JP2004246247A - フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 - Google Patents

フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 Download PDF

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Yoshifumi Araki
祥文 荒木
Nobuo Shimokawa
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Abstract

【課題】製版時間短縮のための水現像性と、印刷版版面に水性インキが付着した状態での耐刷性の相反する性能を両立できる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)親水性ポリマー、(B)疎水性ポリマー、(C)可塑剤、(D)光重合性不飽和単量体及び(E)光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、可塑剤(C)が、(1)分子量が1万以上、6万以下、且つ、(2)1,2−ビニル含有量が25%以下のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系現像可能な印刷版用感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の水系現像可能な感光性樹脂印刷版は、寸法精度を維持する為の支持体層の上に、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、光重合性不飽和単量体及び光重合開始剤などを混合した感光性樹脂組成物からなる層を形成し、さらにその上に、スリップ層または保護層と呼ばれる薄い可とう性フィルム層や、赤外線レーザーでアブレージョン可能な薄層を設けられた構成体からなっているのが一般的である。その構成体から印刷版を製造する方法としては、可とうフィルム層を設けた場合は、その上に透明画像担体(ネガフィルム)を密着させ、そのネガフィルムを通じて活性光線を照射し、感光性樹脂組成物層の特定部分を選択的に光硬化することで画像を形成させた後、該組成物層の未露光部分を水系現像液を用いて除去(現像)することで印刷用レリーフを形成している。
【0003】
このような水系現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物は、樹脂組成中に親水性成分を含有するため、製版時間短縮のための水現像性と、印刷版版面に水性インキが付着した状態での耐刷性の相反する性能の両立が大きな課題である。水系現像可能な感光性樹脂として、目的に応じて種々の提案がなされている。特開平7−114180号公報の実施例には、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、可塑剤、光重合性不飽和単量体及び光重合開始剤を含有し、可塑剤として、分子量が1000程度でビニル含有量が80%程度のブタジエンの重合体(B−1000、日本曹達社製、商品名)を用いた感光性樹脂組成物が提案されている。ここでは、水系現像液による現像性、画像再現性あるいは版強度等に優れたフレキソ版を提供することを目的としている。しかし、可塑剤の分子量が小さいことや、ビニル含有量が高いポリブタジエンの重合体が用いられているため、現像性や耐刷性が不十分である。
【0004】
特開2001−5173号公報の実施例4には、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、可塑剤、光重合性不飽和単量体及び光重合開始剤を含有し、可塑剤として、分子量が2.5万程度のイソプレン共重合体のマレイン化物を用いた感光性樹脂組成物が提案されている。ここでは、画像再現性や印刷品質が優れたフレキソ版を提供することを目的としている。しかし、マレイン化されたイソプレンの共重合体が用いられているため、現像性や耐刷性が不十分である。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−114180号公報
【特許文献1】
特開2001−5173号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における技術的課題は、製版時間短縮のための水現像性と、印刷版版面に水性インキが付着した状態での耐刷性の相反する性能を両立できる感光性樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(A)親水性ポリマー、(B)疎水性ポリマー、(C)可塑剤、(D)光重合性不飽和単量体及び(E)光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、可塑剤(C)が、少なくとも、(1)分子量が1万以上、6万以下の範囲且つ、(2)1,2−ビニル含有量が25%以下のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体を含有することを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物とすることで課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、詳細に説明する。
親水性ポリマー(A)とは、親水性の官能基を有する常温固体のポリマーで、水に溶解あるいは膨潤するものであり、ラジカル系共重合体、ポリアミド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル系重合体あるいはウレタン系共重合体等である。
【0009】
親水性のラジカル系共重合体としては、例えば、不飽和単量体100質量部のうち、親水性の不飽和単量体を1.0質量部以上用い共重合して得られる。親水性の不飽和単量体には、酸性官能基含有不飽和単量体が好ましく、酸性官能基含有不飽和単量体にはカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基、ホウ酸基あるいは水酸基を有するエチレン性不飽和単量体などが例示される。
酸性官能基含有不飽和単量体の使用量は不飽和単量体全量のうち1〜30wt%が好ましく、これ以下だと水系現像が困難となる場合があり、これ以上だと感光性樹脂の吸湿量が増加したり、インキの膨潤量が増加したり、感光性樹脂の混合時の加工性が損なわれる場合がある。
【0010】
親水性のラジカル系共重合体に用いられる親水性の不飽和単量体としては、共役ジエン、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン化ビニル類、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物等があげられる。
これらの単量体は単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
2個以上の付加重合可能な基を有する単量体を使用してもよい。
【0011】
本発明で使用される疎水性ポリマー(B)とは、親水性基を有しない常温固体のポリマーで、熱可塑性ブロック共重合体、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリウレタン系エラストマー等を例示することができる。
これらのうちでは、常温付近でゴム弾性を示し、塑性変形し難く、また押出機等で組成物を混合するときに熱で可塑化し易い熱可塑性ブロック共重合体が好ましい。この中でも、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られる熱可塑性エラスマーがより好ましい。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマ−としては、スチレン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマ−としてはブタジエン,イソプレン等が用いられ、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。ここで熱可塑性エラスマー中におけるモノビニル置換芳香族炭化水素の含量については、露光前の感光性樹脂版が積層などされたときの耐コールドフロー性の抑制の点で、8wt%以上が好ましく、印刷版の硬度が高くなりすぎて印刷品質の低下を抑制する点で、50wt%以下が好ましい。
【0012】
熱可塑性エラストマーの共役ジエンセグメント中のビニル結合の平均比率は、印刷版の画像再現性の点で、5%以上が好ましく、印刷版表面の粘着性を抑制する点で、40%以下が好ましい。10〜35%の範囲がさらに好ましい。
モノビニル置換芳香族炭化水素及び共役ジエンの平均含有量や、熱可塑性エラストマー中のビニル結合単位の平均比率は、IRスペクトルやNMRで求められる。
熱可塑性エラストマー(B)の使用量は、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物全量のうち、印刷版の高物性(伸長率(伸び))、耐水性あるいは耐インキ膨潤性の点で、10wt%以上が好ましく、水系現像性の点で、40wt%以下が好ましい。
【0013】
本発明で使用される可塑剤(C)の必須組成は、(1)分子量が1万から6万の範囲且つ、(2)1,2−ビニル含有量が25%以下のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体である。また、これらの必須組成は、親水性基を有しない重合体である。
分子量およびビニル含有量が上記範囲のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体を含有することで、優れた水現像性と、水性インキが版に付着したときの優れた耐刷性の二つの相反する性能を両立することができる。
【0014】
具体的には、ブタジエンの共重合体として、LIR300(クラレ社製、商品名、分子量4.5万、ビニル含有量25%以下、カタログ値)やLIR305(クラレ社製、商品名、分子量2.5万、ビニル含有量25%以下、カタログ値)、イソプレンの重合体として、LIR30(クラレ社製、商品名、分子量2.9万、ビニル含有量25%以下、カタログ値)、ブタジエン・イソプレンブロック共重合体として、LIR390(クラレ社製、商品名、分子量4.8万、ビニル含有量25%以下、カタログ値)等が上げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
この必須可塑剤は、感光性樹脂組成物100質量部に対して、3質量部から40質量部である。この範囲で、優れた水現像性と優れた耐刷性を両立することができる。好ましくは、5質量部から30質量部で、さらに好ましくは、10質量部から30質量部である。
【0015】
また、上記の必須可塑剤の他に、ナフテン、パラフィン等の炭化水素、上記範囲外の液状ポリブタジエン、上記範囲外の液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、上記範囲外の液状スチレン・ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステル、これらの組成に光重合性の反応基を付与したもの等を併用しても良い。
本発明で使用される光重合性不飽和単量体(D)とは、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、アリルエステル、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物等である。
【0016】
その具体的な例としては、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどのアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはトリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びテトラメタクリレート等や、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N−ラウリルマレイミド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
光重合性不飽和単量体(D)の使用量は、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物全量のうち、細かい点や文字の形成性の点で、1wt%以上が好ましく、露光前の感光性樹脂版が積層などされたときの耐コールドフロー性や印刷版の硬度が高くなりすぎて印刷品質の低下を抑制する点で、30wt%以下が好ましい。
【0018】
本発明で使用される光重合開始剤(E)の例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9−フェニルアクリジン;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
光重合開始剤(E)の量は感光性樹脂組成物全量に対して、0.1〜10wt%が好ましい。細かい点や文字の形成性の点で0.1wt%以上、紫外線等の活性光の透過率低下による露光感度低下の点で10wt%以下が好ましい。
その他、本発明の感光性樹脂組成物には前記した必須成分の他に、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。
【0020】
本発明の感光性樹脂組成物は、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。本発明の感光性樹脂組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画担体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像担体の再利用を可能にするために、その表面に水系現像液で現像可能な可とう性フィルム層を設けても良い。
【0021】
本発明の感光性樹脂組成物は上記各成分(A)〜(E)を押出機やニーダ等を用いて混合することにより製造することができる。樹脂組成物を混合した後に、熱プレス成型やカレンダー処理または押出成型により所望の厚さの層を形成することが可能である。
支持体や可とう性フィルム層は、シート成型後ロールラミネートにより感光層に密着させることができる。ラミネート後に加熱プレスして精度の良い感光層を得ることもできる。
【0022】
本発明の感光性樹脂組成物を光硬化するのに用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などがある。
本発明の感光性樹脂組成物に透明画像担体を通じて光照射して画像を形成させた後、未照射部分を水系現像液を用いて除去(現像)することでレリーフが得られる。
【0023】
現像液としては、水あるいは水と界面活性剤を含有したものが用いられる。界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性の界面活性剤の単独もしくは二種類以上を混合して用いられる。
アニオン系界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、および平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等があげられる。
【0024】
カチオン系界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、サパミン型第4級アンモニウム塩、あるいはピリジウム塩等があげられる。
ノニオン系界面活性剤の具体的な例としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキシド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキシド付加物、油脂のアルキレンオキシド付加物、およびポリプロピレングリコールアルキレンオキシド付加物、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールとソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルおよびアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等があげられる。
【0025】
両性界面活性剤の具体的な例としては、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムやラウリルジメチルベタイン等があげられる。
界面活性剤の濃度には特に制限はないが、通常0.5〜10wt%の範囲で使用される。
必要に応じて、界面活性剤に、洗浄促進剤やPH調整剤などの現像助剤を配合することができる。
【0026】
洗浄促進剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、グリコールエーテル類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、あるいはパラフィン系炭化水素等がある。
PH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等がある。
【0027】
現像助剤は、単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
用いる現像助剤の沸点は、常圧で130℃以上であることが好ましい。沸点がこれより低い場合、現像液から水を蒸発させて凝縮液として回収する際に溶剤の相当量が水に同時に流去される傾向がある。あるいはこれを現像液の濃度調整の目的で利用する際に、現像液の性能を安定にするために同伴された溶剤の量を測定して調整しなければならないなどの手間がかかる。
【0028】
必要に応じて、消泡剤、分散剤、腐食抑制剤、腐敗防止剤を併用しても良い。水現像可能な感光性樹脂の未露光部の樹脂は上記の現像液を用いて、通常、ブラシなどを装着した現像機で除去され、現像液中に溶出・分散される。
現像後は版を、オーブン中で約60℃で15〜120分間乾燥することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、その組成によっては乾燥が終わった後も版表面にベトツキが残っている場合がある。その場合、公知の表面処理方法により、ベトツキを除去することができる。表面処理方法としては波長300nm以下の活性光線による露光処理が望ましい。
以下、実施例、及び比較例により本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
【実施例1〜4、比較例1〜8】
(1)親水性ポリマー(A)の合成
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に水125質量部および乳化剤(α−スルホ−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩、商品名:アデカリアソープSE1025(旭電化工業製))3質量部を初期仕込みし、内温を重合温度に昇温し、表1および2にそれぞれ示した単量体混合物とt−ドデシルメルカプタンの油性混合液と水28質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2質量部、水酸化ナトリウム0.2質量部および乳化剤(商品名:アデカリアソープSE1025(旭電化工業製))1質量部からなる水溶液をそれぞれ5時間および6時間かけて一定の流速で添加した。そして、そのままの温度で1時間保って、重合反応を完了した後、冷却した。ついで、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的には固形分濃度が40wt%になるように調整して親水性共重合体溶液を得た。親水性共重合体の数平均粒子径は、40nmであった。粒子径は日機装株式会社製、商品名、MICROTRAC粒度分析計(型式:9230UPA)を用いて数平均粒子径として求めた。
乳化重合した溶液を60℃で乾燥し親水性共重合体を得た。
【0030】
(2)感光性樹脂組成物および感光性樹脂版の作成
(1)で得た親水性ポリマー(A)と、疎水性ポリマー(B)として、スチレンブタジエンブロック共重合体[クレイトンD−KX405、St含有量24wt%、シェル化学製、商品名]を、表1と2に示した質量部比で、加圧ニーダを用いて140℃で10分混合後に、表1および2に記載の可塑剤(C)、表1および2に記載の光重合性不飽和単量体(D)、光重合開始剤(E)として2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンおよび酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを、表1と2に示した質量比で、15分かけて少しずつ加えて、加え終えてからさらに10分間混練し、感光性樹脂組成物を得た。
この組成物を取り出し、片面が熱可塑性エラストマーを用いた接着剤がコートされた厚さ100μのポリエステルフィルム(以下PETと略す)ともう片方は厚さ5μのポリビニルアルコール(PVA)がコートされた厚さ100μのPETでサンドイッチしてプレス機を用いて130℃で厚み3mmの板状に成形した。
【0031】
(3)印刷版の作成
(2)で得た接着剤がコートされたPETの側から、硬化層の厚さが1.8mm程度となるように、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2−SS)を用いて露光した。次に、PVAがコートされた方のPETをPVAが樹脂面に残るようにして剥ぎ、印刷画像のネガを密着させ前記露光機で10分間露光した。露光後に、ネガフィルムを剥がして、高級アルコールアルキレンオキシド付加物4wt%、ジエチレングリコールジブチルエーテル0.4wt%、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5wt%および炭酸ナトリウム0.4wt%の水溶液(水系現像液)を調製し、洗浄機(JOW−A3−P、日本電子精機製、商品名)を用いて、50℃で洗浄し、未露光部を除去した。乾燥後、紫外殺菌線ランプ、紫外線ケミカルランプで後露光して印刷版を作成した。
【0032】
(4)評価方法
(a)水系現像液の現像性
(3)の現像液と洗浄機を用いて、露光していない樹脂版を15分間洗浄し、洗浄により現象した樹脂版厚み(t)を測定し、15分/t(mm)を計算して、1mm現像するのに要する時間(分)を測定する。
(b)水性インキ付着膨潤後の耐刷性
印刷版の版面の強さ(耐刷性)を、擬似的に、摩耗輪(テスター産業株製テーバー摩耗試験器、硬質摩耗輪)を用いて評価した。全面ベタ部の印刷版を作成し、印刷版を水性インキの代替として5%イソプロピルアルコール水溶液に16h浸漬した後に、摩耗輪を用いて1000回転後の版面の摩耗量を測定した。摩耗量は、減量分を摩耗輪がベタ部と接触する面積で割って求めた。
【0033】
実施例1〜4、比較例1〜8で得られた樹脂組成物および印刷版の評価試験結果の一覧を表1と2に記載する。
表1と2より、さまざまな種類の液状ゴム検討した結果、(1)分子量が1万以上、6万以下の範囲且つ、(2)1,2−ビニル含有量が25%以下のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体を用いた場合のみ優れた水現像性と、水性インキが版に付着したときの優れた耐刷性の二つの相反する性能を両立させることができた。
【0034】
【表1】
Figure 2004246247
【0035】
【表2】
Figure 2004246247
【0036】
【発明の効果】
本発明のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物を用いることにより、優れた水現像性と、水性インキが版に付着したときの優れた耐刷性の二つの相反する性能を両立させることができる。

Claims (2)

  1. (A)親水性ポリマー、
    (B)疎水性ポリマー、
    (C)可塑剤、
    (D)光重合性不飽和単量体、及び
    (E)光重合開始剤
    を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、可塑剤(C)が、
    (1)分子量が1万以上、6万以下、且つ、
    (2)1,2−ビニル含有量が25%以下
    のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体を含有することを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
  2. 支持体と、その面上に形成された請求項1記載の感光性樹脂組成物の層からなる積層構造を有することを特徴とするフレキソ印刷版用感光性構成体。
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