JP2020173308A - 印刷版用感光性樹脂組成物、印刷版用感光性樹脂構成体、及び印刷版の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像工程で使用される様々な現像溶液に対して高い耐性を有し、所望の印刷版表面を維持できる印刷版用感光性樹脂組成物が得る。【解決手段】モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含む熱可塑性エラストマー(A)と、液状ジエン(B)と、エチレン性不飽和化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、安定剤(E)とを含有し、前記エチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、所定の構造を有する、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する、印刷版用感光性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、印刷版用感光性樹脂組成物、印刷版用感光性樹脂構成体、及び印刷版の製造方法に関する。
印刷方式には、印刷版に三次元形状を施すことで印刷が可能になる方式と、化学的な特徴を付与することで印刷可能な方式が知られている。
前者の代表例としては、凸版印刷、凹版印刷が挙げられる。
前記凸版印刷では、印刷版の凸部にインキを付着させることで印刷が可能となり、一方、凹版印刷では印刷版の凹部にインキを充填させることで印刷が可能となる。
前者の代表例としては、凸版印刷、凹版印刷が挙げられる。
前記凸版印刷では、印刷版の凸部にインキを付着させることで印刷が可能となり、一方、凹版印刷では印刷版の凹部にインキを充填させることで印刷が可能となる。
凸版印刷に用いられる印刷版、特に、凸版印刷方法の一種であるフレキソ印刷に使用される印刷版は、一般的に支持体としてのポリエステルフィルムの上に感光性樹脂組成物層を積層した構成の感光性樹脂構成体を用いて製造される。
前記感光性樹脂構成体を用いて印刷版を製造する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、まず、支持体としてのポリエステルフィルムを通して感光性樹脂組成物層全面に紫外線露光を行い(バック露光)、感光性樹脂組成物を光重合させて薄い均一な硬化層を設ける。
次に、感光性樹脂組成物層上にネガフィルムを配置し、ネガフィルムを通して感光性樹脂組成物層に画像露光(レリーフ露光)を行い、ネガフィルムのパターンに応じて感光性樹脂組成物層を光硬化させる。
その後、感光性樹脂組成物層における露光されていない部分(すなわち、硬化されていない部分)を現像溶液で洗浄し、所望の画像、すなわちレリーフ画像を形成し、印刷版を得る。
すなわち、まず、支持体としてのポリエステルフィルムを通して感光性樹脂組成物層全面に紫外線露光を行い(バック露光)、感光性樹脂組成物を光重合させて薄い均一な硬化層を設ける。
次に、感光性樹脂組成物層上にネガフィルムを配置し、ネガフィルムを通して感光性樹脂組成物層に画像露光(レリーフ露光)を行い、ネガフィルムのパターンに応じて感光性樹脂組成物層を光硬化させる。
その後、感光性樹脂組成物層における露光されていない部分(すなわち、硬化されていない部分)を現像溶液で洗浄し、所望の画像、すなわちレリーフ画像を形成し、印刷版を得る。
近年、印刷品質の向上の要求の高まりに対し、従来のネガフィルムに替えて、赤外線レーザーでアブレーション可能な薄膜を感光性樹脂組成物層上に設け、レーザーアブレーションすることで、紫外線硬化させる部分と紫外線硬化させない部分とを設ける技術が開発されている。
赤外線レーザーの高解像度化、フレキソ印刷機の高精度化に従い、フレキソ印刷版にも高解像度化が求められており、特に網点の大小によって印刷物の濃淡を表現する網点印刷では、表現できる網点の細かさを向上させることが求められている。
赤外線レーザーの高解像度化、フレキソ印刷機の高精度化に従い、フレキソ印刷版にも高解像度化が求められており、特に網点の大小によって印刷物の濃淡を表現する網点印刷では、表現できる網点の細かさを向上させることが求められている。
この網点の細かさの程度を示す値としては、1インチ当たりに配置される網点個数で表される値が知られており、単位としては、線(ライン/インチ)が用いられている。
フレキソ印刷版の高解像度化を図る方法としては、感光性樹脂組成物層中において、光反応に関与するエチレン性不飽和化合物、光重合性化合物の組成比率を高める方法が知られているが、かかる方法は、感光性樹脂組成物の保存安定性が低下するという問題を有している。
なお、感光性樹脂組成物の保存安定性の低下とは、具体的には感光性樹脂組成物を放置することで、感光性樹脂組成物の感度が変化してしまうなど、化学的な安定性が損なわれることを言う。
感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる方法としては、いわゆる安定剤を添加する方法が挙げられる。しかしながら、感光性樹脂組成物に安定剤を添加すると、感光性樹脂組成物の解像度が低下してしまうという問題を生じる。
上述した問題点に鑑み、高解像度化を図ることと、保存安定性との両立に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
なお、感光性樹脂組成物の保存安定性の低下とは、具体的には感光性樹脂組成物を放置することで、感光性樹脂組成物の感度が変化してしまうなど、化学的な安定性が損なわれることを言う。
感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる方法としては、いわゆる安定剤を添加する方法が挙げられる。しかしながら、感光性樹脂組成物に安定剤を添加すると、感光性樹脂組成物の解像度が低下してしまうという問題を生じる。
上述した問題点に鑑み、高解像度化を図ることと、保存安定性との両立に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方において、高解像度化の要求と共に、印刷時に印刷される被印刷体は、用途に応じて種々の材料から選択さるものであるため、印刷版は、様々な表面性を有する幅広い被印刷体へ対応することが要求されている。
例えば、表面平滑性が低い被印刷体への対応方法としては、印刷版の硬度を調整することによってインキ隠ぺい率を上げる方法が挙げられる。
例えば、表面平滑性が低い被印刷体への対応方法としては、印刷版の硬度を調整することによってインキ隠ぺい率を上げる方法が挙げられる。
しかしながら、特許文献1、2において提案されている技術は、感光性樹脂組成物に安定剤を添加することにより、高解像度と保存安定性の両立を図ってはいるが、被印刷体の表面の凹凸に対応してインキ隠ぺい率を高めるために、印刷版の硬度を下げるべく、感光性樹脂組成物層の材料や製造工程を調整した場合に、現像工程で使用する現像溶液によっては感光性樹脂組成物層にダメージを与えてしまい、本来凹凸がデザインされていない部分に凹凸が発生する等の、印刷版表面の異常が発生する場合があるという問題点を有している。
そこで本発明においては、印刷版の硬度を下げながら、印刷版製造時において感光性樹脂組成物層にダメージを与える現像溶剤に対し高い耐性を有し、光硬化により賦形される所望の印刷版表面の形状を忠実に再現、維持することのできる印刷版用感光性樹脂組成物の提供をすることを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、感光性樹脂組成物層の構成成分について鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン性不飽和化合物を用いることにより、現像工程時のダメージによって印刷版表面に凹凸が異常形成されるといった従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
〔1〕
モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含む熱可塑性エラストマー(A)と、
液状ジエン(B)と、
エチレン性不飽和化合物(C)と、
光重合開始剤(D)と、
安定剤(E)と、
を、含有する、印刷版用感光性樹脂組成物であって、
前記エチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、下記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する、印刷版用感光性樹脂組成物。
モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含む熱可塑性エラストマー(A)と、
液状ジエン(B)と、
エチレン性不飽和化合物(C)と、
光重合開始剤(D)と、
安定剤(E)と、
を、含有する、印刷版用感光性樹脂組成物であって、
前記エチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、下記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する、印刷版用感光性樹脂組成物。
(R1:シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造
R2:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は、−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
R2:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は、−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
(R11:シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造
R22:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は、−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
R22:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は、−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
〔2〕
前記シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)は、
前記シクロアルカン構造が、トリシクロデカン、ジシクロペンテニル、又はイソボルニルであり、
前記ベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物が、ビスフェノールA、又はフェニルフルオレン、である、
前記〔1〕に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。
〔3〕
前記液状ジエン(B)が、液状ポリブタジエンである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。
〔4〕
前記熱可塑性エラストマー(A)が、
前記共役ジエンからなる重合体ブロックを有し、
前記共役ジエンからなる重合体ブロックのうちの1個以上が、ポリブタジエンからなる重合体ブロックである、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。
〔5〕
支持体と、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂組成物の層と、
からなる積層構造を有する、印刷版用感光性樹脂構成体。
〔6〕
前記〔5〕に記載の印刷版用感光性樹脂構成体を用いた印刷版の製造方法であって、
前記印刷版用感光性樹脂構成体の感光性樹脂組成物の層に、レリーフ露光を行い、露光されていない部分を現像溶液で洗浄し、レリーフ画像を形成する、印刷版の製造方法。
前記シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)は、
前記シクロアルカン構造が、トリシクロデカン、ジシクロペンテニル、又はイソボルニルであり、
前記ベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物が、ビスフェノールA、又はフェニルフルオレン、である、
前記〔1〕に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。
〔3〕
前記液状ジエン(B)が、液状ポリブタジエンである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。
〔4〕
前記熱可塑性エラストマー(A)が、
前記共役ジエンからなる重合体ブロックを有し、
前記共役ジエンからなる重合体ブロックのうちの1個以上が、ポリブタジエンからなる重合体ブロックである、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。
〔5〕
支持体と、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂組成物の層と、
からなる積層構造を有する、印刷版用感光性樹脂構成体。
〔6〕
前記〔5〕に記載の印刷版用感光性樹脂構成体を用いた印刷版の製造方法であって、
前記印刷版用感光性樹脂構成体の感光性樹脂組成物の層に、レリーフ露光を行い、露光されていない部分を現像溶液で洗浄し、レリーフ画像を形成する、印刷版の製造方法。
本発明によれば、現像工程で使用される様々な現像溶液に対して高い耐性を有し、所望の印刷版表面を維持できる印刷版用感光性樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う)について、詳細に説明する。
本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔印刷版用感光性樹脂組成物〕
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含む熱可塑性エラストマー(A)と、液状ジエン(B)と、エチレン性不飽和化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、安定剤(E)とを含有する。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、前記エチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、下記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含む熱可塑性エラストマー(A)と、液状ジエン(B)と、エチレン性不飽和化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、安定剤(E)とを含有する。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、前記エチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、下記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する。
(R1:シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造
R2:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
R2:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
(R11:シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造
R22:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
R22:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
(熱可塑性エラストマー(A))
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含み、好ましくは、モノビニル置換芳香族炭化水素からなる重合体ブロックと、共役ジエンからなる重合体ブロックと、を有する熱可塑性エラストマー(A)を含有する。
当該熱可塑性エラストマー(A)を構成するモノビニル置換芳香族炭化水素としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられる。
特に、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物を比較的低温で平滑に成型できる観点から、スチレンが好ましい。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含み、好ましくは、モノビニル置換芳香族炭化水素からなる重合体ブロックと、共役ジエンからなる重合体ブロックと、を有する熱可塑性エラストマー(A)を含有する。
当該熱可塑性エラストマー(A)を構成するモノビニル置換芳香族炭化水素としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられる。
特に、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物を比較的低温で平滑に成型できる観点から、スチレンが好ましい。
熱可塑性エラストマー(A)を構成する共役ジエンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3―ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
印刷版の耐久性の観点から、共役ジエンとしてはブタジエンが好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
印刷版の耐久性の観点から、共役ジエンとしてはブタジエンが好ましい。
熱可塑性エラストマー(A)は、1個以上の共役ジエンからなる重合体ブロックを有し、かつ当該共役ジエンからなる重合体ブロックのうちの1個以上が、ポリブタジエンからなる重合体ブロックであることが好ましい形態として挙げられる。
熱可塑性エラストマー(A)が、かかる形態であることにより、印刷版に耐久性を向上させる効果が得られる。
前記ポリブタジエンからなる重合体ブロックが2種類以上ある場合、印刷版の柔軟性と高解像度の両立の観点から、これらは互いに、1,2−結合ブタジエンと1,4−結合ブタジエンとの混合比率が異なるものとする。
熱可塑性エラストマー(A)が、かかる形態であることにより、印刷版に耐久性を向上させる効果が得られる。
前記ポリブタジエンからなる重合体ブロックが2種類以上ある場合、印刷版の柔軟性と高解像度の両立の観点から、これらは互いに、1,2−結合ブタジエンと1,4−結合ブタジエンとの混合比率が異なるものとする。
熱可塑性エラストマー(A)は、常温における粘凋性の観点から、数平均分子量が20,000〜300,000であることが好ましく、50,000〜200,000であることがより好ましく、80,000〜170,000であることがさらに好ましい。
本明細書中に記載されている「数平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)により測定することができ、ポリスチレン換算分子量で表される。
本明細書中に記載されている「数平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)により測定することができ、ポリスチレン換算分子量で表される。
熱可塑性エラストマー(A)を構成するブロック共重合体としては、例えば、下記の一般式群(I)で表される直鎖状ブロック共重合体、及び/又は下記の一般式群(II)で表される直鎖状ブロック共重合体若しくはラジアルブロック共重合体が挙げられる。
(A−B)n、A−(B−A)n、A−(B−A)n−B、B−(A−B)n・・・(I)
[(A−B)k]m−X、[(A−B)k−A]m−X、[(B−A)k]m−X、[(B−A)k−B]m−X・・・(II)
Aは、モノビニル置換芳香族炭化水素からなる重合体ブロックを示す。
Bは、共役ジエンからなる重合体ブロックを示す。
Xは、例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の重合開始剤の残基を示す。
n、k及びmは、1以上の整数を示し、例えば1〜5である。
(A−B)n、A−(B−A)n、A−(B−A)n−B、B−(A−B)n・・・(I)
[(A−B)k]m−X、[(A−B)k−A]m−X、[(B−A)k]m−X、[(B−A)k−B]m−X・・・(II)
Aは、モノビニル置換芳香族炭化水素からなる重合体ブロックを示す。
Bは、共役ジエンからなる重合体ブロックを示す。
Xは、例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の重合開始剤の残基を示す。
n、k及びmは、1以上の整数を示し、例えば1〜5である。
熱可塑性エラストマー(A)中の共役ジエン及びモノビニル置換芳香族炭化水素の含有量は、核磁気共鳴装置(1H−NMR)を用いて測定することができる。
具体的には、1H−NMRの測定機器としてJNM−LA400(JEOL製、商品名)を用い、溶媒に重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度を50mg/mLとし、観測周波数を400MHz、化学シフト基準にTMS(テトラメチルシラン)を用い、パルスディレイを2.904秒、スキャン回数を64回、パルス幅を45°、測定温度を25℃に設定することにより測定することができる。
具体的には、1H−NMRの測定機器としてJNM−LA400(JEOL製、商品名)を用い、溶媒に重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度を50mg/mLとし、観測周波数を400MHz、化学シフト基準にTMS(テトラメチルシラン)を用い、パルスディレイを2.904秒、スキャン回数を64回、パルス幅を45°、測定温度を25℃に設定することにより測定することができる。
熱可塑性エラストマー(A)において、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合比率(質量比)は、印刷版に使用する感光性樹脂組成物層の硬度の観点から、モノビニル置換芳香族炭化水素/共役ジエン=10/90〜90/10であることが好ましく、10/90〜85/15であることがより好ましく、10/90〜60/40であることがさらに好ましい。
モノビニル置換芳香族炭化水素の割合が10以上であると、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物において十分な硬度が得られ、通常の印刷の圧力により適切な印刷を行うことができる。モノビニル置換芳香族炭化水素の割合が90以下であると、印刷版用感光性樹脂組成物において適切な硬度が得られ、印刷工程においてインキを印刷対象に十分に転移できる。
モノビニル置換芳香族炭化水素の割合が10以上であると、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物において十分な硬度が得られ、通常の印刷の圧力により適切な印刷を行うことができる。モノビニル置換芳香族炭化水素の割合が90以下であると、印刷版用感光性樹脂組成物において適切な硬度が得られ、印刷工程においてインキを印刷対象に十分に転移できる。
熱可塑性エラストマー(A)には、必要に応じて、他の官能基が導入されていたり、水素添加等の化学修飾がなされていたり、他の成分が共重合されていたりしてもよい。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(A)の含有量は、印刷版に求められる耐久性の観点から、印刷版用感光性樹脂組成物の全材料の量を100質量%としたとき、40〜80質量%であることが好ましく、45〜80質量%であることがより好ましく、45〜75質量%であることがさらに好ましい。
(液状ジエン(B))
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、液状ジエン(B)を含有する。
液状ジエン(B)とは、液状の炭素・炭素二重結合を有する化合物である。
ここで、本明細書中、「液状ジエン」の「液状」とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する性状を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する用語である。
なお、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物においては、「液状ジエン(B)」とは、常温以上、すなわち20℃以上で液状のジエンを意味するものとする。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、液状ジエン(B)を含有する。
液状ジエン(B)とは、液状の炭素・炭素二重結合を有する化合物である。
ここで、本明細書中、「液状ジエン」の「液状」とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する性状を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する用語である。
なお、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物においては、「液状ジエン(B)」とは、常温以上、すなわち20℃以上で液状のジエンを意味するものとする。
液状ジエン(B)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状ポリイソプレンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエンの共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。
液状ジエン(B)が、ジエン成分とそれ以外の成分との共重合体である場合、ジエン成分の含有量は、印刷版の柔軟性の観点から、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
液状ジエン(B)が、ジエン成分とそれ以外の成分との共重合体である場合、ジエン成分の含有量は、印刷版の柔軟性の観点から、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
また、液状ジエン(B)の数平均分子量については、20℃において液状である限り、特に限定されないが、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の機械強度、取扱性の観点から、好ましくは500以上60000以下、より好ましくは500以上50000以下、さらに好ましくは800以上50000以下である。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の機械物性の観点から、液状ジエン(B)としては液状ポリブタジエンが好ましい。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物における液状ジエン(B)の含有量は、印刷版に求められる機械強度の観点から、印刷版用感光性樹脂組成物の全材料の量を100質量%としたとき、10〜40質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
(エチレン性不飽和化合物(C))
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物(C)を含有する。
エチレン性不飽和化合物(C)とは、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を言う。
エチレン性不飽和化合物(C)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、ビニルトルエン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類;アセチレン類;(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体;ハロオレフィン類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体;酢酸ビニル類;N−ビニルピロリドン;N−ビニルカルバゾール;N−置換マレイミド化合物等が挙げられる。特に、種類の豊富さの観点から、(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体が好ましい。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物(C)を含有する。
エチレン性不飽和化合物(C)とは、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を言う。
エチレン性不飽和化合物(C)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、ビニルトルエン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類;アセチレン類;(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体;ハロオレフィン類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体;酢酸ビニル類;N−ビニルピロリドン;N−ビニルカルバゾール;N−置換マレイミド化合物等が挙げられる。特に、種類の豊富さの観点から、(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体が好ましい。
前記誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基等を有する脂環族化合物;ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、あるいはナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格等を有する芳香族化合物;アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物;アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物;ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物等が挙げられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であってもよい。
前記(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサンジオール、ノナンジオール等のアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート;イソボロニル(メタ)アクリレート;フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサンジオール、ノナンジオール等のアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート;イソボロニル(メタ)アクリレート;フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の機械強度の観点から、エチレン性不飽和化合物(C)としては、少なくとも1種類以上の(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、少なくとも1種類以上の2官能(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。
エチレン性不飽和化合物(C)の数平均分子量(Mn)は、不揮発性確保の観点から100以上であることが好ましく、ポリマー等の他成分との相溶性の観点から1000未満であることが好ましく、200以上800以下であることがより好ましい。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物におけるエチレン性不飽和化合物(C)の含有量は、印刷版の耐刷性の観点から、印刷版用感光性樹脂組成物の全材料の量を100質量%としたとき、2質量%〜30質量%とすることが好ましく、2質量%〜25質量%とすることがより好ましく、2質量%〜20質量%とすることがさらに好ましい。
(エチレン性不飽和化合物(C−2))
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、上述したエチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、前記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物においては、前記式(1)又は(2)に示す、特定の構造のエチレン性不飽和化合物(C−2)を所定の量含有することにより、現像溶液での膨潤による塑性変形を抑制する効果が得られ、種々の現像溶液に対して高い耐性を発揮し、所望の印刷版表面を維持でき、かつ適切な印刷特性を発揮し得る硬度の印刷版が得られる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、上述したエチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、前記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物においては、前記式(1)又は(2)に示す、特定の構造のエチレン性不飽和化合物(C−2)を所定の量含有することにより、現像溶液での膨潤による塑性変形を抑制する効果が得られ、種々の現像溶液に対して高い耐性を発揮し、所望の印刷版表面を維持でき、かつ適切な印刷特性を発揮し得る硬度の印刷版が得られる。
前記シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)は、前記シクロアルカン構造が、現像溶液に対する耐性とより広い被印刷体への適応性の観点から、トリシクロデカン、ジシクロペンテニル、又はイソボルニルであることが好ましい。
また、前記ベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物が、現像溶液に対するより高い耐性の観点から、ビスフェノールA、又はフェニルフルオレンであることが好ましい。
また、前記ベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物が、現像溶液に対するより高い耐性の観点から、ビスフェノールA、又はフェニルフルオレンであることが好ましい。
シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2ビス[4−〔(メタ)アクリロイルポリエトキシ〕フェニル]プロパン、2,2ビス[4−〔(メタ)アクリロイルポリプロポキシ〕フェニル]プロパン、9,9ビス[4−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ〕フェニル]フルオレンが挙げられる。
シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)の含有量は、現像工程における洗浄時の版表面の異常の発生への耐性効果と印刷版の柔軟性の観点から、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の全体量を100質量%としたとき、1.0〜15質量%であるものとし、好ましくは1.5〜15質量%、より好ましくは2.0〜10質量%である。
前記エチレン性不飽和化合物(C−2)の含有量を1.0質量%とすることにより、印刷版の現像液に対する耐性の向上効果が得られ、15質量%以下とすることにより、印刷版に適切な印刷特性が発揮される柔軟性を付与する効果が得られる。
前記エチレン性不飽和化合物(C−2)の含有量を1.0質量%とすることにより、印刷版の現像液に対する耐性の向上効果が得られ、15質量%以下とすることにより、印刷版に適切な印刷特性が発揮される柔軟性を付与する効果が得られる。
(光重合開始剤(D))
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、光重合開始剤(D)を含有する。
光重合開始剤(D)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、崩壊型光重合開始剤、水素引抜き型光重合開始剤、水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物等が挙げられる。
光重合開始剤(D)としては、各種有機カルボニル化合物が用いられ、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、光重合開始剤(D)を含有する。
光重合開始剤(D)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、崩壊型光重合開始剤、水素引抜き型光重合開始剤、水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物等が挙げられる。
光重合開始剤(D)としては、各種有機カルボニル化合物が用いられ、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物における光重合開始剤(D)の含有量は、印刷版の耐刷性の観点から、印刷版用感光性樹脂組成物全体量を100質量%としたとき、0.1〜10質量%の範囲とすることが好ましく、0.1〜5質量%の範囲とすることがより好ましく、0.5〜5質量%の範囲とすることがさらに好ましい。
光重合開始剤(D)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−テトラメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ミヒラーケトン;ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、トリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9−フェニルアクリジン;アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等のアゾ化合物類が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(安定剤(E))
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、安定剤(E)を含有する。
安定剤(E)としては、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものを用いることができる。具体的にはフェノール系、ホスファイト系の材料が挙げられる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物における安定剤(E)の含有量は、印刷版用感光性樹脂組成物の全体量を100質量%としたとき、0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜3質量%、さらに好ましくは0.001〜1質量%である。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、安定剤(E)を含有する。
安定剤(E)としては、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものを用いることができる。具体的にはフェノール系、ホスファイト系の材料が挙げられる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物における安定剤(E)の含有量は、印刷版用感光性樹脂組成物の全体量を100質量%としたとき、0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜3質量%、さらに好ましくは0.001〜1質量%である。
前記フェノール系の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビタミンE、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
前記ホスファイト系の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、イソデシルジフェニルホスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。
これらの安定剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ホスファイト系の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、イソデシルジフェニルホスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。
これらの安定剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(補助添加成分(F))
本実施形態の印刷版用感光材樹脂組成物には、必要に応じて所定の補助添加成分(F)が含有されてもよい。
補助添加成分(F)としては、特に限定されるものではが、例えば、上述した液状ジエン(B)以外の可塑剤、紫外線吸収剤、染料・顔料等が挙げられる。
本実施形態の印刷版用感光材樹脂組成物には、必要に応じて所定の補助添加成分(F)が含有されてもよい。
補助添加成分(F)としては、特に限定されるものではが、例えば、上述した液状ジエン(B)以外の可塑剤、紫外線吸収剤、染料・顔料等が挙げられる。
前記液状ジエン(B)以外の可塑剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油;液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体等の液状のジエンを主体とする共役ジエンゴム;数平均分子量2000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステル等が挙げられ、末端にヒドロキシル基やカルボキシル基を有していてもよい。これらには(メタ)アクリロイル基等の光重合性の反応基が付与されていてもよい。
これらの前記液状ジエン(B)以外の可塑剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの前記液状ジエン(B)以外の可塑剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、公知のベンゾフェノン系、サルチレート系、アクリロニトリル系、金属錯塩系、ヒンダートアミン系の化合物が挙げられる。また下記に示す、染料・顔料を紫外線吸収剤として使用してもよい。
紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−エトキシ−2'−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−エトキシ−2'−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
前記染料・顔料は、視認性向上のための着色手段として有効である。
染料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水溶性である塩基性染料、酸性染料、直接染料等や、非水溶性である硫化染料、油溶染料、分散染料等が挙げられる。
特にアントラキノン系、インジゴイド系、アゾ系構造の染料が好ましく、アゾ系油油溶染料等がより好ましい。
顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、天然顔料、合成無機顔料、合成有機顔料等が挙げられ、合成有機顔料としては、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系が挙げられる。
染料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水溶性である塩基性染料、酸性染料、直接染料等や、非水溶性である硫化染料、油溶染料、分散染料等が挙げられる。
特にアントラキノン系、インジゴイド系、アゾ系構造の染料が好ましく、アゾ系油油溶染料等がより好ましい。
顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、天然顔料、合成無機顔料、合成有機顔料等が挙げられ、合成有機顔料としては、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系が挙げられる。
上述した補助添加成分(F)全成分の添加量は、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の全量を100質量%としたとき、液状ジエン(B)以外の可塑剤としては0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましく、0〜10質量%がさらに好ましい。また、それ以外の補助添加成分は、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜3質量%がさらに好ましい。
(印刷版用感光性樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、種々の方法で調製することができる。
例えば、印刷版用感光性樹脂組成物の原料を、適当な溶媒、例えば、クロロホルム、テトラクロロエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶媒に溶解させて混合することにより製造できる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、所定の型枠の中に流延して溶剤を蒸発させることにより、所定の板状の成型体とすることができる。また、溶剤を用いずに、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレス等により所望の厚さの板状の成型体とすることもできる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、種々の方法で調製することができる。
例えば、印刷版用感光性樹脂組成物の原料を、適当な溶媒、例えば、クロロホルム、テトラクロロエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶媒に溶解させて混合することにより製造できる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、所定の型枠の中に流延して溶剤を蒸発させることにより、所定の板状の成型体とすることができる。また、溶剤を用いずに、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレス等により所望の厚さの板状の成型体とすることもできる。
〔印刷版用感光性樹脂構成体、印刷版〕
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体は、支持体と、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の層とからなる積層構造を有する。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体は、支持体と、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の層とからなる積層構造を有する。
本実施形態の印刷版は、印刷版用感光性樹脂構成体を用いて製造されたものである。
例えば、印刷版用感光性樹脂組成物の層に透明画像担体を用いてレリーフ露光を行い、未露光部を洗浄して除去し、レリーフ画像を形成することにより製造することができる。
例えば、印刷版用感光性樹脂組成物の層に透明画像担体を用いてレリーフ露光を行い、未露光部を洗浄して除去し、レリーフ画像を形成することにより製造することができる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物は、その組成によっては、常温で粘着性を有する場合がある。従って、必要に応じて、製版時に、当該印刷版用感光性樹脂組成物の層上に重ねられる透明画像担体との接触性を良好にし、同時に透明画像担体の剥離性を良好にするために、印刷版用感光性樹脂組成物の層の表面に、薄いフィルム(カバーシート)をラミネートすることが好ましい。
このカバーシートの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等が挙げられる。なお、このフィルム(カバーシート)は、印刷版の製造工程において、透明画像担体を貼り付ける前段階で除去する。
このカバーシートの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等が挙げられる。なお、このフィルム(カバーシート)は、印刷版の製造工程において、透明画像担体を貼り付ける前段階で除去する。
また、前記印刷版用感光性樹脂組成物の層と前記透明画像担体との接触性を向上させるために、上記のフィルム(カバーシート)の代わりに、溶剤可溶性の、薄いたわみ性の保護層(以下、単に「保護層」と称する場合がある)を設けてもよい(例えば、特公平5−13305号公報)。
この保護層は、例えば、以下のようにして設けられる。
すなわち、溶剤可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステル等を、トルエンやイソプロピルアルコール等の所定の溶剤に溶解して溶液を得、この溶液を、直接、印刷版用感光性樹脂組成物の層の表面にコーティングして、保護層を形成することができる。また、この溶液をポリステルフィルムやポリプロピレンフィルム等のカバーシート上にコーティングして保護層を形成し、この後、保護層が具備されたカバーシートを印刷版用感光性樹脂組成物の層の表面にラミネート、又はプレス圧着して、保護層を転写させてもよい。
当該保護層は、透明画像担体を当該保護層の上に貼り付けて露光し、その後、印刷版用感光性樹脂組成物の層の未露光部を洗い出しする際に、溶解等により同時に除去される。
この保護層は、例えば、以下のようにして設けられる。
すなわち、溶剤可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステル等を、トルエンやイソプロピルアルコール等の所定の溶剤に溶解して溶液を得、この溶液を、直接、印刷版用感光性樹脂組成物の層の表面にコーティングして、保護層を形成することができる。また、この溶液をポリステルフィルムやポリプロピレンフィルム等のカバーシート上にコーティングして保護層を形成し、この後、保護層が具備されたカバーシートを印刷版用感光性樹脂組成物の層の表面にラミネート、又はプレス圧着して、保護層を転写させてもよい。
当該保護層は、透明画像担体を当該保護層の上に貼り付けて露光し、その後、印刷版用感光性樹脂組成物の層の未露光部を洗い出しする際に、溶解等により同時に除去される。
前記保護層の代わりに、赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層を形成し、赤外線レーザーでの直接描画を行うことにより、紫外線遮蔽層を透明画像担体として用いてもよい。この場合も、前記紫外線遮蔽層は、露光が終了して、未露光部分を洗い出しする際に、同時に除去される。
(印刷版用感光性樹脂構成体の製造方法)
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体は、支持体、例えば、接着剤層を具備するポリエステルフィルム上に、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の層を形成し、その後、ロール等を用いてラミネート加工することにより、ポリエステルフィルムと印刷版用感光性樹脂組成物の層とが密着し、これにより製造できる。
ラミネート加工後、さらに加熱プレスすることにより、より厚み精度のよい印刷版用感光性樹脂構造体が得られる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体は、支持体、例えば、接着剤層を具備するポリエステルフィルム上に、本実施形態の印刷版用感光性樹脂組成物の層を形成し、その後、ロール等を用いてラミネート加工することにより、ポリエステルフィルムと印刷版用感光性樹脂組成物の層とが密着し、これにより製造できる。
ラミネート加工後、さらに加熱プレスすることにより、より厚み精度のよい印刷版用感光性樹脂構造体が得られる。
(印刷版の製造方法)
本実施形態の印刷版は、前記印刷版用感光性樹脂構成体を用いて製造することができる。
以下に、その製版方法の一例を示す。
先ず、前記支持体、例えば、ポリエステルフィルムを通して露光を行って、印刷版用感光性樹脂組成物の層を光硬化させ、薄い均一な硬化層を設ける(バック露光)。
次いで、印刷版用感光性樹脂組成物の層上に、ポリエステル等のネガフィルムを部分的に形成し、ネガフィルムを通して印刷版用感光性樹脂組成物の層に画像露光を行い、ネガフィルムのパターンに応じて硬化する(レリーフ露光)。
その後、印刷版用感光性樹脂組成物の層における露光されていない部分(すなわち、光硬化されていない部分)を現像溶液で洗浄し、所望の画像、すなわちレリーフ画像を形成し、印刷版を得ることができる。
本実施形態の印刷版は、前記印刷版用感光性樹脂構成体を用いて製造することができる。
以下に、その製版方法の一例を示す。
先ず、前記支持体、例えば、ポリエステルフィルムを通して露光を行って、印刷版用感光性樹脂組成物の層を光硬化させ、薄い均一な硬化層を設ける(バック露光)。
次いで、印刷版用感光性樹脂組成物の層上に、ポリエステル等のネガフィルムを部分的に形成し、ネガフィルムを通して印刷版用感光性樹脂組成物の層に画像露光を行い、ネガフィルムのパターンに応じて硬化する(レリーフ露光)。
その後、印刷版用感光性樹脂組成物の層における露光されていない部分(すなわち、光硬化されていない部分)を現像溶液で洗浄し、所望の画像、すなわちレリーフ画像を形成し、印刷版を得ることができる。
印刷版用感光性樹脂組成物の層を光硬化させるため用いられる光源としては、以下に限定されるものではないが、例えば、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光等が挙げられる。
露光の際には、支持体、例えばポリエステルフィルムと印刷版用感光性樹脂組成物の層との接着をより強固なものにするため、又は未露光部分の洗い出し時の応力に対してレリーフ画像をより安定なものにするために、支持体側から全面露光することが好ましい。
透明画像担体からの露光と、支持体側からの露光は、どちらを先に行ってもよいが、画像再現性の観点からは、支持体側からの露光を先に行うことが好ましい。
露光の際には、支持体、例えばポリエステルフィルムと印刷版用感光性樹脂組成物の層との接着をより強固なものにするため、又は未露光部分の洗い出し時の応力に対してレリーフ画像をより安定なものにするために、支持体側から全面露光することが好ましい。
透明画像担体からの露光と、支持体側からの露光は、どちらを先に行ってもよいが、画像再現性の観点からは、支持体側からの露光を先に行うことが好ましい。
印刷版用感光性樹脂組成物の層に、透明画像担体を通して露光し、画像を形成させた後、現像溶剤を用いて未露光部を洗い出す。
このような現像溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤;ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類;さらに、これらにプロパノール、ブタノール、ペンタノールのアルコール類を混合したものを挙げることができる。
未露光部の洗い出しは、ノズルからの噴射によって行ってもよく、またはブラシによるブラッシングによって行ってもよい。洗い出し後、リンス洗浄・乾燥の工程を経て、後露光を行ってもよい。
このような現像溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤;ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類;さらに、これらにプロパノール、ブタノール、ペンタノールのアルコール類を混合したものを挙げることができる。
未露光部の洗い出しは、ノズルからの噴射によって行ってもよく、またはブラシによるブラッシングによって行ってもよい。洗い出し後、リンス洗浄・乾燥の工程を経て、後露光を行ってもよい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた原料及び評価方法を以下に示す。
〔原料〕
(成分(A):熱可塑性エラストマー)
ポリマーA:スチレン−ブタジエンのブロック共重合体である熱可塑性エラストマー「D−KX405」(クレイトンポリマージャパン製、商品名)
ポリマーB:スチレン−ブタジエンのブロック共重合体である熱可塑性エラストマー「タフプレン−315」(旭化成製、商品名)
ポリマーC:スチレン−ブタジエンのブロック共重合体である熱可塑性エラストマー「TR2787」(JSR製、商品名)
〔原料〕
(成分(A):熱可塑性エラストマー)
ポリマーA:スチレン−ブタジエンのブロック共重合体である熱可塑性エラストマー「D−KX405」(クレイトンポリマージャパン製、商品名)
ポリマーB:スチレン−ブタジエンのブロック共重合体である熱可塑性エラストマー「タフプレン−315」(旭化成製、商品名)
ポリマーC:スチレン−ブタジエンのブロック共重合体である熱可塑性エラストマー「TR2787」(JSR製、商品名)
(成分(B):液状ジエン)
液状ポリブタジエンA:数平均分子量6000、重量平均分子量/数平均分子量=1.15、1,2−ビニル結合量55%、38℃における粘度5.3Pa・sである液状ポリ
ブタジエン
液状ポリブタジエンB:数平均分子量3200、重量平均分子量/数平均分子量=1.29、1,2−ビニル結合量90%、45℃における粘度25.0Ps・sの液状ポリブ
タジエン
液状ポリブタジエンC:数平均分子量4600、重量平均分子量/数平均分子量=3.79、1,2−ビニル結合量1%、40℃における粘度0.70Pa・sの液状ポリブタ
ジエン
液状ポリブタジエンD:数平均分子量28000、重量平均分子量/数平均分子量=1.05、1,2−ビニル結合量9%、38℃における粘度90Pa・sの液状ポリブタ
ジエン液状
液状ポリブタジエンA:数平均分子量6000、重量平均分子量/数平均分子量=1.15、1,2−ビニル結合量55%、38℃における粘度5.3Pa・sである液状ポリ
ブタジエン
液状ポリブタジエンB:数平均分子量3200、重量平均分子量/数平均分子量=1.29、1,2−ビニル結合量90%、45℃における粘度25.0Ps・sの液状ポリブ
タジエン
液状ポリブタジエンC:数平均分子量4600、重量平均分子量/数平均分子量=3.79、1,2−ビニル結合量1%、40℃における粘度0.70Pa・sの液状ポリブタ
ジエン
液状ポリブタジエンD:数平均分子量28000、重量平均分子量/数平均分子量=1.05、1,2−ビニル結合量9%、38℃における粘度90Pa・sの液状ポリブタ
ジエン液状
(成分(C):エチレン性不飽和化合物)
1,9−ノナンジオールジアクリレート
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
<成分(C−2):シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物>
脂環系モノマーA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
脂環系モノマーB:9,9ビス[4−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ〕フェニル]フルオレン
脂環系モノマーC:2,2ビス[4−〔(メタ)アクリロイルポリエトキシ〕フェニル]プロパン
脂環系モノマーD:トリデシルデカンジメタノールジメタクリレート
1,9−ノナンジオールジアクリレート
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
<成分(C−2):シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物>
脂環系モノマーA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
脂環系モノマーB:9,9ビス[4−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ〕フェニル]フルオレン
脂環系モノマーC:2,2ビス[4−〔(メタ)アクリロイルポリエトキシ〕フェニル]プロパン
脂環系モノマーD:トリデシルデカンジメタノールジメタクリレート
(成分(D):光重合開始剤)
2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン
2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン
(成分(E):安定剤)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
1,2,3−ベンゾトリアゾール
4−オクチルチオメチル−o−クレゾール
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
1,2,3−ベンゾトリアゾール
4−オクチルチオメチル−o−クレゾール
(成分(F):ナフテン系可塑剤)
液体水素化炭化水素樹脂:数平均分子量270、重量平均分子量/数平均分子量=3.07、ナフテン構造70%の液体水素化炭化水素樹脂
液体水素化炭化水素樹脂:数平均分子量270、重量平均分子量/数平均分子量=3.07、ナフテン構造70%の液体水素化炭化水素樹脂
〔評価方法〕
((1)現像時の版表面異常の発生有無に関する評価(版表面異常評価))
現像時の特定の現像溶液に対する版表面異常の発生有無は、通常使用される現像機において発生するが、大量の現像液が必要となるために、簡便な評価方法として現像溶液の成分の内、版表面異常に影響が大きい成分に一定時間浸漬することで、実際に現像工程を実施した場合と相関した評価を行うことができるため、この方法により版表面異常の評価を行った。
((1)現像時の版表面異常の発生有無に関する評価(版表面異常評価))
現像時の特定の現像溶液に対する版表面異常の発生有無は、通常使用される現像機において発生するが、大量の現像液が必要となるために、簡便な評価方法として現像溶液の成分の内、版表面異常に影響が大きい成分に一定時間浸漬することで、実際に現像工程を実施した場合と相関した評価を行うことができるため、この方法により版表面異常の評価を行った。
後述する〔実施例〕及び〔比較例〕で製造した印刷版用感光性樹脂構成体において、紫外線遮蔽層が印刷版用感光性樹脂組成物の層に転写するようにポリエステルフィルムのみを剥ぎ取り、紫外線遮蔽層を外側にして、「CDI−classic」(Esko−Graphics社製、商品名、1064nmのYAGレーザー)上のドラムに装填した。
レーザーパワーを20W、ドラム回転スピードを1600rpmとし、印刷版用感光性樹脂構成体上の紫外線遮蔽層にレーザー描画を行い、紫外線遮蔽層をすべて切除するようレーザー描画を行った。
「AFP−1216E」露光機(旭化成社製、商品名)上で、下側紫外線ランプ(PHILIPS社製UVランプTL80W/10R、商品名)を用いて、まず下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム側から、後述する〔実施例〕及び〔比較例〕で製造した印刷版用感光性樹脂構成体において、下地層の厚みが0.9mmとなるようバック露光を行った。
続いて、上側ランプ(PHILIPS社製UVランプTL80W/10R、商品名)にて紫外線遮蔽層側から6000mJ/cm2の紫外線を照射した。なお、このときの露光強度はオーク製作所製のUVメーター「UV−MO2」機を用いて「UV−35−APRフィルター」にて測定した。
次いで、紫外線照射した印刷版用感光性樹脂構成体を10cm×10cmのサイズに切断し、23℃のデカヒドロナフタレンに印刷版用感光性樹脂構成体がすべて浸漬するように、所定時間浸漬させた。浸漬時間は15分、30分、45分で実施し、その後に取り出し60℃で2時間乾燥させた。
その後、後露光処理として、ALF−200UP(旭化成社製、商品名)を用いて254nmを中心波長に持つ殺菌灯(東芝社製、GL−30、商品名)を用いて、乾燥後の印刷版用感光性樹脂構成体の表面全体に2000mJ/cm2の露光を行い、印刷版を得た。ここでの殺菌灯による後露光量は「UV−MO2」機のUV−25フィルターを用いて測定した照度から算出したものである。
後露光を行った印刷版表面を観察し、以下の基準により評価を行った。
◎:45分間浸漬したが印刷版の表面が平滑で均一な状態である。
〇:45分間浸漬した印刷版の表面の平滑性は失われているが、30分間浸漬した印刷版 の表面は平滑で均一な状態である。
△:30分間浸漬した印刷版の表面の平滑性は失われているが、15分間浸漬した印刷版 の表面は平滑で均一な状態である。
×:15分間浸漬した印刷版の表面の平滑性が失われている状態である。
レーザーパワーを20W、ドラム回転スピードを1600rpmとし、印刷版用感光性樹脂構成体上の紫外線遮蔽層にレーザー描画を行い、紫外線遮蔽層をすべて切除するようレーザー描画を行った。
「AFP−1216E」露光機(旭化成社製、商品名)上で、下側紫外線ランプ(PHILIPS社製UVランプTL80W/10R、商品名)を用いて、まず下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム側から、後述する〔実施例〕及び〔比較例〕で製造した印刷版用感光性樹脂構成体において、下地層の厚みが0.9mmとなるようバック露光を行った。
続いて、上側ランプ(PHILIPS社製UVランプTL80W/10R、商品名)にて紫外線遮蔽層側から6000mJ/cm2の紫外線を照射した。なお、このときの露光強度はオーク製作所製のUVメーター「UV−MO2」機を用いて「UV−35−APRフィルター」にて測定した。
次いで、紫外線照射した印刷版用感光性樹脂構成体を10cm×10cmのサイズに切断し、23℃のデカヒドロナフタレンに印刷版用感光性樹脂構成体がすべて浸漬するように、所定時間浸漬させた。浸漬時間は15分、30分、45分で実施し、その後に取り出し60℃で2時間乾燥させた。
その後、後露光処理として、ALF−200UP(旭化成社製、商品名)を用いて254nmを中心波長に持つ殺菌灯(東芝社製、GL−30、商品名)を用いて、乾燥後の印刷版用感光性樹脂構成体の表面全体に2000mJ/cm2の露光を行い、印刷版を得た。ここでの殺菌灯による後露光量は「UV−MO2」機のUV−25フィルターを用いて測定した照度から算出したものである。
後露光を行った印刷版表面を観察し、以下の基準により評価を行った。
◎:45分間浸漬したが印刷版の表面が平滑で均一な状態である。
〇:45分間浸漬した印刷版の表面の平滑性は失われているが、30分間浸漬した印刷版 の表面は平滑で均一な状態である。
△:30分間浸漬した印刷版の表面の平滑性は失われているが、15分間浸漬した印刷版 の表面は平滑で均一な状態である。
×:15分間浸漬した印刷版の表面の平滑性が失われている状態である。
((2)印刷時の被印刷体へのインキ隠蔽性能に関する評価(印刷版の硬度の測定))
被印刷体の表面粗さに対するインキ隠蔽性は、被印刷体の材質、インキの種類や印刷速度等、様々な印刷時の条件により変動するが、一般的に印刷版の硬度により調整される。
この被印刷体表面への適応範囲を確保するためには、硬度70度(TECLOCK社製、GS−719G、TYPE A)以下であることが好ましく、より表面性の悪い被印刷体への適正としては65度以下が好ましく、硬度値により以下の基準で評価を実施した。
◎:硬度65度以下
〇:硬度65度を超え70度以下
×:硬度70度を超える
被印刷体の表面粗さに対するインキ隠蔽性は、被印刷体の材質、インキの種類や印刷速度等、様々な印刷時の条件により変動するが、一般的に印刷版の硬度により調整される。
この被印刷体表面への適応範囲を確保するためには、硬度70度(TECLOCK社製、GS−719G、TYPE A)以下であることが好ましく、より表面性の悪い被印刷体への適正としては65度以下が好ましく、硬度値により以下の基準で評価を実施した。
◎:硬度65度以下
〇:硬度65度を超え70度以下
×:硬度70度を超える
〔実施例1〜9〕、〔比較例1〜4〕
(印刷版用感光性樹脂組成物の調製、印刷版用感光性樹脂構成体の製造)
<印刷版用感光性樹脂組成物の調製>
下記表1に示す材料組成に従い、これらをニーダー(株式会社パウレック、FM−MW
−3型)にて、140℃で60分間、混練し、印刷版用感光性樹脂組成物を得た。
下記表1に示す記載している比率は、全て質量%を示す。
(印刷版用感光性樹脂組成物の調製、印刷版用感光性樹脂構成体の製造)
<印刷版用感光性樹脂組成物の調製>
下記表1に示す材料組成に従い、これらをニーダー(株式会社パウレック、FM−MW
−3型)にて、140℃で60分間、混練し、印刷版用感光性樹脂組成物を得た。
下記表1に示す記載している比率は、全て質量%を示す。
<下引き層を有する支持体の製造>
次に、下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を、下記のようにして製造した。
エチレングリコール93g、ネオペンチルグリコール374g、及びフタル酸382gを、空気雰囲気中、反応温度180℃、1.33×103Paの減圧下で6時間縮合反応させ、その後、4,4−ジフェニレンジイソシアネート125gを加え、さらに、80℃で5時間反応させ、樹脂を得た。当該樹脂を10%水溶液とし、溶融押し出したポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、塗布後、二軸延伸することで、下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
得られた下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体に相当)の厚みは100μmであり、下引き層の厚みは0.05μmであった。
次に、下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を、下記のようにして製造した。
エチレングリコール93g、ネオペンチルグリコール374g、及びフタル酸382gを、空気雰囲気中、反応温度180℃、1.33×103Paの減圧下で6時間縮合反応させ、その後、4,4−ジフェニレンジイソシアネート125gを加え、さらに、80℃で5時間反応させ、樹脂を得た。当該樹脂を10%水溶液とし、溶融押し出したポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、塗布後、二軸延伸することで、下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
得られた下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体に相当)の厚みは100μmであり、下引き層の厚みは0.05μmであった。
<紫外線遮蔽層の製造>
次に、紫外線遮蔽層を製造した。
スチレンと1,3−ブタジエンとのブロック共重合体である「アサフレックス810」(旭化成ケミカルズ社製、商品名)65質量部と、赤外線感受物質としてのカーボンブラック35質量部とを、ニーダーで混練し、ペレット状に断裁した。その後、このペレット90質量部と1,6−ヘキサンジオールアジペート10質量部とを、酢酸エチル/酢酸ブチル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=50/30/20の質量比で調製した混合溶剤に、超音波を利用して溶解し、固形分12質量%の均一な溶液を調製した。
この溶液を100μmの厚みのカバーシートとなるポリエステルフィルム上に、乾燥後の塗布量が4〜5g/m2となるようにナイフコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥して、赤外線で切除可能な紫外線遮蔽層を具備する構成体を得た。
次に、紫外線遮蔽層を製造した。
スチレンと1,3−ブタジエンとのブロック共重合体である「アサフレックス810」(旭化成ケミカルズ社製、商品名)65質量部と、赤外線感受物質としてのカーボンブラック35質量部とを、ニーダーで混練し、ペレット状に断裁した。その後、このペレット90質量部と1,6−ヘキサンジオールアジペート10質量部とを、酢酸エチル/酢酸ブチル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=50/30/20の質量比で調製した混合溶剤に、超音波を利用して溶解し、固形分12質量%の均一な溶液を調製した。
この溶液を100μmの厚みのカバーシートとなるポリエステルフィルム上に、乾燥後の塗布量が4〜5g/m2となるようにナイフコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥して、赤外線で切除可能な紫外線遮蔽層を具備する構成体を得た。
<印刷版用感光性樹脂構成体の製造>
次に、上述のようにして製造した印刷版用感光性樹脂組成物、下引き層を有するポリエステルフィルム(支持体)、及び紫外線遮蔽層を有する構成体を用いて、印刷版用感光性樹脂構成体を製造した。
前記支持体の下引き層側を、上述のようにして調製した印刷版用感光性樹脂組成物に合わせ、また、前記構成体の紫外線遮蔽層側を印刷版用感光性樹脂組成物に面するように、前記印刷版用感光性樹脂組成物の層を、前記下引き層を有するポリエステルフィルムと、前記紫外線遮蔽層を有する構成体とで挟み込み、全体が1.7mmになるように、加熱及び圧縮成型し、印刷版用感光性樹脂構成体を得た。このときの熱プレスは130℃の条件で1.96×107Paの圧力をかけた。
次に、上述のようにして製造した印刷版用感光性樹脂組成物、下引き層を有するポリエステルフィルム(支持体)、及び紫外線遮蔽層を有する構成体を用いて、印刷版用感光性樹脂構成体を製造した。
前記支持体の下引き層側を、上述のようにして調製した印刷版用感光性樹脂組成物に合わせ、また、前記構成体の紫外線遮蔽層側を印刷版用感光性樹脂組成物に面するように、前記印刷版用感光性樹脂組成物の層を、前記下引き層を有するポリエステルフィルムと、前記紫外線遮蔽層を有する構成体とで挟み込み、全体が1.7mmになるように、加熱及び圧縮成型し、印刷版用感光性樹脂構成体を得た。このときの熱プレスは130℃の条件で1.96×107Paの圧力をかけた。
評価結果を下記表1に示した。材料組成の単位は質量%である。
なお、実施例1〜9及び比較例1〜4において製造した印刷版用感光性樹脂体を用いて製造した印刷版と、XS−716(DIC株式会社、商品名)とを用いて、ポリエチレンフィルムへの印刷を行った。
印刷版の固定に注意を要した場合でも、印刷中に両面テープから剥離することもなく、
印刷を行うことができた。
印刷版の固定に注意を要した場合でも、印刷中に両面テープから剥離することもなく、
印刷を行うことができた。
実施例1〜9においては、現像溶液による版表面異常の発生が防止された優れた印刷版用感光性樹脂組成物が得られた。
本発明の印刷版用感光性樹脂組成物は、フレキソ印刷版用の感光性樹脂組成物として、
産業上の利用可能性がある。
産業上の利用可能性がある。
Claims (6)
- モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンを含む熱可塑性エラストマー(A)と、
液状ジエン(B)と、
エチレン性不飽和化合物(C)と、
光重合開始剤(D)と、
安定剤(E)と、
を、含有する、印刷版用感光性樹脂組成物であって、
前記エチレン性不飽和化合物(C)の一部又は全部として、下記式(1)又は(2)に示す、シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)を、印刷版用感光性樹脂組成物中、1〜15質量%含有する、
印刷版用感光性樹脂組成物。
R2:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は、−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15)
R22:H又はCH3
X:−(CH2)n−、又は、−(CmH2mO)l−
n=0〜4、m=2〜4、l=1〜15) - 前記シクロアルカン若しくはベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物(C−2)は、
前記シクロアルカン構造が、トリシクロデカン、ジシクロペンテニル、又はイソボルニルであり、
前記ベンゼン環を有する構造を持つエチレン性不飽和化合物が、ビスフェノールA、又はフェニルフルオレン、である、
請求項1に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記液状ジエン(B)が、液状ポリブタジエンである、
請求項1又は2に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記熱可塑性エラストマー(A)が、
前記共役ジエンからなる重合体ブロックを有し、
前記共役ジエンからなる重合体ブロックのうちの1個以上が、ポリブタジエンからなる重合体ブロックである、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷版用感光性樹脂組成物。 - 支持体と、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷版用感光性樹脂組成物の層と、
からなる積層構造を有する、印刷版用感光性樹脂構成体。 - 請求項5に記載の印刷版用感光性樹脂構成体を用いた印刷版の製造方法であって、
前記印刷版用感光性樹脂構成体の感光性樹脂組成物の層に、レリーフ露光を行い、露光されていない部分を現像溶液で洗浄し、レリーフ画像を形成する、印刷版の製造方法。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2021199503A1 (ja) | 2020-03-31 | 2021-10-07 | Agc株式会社 | 電磁波反射装置、電磁波反射フェンス、及び電磁波反射装置の組み立て方法 |
-
2019
- 2019-04-09 JP JP2019074101A patent/JP2020173308A/ja active Pending
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