JP4487171B2 - 感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷用原版 - Google Patents

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Description

本発明は感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷用原版に関するものであり、特に水系現像液で現像可能なフレキソ印刷用感光性性樹脂組成物および印刷原版に関するものである。
従来より、塩素化ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリウレタン等のエラストマーを単体樹脂成分として、これにエチレン系不飽和化合物、光重合開始剤を配合した感光性樹脂組成物はエラストマーの特性を生かして、フレキソ印刷版材として有用であり、多くの提案がなされている。
なかでも、水系現像液で現像でき、且つ水性インキに対する耐性を付与したフレキソ版材に、疎水性ポリマーを主成分とする相1、親水性ポリマ−を主成分とする相2を有する粒子を分散相として、親水性成分と疎水性成分とを有する相を連続相とする相構造が提案されている。
しかし、このような相構造における分散相と連続相には固体ゴムが使用されているため、相構造形成段階で微小粒子が凝集し、その結果分散相の粒子径が大きくなり、また不均一になるという傾向があった。そのため、透過した光は散乱し、微小なレリーフの画像再現性が低下するといる問題が存在していた。
そこで、分散相と連続相に固体ゴムに相当する少なくとも2種類以上の水分散ラテックスから得られる疎水性共重合体を使用することを見出した。これにより、従来よりも分散相が微粒子化し、また均一になるため、透過した光の散乱が著しく減少し、微小なレリーフの画像再現性が向上する。しかしながら、固体ゴムから水分散ラテックスに替えると、ドープ調合時、特に親水性重合体を投入後にラテックス粒子間の急激な凝集が起こり、固液分離するという問題が発生した。このため、釜内のドープは固体成分と液体成分が混在した状態で不均一になり、調合釜から濃縮機に安定に移送できず、支障をきたしていた。
本発明は上記問題を鑑みて、水系現像液で現像でき、かつ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好な感光性樹脂組成物および感光性樹脂印刷用原版を支障なく得ることを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、(1)(A)ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスから選ばれる少なくとも2種類以上の水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、(B)ポリブタジエン骨格を有する親水性重合体、(C)ブタジエン骨格を有する親水性重合体、(D)光重合性化合物としてブタジエン重合体又はイソプレン重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した光重合性オリゴマー、および(E)凝集防止剤としてラテックスに含有するもの以外に炭素数が12〜15のノニオン系界面活性剤を含有し、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体が、(C)成分であるオリゴマーの光重合性化合物中に分散した形態であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明感光性樹脂組成物を用いることにより、水系現像液で現像でき、且つ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好なフレキソ印刷用原版を支障なく得ることができるので、産業界に寄与すること大である。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本発明における(A)成分として用いられる水分散ラテックスとは重合体粒子を分散質として水中に分散したものである。また少なくとも2種類以上の水分散ラテックスより得られる疎水性重合体とは、この水分散ラテックスから水を取り除いて得られる疎水性重合体そのものであり、本発明においては2種類以上用いられることが必要である。
具体的に(A)成分としては、以下の少なくとも2種類以上から選ばれるラテックスである。ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体やこれら重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体が挙げられる。この中でも分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を含有する水分散ラテックス重合体が、硬度やゴム弾性の点から好ましく用いられる。具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスが好ましい。
本発明の(B)成分である親水性重合体は、−COOH、−COOM(Mは1価、2価あるいは3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウムイオン)、−OH、−NH2、−SO3H、リン酸エステル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これら(B)成分の含有量は(A)成分100重量部に対して好ましくは0.1〜50重量部、特に0.1〜30重量部であることが好ましい。0.1重量部未満では水系現像液で現像ができず、50重量部を超えると、水に対する膨潤が大きくなり、水性インキ耐性が悪くなるので好ましくない。
本発明の(C)成分である光重合性化合物は、連続層として存在するものである。本発明においては、光重合性化合物としては光重合性オリゴマーが好ましく、光重合性オリゴマーとは、共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した重合体であって、数平均分子量が1000以上、10000以下のものである。具体的には、分子構造中に次のような構造を有する化合物をいう。
共役ジエン系エチレン性重合体を構成する共役ジエン系重合体は、共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体によって構成される。かかる共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。これらのうちゴム弾性と光硬化性の点で、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましく、特に好ましくはブタジエン重合体、イソプレン重合体である。
共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖エチレン性不飽和基を導入する方法は特に限定されないが、例えば、(1)過酸化水素を重合開始剤として得られた水酸基末端共役ジエン系重合体の末端の水酸基に(メタ)アクリル酸等のモノエチレン性不飽和カルボン酸を脱水反応によりエステル結合させる、若しくは、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルをエステル交換反応によりエステル結合させる方法、(2)共役ジエン化合物と少なくとも一部に不飽和カルボン酸(エステル)を含むエチレン性不飽和化合物を共重合して得られた共役ジエン系重合体にアリルアルコール、ビニルアルコール等のエチレン性不飽和アルコールを反応させる方法、等が挙げられる。
共役ジエン系エチレン性重合体におけるエチレン性不飽和基の量は、重合体中に0.005〜2.0m当量/gが好ましく、特に好ましくは0.01〜2.0m当量である。2.0m当量/gより多いと硬度が高くなりすぎて充分な弾性が得難くなり、0.005m当量/gより少ないと、反応性が小さくなって画像再現性が低下する傾向を示す。
これら(C)成分の含有量は(A)成分100重量部に対して1〜200重量部であることが好ましい。1重量部以下では生版が硬くなるため水系現像液で現像ができず、200重量部以上では生版が柔らかくなり過ぎ、ハンドリング性が悪くなるので好ましくない。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、疎水性モノマーを加えることもできる。疎水性モノマーとは、一般に強い極性を有する官能基をモノマー中に持たないモノマーであり、水やエタノールへの溶解性の低いモノマーである。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これら疎水性モノマーを加える場合、その含有量は、(A)成分100重量部に対して200重量部以下が好ましい。200重量部以下とすることで、水現像性が優れ、良好なレリーフを得ることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は(D)成分として光重合開始剤を加えるものである。光重合開始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば全て使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などである。光重合開始剤の配合量としては、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲が好ましい。0.1重量部以上とすることで、開始効率が減少することなく、画像再現が良好である。50重量部以下とすることで感度が高すぎることなくて、露光時間のコントロールが容易となるので好ましい。
本発明において、(E)成分である凝集防止剤は、ドープ調合時、特に親水性重合体投入後に起こるラテックス粒子間の急激な凝集、固液分離を防ぐためのものである。該凝集防止剤としてはノニオン系界面活性剤が好ましく、特に炭素数が12〜15であり、HLB価が12付近であるものが好ましい。具体的には、分子構造中の親水基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン鎖構造が挙げられる。分子構造中の疎水基のタイプとしては、ノニルフェノール系、トリデシルアルコール系、ラウリルアルコール系、セカンダリーアルコール系、オキソアルコール系等が挙げられる。一般的に市販されているものを以下に示すと、ノイゲンEA−120、ノイゲンEA−120B、DKS NL−70、DKS NL−80、ノイゲンET−143L、ノイゲンTDS−70、ノイゲンET−115、ノイゲンET−116B、ノイゲンET−116B、ノイゲンET−116C、ノイゲンET−147、ノイゲンET−157、ノイゲンSD−60、ノイゲンSDX−60、DKS NL−Dash 408、DKS NL−Dash 410(第一工業製薬(株)製)などを例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。凝集防止剤の配合量としては、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜1重量部である。0.01重量部以下では親水性ポリマー投入後にラテックス粒子間の急激な凝集、固液分離を防ぐのに充分ではなく、10重量部を超えると水およびアルコールに対してレリーフの膨潤が大きくなるので好ましくない。
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに可塑剤を加えることもできる。この可塑剤としては、一般的に版材を柔軟化する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、(A)成分や(B)成分と相溶性が良好なものが好ましい。より好ましくは、室温で液状のポリエン化合物やエステル結合を有する化合物である。室温で液状のポリエン化合物としては、液状のポリブタジエン、ポリイソプレン、されにそれらの末端基あるいは側鎖を変性したマレイン化物、エポキシ化物などがある。エステル結合を有する化合物としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、分子量1000〜3000のポリエステルが挙げられる。
これら可塑剤成分を加える場合には、光架橋前の固形版としての強度を充分ななものとする観点から、(A)成分100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することもできる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これらの配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5重量%の範囲で使用することが一般的である。
また、他の成分として、染料、顔料、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分である水分散ラテックスから得られる疎水性重合体が、(C)成分である光重合性化合物中に分散した形態を有してことが好ましい。このような形態を有することで、(A)成分の水分散ラテックスから得られる重合体同士が融着することなく組成物中に存在し得ると考えられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。本発明の感光性樹脂組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画担体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像担体の再利用を可能にするために、その表面に水系で現像可能な可撓性フィルム層を設けても良い。本発明の感光性樹脂組成物は各成分を混合することにより製造することができる。その手段としては、押出機やニーダ等を用いて樹脂組成物を混合した後に、熱プレス成型やカレンダー処理または押出成型により所望の厚さの層を形成することが可能である。支持体や可とう性フィルム層は、シート成型後ロールラミネートにより感光層に密着させることができる。ラミネート後に加熱プレスして精度の良い感光層を得ることもできる。本発明の感光性樹脂組成物を光硬化するのに用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などがある。本発明の感光性樹脂組成物に透明画像担体を通じて光照射して画像を形成させた後、未照射部分を水系現像液を用いて除去(現像)することでレリーフ(印刷版)が得られる。
本発明でいう水系現像液は、水にノニオン性、アニオン性などの界面活性剤、必要に応じてPH調整剤、洗浄促進剤などを配合してなる。ノニオン性界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック附加物等がある。アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等である。
また、PH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等がある。水に溶かしやすいことからケイ酸ソーダが好ましい。さらに、洗浄助剤があるが、上記界面活性剤、PH調整剤と併用して用いることにより、洗浄能力が高まるものである。具体的例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、パラフィン系炭化水素等がある。これらは、適量の混合比で水に0.1〜50重量%、好ましくは、1〜10重量%の範囲で添加混合されて使用される。現像後は版を、オーブン中で約60℃で15〜120分間乾燥するのが一般的である。
本発明感光性樹脂組成物は、その組成によっては乾燥が終わった後も版表面にベトツキが残っている場合がある。その場合、公知の表面処理方法により、ベトツキを除去することができる。表面処理方法としては波長300nm以下の活性光線による露光処理が望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、フレキソ印刷用に用いることが最も適しているが、樹脂凸版印刷用、平版印刷用、凹版印刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用することも可能である。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
なお、実施例における特性値は以下の測定方法によって得られた値である。
(1)硬度:JIS−K6301に準ずるスプリング式硬さ試験(A形)法により20℃で測定した値である。
(2)反発弾性率:φ10m/m(重さ4.16g)の鋼鉄製ボールを20cm地の高さより落下させ、跳ね戻る高さ(a)を読みとり、(a/20)×100%表示とした。
(3)膨潤率:印刷版を水あるいはエタノールに20℃で1時間あるいは24時間浸漬させた後の重量増加率(%)を測定した。
(4)光散乱率:分光光度計(U−3210、日立製作所(株)製、150φ積分球付属装置付き)を用いて、感光性樹脂組成物のλ=365nmでの散乱率を測定した。
実施例1
(A)成分であるブタジエンラテックス(Nipol LX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)22重量部、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503 不揮発分43% 日本ゼオン(株)製)5重量部、(B)成分である親水性重合体(PFT-3 不揮発分25% 共栄社化学(株)製)5重量部、(C)成分であるオリゴブタジエンアクリレート(ABU−2S 共栄社化学(株)製)10重量部、(D)成分である光重合開始剤0.45重量部、(E)成分である凝集防止剤0.3重量部(ノイゲンSDX−60 第一工業製薬(株)製)、架橋剤としてラウリルメタクリレート3重量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート0.9重量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.03重量部、その他の添加剤としてカルボン酸系共重合体0.04重量部をトルエン15重量部とともに容器中で混合してから、調合直後と1時間後のドープの状態を観察した。次に加圧ニーダーを用いて105℃で混練し、その後トルエンと水を減圧除去した。得られた感光性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着層をコーテイングしたフィルムと、同じポリエチレンテレフタレートフィルム上に粘着防止層(ポリビニルアルコール)をコーテイングしたフィルムで挟み(接着層、粘着防止層が感光性樹脂組成物と接触するように)、ヒートプレス機で105℃、100kg/cm2の圧力で1分間加圧することにより、厚さ1.7mmの感光性樹脂原版を作成した。得られた原版を剥離し、網点200線1%〜95%、最小独立点直径100μm、最小凸文字1ポイント、最小抜き文字1ポイント、ベタ画像、ステップガイドを含む検査ネガをあて、365nmにおける照度17.5W/m2(Anderson&Vreeland社製ランプFR20T12−BL−9−BP)を用いて裏露光と表露光をおこないネガフィルムを除去し、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4重量%を含有する40℃の中性水で8分間現像し、60℃で20分間乾燥した。
得られた印刷版は、レリーフ深度が0.8mmであり、水性インキによる印刷で、網点200線1%〜95%、最小独立点直径100μm、最小独立線幅が30μm、最小抜き線幅100μm、最小凸文字1ポイント、最小抜き文字1ポイント、を再現する従来のフレキソ刷版では実現しえない画像再現性が得られた。また、同印刷版を用いて100万枚の印刷試験を行ったが、画像再現性に変化は認められなかった。
調合直後及び1時間経過後のドープの状態は均一であり、変わり無かった。得られた印刷版のショアA硬度は58、反発弾性は65%、1時間後の水膨潤率は1.5%、エタノール膨潤率は3.7%、24時間後の水膨潤率は3.5%、エタノール膨潤率は5.8%、365nmの光散乱率は17.3%であった。
実施例2
実施例1において、(A)成分であるブタジエンラテックス(Nipol LX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)20重量部、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol LX550 不揮発分45% 日本ゼオン(株)製)6重量部、(B)成分である親水性重合体(PFT-3 不揮発分25% 共栄社化学(株)製)6重量部、(C)成分であるオリゴブタジエンアクリレート(ABU−2S 共栄社化学(株)製)11重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、フレキソ刷版を作製した。得られた印刷版は、実施例1と同様の画像再現性と耐刷性を示した。
調合直後及び1時間経過後のドープの状態は均一であり、変わり無かった。得られた印刷版のショアA硬度は56、反発弾性は55%、1時間後の水膨潤率は0.6%、エタノール膨潤率は2.8%、24時間後の水膨潤率は2.0%、エタノール膨潤率は5.7%、365nmの光散乱率15.9%であった。
比較例1
実施例1において、(E)成分である凝集防止剤(ノイゲンSDX−60 第一工業製薬(株)製)1重量部を除いた以外は実施例1と同様にして、ドープを調合した。ところが、得られたドープは調合直後にラテックス粒子間で急激な凝集が起こり、1時間経過後には固液分離したため、その時点で製造を中止した。
比較例2
実施例1において、(A)成分であるアクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503 不揮発分43% 日本ゼオン(株)製)5重量部を除いた以外は実施例1と同様にして、フレキソ刷版を作製した。得られた印刷版は、20分間現像してもレリーフ深度が0.8mmに達することはなく、現像不良であった。
比較例3
実施例1において、(B)成分である親水性重合体(PFT-3 不揮発分25% 共栄社化学(株)製)5重量部を除いた以外は実施例1と同様にして、フレキソ刷版を作製した。得られた印刷版は、20分間現像してもレリーフ深度が0.8mmに達することはなく、現像不良であった。
比較例4
実施例1において、(C)成分であるオリゴブタジエンアクリレート(ABU−2S 共栄社化学(株)製)のかわりに液状ポリブタジエン(B−2000 日本石油化学(株)製)13重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、フレキソ刷版を作製した。得られた印刷版は、20分間現像してもレリーフ深度が0.8mmに達することはなく、現像不良であった。
以上、かかる構成よりなる本発明感光性樹脂組成物は、水系現像液で現像でき、且つ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好なフレキソ印刷用原版に利用することができる。

Claims (2)

  1. (A)ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスから選ばれる少なくとも2種類以上の水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、(B)ポリブタジエン骨格を有する親水性重合体、(C)ブタジエン骨格を有する親水性重合体、(D)光重合性化合物としてブタジエン重合体又はイソプレン重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した光重合性オリゴマー、および(E)凝集防止剤としてラテックスに含有するもの以外に炭素数が12〜15のノニオン系界面活性剤を含有し、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体が、(C)成分であるオリゴマーの光重合性化合物中に分散した形態であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 支持体上に、請求項1に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を塗設して構成されることを特徴とする感光性樹脂印刷用原版
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