング液を回収する容器として機能する。ケース101内には、この発明の供給装置として機能する2系統のノズル102、103、およびこの発明の除去装置として機能する2つの除去ローラ104、105が設けられている。
図中上方に配置された一方の系統のノズル102は、原版1の回転方向(図中矢印R方向)に向けて図中上方に傾斜して配置されており、その先端がケース101の開口を介して原版1の表面に対向するよう位置決めされている。また、他方の系統のノズル103は、原版1の回転方向Rに対して図中下方に傾斜して配置されており、その先端がケース101の開口を介して原版1の表面に対向するよう位置決めされている。なお、原版1の表面には、ここでは図示を省略した複数の凹部14aが設けられている。また、各系統のノズル102、103は、原版1の回転方向Rを横切る原版1の軸方向に沿ってここでは図示しない複数本のノズルをそれぞれ備えている。
一方の除去ローラ104は、一方のノズル102より図中上方、すなわち原版1の回転方向Rに沿ってノズル102の下流側に近接して配置されており、ケース101の開口を介して原版1の表面に接触するよう位置決めされている。さらに、他方の除去ローラ105は、他方のノズル103より図中下方、すなわち一方の除去ローラ104との間に2系統のノズル102、103を挟む位置に配置されており、ケース101の開口を介して原版1の表面に接触するよう位置決めされている。そして、図中上方の除去ローラ104は原版1の回転方向Rと逆方向(図中矢印r1方向)に回転し、図中下方の除去ローラ105は原版1の回転方向Rと同じ方向(図中矢印r2方向)に回転する。
より詳細には、各系統のノズル102、103は、液体と気体を同時に噴射する複数本の2流体ノズルをそれぞれ原版1の軸方向に並設して構成されており、各ノズルがクリーニング液を一定圧力で原版1の表面に向けて噴射するようになっている。本実施の形態では、クリーニング液として、液体現像剤を構成する絶縁性液体を用いた。このように、液体現像剤を構成する溶媒をクリーニング液として利用することで、原版1の凹部14a内にクリーニング液が残留した場合にプロセスに支障をきたすことがない。言い換えると、クリーニング液としては、原版1に残留した場合にプロセスに影響を及ぼすことのない液体を選択する必要がある。
各ノズルから噴射されるクリーニング液は、拡散し、原版1の回転方向および軸方向に対して傾斜した方向から吹き付けられる。本実施の形態では、図示しない調節機構によって、各ノズル102、103の原版1に対する傾斜角度、すなわちクリーニング液の吹き付け角度を調整可能とし、原版1の回転方向および軸方向に関してあらゆる角度からクリーニング液を吹き付け可能とした。これにより、矩形の凹部14aに対してあらゆる角度からクリーニング液を吹き付け可能となり、特に凹部14aの角部に付着したトナー粒子55を確実に剥離させることができる。
また、上述した2つの除去ローラ104、105は同じ構造を有し、それぞれ中空なシャフト104a、105a(回転軸)の周囲にスポンジ層104b、105b(多孔部材)を設けて構成されている。一方の除去ローラ104について代表して説明すると、シャフト104aのスポンジ層104bに対向する部位には図示しない多数の吸気孔が設けられている。そして、平均気泡径70[μm]の連泡を有する厚さ7[mm]のウレタン系の材料によってスポンジ層104bが構成され、シャフト104aの全ての吸気孔を覆うように設けられている。ここで言う“連泡”とは、多数の気泡が3次元の網目状に繋がった構造を指す。
しかして、シャフト104aに接続された図示しない吸引ポンプ(負圧装置)によってシャフト104aの多数の吸気孔から空気を吸引すると、スポンジ層104bの表面に負圧が生じ、スポンジ層104bにトナー粒子55を含むクリーニング液が吸引されるようになっている。ここで、図11において、除去ローラ104は原版1と逆方向に回転させることによって原版1上に残留したトナー粒子55を拭い去る効果も有しているが、クリーニング前の原版1に付着したトナー粒子55の量が少なく、ノズルからの噴射液によりトナー粒子55のほとんどが廃液と一緒に排出されているような場合には、除去ローラ104が原版1と順方向に連れ回りするような構成でも、液とトナー粒子55の除去能力を充分発揮することが出来る。
以下、上記構造のクリーナ8によって原版1をクリーニングする動作について、図11とともに図12乃至図16を参照して説明する。
まず、回転する原版1の表面に、ノズル102、103を介してクリーニング液を吹き付ける。図12に示すように、クリーニング液の吹き付け角度は、原版1の表面に直交する角度(この角度を0度の基準線とする)から原版1の回転方向Rに沿って±70度の角度まで調節可能となっている。本実施の形態では、回転方向Rに沿って下流側にあるノズル102の角度を回転方向に向けて45度に調節し、回転方向Rに沿って上流側にあるノズル103の角度を回転方向と逆に向けて45度に調節した。
ノズル102、103は、二流体ノズルであり、0.1[MPa]〜1.0[MPa]の範囲の液供給ポンプ(図示せず)を介して、クリーニング液タンク(図示せず)に接続され、同時に0.1[MPa]〜1.0[MPa]の範囲のエアポンプ(図示せず)にも接続されており、0.1[MPa]〜1.0[MPa]の範囲の液圧と、0.1[MPa]〜1.0[MPa]の範囲のエア圧で、クリーニング液を凹版表面に供給できるような構成になっている。各ノズル102、103から噴出させるクリーニング液の液圧は二流体ノズルの場合、0.1[MPa]〜1.0[MPa]程度に設定することが望ましく、クリーニング液のエア圧も0.1[MPa]〜1.0[MPa]程度に設定することが望ましい。本実施の形態では、クリーニング液の液圧を0.5[MPa]に設定し、エア圧も0.5[MPa]に設定した。
クリーニング液の原版1に対する吹き付け角度が70度を超えると、微細な形状である凹部パターンに対する入射角が浅くなり、特に角部において、残留した微粒子を適度な液圧で遊離させることが出来なくなるとともに、クリーニングユニットが当接した部分以外の領域にまで液が流出しやすくなるため、凹版ドラム表面の汚染が生じやすくなるという不具合が発生する。また、クリーニング液の液圧が0.1[MPa]より小さくなると、十分な液圧で凹部に液を噴射することができないため、残留した微粒子を遊離させることが出来ず、1.0[MPa]を超えると、エア圧に比べて液圧が強すぎるため、十分制御されず広がった状態の液流が凹版表面に向けて噴射され、周囲への液の飛散が起こり、他ユニットへの汚染が生じる。さらに、クリーニング液のエア圧が0.1[MPa]より小さくなると、液流の幅と広がりが十分制御されていない状態で凹版表面に向けて噴射されるため、凹部パターン内部に残留した微粒子を十分な圧力で角部から遊離させることが出来ず、1.0[MPa]を超えると、噴出される液が霧状になってしまい、やはり微粒子を十分な圧力で角部から遊離させることが出来ない。
また、本実施例では、気体として空気を用いたが、より防爆効果を高めるため、不活性な窒素ガスを用いてもよい。
さらに、上述のような、気体の圧力を利用して液圧を高める二流体ノズル以外にも、直接、高圧ポンプで、高い液圧により液を噴射させる一流体ノズルを用いても良い。二流体ノズルの場合、クリーニング液の液圧は、0.4[MPa]〜2.5[MPa]の範囲に設定することが望ましい。本実施の形態では、クリーニング液の液圧を1.2[MPa]に設定した。一流体ノズルの場合も、やはりノズルの角度は、二流体ノズルの場合と同様の理由から、原版1の回転方向Rに沿って±70度の範囲の角度が望ましいのは言うまでもない。クリーニング液の液圧が0.4[MPa]より小さくなると、十分な液圧で凹部に液を噴射することができないため、残留した微粒子を十分遊離させることが出来ず、2.5[MPa]を超えると、液圧が強すぎるため、周囲への液の飛散が起こり、他ユニットへの汚染が生じる。
図13に模式的に示すように、原版1の回転方向Rに沿って下流側に配置された一方のノズル102から噴出されたクリーニング液106は、主に、原版1の各凹部14aの回転方向R下流側の角部に向けて吹き付けられ、この角部に付着したトナー粒子55を図14に模式的に示すようにクリーニング液中で遊離させる。一方、回転方向上流側に配置された他方のノズル103から噴出されたクリーニング液107は、主に、原版1の各凹部14aの回転方向R上流側の角部に向けて吹き付けられ、この角部に付着したトナー粒子55をクリーニング液中で遊離させる。
この後、図15に示すように、原版1とクリーナ8との相対的な移動によって、原版1の回転方向R下流側に配置された一方の除去ローラ104が原版1と逆方向に回転されつつ接触され、原版1の表面にスポンジ層104bが摺接される。このとき、他方の除去ローラ105は、主に、他方のノズル103から噴出されたクリーニング液を回収するよう機能する。
除去ローラ104のスポンジ層104bが原版1の凹部14a開口に接触すると、図16に模式的に示すように、スポンジ層104bの連泡108および中空シャフト104aを介してスポンジ層104bの表面に負圧が作用し、凹部14aに残留したトナー粒子55がクリーニング液とともに吸引される。このとき、凹部14aの角部に付着していたトナー粒子55は、クリーニング液の吹き付けによってクリーニング液中に遊離した状態となっており、クリーニング液の吸引除去と同時に容易に凹部14aから除去できる。
本実施の形態では、除去ローラ104(105)のスポンジ層104bの連泡108の平均気泡径を最も吸引効率が良かった70[μm]に設定したが、連泡108の平均気泡径は20[μm]〜400[μm]程度に設定することが望ましい。連泡108の平均気泡径が20[μm]を下回ると、微粒子が気泡内に目詰まりしやすく、除去ローラの寿命が低下し、部材の交換頻度が上がるという不具合が生じ、平均気泡径が400[μm]を超えると、気泡内に捕捉除去される微粒子数が少なくなり、高い除去性能が得られない。
以上のように、第1の実施の形態に係るクリーナ8によると、クリーニング液を角度を付けて原版1に吹き付けることにより凹部14aの角部に付着して残留したトナー粒子55をクリーニング液中で確実に遊離させることができ、遊離させたトナー粒子55をスポンジ層104bの表面に負圧を生じせしめた除去ローラ104によってクリーニング液とともに確実且つ容易に除去できる。このため、次の色の現像プロセスを実行する前の原版1に前の色のトナー粒子55が残留することを防止でき、混色の問題を防止することができる。具体的には、本実施の形態のクリーナ8を用いた場合、ガラス板5にトナー粒子55を転写した後の原版1に残留したトナー粒子の割合は0.1[%]以下となった。これにより、高精細な微細パターンを高い解像度で転写可能な原版1を提供できる。
図17には、この発明の第2の実施の形態に係るクリーナ110の模式図を示してある。このクリーナ110は、2つの除去ローラ104’、105’のシャフト111が中実であり、各ローラのスポンジ層104a、105aの周面に金属製のスクレーパ112を当接配置した以外、上述した第1の実施の形態のクリーナ8と同様の構成を有する。よって、ここでは、上述したクリーナ8と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
つまり、このクリーナ110を動作させると、ノズル102、103から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させ、この遊離されたトナー粒子55がクリーニング液とともに除去ローラ104’、105’によって除去される。このとき、各除去ローラ104’、105’のスポンジ層104a、105aの周面に付着したトナー粒子55は、除去ローラの回転によってスクレーパ112により掻き落とされる。
よって、本実施の形態のクリーナ110においても、上述した第1の実施の形態のクリーナ8と同様の効果を奏することができ、その上、装置構成を簡略化でき装置の製造コストを低減できる。
図18には、この発明の第3の実施の形態に係るクリーナ120の模式図を示してある。このクリーナ120は、2つの除去ローラ104”、105”のスポンジ層121が導電性を有し、このスポンジ層121に原版1の金属フィルム12(ここでは図示省略)との間に電界を形成するための電源装置122を接続した以外、上述した第1の実施の形態のクリーナ8と同様の構成を有する。よって、ここでも、上述したクリーナ8と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
スポンジ層121は、体積抵抗率が10[Ω・cm]〜1012[Ω・cm]、好ましくは10[Ω・cm]〜1011[Ω・cm]程度で、且つJIS−C硬度が50程度の導電性材料により形成され、原版1に接触させた状態で凹部14aの底に露出した金属フィルム12に接触することのない程度の硬さに設計されている。体積抵抗率が10[Ω・cm]を下回ると、スポンジ層表面が導通しやすくなり、スポンジ層表面と凹版表面の間に十分な電界を発生させることが出来ず、帯電した微粒子をスポンジ側に電気的に引き寄せる除去効果が得られない。体積抵抗率が1012[Ω・cm]を超えると、適度な引印加電圧で、スポンジ層表面と凹版表面の間に効果的な電界を発生させることが困難になり、やはり帯電した微粒子を電気的に除去する効果が得られない。
しかして、このクリーナ120を動作させると、ノズル102、103から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させ、この遊離されたトナー粒子55がクリーニング液とともに除去ローラ104”、105”によって除去される。このとき、図示しない負圧装置が動作されてスポンジ層121の表面に負圧が作用されるとともに、電源装置122を介して各除去ローラ104”、105”に例えば−300[V]の電圧が印加され、接地電位にされた原版1の金属フィルム12とスポンジ層121との間に電界が形成される。そして、負圧の作用によってトナー粒子55がクリーニング液とともに吸引され、且つ電界の作用によって帯電したトナー粒子55がスポンジ層121に吸着される。
つまり、本実施の形態のクリーナ120においても、上述した第1の実施の形態のクリーナ8と同様の効果を奏することができ、その上、トナー粒子55の除去ローラ104”、105”に対する吸着作用を高めることができ、トナー粒子55の除去効率をさらに高めることができる。
図19には、この発明の第4の実施の形態に係るクリーナ130の模式図を示してある。このクリーナ130は、各除去ローラ104”、105”の周面にクリーニングローラ131を転接させ、さらに各クリーニングローラ131の周面にブレード132を当接配置した以外、上述した第3の実施の形態のクリーナ120と同様の構成を有する。よって、ここでは、上述したクリーナ120と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
クリーニングローラ131は、例えば、アルミニウム製の中空パイプの周面に陽極酸化処理によって厚さ6[μm]程度のアルマイト層を形成して構成されており、対応する除去ローラ104”、105”と同じ方向に回転する。また、ブレード132は、JIS−A硬度80、300%モデュラス300[kgf/cm]、厚さ1[mm]のウレタン系ゴムにより形成されている。
しかして、このクリーナ130を動作させると、ノズル102、103から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させ、この遊離されたトナー粒子55がクリーニング液とともに除去ローラ104”、105”によって除去される。このとき、図示しない負圧装置が動作されてスポンジ層121の表面に負圧が作用されるとともに、各除去ローラ104”、105”のスポンジ層121に例えば−300[V]の電圧が印加され、接地電位にされた原版1の金属フィルム12とスポンジ層121との間に電界が形成される。そして、負圧の作用によってトナー粒子55がクリーニング液とともに吸引され、且つ電界の作用によって帯電したトナー粒子55がスポンジ層121に吸着される。
そして、除去ローラ104”、105”によって吸引されたトナー粒子55のうちクリーニング液とともにシャフト104a、105aを介して回収されずに除去ローラ104”、105”の周面に残留したトナー粒子55は、クリーニングローラ131に移された後、ブレード132によって掻き落とされる。このとき、上述したように除去ローラ104”、105”に付与する電圧(−300[V])に対し、クリーニングローラ131に例えば−500[V]の電圧を印加して両者の間に電界を形成し、除去ローラ104”、105”の周面に残留したトナー粒子55をクリーニングローラ131側へ引き付ける。
つまり、本実施の形態のクリーナ130においても、上述した第3の実施の形態のクリーナ120と同様の効果を奏することができ、その上、除去ローラ104”、105”の周面を常にクリーンな状態に保つことができ、且つクリーニングローラ131の周面も常にクリーンな状態に保つことができ、トナー粒子55の除去ローラ104”、105”に対する吸着作用をより高めることができ、トナー粒子55の除去効率をさらに高めることができる。
図20には、この発明の第5の実施の形態に係るクリーナ140の模式図を示してある。このクリーナ140は、2つの除去ローラ104、105の代りに2枚の樹脂製のブレード141、142を有する以外、上述した第1の実施の形態のクリーナ8と同様の構成を有する。よって、ここでは、上述したクリーナ8と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
ブレード141、142は、JIS−A硬度75、300%モデュラス250[kgf/cm]、厚さ1[mm]のウレタン系ゴムにより形成されている。本実施の形態では、各2流体ノズル102、103を介して噴出させるクリーニング液の液圧を1.0[MPa]に設定し、エア圧も1.0[MPa]に設定した。つまり、上述した第1の実施の形態のクリーナ8よりクリーニング液の噴出圧力を強く設定した。また、クリーニング液の吹き付け角度を原版1に直交する方向に対して±70度の角度に設定した。
しかして、このクリーナ140を動作させると、まず、ノズル102、103から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させる。そして、この遊離されたトナー粒子55をクリーニング液とともにブレード141、142によって掻き落とす。本実施の形態では、クリーニング液の圧力を高めに設定し、且つクリーニング液の吹き付け角度を適切な角度に調節したため、凹部14aに付着したトナー粒子55を確実に遊離させることができ、ブレード141、142によって掻き落とすだけでトナー粒子55を十分に除去できる。
つまり、本実施の形態のクリーナ140においても、上述した第1の実施の形態のクリーナ8と同様の効果を奏することができ、その上、除去ローラ104、105をブレード141、142に置き換えることで、負圧装置などの高価な構成も不要となり、装置構成をより安価に製造することができる。
図21には、この発明の第6の実施の形態に係るクリーナ150の模式図を示してある。このクリーナ150は、樹脂製のブレード141、142の代りに導電性を有する材料によって形成された導電ブレード151、152を用い、これら導電ブレード151、152に原版1の金属フィルム12(ここでは図示省略)との間に電界を形成するための電源装置153を接続した以外、上述した第5の実施の形態のクリーナ140と同様の構成を有する。よって、ここでは、上述したクリーナ140と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
このクリーナ150を動作させると、まず、ノズル102、103から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させる。そして、この遊離されたトナー粒子55をクリーニング液とともにブレード151、152によって掻き落とす。このとき、電源装置153を介して各導電ブレード151、152に例えば−300[V]の電圧が印加され、接地電位の原版1の金属フィルム12(ここでは図示せず)との間に電界が形成される。これにより、原版1から遊離したトナー粒子55を導電ブレード151、152によって掻き落とすとともに、凹部14aに残留したトナー粒子55を導電ブレード151、152に吸着させることができる。
よって、本実施の形態のクリーナ150を用いた場合、上述した第5の実施の形態のクリーナ140と同様の効果を奏することができるとともに、導電ブレード151、152に対するトナー粒子55の吸着効果をより高めることができ、トナー粒子55の除去効率をより高めることができる。
図22には、この発明の第7の実施の形態に係るクリーナ160の要部の構成を模式図にして示してある。ここでは、装置をさらに簡略化して図示してあり、原版1の回転方向Rに沿って下流側の構成を図示省略してある。このクリーナ160は、導電性を有する樹脂材料によって形成したブレード161を有する点で上述した第3の実施の形態のクリーナ120と異なる。よって、ここでは、上述したクリーナ120と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
このクリーナ160を動作させると、まず、ノズル103(102)から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させる。そして、この遊離されたトナー粒子55がクリーニング液とともにブレード161によって掻き落とされて除去ローラ105”(104”)によって除去される。ブレード161には上述した第6の実施の形態のクリーナ150と同様に例えば−300[V]程度の電圧が印加される。また、除去ローラ105”(104”)にも同じ電圧が付与されている。
このため、原版1と除去ローラ105”(104”)との間に電界が形成されるとともに原版1とブレード161との間に電界が形成され、クリーニング液の噴射によって原版1から遊離されたトナー粒子55が電界の作用によって除去ローラおよびブレードに引き付けられる。よって、本実施の形態においても、上述した各実施の形態の装置と同様の効果を奏することができ、トナー粒子55の除去効率を高めることができる。
図23には、この発明の第8の実施の形態に係るクリーナ170の要部の構成を模式図にして示してある。ここでは、装置をさらに簡略化して図示してあり、原版1の回転方向Rに沿って下流側の構成を図示省略してある。このクリーナ170は、各除去ローラ105”(104”)の周面に導電性スクレーパ171を当接配置した点で上述した第3の実施の形態のクリーナ120と異なる。よって、ここでは、上述したクリーナ120と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
導電性スクレーパ171は、例えば、厚さ1[mm]程度のアルミニウム板の表面に2[μm]程度の厚さのフッ素樹脂をコーティングして構成される。本実施の形態では、原版1の図示しない金属フィルムを接地電位に設定し、除去ローラ105”(104”)に例えば−300[V]の電圧を印加し、導電性スクレーパ171に例えば−500[V]の電圧を印加した。
このクリーナ160を動作させると、まず、ノズル103(102)から噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させる。そして、この遊離されたトナー粒子55がクリーニング液とともに除去ローラ105”(104”)によって除去される。このとき、原版1と除去ローラ105”(104”)との間の電位差によって原版1から遊離したトナー粒子55が除去ローラ105”(104”)に電気的に引き付けられる。
さらに、除去ローラ105”(104”)に移されて吸引されずに周面に残留されたトナー粒子55が導電性スクレーパ171によって掻き落とされる。このとき、除去ローラ105”(104”)と導電性スクレーパ171との間に形成されている電界によって除去ローラ105”(104”)周面のトナー粒子55が導電性スクレーパ171へ吸引される。
以上のように、本実施の形態によると、上述した第3の実施の形態のクリーナ120の構成に加えて導電性スクレーパ171を除去ローラ105”(104”)の周面に当接せしめて配置したため、電界の作用によって除去ローラ105”(104”)周面を常にクリーンな状態に維持でき、トナー粒子55の除去効率を高めることができる。
図24には、この発明の第9の実施の形態に係るクリーナ180の要部の構成を模式的に示してある。このクリーナ180は、導電性スクレーパ171の代りに上述した第4の実施の形態の装置130で用いたものと同じクリーニングローラ181を備え、さらにこのクリーニングローラ181の周面にスクレーパ182を当接配置した点で上述した第8の実施の形態のクリーナ170と異なる。
本実施の形態でも、原版1を接地し、除去ローラ105”(104”)に例えば−300[V]の電圧を印加し、クリーニングローラ181に例えば−500[V]の電圧を印加した。しかして、除去ローラ105”(104”)で原版1から除去されたトナー粒子55がクリーニングローラ181に電気的に引き付けられてスクレーパ182によって掻き落とされる。この実施の形態のクリーナ180においても、上述した各実施の形態のクリーナと同様の効果を奏し得ることは言うまでもない。
また、図19を用いて、発明の第9の実施の形態に係るクリーナ130を説明する。第9の実施の形態に係るクリーナ130は、前述の第4の実施の形態に係るクリーナ130とほぼ同じ構成であるが、第4の実施例が、クリーニング液とエアの二流体ノズルを用いているのに対して、第9の実施例では、クリーニング液のみの一流体ノズルを用いた。ノズル102、103は、0.4[MPa]〜2.5[MPa]の範囲の高圧ポンプに接続(図示せず)され、クリーニング液タンクから、0.4[MPa]〜2.5[MPa]の範囲の液圧でクリーニング液を凹版表面に供給できるような構成になっている。本実施の形態では、クリーニング液の液圧を1.2[MPa]に設定し、ノズルの角度は、それぞれ+80度と−80度で液を噴出できるように、一流体ノズルを複数個配列した。噴出されたクリーニング液が原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55を遊離させ、この遊離されたトナー粒子55がクリーニング液とともに除去ローラ104”、105”によって除去される。このとき、図示しない負圧装置が動作されてスポンジ層121の表面に負圧が作用されるとともに、各除去ローラ104”、105”のスポンジ層121に例えば−300[V]の電圧が印加され、接地電位にされた原版1の金属フィルム12とスポンジ層121との間に電界が形成される。そして、負圧の作用によってトナー粒子55がクリーニング液とともに吸引され、且つ電界の作用によって帯電したトナー粒子55がスポンジ層121に吸着される。
そして、除去ローラ104”、105”によって吸引されたトナー粒子55のうちクリーニング液とともにシャフト104a、105aを介して回収されずに除去ローラ104”、105”の周面に残留したトナー粒子55は、クリーニングローラ131に移された後、ブレード132によって掻き落とされる。このとき、上述したように除去ローラ104”、105”に付与する電圧(−300[V])に対し、クリーニングローラ131に例えば−500[V]の電圧を印加して両者の間に電界を形成し、除去ローラ104”、105”の周面に残留したトナー粒子55をクリーニングローラ131側へ引き付ける。
なお、上述した第1乃至第9の実施の形態では、1色分のパターンを形成した凹部14aを用いて全ての色のトナー像を現像・転写する場合について説明したが、これに限らず、3色分の凹部14aを原版1に形成しておき、3色のトナー像を原版1に現像した後、一括してガラス板5に転写するようにしても良い。この場合、同じ凹部14aに異なる色のトナーが現像されることがないため、混色の心配がないことから、クリーニングプロセスを各色毎に実施する必要もなく、転写プロセス毎に毎回クリーニング動作を実施する必要もない。
また、上述した実施の形態では、原版1に向けてクリーニング液を噴出させる2流体ノズルの角度を調節可能な調節機構を有する装置について説明したが、2流体ノズル102、102を電気的に制御して揺動させ、ノズルの首振り機能を持たせても良い。
図25には、この発明の第10の実施の形態に係るクリーナ190の要部の構成を模式的に示してある。
クリーナ190は、原版1の表面に向けて開口したケース191を有する。このケース191は、原版1から除去した現像剤粒子を含むクリーニング液を回収する容器としても機能する。ケース191内には、2系統のノズル192、193、および2つの除去ローラ194、195が設けられている。
図中上方に配置された一方の系統のノズル192は、原版1の回転方向(図中矢印R方向)に向けて図中上方に傾斜して配置されており、その先端がケース191の開口を介して原版1の表面に対向するよう位置決めされている。また、他方の系統のノズル193は、原版1の回転方向Rに対して図中下方に傾斜して配置されており、その先端がケース191の開口を介して原版1の表面に対向するよう位置決めされている。また、各系統のノズル192、193は、原版1の回転方向Rを横切る原版1の軸方向に沿ってここでは図示しない複数本のノズルをそれぞれ備えている。
一方の除去ローラ194は、一方のノズル192より図中上方、すなわち原版1の回転方向Rに沿ってノズル192の下流側に近接して配置されており、ケース191の開口を介して原版1の表面に接触するよう位置決めされている。さらに、他方の除去ローラ195は、他方のノズル193より図中下方、すなわち一方の除去ローラ194との間に2系統のノズル192、193を挟む位置に配置されており、ケース191の開口を介して原版1の表面に接触するよう位置決めされている。そして、図中上方の除去ローラ194は原版1の回転方向Rと逆方向(図中矢印r1方向)に回転し、図中下方の除去ローラ195は原版1の回転方向Rと同じ方向(図中矢印r2方向)に回転する。
より詳細には、各系統のノズル192、193は、液体と気体を同時に噴射する複数本の2流体ノズルをそれぞれ原版1の軸方向に並設して構成されており、各ノズルがクリーニング液を一定圧力で原版1の表面に向けて噴射するようになっている。本実施の形態では、クリーニング液として、液体現像剤を構成する絶縁性液体を用いた。このように、液体現像剤を構成する溶媒をクリーニング液として利用することで、原版1の凹部14a内にクリーニング液が残留した場合にプロセスに支障をきたすことがない。言い換えると、クリーニング液としては、原版1に残留した場合にプロセスに影響を及ぼすことのない液体を選択する必要がある。
各ノズルから噴射されるクリーニング液は、拡散し、原版1の回転方向および軸方向に対して傾斜した方向から吹き付けられる。これにより、矩形の凹部14aに対して傾斜した方向からクリーニング液を吹き付け可能となり、特に凹部14aの角部に付着したトナー粒子55を確実に剥離させることができる。
上述した2つの除去ローラ194、195は同じ構造を有し、それぞれ中空なシャフト196の周囲にスポンジ層197を設けて構成されている。一方の除去ローラ194について代表して説明すると、シャフト196のスポンジ層197に対向する部位には図示しない多数の吸気孔が設けられている。しかして、シャフト196に接続された図示しない吸引ポンプによってシャフト196の多数の吸気孔から空気を吸引すると、スポンジ層197の表面に負圧が生じ、スポンジ層197にトナー粒子55を含むクリーニング液が吸引されるようになっている。
スポンジ層197の表面に付着したトナー粒子55は、図中矢印方向に回転するクリーニングローラ198によって除去される。そして、クリーニングローラ198の表面に付着したトナー粒子55は、ブレード199によって掻き落とされる。つまり、上述した2つの除去ローラ194、195は、クリーニングローラ198およびブレード199によって、常に清浄な状態に維持されて、原版1のクリーニング性能を高められている。
次に、この発明の第1の実施の形態に係るクリーニング装置100について詳細に説明する。
このクリーニング装置100は、例えば、各色のパターン像の現像を失敗して原版1の凹部14aに比較的多量の現像剤粒子が付着している場合、或いは各色のパターン像の転写を失敗して凹部14aに比較的多量の現像剤粒子が付着している場合など、通常より多量の現像剤粒子を原版1から除去する必要がある場合に用いられる。言い換えると、上述したクリーナ8、110、120、130、140、150、160、170、180、190では原板1に付着した現像剤粒子を十分に除去できない可能性があるときに用いられる。例えば、現像プロセスを失敗した場合、原版1に付着している現像剤粒子の量が基準値を超えていることを条件に、転写プロセスに移行する前に、クリーニング装置100が動作されて原版1がクリーニングされる。つまり、クリーニング装置100は、クリーナ8(以下、代表して説明する)による通常のクリーニング動作とは別に原版1を別処理でクリーニングする場合に用いられる。
このクリーニング装置100による原版1のクリーニングを実行するか否かの判断は、例えば以下に説明する2通りの方法によってなされる。つまり、原版1に不所望に付着した現像剤粒子の量が一定基準を超えている場合にはクリーニング装置100を用いて原版1をクリーニングするモードが選択され、現像剤粒子の量が一定基準を下回る場合には通常通りクリーナ8を用いて原版1をクリーニングするモードが選択される。
例えば、原版1のパターン状の凹部14aを現像する現像剤粒子が蛍光体粒子である場合、クリーニングモードを選択するとき、ある特定のサンプルとなる凹部14a内に付着している蛍光体粒子に紫外光を照射してその励起光を検出し、予め検出した正常時の基準光量と比較することで蛍光体粒子の量が基準値を超えているか否かを判断できる。
或いは、サンプルとなる凹部14aの画像を検出して予め検出しておいた基準画像と比較することで凹部14aに付着している現像剤粒子の量が基準値を超えているか否かを判断できる。この場合、例えば図26に示すように、現像剤粒子が付着していない状態の凹部14aの画像からその開口の面積を基準値S1として予め算出しておき、モードを選択するときに、検出した画像から当該凹部14aに付着している現像剤粒子の占有面積S2を演算して基準値S1と比較することで現像剤粒子の付着の程度を判断できる。具体的には、上記のS1、S2が下式を満たす場合にはクリーニング装置100を用いることなくクリーナ8によるクリーニングモードが選択され、下式から外れた場合にクリーニング装置100によるクリーニングモードが選択される。
0.6<S2/S1<1.4
具体的には、クリーニング装置100を動作させるクリーニングモードが選択された場合、パターン形成装置10の図示しない制御部は、図示しない移動機構を動作させて、原版1をクリーニング装置100の上方のクリーニング位置に移動する。このとき、原版1の移動の邪魔になるクリーナ8、乾燥器4、除電器9、帯電器2などの各プロセスユニットは、原版1の移動経路から図示しない退避位置へ退避される。或いは、これらプロセスユニットは、原版1の移動とともに一体的に移動される。なお、ここでは、原版1をクリーニング位置へ移動させる移動機構や各プロセスユニットを退避させる退避機構については、図示およびその説明を省略する。
図27に示すように、クリーニング装置100は、図示のクリーニング位置に配置された原版1に向けて開口した液槽202を有する。本実施の形態では、クリーニング位置に配置された原版1の鉛直下方にクリーニング装置100が対向する位置関係となっているため、液槽202は鉛直上方に向けて(原版1に向けて)開口している。なお、液槽202は、原版1の軸方向(図11で紙面と垂直な方向)の全長を少なくとも超える長さを有し、原版1の曲率に合わせて開口の縁が湾曲されている。そして、開口の縁がクリーニング位置にある原版1の周面から一定ギャップ離間した位置関係で原版1がクリーニング位置に対向配置される。
液槽202の底には、液槽202内に後述するクリーニング液Lを流入させるための流入口202a、および液槽202内からクリーニング液Lを流出させる流出口202bが形成されている。流入口202a、および流出口202bは、原版1の軸方向に延びた細長いスリット状に形成され、液槽202内を流通するクリーニング液Lが原版1の周面に沿って一定方向(原版1の回転方向と逆方向)に流れるようになっている。また、流入口202a、および流出口202bは、軸方向に直径5mm〜10mm程度のパイプ、もしくはフレキシブルチューブを複数本、一定の間隔で配列させて接続し、流入側に配列したパイプ群から一定の流量で供給された液が、流出側に配列したパイプ群から順次排出されることにより、液槽202内で一定の液流が形成される構成でもよい(図示せず)。
すなわち、流入口202aには、図示しない配管およびバルブを介してクリーニング液Lを収容したタンクが接続されており、図示しないポンプを動作させることで制御可能な流量でタンク内のクリーニング液Lを液槽202へ供給できるようになっている。また、流出口202bには、図示しない配管を介して廃液タンクが接続されており、液槽202から排出されたクリーニング液Lを溜めるようになっている。なお、廃液タンクに回収した使用済のクリーニング液Lは、現像剤粒子が除去されて再使用に供されても良い。
また、液槽202内の周縁部近くには、複数の液漏れ防止ローラ204が配置されている。図27では、2つの液漏れ防止ローラ204を代表して図示したが、原版1の軸方向に沿った両端側の液槽202内にもそれぞれ同様の液漏れ防止ローラが設けられても良い。各液漏れ防止ローラ204は、クリーニング位置で回転する原版1の周面に対して一定の微小ギャップを介して対向する位置に位置決め配置されている。本実施の形態では、各液漏れ防止ローラ204を、ローラ径20[mm]の金属ローラとし、50[μm]±10[μm]程度のギャップを介して原版1の周面に対向させて位置決めした。
そして、各液漏れ防止ローラ204を図示矢印r方向に回転させることで、液槽202の縁と原版1の周面との間のギャップから漏れる可能性のあるクリーニング液に液槽202の内側に向かう流れを生じせしめ、スクイーズ効果によって液槽202からの液漏れを防止するようにした。言い換えると、各液漏れ防止ローラ204の回転方向rは、原版1との間の微小ギャップに介在するクリーニング液を液槽202の内側に送る方向に設定される。
また、液槽202の中央底部には、原版1との間で電界を形成するための電極206が固定的に取り付けられている。この電極206は、原版1の周面と略同じ曲率で原版1に向けて凹をなすように湾曲されており、ギャップ調整部材208を介して液槽202の底部に固設されている。本実施の形態では、電極206は、0.5[mm]の厚さを有するニッケル板の表面に5[μm]の厚さで金メッキを施して形成され、ギャップ調整部材208の厚さを調整することで原版1の周面との間のギャップを100[μm]±20[μm]程度に設定されている。なお、上述したように電極206を配置した液槽202内を流通するクリーニング液Lとしてはアイソパーなどが用いられる。
以下、上記構造のクリーニング装置100によるクリーニング動作について、図28乃至図30を参照して説明する。なお、ここでは、クリーニング装置100の要部の構造を部分的に拡大して示し、原版1の1つの凹部14aに着目して現像剤粒子のクリーニング動作を説明する。
原版1がクリーニング装置100に近接して対向する上述したクリーニング位置へ移動された後、クリーニング装置100の複数の液漏れ防止ローラ204を上述した方向に回転し、この状態で、図示しないポンプを動作させて流入口202aを介して液槽202内にクリーニング液Lを供給する。このとき、液槽202の流出口202bを介してクリーニング液Lを流出することなく、液槽202内にクリーニング液Lを充填し、原版1と電極206との間をクリーニング液Lで満たす。この状態を図28に示す。
そして、図28に示す状態で、図示しない電源装置を介して液槽202内に配置した電極206に−500[V]の電圧を印加し、凹部14aの底に配置した接地電位の金属フィルム12(導電部材)との間で電界を形成する。これにより、図28に示すように凹部14a内に保持されていた現像剤粒子(トナー粒子55)が図29に示すように電極206に吸着される。このとき、現像剤粒子は、凹部14aと電極206との間に満たされたクリーニング液Lを泳動して電極206に至る。
この後、図30に示すように、電極206に印加していた電圧をオフにして電界を消失させた状態で、原版1と電極206との間に介在されているクリーニング液Lを流通させ、電極206に吸着されていた現像剤粒子を流す。このとき、図示しないポンプが動作されて流入口202aを介してクリーニング液Lが予め決められた流量で液槽202内に供給され、凹部14aから除去した現像剤粒子を含むクリーニング液Lが流出口202bを介して流出される。
以上のように、本実施の形態のクリーニング装置100を用いると、現像プロセスを失敗した後や転写プロセスを失敗した後などのように比較的多量の現像剤粒子が原版1のパターン状の凹部14a内に残っているような場合であっても、原版1に保持されている現像剤粒子を確実にクリーニングでき、通常のクリーニング動作を担うクリーナ8と比較して多量の現像剤粒子を良好にクリーニングできる。例えば、原版1のパターン状の凹部14aを現像剤粒子で満杯にした状態で本実施の形態のクリーニング装置100を動作させたところ、クリーニング動作終了時点で凹部14aに残留していた現像剤粒子の量は、0.01[%]以下であった。
なお、上述した実施の形態では、クリーニング装置100によるクリーニング動作時において原版1とクリーニング装置100との相対的な移動については言及していないが、クリーニング動作時に図27に示すように原版1を矢印R方向に回転させても良く、回転させなくても良い。原版1を回転させる場合には、クリーニング装置100の液槽202に対向している原版1の周面の全ての領域において少なくとも1回は上述した電界を形成して消失させる必要がある。或いは、この場合、パルス状の電界を形成してクリーニング液Lを常時流すようにしても良い。
また、原版1を回転させない場合には、クリーニング装置100の液槽202が対向している原版周面の領域のクリーニングが終了した後、その領域に隣接する領域に液槽202が対向するように原版1を間欠的に回転させて複数回にわたってクリーニング動作を実施することになる。この場合、原版1を回転する距離は、クリーニングを実施する隣接する2つの領域が僅かにオーバーラップする距離に設定することが望ましい。
また、上述した実施の形態では、原版1のクリーニング手段としてクリーナ8とクリーニング装置100を併用した場合について説明したが、これに限らず、現像剤粒子の除去能力が高いクリーニング装置100だけを用いても良い。
さらに、上述した実施の形態では、クリーニング装置100によるクリーニング動作を実施する際に、原版1をクリーニング位置に移動させてクリーニング装置100の上方に配置するようにしたが、クリーニング装置100の配置位置はこれに限るものではなく、液槽202の縁部と原版周面との間の液漏れを確実に防止できれば、現像位置に配置されている原版1の周面にクリーニング装置100を配置することも可能である。
図31には、液漏れ防止機能をより高めたこの発明の第2の実施の形態に係るクリーニング装置210の概略図を示してある。このクリーニング装置210は、必ずしも図示のように開口を上方に向けた姿勢で液槽202を配置する必要はなく、原版1に対していかなる姿勢で対向させることも可能である。
このクリーニング装置210は、上述した液漏れ防止ローラ204の代わりに液漏れを防止するためのゴムパッキン212を有する以外、上述した第1の実施の形態のクリーニング装置100と略同じ構造を有する。従って、同様に機能する構成要素については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、ここでは、電極206と原版周面との間のギャップを適正値に調整するためのギャップ調整部材208の図示を省略してある。
このクリーニング装置210を用いる場合、原版1をクリーニング位置に移動させた図示の状態でゴムパッキン212の端部が原版1の周面に当接する位置関係が保たれる。この位置関係は、原版1に対するクリーニング装置210の配置状態が変更された場合も維持される。
この状態で、上述した第1の実施の形態と同様に、液槽202内にクリーニング液Lが満たされて原版1と電極206との間で電界が形成され、原版1の凹部14aに付着していた現像剤粒子が電極206に吸着される。そして、電界を消失せしめた後、クリーニング液Lを液槽202内で流通させ、現像剤粒子を含むクリーニング液Lがクリーニング装置210から流出される。
以上のように、本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態のクリーニング装置100と同様に、原版1に残留した比較的多量の現像剤粒子を良好にクリーニングでき、解像度の高い高精細なパターンを形成できる。特に、本実施の形態のクリーニング装置210を用いる場合、原版1とクリーニング装置210を相対的に移動させることがないため、凹部14aに在留した現像剤粒子が乾燥して固着してしまっているような場合に有効に機能する。
例えば、原版1とクリーニング装置210の電極206との間に電界を形成する前に、両者の間を満たしたクリーニング液Lを流通させて凹部14a内の現像剤粒子を時間をかけて良好に濡らすことで、凹部14aから剥離し易くできる。この結果、乾燥した現像剤粒子であっても、良好にクリーニングできる。
図32には、この発明の第3の実施の形態に係るクリーニング装置220の概略図を示してある。このクリーニング装置220は、各液漏れ防止ローラ204の外側に原版1の周面に当接するブレード222を備え、且つ液槽202を2重構造とした以外、上述した第1の実施の形態のクリーニング装置100と略同様の構造を有するため、同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、ブレード222は、JISA硬度30〜90程度の樹脂により形成されている。
流入口202aを介して液槽202’内に流入されたクリーニング液Lは、概ね枠状の隔壁224で区画された内側領域に流入され、この内側領域のさらに内側に配置された複数の液漏れ防止ローラ204によるスクイーズ効果によって原版1の周面と電極206との間を満たされる。この後、上述した第1の実施の形態と同様に、原版1と電極206との間で電界が形成されて消失され、電極206に吸着された現像剤粒子がクリーニング液Lの流れによって流出口202bを介してクリーニング装置220から流出される。
このとき、液漏れ防止ローラ204と原版1の周面との間のギャップを介して上述した内側領域を満たしたクリーニング液Lが外側に漏れる可能性があるが、このようにして漏れたクリーニング液Lは、ブレード222によって掻き取られる。ブレード222によって原版1の周面から掻き取られたクリーニング液Lは、液槽202’の外側の環状の領域に回収され、廃液管226を介して排出される。
以上のように、本実施の形態においても上述した第1の実施の形態のクリーニング装置100と同様の効果を奏することができるとともに、クリーニング装置100と比較して液漏れの可能性を低くできる。
図33には、この発明の第4の実施の形態に係るクリーニング装置230の概略図を示してある。このクリーニング装置230は、原版1の回転方向Rに沿って、上述したクリーニング装置100の上流側にプリウェット装置としてのノズル232を配置し、且つ回転方向Rに沿ってクリーニング装置100の下流側に除去装置234を配置した構造を有する。
ノズル232は、クリーニング装置100に対向する前の原版1の周面の領域を予めクリーニング液で濡らすように、原版1の周面にクリーニング液を供給する。このノズル232として、上述したクリーナ8の2流体ノズルを採用しても良い。このように、クリーニング装置100が対向する前の領域を予めクリーニング液で濡らすことで、原版1の凹部14aに付着している現像剤粒子を剥離し易くでき、良好なクリーニングを実施できる。
また、除去装置234は、クリーニング装置100を通過した原版1の周面に残留しているクリーニング液を除去するように機能する。除去装置234は、原版1の周面にブレード236を当接させて当外周面に残留しているクリーニング液を掻き取り、掻き取ったクリーニング液を容器238で回収する。なお、ブレード236は、JISA硬度30〜90程度の樹脂により形成されていることが望ましく、本実施の形態では、JISA硬度60の樹脂により形成されている。
図34には、この発明の第5の実施の形態に係るクリーニング装置240の概略図を示してある。このクリーニング装置240は、原版1の回転方向Rに沿ってクリーニング装置100の下流側に、上述した除去装置234の代わりに除去装置242を有する点で第4の実施の形態のクリーニング装置230と異なる構造を有する。
除去装置242は、上述した除去装置234と同様に、クリーニング装置100を通過した原版1の周面に残留しているクリーニング液を除去するように機能する。除去装置242は、原版1の周面に接触して原版1の回転方向Rと逆方向に回転することで周面に付着したクリーニング液を回収するスポンジローラ244、スポンジローラ244の周面からクリーニング液などの汚れを掻き取るスクレーパ246、およびスクレーパ246によって掻き取った付着物を回収する容器248を有する。
スポンジローラ244は、平均気孔径が20[μm]〜400[μm]程度の気泡を有するスポンジ層を有し、原版1の周面に残ったクリーニング液を付着させて回収する。本実施の形態では、平均気孔径が200[μm]程度のウレタン系のスポンジローラ244を用いた。スクレーパ246は、金属板により形成されている。
このクリーニング装置240においても上述した第4の実施の形態のクリーニング装置230と同様の効果を奏することができ、原版1の凹部14aに残った現像剤粒子をより確実に回収できる。つまり、スポンジローラ244が原版1の凹部14aの形状にならって弾性変形することで凹部14aの形状に追従でき、多数の気泡によってクリーニング液を吸引する作用もある。
図35には、この発明の第6の実施の形態に係るクリーニング装置250の概略図を示してある。また、図36には、このクリーニング装置250の各構成部材に付与する電圧を説明するための図を示してある。このクリーニング装置250は、原版1の回転方向Rに沿ってクリーニング装置100の下流側に、上述した除去装置234の代わりに除去装置252を有する点で上述した第4の実施の形態のクリーニング装置230と異なる構造を有する。
図35に示すように、除去装置252は、上述した除去装置234と同様に、クリーニング装置100を通過した原版1の周面に残留しているクリーニング液を除去するように機能する。除去装置252は、中空パイプ253の外側に平均気泡径70μmの連泡を有する厚さ7[mm]程度のウレタン系スポンジ層254を形成したスポンジローラ255を有する。このスポンジローラ255は、スポンジ層254の周面が原版1の周面に接触するように位置決めされて配置され、原版1の回転方向Rと逆方向に回転する。
スポンジ層254は、JIS−C硬度が30程度で、体積抵抗率が10[Ω・cm]〜1011[Ω・cm]、本実施の形態では10[Ω・cm]で、且つ平均気泡径が20[μm]〜200[μm]、本実施の形態では70[μm]の材料により形成されており、中空パイプ253に接続した図示しない吸引ポンプを動作させることでその周面に負圧を生じせしめるようになっている。つまり、スポンジローラ255によって原版1から回収されたクリーニング液は、概ね中空パイプ253を介して回収される。
そして、スポンジローラ255の周面に僅かに残ったクリーニング液(現像剤粒子を含む)がスポンジローラ255に転接したクリーニングローラ256によって除去される。クリーニングローラ256は、アルミニウム製の中空パイプの表面に陽極酸化処理によって厚さ6[μm]程度のアルマイト層を形成して構成されている。
さらに、クリーニングローラ256の周面に付着された付着物は、ブレード257によって掻き取られて容器258で回収される。ブレード257は、JIS−A硬度80程度で、300%モデュラス300kgf/cmの厚さ1[mm]のウレタン系ゴムにより形成されている。
図36に示すように、上述した除去装置252の各構成部材には、適切な電圧が印加される。つまり、原版1の図示しない金属フィルムが接地され、電源装置262を介してスポンジローラ255に−300[V]の電圧が印加され、電源装置264を介してクリーニングローラ256に−500[V]の電圧が印加される。このように、現像剤粒子の移動方向に沿って徐々に電位が低くなるように各構成部材に電圧を印加することで、原版1に残った現像剤粒子を電気的に効果的に移動させることができ、現像剤粒子の除去効率をさらに高めることができる。
図37には、この発明の第11の実施の形態に係るクリーナ60の概略図を示してある。クリーナ60は、原版1の表面に向けて開口したケース61を有する。このケース61は、原版1から除去した現像剤粒子を含むクリーニング液を回収する容器としても機能する。
ケース61内には、2系統のノズル62、63、これらノズルを原版1の回転方向Rに沿って図中上下に挟む位置に配置された2本の液遮蔽ローラ64、64、これら2本のローラのさらに外側に配置された2枚の液遮蔽板65、65、これらの構成要素62〜65より原版1の回転方向に沿って下流側に配置された吸引スポンジローラ66、クリーニングローラ67、およびブレード68が設けられている。
図中上方に配置された一方の系統のノズル62は、原版1の回転方向(図中矢印R方向)に向けて図中上方に傾斜して配置されており、その先端がケース61の開口を介して原版1の表面に対向するよう位置決めされている。また、他方の系統のノズル63は、原版1の回転方向Rに対して図中下方に傾斜して配置されており、その先端がケース61の開口を介して原版1の表面に対向するよう位置決めされている。
さらに、各系統のノズル62、63は、原版1の回転方向Rを横切る原版1の軸方向に沿ってここでは図示しない複数本のノズルをそれぞれ備えている。これら複数本のノズルは、原版1の軸方向にも傾斜して配置されている。なお、複数本のノズルの基端部には、液供給パイプが接続されており、この液供給パイプを介してクリーニング液を供給して各ノズルの先端から原版1に吹き付けるようになっている。
2系統のノズル62、63を上下に挟む位置に配置された2本の液遮蔽ローラ64は、シャフトにウレタン系ゴムを巻き付けた構造を有し、それぞれ、原版1の軸方向長さを少なくとも超える長さを有し、その周面がケース61の開口を介して原版1の表面に接触するよう位置決めされている。そして、各液遮蔽ローラ64は、原版1の回転に対して連れ回り、ノズル62、63から吹き付けられるクリーニング液の飛び散りを防止するよう機能する。
また、2本の液遮蔽ローラ64のさらに外側に配置された2枚の液遮蔽板65も、原版1の軸方向長さを少なくとも超える長さを有し、液遮蔽ローラ64によって遮蔽しきれなかった飛散したクリーニング液を遮蔽するよう機能する。これら液遮蔽板65は、アクリル系樹脂により形成され、それぞれ、原版1の表面に対して僅かなギャップを介して離間した位置に配置されている。
これら液遮蔽ローラ64、および液遮蔽板65を設けることにより、ノズル62、63を介して吹き付けたクリーニング液が原版1の他の領域に飛び散って原版1を汚染することを防止できる。
吸引スポンジローラ66は、原版1の軸方向長さを少なくとも超える長さを有し、ケース61の開口を介してその外周面が原版1の表面に接触するよう位置決め配置されている。この吸引スポンジローラ66は、原版1の回転方向Rと逆方向に回転し、その外周面を原版1の表面に摺接せしめる。
吸引スポンジローラ66の外周面には、クリーニングロー67の外周面が転接されている。また、クリーニングローラ67の外周面には、ブレード68の先端が当接して配置されている。
より詳細には、各系統のノズル62、63は、高圧で液体を噴射する複数本の1流体ノズルをそれぞれ原版1の軸方向に並設して構成されており、各ノズルがクリーニング液を一定圧力で原版1の表面に向けて噴射するようになっている。本実施の形態では、クリーニング液として、液体現像剤を構成する絶縁性液体を用いた。このように、液体現像剤を構成する溶媒をクリーニング液として利用することで、原版1の凹部14a内にクリーニング液が残留した場合にプロセスに支障をきたすことがない。言い換えると、クリーニング液としては、原版1に残留した場合にプロセスに影響を及ぼすことのない液体を選択する必要がある。
各ノズルから高圧で噴射されるクリーニング液は、拡散し、原版1の回転方向および軸方向に対して傾斜した方向から吹き付けられる。これにより、原版1の多数の矩形の凹部14aに対して傾斜した方向からクリーニング液を吹き付けることが可能となり、特に凹部14aの角部に付着したトナー粒子55を確実に剥離させることができる。
吸引スポンジローラ66は、中空なシャフト66aの周囲にスポンジ層66bを設けて構成されている。本実施の形態では、スポンジ層66bは、JIS−C硬度が50程度で、体積抵抗率が10[Ω・cm]で、且つ平均気泡径が50[μm]の連泡を有する導電性ウレタン材料により形成されている。
また、シャフト66aのスポンジ層66bに対向する部位には図示しない多数の吸気孔が設けられている。しかして、シャフト66aに接続された吸引ポンプ69によってシャフト66aの多数の吸気孔から空気を吸引すると、スポンジ層66bの表面に負圧が生じ、スポンジ層66bにトナー粒子55を含むクリーニング液が吸引されるようになっている。
吸引ポンプ69によって吸引されたクリーニング液は、図示しない液回収パイプを通って図示しない廃液タンクに回収される。廃液タンクに回収した使用済のクリーニング液は、現像剤粒子が除去されて再使用に供されても良い。
さらに、吸引されずにスポンジ層66bの表面に残ったトナー粒子55は、吸引スポンジローラ66と逆方向(図中矢印方向)に回転するクリーニングローラ67によって除去される。本実施の形態では、クリーニングローラ67は、アルミニウム製の中空パイプの表面に陽極酸化処理によって厚さ6[μm]程度のアルマイト層を形成して構成されている。
そして、クリーニングローラ67の表面に付着したトナー粒子55は、ブレード68によって掻き落とされる。本実施の形態では、ブレード68は、JIS−A硬度75程度で、300[%]モデュラス300[kgf/cm]の厚さ2[mm]のウレタン系ゴムにより形成されている。
つまり、上述した吸引スポンジローラ66の表面は、クリーニングローラ67およびブレード68によって、常に清浄な状態に維持されて、原版1のクリーニング性能を高められている。
なお、上述した吸引スポンジローラ66とクリーニングローラ67には、適切な電圧が印加されている。つまり、原版1の金属フィルムが接地され、吸引スポンジローラ66に−300[V]の電圧が印加され、クリーニングローラ67に−500[V]の電圧が印加される。このように、現像剤粒子の移動方向に沿って徐々に電位が低くなるように各構成部材に電圧を印加することで、原版1に残った現像剤粒子を電気的に効果的に移動させることができ、現像剤粒子の除去効率をさらに高めることができる。
次に、この発明の第7の実施の形態に係るクリーニング装置300について詳細に説明する。なお、図38には、このクリーニング装置300の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。
このクリーニング装置300は、例えば、各色のパターン像の現像を失敗して原版1の凹部14aに比較的多量の現像剤粒子が付着している場合、或いは各色のパターン像の転写を失敗して凹部14aに比較的多量の現像剤粒子が付着している場合など、通常より多量の現像剤粒子を原版1から除去する必要がある場合に用いられる。言い換えると、上述したクリーナ8(代表して説明する)では原板1に付着した現像剤粒子を十分に除去できない可能性があるときに用いられる。なお、原版1に残留した現像剤粒子の量は、図1に示した検出器11で検出することができる。
例えば、現像プロセスを失敗した場合、パターン形成装置10の制御部90(図38参照)は、検出器11を介して、原版1に付着している現像剤粒子の量を検出し、この残留した現像剤粒子の量が基準値を超えていることを判断した場合、転写プロセスに移行する前に、クリーニング装置100のコントローラ91(制御装置)にコマンドを送信して原版1をクリーニングするモードを選択する。つまり、クリーニング装置100は、クリーナ8による通常のクリーニング動作とは別に原版1を別処理でクリーニングする場合に用いられる。なお、検出器11、制御部90、およびコントローラ91は、この発明の検出装置として機能する。
このクリーニング装置300による原版1のクリーニングを実行するか否かの判断は、制御部90によって、例えば以下に説明する2通りの方法によってなされる。つまり、原版1に不所望に付着した現像剤粒子の量が一定基準を超えている場合にはクリーニング装置300を用いて原版1をクリーニングするモードが選択され、現像剤粒子の量が一定基準を下回る場合には通常通りクリーナ8を用いて原版1をクリーニングするモードが選択される。
例えば、原版1のパターン状の凹部14aを現像する現像剤粒子が蛍光体粒子である場合、制御部90は、検出器11を介して、ある特定のサンプルとなる凹部14a内に付着している蛍光体粒子に紫外光を照射してその励起光を検出する。そして、制御部90は、予め検出器11を介して検出した正常時の基準光量と検出した励起光の光量とを比較することで、原版1に残留した蛍光体粒子の量が基準値を超えているか否かを判断する。
或いは、制御部90は、検出器11の図示しないカメラ等を介して、サンプルとなる凹部14aの画像を検出し、予め検出しておいた基準画像と比較することで凹部14aに付着している現像剤粒子の量が基準値を超えているか否かを判断する。この場合、例えば図39に示すように、現像剤粒子が付着していない状態の凹部14aの画像からその開口の面積を基準値S1(図39a)として予め算出しておき、モードを選択するときに、検出した画像から当該凹部14aに付着している現像剤粒子の占有面積S2(図39b)を演算して基準値S1と比較することで現像剤粒子の付着の程度を判断できる。具体的には、上記のS1、S2が下式を満たす場合にはクリーニング装置300を用いることなくクリーナ8によるクリーニングモードが選択され、下式から外れた場合にクリーニング装置300によるクリーニングモードが選択される。
0.6<S2/S1<1.4
つまり、パターン形成装置10の制御部90によってクリーニングモードが選択された場合、制御部90は、図示しない移動機構を動作させて、原版1をクリーニング装置300の上方のクリーニング位置に移動する。このとき、原版1の移動の邪魔になるクリーナ8、乾燥器4、除電器9、帯電器2などの各プロセスユニットは、原版1の移動経路から図示しない退避位置へ退避される。或いは、これらプロセスユニットは、原版1の移動とともに一体的に移動される。なお、ここでは、原版1をクリーニング位置へ移動させる移動機構や各プロセスユニットを退避させる退避機構については、図示およびその説明を省略する。
さらに、パターン形成装置10の動作不良や緊急停止時には、付着した現像剤粒子が一定基準を超えて長時間、原版1上に留まっていることがあり、このような場合、粘着性を有する現像剤の性質上、通常のクリーニングモードではクリーニング出来ないことがある。このような状況に対応するため、制御部90には現像工程後、或いは、転写工程後から、クリーニング動作に移るまでの時間をカウントする機構を備え(図示せず)、一定基準時間を越えた場合、或いは緊急停止状態から復帰した時点で、クリーニング装置300を用いて原版1をクリーニングするモードが選択される設定を具備してもよい。
ここで、本実施の形態のクリーニング装置300の構成について説明する。
図40に示すように、クリーニング装置300は、図示のクリーニング位置に配置された原版1に向けて開口した液槽302を有する。本実施の形態では、クリーニング位置に配置された原版1の鉛直下方にクリーニング装置300が対向する位置関係となっているため、液槽302は鉛直上方に向けて(原版1に向けて)開口している。なお、液槽302は、原版1の軸方向(図40で紙面と垂直な方向)の全長を少なくとも超える長さを有し、原版1の曲率に合わせて開口の縁が湾曲されている。そして、開口の縁がクリーニング位置にある原版1の周面から一定ギャップ離間した位置関係で原版1がクリーニング位置に対向配置される。
液槽302は、原版1の回転方向Rに沿って内側の槽と外側の2槽の合計3槽に簡易的に分けられている。液槽302の内槽302aの底には、液槽302内に後述するクリーニング液Lを流入させるための流入口303、および内槽302a内からクリーニング液Lを流出させる流出口304が形成されている。流入口303、および流出口304は、原版1の軸方向に延びた細長いスリット状に形成され、液槽302内を流通するクリーニング液Lが原版1の周面に沿って一定方向(原版1の回転方向と逆方向)に流れるようになっている。
すなわち、流入口303には、図示しない配管およびバルブ92(図38参照)を介してクリーニング液Lを収容したタンクが接続されており、ポンプ93(図38)を動作させることで制御可能な流量でタンク内のクリーニング液Lを内槽302aへ供給できるようになっている。また、流出口304には、図示しない配管を介して廃液タンクが接続されており、内槽302aから排出されたクリーニング液Lを溜めるようになっている。なお、廃液タンクに回収した使用済のクリーニング液Lは、現像剤粒子が除去されて再使用に供されても良い。
また、内槽302aの周縁部近くには、複数の液漏れ防止ローラ305が配置されている。図40で図示した2本の液漏れ防止ローラ305は、内槽302aと外槽302bを区画する壁部302cに略接触するように2つの外槽302b内にそれぞれ収容配置されている。図40では、2つの液漏れ防止ローラ305を図示したが、原版1の軸方向に沿った両端側にもそれぞれ液漏れ防止用のアクリル板などを用いた液遮蔽板が設けられても良い。
各液漏れ防止ローラ305は、クリーニング位置で回転する原版1の周面に対して一定の微小ギャップを介して対向する位置に位置決め配置されている。本実施の形態では、各液漏れ防止ローラ305を、ローラ径20[mm]の金属ローラとし、50[μm]±10[μm]程度のギャップを介して原版1の周面に対向させて位置決めした。
そして、モータ94(図38参照)を回転させて各液漏れ防止ローラ305を図示矢印r方向に回転させることで、内槽302aの縁にある壁部302cと原版1の周面との間のギャップから外槽302bへと漏れる可能性のあるクリーニング液Lに内槽302aの内側に向かう流れを生じせしめ、スクイーズ効果によって内槽302aから外槽302bへの液漏れを防止するようにした。言い換えると、各液漏れ防止ローラ305の回転方向rは、原版1との間の微小ギャップに介在するクリーニング液を内槽302aの内側に送る方向に設定される。なお、上述したようにクリーニング装置300内を流れるクリーニング液Lとしてはアイソパーなどが用いられる。また、上述した各構成要素302、303、304、305、92、93、94は、この発明の液流装置として機能する。
液槽302の外側であって底面略中央には、原版1に保持されている現像剤粒子に作用せしめる超音波を発生させるための複数の圧電素子306が並べて取り付けられている。これら圧電素子306は、それぞれ、直径45[mm]、高さ60[mm]の略円柱形の導電性材料により形成されたケース内に圧電体を収容配置して構成され、内槽302aの略全面をカバーするように並設されている。複数の圧電素子306は、図38に示すように、電源装置95に接続され、コントローラ91の制御によって、所望する周波数および印加電圧を有する超音波を発生させるこの発明の超音波装置として機能する。なお、原版1に対向する内槽302aの底部は、超音波の減衰を防ぐために、金属板などの導電性部材で構成されているのが望ましい。
複数の圧電素子306から発生された超音波は、原版1の表面との間の微小ギャップを満たしたクリーニング液Lを通る超音波揺動場を生じせしめ、原版1の凹部14aに充填されたトナー粒子55間にクリーニング液Lを短時間で効果的に浸透させる。これにより、比較的多量のトナー粒子55が凹部14a内に残留し且つ時間が経って固着したような場合であっても、凹部14aの角部までクリーニング液Lを迅速且つ十分に浸透させることができ、トナー粒子55を素早くふやかした状態とすることができ、クリーニング液Lを流すことで、凹部14aからトナー粒子55を容易且つ確実に剥離することができる。
以下、上記構造のクリーニング装置300によるクリーニング動作について、図41に示すフローチャートとともに、図42乃至図44に示す動作説明図を参照して説明する。なお、ここでは、クリーニング装置300の要部の構造を部分的に拡大して示し、原版1の1つの凹部14aに着目して現像剤粒子のクリーニング動作を説明する。
パターン形成装置10の制御部90でクリーニング装置300によるクリーニングモードが選択されると(ステップ1;YES)、原版1がクリーニング装置300に近接して対向する上述したクリーニング位置へ移動される(ステップ2)。このとき、制御部90は、検出器11を介して原版1に残留しているトナー粒子55の量を検出し、予め設定したしきい値と比較して動作モードを選択する。
この後、クリーニング装置300のコントローラ91は、複数の液漏れ防止ローラ304を上述した方向に回転し(ステップ3)、バルブ92を開いてポンプ93を動作させ、流入口303を介して液槽302内にクリーニング液Lを供給する。このとき、液槽302の流出口304を介してクリーニング液Lを流出することなく、液槽302内にクリーニング液Lを充填し、液槽302をクリーニング液Lで満たす(ステップ4)。この状態を図42に示す。
そして、コントローラ91は、ステップ4で原版1の表面をクリーニング液Lで満たした状態で、電源装置95を制御して複数の圧電素子306に1[KW]程度の電力を供給し、45[KHz]程度の超音波揺動場をクリーニング液L中に発生させる(ステップ5)。このとき、発生させる超音波の周波数、印加電圧、および印加時間は、コントローラ91が電源装置95を制御することで任意に変更でき、検出器11を介して検出される残留トナー粒子の量や経過時間などに応じて所望する値に設定することができる。
ステップ5で超音波が発生されると、図43に示すように、原版1の凹部14a内にクリーニング液Lが良好に浸透し、凹部14aからトナー粒子55が剥がれ落ちる。つまり、超音波の影響により、凹部14a内で固着したトナー粒子55間にクリーニング液Lが効果的且つ短時間で浸入するとともに、液中でトナー粒子55に強制振動が加えられることにより、図43に示すようにクリーニング液L中にトナー粒子55が浮遊する状態となる。
この状態で、コントローラ91は、ポンプ93を動作させて予め決められた流量でクリーニング液Lを液槽302内で流通させ、液槽302内のクリーニング液Lとともに凹部14aから剥がれ落ちてクリーニング液L中を浮遊しているトナー粒子55を流出口304を介して流出させる(ステップ6)。この状態を図44に示す。以上の動作により原版1に保持されたトナー粒子55がクリーニングされる。
なお、ステップ6でクリーニング液Lを流すとき、圧電素子306によって発生される超音波揺動場は消失させた状態としてもよいが、残留トナー55をより効率よく凹部14aから除去するためには、超音波揺動場が形成された状態を保持したままクリーニング液Lを流すことが望ましい。
以上のように、本実施の形態のクリーニング装置300を用いると、現像プロセスを失敗した後や転写プロセスを失敗した後などのように比較的多量の現像剤粒子が原版1のパターン状の凹部14a内に残って固着しているような場合であっても、原版1に保持されている現像剤粒子を確実且つ迅速にクリーニングできる。このため、本実施の形態のクリーニング装置300をパターン形成装置10に組み込むことで、解像度の高い高精細なパターンを安定して形成できる。
また、本実施の形態のクリーニング装置300によると、通常のクリーニング動作を担うクリーナ8と比較して多量の現像剤粒子を良好にクリーニングできる。例えば、原版1のパターン状の凹部14aを現像剤粒子で満杯にした状態で本実施の形態のクリーニング装置300を動作させたところ、クリーニング動作終了時点で凹部14aに残留していた現像剤粒子の量は、0.01[%]以下であった。特に、本実施の形態のクリーニング装置300は、時間が経過して凹部14a内に残留した現像剤粒子が固着してしまった場合に有効であり、超音波の影響により現像剤粒子をふやかして剥離することができる。
ここで、図45乃至図47を参照して、本実施の形態のクリーニング装置300のように超音波を用いた場合におけるトナー粒子55の洗浄効果についてさらに詳しく考察する。図45には、超音波の周波数と洗浄指数との関係をグラフにして示してある。また、図46には、洗浄指数の計算方法について説明するための図を示してある。さらに、図47には、超音波の周波数と原版1へのダメージとの関係を調べた結果を表にして示してある。
図45に示す例では、原版1の凹部14a内にトナー粒子55を充填したサンプルを用意し、且つ溶媒54を蒸発させて乾燥させた過酷な条件を作り、印加する超音波の周波数を変えて原版1を洗浄した各場合における凹部14aの洗浄指数S3を測定した。なお、ここでは、凹部14aに充填するトナー粒子55として、粒径が2〜10[μm]の分布を持つA粒子と、粒径が1[μm]以下のB粒子を用意し、それぞれの粒子について洗浄指数S3を測定した。
洗浄指数S3とは、凹部14aの洗浄状態を表す数値であり、本実施の形態では、図46に示すように、トナー粒子55が全く付着していない凹部14aの開口面積をS1とし、洗浄後に検出器11で検出した凹部14aにトナー粒子55が残留した領域の面積をS2とした場合、S3=1−(S2/S1)と定義した。なお、図46には、洗浄指数S3が0.8の場合を例示してある。
洗浄指数S3の測定に際し、上述したように、用意した原版1の表面をクリーニング液Lで満たし、この状態で20秒間圧電素子306を動作させて種々の周波数を有する超音波を印加し、クリーニング液Lを流した後、検出器11を介して原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55の面積S2を検出した。そして、予め測定した凹部14aの開口面積S1を用いて、A粒子、B粒子それぞれについて、超音波の周波数を変えた場合における洗浄指数S3を算出した。なお、洗浄指数S3が0.95を超えている場合に次工程のパターン形成に影響が出ないことを確認した。
図45にその結果を示すように、A粒子については超音波の周波数を100[KHz]以下にした場合に洗浄指数S3が0.95を超える良好な数値を示すことがわかり、B粒子については超音波の周波数を200[KHz]以下にした場合に洗浄指数S3が0.95を超える良好な数値を示すことがわかった。つまり、A粒子、B粒子ともに、特定の周波数以下の超音波を印加した場合に、次工程に対する影響を許容しうる良好な洗浄を実施できることがわかった。
なお、超音波の周波数と原版1に対するダメージとの関係を調べたところ、図47に示すように、超音波の周波数帯域によっては原版1に対するダメージが深刻なものになる可能性があることがわかった。このため、上述した各粒子に対する洗浄時に適切な超音波の周波数として、この深刻なダメージを与える可能性のある周波数帯域は除外すべきである。すなわち、A粒子に対する適切な周波数は、28[KHz]〜100[KHz]、より好ましくは40[KHz]〜100[KHz]ということが言え、B粒子に対する適切な周波数は、28[KHz]〜200[KHz]、より好ましくは40[KHz]〜200[KHz]ということが言える。
以上のように、現像剤粒子のクリーニングに超音波を用いる場合、粒子径に応じた最適な超音波の周波数の範囲があり、この範囲内で現像剤粒子に超音波を印加することで、良好なクリーニングが可能となることが分かった。
なお、上述した実施の形態では、原版1に残留した現像剤粒子に対して特定の周波数を有する超音波を印加する場合について説明したが、これに限らず、周波数の異なる複数種の超音波を組み合わせて印加することもできる。この場合、例えば、28[KHz]、40[KHz]、75[KHz]の3種類の超音波を同時に印加することで、位置による揺動場の強弱の差を小さくでき、原版1の全面にわたって均一なクリーニングを実施することができる。
また、印加する超音波の周波数を時間的に変化させることもできる。例えば、上述した粒径が比較的大きいA粒子に対するクリーニング時において、超音波を印加する初期段階で28[KHz]程度の周波数として現像剤粒子に加わる揺動力を大きくして洗浄効率を向上させ、その後、適当なタイミングで周波数を45[KHz]程度に切り替えることで原版1へのダメージを低減させるようにしても良い。
また、超音波を印加するパワーを時間的に変化させることもできる。例えば、上述したA粒子に対するクリーニング時において、超音波を印加する初期段階で比較的大きな電圧を圧電素子306に印加して現像剤粒子に加わる揺動力を大きくし、その後、適当なタイミングで印加電圧を下げることで、原版1に対するダメージ低減と、洗浄効率の向上を図ることができる。
また、上述した実施の形態では、原版1をクリーナ8でクリーニングした後に検出器11で残留した現像剤の量を検出してクリーニング装置300を1回だけ動作させる場合について説明したが、クリーニング装置300を1回動作させた後、原版1に残留した現像剤の量を再度検出し、洗浄指数S3が0.95未満である場合には、次のパターン形成を行わずに、もう一度クリーニング装置300によるクリーニングを実施するようにしても良い。この場合、1回目のクリーニング動作と2回目のクリーニング動作を同じ条件で実施することもできるが、例えば、2回目のクリーニング動作時には、1回目のクリーニング動作時より、超音波の印加時間を延長したり、圧電素子306に印加する電圧を上げたりしても良い。また、洗浄指数S3に応じて超音波の印加時間や印加電圧を任意に変更するようプログラムしても良い。
ところで、上述した実施の形態では、クリーニング装置300によるクリーニング動作時において原版1とクリーニング装置300との相対的な移動については言及していないが、クリーニング動作時に図40に矢印Rとして示すように原版1を回転させても良く、回転させなくても良い。原版1を回転させる場合には、クリーニング装置300の液槽302に対向している原版1の周面の全ての領域において少なくとも1回は上述した超音波を与える必要がある。また、この場合、クリーニング液Lを常に流しながら超音波を与え続けても良い。
また、原版1を回転させない場合には、クリーニング装置300の液槽302が対向している原版周面の領域のクリーニングが終了した後、その領域に隣接する領域に液槽302が対向するように原版1を間欠的に回転させて複数回にわたってクリーニング動作を実施することになる。この場合、原版1を回転する距離は、クリーニングを実施する隣接する2つの領域が僅かにオーバーラップする距離に設定することが望ましい。
また、上述した実施の形態では、原版1のクリーニング手段としてクリーナ8とクリーニング装置300を併用した場合について説明したが、これに限らず、図48に示すように、クリーナ8をパターン形成装置10の構成要素から外して、現像剤粒子の除去能力が高いクリーニング装置300だけを用いるようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、クリーニング装置300によるクリーニング動作を実施する際に、原版1をクリーニング位置に移動させてクリーニング装置300の上方に配置するようにしたが、クリーニング装置300の配置位置はこれに限るものではなく、液槽302の縁部と原版周面との間の液漏れを確実に防止できれば、現像位置に配置されている原版1の周面にクリーニング装置300を配置することも可能である。つまり、液槽302は、必ずしも開口を上方に向けた姿勢で配置する必要はなく、例えば、上述した液漏れ防止ローラ305の代わりに液漏れを防止するためのゴムパッキン(図示せず)などを用いることで、液漏れ防止機構をより高めることで、クリーナ8の位置にクリーニング装置300を配置することもできる。
さらに、上述した実施の形態では、原版1をクリーニング装置300の開口に近接対向させた後で、液槽302内にクリーニング液Lを供給して原版1の表面をクリーニング液Lで満たすようにしたが、この前の段階で、原版1の表面をクリーニング液Lによって予め濡らしておく方法も考えられる。これにより、原版1に保持されている現像剤粒子が経時的に固まって乾いているような場合であっても、現像剤粒子を予め濡らすことでふやかすことができ、現像剤粒子をさらに効率良く除去できる。
次に、この発明の第8の実施の形態に係るクリーニング装置310について、図49および図50を参照して説明する。図49にはクリーニング装置310の概略構造を示してあり、図50にはクリーニング装置310の制御系のブロック図を示してある。このクリーニング装置310は、液槽302の底に残留トナー転写電極311(以下、単に転写電極311と称する)を有する以外、上述した第7の実施の形態に係るクリーニング装置300と略同じ構造を有するため、ここでは同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
転写電極311は、液槽302の底部で複数の圧電素子306と原版1との間に配置され、液槽302の底部の略全面をカバーする大きさを有する。また、転写電極311は、原版1の曲率に合わせて原版1に向けて凹をなすように湾曲されている。本実施の形態では、転写電極311は、概ね0.5[mm]の厚さを有するニッケル板の表面に5[μm]の厚さで金メッキを施して形成され、原版1の周面との間のギャップを100[μm]±20[μm]程度に設定されている。なお、前述のように、内槽302aの底部は超音波の減衰を防ぐために金属板などの導電性部材で構成されているのが望ましいが、転写電極311は、絶縁性接着剤などを介して内槽302aの底部に固定(詳細図示せず)されており、転写電極311と内槽302aとは電気的に絶縁されていることはいうまでもない。
また、転写電極311には、図50に示すように、電源装置312が接続されている。しかして、本実施の形態では、電源装置312を介して転写電極311に例えば−500[V]の電圧を印加し、凹部14aの底に配置した接地電位の金属フィルム12(ここでは図示せず)との間で電界を形成するようにした。
以下、上記構造のクリーニング装置310による動作について、図51に示すフローチャートとともに図52乃至図56に示す動作説明図を参照しつつ説明する。なお、ここでは、要部の構造を部分的に拡大して示し、原版1の1つの凹部14aに着目して現像剤粒子のクリーニング動作を説明する。
パターン形成装置10の制御部90でクリーニング装置310によるクリーニングモードが選択されると(ステップ1;YES)、原版1がクリーニング装置310に近接して対向する上述したクリーニング位置へ移動される(ステップ2)。このとき、制御部90は、検出器11を介して原版1に残留しているトナー粒子55の量を検出し、予め設定したしきい値と比較して動作モードを選択する。
この後、クリーニング装置310のコントローラ91は、複数の液漏れ防止ローラ305を上述した方向に回転し(ステップ3)、バルブ92を開いてポンプ93を動作させ、流入口303を介して液槽302内にクリーニング液Lを供給する。このとき、液槽302の流出口304を介してクリーニング液Lを流出することなく、液槽302内にクリーニング液Lを充填し、液槽302をクリーニング液Lで満たす(ステップ4)。この状態を図52に示す。
そして、コントローラ91は、ステップ4で原版1の表面をクリーニング液Lで満たした状態で、電源装置95を制御して複数の圧電素子306に1[KW]程度の電力を供給し、45[KHz]程度の超音波揺動場をクリーニング液L中に発生させる(ステップ5)。このとき、発生させる超音波の周波数、印加電圧、および印加時間は、コントローラ91が電源装置95を制御することで任意に変更でき、検出器11を介して検出される残留トナー粒子の量や経過時間などに応じて所望する値に設定することができる。
ステップ5で超音波が発生されると、図53に示すように、原版1の凹部14a内にクリーニング液Lが良好に浸透し、凹部14aからトナー粒子55が剥がれ落ちる。つまり、超音波の影響により、凹部14a内で固着したトナー粒子55間にクリーニング液Lが効果的且つ短時間で浸入するとともに、液中で帯電したトナー粒子55に強制振動が加えられることにより、図53に示すようにクリーニング液L中にトナー粒子55が浮遊する状態となる。
この状態で、コントローラ91は、電源装置312を介して転写電極311に−500[V]程度の電圧を印加し、原版1の凹部14aにある金属フィルム12との間で電界を形成する(ステップ6)。この状態を図54に示す。これにより、凹部14a内に浮遊していた現像剤粒子は、凹部14aと転写電極311との間に満たされたクリーニング液L中を泳動して転写電極311に吸着される。この状態を図55に示す。
この後、コントローラ91は、適当なタイミングで電源装置312をオフにして転写電極311の電位を金属フィルム12と同じくし、ステップ6で形成した電界を消失させる(ステップ7)。そして、コントローラ91は、ポンプ93を動作させて予め決められた流量でクリーニング液Lを液槽302内で流通させ、液槽302内のクリーニング液Lとともに転写電極311に吸着されていたトナー粒子55を流出口304を介して流出させる(ステップ8)。この状態を図56に示す。以上の動作により原版1に保持されたトナー粒子55がクリーニングされる。
なお、ステップ8でクリーニング液Lを流すとき、圧電素子306によって発生される超音波揺動場および転写電極311によって形成される電界は消失させた状態としたが、超音波揺動場を形成したままで、転写電極311にパルス状の電圧を印加して電界の形成および消失を繰り返すようにしても良い。
以上のように、本実施の形態のクリーニング装置310を用いると、現像プロセスを失敗した後や転写プロセスを失敗した後などのように比較的多量の現像剤粒子が原版1のパターン状の凹部14a内に残って固着しているような場合であっても、原版1に保持されている現像剤粒子を確実且つ迅速にクリーニングできる。このため、本実施の形態のクリーニング装置310をパターン形成装置10に組み込むことで、解像度の高い高精細なパターンを安定して形成できる。
特に、本実施の形態のクリーニング装置310では、超音波揺動場に加えて電界を形成するようにしたため、超音波によって凹部14aから剥離された現像剤粒子を転写電極311に積極的に吸着せしめることができ、凹部14aに残留した現像剤粒子をより効率良くクリーニングすることができる。
また、ここでは、クリーニング液Lとして、絶縁性溶媒単体を用いたが、絶縁性溶媒に適量ナフテン酸ジルコニウムなどの金属石鹸分を補助的に添加し、クリーニング液に導電性を付与することにより、残留した現像剤粒子の帯電特性を上げ、より電界印加の効果を高めることで、凹部14aから剥離された現像剤粒子を転写電極311に積極的に吸着せしめることができる。この場合、金属石鹸の添加量を、0.1重量%以下とすることで、クリーニング液Lが原版1の表面に残留した場合でも、次の現像工程に影響を与えないことが確認されている。
次に、上述した第8の実施の形態のクリーニング装置310の構成を備えた第1の変形例に係るクリーニング装置320について、図57乃至図60を参照して説明する。なお、以下に説明する各変形例および第9の実施の形態において、上述した第7および第8の実施の形態のクリーニング装置300、310と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、以下に説明する各変形例におけるクリーニング装置310は第7の実施の形態のクリーニング装置300に置き換えることもできる。
図57に示すように、クリーニング装置320は、上述した第8の実施の形態のクリーニング装置310の構成の他に、プリウェット装置として機能するノズル321、および除去装置322を有する。ノズル321はクリーニング装置310に対して原版1の回転方向(矢印R方向)上流側に配置され、除去装置322はクリーニング装置310の下流側に配置されている。
ノズル321は、クリーニング装置310を通過する前の原版1の表面にクリーニング液を供給して該表面を予め濡らすよう機能する。このように、クリーニング装置310を通過する前に、原版1の表面を予め濡らすことで、原版1の凹部14aに付着している現像剤粒子を柔らかくほぐすことができ、クリーニング装置310によるクリーニング効果を高めることができる。例えば、ノズル321として、上述したクリーナ8の高圧1流体ノズルを採用しても良い。
除去装置322は、原版1の表面に当接するブレード323と、ブレード323によって表面から除去したクリーニング液を回収するためのトレイ324と、を備えている。この除去装置322は、クリーニング装置310を通過した原版1の表面に残留しているクリーニング液を除去するように機能する。つまり、除去装置322は、原版1の表面にブレード323を当接させて該表面に残留しているクリーニング液を掻き取り、掻き取ったクリーニング液をトレイ324で回収する。なお、ブレード323は、JISA硬度30〜90程度の樹脂により形成されていることが望ましく、本変形例では、JISA硬度60の樹脂によりブレード323を形成した。
以下、上記構造のクリーニング装置320による動作について説明する。なお、このクリーニング装置320に組み込まれたクリーニング装置310による動作は上述した第8の実施の形態で説明した動作と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
まず、原版1の回転方向上流側において、原版1の表面がノズル321を介して供給されるクリーニング液によって濡らされる。このとき、ノズル321は、原版1の回転方向を横切る軸方向の全長をカバーする領域にクリーニング液を供給し、原版1の表面全体をクリーニング液で濡らす。これにより、原版1の凹部14aに残留したトナー粒子55がふやかされて柔らかくされる。この状態を図58に示す。
この後、原版1の濡らされた表面の領域がクリーニング装置310を通過され、上述したように、圧電素子306を介して発生される超音波揺動場、および転写電極311によって形成される電界によって、凹部14a内に残留したトナー粒子55が剥離されてクリーニング液L中を泳動され、転写電極311に吸着される。この状態を図59に示す。
そして、電界を消失させた後、超音波揺場を形成したまま、クリーニング液Lを連続的に流通させる。これにより、クリーニングL中に浮遊していたトナー粒子55と、転写電極311に吸着されていたトナー粒子55が流出される。この状態を図60に示す。
さらにその後、原版1の表面が除去装置322を通過され、当該表面に残留したクリーニング液Lが除去される。このとき、原版1の表面に残留したクリーニング液Lは、ブレード323によって掻き取られ、トレイ324に集められた後、図示しない排液管を介して排出される。原版1の表面に当接するブレード323は、原版1の回転方向Rを横切る軸方向に沿った全長をカバーする長さを有し、原版1の表面全体に摺接するようになっている。
以上のように、本比較例に係るクリーニング装置320によると、上述した第8の実施の形態のクリーニング装置310と同様の効果を奏することができるとともに、クリーニング領域を通過する前の原版1の表面を予めクリーニング液Lで濡らすようにしたため、時間が経って固着した状態のトナー粒子55であっても予めふやかして柔らかくすることができ、クリーニング性能をより高めることができる。また、本比較例によると、クリーニング後の原版1の表面に付着したクリーニング液Lを積極的に除去するようにしたため、次のプロセスへの影響を概ね無くすことができる。
次に、第2の比較例に係るクリーニング装置330について、図61を参照して説明する。なお、このクリーニング装置330は、原版1の回転方向Rに沿ってクリーニング装置310の下流側に、上述した除去装置322の代わりに除去装置331を有する点で第1の変形例のクリーニング装置320と異なる構造を有する。
除去装置331は、上述した除去装置322と同様に、クリーニング装置310を通過した原版1の表面に残留しているクリーニング液Lを除去するように機能する。除去装置331は、原版1の表面に接触して原版1の回転方向Rと逆方向に回転することで表面に付着したクリーニング液Lを回収するスポンジローラ332、スポンジローラ332の周面からクリーニング液などの汚れを掻き取るスクレーパ333、およびスクレーパ333によって掻き取った付着物を回収する容器334を有する。
スポンジローラ332は、平均気孔径が20[μm]〜400[μm]程度の気泡を有するスポンジ層を有し、原版1の表面に残ったクリーニング液を付着させて回収する。本比較例では、平均気孔径が200[μm]程度のウレタン系のスポンジローラ332を用いた。スクレーパ333は、金属板により形成されている。
このクリーニング装置330においても上述した第1の比較例のクリーニング装置320と同様の効果を奏することができ、原版1の凹部14aに残った現像剤粒子をより確実に回収できる。つまり、スポンジローラ332が原版1の凹部14aの形状にならって弾性変形することで凹部14aの形状に追従でき、多数の気泡によってクリーニング液を吸引する作用もある。
次に、第3の変形例に係るクリーニング装置340について、図62および図63を参照して説明する。図62にはクリーニング装置340の概略構成を示してあり、図63にはクリーニング装置340の各構成要素に付与する電圧について説明するための図を示してある。このクリーニング装置340は、原版1の回転方向Rに沿ってクリーニング装置310の下流側に、上述した除去装置322の代わりに除去装置341を有する点で上述したクリーニング装置320と異なる構造を有する。
図62に示すように、除去装置341は、上述した除去装置322と同様に、クリーニング装置310を通過した原版1の表面に残留しているクリーニング液を除去するように機能する。除去装置341は、中空パイプ342の外側に平均気泡径70μmの連泡を有する厚さ7[mm]程度のウレタン系スポンジ層343を形成した吸引スポンジローラ344を有する。この吸引スポンジローラ344は、スポンジ層343の周面が原版1の表面に接触するように位置決めされて配置され、原版1の回転方向Rと逆方向に回転する。
スポンジ層343は、JIS−C硬度が30程度で、体積抵抗率が10[Ω・cm]〜1011[Ω・cm]、本実施の形態では10[Ω・cm]で、且つ平均気泡径が20[μm]〜200[μm]、本実施の形態では70[μm]の材料により形成されており、中空パイプ342に接続した図示しない吸引ポンプを動作させることでその周面に負圧を生じせしめるようになっている。つまり、吸引スポンジローラ344によって原版1から回収されたクリーニング液は、概ね中空パイプ342を介して回収される。
そして、吸引スポンジローラ344の周面に僅かに残ったクリーニング液(現像剤粒子を含む)が吸引スポンジローラ344に転接したクリーニングローラ345によって除去される。クリーニングローラ345は、アルミニウム製の中空パイプの表面に陽極酸化処理によって厚さ6[μm]程度のアルマイト層を形成して構成されている。
さらに、クリーニングローラ345の周面に付着された付着物は、ブレード346によって掻き取られて容器347で回収される。ブレード346は、JIS−A硬度80程度で、300%モデュラス300kgf/cmの厚さ1[mm]のウレタン系ゴムにより形成されている。
図63に示すように、上述した除去装置341の各構成部材には、適切な電圧が印加される。つまり、原版1のここでは図示しない金属フィルムが接地され、図示しない電源装置を介して吸引スポンジローラ344に−300[V]の電圧が印加され、クリーニングローラ345に−500[V]の電圧が印加される。このように、現像剤粒子の移動方向に沿って徐々に電位が低くなるように各構成部材に電圧を印加することで、原版1に残った現像剤粒子を電気的に効果的に移動させることができ、現像剤粒子の除去効率をさらに高めることができる。
また、上述したように第8の実施の形態のクリーニング装置320、330、340では、クリーニング液Lの除去装置が設置されていることから、金属石鹸の添加量を0.3重量%程度まで上げた導電性クリーニング液を用いて、より電界印加の効果を高め、クリーニング効果を上げた工程でクリーニングを行うことができる。この場合、除去装置によって確実にクリーニング液Lの除去を行うことができるため、次の現像工程への影響を防ぐことができる。
次に、この発明の第9の実施の形態に係るクリーニング装置350について、図64乃至図68を参照して説明する。
図64に示すように、クリーニング装置350は、原版1の回転方向Rに沿って上流側から、液供給ノズル351(プリウェット装置)、前処理ユニット352(超音波装置)、および吹き付け除去ユニット353(吹き付け装置)を有する。なお、前処理ユニット352と吹き付け除去ユニット353との間には2枚の液遮蔽板354、354が配置され、吹き付け除去ユニット353の下流側には1枚の液遮蔽板355が配置されている。これら液遮蔽板354、355は、例えば、アクリル板によって形成され、原版1の軸方向全長をカバーする長さを有し、クリーニング液Lが飛び散って他の領域を汚染することを防止するよう機能する。
液供給ノズル351は、原版1の回転方向Rを横切る軸方向に沿って多数配置され、原版1の表面全体に均一な量でクリーニング液Lを供給できるようになっている。液供給ノズル351を介して原版1の表面に供給されたクリーニング液Lは、以下に説明する前処理ユニットを経由して2枚の液遮蔽板354の間を通って排出される。
前処理ユニット352は、軸方向に細長い矩形枠状の金属製ケース361、原版1の金属フィルム(ここでは図示せず)との間で電界を形成するための転写電極362、および原版1の表面に超音波を付与するための複数の圧電素子363を有する。転写電極362は、絶縁性の接着剤を用いて、ケース361が原版1の表面に対向する面に貼り付けられており、複数の圧電素子363は、絶縁性を有する接着剤364を用いて、ケース361の原版1側の内面に接着固定されている。
より詳細には、ケース361は、原版1の軸方向(図64で紙面と垂直な方向)の全長を少なくとも超える長さを有した中空の金属ケースであり、内部に複数の圧電素子363を軸方向に並べて収納している。また、転写電極362は、原版1と約0.1〜1mmの隙間対向した位置に配置され、液供給ノズル351からこの隙間にクリーニング液Lを流し込むことにより、両者の間にクリーニング液Lを充填させた状態で、原版1と転写電極362との間に電界と超音波揺動場を形成するようになっている。
吹き付け除去ユニット353は、2系統のノズルを配列したノズルアレイ365、ノズルを挟んで対向する1対の液遮蔽ローラ366を有する。また、吹き付け除去ユニット353は、クリーニングに使用したクリーニング液Lを回収するための液受けトレイ367を有する。液受けトレイ367は、上述した前処理ユニット352を通って流れたクリーニング液Lをも回収する。液供給ノズル351とノズルアレイ365には、共通のクリーニング液タンク(図示せず)から液供給パイプ368を介してクリーニング液Lが供給されている。液受けトレイ367からの回収液は廃液タンクに溜められ、フィルター装置を介して現像剤微粒子を取り除いた後、再びクリーニング液タンクに戻され、クリーニング液として再利用される(図示せず)。
図中の液供給ノズル351とノズルアレイ365に用いられるノズルは、ともに高圧1流体ノズルで、液供給ノズル351は液圧0.2〜1.0[MPa]で原版1のクリーニング領域に向かってクリーニング液を噴射する。ノズルアレイ365は、原版1の回転方向Rに対して、順方向と逆方向に僅かに傾斜した二系統のノズルアレイであり、それぞれ液圧0.2〜2.0[MPa]程度の圧力で原版1のクリーニング領域に向かってクリーニング液Lを吹き付ける。
また、1対の液遮蔽ローラ366は、シャフトにウレタン系ゴムを巻きつけた構造を有し、原版1の表面に接触した状態で、ノズルアレイ365を回転方向Rに沿って挟んで対向する位置に配置されている。各液遮蔽ローラ366は、原版1の軸方向全長をカバーする長さを有し、原版1の回転移動に伴って連れ周り回転する。このようにして、液遮蔽ローラ366は、高圧で噴射される2本のノズルアレイ365からのクリーニング液Lが他領域に飛び散って原版1を汚染することを防止するよう機能する。
以下、上記構造のクリーニング装置350によるクリーニング動作について説明する。
まず、液供給ノズル351を介して原版1の表面にクリーニング液Lが供給される。このとき、供給されたクリーニング液Lは、前処理ユニット352の転写電極362と原版1の表面との間のギャップを満たし、図65に示すように、原版1の凹部14aに付着残留したトナー粒子55がプリウェット状態となる。クリーニング液Lは、さらに、原版1と転写電極362との間を流通し、2枚の液遮蔽板354の間を通って液受けトレイ367に回収される。
次に、上記のようにクリーニング液Lが転写電極362と原版1との間に充填された状態で、前処理ユニット352を介して、原版1と転写電極362との間に電界を形成し、且つ超音波揺動場を形成する。つまり、複数の圧電素子363に3[KW]程度の電圧を印加して、45[KHz]程度の超音波揺動場を形成させ、同時に、転写電極362に−500[V]程度の電圧を印加して、金属フィルム12(導電部材)との間で電界を形成する。これにより、凹部14a内に付着していたトナー粒子55を剥離させ、その一部を転写電極362側に吸着させることができる。
特に、凹部14aのトナー粒子55が乾燥して強固に付着しているような場合には、液供給ノズル351を介してプリウェット液Lを供給するだけでは、図66に示すように、凹部14aの底部までクリーニング液Lを充分に浸透させることができない。つまり、液供給ノズル351を介してクリーニング液Lを原版1の表面に供給するだけでは、液浸透部と液未浸透部とに分かれてしまう。
このため、本実施の形態のように、クリーニング液Lを通る超音波を印加することにより、図67に示すように、短時間で充分にクリーニング液Lを凹部14aの底部まで浸透させることができ、液中でのトナー粒子55の揺動により、トナー粒子55の凹部14a底部からの剥離と、粒子同士の剥離が容易になる。また、この状態で、転写電極362と原版1との間で電界を形成することで、クリーニング液L中を浮遊している一部のトナー粒子55をクリーニング液Lとともに液受けトレイ367へ流すことができる。
さらに、原版1の回転方向Rに沿って前処理ユニット352の下流側に配置された吹き付け除去ユニット353を介して、原版1の表面に残留したトナー粒子55にクリーニング液Lを吹き付けて、特に、凹部14a内に付着したトナー粒子55をクリーニングする。このとき、吹き付け除去ユニット353は、図68に示すように、凹部14aに残留しているトナー粒子55に二方向(図中矢印方向)の高圧の液流を吹き付けて、凹部14aの角に残留したトナー粒子55を吹き飛ばすようにクリーニングする。これにより、凹部14aに残留していたトナー粒子55を略完全に原版1から除去することができる。
なお、上述した前処理ユニット352において、電界の作用によって転写電極362に一旦吸着されたトナー粒子55は、電界を消失させた状態で引き続き液供給ノズル351からの液供給を受けることにより、転写電極362表面から洗い流される(図示せず)。この時、超音波揺動場は、より洗浄効果を高めるために形成したままの状態にすることが望ましい。
なお、本実施の形態では、ケース361は、SUS製であり、転写電極362は、厚さ1[mm]のSUS板を、接着剤を介して、ケース361に固定的に取り付けられている。また、各圧電素子363は、直径45[mm]、高さ60[mm]程度の円柱状ケース内に圧電体を収納した素子であり、転写電極362全面に渡って複数個配置され、接着剤層364を介して、ケース361に固定的に取り付けられている。
また、本実施の形態では、吹き付け除去ユニット353を通過した原版1の表面は、清浄なクリーニング液Lの薄い液膜が形成されたままの状態で次のプロセスに移行することになるが、ここでは図示しない乾燥機を通過して液膜を除去した後に除電工程に移っても良い。また、本実施の形態においても、上述した第7および第8の実施の形態と同様に、吹き付け除去ユニット353を通過した原版1の表面にブレードや吸引スポンジローラなどの液除去部材を接触させて液膜を除去するようにしても良い。
また、第9の実施の形態のクリーニング装置350では、液供給ノズル351を介して供給するプリウェット液Lと、吹き付け除去ユニット353から供給されるクリーニング液Lとのタンクを分けた構成でもよい(図示せず)。即ち、プリウェット液L1には、金属石鹸の添加量を0.3重量%程度の導電性クリーニング液を用い、吹き付け除去ユニット353のクリーニング液L2には絶縁性溶媒単体を用いることにより、吹き付け除去工程で確実にプリウェット液L1の除去ができることから、次の現像工程への影響を防ぐことができる。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
例えば、本発明は、あらかじめ凹部14aによるパターンが形成されている原版1を用いるパターン形成装置のみに限定されるものではなく、周知の電子写真法によって、感光体表面に静電潜像を形成し、これを液体現像剤で現像して転写する装置にも適用できる。
また、上述した実施の形態では、現像剤粒子を正に帯電させてパターン形成装置を動作させる場合について説明したが、これに限らず、全ての構成を逆極性に帯電させて動作させても良い。
また、上述した実施の形態では、平面型画像表示装置の前面基板に蛍光体層やカラーフィルターを形成する装置に本発明を適用した場合についてのみ説明したが、本発明は、他の技術分野における製造装置として広く利用できる。
例えば、液体現像剤の組成を変更すれば回路基板やICタグなどにおける導電パターンを形成する装置に本発明を適用することも可能である。この場合には、液体現像剤を、例えば、平均粒径0.3[μm]の樹脂粒子と、その表面に付着している平均粒径0.02[μm]の金属微粒子(例えば銅、パラジウム、銀など)と、金属石鹸のような電荷制御剤から構成すれば、上述した実施の形態と同様の手法により、例えばシリコンウェハー上に現像剤による配線パターンを形成することもできる。一般に、このような現像剤のみで十分な導電性を有する回路パターンを形成することは容易ではないので、パターン形成後に上記の金属微粒子を核としてメッキを施すことが望ましい。このようにして、導電性回路や、コンデンサー、抵抗などのパターニングを行うことも可能である。
以下、この発明の他の実施の形態に係るパターン形成装置について説明する。
本発明のパターン形成装置は、イオン性化合物を含有するトナー、及びキャリア液を含む液体現像剤を用いて現像を行った後、転写前、あるいは転写後に、トナー固形分、トナーに含まれていたイオン性化合物、及びキャリア液を含んだ廃液を回収し、廃液中のトナー固形分とイオン性化合物を除去した後、再生されたキャリア液を、現像ユニット、もしくはクリーニングユニットに戻して再利用するための廃液処理ユニットを備える。
本発明のパターン形成装置では、廃液処理ユニットが、直径30〜100μm大きさの空隙を持つ導電性の障壁構造体を含む濾過器を有し、その濾過器の濾過フィルターとして、障壁構造体表面に、粒度分布の最大頻度を示す粒径が5μm〜100μmである吸着剤粒子を適用して0.5mm〜10mmの厚さの吸着剤粒子層を形成して、廃液を、吸着剤粒子層の粒子間の隙間を通して障壁構造体側に通過させながら、この吸着剤粒子間の隙間の濾過作用により物理的にトナー固形分を除去し、吸着剤粒子の吸着作用によって化学的にイオン性化合物を除去することで、キャリア液を再生する。
本発明に使用される液体現像剤は、微粒子であるトナー固形分と、イオン性化合物とを含有したキャリア液で構成され得る。
キャリア液として、石油系高絶縁性溶媒例えばエクソン社製アイソパーL等を用いることができる。トナー固形分として、例えば着色剤を含浸および/または付着させた平均粒径0.05μm〜1μm程度の樹脂微粒子、樹脂として例えば高絶縁性溶媒に不溶な主鎖と高絶縁性溶媒に可溶な側鎖からなるグラフト共重合体が挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料、染料などの1種または2種以上を用いることができる。現像剤中のトナー固形分の比率は0.5重量%〜30重量%に調整される。
イオン性化合物は、トナー固形分の荷電特性を調整するために添加されるもので、例えばナフテン酸、オクチル酸、及びステアリン酸などの金属塩、エチレンジアミン四酢酸金属錯塩、リン酸亜鉛などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらのイオン性化合物は通常、トナー固形分に対して過剰に添加されるものであり、大部分はトナー微粒子表面に化学的、あるいは物理的に吸着されるが、一部はキャリア液中に含有される。イオン性化合物の添加量は、例えばトナー固形分に対して5重量%〜30重量%程度である。
本発明に使用される吸着剤粒子は、絶縁性溶媒中で帯電特性を示す。吸着剤粒子を、予め所定濃度で絶縁性溶媒中に分散させて吸着剤粒子分散液を作成し、この状態で導電率を測定しておく。障壁構造体表面から、内部へと流れる流路に従って、この吸着剤粒子分散液を流すことにより、障壁構造体表面に吸着剤粒子が堆積し、吸着剤粒子層が形成される。障壁構造体は導電性部材で形成されており、吸着剤粒子を堆積させる際に障壁構造体に所定の電位を与えて、吸着剤粒子層の形成をより緻密に、より早く行うことも可能である。この状態で、廃液を流すと、障壁構造体表面に堆積された吸着剤粒子層内の、吸着剤粒子同士が形成する僅かな隙間を通過する際に、トナー固形分は物理的に目詰まりを起こして吸着剤粒子層に付着除去されると同時に、イオン性化合物は吸着剤本体の吸着作用によって化学的に吸着除去される。
本発明に使用される吸着剤粒子としては、例えば珪藻土、ゼオライト、ハイドロタルサイト、及びカーボン等を用いることができる。この吸着剤粒子は、5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持ち、吸着剤粒子の堆積層の厚さを0.5mm〜10mmの範囲とすることにより、沈殿法に比べ、通過する液量として十分な量が確保でき、廃液の通過中に接触する吸着剤の表面積が大きいことから、使用する吸着剤の量も少量で十分な吸着能力を発揮することが可能で、単位重量当たりの吸着剤の吸着効率を向上させることが出来る。
吸着剤粒子の粒度分布の最大頻度が5μm未満であると、障壁構造体表面、及び間隙に保持されず、廃液とともにろ過器を通過する吸着剤粒子が多くなり、処理済みの廃液として再使用に適さなくなるという傾向があり、
100μmを超えると、障壁構造体の表面に吸着剤粒子を高密度で緻密に堆積させることが困難となり、液の循環に際して安定した吸着剤堆積層を形成出来なるとともに、吸着剤粒子間の間隙が大きくなるため、物理的なろ過作用によりトナー固形分を除去することが困難となり、処理済みの廃液として再使用に適さなくなるという傾向がある。
なお、ここでいう粒度分布は、例えば、コールターカウンターにより、電解液中に懸濁された粒子が所定の径を有するアパーチャーチューブを通過する際に粒子体積に相当する電解液が置換され、アパーチャーの両側に設置した電極間に流した電流値が変化することにより測定された粒子の数とサイズの計測値である。
また、吸着剤粒子は、5μm〜100μmの粒径を有する粒子が、全粒子の分布頻度の80%以上であることが好ましい。
また、吸着剤粒子層の厚さが0.5mm未満であると、吸着剤粒子間の間隙で形成される廃液の隘路が短いため、十分な物理的ろ過作用によりトナー固形分を除去することが困難になるとともに、廃液が通過する際に接触する吸着剤の表面積が小さいため、吸着剤の吸着効率が著しく低下するという傾向があり、10mmを超えると、吸着剤粒子間の間隙で形成される廃液の隘路が長いため、廃液を通過させるために高い圧力が必要となり、液の循環が滞る傾向がある。
吸着剤粒子の交換の際は、例えば廃液処理工程後に、障壁構造体の内部から逆に絶縁性溶媒を流すことにより、障壁構造体表面から容易に吸着剤が離脱し、吸着剤粒子層を剥離することが出来る。剥離させた吸着剤粒子は、別途取り出し口から取り出し、新たな吸着剤を投入することで、廃液処理ユニットの吸着能力を簡単に維持することが出来る。
また、特に液体現像剤として、1μm以上の粒径を有する微粒子と、1μm未満の微粒子、及びイオン性化合物を含んだ系を処理する場合、複数の処理槽を有する廃液処理ユニットを使用することができる。第一槽では1μm以上の粒径の微粒子を除去、第二以下の槽では1μm以下の微粒子及びイオン性化合物の除去を行うことができる。第一槽の処理液が一定量に達した時、第二以下の処理槽を稼動させ、1μm以下の微粒子、若しくはイオン性化合物処理槽である第二槽は、吸着剤の投入口と取り出し口と、吸着剤の保持体である30〜100μmの空隙を持つ障壁構造体を有し、第二槽は廃液の再生処理工程中、必要に応じ、装置本体と独立した循環系を形成して、廃液再生処理工程が終了後、液を装置本体に戻す構成を特徴とする請求項1記載の廃液処理ユニットを持つパターン形成装置である。1μm以上の微粒子は沈殿しやすいため、第一の処理槽で沈殿させ、例えばその上澄み液を抜き取る、あるいは沈殿物を抜き取ることにより、十分に分離、除去できる。第一槽で1μm以下の微粒子を取り除いた廃液を、第二以下の処理槽で、1μm以下の微粒子、及びイオン性化合物の除去を行うことにより、十分なレベルで吸着剤の吸着効率を維持できる。
さらに、廃液処理工程後に、トナー固形分とイオン性化合物を表面に付着させた吸着剤を所定濃度で分散させた溶液の導電率を測定すると、初期の吸着剤本体を所定濃度で分散させた溶液の導電率より低い値となることが実験的に得られている。よって、予め所定濃度で吸着剤をキャリア液として使用される絶縁性溶媒に分散させた状態で導電率を測定しておき、廃液処理工程後に、障壁構造体表面から吸着剤を剥離させ、所定濃度に分散させたモニター液を採取して導電率を測定する。一定値以上の数値を示す場合には、吸着剤の吸着能力が飽和していないと判断され、再び吸着剤を障壁構造体表面にコーティングして、廃液処理を続ける。導電率が一定値以下の数値を示した場合には、吸着剤がトナー固形分とイオン性化合物を十分吸着して飽和状態に近いことを示すことから、吸着剤を取り出し口からユニット外に除去し、新しい吸着剤を投入することにより、続けて、廃液処理ユニットの再生を行うことが容易となる。
本発明によれば、吸着剤同士が形成する隘路を廃液が通過する際に、接触する吸着剤の表面積が大きいことから、吸着剤の吸着効率を向上させることが出来る。また、単に、濾過器を通してイオン性化合物及びトナー固形分を同時に除去してキャリア液を再生することが可能であるため、単位時間当たりの処理能力が良好である。さらに、沈殿しやすい吸着剤の攪拌機構が不要となり、吸着剤を所定濃度で分散させた溶液の導電率をモニターすることで、吸着剤の交換時期を簡便な方法で検知できるという利点を持つ。
以下、図面を参照し、本発明を具体的に説明する。
図69は、本発明の他の実施態様に係るパターン形成装置の一例の概要を表す模式図を示す。
このパターン形成装置472は、図69に示すように、微細パターンが形成される感光体ドラム401と、感光体ドラム401に対向して設けられ、液体現像剤を用いてトナー像を現像するための現像ユニット、感光体ドラム上に形成されたトナー像の余剰の現像液を除去する乾燥ユニット、トナー像を転写媒体に転写する転写ユニット、転写後の感光体ドラム1の表面をクリーニングするクリーニングユニットを有するパターン形成部と、微細パターン形成部から排出された廃液を処理して再生するための廃液処理機構406とを含む。
現像ユニットは、帯電器402−1,403−1,404−1、レーザ露光402−2,403−2,404−2、及び現像器402−3,403−3,404−3を有する。
乾燥ユニットは乾燥フード405−2を有する。
転写ユニットは感光体と接触して回転し得る一次転写ローラ407、転写媒体409を介して一次転写ローラ407を押圧しながら同期して回転し得る二次転写ローラ408を有する。
クリーニングユニットは、クリーナ410を有する。
次に、トナー像の形成工程を以下に述べる。
使用される感光体ドラム401は、例えば有機系、若しくはアモルファスシリコン系の感光層を有する。
現像ユニットでは、感光体ドラム401の表面を帯電器402−1で帯電させた後、レーザ露光器402−2により1色目のパターン情報に応じて選択的に潜像が形成され、現像器402−3により1色目の液体現像剤を供給することにより、静電潜像が現像される。
使用される液体現像剤は、例えば、キャリア液としてエクソン社製アイソパーL、トナー固形分として着色剤を含浸および/または付着させた平均粒径0.05μm〜1μm程度の樹脂微粒子、及びイオン性化合物としてナフテン酸塩を含む。
また、樹脂としては、例えば高絶縁性溶媒に不溶な主鎖と高絶縁性溶媒に可溶な側鎖からなるグラフト共重合体を用いることができる。
2色目のパターン、3色目のパターン以降も同様に、帯電器403−1,404−1、レーザ露光器403−2,404−2、現像器402−3,403−3,404−3で各々現像される。感光体ドラム401上に形成されたトナー画像は余剰の現像液を含んでおり、後続の乾燥ユニットにおいて、貫通孔を設けた中空シャフトに連泡スポンジ層を形成し、中空シャフト内部から吸引除去する構成の溶媒回収ローラ405−1で85%以上の余剰液を吸引除去される。その後、乾燥フード405−2下において、スリットノズルから吹き付けられる80m/Sの高速風により、残りの現像液が除去され、トナー固形分90%以上の状態で、次の転写工程に移る。
転写工程では、中空のシリコンゴムローラからなる一次転写ローラ407内部にヒータを入れ、シリコンゴム層を100℃に保持した状態で、加圧加熱により一次転写ローラ407上に一次転写する。さらに、二次転写ローラ408を介して、記録媒体である用紙409に転写される。転写工程を経た後の感光体ドラム401は、クリーニング工程に移り、クリーニング液供給ノズルとスポンジとブレードで構成されるクリーナ410により、転写残りのトナーをクリーニング液とともに回収する。
また、このパターン形成装置では、廃液として、溶媒回収ローラ405−1から吸引除去された余剰現像液と、クリーナ410で回収されたトナー微粒子を含むクリーニング液が排出される。これらは、いずれも1μm以下のトナー微粒子と、イオン性化合物であるナフテン酸塩いわゆる金属石鹸を含んでいる。これらの廃液は、クリーナ410に接続され、ここから廃液を抜き取るための廃液回収ライン411−1,及び溶媒回収ローラ405−1に接続され、ここから廃液を抜き取るための廃液回収ライン411−2を介して、廃液処理機構406に送られる。そこで、トナー固形分と金属石鹸分を除去したキャリア液に再生される。再生されたキャリア液は、再生液供給ライン412を介して、例えば各現像器402−3,403−3,404−3やクリーナ410に戻され、再利用される。
図70に、本発明に係るパターン形成装置に適用される廃液処理機構の一例の構成を説明するための模式図を各々示す。
図70に示すように、廃液処理機構406では、廃液回収ライン411−1,411−2及び廃液回収ライン411を通して回収された廃液が、廃液タンク415に集められる。トナー固形分と金属石鹸分を同時に除去することができる吸着剤粒子として、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つハイドロタルサイト系吸着剤微粒子である協和化学工業製 キョーワード2000を用いることができる。このキョーワード2000を80g、吸着剤投入口413から投入し、初期導電率計測タンク414において、アイソパーL中に10重量%の濃度で分散させる。この状態で導電率を計測したところ、3pS/cmであった。この分散液を廃液タンク415に加え、バルブ417aを開け、ポンプ416で濾過器418に組み上げる。濾過器418は、内部にフィルター419を内蔵し、フィルター419を通過した廃液は、バルブ417dを閉じた状態で、バルブ417b,cを開け、ろ過液循環ライン420と第二ろ過循環ライン421を介した循環パスを通り、一旦廃液タンク415に戻る。ここで図70のMは導電率計を意味し、Cはトナー粒子濃度計を意味する。
なお、上記では、この分散液を廃液タンク415に加え、廃液とともにポンプ416で濾過器418に組み上げ、フィルター419の表面に吸着剤粒子層を形成したが、場合によっては、初期導電率計測タンク414から、廃液タンク415を経ない図示しないバイパスによりポンプで直接、濾過器418に組み上げ、フィルター419の表面に吸着剤粒子層を形成する方法でもよい。また、初期導電率計測タンク414には、その内部に攪拌器を備えておくと、分散液の導電率を正確に計測することが出来ると同時に、吸着剤を十分長時間に渡って均一な濃度で分散させることが可能となり、直接、バイパスを通って濾過器418に組み上げる際の効率が向上することは言うまでもない。
図71は、廃液処理機構に使用される濾過器の一例の構成を表す模式図である。
濾過器418の構成は、フィルター収納容器418−1の内部に、30μm〜90μmの空隙を持つ導電性の障壁構造体419−1を有する。この例では、障壁構造体419−2として、例えばエルゴテック社製の直径15mm、長さ250mmで、障壁構造体間隙419−4が90μmであるコイルばねを用いる。
図72は、図71の障壁構造体の一部を拡大した図を示す。
吸着剤粒子を分散させた液を添加した廃液を、吸い上げポンプ416の圧力2kgf、6リットル/分の流量で循環させると、廃液が第一循環パスで濾過器418を通過する際に、図72に示すように、90μmの間隙419−4に吸着剤微粒子419−3が堆積して付着し、コイルバネ419−1表面には厚さ8mmの吸着剤粒子層419-2が形成される。
図73は、図72の吸着剤粒子層における動作の一例を説明するための図を示す。
図73に示すように、廃液中の図示しないトナー固形分は、コイルバネ419−1表面に形成された吸着剤粒子層419−2内の、吸着剤粒子419−3同士が形成する僅かな隙間を通過する際に、物理的に目詰まりを起こして吸着剤粒子層419−2に付着除去され、金属石鹸分であるイオン性化合物は吸着剤粒子419−3の吸着作用によって化学的に吸着除去される。廃液に含まれているトナー微粒子と金属石鹸量に応じて、廃液を複数回、循環パスで循環させることにより、廃液中のトナー固形分と金属石鹸分をほぼ完全に除去できる。
実験例として、吸着剤としてキョーワード2000を用いた時の、吸着剤が除去できる金属石鹸量を調べた。
図74に、吸着剤投入量と除去された金属石鹸量との関係を表すグラフ図を示す。
数種類の金属石鹸濃度のアイソパーL溶液500mlに種々の重量の吸着剤を各々投入し、攪拌しながら長時間経過後の、液に残留する金属石鹸濃度を調べた。その結果を、各々、グラフに示す。金属石鹸濃度は、液の導電率に比例し、予め金属石鹸濃度と導電率の換算グラフを作成することにより、液の導電率を測定することで液中の金属石鹸分を求めることが出来る。液中の導電率を測定する場合には、攪拌を中止し、十分吸着剤が実験槽の底部に沈殿する十分な時間を経過した後、上澄み液を採取し、導電率を測定した。図74のデータは、吸着剤を投入した液を1ヶ月以上攪拌し、各サンプルの投入重量に対して、十分長期に渡って導電率が変化しないことを確認したものであり、ほぼ飽和重量に近い数値を示している。
次に、図74のデータを基に、吸着剤としてキョーワード2000を用いた時の循環回数と石鹸分除去量を調べた。
図75に、廃液処理ユニット内の循環回数と金属石鹸除去量とを表すグラフ図を示す。
アイソパーL溶液500mlに各々、20g,50g,80gの重量の吸着剤を各々投入し、廃液処理ユニット16内を循環させた。
吸着剤80gを投入した場合には、4回循環させた時点で廃液中に含まれた金属石鹸分のほぼ全量が除去された。金属石鹸を20g含んだ廃液を18リットル用いた場合、4回の循環に要した時間は僅か12分であった。この廃液再生処理ユニットを用いたことにより、吸着剤の吸着能力の限界近くまで金属石鹸分の除去を行うのに、極めて短時間で再生処理が完了した。
使用される吸着剤は、アイソパーL中で僅かに導電性を示す。吸着剤としてキョーワード2000を用い、アイソパーLに吸着剤のみを10重量%濃度で分散した液を作成し、導電率を計測すると、3pS/cmであった。
図75のデータから、吸着剤80gがほぼ完全に金属石鹸分を吸着し、飽和した状態になるまでに金属石鹸を約20g吸着除去することが分かっていた。ほぼ完全に金属石鹸分を吸着した吸着剤の10重量%濃度のアイソパーL分散液の導電率は、0.3pS/cmに下がっていた。80gの吸着剤が20gの金属石鹸分を吸着した状態を飽和度100%とし、途中の吸着量と導電率の関係を求めた。
図76に、吸着剤粒子の飽和度と廃液の導電率との関係を表すグラフ図を示す。
吸着剤を10重量%濃度で分散したアイソパーL溶液で、0.75pS/cmは基準の導電率であり、石鹸分を90%近く吸着した状態で、吸着能力の限界に近いことが分かる。 このデータを利用して、吸着剤の交換時期の目安を検知する方法を以下に述べる。
吸着剤は、予め投入する際に初期導電率計測タンクで、アイソパーLを添加し、10重量%濃度とした状態で、導電率を計測した。初期の吸着剤のみの導電率は3pS/cmであった。
廃液回収ライン411から回収された廃液は、トナー微粒子と金属石鹸分を含んでいる。廃液タンク415の導電率とトナー固形分濃度を計測した時、導電率は80pS/cm、固形分濃度は2重量%であった。この廃液と、上記の、新規吸着剤10重量%濃度のアイソパーL分散液を加えたものを、6リットル/分の流量で第一循環パスにおいて4回循環させた後、一旦液の循環を止め、ろ過液循環ライン420に設置したモニターで導電率とトナー固形分濃度を計測した。この時、導電率は純アイソパーLの導電率である0.03pS/cmの数値を示し、固形分濃度も検出限界以下であった。そこで、バルブ417cを閉じ、バルブ417dを開けた状態で、再生液ライン422を介して、ろ過液を再利用タンク423に入れた。再利用タンク423からは、適宜、再生液供給ライン412を介して、現像ユニットとクリーニングユニットへの供給が行なわれる。
また、この時、ろ過液の一部を残し、バルブ417aと、バルブ417bを閉め、バルブ417e、fを開け、濾過器に高圧エア供給弁428から高圧エアを供給し、コイルバネ419−1表面から吸着剤を剥離、吸着剤をろ過後導電率計測タンク424に、液を一時溜めタンク426に入れ、吸着剤とろ過液を一時的に分離した。吸着剤の入ったろ過導電率計測タンク424にアイソパーLを入れ、吸着剤の10重量%濃度の分散液を作成、この状態で導電率を計測した結果、導電率は0.55pS/cmに下がっていた。
図76に示す実験結果から、吸着剤の10重量%濃度での導電率が吸着剤交換目安である0.75pS/cm以下であったことから、今回投入した80gの吸着剤はほぼ吸着能が飽和した状態に近いと判断され、投入した吸着剤を全て取り出し口425から除去した。
廃液タンク415には廃液回収ライン411から廃液が回収され、投入口413から新たな吸着剤を加え、初期導電率計測タンク414において、アイソパーL中の所定濃度で初期の導電率を計測した後、廃液タンク415に加え、再び、同様の廃液処理を行った。
上記実験例では、使用した吸着剤分散液の導電率を計測した結果、交換目安とした基準の導電率以下の値であったため吸着剤を廃棄したが、所定数値以上の導電率を示した場合には、まだ十分吸着能力があると判断され、バイパスライン427を介して吸着剤を廃液タンク415に戻し、再び廃液とともに組み上げて、障壁構造体419−1表面への堆積、付着を行い、吸着剤粒子層419−2を形成することにより、廃液再生処理を続行することができる。
上記実験例では、障壁構造体として、コイルバネ419−1を用いたが、他の形状の障壁構造体を使用することができる。
図77に、廃液処理機構の濾過器に使用される障壁構造体の他の一例の構成を表す模式図を示す。
図78に、図77の障壁構造体を部分的に拡大した図を示す。
障壁構造体の他の例として、例えば側面に直径0.5mmの貫通孔を複数個設けた外径10mm、内径8mmの中空シャフト430−2に、障壁構造体間隙430−5として気泡径30μmないし100μmを有するウレタン系連泡スポンジ430−3を厚さ3mmで形成した構成を有する障壁構造体430−1があげられる。この場合、スポンジ表面に0.5ないし2mmの厚さの吸着剤粒子層430−4を形成し得る。
図79に、液処理機構の濾過器に使用される障壁構造体のさらに他の一例の構成を表す模式図を示す。
図80に、図79の障壁構造体の模式的な断面図を示す。
障壁構造体は図79に示すような箱型で、側面431がフィルター機能を有し、対向する一対のフィルター431−1をフィルター431−1の端部間に設けられた支持体432で一定距離を保つように保持し、フィルター431の主面から液流を流入させる構成でもよい。この場合、フィルター431を構成する障壁構造体431−1は、表側から裏側への貫通孔を設けた厚さ3mmのステンレス板で、表側に5〜10mmの厚さの吸着剤粒子層431−2が形成されている。
図81は、フィルター431−1として使用されるステンレス板の構成を示す図である。
ステンレス板431−1は、塩化第二鉄系のエッチング液などにより、表側からエッチング処理を行うことで、図示するように、連続的に開口径が変わる貫通孔が形成される。
図82に、図81の障壁構造体間隙の断面の状態を表す模式図を示す。
障壁構造体間隙431−4としての、表側の平均開口径d3は60μm〜80μmの範囲であり、裏側の平均開口径は30μm〜40μmの範囲であった。上記、中空シャフトと連泡スポンジの構成と、貫通孔413−2を設けたステンレス板の構成で、それぞれ、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つハイドロタルサイト系の吸着剤粒子層431−2を表面に保持し、廃液の再生処理を行った結果、ともにトナー固形分とイオン性化合物の除去に有効で、短時間で、吸着剤の吸着能力を最大限に利用した廃液再生処理が可能となる。
図83に、本発明のさらに他の実施態様に係るパターン形成装置の一例の概要を表す模式図を示す。
このパターン形成装置471は、微細パターンが形成されるパターン形成ユニット450と、廃液の再生処理を行う廃液処理ユニット460とに分かれている。
パターン形成ユニット450は、凹版ドラム451と、凹版ドラム451上に微粒子層を形成するための現像ユニット452と、凹版ドラム451を記録媒体454に対向させた位置で微粒子パターンを転写するバックアップローラ453と、転写工程後、凹版ドラム表面に残留した現像粒子を除去するクリーナ455を有する。
現像ユニット452は、凹版ドラム451の表面を帯電する図示しない帯電器を含む。クリーナ455は、キャリア液であるアイソパーLをキャリア液タンク456から吸い上げ、ノズルで凹版ドラム451表面に供給し、図示しない吸引スポンジローラで廃液と残留現像剤を同時に回収する機構である。回収された廃液は、廃液回収ライン461により廃液処理ユニット460に回収される。
キャリア液タンク456には新規のアイソパーLと、廃液処理ユニット460から再生液供給ライン470により送られた再生液が混合され、クリーナ455に供給されるとともに、現像剤タンク457にも供給され、コンク現像液タンク458から供給される高濃度の現像液と混合され、所定の濃度の現像液として、現像ユニット452で用いられる。
図84に、図83のパターン形成装置に用いられる凹版ドラムの構成を説明するための図を示す。
図示するように、この凹版ドラム451の構成は、ドラム表面451−1に、ポリイミドやPET、PEN等の樹脂材料やガラス材料等からなる20μm〜50μm程度の厚みの絶縁性の電極保持体451−2と、その上に形成された微細パターン形成電極451−3、電極保持体451−2裏面に設けられた図示しない共通電極、及び微細パターン形成電極451−3において凹部パターン451−4を形成するための高抵抗層451−5を有する。
共通電極は、アルミニウム、ステンレス等の導電性材料から構成され、100μmないし3000μm程度の厚みを有する。
高抵抗層451−5は、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリエステル、ウレタン、エポキシ、テフロン(登録商標)、ナイロンなどの体積抵抗率が1010Ωcm以上の材料(絶縁体を含む)により形成され、その膜厚は、10μm〜30μmである。
なお、各微細パターン形成電極451−3では、図示しない電源装置から、図示しない配線電極を通じて所定の電圧が供給され、各電極群は電気的に独立しているため、各電極群には異なる電圧が供給できるようになっている。
現像ユニット452は、例えば図示しない第1ないし第3の現像剤供給部と、図示しない第1ないし第3の余剰液除去部を有し、これにより、現像剤は凹版表面451−1に供給される。現像剤供給部を構成する微粒子含有液供給ローラが凹版ドラム451上の高抵抗層451−5と100〜200μm程度のギャップをおいて対向して配置され、余剰液除去部を構成する余剰液除去ローラが高抵抗層451−5と30〜60μm程度のギャップをおいて対向するように位置する。
現像剤は、顔料や染料等の色素材料、蛍光材料等の機能性材料を含むトナー粒子451−6を絶縁性の溶媒中に分散させた構成を有し、トナー粒子451−6は絶縁性溶媒中で帯電している。帯電器は、例えばスコロトロン帯電器で、凹版ドラム451表面から1〜2mm程度のギャップを介して設けられている。また、グリッド電極を有しないコロトロン帯電器、ワイヤーを使用しないイオン発生器等も使用可能である。
凹版ドラム451は、現像ユニット452の帯電器により、高抵抗層451−5の表面のみが例えば+400V程度に帯電された後、現像剤の供給を受け、所望の凹部パターン451−4内の微細パターン形成電極451−3上にトナー粒子451−6のトナー層を形成する。次に転写工程において、転写媒体454と対向した位置に配置され、凹版ドラム451の所望の凹部パターン451−4内の微細パターン形成電極451−3上に形成されたトナー粒子451−6の現像層は、凹版ドラム451裏面と、導電体層を有する転写媒体454とを密着、或いは、30〜400μm程度のギャップを介して対抗させ、微細パターン形成電極451−3に+100V、導電体層に−10kVのバイアス電圧を印加することにより、凹部パターン451−4に形成されたトナー粒子451−6の現像層は転写媒体454に転写され、転写媒体454上にトナー粒子のパターンが形成される。
転写工程を経たのち、凹版ドラム451は、凹部パターン451−4に残留したトナー粒子の除去工程に移る。クリーナ455は、凹版ドラム表面451−1に、図示しないクリーニング液供給部材である二流体ノズルから、液圧0.5MPa、エア圧0.5MPaで、クリーニング液としてキャリア液を供給する。凹部パターン451−4内に残留したトナー粒子451−6はクリーニング液の突出圧により凹版表面から剥離し、クリーニング液中に遊離した状態となり、吸引スポンジローラを接触させることにより、クリーニング液とともに遊離した微粒子を吸引除去することができる。クリーナ455に使用される吸引スポンジローラは、複数の貫通孔を有する中空パイプと、その上に形成された平均気泡径70μmの連泡を有した厚さ7mmのウレタン系スポンジ層(JIS-C硬度30)を有し、中空パイプは吸引ポンプに接続され、クリーニング液とトナー粒子は、スポンジ層の連泡と中空パイプを介して凹版表面451−1から除去され、廃液回収ライン461を通って、廃液処理ユニット460に送られる。
トナー粒子の除去工程を経た凹版ドラム451は、乾燥工程を経て、除電工程で除電され、次のパターン形成動作に移る。
回収された廃液中のトナー固形分には、平均粒径が1μm以下のトナー樹脂母材や色素材料と、平均粒径が4〜6μmの蛍光材料、及び金属石鹸の主に3種類が含まれている。廃液処理ユニット460では、まず廃液を第一処理槽462に溜め、粒径が大きく、沈殿しやすい1μm以上の蛍光材料を沈殿させる。第一処理槽462において、廃液が所定の貯蔵量に達するとともに、蛍光材料の沈殿が終了した時点で、バルブ466eを開け、廃液を第二処理槽463に送る。第一処理槽462の底部に沈殿した蛍光材料は取り出して廃棄することができる。
第二処理槽463に送られた廃液は、平均粒径が1μm以下のトナー樹脂母材や色素材料と、金属石鹸が含まれている。第二処理槽463で導電率とトナー固形分濃度を計測した時、導電率は160pS/cm、固形分濃度は2重量%であった。吸着剤粒子として、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つ協和化学工業製のキョーワード2000を80g用いた。吸着剤を投入口464から投入し、初期導電率計測槽465において、アイソパーL中に10重量%の濃度で分散させた状態で導電率を計測し、3pS/cmという数値が得られた。この分散液を第二処理槽463に加え、バルブ466aを開け、ポンプで濾過器467に組み上げる。濾過器467は、内部に、図71と同様の構成をもつ障壁構造体を有し、コイルバネ間の60μmの間隙に吸着剤粒子が堆積して付着し、コイルバネ表面には厚さ3mmの吸着剤粒子層が形成される。
濾過器467を通過した廃液は、バルブ466dを閉じた状態で、バルブ466b、cを開け、ろ過液循環ライン468と第二ろ過循環ライン469を通る循環パスを介して、一旦、第二処理槽463に戻る。
この廃液を、6リットル/分の流量で循環パスにおいて4回循環させた後、一旦液の循環を止め、ろ過液循環ライン468に設置したモニターで導電率とトナー固形分濃度を計測した。この時、導電率は20pS/cmで、固形分濃度は0.8重量%で、再利用が出来ないレベルであったため、ろ過液を再び第二処理槽463に戻した。
また、この時、ろ過液の一部を濾過器467内に残したままとし、バルブ466aと、バルブ466bを閉め、バルブ466e、fを開け、濾過器467に高圧エア供給弁475から高圧エアを供給し、コイルバネ表面から吸着剤粒子を剥離、吸着剤粒子をろ過後導電率計測槽472に、液を一時溜め槽473に入れ、吸着剤とろ過液を一時的に分離した。吸着剤の入ったろ過導電率計測槽472にアイソパーLを入れ、吸着剤の10重量%濃度の分散液を作成、この状態で導電率を計測した結果、導電率は0.70pS/cmに下がっていた。吸着剤の10重量%濃度での導電率が吸着剤交換目安である0.75pS/cm以下であったことから、今回投入した80gの吸着剤はほぼ吸着能が飽和した状態に近いと判断され、投入した吸着剤を全て取り出し口471から除去した。
新たな吸着剤80gを投入口464から加え、初期導電率計測槽465で、アイソパーL中の10重量%濃度で初期の導電率を計測した後、第二処理槽463に加えた。この混合液をポンプで組み上げ、同様の手順で、6リットル/分の流量で循環パスにおいて廃液処理を行った。4回循環させた後、一旦液の循環を止め、ろ過液循環ライン468に設置したモニターで導電率とトナー固形分濃度を計測した。この時、導電率は純アイソパーLの導電率である0.03pS/cmの数値を示し、固形分濃度も検出限界以下であった。そこで、バルブ466cを閉じ、バルブ466dを開けた状態で、再生液供給ライン470を介して、ろ過液をキャリア液タンク456に入れた。キャリア液タンク456からは、適宜、現像液タンク457とクリーナ455へのキャリア液の供給が行なわれる。
次に、図85ないし図89を用いて、本発明のさらに他の実施態様を述べる。
図85は、本発明に係る配線基板製造装置を模式的に示した図である。
以下に詳細を述べる。
図85の配線基板製造装置は、パターン形成装置として、図69に示した構成の装置500を用いて微細パターンを形成した基板を、搬送系501を介して、表面処理装置502に搬送し、基板に表面処理を施した後、搬送系501を介して、無電解メッキ装置503に搬送し、微細パターン上に選択的に導電層を形成して微細配線基板を製造する。
図86は、本発明に使用可能な液体現像剤の構成を模式的に示した図である。
液体現像剤は、図86に示すように、トナー固形分504として、着色剤の代わりにメッキ核である、粒径5nm〜100nmの範囲の金属微粒子504−2を付着させた平均粒径0.05μm〜1μm程度の樹脂微粒子504−1を用いた。また、樹脂微粒子504−1表面には図示しない金属石鹸が付着されている。この現像剤により、パターン形成装置500において、ポリイミド基板506−1上に、ライン幅20μm、ライン間スペース20μmの微細パターン505を形成した。基板506−1は、搬送系501により、表面処理装置502に搬送され、表面処理装置502において、10−4Paに減圧された真空槽内に挿入された。そして、真空槽内において、酸素ガスとフッ素系ガスの混合ガスを導入してプラズマを発生させ、パワー100Wで10秒間、プラズマによる表面処理を施した。
図87は、パターン層を表面処理装置に通過した後のパターン表面付近の断面形状を模式的に示した図である。
この表面処理により、図87に示すように、ラインパターン505表面は、樹脂の一部が選択的にエッチング除去された樹脂層504−5となり、メッキ核である金属微粒子504−2の表面に露出した個数が飛躍的に増大した。
図88は、本発明により形成されたパターンを用いた回路基板の断面構成を模式的に示す図である。
基板506−1は、搬送系501により、無電解メッキ装置503に搬送され、エチレンジアミン系の無電解メッキ液に浸漬されることにより、図示するように、ラインパターン505上に厚さ10μmの無電解Cuメッキ層506−3が形成され、ライン幅20μm、ライン間スペース20μmの微細配線パターン506−2が形成された回路基板506が製造された。
次に、図69のパターン形成装置と同じ構成を持つパターン形成装置500の、廃液処理機構に使用される濾過器は、図79、80、81、82に示すものと同様の構成を持つものを用いた。本実施例では、特に、トナー固形分から遊離した金属微粒子の吸着除去が重要となる。
図82に示すように、障壁構造体431−1は厚さ2mmのステンレス板で、エッチング処理により表側の平均開口径d3は60μm、裏側の平均開口径は30μmの貫通孔を設けてある。この障壁構造体表面に、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つハイドロタルサイト系の吸着剤粒子層431−2を堆積させ、表側に6mmの厚さの吸着剤粒子層431−2を形成した。このろ過器431を用いて、廃液の再生処理を行った結果、ともにトナー固形分とイオン性化合物の除去に有効で、短時間で、吸着剤の吸着能力を最大限に利用した廃液再生処理が可能となった。
本実施例にかかる液体現像剤に関して、吸着剤が十分、トナー固形分や遊離した金属微粒子、及び金属石鹸分を吸着した状態のアイソパーL分散液の導電率を計測した。
図89は、吸着剤の交換目安を示すグラフである。
その結果、図89に示すように、初期の導電率は3pS/cmで、ほぼ飽和状態の吸着剤の導電率は1.0pS/cmに下がっていた。従って、交換目安導電率を、80%吸着した状態である1.5pS/cmとして、吸着剤の管理を行った。
本発明にかかる配線基板製造装置を用いることにより、予めCADで作成したデータに基づいた、高信頼性を有する微細配線パターンの回路基板を、短時間で再現性よく製造することが可能となった。
この発明のクリーニング装置は、上記のような構成および作用を有しているので、像保持体に保持された帯電粒子を良好にクリーニングできる。
また、この発明のパターン形成装置は、液体現像剤廃液からイオン性化合物及びトナー固形分を並行して除去してキャリア液を再生することが可能で、単位時間当たりの処理能力、及び使用される吸着剤の単位量当たりの吸着効率が良好な廃液処理ユニットを備えている。

Claims (69)

  1. パターン状の凹部に現像剤粒子を凝集せしめて被転写媒体へ転写した後の凹版をクリーニングするクリーニング装置であって、
    上記凹部にクリーニング液を供給する供給装置と、
    上記凹部に残留した現像剤粒子を上記供給装置によって供給したクリーニング液とともに除去する除去装置と、
    を有することを特徴とするクリーニング装置。
  2. 上記供給装置は、上記クリーニング液を上記凹部に吹き付ける2流体ノズル、若しくは1流体ノズルを有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 上記供給装置は、上記2流体ノズル、若しくは1流体ノズルによる上記クリーニング液の吹き付け角度を調節する調節機構を有することを特徴とする請求項2に記載のクリーニング装置。
  4. 上記除去装置は、上記凹部の開口に接触する多孔部材、およびこの多孔部材の表面に負圧を生じさせる負圧装置を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  5. 上記除去装置は、上記多孔部材を外周に備えた除去ローラを有し、この除去ローラを回転して上記凹部に摺接させ、その回転軸を介して上記負圧装置によって除去ローラ周面に負圧を生じさせることを特徴とする請求項4に記載のクリーニング装置。
  6. パターン状の凹部を有する凹版に、絶縁性液体中に帯電した現像剤粒子を分散させた液体現像剤を供給し、上記凹部の近くに電界を作用させて上記液体現像剤中の現像剤粒子を該凹部内に凝集させ、この凹部に集めた現像剤粒子に電界を作用させて被転写媒体へ転写するパターン形成装置に組み込まれた、上記転写後の凹部をクリーニングするクリーニング装置であって、
    上記凹部にクリーニング液を供給する供給装置と、
    上記凹部に残留した現像剤粒子を上記供給装置によって供給したクリーニング液とともに除去する除去装置と、
    を有することを特徴とするクリーニング装置。
  7. 上記供給装置は、上記クリーニング液を上記凹部に吹き付ける2流体ノズル、若しくは1流体ノズルを有することを特徴とする請求項6に記載のクリーニング装置。
  8. 上記供給装置は、上記2流体ノズル、若しくは1流体ノズルによる上記クリーニング液の吹き付け角度を調節する調節機構をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のクリーニング装置。
  9. 上記供給装置は、上記2流体ノズル、若しくは1流体ノズルによる上記クリーニング液の吹き付け角度を変動させる変動機構をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のクリーニング装置。
  10. 上記クリーニング液は、上記液体現像剤を構成する絶縁性液体であることを特徴とする請求項7に記載のクリーニング装置。
  11. 上記除去装置は、上記凹部の開口に接触する多孔部材、およびこの多孔部材の表面に負圧を生じさせる負圧装置を有することを特徴とする請求項6に記載のクリーニング装置。
  12. 上記除去装置は、上記多孔部材を外周に備えた除去ローラを有し、この除去ローラを回転して上記凹部に摺接させ、その回転軸を介して上記負圧装置によって除去ローラ周面に負圧を生じさせることを特徴とする請求項11に記載のクリーニング装置。
  13. 上記除去ローラの多孔部材は、上記凹部との間に電界を作用させて上記帯電した現像剤粒子を吸着させるように導電性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項12に記載のクリーニング装置。
  14. 上記除去装置は、上記除去ローラに付着した現像剤粒子を掻き取るブレードをさらに有することを特徴とする請求項12に記載のクリーニング装置。
  15. 上記ブレードは、上記除去ローラとの間で電界を形成して該除去ローラに付着した現像剤粒子を吸着させるように導電性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項14に記載のクリーニング装置。
  16. 上記除去装置は、上記除去ローラに転接するクリーニングローラをさらに有し、上記除去ローラとクリーニングローラとの間に電界を形成して上記除去ローラに付着した現像剤粒子を上記クリーニングローラの周面に付着させることを特徴とする請求項13に記載のクリーニング装置。
  17. 上記除去装置は、上記クリーニングローラの周面に付着した現像剤粒子を掻き取るブレードをさらに有することを特徴とする請求項16に記載のクリーニング装置。
  18. 上記ブレードは、上記クリーニングローラとの間で電界を形成して該クリーニングローラの周面に付着した現像剤粒子を吸着させるように導電性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項17に記載のクリーニング装置。
  19. パターン状の凹部に現像剤粒子を凝集せしめて被転写媒体へ転写した後の凹版をクリーニングするクリーニング方法であって、
    上記凹部にクリーニング液を供給する供給工程と、
    上記凹部に残留した現像剤粒子を上記供給工程によって供給したクリーニング液とともに除去する除去工程と、
    を有することを特徴とするクリーニング方法。
  20. 上記供給工程では、2流体ノズル、若しくは1流体ノズルを介して上記クリーニング液を上記凹部に吹き付けることを特徴とする請求項19に記載のクリーニング方法。
  21. 帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングするクリーニング装置であって、
    上記像保持体に近接対向して配置され、上記像保持体との間で電界を形成して上記像保持体に保持されている帯電粒子を吸着させる電極と、
    この電極と上記像保持体との間をクリーニング液で満たすとともに、上記電界を消失させた後、上記電極に吸着されていた帯電粒子を流すようにクリーニング液を流通させる液流装置と、
    を有することを特徴とするクリーニング装置。
  22. 上記像保持体は、帯電粒子を収容して保持するパターン状の凹部、およびこの凹部の底に配置された導電部材を有し、
    上記凹部に保持されている帯電粒子をクリーニングする際に、上記像保持体と上記電極との間をクリーニング液で満たした後、上記導電部材と上記電極との間で上記電界を形成することを特徴とする請求項21に記載のクリーニング装置。
  23. 上記像保持体を予めクリーニング液で濡らすプリウェット装置をさらに有することを特徴とする請求項21に記載のクリーニング装置。
  24. 上記帯電粒子を流した後、上記像保持体からクリーニング液を除去する除去装置をさらに有することを特徴とする請求項21または請求項23に記載のクリーニング装置。
  25. 上記像保持体に保持された帯電粒子をクリーニングする別のクリーナをさらに有することを特徴とする請求項21乃至請求項24のうちいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  26. 平板状の被転写媒体を保持した保持機構と、
    ドラム状の像保持体と、
    この像保持体を上記保持機構によって保持された平板状の被転写媒体に沿って転動させる転動機構と、
    上記像保持体の周面上に帯電粒子によるパターン像を形成する像形成装置と、
    上記転動する像保持体と上記被転写媒体との間に電界を形成して上記周面上のパターン像を上記被転写媒体へ転写する転写装置と、
    上記像保持体の周面をクリーニングするクリーニング装置と、を有し、
    上記クリーニング装置は、
    上記像保持体の周面に近接対向して配置され、上記像保持体との間で電界を形成して上記周面に保持されている帯電粒子を吸着させる電極と、
    この電極と上記像保持体の上記周面との間をクリーニング液で満たすとともに、上記電界を消失させた後、上記電極に吸着されていた帯電粒子を流すようにクリーニング液を流通させる液流装置と、
    を有することを特徴とするパターン形成装置。
  27. 上記像保持体の周面には、帯電粒子を収容して保持するパターン状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項26に記載のパターン形成装置。
  28. 上記像保持体は、上記凹部の底に配置された導電部材を有し、
    上記クリーニング装置は、上記像保持体の周面と上記電極との間をクリーニング液で満たした後、上記導電部材と上記電極との間で上記電界を形成することを特徴とする請求項27に記載のパターン形成装置。
  29. 上記クリーニング装置で上記像保持体の周面をクリーニングする前に、当該周面を予めクリーニング液で濡らすプリウェット装置をさらに有することを特徴とする請求項26に記載のパターン形成装置。
  30. 上記クリーニング装置で上記像保持体の周面をクリーニングした後、当該周面からクリーニング液を除去する除去装置をさらに有することを特徴とする請求項26または請求項29に記載のパターン形成装置。
  31. 上記像保持体の周面をクリーニングする別のクリーナをさらに有することを特徴とする請求項26乃至請求項30のうちいずれか1項に記載のパターン形成装置。
  32. 帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングするクリーニング方法であって、
    上記像保持体に近接対向して電極を配置する工程と、
    上記電極と上記像保持体との間をクリーニング液で満たす工程と、
    上記電極と上記像保持体との間で電界を形成して上記像保持体に保持されている帯電粒子を上記電極へ吸着させる工程と、
    上記電界を消失させた後、上記電極と上記像保持体との間を満たしたクリーニング液を流通させて上記電極に吸着されていた帯電粒子を流す工程と、
    を有することを特徴とするクリーニング方法。
  33. 上記像保持体を予めクリーニング液で濡らすプリウェット工程をさらに有することを特徴とする請求項32に記載のクリーニング方法。
  34. 上記流通させる工程の後、上記像保持体からクリーニング液を除去する除去工程をさらに有することを特徴とする請求項32または請求項33に記載のクリーニング方法。
  35. 上記像保持体に保持されている帯電粒子の量を判断して緊急時のクリーニングが必要か否かを判断する工程をさらに有することを特徴とする請求項32に記載のクリーニング方法。
  36. 像保持体の表面をクリーニング液で満たすとともにこのクリーニング液を流す液流装置と、
    上記像保持体の表面をクリーニング液によって満たした状態で、上記像保持体に残留した現像剤粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した現像剤粒子間に浸透させる超音波装置と、
    を有することを特徴とするクリーニング装置。
  37. 上記像保持体の表面を予め上記クリーニング液で濡らすプリウェット装置をさらに有することを特徴とする請求項36に記載のクリーニング装置。
  38. 上記現像剤粒子を流した後、上記像保持体の表面から上記クリーニング液を除去する除去装置をさらに有することを特徴とする請求項36に記載のクリーニング装置。
  39. 上記像保持体に保持された現像剤粒子をクリーニングする別のクリーナをさらに有することを特徴とする請求項36に記載のクリーニング装置。
  40. 上記像保持体に残留した現像剤粒子の量を検出する検出装置と、
    この検出装置による検出結果に基づいて、上記超音波装置によって発生される超音波の周波数、印加電圧、および印加時間、のうち少なくとも一つを制御する制御装置と、
    をさらに有することを特徴とする請求項36に記載のクリーニング装置。
  41. 上記像保持体に残留した現像剤粒子に上記クリーニング液を吹き付けて剥離させる吹き付け装置をさらに有することを特徴とする請求項36に記載のクリーニング装置。
  42. 帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングするクリーニング装置であって、
    上記像保持体の表面をクリーニング液で満たすとともにこのクリーニング液を流す液流装置と、
    上記像保持体の表面をクリーニング液によって満たした状態で、上記像保持体に残留した帯電粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した帯電粒子間に浸透させる超音波装置と、
    上記像保持体の表面に近接対向して配置され、上記像保持体との間で電界を形成して上記像保持体に保持されている帯電粒子を吸着させる導電部材と、
    を有することを特徴とするクリーニング装置。
  43. 上記像保持体の表面を予め上記クリーニング液で濡らすプリウェット装置をさらに有することを特徴とする請求項42に記載のクリーニング装置。
  44. 上記現像剤を流した後、上記像保持体の表面から上記クリーニング液を除去する除去装置をさらに有することを特徴とする請求項42に記載のクリーニング装置。
  45. 上記像保持体に保持された現像剤をクリーニングする別のクリーナをさらに有することを特徴とする請求項42に記載のクリーニング装置。
  46. 上記像保持体に残留した現像剤の量を検出する検出装置と、
    この検出装置による検出結果に基づいて、上記超音波装置によって発生される超音波の周波数、印加電圧、印加時間、および上記像保持体と導電部材との間で形成される電界のうち少なくとも一つを制御する制御装置と、
    をさらに有することを特徴とする請求項42に記載のクリーニング装置。
  47. 上記像保持体に残留した帯電粒子に上記クリーニング液を吹き付けて剥離させる吹き付け装置をさらに有することを特徴とする請求項42に記載のクリーニング装置。
  48. 現像剤粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングするクリーニング方法であって、
    上記像保持体の表面をクリーニング液で満たす工程と、
    上記像保持体に残留した現像剤粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した現像剤粒子間に浸透させる超音波発生工程と、
    上記像保持体の表面を満たしたクリーニング液を流す液流工程と、
    を有することを特徴とするクリーニング方法。
  49. 上記像保持体を予めクリーニング液で濡らすプリウェット工程をさらに有することを特徴とする請求項48に記載のクリーニング方法。
  50. 上記液流工程の後、上記像保持体からクリーニング液を除去する除去工程をさらに有することを特徴とする請求項48に記載のクリーニング方法。
  51. 上記像保持体に残留した現像剤粒子に上記クリーニング液を吹き付けて剥離させる吹き付け工程をさらに有することを特徴とする請求項48に記載のクリーニング方法。
  52. 上記像保持体に残留した現像剤粒子の量を検出する検出工程と、
    この検出工程における検出結果に基づいて、上記超音波発生工程で発生する超音波の周波数、印加電圧、および印加時間、のうち少なくとも一つを制御する制御工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項48に記載のクリーニング方法。
  53. 帯電粒子によるパターン像を保持して被転写媒体に転写する像保持体をクリーニングするクリーニング方法であって、
    上記像保持体の表面をクリーニング液で満たす工程と、
    上記像保持体に残留した帯電粒子に超音波を作用させて、上記クリーニング液を上記残留した帯電粒子間に浸透させる超音波発生工程と、
    上記像保持体の表面に近接対向せしめた導電部材と上記像保持体との間で電界を形成して、上記像保持体に保持されている帯電粒子を上記導電部材に吸着させる工程と、
    上記電界を消失させた後、上記像保持体の表面を満たしたクリーニング液を流して上記導電部材に吸着されていた帯電粒子を流す液流工程と、
    を有することを特徴とするクリーニング方法。
  54. 上記像保持体を予めクリーニング液で濡らすプリウェット工程をさらに有することを特徴とする請求項53に記載のクリーニング方法。
  55. 上記液流工程の後、上記像保持体からクリーニング液を除去する除去工程をさらに有することを特徴とする請求項53に記載のクリーニング方法。
  56. 上記像保持体に残留した帯電粒子に上記クリーニング液を吹き付けて剥離させる吹き付け工程をさらに有することを特徴とする請求項53に記載のクリーニング方法。
  57. 上記像保持体に残留した帯電粒子の量を検出する検出工程と、
    この検出工程における検出結果に基づいて、上記超音波発生工程で発生する超音波の周波数、印加電圧、印加時間、および上記吸着させる工程で上記像保持体と導電部材との間に形成される電界のうち少なくとも一つを制御する制御工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項53に記載のクリーニング方法。
  58. 像担持体、
    該像担持体に対向して設けられ、該像担持体上に形成された静電潜像を、イオン性化合物を含有するトナーとキャリア液とを含む液体現像剤により現像し、トナー像を形成する現像部、該トナー像を転写媒体に転写する転写部を有するパターン形成ユニットと、
    該パターン形成ユニットに接続され、トナー固形分、イオン性化合物、及び該キャリア液を含有する廃液を回収する廃液回収ライン、
    該回収ラインに接続され、30〜100μm径の開孔を持つ導電性の障壁構造体を有し、該廃液中の該トナー固形分及び該イオン性化合物の除去を行う濾過器、該濾過器の上流に設けられ、吸着剤粒子を投入するための投入口を含む廃液処理ユニット、及び
    該廃液処理ユニットから排出された処理済みの廃液をパターン形成ユニットに戻す再生液供給ラインとを具備し、
    該濾過器は、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つ吸着剤粒子を添加した廃液、若しくはキャリア液を通過させて、前記障壁構造体上に0.5mm〜10mmの厚さの吸着剤粒子層を形成せしめて廃液処理に供することを特徴とするパターン形成装置。
  59. 前記廃液処理ユニットは、前記濾過器の上流に設けられ、前記吸着剤粒子を投入する投入部を有する処理槽、該処理槽から前記吸着剤粒子を取り出す取出部とをさらに含むことを特徴とする請求項58に記載のパターン形成装置。
  60. 前記廃液処理ユニットは、前記処理槽の上流に設けられ、廃液を貯留して、前記トナーの少なくとも一部を沈殿せしめ、廃液から除去する予備処理槽をさらに含むことを特徴とする請求項59に記載のパターン形成装置。
  61. 前記予備処理槽では、1μm以上の粒径を有するトナーを除去し、前記処理槽及び濾過器では、1μm未満の粒径を有するトナーを除去することを特徴とする請求項60に記載のパターン形成装置。
  62. 前記投入部と前記処理槽との間に、第1の導電率計測部、前記処理槽と取り出し部との間に第2の導電率計測部をさらに含み、前記第1の導電率計測部では、投入された前記吸着剤粒子を前記キャリア液に分散させて初期導電率を計測し、前記第2の導電率計測部では、廃液処理後の導電率を計測し、前記廃液処理後の導電率が前記初期導電率に基づく基準の導電率以下になったとき、前記吸着剤粒子を前記取り出し部から除去し、前記投入部から未使用の吸着剤粒子を投入することを特徴とする請求項58ないし61のいずれか1項に記載のパターン形成装置。
  63. 廃液処理部から排出された処理済みの廃液を、前記廃液処理部内の前記濾過器よりも上流に戻す循環ラインを、前記濾過器よりも後段にさらに具備する請求項58ないし61のいずれか1項に記載のパターン形成装置。
  64. 廃液処理ユニット及びパターン形成ユニットを備えたパターン形成装置を使用して、パターン形成を行う方法であって、
    前記パターン形成ユニット内で、像担持体上に形成された静電潜像を、イオン性化合物を有するトナーとキャリア液とを含む液体現像剤により現像してトナー像を形成し、該トナー像を転写媒体に転写するパターン形成工程、
    トナー固形分、該イオン性化合物、及び該キャリア液を含有する廃液を、前記パターン形成ユニットから廃液回収ラインを通して廃液処理ユニット内に回収する廃液回収工程、
    前記廃液処理ユニット内で、該濾過器の上流に設けられた投入口から、粒径5μm〜100μmの間の範囲内に粒度分布の最大頻度を持つ吸着剤粒子を廃液、若しくはキャリア液に適用し、該吸着剤粒子を含む廃液、若しくはキャリア液を、30〜100μm径の開孔を持つ導電性の障壁構造体を有する濾過器に通すことにより、前記障壁構造体上に0.5mm〜10mmの厚さの吸着剤粒子層を形成する吸着剤粒子層形成工程、
    続いて、前記吸着剤粒子層が形成された前記濾過器に該廃液を通し、該トナー固形分、及び該イオン性化合物を除去する廃液処理工程、及び
    廃液処理済みの廃液を再生液供給ラインを通して、廃液処理ユニットからパターン形成ユニットに戻す再生液供給工程を具備することを特徴とするパターン形成方法。
  65. 前記回収された廃液は、前記濾過器の上流に設けられ、前記投入部及び前記吸着剤粒子を取り出す取出部を有する処理槽に導入され、該処理槽から前記濾過器に送られることを特徴とする請求項64に記載のパターン形成方法。
  66. 前記回収された廃液は、前記処理槽の上流に設けられた予備処理槽に導入され、該予備処理槽内で貯留され、前記トナー固形分を沈殿せしめて除去した後、前記処理槽に送られることを特徴とする請求項65に記載のパターン形成方法。
  67. 前記予備処理槽では、1μm以上の粒径を有するトナーを除去し、前記処理槽及び濾過器では、1μm未満の粒径を有するトナーを除去することを特徴とする請求項66に記載のパターン形成方法。
  68. 前記投入部と前記処理槽との間に、第1の導電率計測部、前記処理槽と取り出し部との間に第2の導電率計測部をさらに含み、前記第1の導電率計測部では、投入された前記吸着剤粒子を前記キャリア液に分散させて初期導電率を計測し、前記第2の導電率計測部では、廃液処理後の導電率を計測し、前記廃液処理後の導電率が前記初期導電率に基づく基準の導電率以下になったとき、前記吸着剤粒子を前記取り出し部から除去し、前記投入部から未使用の吸着剤粒子を投入することを特徴とする請求項64ないし67のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  69. 前記廃液処理済みの廃液を、前記濾過器の後段に設けられた循環ラインを通して、前記廃液処理部内の前記濾過器よりも上流に戻すことを特徴とする請求項64ないし67のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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