JP2004162050A - 硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版材 - Google Patents

硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版材 Download PDF

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Abstract

【課題】特にダンボールや再生紙などの表面の粗い被印刷体に対する印刷において、硬化部分の強度、伸びが良好で、微細な画像部分を形成させる際にもシャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版材を提供し得る硬化性樹脂組成物、および該硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材を提供すること。
【解決手段】 炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が活性エネルギー線によって架橋可能なブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I)、およびエチレン性不飽和化合物(II)を含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材に関する。本発明で得られる硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材は、硬化部分の強度、伸びが良好であり、細密な画像版面を形成させる場合でもシャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版を形成させることができ、特にダンボールや再生紙などの表面の粗い被印刷体に対する印刷においても、有効に使用することができる。
フレキソ印刷版は、一般に弾性のあるゴムや感光性樹脂製の凸版を貼り付け、液状インキを用いて印刷する凸版印刷版の一種で、粗面あるいは曲面に印刷できることを特徴とし、包装印刷、雑誌、段ボール、ラベル、ビンなど広範囲の印刷に用いられている。このようなフレキソ印刷版の作製方法として、以前は、ゴムを流し込んで固化させる方法や、ゴム版を手彫刻する方法があったが、この方法では精度のよいフレキソ印刷版をつくることが困難であった。近年、硬化性樹脂を用いてフレキソ印刷版材を製造する方法が開発されてきたことにより、フレキソ印刷板の製版工程がかなり合理化されてきた。
近年開発されているフレキソ印刷版材は、表面に保護フィルムを有し、その下に各種のウレタンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴムなどの弾性体、エチレン性不飽和化合物および必要に応じて光重合開始剤などを混合した、活性エネルギー線によって硬化可能な硬化性樹脂組成物層、次いで接着層、さらにその下に支持体が設けられた構成体からなっているのが一般的である(例えば非特許文献1参照)。
このようなフレキソ印刷版材からフレキソ印刷版を製造する方法としては、例えば、まず支持体と反対側の保護フィルム面上に、印刷したい文字・図・絵・模様などの画像が描かれたネガフィルムを密着させ、次いで該ネガフィルムを密着させた側から活性エネルギー線を照射することにより、ネガフィルムの画像が描かれた部分を透過した活性エネルギー線の作用で硬化性樹脂組成物層の特定部分を選択的に硬化させて溶剤に不溶化させた後、ネガフィルムおよび保護フィルムを取り除いて、硬化性樹脂組成物層のうち、活性エネルギー線が照射されず硬化していない部分を溶剤を用いて除去すること(現像工程)によって画像となる部分(画像版面)を形成し、フレキソ印刷版を得る(例えば非特許文献1、および特許文献1〜特許文献4参照)。
さらに、フレキソ印刷版において細密な小点や線を確実に形成し、現像時の画像版面の欠けを防止する目的で、硬化性樹脂組成物に配合する樹脂の種類、割合についての改良が検討されており、例えば共役ジエン単位部分のビニル結合量が多いスチレン系ブロック共重合体を配合した例(特許文献5参照)、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる特定の熱可塑性エラストマーと、ビニル結合単位の平均比率の高いジエン系液状ゴムを併用した例(特許文献6参照)が提案されている。
「感光性樹脂の基礎と実用」、赤松 清監修、株式会社シーエムシー、2001年発行、152〜160頁 特公昭55−34415号公報 米国特許第4323636号明細書 特公昭51−43374号公報 特開平2−108632号公報 特開平5−134410号公報 特開2000−155418号公報
特許文献1では樹脂成分として結晶性1,2−ポリブタジエンおよびポリイソプレンゴムなどのエチレン、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一つを構成成分とする高分子化合物を併用しているが、この場合、架橋していないゴムを樹脂成分として使用しているため、未硬化版の貯蔵、輸送段階で版の変形(コールドフロー)が起こりやすいという問題点がある。特許文献2および特許文献3では、ハードセグメントが25℃以上のガラス転移温度を有する、熱可塑性エラストマーである特定のブロック共重合体(好適には特定組成のスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体またはスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体)を使用しており、ポリスチレン部分の凝集力により未硬化版の変形は低減されている。しかしながら、該エラストマーのポリスチレンブロックは活性エネルギー線を照射しても架橋しないため、硬化部分において、この架橋していないポリスチレンブロックの耐溶剤性が悪く、例えば溶剤を用いて未硬化部分を除去する際に、画像を形成する部分が膨潤してしまい、フレキソ印刷版の再現性やフレキソ印刷版の耐インキ性が不十分という問題点を有する。また、特に細密な画像部分を形成させる際には、硬化部分の強度や伸びが満足できるものではないため、得られるフレキソ印刷版の耐久性が悪く、未硬化部分を溶剤を用い、必要に応じブラシを併用して洗い流して除去する際に、画像版面のエッジ部分の欠けが生じたりするため、シャープな画像版面が得られないといった問題がある。
特許文献4では、樹脂成分として熱可塑性及びエラストマー領域を有する結合剤(好適にはスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体)を用い、さらに特定の付加重合性エチレン系不飽和単量体を併用することによってフレキソ印刷版の柔軟性を改良している。しかしながら、柔軟性は改良されるものの、上記と同様にポリスチレンブロック部分を有するので耐溶剤性は充分ではなく、また細密な画像部分を形成させる際に、必ずしも硬化部分の強度が充分ではない。
また、特許文献5および特許文献6は、いずれもスチレン系熱可塑性エラストマーの共役ジエン単位部分の硬化性が改良され、得られるフレキソ印刷版の靭性が向上するが、上記と同様にポリスチレンブロック部分を有するので耐溶剤性は改良されず、また細密な画像部分を形成させる際には必ずしも充分な性能は得られていない。
しかして、本発明の目的は、特にダンボールや再生紙などの表面の粗い被印刷体に対する印刷において、硬化部分の強度、伸びが良好で、微細な画像部分を形成させる際にもシャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版材を提供し得る硬化性樹脂組成物、および該硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、
(1)炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)(以下、構造単位(a)と略称することがある)を少なくとも1質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が活性エネルギー線によって架橋可能なブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I)、およびエチレン性不飽和化合物(II)を含有する硬化性樹脂組成物;
(2)さらに光重合開始剤(III)を含有する(1)の硬化性樹脂組成物;
(3)さらに軟化剤(IV)を含有する(1)または(2)の硬化性樹脂組成物;
(4)構造単位(a)がp−メチルスチレン単位である(1)〜(3)のいずれかの硬化性樹脂組成物;
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材;
を提供することによって達成される。
本発明によれば、特にダンボールや再生紙などの表面の粗い被印刷体に対する印刷において、硬化部分の強度、伸びが良好で、微細な画像部分を形成させる際にもシャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版材を提供し得る硬化性樹脂組成物、および該硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物の必須成分である付加重合系ブロック共重合体(I)は、炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が活性エネルギー線によって架橋可能なブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体である。
重合体ブロックAにおいて、構造単位(a)を構成するアルキルスチレンとしては、アルキル基の炭素数が1〜8であるo−アルキルスチレン、m−アルキルスチレン、p−アルキルスチレン、2,4−ジアルキルスチレン、3,5−ジアルキルスチレン、2,4,6−トリアルキルスチレン、前記したアルキルスチレン類におけるアルキル基の水素原子の1個または2個以上がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキルスチレン類などを挙げることができる。より具体的には、構造単位(a)を構成するアルキルスチレンとしては、例えばo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,6−トリエチルスチレン、o−プロピルスチレン、m−プロピルスチレン、p−プロピルスチレン、2,4−ジプロピルスチレン、3,5−ジプロピルスチレン、2,4,6−トリプロピルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、2,4−ビス(クロロメチル)スチレン、3,5−ビス(クロロメチル)スチレン、2,4,6−トリ(クロロメチル)スチレン、o−ジクロロメチルスチレン、m−ジクロロメチルスチレン、p−ジクロロメチルスチレンなどを挙げることができる。
重合体ブロックAは、構造単位(a)として前記したアルキルスチレンおよびハロゲン化アルキルスチレンのうちの1種または2種以上からなる単位を有することができる。これらの中でも、構造単位(a)としては、p−メチルスチレン単位が入手の容易さ、架橋反応性に優れる点から好ましい。
また、重合体ブロックAにおいて、構造単位(a)以外の芳香族ビニル化合物単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどからなる単位を挙げることができ、これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンからなる単位が好ましい。
付加重合系ブロック共重合体(I)において、重合体ブロックAはハードセグメントに相当し、構造単位(a)におけるベンゼン環に結合したアルキル基は、活性エネルギー線の照射による静的な架橋反応により、重合体ブロックAからなるハードセグメントに架橋を導入する作用を有する。
重合体ブロックAにおける構造単位(a)の割合は、重合体ブロックAの質量に対し1質量%以上であり、10質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上であるのがより好ましく、さらにすべての単位が構造単位(a)からなっていてもよい。構造単位(a)の割合が1質量%未満であると、重合体ブロックAに架橋が導入されにくく、得られる硬化性樹脂組成物において充分な硬化性が発現しにくい。なお、重合体ブロックAにおける構造単位(a)とそれ以外の芳香族ビニル化合物単位との結合形態は、ランダム、ブロック、テーパードなどのいずれの形態であってもよい。
付加重合系ブロック共重合体(I)における重合体ブロックAの含有量は10〜40質量%が好ましい。10質量%より少ない場合には、付加重合系ブロック共重合体(I)の重合体ブロックAのハードセグメントとしての物理的凝集力効果が充分に発揮されず、かかる付加重合系ブロック共重合体(I)を含有する硬化性樹脂組成物を構成成分とする未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)においてコールドフローしやすくなり、貯蔵・輸送時の変形が大きくなって印刷版として使用しにくい傾向となる。また、40質量%より多い場合、硬化性樹脂組成物のゴム弾性が発現しにくくなり、段ボールや再生紙などの紙質の粗い被印刷体への印刷において、充分なインキの転写性を確保しにくい傾向となる。
付加重合系ブロック共重合体(I)における重合体ブロックAは、構造単位(a)を含む芳香族ビニル化合物からなる構造単位と共に、必要に応じて他の重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよく、その場合の他の重合性単量体からなる構造単位の割合は、重合体ブロックAの質量[付加重合系ブロック共重合体(I)が2個以上の重合体ブロックAを有する場合はその合計質量]に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。その場合の他の重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどを挙げることができる。
本発明に用いる付加重合系ブロック共重合体(I)は、上記の構造単位(a)を含む芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックAの他に、構造単位(a)を含まない芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを有していてもよい。
一方、付加重合系ブロック共重合体(I)における共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを構成する共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。重合体ブロックBはこれらの化合物の1種類のみから構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよい。これらの中でもブタジエン、イソプレンまたはブタジエンとイソプレンの混合物から構成されているのが好ましい。また、重合体ブロックBのミクロ構造の種類および含有量に特に制限はないが、例えば重合体ブロックBがブタジエンから構成されている場合は、その1,2−結合単位の割合が5〜90モル%であることが好ましく、20〜70モル%であるのがより好ましい。また、重合体ブロックBがイソプレンから構成されているか、またはブタジエンとイソプレンの混合物から構成されている場合は、その1,2−結合単位および3,4−結合単位の合計が5〜80モル%であることが好ましく、10〜60モル%であるのがより好ましい。なお、2種以上の共役ジエン化合物を併用した場合、それらの結合形態はランダム、ブロック、テーパード、またはそれらの2種以上の組み合わせからなっていることができる。
重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる構造単位とともに、必要に応じて他の重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよい。その場合の他の重合性単量体の割合は、付加重合系ブロック共重合体(I)を構成する重合体ブロックBの質量[付加重合系ブロック共重合体(I)が2個以上の重合体ブロックBを有する場合はその合計質量]に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。その場合の他の重合性単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、構造単位(a)を構成する前記したアルキルスチレン(好適にはp−メチルスチレン)などを挙げることができる。
そのうちでも、重合体ブロックBは、イソプレン単位からなるポリイソプレンブロックまたは該イソプレン単位に基づく炭素−炭素二重結合の一部または全部が水素添加された水添ポリイソプレンブロック;ブタジエン単位からなるポリブタジエンブロックまたは該ブタジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の一部または全部が水素添加された水添ポリブタジエンブロック;或いはイソプレン単位とブタジエン単位からなるイソプレンとブタジエンの混合物からなる共重合体ブロックまたは該イソプレン単位およびブタジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の一部または全部が水素添加された共重合体ブロックであることが好ましい。
付加重合系ブロック共重合体(I)は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとが結合している限りは、その結合形式は限定されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらの2つ以上が組合わさった結合形式のいずれでもよい。それらのうちでも、重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合形式は直鎖状であることが好ましく、その例としては重合体ブロックAをAで、また重合体ブロックBをBで表したときに、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体、A−B−A−Bで示されるテトラブロック共重合体、A−B−A−B−Aで示されるペンタブロック共重合体などを挙げることができる。それらのうちでも、トリブロック共重合体(A−B−A)が、付加重合系ブロック共重合体(I)の製造の容易性、柔軟性などの点から好ましく用いられる。
付加重合系ブロック共重合体(I)の数平均分子量は特に制限されないが、好ましくは30000〜1000000の範囲であり、より好ましくは40000〜300000の範囲である。なお、ここでいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。
付加重合系ブロック共重合体(I)は、例えば、次のような公知のアニオン重合法によって製造することができる。すなわち、アルキルリチウム化合物などを開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの重合反応に不活性な有機溶媒中で、構造単位(a)を構成するアルキルスチレンまたは構造単位(a)を構成するアルキルスチレンと芳香族ビニル化合物の混合物、共役ジエン化合物を逐次重合させてブロック共重合体(すなわち未水添の付加重合系ブロック共重合体(I))を形成する。
また、得られた該ブロック共重合体は、必要に応じてさらに水素添加される。かかる水素添加反応は、例えば、該ブロック共重合体をシクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒中で、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、硅藻土等の担体に担持させた不均一触媒;コバルト、ニッケルなどの第9族または第10族の金属からなる有機金属化合物とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物または有機リチウム化合物等の組み合わせからなるチーグラー系の触媒;チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属のビス(シクロペンタジエニル)化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムなどからなる有機金属化合物の組み合わせからなるメタロセン系触媒などの水素添加触媒の存在下で、通常、反応温度として20〜100℃の範囲で、水素圧力0.1〜10MPaの範囲の条件下で行うことができ、ブロック共重合体の水素添加物(すなわち、水素添加されている付加重合系ブロック共重合体(I))を得ることができる。
水素添加率は、本発明の硬化性樹脂組成物に要求される物性に応じて適宜調整することができるが、耐熱性、耐候性および耐オゾン性を重視する場合、かかる付加重合系ブロック共重合体(I)を構成する重合体ブロックBの共役ジエン化合物単位に基づく炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加されていることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、95%以上が水素添加されていることがさらに好ましい。
なお、重合体ブロックBの共役ジエン化合物単位に基づく炭素−炭素二重結合の水素添加率は、ヨウ素価滴定、赤外分光光度計、核磁気共鳴などの測定手段により水素添加反応前後における重合体ブロックB中の炭素−炭素二重結合の量を測定し、その測定値から算出することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物中の付加重合系ブロック共重合体(I)の含有量は30〜99質量%の範囲であるのが好ましく、50〜95質量%の範囲であるのがより好ましい。付加重合系ブロック共重合体(I)の含有量が30質量%より少ない場合は、かかる硬化性樹脂組成物を構成成分とした未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)の硬度が低くなり、コールドフローしやすいため、貯蔵・輸送時に変形しやすくなり、印刷版として使用しにくい傾向になる。また、99質量%より多い場合、硬化性樹脂組成物の硬度が高くなり、段ボールや再生紙などの紙質の粗い被印刷体への印刷において、充分なインキの転写性を確保しにくい傾向となる。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いるエチレン性不飽和化合物(II)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などの炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸またはこれらのエステル(例えばフマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ジステアリル、フマル酸ブチルオクチル、フマル酸ジフェニル、フマル酸ジベンジル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)、フマル酸ジラウリル、フマル酸ジベヘニルなど);アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド;N−n−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−2−エチルヘキシルマレイミド、N−n−デシルマレイミド、N−n−ラウリルマレイミドなどのN−置換マレイミド;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどが挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物中のエチレン性不飽和化合物(II)の含有量は1〜70質量%の範囲であるのが好ましく、5〜50質量%の範囲であるのがより好ましい。エチレン性不飽和化合物(II)の含有量が1質量%より少ない場合は、かかる硬化性樹脂組成物を構成成分とした未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)の活性エネルギー線による硬化性が低下し、シャープな画像版面が得られにくい傾向となる。また、70質量%より多い場合、硬化性樹脂組成物を硬化させたときの硬度が高くなり、段ボールや再生紙などの紙質の粗い被印刷体への印刷において、充分なインキの転写性を確保しにくい傾向となる。
本発明の硬化性樹脂組成物に必要に応じてさらに含有させることができる光重合開始剤(III)としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾイン、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、α−t−ブチルベンゾインなどが挙げられる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物中に光重合開始剤(III)を配合する場合、その配合量は、硬化性樹脂組成物全体に対して0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.2〜8質量%の範囲であるのがより好ましい。光重合開始剤(III)の含有量が0.1質量%よりも少ない場合には、硬化性樹脂組成物において充分な架橋が形成されず、充分な硬化性が得られにくい傾向となり、一方、10質量%より多い場合には、活性エネルギー線の透過率を低下させ、却って露光感度を低下させることになるため、充分な架橋が形成されにくい傾向となる。
本発明の硬化性樹脂組成物に必要に応じてさらに含有させることができる軟化剤(IV)としては、例えば液状ポリイソプレン、液状1,2−ポリブタジエン、液状1,4−ポリブタジエン、液状ポリ1,2−ペンタジエン、液状エチレン−ブタジエンコポリマー、液状アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、およびこれらの変性物、水素添加物などのジエン系液状ゴム;パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイルなどの石油系軟化剤;流動パラフィン;落花生油、ロジンなどの植物油系軟化剤などが挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、本発明においては、軟化剤(IV)として、ジエン系液状ゴムを用いるのが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物に軟化剤(IV)をさらに配合する場合、その使用量には、本発明の趣旨を損なわない限り特に制限はないが、通常、硬化性樹脂組成物全体に対して5〜50質量%の範囲内であるのが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない限り、下記の他の重合体をさらに配合することができる。ここで配合してもよい他の重合体としては、例えば天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム;ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体またはそれらの水素添加物などのスチレン系ブロック共重合体などが挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、通常の感光性樹脂組成物に慣用されている種々の補助添加成分、例えば2,6−ジt−ブチル−p−クレゾール、p−メトキシフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3’,5’−ジt−ブチル−4’−ヒドロキシ)フェニルプロピオネート〕、ヒドロキノン、t−ブチルカテコール、t−ブチルヒドロキシアニソール、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル)フェノールなどの熱重合防止剤;紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した付加重合系ブロック共重合体(I)、エチレン性不飽和化合物(II)、必要に応じて光重合開始剤(III)、軟化剤(IV)、その他の任意添加成分を、例えばニーダーなどを用いて混練して製造することが可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させるのに用いる活性エネルギー線としては、粒子線、電磁波およびこれらの組み合わせが挙げられる。粒子線としては電子線(EB)、α線が挙げられ、電磁波としては紫外線(UV)、可視光線、赤外線、γ線、X線などが挙げられる。これらの中でも、電子線(EB)および紫外線(UV)が好ましい。これらの活性エネルギー線は、公知の装置を用いて照射することができる。電子線(EB)の場合の加速電圧としては0.1〜10MeV、照射線量としては1〜500kGyの範囲が適当である。紫外線(UV)の場合、その線源として放射波長が200nm〜450nmのランプを好適に用いることができる。線源としては、電子線(EB)の場合は、例えばタングステンフィラメントが挙げられ、紫外線(UV)の場合は、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線用水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプなどが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、特にフレキソ印刷版材の構成成分として有効に用いることができる。すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物を構成成分とすることで、未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)を保管したり輸送したりする際の変形(コールドフロー)が小さく、かつシャープな画像版面が得られ、表面に凹凸がある段ボールや再生紙などの質の悪い被印刷体への印刷において、インキの転写性に優れた良好な印刷品質を有するフレキソ印刷版材を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材を作製する方法としては、例えば本発明の硬化性樹脂組成物を溶融状態で適当な形に、例えばプレス成形、押出成形またはカレンダー成形により支持体上に厚さ200μm〜20mm程度に成形する方法が好適に用いられる。支持体としては、プラスチックシート、ゴムシート、発泡オレフィンシート、発泡ゴムシート、発泡ウレタンシート、金属シートなどが挙げられる。また、必要に応じて、これらの支持体と本発明の硬化性樹脂組成物とを接着させるために、接着剤を用いることも可能である。また、必要に応じて、本発明の硬化性樹脂組成物が空気中の酸素の影響を受けるのを防止するために、該硬化性樹脂組成物層の表面にポリエチレンテレフタレートフィルムなどの保護フィルムをさらに適宜設けることもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材からフレキソ印刷版を得る方法としては、例えば次のような手順が挙げられる。すなわち、適宜設けられている表面の保護フィルムがある場合にはそれを取り除いた後、本発明の硬化性樹脂組成物からなる層に印刷したい文字・図・絵・模様などの画像が描かれたネガフィルムを密着させ、次いで該ネガフィルムを密着させた側から活性エネルギー線を照射することにより、ネガフィルムの画像が描かれた部分を透過した活性エネルギー線の作用で硬化性樹脂組成物層の特定部分を選択的に硬化させて溶剤に不溶化させる。その後、ネガフィルムを取り除いて、硬化性樹脂組成物層のうち、活性エネルギー線が照射されず硬化していない部分を溶剤で除去することによって画像となる部分を形成し、フレキソ印刷版を得ることができる。
硬化していない部分を除去するために用いることのできる溶剤としては、例えばテトラクロロエチレン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エステル、リモネン、デカヒドロナフタレンなどや、これらに必要に応じてアルコール、例えばn−ブタノール、1−ペンタノール、ベンジルアルコールなどを混合させたものなどを挙げることができる。また、未露光部分(未硬化の硬化性樹脂組成物部分)を溶出させる方法としては、例えばノズルから溶剤を噴霧させて洗い流す方法、溶剤とブラシを併用して洗い流して除去する方法などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材は、未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)を保管したり輸送したりする際の変形が小さい。また、活性エネルギー線の照射により、シャープな画像版面が得られ、表面に凹凸がある段ボールや再生紙などの質の悪い被印刷体への印刷において、インキの転写性に優れた良好な印刷品質を有する。
以下、本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例では、次の方法により、得られた硬化性樹脂組成物の物性評価を行った。
(1)活性エネルギー線を照射する前の未硬化版の形状安定性の評価
実施例および比較例で得られた硬化性樹脂組成物から作成した厚さ2mmのシートを長さ5cm×幅5cmに切り出して試験片を得、この試験片の全面に30g/cmの荷重をかけて40℃の雰囲気下、24時間静置した後の厚さの変化を測定し、厚さ減少率2%未満を〇、2%以上を×とした。
(2)硬化後の破断強度、破断伸度
実施例および比較例で得られた硬化性樹脂組成物から作成した厚さ2mmのシートの全面に30mW/cmの紫外線(放射波長200〜450nm)を1分間照射した後、JIS K 6251に規定されたダンベル状5号形の試験片を作製し、インストロン万能試験機を使用して、23℃で、引張速度500mm/minで引張試験を行い、破断強度(MPa)、破断伸度(%)を測定した。
(3)ネガ形状の再現性評価
実施例および比較例で得られた硬化性樹脂組成物から作成した厚さ2mmのプレスシートより長さ15cm×幅15cmの試験片を切り出し、この試験片に画像を有するネガフィルムを密着させ、このフィルムの上から30mW/cmの紫外線(放射波長200〜450nm)を1分間照射し、次いでネガフィルムを取り除き、硬化しなかった部分(未露光部分)をトルエンを用いてブラシを併用して洗い流しながら溶解させて除去した後、60℃で30分間乾燥し、さらに30mW/cmの紫外線(放射波長200〜450nm)を10分間照射した。得られた版の形状について、拡大倍率50倍の顕微鏡を用いて凸部分の細線の再現状態と凹部分の彫れの状態を観察し、ひび割れや欠けがなくネガが再現されている場合を〇、再現が不完全な場合を×とした。
重合例1
撹拌装置付き耐圧容器中に、シクロヘキサン50kg、sec−ブチルリチウム(11質量%、シクロヘキサン溶液)265mlを加え、この溶液にp−メチルスチレン2.25kgを30分かけて加えて50℃で120分間重合し、次いでテトラヒドロフランを80g添加してから、ブタジエン10.5kgを60分かけて加えて、50℃で30分間重合した後、さらにp−メチルスチレン2.25kgを30分かけて加えて、50℃で30分間重合し、ポリp−メチルスチレン−ポリブタジエン−ポリp−メチルスチレントリブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体(I)−1と称する)を含む反応混合液を得た。得られたブロック共重合体(I)−1の数平均分子量は76400であり、H−NMRによって測定したp−メチルスチレン含有量は30質量%であった。また、ポリブタジエンブロック中の1,2−結合単位は40モル%であった。
かかるブロック共重合体(I)−1を含む反応混合液に、オクチル酸ニッケル(64質量%、シクロヘキサン溶液)130gにトリイソプロピルアルミニウム(20質量%、シクロヘキサン溶液)400gを加えて別途調製した水素添加触媒を添加し、80℃、1MPaの水素雰囲気下で水素添加反応を行うことで、ポリp−メチルスチレン−ポリブタジエン−ポリp−メチルスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体(I)−2と称する)を得た。得られたブロック共重合体(I)−2の数平均分子量は77000であり、H−NMRによって測定したp−メチルスチレン含有量および水素添加率はそれぞれ29質量%、97%であった。
重合例2
撹拌装置付き耐圧容器中に、シクロヘキサン50kg、sec−ブチルリチウム(11質量%、シクロヘキサン溶液)130mlを加え、この溶液にp−メチルスチレン1.57kgを30分かけて加えて50℃で120分間重合し、次いでテトラヒドロフランを120g添加してから、イソプレン12.2kgを60分かけて加えて、50℃で30分間重合した後、さらにp−メチルスチレン1.57kgを30分かけて加えて、50℃で30分間重合し、ポリp−メチルスチレン−ポリイソプレン−ポリp−メチルスチレントリブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体(I)−3と称する)を含む反応混合液を得た。得られたブロック共重合体(I)−3の数平均分子量は127000であり、H−NMRによって測定したp−メチルスチレン含有量は20質量%であった。また、ポリイソプレンブロック中の1,2−結合単位および3,4−結合単位の合計は40モル%であった。
重合例3
撹拌装置付き耐圧容器中に、シクロヘキサン50kg、sec−ブチルリチウム(11質量%、シクロヘキサン溶液)265mlを加え、この溶液にスチレン2.25kgを30分かけて加えて50℃で120分間重合し、次いでテトラヒドロフランを80g添加してから、ブタジエン10.5kgを60分かけて加え、50℃で30分間重合した後、さらにスチレン2.25kgを30分かけて加え、50℃で30分間重合し、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体1と称する)を含む反応混合液を得た。得られたブロック共重合体1の数平均分子量は76400であり、H−NMRによって測定したスチレン含有量は30質量%であった。また、ポリブタジエンブロック中の1,2−結合単位は40モル%であった。
かかるブロック共重合体1を含む反応混合液に、オクチル酸ニッケル(64質量%、シクロヘキサン溶液)130gにトリイソプロピルアルミニウム(20質量%、シクロヘキサン溶液)400gを加えて別途調製した水素添加触媒を添加し、80℃、1MPaの水素雰囲気下で水素添加反応を行うことで、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体2と称する)を得た。得られたブロック共重合体2の数平均分子量は77000であり、H−NMRによって測定したスチレン含有量および水素添加率はそれぞれ29質量%、97%であった。
重合例4
撹拌装置付き耐圧容器中に、シクロヘキサン50kg、sec−ブチルリチウム(11質量%、シクロヘキサン溶液)130mlを加え、この溶液にスチレン1.57kgを30分かけて加えて50℃で30分間重合し、次いでテトラヒドロフランを120g添加してから、イソプレン12.2kgを60分かけて加えて、50℃で30分間重合した後、さらにスチレン1.57kgを30分かけて加えて、50℃で30分間重合し、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体3と称する)を含む反応混合液を得た。得られたブロック共重合体3の数平均分子量は127000であり、H−NMRによって測定したスチレン含有量は20質量%であった。また、ポリイソプレンブロック中の1,2−結合単位および3,4−結合単位の合計は40モル%であった。
実施例1〜3
(1)ブロック共重合体(I)−2、ブロック共重合体(I)−3、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ベンゾフェノン、および熱重合防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを表1に示した配合割合(すべて質量%)でニーダーで180℃、3分間混練した。得られた硬化性樹脂組成物を180℃に加熱したプレス機でプレス圧力10MPaで3分間プレスすることにより厚さ2mmのシートとした。
(2)上記(1)で得られたシートを用いて、上記した方法で形状安定性の評価を行なった。結果を表1に示す。
(3)上記(1)で得られたシートの一部に30mW/cmの紫外線を1分間照射した後、上記した方法で破断強度および破断伸度を測定した。結果を表1に示す。
(4)上記(1)で得られたシートから長さ15cm×幅15cmの試験片を作製し、その片方の面に画像を有するネガフィルムを密着させ、次いで該ネガフィルムを密着させた側からこのフィルムを通して30mW/cmの紫外線を試験片全体に1分間照射した。次いで上記した方法でネガ形状の再現性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1〜3
実施例1〜3において、ブロック共重合体(I)−2またはブロック共重合体(I)−3の代わりに、ブロック共重合体2またはブロック共重合体3を使用した以外は、実施例1〜3と同様にしてシートを作製し、未硬化版の形状安定性、破断強度、破断伸度、ネガの形状の再現性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2004162050
実施例1〜3と比較例1〜3の比較から、本発明の硬化性樹脂組成物からなるシートに紫外線を照射して得られるシートは、破断強度、破断伸びに優れ、フレキソ印刷版材として使用した際にも、硬化部分の破断強度、破断伸度に優れることが示唆される。また、実施例1〜3の硬化性樹脂組成物からなるシートは、比較例1〜3に比べて未硬化版の形状安定性に優れ、実際にネガフィルムを密着させネガフィルムの上から紫外線を照射した後、未硬化部を除去して印刷版を作製した場合、ネガ形状の再現性に優れることがわかる。
実施例4〜6
(1)ブロック共重合体(I)−1、ブロック共重合体(I)−2、ブロック共重合体(I)−3、液状ポリブタジエンであるNISSO−PB C−1000[商品名、日本曹達株式会社製 α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸、数平均分子量1200〜1550、粘度10〜30Pa・s(100〜300ポアズ;45℃)]、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ベンゾフェノン、および熱重合防止剤として2,6−ジt−ブチル−p−クレゾールを表1に示した割合でニーダーで、150℃、3分間混練した。得られた硬化性樹脂組成物を150℃に加熱したプレス機でプレス圧力10MPaで3分間プレスすることにより厚さ2mmのシートとした。
(2)上記(1)で得られたシートを用いて、上記した方法で形状安定性の評価を行なった。結果を表2に示す。
(3)上記(1)で得られたシートの一部に30mW/cmの紫外線を1分間照射した後、上記した方法で破断強度および破断伸度を測定した。結果を表2に示す。
(4)上記(1)で得られたシートから長さ15cm×幅15cmの試験片を作製し、その片方の面に画像を有するネガフィルムを密着させ、次いで該ネガフィルムを密着させた側からこのフィルムを通して30mW/cmの紫外線を試験片全体に1分間照射した。次いで上記した方法でネガ形状の再現性を評価した。結果を表2に示す。
比較例4〜6
実施例4〜6において、ブロック共重合体(I)−1、ブロック共重合体(I)−2またはブロック共重合体(I)−3の代わりにブロック共重合体1、ブロック共重合体2またはブロック共重合体3を使用した以外は、実施例4〜6と同様にしてシートを作製し、未硬化版の形状安定性、破断強度、破断伸度、ネガ形状の再現性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2004162050
実施例4〜6と比較例4〜6の比較から、本発明の硬化性樹脂組成物からなるシートに紫外線照射して得られるシートは、破断強度、破断伸度に優れ、フレキソ印刷版材として使用した際にも、硬化部分の破断強度、破断伸度に優れることが示唆される。また、実施例4〜6の硬化性樹脂組成物からなるシートは、比較例4〜6に比べて未硬化版の形状安定性に優れるとともに、実際にネガフィルムを密着させ、ネガフィルムの上から紫外線を照射した後、未硬化部を除去して印刷版を作製した場合のネガ形状の再現性にも優れることがわかる。
本発明で得られる硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材は、硬化部分の強度、伸びが良好であり、微細な画像版面を形成させる場合でもシャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版を形成させることができ、特にダンボールや再生紙などの表面の粗い被印刷体に対する印刷においても、有効に使用することができる。
また、かかるフレキソ印刷版材は、未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)を保管したり輸送したりする際の変形が小さく、活性エネルギー線の照射により、シャープな画像版面が得られ、表面に凹凸がある段ボールや再生紙などの質の悪い被印刷体への印刷において、インキの転写性に優れた良好な印刷品質を有する。

Claims (5)

  1. 炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が活性エネルギー線によって架橋可能なブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I)、およびエチレン性不飽和化合物(II)を含有する硬化性樹脂組成物。
  2. さらに光重合開始剤(III)を含有する請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. さらに軟化剤(IV)を含有する請求項1または請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)がp−メチルスチレン単位である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材。
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