JP7438458B1 - フレキソ印刷版の製造方法、及び印刷方法 - Google Patents

フレキソ印刷版の製造方法、及び印刷方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも、支持体、感光性樹脂組成物層、及び赤外線アブレーション層が、順次積層されているフレキソ印刷原版の版面に、有機溶剤系現像液を供給しながら、ブラシによるブラッシングを版面に行う現像工程を有し、前記有機溶剤系現像液が、高分子ゲルを0.1質量%以上10.0質量%以下含有している、フレキソ印刷版の製造方法。

Description

本発明は、フレキソ印刷版の製造方法、及び印刷方法に関する。
フレキソ印刷は、凸版印刷の一種であり、フレキソ印刷版の材料にはゴムや合成樹脂等の柔らかい材料が用いられていることから、種々の被刷体に適用可能であるという利点を有している。
フレキソ印刷に用いるフレキソ印刷版の製造方法としては、従来から、ネガフィルムを使用して製版する方法と、コンピュータ上で処理された情報を印刷版上に直接描画してレリーフを作製するコンピュータ製版技術(以下、CTP技術と記載する。)を用いる方法が知られている。
前記CTP技術を用いる方法においては、ネガフィルムの製造工程が不要であり、材料コストとネガフィルムの製造に必要な時間を削減できることから、近年では、フレキソ印刷版の製造方法としては、CTP技術を用いる方法が主流になりつつある。
CTP技術を用いる場合、フレキソ印刷版の原版(以下、「フレキソ印刷原版」と記載する場合がある。)としては、一般的に、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の支持体上に、少なくとも、感光性樹脂組成物層、及び赤外線アブレーション層が、順次積層されたものが用いられている。
CTP技術を用いたフレキソ印刷版の製造は、例えば、以下のように行われる。
まず、前記フレキソ印刷原版を構成するPET等の支持体を通して、紫外線を感光性樹脂組成物層の全面に照射するバック露光を行うことによって、均一な硬化層を設ける。次に、感光性樹脂組成物層上の赤外線アブレーション層にレーザーを照射して描画することによって、赤外線アブレーション層の一部を除去し、画像マスクを作製する。さらに、前記画像マスクを介して感光性樹脂組成物層に紫外線を照射するレリーフ露光を行うことで、赤外線アブレーション層が除去された箇所の感光性樹脂組成物を光硬化する。その後、感光性樹脂組成物層における露光されていない部分、すなわち、光硬化されていない部分を除去する現像工程を実施し、所望の画像であるレリーフ画像を形成し、フレキソ印刷版を得る。
前述の現像工程においては、有機溶剤系現像液を用い、未露光部の感光性樹脂組成物を溶解させる溶剤現像方式と、界面活性剤を含む水を用い、未露光部の感光性樹脂組成物を膨潤剥離させる水現像方式が提案されており、特に溶剤現像方式は現像速度が速く広く用いられている。
例えば、特許文献1には、現像液の温度を一定範囲に保つことで現像性の安定化を図った技術が開示されている。
また、特許文献2には、臭気を抑えつつ現像速度や現像品質を維持する現像液が開示されている。
特開2018-116109号公報 国際公開第2011/025523号
しかしながら、上述した従来提案されている技術では、印刷性能に直結するフレキソ印刷版の寸法精度に関しては検討がなされておらず、さらなる改善の余地があるという問題点を有している。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、速い現像速度を維持し、現像工程の生産性を高めながらも、寸法安定性に優れ、印刷特性に優れたフレキソ印刷版が得られる、フレキソ印刷版の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、所定の有機溶剤系現像液をフレキソ印刷原版の版面に供給しながら、ブラシによるブラッシングを版面に行う現像工程を行うことによって、上述した従来技術の課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
少なくとも、支持体、感光性樹脂組成物層、及び赤外線アブレーション層が、順次積層
されているフレキソ印刷原版の版面に、有機溶剤系現像液を供給しながら、ブラシによる
ブラッシングを版面に行う現像工程を有し、
前記有機溶剤系現像液が、高分子ゲルを含有しており、
前記高分子ゲルは、重合体により構成され
前記高分子ゲルは、前記有機溶剤系現像液中に溶解せず、分散した状態で存在しており、
前記高分子ゲルは、前記有機溶剤系現像液中で分散した状態で測定した数平均粒子径が40nm以上400nm以下の粒子であり、
前記有機溶剤系現像液が、前記高分子ゲルを0.1質量%以上10.0質量%以下含有し
前記高分子ゲルの含有量は、前記有機溶剤系現像液の総質量に対する、内部に有機溶剤系現像液を内包していない高分子ゲルの質量の割合である、フレキソ印刷版の製造方法。
〔2〕
前記有機溶剤系現像液中の有機溶剤の溶解度パラメータ(SP値)と、前記高分子ゲルの溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値が、0.5(cal/cm31/2以上4.0(cal/cm31/2以下である、
前記〔1〕に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
〔3〕
前記感光性樹脂組成物層が、熱可塑性エラストマーを含有している、
前記〔1〕又は〔2〕に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
〔4〕
前記感光性樹脂組成物層が、熱可塑性エラストマー、及び重合体粒子を含有している、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
〔5〕
前記感光性樹脂組成物層が、分散相と連続相とを有し、
前記熱可塑性エラストマーと前記重合体粒子とが、前記連続相と前記分散相とを形成し
ている、前記〔4〕に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
〔6〕
前記熱可塑性エラストマーの溶解度パラメータ(SP値)と、
前記重合体粒子の溶解度パラメータ(SP値)の差の絶対値が、0.1(cal/cm31/2以上2.0(cal/cm31/2以下である、
前記〔4〕又は〔5〕に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
〔7〕
前記有機溶剤系現像液が、
脂肪酸エステル類、炭化水素類、及び塩素系有機溶剤からなる群より選択される1つ以上と、アルコール類と、
を、含む、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のフレキソ印刷版の製造方法によりフレキソ
印刷版を得、
前記フレキソ印刷版を用いて印刷する工程を有する、
印刷方法。
本発明によれば、現像速度が速く、現像工程の生産性が高められ、寸法安定性に優れ、印刷特性に優れたフレキソ印刷版の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施できる。
〔フレキソ印刷版の製造方法〕
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法は、
少なくとも、支持体、感光性樹脂組成物層、及び赤外線アブレーション層が、順次積層されているフレキソ印刷原版の版面に、有機溶剤系現像液を供給しながら、ブラシによるブラッシングを版面に行う現像工程を有する。
前記有機溶剤系現像液は、高分子ゲルを0.1質量%以上10.0質量%以下含有しているものとする。
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法によれば、速い現像速度を維持し、現像工程の生産性が高められ、寸法安定性に優れ、印刷特性に優れたフレキソ印刷版が得られる。
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法としては、例えば、フレキソ印刷原版の支持体側から紫外線を照射するバック露光工程と、赤外線アブレーション層に赤外線を照射してパターンを描画加工する赤外線照射工程と、パターンが描画加工された赤外線アブレーション層をマスクとして、感光性樹脂組成物層に紫外線を照射してレリーフ露光するレリーフ露光工程と、赤外線アブレーション層と、感光性樹脂組成物層の未露光部を除去する現像工程とを有する方法が挙げられる。
以下、各工程について詳説する。
(バック露光工程)
まず、バック露光工程では、フレキソ印刷原版の支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、感光性樹脂組成物層を硬化させて薄い均一な硬化層(バック面)を形成する。なお、前記硬化層(バック面)は、レリーフ露光工程において形成される硬化した感光性樹脂組成物層に含まれる部分となる。
この際の露光方法は、特に限定されず、公知の照射ユニットを使用して行うことができる。
紫外線の光源としては、以下に限定されないが、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、カーボンアーク灯、紫外線用蛍光灯等が挙げられる。
なお、バック露光工程は、後述する赤外線照射工程の前に行ってもよく、また、バック露光工程と後述するレリーフ露光工程とを同時に行ってもよい。
(赤外線照射工程)
赤外線照射工程では、感光性樹脂組成物層上の赤外線アブレーション層をレーザー描画すなわちレーザーアブレーションしてネガパターンを作製する。フレキソ印刷原版が赤外線アブレーション層上にカバーフィルムを有している場合には、赤外線照射前に、まずカバーフィルムを剥離する。その後、赤外線アブレーション層に赤外線をパターン照射して、赤外線の照射部の樹脂を分解し、パターンを描画加工する。これにより、感光性樹脂組成物層上に、赤外線アブレーション層のマスクを形成する。
レーザー描画には赤外線レーザーを用いることができ、前記赤外線レーザーとしては、波長が750~2000nmのものが好ましい。この波長の赤外レーザーとしては750~880nmの半導体レーザーや1060nmのNd-YAGレーザーが一般的である。
(レリーフ露光工程)
レリーフ露光工程では、ネガパターンが形成された赤外線アブレーション層をマスクとして、紫外線の照射を行い、感光性樹脂組成物層に画像露光(レリーフ露光)を行い、硬化した感光性樹脂組成物層を形成する。なお、感光性樹脂組成物層と赤外線アブレーション層との間に後述する中間層を有する場合は、前記中間層を介して感光性樹脂組成物層にレリーフ露光を行う。
この際、マスクを通過した光が感光性樹脂組成物層の硬化反応を促進し、赤外線アブレーション層に形成されたパターンが、凹凸が反転して、感光性樹脂組成物層に転写される。なお、紫外線の照射は、フレキソ印刷原版の全面に行ってもよい。
赤外線アブレーション層側からの露光(レリーフ露光)と支持フィルム側からの露光(バック露光)は、どちらを先に行ってもよく、また両方を同時に行ってもよい。
露光光源としては、例えば、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等が挙げられる。
(現像工程)
現像工程においては、赤外線アブレーション層と、感光性樹脂組成物層の未露光部と、を除去する。
なお、前記中間層を有する場合は、前記中間層も併せて除去する。
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法における現像工程では、有機溶剤系現像液をフレキソ印刷原版の版面に供給しながら、ブラシによるブラッシングを版面に行う。ブラシによるブラッシングとしては、以下に限定されないが、例えば、ロールブラシによる回転、フラットブラシによる面回転又は往復運動によって行われるブラッシング等が挙げられる。
<有機溶剤系現像液>
現像工程に使用する有機溶剤系現像液とは有機溶剤を含む現像液を言う。
前記有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、1,1,1-トリクロロエタン、テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤;ヘプチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等のエステル類溶剤;石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類溶剤;等の各種有機溶剤が挙げられる。
また、現像工程で使用する有機溶剤系現像液には、有機溶剤として脂肪酸エステル類、炭化水素類、塩素系有機溶剤からなる群より選択される1つ以上を含むことが好ましく、さらにはアルコール類よりなる有機溶剤を含むものであることが、フレキソ印刷原版に含まれる様々な原材料を溶解又は膨潤させ、現像しやすくする観点から好ましい。
さらに、現像工程で用いる有機溶剤系現像液としては、前記脂肪酸エステル類、炭化水素類、又は塩素系有機溶剤の各種有機溶剤に、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類の混合物を含むものを使用することが好ましい。
具体的には、「Cylosol」(デュポン・スペシャルティ・プロダクツ株式会社製、商品名)や「SOLVIT」(日本マクダーミッド株式会社製、商品名)などを用いることができる。
全有機溶剤系現像液中、上述した有機溶剤の含有量は、現像速度の観点から50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
[有機溶剤系現像液中の高分子ゲル]
また、速い現像速度を担保し、かつフレキソ印刷版の高い寸法精度を得る観点から、本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法において用いる前記有機溶剤系現像液は、前記有機溶剤系現像液の総量に対し、高分子ゲルを0.1質量%以上10質量%以下含有する。
前記高分子ゲルの含有量は、0.5質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましい。また、前記高分子ゲルの含有量は5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。
高分子ゲルとしては、後述する重合体を用いることが好ましい。
本実施形態において用いる高分子ゲルは、有機溶剤系現像液中でも溶解せず、前記有機溶剤系現像液中に分散した状態で存在している。これにより、現像速度の向上と高い寸法精度の両立が可能となる。これは、高分子ゲルが砥粒のように現像時に働き現像速度を高めるとともに、高分子ゲルが内部に有機溶剤系現像液を内包することで硬度が低下し、版表面を傷つけることなく、高い寸法精度が実現できるためである。
前記高分子ゲルが有機溶剤系現像液中において不溶であることの指標として、トルエンゲル分率が挙げられる。本実施形態において用いる高分子ゲルは、トルエンゲル分率が50%以上100%以下が好ましい。より好ましくは60%以上100%以下であり、さらに好ましくは85%以上100%以下である。
ここで、高分子ゲルのトルエンゲル分率は、以下のようにして求められる。
高分子ゲルを0.5g取り、これを25℃のトルエン30mLに浸漬させ、振とう器を用いて3時間振とうさせる。その後に320SUSメッシュで濾過し、不通過分を130℃で1時間乾燥させる。この乾燥後の成分の質量を0.5(g)で割った質量分率(%)をトルエンゲル分率とする。
有機溶剤系現像液中の高分子ゲルは、前記有機溶剤現像液にメタノールを加え、樹脂分を沈殿させその上澄み液を乾燥させることにより取り出すことができる。
前記高分子ゲルのトルエンゲル分率は、公知の方法で制御できる。例えば、高分子ゲルを合成する際に使用する連鎖移動剤の量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
前記高分子ゲルの製造方法としては、懸濁重合や乳化重合等、各種重合方法により合成する方法や、メカノケミカルを利用して製造する方法が挙げられる。
前記高分子ゲルを構成する重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリレート-ブタジエン共重合体等のブタジエン骨格を有する重合体;ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のイソプレン骨格を有する重合体;前記ブタジエン骨格又はイソプレン骨格を有する重合体に、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する単量体がさらに重合した重合体;前記ブタジエン骨格又はイソプレン骨格を有する重合体に、(メタ)アクリル酸エステルがさらに重合した重合体;前記ブタジエン骨格又はイソプレン骨格を有する重合体に、(メタ)アクリル酸エステルと、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する単量体とがさらに重合した重合体;ポリウレタン、ビニルピリジン重合体、ブチル重合体、チオコール重合体、アクリレート重合体、天然ゴムが挙げられる。
本実施形態において用いる前記高分子ゲルは、数平均粒子径が、40nm以上200nm以下の粒子であることが好ましい。より好ましくは50nm以上180nm以下であり、さらに好ましくは60nm以上170nm以下である。
速い現像速度を維持する観点から、高分子ゲルの数平均粒子径は40nm以上であることが好ましく、再現性に優れるフレキソ印刷版を製造する観点から200nm以下であることが好ましい。
有機溶剤系現像液中の高分子ゲルの数平均粒子径は、動的光散乱法装置により測定でき、高分子ゲルの合成温度及び合成時間を適切に設定することにより上記数値範囲に制御することができる。
[有機溶剤系現像液中の有機溶剤、及び高分子ゲルの溶解度パラメータ]
また、本実施形態において用いる前記有機溶剤系現像液中の有機溶剤の溶解度パラメータ(SP値)は、速い現像速度を得る観点から、8.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2以下が好ましく、8.5(cal/cm1/2以上10.0(cal/cm1/2以下がより好ましく、8.8(cal/cm1/2以上9.5(cal/cm1/2以下がさらに好ましい。
また、前記有機溶剤系現像液中の高分子ゲルの溶解度パラメータ(SP値)は、速い現像速度を得る観点から、8.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2以下が好ましく、8.5(cal/cm1/2以上10.0(cal/cm1/2以下がより好ましく、8.8(cal/cm1/2以上9.5(cal/cm1/2以下がさらに好ましい。
本実施形態において用いる前記有機溶剤系現像液中の有機溶剤の溶解度パラメータ(SP値)と、前記高分子ゲルの溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値は、寸法安定性に優れたフレキソ印刷版を得、かつ速い現像速度を担保すること、さらには、高分子ゲルの有機溶剤系現像液中での分散性の観点から、0.5(cal/cm1/2以上4.0(cal/cm1/2以下が好ましく、0.6(cal/cm1/2以上3.0(cal/cm1/2以下がより好ましく、0.7(cal/cm1/2以上2.0(cal/cm1/2以下がさらに好ましい。
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法に用いる有機溶剤系現像液中の有機溶剤及び高分子ゲルの溶解度パラメータ(SP値)は、下記式(1)のように定義される。
SP値(δ)=(ΔE/V)1/2 [(cal/cm1/2]・・・(1)
ここで、Vは溶媒のモル分子容、ΔEは凝集エネルギー(蒸発エネルギー)である。
有機溶媒のモル分子容と凝集エネルギーは、例えば文献「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, Vol. 14, 147-154, 1974」のように公知の値から求めることもできる。
一方で、前記のパラメータが公知でない場合は、濁点滴定法と呼ばれる手法を用いて実測することも可能である。
具体的には、まず、SP値未知のサンプルをSP値既知の良溶媒に溶解させた溶液に対して、前記良溶媒よりもSP値が低い貧溶媒を滴下していき、溶質が析出し始めた貧溶媒の体積を測定する。続いて、新たに調製したSP値未知のサンプルをSP値既知の良溶媒に溶解させた溶液に対して、前記良溶媒よりもSP値が高い貧溶媒を滴下していき、溶質が析出し始めた貧溶媒の体積を測定する。ここで求めたそれぞれの貧溶媒の体積を下記式(2)に適用することで、SP値(δ)を求めることができる。
SP値(δ)=(Vml 1/2・δml+Vmh 1/2・δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2)・・・(2)
ここで、Vmlは、SP値が低い貧溶媒の体積、VmhはSP値が高い貧溶媒の体積、δmlはSP値が低い貧溶媒のSP値、δmhはSP値が高い貧溶媒のSP値である。
後述する実施例に記載のSP値は全て前記濁点滴定法により実測した値を用いている。
前記有機溶剤系現像液中の有機溶剤の溶解度パラメータ(SP値)と、前記高分子ゲルの溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値は、有機溶剤及び高分子ゲルとして適切な溶解度パラメータを有するものを組み合わせるように選択することにより、上述した数値範囲に制御できる。
(後処理工程)
上述した現像工程後、必要に応じて後処理露光を行うことによってフレキソ印刷版が得られる。
後処理露光としては、表面に波長300nm以下の光を照射する方法が挙げられる。必要に応じて、300nmよりも長波長の光も併用してもよい。
(フレキソ印刷原版)
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法においては、少なくとも、支持体、感光性樹脂組成物層、及び赤外線アブレーション層が、順次積層されているフレキソ印刷原版を用いる。
これら各層の間には、必要に応じて、中間層、接着層等の機能層が設けられていてもよい。
以下、本実施形態に用いるフレキソ印刷原版の構成について説明する。
<支持体>
フレキソ印刷原版を構成する支持体としては、以下に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、並びに、ポリアミドフィルム等が挙げられる。
これらのなかでも、支持体としてはポリエステルフィルムが好ましい。
支持体の厚みは、好ましくは75μm以上300μm以下である。フレキソ印刷原版の強度の観点から75μm以上が好ましく、可撓性の観点から300μm以下が好ましい。
支持体と後述する感光性樹脂組成物層との間には、これらの接着力を高める目的で、接着剤層を設けてもよい。
接着剤層の材料としては、以下に限定されないが、例えば、ポリウレタンやポリアミド、熱可塑性エラストマー等のバインダーポリマーと、イソシアネート化合物やエチレン性不飽和化合物等の接着有効成分とを含有する組成物が挙げられる。また、接着剤層には、種々の補助添加成分、例えば、可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、染料等を添加してもよい。
さらに、接着剤層と支持体との間の接着力をさらに高める目的で、接着剤層と支持体の間には少なくとも1層以上の下引き層を設けてもよい。
<感光性樹脂組成物層>
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法に用いるフレキソ印刷原版は、支持体上に感光性樹脂組成物層を有する。
前記フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層は、例えば、熱可塑性エラストマー(a-1)、重合体粒子(a-2)、光重合性モノマー(a-3)、光重合開始剤(a-4)を含むことが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層は、前記各成分に加え、必要に応じて、液状ジエン(a-5)、シリコーン化合物(a-6)等を含んでいてもよい。
前記感光性樹脂組成物層は、分散相と連続相とを有する構成とすることができ、速い現像速度を得ることの観点から、前記熱可塑性エラストマー(a-1)と、前記重合体粒子(a-2)とが、相分離していることが好ましい。熱可塑性エラストマー(a-1)と重合体粒子(a-2)とは、どちらが連続相、又は分散相であってもよく、熱可塑性エラストマー(a-1)が連続相、重合体粒子(a-2)が分散相であることがより好ましい。
これら成分について以下詳述するが、これら成分としては、例えば、「特開2018-120131号公報」に記載のものを使用してもよい。
相分離していることの確認方法として、例えば、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いて硬さ情報を取得し、その硬さの分布をとることで測定可能である。
[熱可塑性エラストマー(a-1)]
熱可塑性エラストマー(a-1)としては、以下に限定されないが、例えば、共役ジエン及び/又はビニル芳香族化合物に由来する構成単位を有する熱可塑性エラストマーが挙げられる。
熱可塑性エラストマー(a-1)は、単独重合体でも共重合体でもよい。また、共重合体である場合には、熱可塑性エラストマー(a-1)は、ランダム重合体でも、ブロック重合体でもよい。
これらのなかでも、熱可塑性エラストマー(a-1)としては、共役ジエン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックと、ビニル芳香族単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを含有する熱可塑性エラストマーが好ましい。
なお、本明細書中、「主体とする」とは、重合体ブロック中の60質量%以上が所定のモノマーにより構成されていることを意味する。
前記熱可塑性エラストマー(a-1)が、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有する場合、この共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックにおいて、共役ジエン単量体単位の含有量は、当該重合体ブロック中の80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
共役ジエンとしては、以下に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのなかでも、特に1,3-ブタジエンが感光性樹脂組成物層の耐摩耗性の観点から好ましい。
これらの単量体は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックにおいて、ビニル結合量は、フレキソ印刷版形成性の観点から、共役ジエン単量体単位の総量に対して、5mol%以上50mol%以下が好ましく、8mol%以上50mol%以下がより好ましく、10mol%以上40mol%以下がさらに好ましい。ここで、「ビニル結合量」とは、1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量をいう。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、フレキソ印刷版の耐刷性の観点から、20,000以上250,000以下が好ましく、30,000以上200,000以下がより好ましく、40,000以上150,000以下がさらに好ましい。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックは、アルキレン単位を含有してもよい。前記アルキレン単位の導入方法は特に限定されないが、共役ジエンを主体とする重合体ブロックの原料モノマーとしてエチレンやブチレン等のモノオレフィンを用いて重合する方法や、共役ジエン重合体ブロックを水素添加する方法等が挙げられる。特に、入手しやすさの観点から、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを水素添加する方法が好ましい。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックにおいて、アルキレン単位の含有量は、前記共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを構成する単量体単位の総量に対して、5mol%以上50mol%以下が好ましく、10mol%以上35mol%以下がより好ましく、10mol%以上25mol%以下がさらに好ましい。アルキレン単位の含有量が5mol%以上であることにより、フレキソ印刷版の耐溶剤性がより向上する傾向にある。また、アルキレン単位の含有量が50mol%以下であることにより、感光性樹脂組成物層の透明性がより向上する傾向にある。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックは、フレキソ印刷版の耐溶剤性の観点から、アルキレン単位を含有することが好ましく、1,4-ブタジエン単位、1,2-ブタジエン(ビニル)単位、及びブチレン(アルキレン)単位のすべてを含有することがより好ましい。この際、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックは、1,4-ブタジエン単位25mol%以上70mol%以下と、1,2-ブタジエン(ビニル)単位0mol%以上50mol%以下と、ブチレン単位10mol%以上50mol%以下と、を含有することがさらに好ましい。このような重合体ブロックは、ブタジエンを主体とする重合体ブロック部を水素添加することにより得られる。
なお、熱可塑性エラストマー(a-1)、及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックの共役ジエン単量体単位の含有量や比率、共役ジエンのビニル結合量、及びビニル芳香族単量体単位の含有量や比率は、核磁気共鳴装置(H-NMR)を用いて測定することができる。
ビニル芳香族化合物としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、t-ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルスチレン、N,N-ジメチル-p-アミノエチルスチレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、p-メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α-メチルスチレン、1,1-ジフェニルエチレン等の単量体が挙げられる。特に、フレキソ印刷原版を比較的低温で平滑に成型できることから(以下、「高成型性」ともいう)、スチレンが好ましい。
これらの単量体は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性エラストマー(a-1)を構成するビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、フレキソ印刷版に配向性を出さないようにする観点から100,000以下が好ましく、製版時や印刷時の耐欠け性の観点から、3,000以上が好ましい。ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、5,000以上80,000以下がより好ましく、5,000以上60,000以下がさらに好ましい。
熱可塑性エラストマー(a-1)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、ブロック共重合体の総量に対して、13質量%以上25質量%以下が好ましく、15質量%以上24質量%以下がより好ましく、16質量%以上23質量%以下がさらに好ましい。
ビニル芳香族単量体単位の含有量が25質量%以下であることにより、感光性樹脂組成物の高成型性、フレキソ印刷版の凸部の高い耐カケ性、及びインキ成分が付着したときの印刷版硬度を高く維持できる傾向にある。一方、ビニル芳香族単量体単位の含有量が13質量%以上であることにより、フレキソ印刷原版の耐コールドフロー性がより向上する傾向にある。
感光性樹脂組成物層に用いる熱可塑性エラストマー(a-1)の溶解度パラメータ(SP値)は、速い現像速度を得る観点から、8.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2以下が好ましく、8.5(cal/cm1/2以上10.0(cal/cm1/2以下がより好ましく、8.8(cal/cm1/2以上9.5(cal/cm1/2以下がさらに好ましい。
熱可塑性エラストマー(a-1)の溶解度パラメータ(SP値)は、前記[有機溶剤系現像液中の有機溶剤、及び高分子ゲルの溶解度パラメータ]の項で記載した方法により測定できる。
また、画像再現性に優れ、印刷品質の高いフレキソ印刷版を得る観点から、前記感光性樹脂組成物に用いる熱可塑性エラストマー(a-1)の溶解度パラメータ(SP値)と、前記重合体粒子(a-2)の溶解度パラメータ(SP値)の差の絶対値は、0.1(cal/cm1/2以上2(cal/cm1/2以下が好ましく、0.2(cal/cm1/2以上1(cal/cm1/2以下がより好ましく、0.3(cal/cm1/2以上0.8(cal/cm1/2以下がさらに好ましい。
前記熱可塑性エラストマー(a-1)の溶解度パラメータ(SP値)と、前記重合体粒子(a-2)の溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値は、熱可塑性エラストマー及び重合体粒子として適切な溶解度パラメータを有するものを組み合わせるように選択することにより、上述した数値範囲に制御できる。
フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層における熱可塑性エラストマー(a-1)の含有量は、印刷時の耐刷性の観点から、感光性樹脂組成物層の全量を100質量%としたとき、15質量%以上90質量%以下が好ましく、15質量%以上80質量%以下がより好ましく、20質量%以上75質量%以下がさらに好ましい。
[重合体粒子(a-2)]
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法において用いるフレキソ印刷原版の感光性樹脂組成物層は、重合体粒子(a-2)を含有することが好ましい。
重合体粒子(a-2)は、単量体が内部架橋した重合体粒子である。重合体粒子(a-2)は、以下に限定されないが、例えば、乳化重合により、重合体粒子が分散質として水中に分散されたゲルを含有する化合物を調製し、得られたゲルを含有する化合物から水を取り除くことにより得られる。
重合体粒子(a-2)は、上述した有機溶剤系現像液中に含まれる前記高分子ゲルと同一のものでもあってもよいし、異なるものであっていてもよいが、同一のものであると、有機溶剤系現像液中の高分子ゲルの濃度が一定に保たれ現像品質がより安定するため好ましい。
前記重合体粒子(а-2)の製造方法としては、懸濁重合や乳化重合など各種重合方法により合成する方法や、メカノケミカルを利用して製造する方法が挙げられる。
前記重合体粒子(a-2)を構成する重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリレート-ブタジエン共重合体等のブタジエン骨格を有する重合体;ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のイソプレン骨格を有する重合体;前記ブタジエン骨格又はイソプレン骨格を有する重合体に、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する単量体がさらに重合した重合体;前記ブタジエン骨格又はイソプレン骨格を有する重合体に、(メタ)アクリル酸エステルがさらに重合した重合体;前記ブタジエン骨格又はイソプレン骨格を有する重合体に、(メタ)アクリル酸エステルと、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する単量体とがさらに重合した重合体;ポリウレタン、ビニルピリジン重合体、ブチル重合体、チオコール重合体、アクリレート重合体、天然ゴムが挙げられる。
感光性樹脂組成物層に含有されている重合体粒子(a-2)の数平均粒子径は、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。数平均粒子径が500nm以下であることにより、フレキソ印刷原版の現像性がより向上する傾向にある。
また、重合体粒子(a-2)のトルエンゲル分率は、50%以上100%以下が好ましい。より好ましくは60%以上100%以下であり、さらに好ましくは85%以上100%以下である。
トルエンゲル分率が50%以上であると、フレキソ印刷版において実用上十分な強度が得られる傾向にある。トルエンゲル分率が100%以下であると、重合体粒子(a-2)と熱可塑性エラストマー(a-1)との混合性が良好なものとなる傾向にある。
ここで、トルエンゲル分率は以下のようにして求められる。
重合体粒子(a-2)の約30質量%の分散液を、テフロン(登録商標)シートの上に適当量垂らし、130℃で30分間乾燥させて重合体粒子(a-2)を0.5g取る。これを25℃のトルエン30mLに浸漬させ、振とう器を用いて3時間振とうさせる。その後に320SUSメッシュで濾過し、不通過分を130℃で1時間乾燥させる。この乾燥後の成分の質量を0.5(g)で割った質量分率(%)をトルエンゲル分率とする。
重合体粒子(a-2)のトルエンゲル分率は、公知の方法で制御できる。例えば、重合体粒子(a-2)を合成する際に使用する連鎖移動剤の量を調整することにより、上述した数値範囲に制御することができる。
感光性樹脂組成物層に用いる重合体粒子(a-2)の溶解度パラメータは、感光性樹脂層内での分散性の観点から、8.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2以下が好ましく、8.5(cal/cm1/2以上10.0(cal/cm1/2以下がより好ましく、8.8(cal/cm1/2以上9.5(cal/cm1/2以下がさらに好ましい。
重合体粒子(a-2)の溶解度パラメータ(SP値)は、前記[有機溶剤系現像液中の有機溶剤、及び高分子ゲルの溶解度パラメータ]の項で記載した方法により測定できる。
フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層における重合体粒子(a-2)の含有量は、フレキソ印刷版作製時の現像性の観点から、感光性樹脂組成物の全量を100質量%としたとき、10質量%以上70質量%以下が好ましく、15質量%以上60質量%以下がより好ましく、20質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。
[光重合性モノマー(a-3)]
光重合性モノマー(a-3)としては、以下に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等の酸のエステル類;アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体;アリルエステル、スチレン及びその誘導体;N置換マレイミド化合物等が挙げられる。
具体的には、光重合性モノマー(a-3)としては、以下に限定されないが、例えば、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール等のアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート;あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ジシクロペンタジエニルのジアクリレート及びジメタクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート、N,N’-ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3-フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N-ラウリルマレイミド等が挙げられる。
これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フレキソ印刷版の凸部の高い耐カケ性の観点から、光重合性モノマー(a-3)としては、一分子中に(メタ)アクリート基を2個有するジ(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。このようなジ(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の総量に対して、2.0質量%以上が好ましく、2.0~20質量%がより好ましく、5.0~16質量%がさらに好ましい。
フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層における光重合性モノマー(a-3)の含有量は、明るい印刷を得る観点から、感光性樹脂組成物の全量を100質量%としたとき、1~25質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましく、8~15質量%がさらに好ましい。
[光重合開始剤(a-4)]
光重合開始剤(a-4)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、公知の各種のものを用いることができ、各種の有機カルボニル化合物や、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。
光重合開始剤(a-4)としては、以下に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、t-ブチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシフェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7-ビスアクリジニルヘプタン;9-フェニルアクリジン;2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール;等が挙げられる。
これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層における光重合開始剤(a-4)の含有量は、フレキソ印刷版の作製時の版形成性を高める観点、及び明るい印刷、すなわち、網点面積が0~10%程度の領域での優れた印刷再現性を得る観点から、感光性樹脂組成物の全量を100質量%としたとき、0.1~10.0質量%が好ましく、1.0~8.0質量%がより好ましく、1.5~5.0質量%がさらに好ましい。
また、光重合開始剤(a-4)としては、崩壊型光重合開始剤及び水素引抜き型光重合開始剤を併用してもよい。フレキソ印刷版の画像再現性や耐摩耗性を高くする観点から、感光性樹脂組成物中の水素引抜き型光重合開始剤の含有量は、1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
[液状ジエン(a-5)]
感光性樹脂組成物層は、液状ジエン(a-5)を含有してもよい。
液状ジエン(a-5)とは、液状の炭素・炭素二重結合を有する化合物である。
ここで、本明細書中、「液状ジエン」の「液状」とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する性状を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する用語である。
液状ジエン(a-5)としては、以下に限定されないが、例えば、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状ポリイソプレンの変性物、液状アクリルニトリル-ブタジエンの共重合体、液状スチレン-ブタジエン共重合体が挙げられる。液状ジエンは、ジエン成分が50質量%以上の共重合体であるものとする。
このなかでも、フレキソ印刷原版及びこれを用いたフレキソ印刷版の機械物性の観点から、液状ジエン(a-5)としては液状ポリブタジエンが好ましい。
また、液状ジエン(a-5)の数平均分子量については、20℃において液状である限り、特に限定されないが、フレキソ印刷原版を用いて得られるフレキソ印刷版の耐刷性、取扱性の観点から、好ましくは500以上60000以下であり、より好ましくは500以上50000以下であり、さらに好ましくは800以上50000以下である。
フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層における液状ジエン(a-5)の含有量は、フレキソ印刷原版及びこれを用いたフレキソ印刷版の耐刷性の観点から、感光性樹脂組成物層の全量を100質量%としたとき、10~40質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましく、20~40質量%がさらに好ましい。
[シリコーン化合物(a-6)]
シリコーン化合物(a-6)としては、シリコーンオイル、シランカップリング剤、シラン化合物、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。特に、シリコーンオイルは表面に成分が移行しやすく、表面エネルギーを下げる効果が高いため好ましい。
シリコーン化合物(a-6)としては、以下に限定されないが、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリアルキルシロキサンを主鎖に有する化合物が挙げられる。また、シリコーン化合物(a-6)は、ポリシロキサン構造を分子中の一部に有する化合物であってもよい。さらに、シリコーン化合物(a-6)は、ポリシロキサン構造に特定の有機基を導入した化合物であってもよい。具体的には、ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入した化合物、ポリシロキサンの両末端に有機基を導入した化合物、ポリシロキサンの片末端に有機基を導入した化合物、ポリシロキサンの側鎖と末端の両方に有機基を導入した化合物等を用いることができる。
ポリシロキサン構造に導入する有機基としては、以下に限定されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、カルビノール基、アリール基、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、少なくとも1つのアリール基で置換された直鎖状あるいは分岐状アルキル基、ポリオキシアルキレン基(以下、ポリエーテル基ともいう)等が挙げられる。
これらのなかでも、シリコーン化合物(a-6)としては、ポリシロキサンを主骨格とし、少なくとも一つの末端にアミノ基、ポリエーテル基、カルビノール基からなる群より選択される一種以上の基を有するシリコーンオイルがより好ましい。このようなシリコーン化合物(a-6)を用いることにより、感光性樹脂組成物層の透明性がより向上する傾向にある。なお、このようなシリコーン化合物(a-6)の市販品としては、特に制限されないが、例えば、信越化学製のKF-6000が挙げられる。
フレキソ印刷原版を構成する感光性樹脂組成物層におけるシリコーン化合物(a-6)の含有量は、感光性樹脂組成物層の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上3.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。
<赤外線アブレーション層>
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法に用いるフレキソ印刷原版は、感光性樹脂組成物層上に、赤外線アブレーション層を有する。
赤外線アブレーション層は、赤外線によって描画加工が可能であり、感光性樹脂組成物層を露光硬化させる際にマスク画像の役割を果たす。露光が終了してから感光性樹脂組成物層の未露光部を洗い出しする際に、この赤外線アブレーション層も同時に除去される。
赤外線アブレーション層は、バインダーポリマー、赤外線感受性物質を含有することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、以下に限定されないが、例えば、ポリアミド、ポリエステル、及び、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとからなる共重合体等が挙げられる。特に、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のモノビニル置換芳香族炭化水素と、1,3-ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンとからなる共重合体が好ましい。このようなバインダーポリマーを用いて赤外線アブレーション層を構成することにより、上述した感光性樹脂組成層や、必要に応じて設けられた中間層との親和性が高く、密着性が良好となる。
また、バインダーポリマーとしてポリエステルを用いる場合は、前記ポリエステルの数平均分子量は300以上10,000以下であることが好ましい。
さらに、前記ポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば、アルカンジオールとアジピン酸とから合成されたもの、アルカンジオールとフタル酸とから合成されたもの、ポリカプロラクトン、及び、これらポリエステルの2つ以上を組み合わせたものを好適に用いることができる。
また、前記ポリエステルは、その他のバインダーポリマーや赤外線感受性物質や非赤外放射線の遮蔽物質との相溶性を損なわない範囲で、アミノ基、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲン等の各種官能基を含んでいてもよい。
赤外線感受性物質としては、特に限定されないが、例えば、通常750~2000nmの範囲で強い吸収をもつ単体あるいは化合物が好適に使用される。
赤外線感受性物質としては、以下に限定されないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、及び酸化クロム等の無機顔料;ポリフタロシアニン化合物、シアニン色素、及び金属チオレート色素等の色素類;等が挙げられる。
これら赤外線感受性物質の赤外線アブレーション層中の含有量は、使用するレーザー光線で切除可能な感度を付与する範囲とすることが好ましい。赤外線感受性物質の含有量は、赤外線アブレーション層の総量に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましい。
また、赤外線感受性物質には、紫外線等の放射線を反射又は吸収する物質を用いることができる。このような物質としては、紫外線等の放射線吸収剤やカーボンブラック、グラファイト等が挙げられ、赤外線アブレーション層が、所要の光学濃度が達成できるように添加量を設定することが好ましい。一般的には、赤外線アブレーション層が、2以上、好ましくは3以上の光学濃度となるように添加することが好ましい。
<中間層>
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法に用いるフレキソ印刷原版は、上述した感光性樹脂組成物層と、後述する赤外線アブレーション層との間に、所定の機能を有する中間層を有してもよい。
高精細かつハイライト領域を有する印刷物を作製するためには、フレキソ印刷版において、ドット先端部の平坦部が直径10~20μm、レリーフ深度が100μm以上である、微小なドットを形成させる必要がある。このような微小なドットを達成するためには、中間層は、酸素阻害能を有する酸素阻害層であることが好ましい。
また、中間層は、接着機能を有する接着層であってもよい。
感光性樹脂組成物層を紫外線の照射により硬化する際、硬化はラジカル重合によって進行する。重合の際に酸素が共存するとラジカル生成化合物と酸素が反応して重合反応が抑制される。重合反応が抑制され、感光性樹脂組成物層に未反応部分が残ると、最終的に形成されるパターンは先端に曲線部を有する形状になる。これに対して、紫外線硬化時に酸素の共存量を減少させると重合反応が抑制されにくくなり、最終的に形成されるパターンは先端に平面部を有する形状になる。したがって、フレキソ印刷版において、先端に平坦部を有するパターンを作製しようとする場合、中間層が酸素阻害能を有するものとして、感光性樹脂組成物層に接する酸素を減少させることが有効である。
また、中間層は、赤外線アブレーション層を保護する機能も有する。
従来のフレキソ印刷版の製造工程においては、赤外線アブレーション層をフィルム送りする際、ロールと接触したり、フィルムロール輸送中に巻き締まりが生じたりすることによって赤外線アブレーション層を保護する所定のフィルムとこすれたりして物理的に欠落し、ピンホールが生じるおそれがある。
また、感光性樹脂組成物層を押し出し成型しながら赤外線アブレーション層上に塗設する方法により感光性樹脂組成物層と赤外線アブレーション層を積層させる場合には、加熱溶融した感光性樹脂組成物が赤外線アブレーション層上を流動した際に生じる摩擦よって、赤外線アブレーション層にピンホールが生じるおそれがある。
このような赤外線アブレーション層のピンホールの発生を防ぐために、フレキソ印刷原版を構成する中間層は、物理的な強度、耐熱性を有するものとすることが好ましい。
上述したように、高精細かつハイライト領域を有する印刷物を作製するためには、フレキソ印刷版のドット先端部の平坦部が直径10~20μmである微小なドットを形成する必要があるため、仮に赤外線アブレーション層に20μm以上のピンホールがあって、その周辺に微小ドットを形成するためのマスク画像が重なった場合、ドット形成不良が起きて、高精細かつハイライト領域を有するフレキソ印刷版を作製することができなくなるおそれがある。
かかる観点から、上述したように、中間層は、酸素阻害能を有する酸素阻害層であることが好ましく、物理的な強度、耐熱性を有するものであることが好ましい。
さらに、中間層は、赤外線アブレーション層及び感光性樹脂組成物層と同一の洗浄液で洗浄できることが、フレキソ印刷版の製造工程の簡便さの観点から好ましい。
中間層の洗浄性が高いと、洗浄工程にかかる時間を短縮でき、作業性が向上し、中間層の下層に位置する感光性樹脂組成物層の現像を容易に行うことができる。
中間層に好適に用いられる材料としては、以下に限定されないが、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース誘導体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブチルゴム、及びイソプレンゴム等のポリマーが挙げられる。
また、中間層は、水分散性ラテックスを含有することが好ましい。
水分散性ラテックスとしては、以下に限定されないが、例えば、ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックス等の水分散ラテックス重合体や、これらの重合体にアクリル酸やメタクリル酸等の他の成分を共重合して得られる重合体が挙げられる。
これらのポリマーは、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、中間層には、その他の成分、例えば、界面活性剤、ブロッキング防止剤、離型剤、UV吸収剤、染料、顔料等が添加されていてもよい。
中間層の厚さは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。0.5μm以上であることにより、十分な膜強度が得られ、20μm以下であることにより十分な洗浄性を得ることができる。中間層の厚さは0.5μm以上10μm以下がより好ましく、0.5μm以上5μm以下がさらに好ましい。
〔フレキソ印刷版、印刷方法〕
本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法により得られるフレキソ印刷版は、支持体と、レリーフ露光により任意の凹凸パターンが形成された硬化後の感光性樹脂組成物層を有する。
感光性樹脂組成物層の頂部は、印刷時にはインキが付着し、付着したインキが被印刷物に付着することで、フレキソ印刷が行われる。
本実施形態の印刷方法は、上述した本実施形態のフレキソ印刷版の製造方法によりフレキソ印刷版を得、前記フレキソ印刷版を用いて印刷する工程を有する。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例1~9、参考例10、実施例11~16〕〔比較例1~5〕
実施例1~9、参考例10、実施例11~16、比較例1~5のフレキソ印刷版の製造方法について、以下説明する。
((1)高分子ゲル/重合体粒子の製造)
フレキソ印刷版の製造工程で用いる有機溶剤系現像液に配合する高分子ゲル、感光性樹脂組成物層に配合する重合体粒子を以下のようにして作製した。
なお、下記の高分子ゲル/重合体粒子A~Eにおける「高分子ゲル」、「重合体粒子」とは、それぞれ、有機溶剤系現像液に含有させる高分子ゲルであるか、感光性樹脂組成物層に含有させる重合体粒子であるかを区別したものであって、材料としては同じものである。
<高分子ゲル/重合体粒子Aの製造>
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に、水125質量部と、反応性乳化剤として、α-スルホ(1-ノニルフェノキシ)メチル-2-(2-プロペニルオキシ)エトキシ-ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)のアンモニウム塩「アデカリアソープ」(株式会社ADEKA製)2質量部を初期仕込みし、内温を80℃に昇温し、スチレン10質量部、ブタジエン60質量部、ブチルアクリレート23質量部、メタアクリル酸5質量部、及び、アクリル酸2質量部からなる単量体混合物と、t-ドデシルメルカプタン2質量部の油性混合液と、水28質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2質量部、水酸化ナトリウム0.2質量部、及び、α-スルホ(1-ノニルフェノキシ)メチル-2-(2-プロペニルオキシ)エトキシ-ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)のアンモニウム塩2質量部からなる水溶液を、それぞれ5時間及び6時間かけて一定の流速で添加した。
次に、80℃の温度をそのまま1時間保って、重合反応を完了し、共重合体ラテックスを得た後、冷却した。
さらに、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整した後、スチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的には、ろ液の固形分濃度が40質量%になるように調整して高分子ゲルの水分散液を得た。
得られた高分子ゲルの水分散液を50℃の真空乾燥機でドライアップすることにより、水を除去し、高分子ゲル/重合体粒子Aを得た。
高分子ゲル/重合体粒子Aの重合体粒子の数平均粒子径は66nm、トルエンゲル分率は99%であった。
高分子ゲル/重合体粒子の数平均粒子径は、動的光散乱式粒子径粒度分布測定装置Microtrac(日機装株式会社製)により、現像液に分散させた状態で測定した。
また、高分子ゲル/重合体粒子の溶解度パラメータ(SP値)は、濁点滴定法を用いて求めた。
具体的には、良溶媒(ヘキサン)に分散させたのちに貧溶媒(エタノール)を分離もしくは沈殿するまで滴下していき、滴下した貧溶媒の体積を下記式(2)に適用することにより、SP値(δ)を求めた。
SP値(δ)=(Vml 1/2・δml+Vmh 1/2・δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2)・・・(2)
(前記式(2)中、Vmlは、SP値が低い貧溶媒の体積、VmhはSP値が高い貧溶媒の体積、δmlはSP値が低い貧溶媒のSP値、δmhはSP値が高い貧溶媒のSP値である。)
下記の良溶媒と貧溶媒、及びそれぞれのSP値を用いて算出した。以下においても同様に、SP値を算出した。
良溶媒:
トルエン(SP値:8.9[(cal/cm31/2])
p-キシレン(SP値:8.7[(cal/cm31/2])
酢酸ブチル(SP値:8.5[(cal/cm31/2])
酢酸エチル(SP値:9.1[(cal/cm31/2])
アセトン(SP値:9.8[(cal/cm31/2])
貧溶媒:
n-ヘキサン(SP値:7.2[(cal/cm31/2])
エタノール(SP値:12.9[(cal/cm31/2])
水(SP値:23.4[(cal/cm31/2])
<高分子ゲル/重合体粒子Bの製造>
重合反応温度条件を95℃とした以外は、前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様にして高分子ゲル/重合体粒子Bを得た。
高分子ゲル/重合体粒子Bの数平均粒子径は40nm、トルエンゲル分率は98%であった。
前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様に、SP値を測定した。
<高分子ゲル/重合体粒子Cの製造>
重合反応温度条件を90℃とした以外は、前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様にして高分子ゲル/重合体粒子Cを得た。
高分子ゲル/重合体粒子Cの数平均粒子径は58nm、トルエンゲル分率は99%であった。
前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様に、SP値を測定した。
<高分子ゲル/重合体粒子Dの製造>
重合反応温度条件を70℃とし、α-スルホ(1-ノニルフェノキシ)メチル-2-(2-プロペニルオキシ)エトキシ-ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)のアンモニウム塩「アデカリアソープ」(株式会社ADEKA製)の添加量を1.8質量部にした以外は、前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様にして高分子ゲル/重合体粒子Dを得た。
高分子ゲル/重合体粒子Dの数平均粒子径は318nm、トルエンゲル分率は95%であった。
前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様に、SP値を測定した。
<高分子ゲル/重合体粒子Eの製造>
重合反応温度条件を65℃とし、α-スルホ(1-ノニルフェノキシ)メチル-2-(2-プロペニルオキシ)エトキシ-ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)のアンモニウム塩「アデカリアソープ」(株式会社ADEKA製)の添加量を1.6質量部にした以外は、前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様にして高分子ゲル/重合体粒子Eを得た。
高分子ゲル/重合体粒子Eの数平均粒子径は405nm、トルエンゲル分率は97%であった。
前記高分子ゲル/重合体粒子Aと同様に、SP値を測定した。
((2)接着剤層を有するベースフィルム(支持体)の作製)
ベースフィルム(支持体)にコートする接着剤層用の溶液として、スチレンと1,3-ブタジエンのブロック共重合体であるタフプレン912(旭化成株式会社製、商品名)を55質量部、パラフィンオイル(平均炭素数33、平均分子量470、15℃における密度0.868)を38質量部、1,9-ノナンジオールジアクリレートを2.5質量部、2,2-ジメトキシ-フェニルアセトフェノンを1.5質量部、エポキシエステル3000M(共栄社化学株式会社製、商品名)を3質量部、及びバリファストイエロー3150(オリエント化学工業株式会社製、商品名)を1.5質量部の割合で、トルエンに溶解させ、固形分25%の溶液を得た。
その後、ナイフコーターを用いて厚さ100μmポリエステルフィルムの片側に紫外線透過率10%となるように前記溶液を塗布し、80℃で1分間乾燥して、接着剤層を有するベースフィルム(支持体)を得た。
支持体の紫外線透過率は、紫外線露光機AFP-1500(旭化成株式会社製、商品名)を用い、UV照度計MO-2型機(株式会社オーク製作所製、商品名、UV-35フィルター)で透過強度を測定し計算した。
((3)赤外線アブレーション層を有するフィルムの作製)
スチレンと1,3-ブタジエンのブロック共重合体であるアサフレックス810(旭化成株式会社製、商品名)65質量%と、赤外線感受性物質としてカーボンブラック35質量%を、ニーダーで混練し、ペレット状に断裁した後、このペレット90質量部と、1,6-ヘキサンジオールアジペート10質量部を、酢酸エチル/酢酸ブチル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=50/30/20の質量比で調製した混合溶剤に、超音波を使用して溶解し、固形分12質量%の均一な溶液を調製した。
次に、前記溶液を、100μmの厚みのカバーシートとなるポリエステルフィルム上に、乾燥後の塗布量が4~5g/mとなるようにナイフコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥して、赤外線で切除可能な紫外線遮蔽層(赤外線アブレーション層)を有するフィルムを得た。
この赤外線アブレーション層を有するフィルムの光学濃度をDM-500(株式会社SCREENホールディングス製、商品名)で測定したところ、3~4であった。
((4)フレキソ印刷原版の作製)
<フレキソ印刷原版1の作製>
前記(1)で得られた高分子ゲル/重合体粒子A(但し、重合体粒子Aとして使用する) 32質量部と、スチレン比率が24質量%であるスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体[D-KX405:クレイトンコーポレーション製]28質量部を、加圧ニーダーを用いて140℃で混合した。
その後、液状ポリブタジエン[LBR-352:株式会社クラレ製]32質量部、1,9-ノナンジオールジアクリレート8質量部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート5質量部、2,2-ジメトキシフェニルアセトフェノン2質量部、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール1質量部、カルビノール変性シリコーンオイル[KF-6000:信越化学工業株式会社製]1質量部の液状混合物を15分掛けて少しずつ加えて、さらに20分混練し、感光性樹脂組成物を得た。
次いで、押し出し成型機に投入し、T型ダイスから押し出し成型された感光性樹脂組成物層の片方の面に、前記(2)で得られたベースフィルム(支持体)の粘着剤層が形成された面を貼り合わせ、さらに、感光性樹脂組成物層の支持体積層側とは反対の面に離型フィルム(三菱ケミカル株式会社製、ダイアホイルMRV100)を貼り合わせて、支持体と感光性樹脂組成物層の積層体を得た。
次に、前記離型フィルムをはがし、前記(3)で得た赤外線アブレーション層を有するカバーフィルムを、赤外線アブレーション層が感光性樹脂組成物層に接するようにラミネートしてフレキソ印刷原版を得た。
<フレキソ印刷原版2~7の作製>
使用する感光性樹脂組成物層中の重合体粒子、及び熱可塑性エラストマーの種類を、下記表1~表3のように変更した以外は、前記フレキソ印刷原版1と同様にして、フレキソ印刷原版2~7を得た。下記表1~表3に、フレキソ印刷原版の作製に用いた材料を示す。
なお、表中の熱可塑性エラストマーの記号について、以下に示す。
[使用した熱可塑性エラストマー]
KX405:D-KX405、クレイトンコーポレーション製(SP値:9.0)
タフプレン315:(旭化成株式会社製、商品名、スチレン比率20質量%)(SP値:9.1)
アサプレン420P:(旭化成株式会社製、商品名)(SP値:9.3)
<フレキソ印刷原版8の作製>
スチレン比率が30質量%であるスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体「アサプレン420P」(旭化成株式会社製、商品名)60質量部を、加圧ニーダーを用いて140℃で混合後、液状ポリブタジエン[LBR-352:株式会社クラレ製]32質量部、1,9-ノナンジオールジアクリレート8質量部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート5質量部、2,2-ジメトキシフェニルアセトフェノン2質量部、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール1質量部、カルビノール変性シリコーンオイル[KF-6000:信越化学工業株式会社製]1質量部の液状混合物を15分掛けて少しずつ加えて、さらに20分混練し、感光性樹脂組成物を得た。
その後の工程はフレキソ印刷原版1と同様にしてフレキソ印刷原8を得た。
下記表1~3に、フレキソ印刷原版の製造に用いた材料を示す。
(パターン露光)
赤外線アブレーション層のカバーシートを剥がし、ESKO製レーザー描画機(CDI)を用いて、幅100μmの凹線を赤外線アブレーション層に描画した後、赤外線アブレーション層の側から前記露光機を用いて大気雰囲気下で8000mJ露光した。
次いで、ESKO製LED露光機(XPS)を用いて、前記フレキソ印刷原版に、硬化後のパターン高さ(RD)が0.6mm程度となるように、露光した。
(フレキソ印刷原版の現像)
次いで、以下に記載の方法で現像を行った。
実施例及び比較例において、下記表1~3に示すように、所定のフレキソ印刷原版を、所定の現像液を用いて現像した。
なお、現像液中に高分子ゲルを含有させる場合には、下記表1~3に示す所定の高分子ゲル/重合体粒子(但し、高分子ゲルとして使用する)を下記表1~3に示す含有量となるように添加したものを現像液として用いた。
現像液中に高分子ゲルを含有させない場合には、表中、「なし」と表記した。
「AFP-1500」現像機(旭化成株式会社製、商品名)の回転するドラムに両面テープを貼り付けて固定を行い、液温25℃で現像を行い、60℃で90分乾燥させた。
<現像液の種類>
「Cylosol」(デュポン・スペシャルティ・プロダクツ株式会社製、商品名)(SP値:9.4)
「SOLVIT」(日本マクダーミッド株式会社製、商品名)(SP値:10.0)
3-メトキシブチルアセテート(SP値9.1)
1-プロパノール(SP値:12.8)
純水
<現像液に含有させる高分子ゲル、又は粒子の種類>
上述のようにして作製した高分子ゲルA~E
MEK-AC-5140Z:(シリカ、数平均粒子径85nm、日産化学株式会社製)
ファインスフィアFS102:(スチレン・アクリル粒子、トルエンゲル分率0%、数平均粒子径80nm、日本ペイント株式会社製)
なお、ファインスフィアFS102の数平均粒子径は、現像液に投入前の粒径である。
(後工程)
表面のタック性を取るために、AFP-1216LF(旭化成株式会社製、商品名)を用いて254nmを中心波長に持つ殺菌灯(東芝ライテック株式会社製、GL-30、商品名)を照射し、乾燥後のフレキソ印刷原版表面全体に2000mJ/cmの露光を行い、フレキソ印刷版を得た。
ここでの殺菌灯による後露光量は、「UV-MO2」機のUV-25フィルターを用いて測定した照度から算出した。
〔各種物性値の測定及び算出方法〕
(現像液の溶剤のSP値と高分子ゲルのSP値の差の絶対値)
前記<現像液の種類>に記載した溶剤のSP値と、表1~表3中に示した高分子ゲル又は粒子のSP値により算出した。
(熱可塑性エラストマーと重合体粒子の相分離構造の有無)
相分離は、AFMを用いて確認した。
(熱可塑性エラストマーのSP値と重合体粒子のSP値の差の絶対値)
前記[使用した熱可塑性エラストマー]に記載した各々のSP値と、表1~表3中に示した高分子ゲル又は粒子のSP値により算出した。
〔現像特性の評価〕
<現像速度の評価>
フレキソ印刷原版の未露光部に対し、現像前後の版厚から算出した平均現像厚みを用いてRelif Depth(RD):0.6mmを現像する時間に換算したものを現像時間とした。
5:現像時間が3分未満
4:現像時間が3分以上5分未満
3:現像時間が5分以上7分未満
2:現像時間が7分以上10分未満
1:現像時間が10分以上
〔フレキソ印刷版の評価〕
フレキソ印刷版を用いて、版評価を行った。
<寸法安定性の評価>
600mm×600mmのフレキソ印刷版におけるレリーフ面に対し、フレキソ印刷版端部から約150mmずつ縦方向及び/又は横方向に移動させながら厚み測定を行い、合計16か所の厚みを測定し、標準偏差を算出した。評価基準を以下に示す。
下記評価基準において、3以上であれば実用上問題なく使用することができると評価した。
[評価基準]
5:10箇所の厚みの標準偏差の3倍が6未満
4:10箇所の厚みの標準偏差の3倍が6以上9未満
3:10箇所の厚みの標準偏差の3倍が9以上12未満
2:10箇所の厚みの標準偏差の3倍が12以上15未満
1:10箇所の厚みの標準偏差の3倍が15以上
<白抜深度の評価>
フレキソ印刷版の幅100μm凹線の深さを測定した。
優れた印刷品質を長時間維持するには、凹線の深さが深い方が良いものとして評価した。
下記評価基準において、3以上であれば実用上問題なく使用することができると評価した。
[評価基準]
5:凹線の深さが60μm以上
4:凹線の深さが55μm以上60μm未満
3:凹線の深さが50μm以上55μm未満
2:凹線の深さが45μm以上50μm未満
1:凹線の深さが45μm未満
Figure 0007438458000001
Figure 0007438458000003
本発明のフレキソ印刷版の製造方法は、広く一般商業印刷分野において、産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 少なくとも、支持体、感光性樹脂組成物層、及び赤外線アブレーション層が、順次積層
    されているフレキソ印刷原版の版面に、有機溶剤系現像液を供給しながら、ブラシによる
    ブラッシングを版面に行う現像工程を有し、
    前記有機溶剤系現像液が、高分子ゲルを含有しており、
    前記高分子ゲルは、重合体により構成され
    前記高分子ゲルは、前記有機溶剤系現像液中に溶解せず、分散した状態で存在しており、
    前記高分子ゲルは、前記有機溶剤系現像液中で分散した状態で測定した数平均粒子径が40nm以上400nm以下の粒子であり、
    前記有機溶剤系現像液が、前記高分子ゲルを0.1質量%以上10.0質量%以下含有し
    前記高分子ゲルの含有量は、前記有機溶剤系現像液の総質量に対する、内部に有機溶剤系現像液を内包していない高分子ゲルの質量の割合である、フレキソ印刷版の製造方法。
  2. 前記有機溶剤系現像液中の有機溶剤の溶解度パラメータ(SP値)と、前記高分子ゲルの溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値が、0.5(cal/cm31/2以上4.0(cal/cm31/2以下である、
    請求項1に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  3. 前記感光性樹脂組成物層が、熱可塑性エラストマーを含有している、
    請求項1に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  4. 前記感光性樹脂組成物層が、熱可塑性エラストマー、及び重合体粒子を含有している、
    請求項1に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  5. 前記感光性樹脂組成物層が、分散相と連続相とを有し、
    前記熱可塑性エラストマーと前記重合体粒子とが、前記連続相と前記分散相とを形成している、
    請求項4に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  6. 前記熱可塑性エラストマーの溶解度パラメータ(SP値)と、
    前記重合体粒子の溶解度パラメータ(SP値)の差の絶対値が、0.1(cal/cm31/2以上2.0(cal/cm31/2以下である、
    請求項4に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  7. 前記有機溶剤系現像液が、
    脂肪酸エステル類、炭化水素類、及び塩素系有機溶剤からなる群より選択される1つ以上と、アルコール類と、
    を、含む、
    請求項1に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版の製造方法によりフレキソ印刷版を得、前記フレキソ印刷版を用いて印刷する工程を有する、印刷方法。
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