JPWO2007058163A1 - フレキソ印刷版 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、および光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂組成物を光硬化して得られ、非共振強制伸張振動型装置を用いた動的粘弾性測定において、500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.3以上である光硬化物を含有するフレキソ印刷版およびそれに用いられる感光性樹脂組成物が提供される。

Description

本発明は、フレキソ印刷版及びそれに用いられる感光性樹脂組成物に関する。
フレキソ印刷用の感光性樹脂組成物は、特許文献1〜3に記載されるように、熱可塑性エラストマー、光重合性不飽和単量体および光重合開始剤を含有するものが一般的である。
フレキソ印刷原版は、ポリエステルフィルムなどの支持体の上に、感光性樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて感光性樹脂組成物の上にネガフィルムとの接触をなめらかにする等の目的でスリップ層(保護層)や赤外レーザーで切除可能な赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層を設けることにより製造されるのが一般的である。
このようなフレキソ印刷原版からフレキソ印刷版を製版するには、まず支持体を通して全面に紫外線露光(バック露光)を施し、支持体側に薄い均一な硬化層を設ける。次いでネガフィルムを通して間接的に、又は紫外線遮蔽層の上から直接的に、感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)をおこなう。その後、未露光部分を現像溶液で洗い流し、後処理露光することによってフレキソ印刷版を製造するのが一般的である。
フレキソ印刷版を用いた印刷は、凹凸のある樹脂版の凸部の表面に、インキ供給ロール等で、エステル溶剤等を含むインキを供給し、次に、樹脂版を被印刷体に接触させて、凸部表面のインキを被印刷体に転移させる機構を持つ印刷機によって行われるのが一般的である。
このとき、フレキソ印刷機の機械的な精度が低く振動が発生する場合や、被印刷体の厚みムラや、印刷方向に対して印刷版の凹凸画像が均一でない場合には、印刷物上で、網点等の画像部の面積が一定とならず印刷濃度ムラが生じて、高品質な印刷物を得ることが困難な場合があった。
このため上記問題を解決するため、種々の検討がなされてきた。例えば、特許文献4には、フレキソ印刷版においてレリーフ像を形成する面を表面とした場合にその反対側の面(以下、裏面という)に粘着剤を介してクッション効果を有するフォームテープを配設する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、硬いフォームテープを用いるとクッションの強い弾力性により文字や画像の太りが生じ、柔らかいフォームテープを用いるとベタ部分の被印刷体へのインキ転移が不十分であり、画像等の太りがなく、かつインキ転移が十分であるフォームテープの選定が容易ではない。また、特許文献4は、被印刷体に接触する部分である感光性樹脂層に改良を加える発明ではなく、印刷濃度ムラ抑制効果は必ずしも十分ではなかった。
特許文献5には、弾性フォーム層上に、バリアー性能を有する支持体層、接着層、光硬化樹脂層が積層されてなるフレキソ印刷版が提案されている。しかしながら、多層構造のためにコストが高くなる、クッションフォーム層を設けているため、バック露光ができないか、或いはバック露光時間を長くする必要があり、微小画像の形成が困難である、製版時間が増大するなどの問題があった。
特許文献6には、支持体、熱膨張カプセルを含む下地層、感光性樹脂層を積層してなるフレキソ印刷版が提案されている。しかしながら、この技術では、下地層に気泡を発生させるための加熱処理が必要であり、製造収率や製版効率が低下するという問題があった。
特許文献7は、製版時間を短縮できると共に緻密な画像を印刷可能な印刷版を得ることを目的とし、少なくとも一つのモノビニル置換炭化水素重合体ブロックと少なくとも一つの共役ジエンブロックとからなり、モノビニル置換炭化水素の含有量(A)が10〜35重量%、共役ジエンのビニル含有量(V)が20〜50重量%であって、(A)と(V)が特定の式を満足する熱可塑性ブロック共重合体、エチレン性不飽和化合物成分、光重合開始剤からなる感光性エラストマー組成物を開示している。しかしながら、この文献には印刷ムラについての記載はなく、得られる印刷版の印刷ムラの改善は十分なものではなかった。
一方、特許文献8には、インキ耐性を改良する方法として、少なくともビニル含有量の高いイソプレンを有するブロックとビニル芳香族炭化水素を有するブロックからなり、レジリアンスを低下させないように、損失正接(tanδ)のピーク位置が−10℃から30℃の範囲にあるブロック共重合体を感光性樹脂組成物中に45重量%以下含有させた樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この文献8には網点の濃度ムラについての記載や示唆はなく、この技術によっても印刷ムラを十分抑制できるものではなかった。
また、特許文献9や特許文献10は、透明性及び強度バランスに優れ、感光後の洗浄速度の速い感光性ゴム版を提供することを目的としており、芳香族ビニル単量体を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックと共役ジエン単位部分のビニル結合含有量が15〜70%である重合体ブロックを含むブロック共重合体20〜65重量部、親水性共重合体35〜80重量部、光重合性エチレン性不飽和単量体5〜300重量部、光重合開始剤0.1〜10重量部を含有する感光性組成物を開示している。しかしながら、これらの文献9、10にも印刷ムラや有機溶剤で溶解する感光性組成物についての記載はなく、得られる印刷版の印刷ムラの改善は十分なものではなかった。
さらに特許文献11は、過度の硬度及び異方性といった不都合点を有さず、粘性が低いなどSBSゴムの利点を有するフレキソ印刷版を提供することを目的としており、スチレン含有率5〜25質量%の熱可塑性エラストマーSISブロック共重合体と、スチレン含有率5〜25質量%でビニル結合含有率が35〜65%の熱可塑性エラストマーSBSブロック共重合体の質量割合が、SBS/SISで70/30〜10/90であり、50〜90質量%の結合剤混合物がSISブロック共重合体とSBSブロック共重合体から構成されており、エチレン性不飽和モノマー、可塑剤、光開始剤を含む光重合性組成物を開示している。しかしながら、この文献にも印刷ムラについての記載はなく、得られる印刷版の印刷ムラの改善は十分なものではなかった。
以上の通り、従来の技術では、フレキソ印刷用感光性樹脂の光硬化物における特定のtanδ値と、フレキソ印刷時の網点部分などとの印刷濃度ムラとの関係を述べた文献はない。
特開2000−155418号公報 特許2772055号公報 特許2635461号公報 特開2004−268291号公報 特開平11−184072号公報 特開2004−226592号公報 特許3144870号公報 特開平10−104833号公報 WO96/010218号 特開平10−31303号公報 特開2002−72457号公報
本発明は、フレキソ印刷時において印刷物の網点などの印刷濃度ムラが少ないフレキソ印刷版を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記の新規な感光性樹脂組成物を用いることで、該課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、および光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂組成物を光硬化して得られ、非共振強制伸張振動型装置を用いた動的粘弾性測定において、500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.3以上である光硬化物を含有するフレキソ印刷版。
(2)熱可塑性エラストマー(a)が、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなる、上記(1)のフレキソ印刷版。
(3)共役ジエンを主体とする重合体ブロックの側鎖基含有量が35mol%以上80mol%以下である、上記(2)のフレキソ印刷版。
(4)熱可塑性エラストマー(a)が、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのブタジエンおよび/またはブタジエンの水素添加物を主体とする重合体ブロックからなる、上記(1)のフレキソ印刷版。
(5)ブタジエンおよび/またはブタジエンの水素添加物を主体とする重合体ブロックの側鎖基含有量が35mol%以上80mol%以下である、上記(4)のフレキソ印刷版。
(6)光硬化物の500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.55以上である、上記(1)〜(5)いずれかのフレキソ印刷版。
(7)光硬化物の500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.7以上である、上記(1)〜(5)いずれかのフレキソ印刷版。
(8)感光性樹脂組成物における熱可塑性エラストマー(a)の含有量が30重量%以上85重量%以下である、上記(1)〜(7)いずれかのフレキソ印刷版。
(9)感光性樹脂組成物における熱可塑性エラストマー(a)の含有量が50重量%以上85重量%以下である、上記(8)のフレキソ印刷版。
(10)熱可塑性エラストマー(a)のビニル芳香族炭化水素含量が、13重量%以上35重量%以下である、上記(1)〜(9)いずれかのフレキソ印刷版。
(11)感光性樹脂組成物が現像用の有機溶剤に溶解する、上記(1)〜(10)いずれかのフレキソ印刷版。
(12)光硬化物のショアーA硬度が50°以上68°以下である、上記(1)〜(11)いずれかのフレキソ印刷版。
(13)更に支持体を含有し、光硬化物が該支持体面上に形成された、上記(1)〜(12)いずれかのフレキソ印刷版。
(14)上記(1)〜(12)いずれかのフレキソ印刷版を構成する光硬化物を得るための感光性樹脂組成物。
本発明によれば、フレキソ印刷時において網点などの印刷濃度ムラが少ない印刷物を得ることができる。
以下に本発明の好ましい形態を説明する。
本発明の印刷版は、非共振強制伸張振動型装置を用いた動的粘弾性測定において、500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.3以上である光硬化物からなる。以下に、500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.3以上であることの技術的意義について説明する。
フレキソ印刷版は印刷機上で被印刷体と接触してインキを被印刷体に転移する。そのため、印刷機の機械的精度が低く振動が発生する場合、被印刷体の厚み精度が低い場合、フレキソ印刷版の裏面に張られるクッションフォームのクッション性が十分でない場合には、印刷物上で、網点等の画像部の面積が一定とならず、濃度ムラが発生することがある。
印刷版を特定する物性としては、ショアーA硬度が用いられることが多い。本発明者らが検討したところ、ショアーA硬度が同程度の印刷版であっても、印刷濃度ムラは異なることがわかった。そこで、印刷濃度ムラを改善するためには、ショアーA硬度を検討しただけでは足りないと考えた。そして、本発明者らは、印刷中の印刷版の振動が100〜1000Hzの速度領域であると考え、静的特性であるショアーA硬度に代えて、500Hzのtanδ値に着目して検討を重ねた。その結果、印刷版の500Hzのtanδ値が特定の範囲にある場合に印刷濃度ムラを抑制する効果があることを見出した。すなわち、感光性樹脂組成物の光(紫外線)硬化物を非共振強制伸張振動型装置を用いて動的粘弾性測定を行い、損失弾性率(E’’)と貯蔵弾性率(E’)との比で定義される損失正接(tanδ)の500Hzにおける値が0.3以上5以下である光硬化物を含有するフレキソ印刷版を用いて印刷した場合に、網点部の印刷濃度ムラ(濃淡ムラ)が抑制できるという驚くべき結果を得た。500Hzにおけるtanδ値は、印刷濃度ムラの点から0.3以上である。上限は特に制限はないが、印刷版としての弾性の点から5以下が好ましい。好ましくは0.55以上3以下、より好ましくは0.7以上1.5以下である。
印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおける貯蔵弾性率(E’)の値は、印刷版にしたときの柔軟性の点から12N/m以下が好ましく、印刷版の網点や文字などの変形を抑制し、精細な印刷物を得る点から、1N/m以上が好ましく、1.5N/m以上10N/m以下がより好ましい。
なお、非共振強制伸張振動型装置を用いて、引張タイプのジオメトリーにて周波数1Hz、温度測定範囲−150℃〜60℃の温度掃引にて、一般的なフレキソ印刷版用感光性樹脂の動的粘弾性測定を行うと、tanδのピーク値の温度は−100℃以上30℃以下の範囲であり、tanδのピーク値は、0.6〜3.0の範囲に入る。しかしながら、このtanδのピーク値の温度は、温度時間換算則に従っても、必ずしも印刷版の振動速度領域を表しておらず、tanδのピーク値自体も必ずしも印刷版の振動速度領域での損失正接を表してはいない。よって、印刷濃度ムラとの相関に関しては、tanδのピーク値よりもむしろ500Hzにおけるtanδ値が重要である。
500Hzにおけるtanδ値は、動的粘弾性測定で直接的に測定するのは困難である。しかしながら、ひずみ振幅0.1%、測定周波数が0.01Hzから15.915Hzの範囲で、温度を30℃から10℃づつ下げて、−60℃まで、10℃毎に損失弾性率(E’’)、貯蔵弾性率(E’)とtanδ値を測定した後に、温度時間換算則に従い、リファレンス温度を20℃におけるマスターカーブを作成して、周波数500Hzのtanδ値を算出することができる。詳細な条件は、実施例の評価方法に記述する。
本発明の印刷版は印刷機上で被印刷体と接触するが、印刷版が柔らかすぎると圧縮による変形により微細な印刷物が得難く、また硬すぎると均一なベタ表面を有する印刷物が得難い。このことから、印刷版を構成する厚み2.5mmの光硬化物のショアーA硬度が50°以上68°以下であることが好ましく、55°以上68°以下であることがより好ましく、さらに好ましくは60°以上68°以下である。
得られたフレキソ印刷版の表面張力は、インキによる印刷版の表面汚れや網点部の濃度ムラの点から36mN/m以下が好ましく、34mN/m以下がより好ましく、33mN/m以下がさらに好ましい。
本発明の印刷版は、熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、および光重合開始剤(c)を含む感光性樹脂組成物を光硬化して得られる。ここで、光硬化とは、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などの活性光線源で感光性樹脂組成物を硬化することをいい、光硬化物とは光硬化によって得られたものをいう。
熱可塑性エラストマー(a)とは、高温で可塑化されて成型可能となり、常温ではゴム弾性体としての性質を示す高分子である。熱可塑性エラストマー(a)は、成型加工性、製版時間の短縮化や印刷版の画像再現性の点から、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素ユニット(以下、単にビニル芳香族炭化水素という)を主体とする重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエンユニット(以下、単に共役ジエンという)を主体とする重合体ブロックからなることが好ましい。なお、本発明において、「主体とする」とは、重合体ブロック中に50重量%以上含まれることを指す。
ビニル芳香族炭化水素は、例えばスチレン、P−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルトルエンなどの単量体を包含し、特にスチレンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
共役ジエンは、ブタジエンやイソプレンを包含し、特に耐磨耗性の点からブタジエンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。耐溶剤性をさらに向上するために、必要に応じて、共役ジエン中の二重結合を水素添加しても良い。印刷版の微小な画像の形成性や耐カケ性の点から、共役ジエンを主体とする重合体ブロックに含まれる共役ジエンセグメントの二重結合全量のうち、80mol%以下が水素添加されていることが好ましい。水素添加率は50mol%以下がより好ましく、30mol%以下がさらに好ましい。
熱可塑性エラストマー(a)中の共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の側鎖基含有量は、製造コストや印刷原版の耐コールドフロー性の点から80mol%以下が好ましい。印刷版の耐欠け性、画像形成性、印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおけるtanδ値の点から、35mol%以上が好ましく、35〜70mol%がより好ましく、45〜70mol%が更に好ましい。共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の側鎖基含有量とは、共役ジエンおよびその水素添加化合物の総量に対する、1、2結合や3、4結合を有する共役ジエンおよびそれらの水素添加物の含有率を指す。
水素添加率および側鎖基含有量は、後述のとおり、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定できる。
共役ジエンを主体とする重合体ブロックが、例えばビニル芳香族炭化水素−ブタジエンの共重合体である場合、共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布してもまた不均一(例えばテーパー状)に分布してもよい。均一に分布した部分および/又は不均一に分布した部分は各ブロックに複数個共存してもよい。これらの重合体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
熱可塑性エラストマー(a)中のビニル芳香族炭化水素の含有量は、印刷版の硬さ、エステル溶剤耐性の点から35wt%以下が好ましく、印刷原版の耐コールドフロー性の点から13wt%以上が好ましく、より好ましくは15〜30重量%である。
感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(a)の含有量は、印刷版のエステル溶剤耐性や耐カケ性の点から30wt%以上が好ましく、印刷版の柔軟性や印刷版用感光性樹脂組成物の光化物の500Hzにおけるtanδ値の点から85wt%以下が好ましく、40wt%〜85wt%がより好ましく、50wt%〜85wt%がさらに好ましい。なお、感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(a)の含有量は、感光性樹脂組成物製造前の原料組成比によって規定されるものであるが、製造後の感光性樹脂組成物でも、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分取することによって算出することが可能である。GPC装置は、LC−10(島津製作所製、商品名)を用い、カラムには東ソー社製のTSKgel GMHXL(商標)(4.6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶離液にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)を使用して測定を行った。分子量既知のポリスチレン標品を使用し、検量線を作成することにより、感光性樹脂組成物中の特定の分子量部分を分取することができる。なお、ポリスチレン標品・感光性樹脂組成物の溶媒にはテトラヒドロフランを用いた。製造後の感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(a)の含有量は、数平均分子量が8万以上の部分を分取・精製し、得られた精製物の重量を、打ち込み試料の感光性樹脂組成物分の全重量で割ることによって算出できる。
熱可塑性エラストマー(a)のブロック共重合体は、例えば下記の一般式群(I)で表される直鎖状ブロック共重合体、
(A−B)n 、A−(B−A)n 、A−(B−A)n −B (I)
B−(A−B)n
又は一般式群(II)で表される直鎖状ブロック共重合体若しくはラジアルブロック共重合体を包含する。
[(A−B)k]m−X 、[(A−B)k−A]m−X
[(B−A)k]m−X [(B−A)k−B]m−X (II)
上記式において、Aは例えばビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックを示す。Bは例えばブタジエンおよび/あるいはイソプレンを主体とする共役ジエン重合体ブロックを示す。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及びmは1以上の整数を示し、例えば1〜5である。
上記式で示される構造体は任意に組み合わせることが可能である。これらの熱可塑性エラストマー(a)は、単独でも2種以上併用してもよい。2種以上の併用において、Bがブタジエンを主体とする重合体ブロックである少なくとも1つの熱可塑性エラストマー(a−Bd)と、Bがイソプレンを主体とする重合体ブロックである少なくとも1つの熱可塑性エラストマー(a−Ip)を用いる場合、耐磨耗性の点から、熱可塑性エラストマー全量中における(a−Bd)/(a−Ip)の重量比率は1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上であり、さらに好ましくは2.5以上である。
本発明においては、得られる組成物の性能バランスや、生産性と得られる版の形状安定性の観点から、式(I)で示される直鎖状ブロック共重合体や式(II)で示される構造体の内、mが4以下であるブロック共重合体が好ましい。
また、熱可塑性エラストマー(a)中で、一般式(II)で表される直鎖状ブロック共重合体或いはラジアルブロック共重合体の総重量(ii)と、一般式(I)で表される直鎖状ブロック共重合体の総重量(i)において、(i)の重量比率、すなわち(i)/((i)+(ii))は、印刷原版の耐コールドフロー性や印刷版の耐カケ性の点から0.4以下が好ましく、印刷版の柔軟性や印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおけるtanδ値の点から0.1以上が好ましく、より好ましくは0.15〜0.3である。
熱可塑性エラストマー(a)には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、共役ジエンブロックの完全水素添加物のスチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体やスチレン-エチレン−プロピレンブロック共重合体等を併用してもよい。
熱可塑性エラストマー(a)の分子量は、特に制限はないが、成型加工性と得られる感光性樹脂組成物の固体維持性のバランスに優れるものが良い。好ましい数平均分子量の範囲は、8万〜50万である。ここで、数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品から換算されたものである。
光重合性不飽和単量体(b)は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、アリルエステル、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物などを包含する。その具体的な例としては、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどのアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N−ラウリルマレイミド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合性不飽和単量体単独の重合物のガラス転移温度(Tg)が高い方が、印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおけるtanδ値が増大する傾向がある。ここで、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)で測定することができる。
感光性樹脂組成物中の光重合性不飽和単量体(b)の含有量は、細かいドットや文字の形成性の点から0.5wt%以上が好ましく、露光前の印刷原版が積層されたときの耐コールドフロー性や印刷版の柔軟性の点から30wt%以下が好ましく、1〜15wt%がより好ましい。
本発明でいう光重合開始剤(c)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、公知の各種のものを用いることが出来るが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。具体例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9−フェニルアクリジン;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性樹脂組成物中の光重合開始剤(c)の含有量は、印刷版としての細かいドットや文字の形成性の点から0.1wt%以上が好ましく、印刷原版の紫外線等の活性光の透過率の点から10wt%以下が好ましく、0.5〜5wt%がより好ましい。
感光性樹脂組成物は、必要に応じて水や有機溶媒に溶解あるいは膨潤するラジカル系共重合体、ポリアミド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系共重合体あるいは共役ジエン系重合物など常温固体の微粒子ポリマーを含有してもよい。
水に溶解あるいは膨潤するラジカル系共重合体は、例えば、不飽和単量体100重量部のうち、親水性の不飽和単量体を1重量部以上用い共重合して得られる。親水性の不飽和単量体には、酸性官能基含有不飽和単量体、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基あるいは水酸基を有するエチレン性不飽和単量体などが挙げられる。
感光性樹脂組成物中の微粒子ポリマーの含有量は、印刷版の物性低下や欠けなど欠陥抑制の点から40wt%以下が好ましく、30wt%以下がより好ましく、20wt%以下がさらに好ましい。
感光性樹脂組成物には、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、表面処理剤などを添加することができる。
可塑剤としては、ロジンあるいはテルペンなどの天然樹脂、脂肪族(C5)樹脂、芳香族(C9)樹脂、脂環族樹脂などの合成樹脂および/またはそれらの水素添加樹脂などに代表される、ナフテン系可塑剤、パラフィン油、オレフィン系の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステルなどが挙げられる。これらの組成に光重合性の反応基が付与されていても構わない。
これらのなかでも、印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおけるtanδ値の増大のため、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以上の可塑剤が好ましい。可塑剤のTgは、0℃以上がより好ましく、15℃以上がさらに好ましく、20℃以上が最も好ましい。ここで、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)で測定することができる。
このような可塑剤としては、例えば「ARCON P−70」(荒川化学工業株製、商標、水添C9系石油樹脂、Tg20℃)、「CLEARON P−85」(ヤスハラケミカル株製、商標、水添テルペン樹脂、Tg30℃)、「ARCON M−90」(荒川化学工業株製、商標、水添C9系石油樹脂、Tg40℃)、「ESCOREZ−5380」(エクソンモービル製、商標、ジシクロペンタジエン系、Tg30℃)などが挙げられる。
このようなTgが高い可塑剤の含有量は、印刷版の耐カケ性の点から感光性樹脂組成物中25wt%以下が好ましく、印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおけるのtanδ値の点から5wt%以上であることが好ましく、7〜20wt%以下がより好ましい。
可塑剤の分子量に特に制限はないが、熱可塑性エラストマー(a)との相溶性や得られる感光性樹脂組成物の固体維持性に優れる可塑剤が良い。好ましい数平均分子量の範囲は、Tgが高い可塑剤に関しては2000以下であり、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物に関しては1000〜50000の範囲が好ましく、3000〜20000の範囲がより好ましい。ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品から換算されたものである。
上記可塑剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また微小画像形成の点から、Tgが高い可塑剤と液状ポリブタジエンあるいは液状ポリブタジエンの変性物を併用することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、現像用の有機溶剤に溶解するものであっても、水系現像液に溶解するものであってもよい。フレキソ印刷版の物性・耐磨耗性の点から現像用の有機溶剤に溶解する感光性樹脂組成物であることが好ましい。印刷版用感光性樹脂組成物の光硬化物の500Hzにおけるtanδは、感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(a)の含有量、可塑剤の種類等によっても影響を受ける。特に有機溶剤に溶解する感光性組成物は、親水性共重合体を多く含む水溶解性感光性組成物に比べて、感光性樹脂組成物中の可塑剤及び熱可塑性エラストマーの割合が大きいため、感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(a)の含有量、可塑剤の種類等の調整による効果が著しく大きい。従って、現像用の有機溶剤に溶解する感光性樹脂組成物を用いた場合には、水溶解性感光性樹脂組成物に比べて、本発明の効果がより一層発揮される。また、有機溶剤に溶解する感光性組成物から得られる印刷版は、水溶解性感光性樹脂組成物から得られる印刷版に比べて表面張力が低く、印刷濃度ムラをより改善できる。
本発明のフレキソ印刷原版は、種々の方法で製造することができる。例えば、感光性樹脂組成物の原料を適当な溶剤、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板状にすることができる。また、溶剤を用いず、ニーダー、ロールミルあるいはスクリュー押出機で混練後、カレンダーロールやプレスなどにより所望の厚さに成型することができる。しかし、本発明はこれらの製造方法に限定されるものではない。
感光性樹脂組成物は通常粘着性を有するので、製版時その上に重ねられるネガフィルムとの接触性をよくするために、或いはネガフィルムの再使用を可能にするために、樹脂層表面に有機溶剤あるいは水系現像液に可溶の薄いたわみ性の保護層(例えば特公平5―13305号公報参照)を設けても良い。またこのたわみ性の保護層を、赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層とし、赤外線レーザーでの直接描画により、このたわみ性の層そのものをネガチブとして用いても良い。いずれの場合も露光が終了してから未露光部を洗い出しする際に、この薄いたわみ性の保護層も同時に除去される。また、たわみ性の保護層にシリカ等の艶消剤を含有しても良い。
溶剤可溶な薄いたわみ性の保護層、例えば洗い出し液に可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステルなどの層、あるいは水系現像液で現像可能のポリビニルアルコールなどの層を感光性樹脂層の表面に設けようとする場合には、これらの保護層や水系現像液で現像可能な層を適当な溶剤または水に溶かしてその溶液を直接感光性樹脂層にコーティングしてもよい。あるいはポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムにコーティング(保護フィルム)し、その後この保護フィルムを感光層にラミネートまたはプレス圧着して保護膜を転写させても良い。
支持体としては、公知の支持体が使用でき、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドシート、金属板などが使用できる。好適には、厚みが75〜300μmの範囲を持つ寸法安定なポリエステルフィルムを用いることができ。このようなポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなど、全ての芳香族ポリエステルフィルムを挙げることができる。また、支持体と感光性樹脂組成物間の接着力を確保するために、例えば、特開2000-155410号、特開2001-264959号の各公報などで述べられている、公知の接着剤を塗布することができる。
通常、保護フィルムや支持体を、押出成形した感光性樹脂組成物に、ロールラミネートにより密着させることにより、印刷原版を得ることができる。
フレキソ印刷原版からフレキソ印刷版は例えば次のような方法により製造できる。まず支持体を通して印刷原版の全面に紫外線露光(バック露光)を施し、薄い均一な硬化層を設ける。次いでネガフィルムを通して間接的に、又は紫外線遮蔽層の上から直接的に、感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)をおこなう。その後、(i)現像用の有機溶剤、水あるいは水および界面活性剤を含有した水系現像液で洗浄する方法、(ii)40〜200℃で加熱することにより吸収層にて吸収させる方法、(iii)ガスや流体により剪断力を加える方法、等の方法により未露光部分を除去し、必要であれば乾燥処理、さらに後処理露光して印刷版を得る。
ネガフィルム側からの露光(レリーフ露光)と支持体側からの露光(バック露光)は、どちらかを先におこなっても良いし、また両方を同時におこなってもよい。
露光光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光等があげられる。
未露光部を現像するのに用いられる有機溶剤としては、ヘプチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類やテトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤にプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合したものが挙げられる。
また未露光部を現像するのに用いられる水系現像液は、ノニオン系、アニオン系、カチオン系あるいは両性の界面活性剤を一種又は二種類以上含有する。
アニオン系界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、および平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、サパミン型第4級アンモニウム塩、あるいはピリジウム塩等があげられる。
ノニオン系界面活性剤の具体的な例としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキシド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキシド付加物、油脂のアルキレンオキシド付加物、およびポリプロピレングリコールアルキレンオキシド付加物、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールとソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルおよびアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体的な例としては、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムやラウリルジメチルベタイン等があげられる。
界面活性剤の濃度に特に制限はないが、通常現像液全量に対して0.5〜10wt%の範囲で使用される。
現像液には、必要に応じて、上記の界面活性剤以外に、洗浄促進剤やPH調整剤などの現像助剤を配合することができる。洗浄促進剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、グリコールエーテル類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、あるいはパラフィン系炭化水素等が挙げられる。PH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等が挙げられる。現像助剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。現像助剤の沸点は、常圧で130℃以上であることが好ましい。沸点が130℃未満の場合、現像液から水を蒸発させて凝縮液として回収する際に現像助剤の相当量が水と一緒に蒸発除去される傾向がある。あるいは現像助剤を現像液の濃度調整の目的で利用する際に、現像液の性能を安定にするために同伴された溶剤の量を測定して調整しなければならないなどの手間がかかる。
現像液には、必要に応じて、消泡剤、分散剤、腐食抑制剤、腐敗防止剤を添加してもよい。
未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングでおこなわれるのが一般的である。
有機溶剤や水系現像液で現像した版は、必要に応じて、乾燥処理される。例えば、オーブン中約60℃で15〜120分間、版を乾燥することが可能である。乾燥後は、必要に応じて、後処理露光される。後処理露光としては、例えば、表面に波長300nm以下の光及び/又は300nmよりも大きい波長の光を版に照射する方法が挙げられる。
本発明の印刷版は、インキによる印刷版表面の汚れを抑制するために、印刷前に、表面張力が低いシリコン油や炭化水素等を含有した溶液で、印刷版の表面を処理してもよい。
以下、実施例、及び比較例により本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の物性の測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
(1)スチレン含量
スチレン含量は、紫外線分光光度計「UV200」(日立社製、商標)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
(2)側鎖基含有量(1,2ビニル結合量)
側鎖基含有量は、核磁気共鳴装置(1H−NMR)「JNM−LA400」(JEOL製、商標)を用いて測定した。その際、溶媒には重水素化クロロホルムを用い、熱可塑性エラストマー(a)濃度50mg/mlに調整した。観測周波数は400MHz、化学シフト基準としてTMS(テトラメチルシラン)を用い、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45°、測定温度26℃で行った。1、2ビニル結合構造に由来する5.0ppm前後のシグナル面積を(α)、1、4−結合構造に由来する5.4ppm前後のシグナル面積を(β)とし、側鎖基含有量(V)(%)をα/(α+β)×100の式に従って求めた。
(3)水素添加率
水素添加率は、核磁気共鳴装置(1H−NMR)を用いて測定した。測定条件は1,2ビニル結合量の算出と同様の条件で行った。水素添加率は、水素添加構造に由来するメチル・メチレン基などのシグナル面積から求めた。
[実施例1〜7、比較例1、2]
(1)熱可塑性エラストマー(a−1)の合成
ジャケットと攪拌機のついた10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン4.5g、スチレン180gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n-ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分1.25g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3-ブタジエン)820gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して4分後に、カップリング剤としてテトラメトキシシランを0.9g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後からカップリング反応終了迄の間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。得られたブロック共重合体溶液の一部をサンプリングした後、溶媒を加熱除去した。ブロック共重合体溶液を用いてスチレン含量とポリブタジエン部の1,2ビニル結合量(側鎖基含有量)を測定したところ、得られたブロック共重合体のスチレン含量は18wt%、ポリブタジエン部の1,2ビニル結合量は66mol%であった。
次に、残りのブロック共重合体溶液を用いて、ビスシクロペンタジェニルチタニウムクロリドとn−ブチルリチウムを水素添加触媒として、温度70℃で水素添加を行った。水素添加率は、供給する水素ガス量を流量計で測定し、目標水素添加率を達成した時点でガスの供給を止めることでコントロ−ルした。その後、水10gを添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、水素添加率20mol%の熱可塑性エラストマー(a−1)のサンプルを得た。
(2)熱可塑性エラストマー(a−2)の合成
ジャケットと攪拌機のついた10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン2.3g、スチレン180gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n-ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分1.25g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3-ブタジエン)820gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して4分後に、カップリング剤としてテトラメトキシシランを0.9g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後からカップリング反応終了迄の間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。得られたブロック共重合体溶液の一部をサンプリングした後、溶媒を加熱除去した。
得られた該熱可塑性エラストマー(a−2)は、スチレン含量が18wt%、ポリブタジエン部の1,2ビニル結合量が50mol%であった。
(3)熱可塑性エラストマー(a−3)および(a−4)の合成
重合時のジャケット温水の温度を70℃に変更し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を1.2g(熱可塑性エラストマー(a−3))、0.9g(熱可塑性エラストマー(a−4))に変更した以外は、熱可塑性エラストマー(a−2)の合成と同様にして熱可塑性エラストマー(a−3)および(a−4)を得た。熱可塑性エラストマー(a−3)のスチレン含量は18wt%、ポリブタジエン部の1,2ビニル結合量が45mol%であった。また熱可塑性エラストマー(a−4)のスチレン含量は18wt%、ポリブタジエン部の1,2ビニル結合量が40mol%であった。
(4)熱可塑性エラストマー(a−5)の合成
重合時のジャケット温水の温度を70℃に変更し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を0.9gに変更し、供給する水素ガス量を変更した以外は、熱可塑性エラストマー(a−1)の合成と同様にして熱可塑性エラストマー(a−5)を得た。スチレン含量が18wt%、水素添加する前のポリブタジエン部の1,2ビニル結合量が40mol%であり、水素添加率は20mol%であった。
(5)感光性樹脂組成物、フレキソ印刷原版およびフレキソ印刷版の作製
(5−1)感光性樹脂組成物の作製
表1の実施例1〜7、比較例1および2に示した成分をニーダーにて140℃で60分間混合し、感光性樹脂組成物を得た。
(5−2)フレキソ印刷原版の作製
得られた感光性樹脂組成物を、熱可塑性エラストマーを含有する接着剤がコートされた厚さ125μmのポリエステルフィルムの支持体と、厚さ4μmのポリアミド層を有する100μmのポリエステル製カバーシートとで挟み、2.5mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で200kg/cmの圧力を4分間かけてフレキソ印刷原版を成形した。
(5−3)フレキソ印刷版の作製
次いで、フレキソ印刷原版のカバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にあるポリアミドの保護膜層の上にネガフィルムを密着させ、「AFP-1500」露光機(旭化成ケミカルズ社製、商標)上で370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から硬化層の厚みが1.8mmとなるように全面露光をおこなった。その後、引き続きネガフィルムを通して6000mJ/cmの画像(レリーフ)露光をおこなった。
このときの露光強度を、オーク製作所製のUV照度計MO-2型機でUV-35フィルターを用いて測定した。バック露光を行なう側である下側ランプからの紫外線をガラス板上で測定した強度は10.3mW/cm、レリーフ露光側である上側ランプからの紫外線を測定した強度は12.5mW/cmであった。
次いで、3-メトキシブチルアセテートを現像液として、「AFP-1500」現像機(旭化成ケミカルズ社製、商標)の回転するシリンダーに版を両面テ-プで貼り付けて、液温25℃で5分間現像をおこない、60℃で2時間乾燥させた。その後、後処理露光として、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて版表面全体に2000mJ/cm、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cmの露光を行なってフレキソ印刷版を得た。なおここで殺菌灯による後露光量は、MO-2型機のUV-25フィルタ-を用いて測定された照度から算出したものである。
次いで以下に記載された方法にて性能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)動的粘弾性
上記(5−1)で得られた感光性樹脂組成物を上記(5−2)記載の支持体とカバーフィルムで挟む代わりに、表面がシリコン処理された厚み100μmの透明のポリエステルフィルム2枚で挟んだ後、1mmの厚みになるように上記(5−2)と同様の条件でプレス成型し、感光性樹脂シートを得た。得られた感光性樹脂シートを「AFP-1216」露光機(旭化成ケミカルズ社製、商品名)上で、370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、両面から各3000mJ/cmの全面露光し、感光性樹脂組成物の光硬化物を得た。露光強度は、オ―ク製作所製のUV照度計(商品名、MO-2型機)でUV-35フィルタ−(オ−ク製作所製、商品名)を用いて測定した。 次に、両面のシリコン処理されたポリエステルフィルムを取り、光硬化物を幅10mm、長さ35mmのサイズにカットした。装置RSA−II(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製、商品名)の引張タイプのジオメトリーに、得られたサンプルをセットし、軸方向の力を0N/m付近に調整し、実効測定長さは22.6mm、ひずみは0.1%で、周波数温度掃引テストにて動的粘弾性測定、すなわち損失弾性率(E’’)、貯蔵弾性率(E’)とtanδ値の測定を行った。実際に与える測定周波数は正弦波で0.01Hzから15.915Hzの範囲とした。測定温度を30℃から10℃ずつ下げて、−60℃まで10℃刻みとした。該装置のアプリケーションソフト(RSI−Orchestratorバージョン6.5.1)に従い、温度時間換算則によって、リファレンス温度を20℃で、マスターカーブを自動作成して、500Hzにおけるtanδ値をグラフから読み取った。実施例2及び実施例5の測定結果(グラフ)を図1に示す。図1中、Aは実施例2を、Bは実施例5を示す。
(b)ショアーA硬度
厚さ2.5mmのフレキソ印刷版を、温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置した後、JIS定圧荷重器GS-710(株式会社テクロック社製、ジュロメーターGS-719G ASTM:D2240A、JIS:K6253A、ISO:7619A)を用いて測定した。ベタ面への荷重(質量1kg)15秒後の値をショア−A硬度とした。
(c)表面張力
表面張力は、温度20℃、相対湿度50%の条件下で、ぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業製、商標)を用いて、測定することができる。製版直後の印刷版のベタ部分を、エタノールを含んだ不織布で2、3回拭いて汚れをおとし、所定の温度湿度条件下で2日以上乾燥後に、濡れ性張力試験用混合液を吸収した幅25mmの不織布で、ベタ部分の5cm程度の距離を瞬時(0.5秒以内)で塗布した。目視観察にて2秒後にはじかれない濡れ性張力試験用混合液の張力から求めた。
(d)印刷物の濃度ムラ試験
得られた厚さ2.5mmの印刷版を用いて、フレキソ印刷機にて印刷試験を行った。印刷版作成に用いたネガフィルムのパターンは、133lpiと150lpiの2つの線数を有し、それぞれ20%、30%、40%、50%、60%(各サイズは10cm×75cm)の網点と、ゴシック文字で2ポイントから8ポイントが印字されたものである。印刷版の裏面に、厚み0.35mmのクッションテープ1915(スリーエム社製、商品名)を貼付け、エステル溶剤含有インキとして、XS−716(大日本インキ化学工業株製、商品名)、被印刷体として、低密度ポリエチレン(厚み0.04mm)、800lpiのアニロックスロール(セル容量3.8cm/m)を用いて、印刷速度80m/分で、10000m印刷後、印刷物の各網点・文字部分の印刷物を目視で観察した。印刷濃度ムラが最も少なく良好な印刷品質を維持していれば4とし、さらに印刷濃度ムラの状態が悪化するにしたがい、3、2、1と点数を付けた。なお全ての印刷試験において印刷途中でベタがかすれるような現象は観測されなかった。
(e)耐欠け性
印刷版が溶剤インキに膨潤したときの版上にある文字部の機械的強度を図2に示すようなモデル実験で評価した。図2中、1は被接触体(大きさ:8cm×6cm、素材:布、荷重:1kg)を、2は印刷版を、3は印刷版2を製版するときに用いたネガフィルムを示す。印刷版作成に用いたネガフィルムのパターンは図2に示すような8ポイントから12ポイントの大きさの文字が印字されたものを用いた。このパターンで得られた厚さ2.5mmの印刷版を、20wt%酢酸エチル−イソプロピルアルコール溶液に、4時間浸漬後に、NP式耐刷力試験機(新村印刷株製、商標、接触体:布、荷重1Kg)を用いて、300回左右に擦った後に、文字の破壊の程度を顕微鏡で観察した。8ポイントの文字が破壊した場合は○とし、10ポイントの文字が破壊した場合には次に良く、△とし、12ポイントの文字も破壊した場合は×とした。
Figure 2007058163
表1より、(a)熱可塑性エラストマー、(b)光重合性不飽和単量体、および(c)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物を光硬化して得られ、非共振強制伸張振動型装置を用いた動的粘弾性測定において、500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.3以上である光硬化物からなるフレキソ印刷版を用いることで、初めて、フレキソ印刷時において印刷物の網点などの印刷濃度ムラが少なく、さらにベタ品質が良好な印刷物を得ることが可能になることが分かる。
本発明によれば、網点などの印刷濃度ムラが少なく、さらにベタ品質が良好な印刷物を得ることが可能になる。そのため、フレキソ印刷の分野で好適に利用される。
実施例2及び5で得られた光硬化物の動的粘弾性の測定結果を示すグラフである。 実施例1〜7及び比較例1、2の 耐カケ性の評価方法を示す概略図である。

Claims (14)

  1. 熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、および光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂組成物を光硬化して得られ、非共振強制伸張振動型装置を用いた動的粘弾性測定において、500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.3以上である光硬化物を含有するフレキソ印刷版。
  2. 熱可塑性エラストマー(a)が、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなる、請求項1記載のフレキソ印刷版。
  3. 共役ジエンを主体とする重合体ブロックの側鎖基含有量が35mol%以上80mol%以下である、請求項2に記載のフレキソ印刷版。
  4. 熱可塑性エラストマー(a)が、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのブタジエンおよび/またはブタジエンの水素添加物を主体とする重合体ブロックからなる、請求項1記載のフレキソ印刷版。
  5. ブタジエンおよび/またはブタジエンの水素添加物を主体とする重合体ブロックの側鎖基含有量が35mol%以上80mol%以下である、請求項4に記載のフレキソ印刷版。
  6. 光硬化物の500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.55以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  7. 光硬化物の500Hzにおける損失正接(tanδ)が0.7以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  8. 感光性樹脂組成物における熱可塑性エラストマー(a)の含有量が30重量%以上85重量%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  9. 感光性樹脂組成物における熱可塑性エラストマー(a)の含有量が50重量%以上85重量%以下である、請求項8に記載のフレキソ印刷版。
  10. 熱可塑性エラストマー(a)のビニル芳香族炭化水素含量が、13重量%以上35重量%以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  11. 感光性樹脂組成物が現像用の有機溶剤に溶解する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  12. 光硬化物のショアーA硬度が50°以上68°以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  13. 更に支持体を含有し、光硬化物が該支持体面上に形成された請求項1〜12のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版を構成する光硬化物を得るための感光性樹脂組成物。
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