JP3938295B2 - フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 - Google Patents

フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系現像可能な印刷版用感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の水系現像可能な感光性樹脂印刷版は、寸法精度を維持する為の支持体層の上に、親水性共重合体、熱可塑性エラストマーなどの疎水性樹脂、光重合性不飽和単量体、及び光重合開始剤などを混合した感光性樹脂組成物からなる層を形成し、さらにその上に該感光性樹脂組成物層の粘着性を防止して透明画像担体(ネガフィルム)との接触性を良くするとともに、その透明画像担体の再使用を可能にする為、薄い可とう性フィルム層が設けられた構成体からなっているのが一般的である。
【0003】
その構成体から印刷版を製造する方法としては、該構成体の支持体のある面とは反対側の面に透明画像担体(ネガフィルム)を密着させ、そのネガフィルムを通じて活性光線を照射し、感光性樹脂組成物層の特定部分を選択的に光硬化することで画像を形成させた後、該組成物層の未露光部分を水系現像液を用いて除去(現像)することで印刷用レリーフを形成している。
このようなフレキソ印刷用感光性樹脂組成物は、必要とする画像を忠実に得るには組成物中の各成分が細かく均一に分散していることが好ましく、又、製版時間の短縮のためには現像速度が速いことが好ましい。更に、水性インキの使用や印刷版に付着したインキを水で洗い落とす必要があることから、水膨潤率が低く、当然耐刷性は高い方が良い。
【0004】
特開昭63−8648号にエチレン性不飽和単量体などからなる樹脂微粒子について提案されている。しかしこの樹脂微粒子には共役ジエンが用いられていないため、耐水性や耐刷性が必ずしも十分でなかったり、カルボキシル基がないので、水系現像性が必ずしも十分でない。
また、特開平7−114180号に親水性共重合体について提案されているが、親水性の単量体にリン酸基含有不飽和単量体が用いられているため、耐刷性が必ずしも十分ない。また、同公報の比較例2Cの親水性共重合体の親水基にカルボキシル基が使用されているが、量が多いため重合の安定性が必ずしも高くなかったり、耐刷性が必ずしも十分でない。
【0005】
また、特公平5−5106号に親水性共重合体にカルボキシル基含有スチレン−ブタジエン共重合体などが提案されているが、実施例で使用されているものはカルボキシル基の量が多いため、上記同様の問題がある。また、シアン化ビニル化合物が用いられていないため、必ずしも水系現像性が十分でない。
このように、一般的な水系現像可能な感光性樹脂組成物は、上記したように疎水性と親水性成分の混合物のため、それらの相溶(分散)性に問題があったり、樹脂組成物の水系現像性が低かったり、露光作成した印刷版の耐水性が低かったり、インキが付着したときに耐刷性が低下する問題を抱えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における技術的課題は、上記した問題点を解決するため、以下の5つの要求を同時に満たすことができる感光性樹脂組成物を提供することである。
1)感光性樹脂の組成の相溶(分散)性が高いこと
2)水系現像液での現像性が高い
3)印刷版の耐水性が高い
4)画像再現性に優れること
5)水性インキを用いる印刷での耐刷性が高いこと
【0007】
【問題を解決するための手段】
(A)親水性共重合体、(B)熱可塑性エラストマー、(C)光重合性不飽和単量体、及び(D)光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物において、親水性共重合体(A)が、少なくとも、(1)カルボキシル基を有する不飽和単量体2〜15wt%、(2)共役ジエン系単量体50〜80wt%、(3)芳香族ビニル化合物3〜20wt%、(4)シアン化ビニル化合物3〜30wt%を必須成分として共重合させて得られた重合体であることを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物とすることで課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
親水性共重合体(A)の必須成分のカルボキシル基を有する不飽和単量体(1)としては、カルボキシル基を有する一塩基酸単量体、及び二塩基酸単量体等があげられる。
より具体的には一塩基酸単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、桂皮酸、及びこれらの一塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、等が例示できる。
【0009】
二塩基酸単量体としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、およびこれらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、等が例示できる。
本発明においては、1種又は2種以上のカルボキシル基を有する不飽和単量体(1)を用いることができる。
これらのうち、入手性から、一塩基酸単量体では、アクリル酸やメタクリル酸が好ましく、二塩基酸では、イタコン酸やフマル酸が好ましい。
【0010】
カルボキシル基を有する不飽和単量体(1)は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量に対して、2〜15wt%である。15wt%以下で、良好な耐水性、加工性が得られ、2wt%以上で、十分な水系現像性が達成できる。好ましくは2〜10wt%である。
親水性共重合体(A)の必須成分の共役ジエン系単量体(2)としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等が例示できる。
【0011】
本発明においては、1種又は2種以上の共役ジエン系単量体(2)を用いることができる。
これらのうちでは、入手性からブタジエンが好ましい。
共役ジエン(2)は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量に対して、50〜80wt%である。80wt%以下で、良好な加工性が得られ、50w%以上で、耐水性や耐印刷性の低下を防ぐことができる。好ましくは60〜80wt%である。
【0012】
親水性共重合体(A)の必須成分の芳香族ビニル化合物(3)は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレンである
本発明においては、1種又は2種以上の芳香族ビニル化合物(3)を用いることができる。
【0013】
これらのうちでは、重合のし易さからスチレンが好ましい。
芳香族ビニル化合物(3)は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量に対して、3〜20wt%である。20wt%以下で、充分な画像再現性、水系現像性が得られ、3w%以上で、感光性樹脂組成物の成分をそれら混合物内で充分均一に分散させることできる。好ましくは5〜20wt%である。
【0014】
親水性共重合体(A)の必須成分のシアン化ビニル化合物(4)とは、ニトリル基を有する単量体であり、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を例示できる。本発明においては、1種又は2種以上のシアン化ビニル化合物(5)を用いることができる。これらのうちでは、合成のし易さから、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルが好ましい。
シアン化ビニル化合物(4)は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量に対して、3〜30wt%である。30wt%以下で、良好な耐水性が得られ、3wt%以上で、十分な水系現像性が達成できる。好ましくは、5〜25wt%である。
【0015】
親水性共重合体(A)において、上記成分(1)〜(4)以外に使用することのできる不飽和単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリル酸エステル類、水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン化ビニル類、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物、反応性乳化剤等があげられる。
【0016】
アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートの総称であり、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が例示できる。これらのうちでは、合成のし易さから、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
【0017】
多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン等が例示できる。
【0018】
水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体としては例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
不飽和二塩基酸アルキルエステルとしてはクロトン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、等を例示できる。
【0019】
(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド等を例示できる。
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルミリステート、ビニルプロピオネート、バーサティク酸ビニル等を例示できる。
【0020】
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等を例示できる。
ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等を例示できる。
アミノ基を有する塩基性単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、等を例示できる。
【0021】
オレフィンとしては、エチレン等を例示できる。
ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等を例示できる。
アリル化合物としては、アリルエステル、ジアリルフタレート、等を例示できる。
その他、トリアリルイソシアヌレート等の3個以上の二重結合を有する単量体も使用できる。
これらの単量体は単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
【0022】
本発明に用いられる親水性共重合体(A)の重合方法は特に限定されないが、以下のように乳化重合が好ましい。重合例としては、重合可能な温度に調整された反応系にあらかじめ所定量の水、乳化剤、その他添加剤を仕込み、ついで、重合開始剤および単量体、乳化剤、調整剤等を回分操作あるいは連続操作で反応系内に添加する事によって重合される。また必要に応じて反応系には所定量のシードラテックス、開始剤、単量体、その他の調整剤をあらかじめ仕込んで置くことも通常良く用いられる方法である。また不飽和単量体、乳化剤、その他の添加剤、調整剤を反応系へ後から添加する方法によって、重合される親水性共重合体粒子の層構造を段階的に変える事も可能である。各層の構造を代表する物性としては、親水性、ガラス転移点、分子量、架橋密度などがあげられる。また、この層構造の段階数は特に制限されない。
【0023】
親水性共重合体(A)の乳化重合に用いる乳化剤としては、脂肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、スルホン酸塩、サルフェート、リン酸エステル、ポリリン酸エステル、サリコジン酸アシル、等のアニオン界面活性剤、ニトリル化油脂誘導体、油脂誘導体、脂肪酸誘導体、α−オレフィン誘導体等のカチオン界面活性剤、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、プロポキシレート、脂肪族アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン界面活性剤が例示される。
【0024】
スルホン酸塩としては、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホン化油脂、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン酸塩、等が挙げられる。
これらの界面活性剤の他の例としては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小池、小林:工学図書、1972)」に記載されているものなどがあげられる。
【0025】
上記の乳化剤は、非反応性乳化剤であり、その使用量は少ない方が好ましく、親水性共重合体(A)100質量部に対して、2質量部を越えない範囲が、印刷版の充分な耐水性が得られ好ましい。
必要に応じて反応性乳化剤を用いても良い。
反応性乳化剤とは、分子構造中にラジカル重合性の二重結合、親水性官能基および疎水性基をそれぞれ有し、一般の乳化剤と同様に、乳化、分散、および湿潤機能を持つもので、親水性共重合体を乳化重合するときに、反応性乳化剤を除いた不飽和単量体100質量部に対して、単独で0.1部以上用いることで粒径が5〜500nmの重合物が重合できる乳化(界面活性)剤である。分子構造中のラジカル重合性の二重結合の構造例としてはビニル基、アクリロイル基、あるいはメタアクリロイル基などが上げられる。分子構造中の親水性官能基の例としては硫酸基、硝酸基、燐酸基、ホウ酸基、カルボキシル基等のアニオン性基、またはアミノ基等のカチオン性基、またはポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン鎖構造等や水酸基等が上げられる。分子構造中の疎水性基としてはアルキル基、フェニル基等が上げられる。
【0026】
この反応性乳化剤はその構造に含まれる親水性官能基の構造種類によりアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤等を含みむ。また、分子構造中のラジカル重合性の二重結合、親水性官能基および疎水性基は複数の種類の構造、官能基を有することも可能である。
反応性乳化剤として一般的に市販されているものを以下に示すと、アニオン界面活性剤としては、アデカリアソープSEやPP(旭電化工業、商品名)、アクアロンHSやBCやKH(第一工業製薬、商品名)、ラテムルAやPD(花王、商品名)、アントックスMS(日本乳化剤、商品名)、アデカリアソープSDXやPP(旭電化工業、商品名)、ハイテノールA(第一工業製薬、商品名)、エレミノールRS(三洋化成工業、商品名)、スピノマー(東洋曹達工業、商品名)など、非イオン界面活性剤としては、アクアロンRNやノイゲンN(第一工業製薬、商品名)、アデカリアソープNE(旭電化工業、商品名)などをあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
反応性乳化剤の使用量は、親水性共重合体(A)100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、この範囲を超えると印刷版の吸湿性が増加したり、耐水性が低下する傾向がある。
本発明に用いられる親水性共重合体(A)の重合には、既知の連鎖移動剤を用いることができる。例をあげれば、硫黄元素を含む連鎖移動剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、等のアルカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等のチオアルキルアルコール、チオグリコール酸、チオプロピオン酸等のチオアルキルカルボン酸、チオグリコール酸オクチルエステル、チオプロピオン酸オクチルエステル等のチオカルボン酸アルキルエステル、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィドがあげられる。その他に、連鎖移動剤の例としては、ターピノーレン、ジペンテン、t−テルピネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素をあげることができる。
【0028】
これらの中で、アルカンチオールは連鎖移動速度が大であり、また得られる重合物の物性バランスが良いので好ましい。これらの連鎖移動剤は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの連鎖移動剤は単量体に混合して反応系に供給するか、単独で所定の時期に所定量添加される。これらの連鎖移動剤の使用量は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量のうち、好ましくは0.1〜10wt%である。感光性樹脂の混合を行うときの加工性の点で0.1wt%以上、分子量低下抑制の点で10wt%以下が好ましい。
【0029】
本発明に用いられる親水性共重合体(A)の重合には必要に応じて重合反応抑制剤を用いることができる。重合反応抑制剤とは、乳化重合系に添加することにより、ラジカル重合速度を低下させる化合物である。より具体的には、重合速度遅延剤、重合禁止剤、ラジカル再開始反応性が低い連鎖移動剤、およびラジカル再開始反応性が低い単量体である。重合反応抑制剤は、重合反応速度の調整およびラテックス物性の調整に用いられる。これらの重合反応抑制剤は回分操作あるいは連続操作で反応系に添加される。重合反応抑制剤を用いた場合、ラテックス被膜の強度が向上する傾向がある。反応メカニズムの詳細は不明であるが、重合反応抑制剤はポリマーの立体構造に密接に関与していると思われ、このことによりラテックス被膜の物性の調整に効果があるものと推定している。
【0030】
これらの重合反応抑制剤の例としては、o−,m−,あるいはp−ベンゾキノンなどのキノン類、ニトロベンゼン、o−,m−,あるいはp−ジニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジフェニルアミンのようなアミン類、第三ブチルカテコールのようなカテコール誘導体、1,1−ジフェニルエチレンあるいはα−メチルスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどの1,1−ジ置換ビニル化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、シクロヘキセン等の1,2−ジ置換ビニル化合物などがあげられる。この他にも、「POLYMER HANDBOOK 3rd Ed.(J.Brandup,E.H.Immergut:John Wiley & Sons,1989)」、「改訂高分子合成の化学(大津:化学同人、1979.)」に重合禁止剤あるいは重合抑制剤として記載されている化合物があげられる。これらの中でも、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)が反応性の点で特に好ましい。これらの重合反応抑制剤は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0031】
これらの重合反応抑制剤の使用量は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量のうち、重合速度の点で10wt%以下が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、熱または還元性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤のいずれも使用できる。このようなものとしては、例えば水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他に、POLYMER HANDBOOK (3rd edition)、J.BrandrupおよびE.H.Immergut著、John Willy&Sons刊(1989)に記載されている化合物が挙げられる。また、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を採用することもできる。
【0032】
これらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。この重合開始剤の使用量は、全単量体の質量に基づき、0.1〜5.0wt%の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜3.0wt%の範囲から選ばれる。親水性共重合体の重合時の安定性の点で0.1wt%以上、感光性樹脂の吸湿量の増加を抑制する点で5.0wt%以下が好ましい。
本発明においては、必要に応じ各種重合調整剤を添加することができる。例えば、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのpH調整剤を添加することができる。また、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤なども重合調整剤として添加することもできる。また、その他の添加剤としてはアルカリ感応ラテックス、ヘキサメタリン酸などの減粘剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、各種老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、ポリアクリル酸ナトリウムなどの分散剤、耐水化剤、亜鉛華等の金属酸化物、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物等の架橋剤、滑剤、保水剤等の各種添加剤を添加してもさしつかえない。これらの添加剤の添加方法は特に制限されず親水性共重合体の重合時、重合後に関わらず添加することができる。
【0033】
この乳化重合における重合温度は、通常60〜120℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合法等により、より低い温度で重合を行っても良い。さらに酸化還元触媒として、金属触媒、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオンなどを共存させてもよい。
親水性共重合体(A)の粒子径は500nm以下が好ましく、特に100nm以下が好ましい。粒径が大きすぎると水系現像性が低下する傾向がある。また、親水性共重合体(A)のトルエンゲル分率は、60〜99%が好ましい。印刷版の強度の点で60%以上、親水性共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)との混合性の点で99%以下が好ましい。
【0034】
トルエンゲル分率とは、親水性共重合体(A)の乳化重合後の濃度が約30wt%の分散液を、テフロン(登録商標)シートの上に適当量垂らし、130℃で30分間乾燥させた(A)を0.5g取り、25℃のトルエン30mlに浸漬させ、振とう器を用いて3時間振とうさせた後に320SUSメッシュで濾過し、不通過分を130℃1時間乾燥させた後の質量を0.5(g)で割った質量分率(%)から求められる。
【0035】
親水性共重合体(A)の量は、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100質量部に対し、20〜60質量部が望ましい。水系現像性の点で20質量部以上、水分の吸湿性増加増加、インキの膨潤性増加を抑制する点で60質量部以下が好ましい。
本発明で使用される(B)の熱可塑性エラストマーには、常温付近でゴム弾性を示し、塑性変形し難く、また押出機等で組成物を混合するときに熱で可塑化するエラストマーで、熱可塑性ブロック共重合体、1,2―ポリブタジエン、ポリウレタン系エラストマー等を例示することができる。
【0036】
これらのうちでは、熱可塑性ブロック共重合体が好ましく、この中でも、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られるものがより好ましい。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマ−としては、スチレン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマ−としてはブタジエン,イソプレン等が用いられ、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。ここで熱可塑性エラスマー中におけるモノビニル置換芳香族炭化水素の含量については、低い場合は感光性エラストマー組成物のコールドフローを引き起こして良好な厚み精度が得られず、また高い場合はフレキソ版の硬度が高くなりすぎて良好な印刷品質が得られにくいため、8〜50wt%の範囲にあることが好ましい。
【0037】
熱可塑性エラストマーの共役ジエンセグメント中のビニル結合単位はレリーフの再現性向上に寄与するが、同時にフレキソ版表面の粘着性を高める原因にもなる。この両特性のバランスをとる観点でビニルセグメントの平均比率は5〜40%が好ましく、さらに好ましい範囲としては10〜35%である。
モノビニル置換芳香族炭化水素及び共役ジエンの平均含有量や、熱可塑性エラストマー中のビニル結合単位の平均比率は、IRスペクトルやNMRで求められる。
【0038】
熱可塑性エラストマー(B)の量は、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100質量部に対し10〜40質量部が好ましい。極性のあるインキの膨潤率増加、物性(伸長率(伸び))の低下を抑制する点で10質量部以上、水系現像性の点で40質量部以下が好ましい。
本発明で使用される(C)の光重合性不飽和単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、アリルエステル、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物をあげられる。
【0039】
その具体的な例としては、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどのアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはトリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びテトラメタクリレート等や、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N−ラウリルマレイミド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
成分(C)の光重合性不飽和単量体は配合量が少なすぎると、細かい点や文字の形成性を低下させる傾向がある。また、配合量が多すぎると、未硬化版の貯蔵・輸送時の変形が大きくなるし、得られた版の硬度が高くなって、表面凹凸のある紙質の悪い被印刷体への印刷におけるベタ部分のインキ乗りを損なう傾向があるため、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100質量部に対して1〜30質量部用いるのが望ましい。
【0041】
本発明で使用される(D)の光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチロールベンゾイン、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェイニルエーテル、α−t−ブチルベンゾイン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、2,2−ジエチキシフェニルアセトフェノン、ベンジル、ピバロイン、アンスラキノン、ベンズアンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−クロルアンスラキノン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
成分(D)の光重合開始剤は少なすぎると、細かい点や文字の形成性を低下させる傾向がある。また、配合量が多すぎると、感光性樹脂組成物の紫外線等の活性光透過率を低下させ却って露光感度を低下させる傾向があるため、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部用いることが望ましい。
その他、本発明の感光性樹脂組成物には前記した必須成分の他に、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。
【0043】
可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの末端変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステルなどが上げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。本発明の感光性樹脂組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画担体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像担体の再利用を可能にするために、その表面に水系現像液で現像可能な可とう性フィルム層を設けても良い。
【0044】
本発明の感光性樹脂組成物は各成分を混合することにより製造することができる。その手段としては、押出機やニーダ等を用いて樹脂組成物を混合した後に、熱プレス成型やカレンダー処理または押出成型により所望の厚さの層を形成することが可能である。
支持体や可とう性フィルム層は、シート成型後ロールラミネートにより感光層に密着させることができる。ラミネート後に加熱プレスして精度の良い感光層を得ることもできる。
【0045】
本発明の感光性樹脂組成物を光硬化するのに用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などがある。
本発明の感光性樹脂組成物に透明画像担体を通じて光照射して画像を形成させた後、未照射部分を水系現像液を用いて除去(現像)することでレリーフが得られる。
【0046】
本発明でいう水系現像液は、水にノニオン性、アニオン性などの界面活性剤、必要に応じてPH調整剤、洗浄促進剤などを配合してなる。ノニオン性界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック附加物等がある。
【0047】
アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等である。
【0048】
また、PH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等がある。水に溶かしやすいことからケイ酸ソーダが好ましい。
さらに、洗浄助剤があるが、上記界面活性剤、PH調整剤と併用してもちいることにより、洗浄能力が高まるものである。具体的例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、パラフィン系炭化水素等がある。
【0049】
これらは、適量の混合比で水に好ましくは0.1〜50wt%%、より好ましくは、1〜10wt%の範囲で添加混合されて使用される。
現像後は版を、オーブン中で約60℃で15〜120分間乾燥するのが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、その組成によっては乾燥が終わった後も版表面にベトツキが残っている場合がある。その場合、公知の表面処理方法により、ベトツキを除去することができる。表面処理方法としては波長300nm以下の活性光線による露光処理が望ましい。
【0050】
以下、参考例、実施例、及び比較例により本発明についてより具体的に説明する。
【参考例】
(1)親水性共重合体(A)の重合
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に水125質量部、乳化剤(α−スルホ−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩、商品名:アデカリアソープSE1025(旭電化工業製))3質量部を初期仕込みし、内温を80℃に昇温し、表1〜3にそれぞれ示した単量体混合物を表に示した割合で、t−ドデシルメルカプタン2質量部の油性混合液と、水28質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2質量部、水酸化ナトリウム0.2質量部、乳化剤(商品名:アデカリアソープSE1025(旭電化工業製))1質量部からなる水溶液をそれぞれ5時間および6時間かけて一定の流速で添加した。
【0051】
そして、80℃の温度をそのまま1時間保って、重合反応を完了した後、冷却した。ついで、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的には固形分濃度が40wt%になるように調整して親水性共重合体(A)溶液を得た。
乳化重合した溶液を60℃で乾燥し親水性共重合体を得た。
【0052】
(2)感光性樹脂組成物および感光性樹脂版の作成
(1)で得た親水性共重合体(A)35質量部と、スチレンブタジエンブロック共重合体[クレイトンD−KX405:シェル化学製]25質量部を、加圧ニーダーを用いて140℃で10分混合後に、 液状ポリブタジエン[B−2000:日本石油化学製]30質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5質量部と、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート5質量部と、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン2質量部、及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1質量部を15分かけて少しずつ加えて、加え終えてからさらに10分間混練し感光性樹脂組成物を得た。
この組成物を取り出し、片面が熱可塑性エラストマーを用いた接着剤がコートされた厚さ100μのポリエステルフィルム{以下PETと略す}ともう片方は厚さ5μのポリビニルアルコール(PVA)がコートされた厚さ100μのPETでサンドイッチしてプレス機を用いて130℃で厚み3mmの板状に成形した。
【0053】
(3)印刷版の作成
(2)で得た接着剤がコートされたPETの側から、硬化層の厚さが1.8mm程度となるように、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2−SS)を用いて露光した。次に、PVAがコートされた方のPETをPVAが樹脂面に残るようにして剥ぎ、印刷画像のネガを密着させ前記露光機で10分間露光した。露光後に、ネガフィルムを剥がして、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル5wt%、ホウ酸ソーダ2wt%および、炭素数10のパラフィン0.7wt%の水溶液(水系現像液)を調整し、、日本電子精機製洗浄機(JOW−A3−P)を用いて、40℃で洗浄し、未露光部を除去した。乾燥後、紫外殺菌線ランプ、紫外線ケミカルランプで後露光して印刷版を作成した。
【0054】
(4)評価方法
(a)相溶性(分散性)
感光性樹脂の組成物の混合物に粒が残っていないかを目視で判断する。粒が確認されたら×、粒がなければ○とした。×の評価を受けた混合物については以下の評価を行わなかった。
(b)水系現像液現像性
上記の現像液と洗浄機を用いて、露光していない樹脂版を15分間洗浄し、洗浄により現象した樹脂版厚み(t)を測定し、15分/t(mm)を計算して、1mm現像するのに要する時間(分)を測定する。現像時間が短い方がよく、現像時間が20分/mm未満を○、20分/mm以上を×とした。
(c)耐水性(水膨潤率)
印刷版を水に24h浸漬させ、浸漬前の重量からの増加分(%)を計算する。少ない方が良い。1.3%以下を合格とした。
(d)画像再現性(凹細線、凸細線)
印刷版の画像再現性の評価は、レリーフ画像の500μmの凹細線と凸細線の形状を実体顕微鏡を用いて評価した。凹細線の溝が深く、且つ凸細線がシャープで太りがないものを○とし、凹細線の溝が浅かったり、凸細線がシャープでなく太ったものを×とした。
(e)水性インキ付着膨潤後の耐刷性
印刷版の版面の強さ(耐刷性)を、擬似的に、摩耗輪(テスター産業株製テーバー摩耗試験器、硬質摩耗輪)を用いて評価した。全面ベタ部の印刷版を作成し、印刷版を水性インキの代替として10%イソプロピルアルコール水溶液に16h浸漬した後に、摩耗輪を用いて1000回転後の版面の摩耗量を測定した。摩耗量は、減量分を摩耗輪がベタ部と接触する面積で割って求めた。摩耗量が、10mg/cm2未満を○とし、10mg/cm2以上を×とした。
【0055】
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1〜5、比較例1〜2】
上記、評価試験結果の一覧を表1に記載する。
表1より、カルボキシル基を有する不飽和単量体(1)が、少なすぎると現像時間が長くなり、多いと耐水性やインキ付着時の摩耗量が増加し耐刷性が低下することが分かる。
【0056】
【表1】
Figure 0003938295
【0057】
【実施例1、6、7、比較例3,4】
上記、評価試験結果の一覧を表2に記載する。
表2より、スチレン量が少なすぎると分散性が低下したり、多すぎると現像時間が長くなったり、画像再現性が低下することが分かる。
比較例3は、相溶性が低く、肉眼で白い粒が多数確認されたので、その他の評価を中止した。
【0058】
【表2】
Figure 0003938295
【0059】
【実施例1、8、9、比較例5】
上記、評価試験結果の一覧を表3に記載する。
表3より、アクリロニトリル量が多すぎると耐水性が低下し、耐刷性が低下する。
【0060】
【表3】
Figure 0003938295
【0061】
【実施例1、10、11】
同じく表3よりアクリロニトリル、メタクリロニトリルを、単独または混合で用いてもすべての評価試験において良好な結果が得られることが分かる。
【0062】
【発明の効果】
本発明のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物を用いることにより、感光性樹脂組成物の親水性及び疎水性組成の相溶(分散)性を向上させ、水系現像液での現像時間を短縮でき、しかも、耐水性インキ性が高く、画像再現性に優れ、さらに水性インキが付着しても高い耐刷性を保持する印刷版を得ることができる。

Claims (2)

  1. (A)親水性共重合体、(B)熱可塑性エラストマー、(C)光重合性不飽和単量体、及び(D)光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物において、親水性共重合体(A)が少なくとも、その重合に用いられる不飽和単量体全質量に対して、
    (1)カルボキシル基を有する不飽和単量体2〜15wt%、
    (2)共役ジエン系単量体50〜80wt%、
    (3)芳香族ビニル化合物3〜20wt%、及び
    (4)シアン化ビニル化合物3〜30wt%
    の不飽和単量体を共重合させて得られる重合体であることを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
  2. 支持体と、その面上に形成された請求項1記載の感光性樹脂組成物の層からなる積層構造を有することを特徴とするフレキソ印刷版用感光性構成体。
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