JP2008058957A - 感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷用原版 - Google Patents
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Abstract
【課題】水系現像液で現像でき、かつ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好な感光性樹脂組成物および感光性樹脂印刷用原版を支障なく得ること。
【解決手段】少なくとも水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、親水性重合体、光重合性化合物、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物において、光重合性化合物が一個の光重合性基を有する光重合性界面活性剤を含有することを特徴とするフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、親水性重合体、光重合性化合物、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物において、光重合性化合物が一個の光重合性基を有する光重合性界面活性剤を含有することを特徴とするフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷用原版に関するものであり、特に水系現像液で現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物および印刷原版に関するものである。
近年、フレキソ印刷版がオフセット版や樹脂凸版に代わり使用されはじめている。しかし、フレキソ版は、オフセット版や樹脂凸版と比べて製版に時間がかかるため、例えば新聞印刷のように、短時間に大量の印刷版をつくる必要のある用途には不向きであった。特に、未露光部の樹脂を溶剤で洗い出すこと(現像)により凹凸を形成させる溶剤現像版では、現像後の版の乾燥に2〜3時間を要するため、製版に非常に時間が掛かっていた。
フレキソ版には、溶剤現像版の他に、環境面や製版を行う作業員の健康を配慮して、溶剤を用いず、その代わりに水系現像液で現像を行う水現像版が存在する。この水現像版は現像後の乾燥を短時間で行うことができるために、溶剤現像版よりも製版時間を大幅に短縮できる優れた版である。
しかし、水系現像版は、水で現像できる反面、印刷時に水性インキなどのインキに膨潤しやすいため、水系現像版の開発にあたり、水現像でき、かつ水性インキに対する耐性を持たせる技術が必要となっていた。
そこで、水系現像液で現像でき、且つ水性インキに対する耐性を付与したフレキソ版材として、疎水性ポリマーを主成分とする相1、親水性ポリマ−を主成分とする相2を有する粒子を分散相として、親水性成分と疎水性成分とを有する相を連続相とする相構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような相構造における分散相と連続相には固体ゴムが使用されているため、相構造形成段階で微小粒子が凝集し、その結果分散相の粒子径が大きくなり、また不均一になるという傾向があった。そのため、透過した光は散乱し、微小なレリーフの画像再現性が低下するといる問題が存在していた。
そこで、分散相の粒子径を微小化するため、分散相として乳化重合で合成された親水性共重合体や水分散ラテックスから得られる重合体を親水性光重合性モノマー中に分散させることが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
しかしながら、これらの方法では分散相は微粒子化するが、いずれも大部分を占める連続相には固体ゴムが使用されているため、相構造形成段階で微小粒子が凝集し、その結果分散相の粒子径が大きくなり、また不均一になるという傾向があった。そのため、透過した光は散乱し、微小なレリーフの画像再現性が低下するといる問題が存在していた。
ゴム成分として、固体ゴムを使用しない例として、2種類以上の水分散ラテックスから得られる重合体を用いることにより、水系現像液による現像性、水性インキ耐性、良好な画像再現性を得る方法が提案されている。(例えば、特許文献4参照)。
しかし、水系現像液により短時間で現像するためには、親水性ポリマーを大量に使用する必要があるため、水性インキ耐性が低下してしまう問題が生じていた。
本発明は上記問題を鑑みて、水系現像液にて短時間で現像でき、かつ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好な感光性樹脂組成物および感光性樹脂印刷用原版を得ることを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、(1)少なくとも水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、親水性重合体、光重合性化合物、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物において、光重合性化合物が一個の光重合性基を有する光重合性界面活性剤を含有することを特徴とするフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。(2)(1)に記載の光重合性界面活性剤が一般式(I)、(II)及び(III)を特徴とするフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。(3)(1)又は(2)に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層より構成されることを特徴とする感光性樹脂印刷用原版。
本発明感光性樹脂組成物を用いることにより、水系現像液で現像でき、且つ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好なフレキソ印刷用原版を得ることができるので、産業界に寄与すること大である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明における水分散ラテックスとは重合体粒子を分散質として水中に分散したものであり、他に界面活性剤等が含有されている。水分散ラテックスとしては少なくとも2種類以上の水分散ラテックスより得られる疎水性重合体であることが好ましい。少なくとも2種類以上の水分散ラテックスより得られる疎水性重合体とは、この水分散ラテックスから水を取り除いて得られる疎水性重合体および若干界面活性剤等が含有されたものであり、本発明においては2種類以上用いることが必要である。
本発明における水分散ラテックスとは重合体粒子を分散質として水中に分散したものであり、他に界面活性剤等が含有されている。水分散ラテックスとしては少なくとも2種類以上の水分散ラテックスより得られる疎水性重合体であることが好ましい。少なくとも2種類以上の水分散ラテックスより得られる疎水性重合体とは、この水分散ラテックスから水を取り除いて得られる疎水性重合体および若干界面活性剤等が含有されたものであり、本発明においては2種類以上用いることが必要である。
具体的には、以下の少なくとも2種類以上から選ばれるラテックスである。ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体やこれら重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体が挙げられる。この中でも分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を含有する水分散ラテックス重合体が、硬度やゴム弾性の点から好ましく用いられる。具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスが好ましい。
本発明における水分散性ラテックスから得られる疎水性重合体としては、微粒子状に存在していることが必須であり、その粒子径分布におけるピークが2つ以上あり、各ピークの粒径比が2倍以上であること、特に下限は約3倍以上、さらには5倍以上が望ましく、上限は約20倍以下、さらには15倍以下が望ましい。なお、「微粒子状に存在している」とは、例えば、走査型プローブ顕微鏡SPMを用いて形態観察と位相分布評価を行って、独立した微粒子としての存在が確認できるということである。
また、前記粒子径分布は同種の疎水性重合体における分布状態でもよく、あるいは、二種以上の疎水性重合体において、それぞれの粒子径分布におけるピークが一つであっても、それぞれのピークの粒径比が2倍以上であればよい。本発明においては、一種の微粒子の平均粒径に対し、約2倍以上の平均粒径を有する他種の微粒子が存在していることが好ましく、その平均粒径として、例えば疎水性重合体(α)が0.02〜0.5μm、好ましくは0.04〜0.3μmであり、疎水性重合体(β)としては、疎水性重合体(α)の2倍以上、特に3倍以上の粒子径を有していることが好ましく、粒子径としては0.1〜0.7μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。
さらに、前記微粒子は、光重合性化合物や光重合開始剤中に分散した形態を有してことが好ましい。
また、前記粒子径分布は同種の疎水性重合体における分布状態でもよく、あるいは、二種以上の疎水性重合体において、それぞれの粒子径分布におけるピークが一つであっても、それぞれのピークの粒径比が2倍以上であればよい。本発明においては、一種の微粒子の平均粒径に対し、約2倍以上の平均粒径を有する他種の微粒子が存在していることが好ましく、その平均粒径として、例えば疎水性重合体(α)が0.02〜0.5μm、好ましくは0.04〜0.3μmであり、疎水性重合体(β)としては、疎水性重合体(α)の2倍以上、特に3倍以上の粒子径を有していることが好ましく、粒子径としては0.1〜0.7μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。
さらに、前記微粒子は、光重合性化合物や光重合開始剤中に分散した形態を有してことが好ましい。
本発明の光重合性化合物は、水現像性を高めるために光重合性界面活性剤を含有する。本発明の光重合性界面活性剤とは、一個の光重合性基を有する界面活性剤であり、界面活性剤の機能を有するために分子内に親水性基と疎水性基とを有する化合物である。
本発明は、光重合性界面活性剤を含有することによって、未露光部では界面活性剤の効果で未露光部の現像性が向上する。一方、光照射した光硬化部では光重合によって耐水性の低下を抑えることが可能となり、版材として使用した場合の耐水インキ性を満足することが可能である。さらに、本発明によれば、生版の特性として必要な押し込み変位や版物性として必要な強伸度についても大幅な性能を起すことなしに課題であった現像時間の短縮が可能となった。
本発明は、光重合性界面活性剤を含有することによって、未露光部では界面活性剤の効果で未露光部の現像性が向上する。一方、光照射した光硬化部では光重合によって耐水性の低下を抑えることが可能となり、版材として使用した場合の耐水インキ性を満足することが可能である。さらに、本発明によれば、生版の特性として必要な押し込み変位や版物性として必要な強伸度についても大幅な性能を起すことなしに課題であった現像時間の短縮が可能となった。
本発明の光重合性界面活性剤は、前記一般式(I)、(II)及び(III)の群より選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
前記一般式(I)、(II)及び(III)に記載のi、jは、化合物(I)、(II)及び(III)に水溶性を付与できれば、特に限定されないが、好ましくはi+jが8〜80である。
前記一般式(III)に記載のkは、化合物(III)の(ポリ)テトラメチレングリコール基が疎水基として働くものであれば、特に限定されないが、好ましくは2〜20である。
前記一般式(I)に記載のCmH2m+1は、光重合性界面活性剤の疎水基として働く炭化水素基であれば、特に限定されない。好ましくは、mが6〜18であり、mが8〜16が特に好ましい。mが6よりも小さければ、疎水基としての働きが弱く、また、18以上であれば、光重合性界面活性剤の水への溶解性が低くなるために好ましくない。
前記光重合性界面活性剤の添加量は、感光性樹脂固形分の全体100重量部に対し、0.5〜5重量部であることが好ましく、1〜3重量部であることが特に好ましい。
添加量が、0.5重量部よりも少ないと、水現像時間の短縮ができない。また、5重量部よりも多いと未露光の版(生板)に十分な硬さが得られない、印刷版の機械的強伸度特性が著しく低下してしまう、水性インキに対する十分な耐性が得られないなどの問題が生じる。
一般式(I)の光重合性界面活性剤の具体的な例としては、オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、一般式(II)の光重合性界面活性剤の具体的な例としては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。又、一般式(III)の光重合性界面活性剤の具体的な例としては、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレートが挙げられるが、その中でも好ましい光重合性界面活性剤としてはオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートやオクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。
本発明に使用する光重合性界面活性剤以外の光重合性化合物としては、公知の光重合性オリゴマーを用いることができる。光重合性オリゴマーとは、共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した重合体であって、数平均分子量が1000以上、10000以下のものである。具体的には、分子構造中に次のような構造を有する化合物をいう。
共役ジエン系エチレン性重合体を構成する共役ジエン系重合体は、共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体によって構成される。かかる共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。これらのうちゴム弾性と光硬化性の点で、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましく、特に好ましくはブタジエン重合体、イソプレン重合体である。
共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖エチレン性不飽和基を導入する方法は特に限定されないが、例えば、(1)過酸化水素を重合開始剤として得られた水酸基末端共役ジエン系重合体の末端の水酸基に(メタ)アクリル酸等のモノエチレン性不飽和カルボン酸を脱水反応によりエステル結合させる、若しくは、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルをエステル交換反応によりエステル結合させる方法、(2)共役ジエン化合物と少なくとも一部に不飽和カルボン酸(エステル)を含むエチレン性不飽和化合物を共重合して得られた共役ジエン系重合体にアリルアルコール、ビニルアルコール等のエチレン性不飽和アルコールを反応させる方法、等が挙げられる。
共役ジエン系エチレン性重合体におけるエチレン性不飽和基の量は、重合体中に0.005〜2.0m当量/gが好ましく、特に好ましくは0.01〜2.0m当量である。2.0m当量/gより多いと硬度が高くなりすぎて充分な弾性が得難くなり、0.005m当量/gより少ないと、反応性が小さくなって画像再現性が低下する傾向を示す。
これら光重合性化合物の含有量は水分散ラテックスから得られる疎水性重合体100重量部に対して1〜200重量部であることが好ましい。1重量部以下では生版が硬くなるため水系現像液で現像ができず、200重量部以上では生版が柔らかくなり過ぎ、ハンドリング性が悪くなるので好ましくない。
本発明においては、印刷版の機械的強度を上げ、耐刷性を向上させるため、光重合性化合物のうち、前記以外に、少なくとも一種がアルキルメタクリレートであることが好ましい。特にアルキルメタクリレートが炭素数8〜18であり直鎖状であることが好ましい。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、特に好ましくはn−ラウリルメタクリレート、アルキル(C12〜13)メタクリレート、トリデシルメタクリレート、アルキル(C12〜15)メタクリレート等が挙げられる。
これらアルキルメタクリレートの含有量は、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体100重量部に対して好ましくは1〜50重量、特に好ましくは5〜10重量部である。1重量部未満では、露光した版の機械的強度が充分ではなく、50重量部を超えると感光性樹脂組成物層の表面にブリードアウトし、カバーフィルムが剥がれ難くなるので好ましくない。
また、本発明の感光性樹脂組成物は光重合開始剤を加えるものである。光重合開始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば全て使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などである。光重合開始剤の配合量としては、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲が好ましい。0.1重量部以上とすることで、開始効率が減少することなく、画像再現が良好である。50重量部以下とすることで感度が高すぎることなくて、露光時間のコントロールが容易となるので好ましい。
本発明は、親水性重合体を配合してもよく、親水性重合体としては、−COOH、−COOM(Mは1価、2価あるいは3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウムイオン)、−OH、−NH2、−SO3H、リン酸エステル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これらの含有量は水分散ラテックスから得られる疎水性重合体100重量部に対して好ましくは0.1〜50重量部、特に0.1〜30重量部であることが好ましい。0.1重量部未満では水系現像液で現像時間が遅くなり、50重量部を超えると、水に対する膨潤が大きくなり、水性インキ耐性が悪くなるので好ましくない。
本発明において、親水性重合体を配合した場合、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体のうち少なくとも一種の疎水性重合体(α)あるいは(β)と親水性重合体とがそれぞれ共通の骨格構造を有していることが好ましく、例えば、共通の骨格構造としては、アクリロニトリル−ブタジエン構造、ブタジエン構造等が挙げられる。本発明においては、例えば微粒子状疎水性重合体(β)が連続相中に存在し、分散相中には親水性重合体と共通の骨格構造を有する微粒子状疎水性重合体(α)とが存在しているような構造が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに可塑剤を加えることもできる。この可塑剤としては、一般的に版材を柔軟化する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体や親水性重合体と相溶性が良好なものが好ましい。より好ましくは、室温で液状のポリエン化合物やエステル結合を有する化合物である。室温で液状のポリエン化合物としては、液状のポリブタジエン、ポリイソプレン、されにそれらの末端基あるいは側鎖を変性したマレイン化物、エポキシ化物などがある。エステル結合を有する化合物としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、分子量1000〜3000のポリエステル等が挙げられる。
これら可塑剤成分を加える場合には、光架橋前の固形版としての強度を充分なものとする観点から、水分散ラテックスから得られる疎水性重合体100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することもできる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これらの配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5重量%の範囲で使用することが一般的である。
また、他の成分として、染料、顔料、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料、凝集防止剤、界面活性剤などを添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。本発明の感光性樹脂組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画担体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像担体の再利用を可能にするために、その表面に水系で現像可能な可撓性フィルム層を設けても良い。本発明の感光性樹脂組成物は各成分を混合することにより製造することができる。その手段としては、押出機やニーダー等を用いて樹脂組成物を混合した後に、熱プレス成型やカレンダー処理または押出成型により所望の厚さの層を形成することが可能である。支持体や可とう性フィルム層は、シート成型後ロールラミネートにより感光層に密着させることができる。ラミネート後に加熱プレスして精度の良い感光層を得ることもできる。本発明の感光性樹脂組成物を光硬化するのに用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などがある。本発明の感光性樹脂組成物に透明画像担体を通じて光照射して画像を形成させた後、未照射部分を、水系現像液を用いて除去(現像)することでレリーフ(印刷版)が得られる。
本発明でいう水系現像液は、水にノニオン性、アニオン性などの界面活性剤、必要に応じてPH調整剤、洗浄促進剤などを配合してなる。ノニオン性界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック附加物等がある。アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等である。
また、PH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等がある。水に溶かしやすいことからケイ酸ソーダが好ましい。さらに、洗浄助剤があるが、上記界面活性剤、PH調整剤と併用して用いることにより、洗浄能力が高まるものである。具体的例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、パラフィン系炭化水素等がある。これらは、適量の混合比で水に0.1〜50重量%、好ましくは、1〜10重量%の範囲で添加混合されて使用される。現像後は版を、オーブン中で、約60℃で15〜120分間乾燥するのが一般的である。
本発明感光性樹脂組成物は、その組成によっては乾燥が終わった後も版表面にベトツキが残っている場合がある。その場合、公知の表面処理方法により、ベトツキを除去することができる。表面処理方法としては波長300nm以下の活性光線による露光処理が望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、フレキソ印刷用に用いることが最も適しているが、樹脂凸版印刷用、平版印刷用、凹版印刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用することも可能である。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。
なお、実施例における特性値は以下の測定方法によって得られた値である。
(1)現像時間:カバーフィルムを剥離した未露光の印刷版(感光性樹脂層厚み240μm)を、下記仕様のブラシを用いたブラシ式製現像機により、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4重量%を含有する40℃の中性水で現像したときに、フロアの未露光樹脂が洗い切れるまでに要した時間を測定した。
この時のブラシの仕様は下記の通りである。
毛質 : ナイロン(アズロン) 150μm
打クギ : SUS
植毛孔径 : φ25
植毛密度 : 120本/孔
植毛ピッチ: 6mm
台本 : メラミン樹脂合板
(2)押込み変位:カバーフィルムを剥離した印刷版の上に、直径10mm、重量 120gの鉄棒を載せ、30秒間で鉄棒が印刷版に食い込む変位量を測定した。
(3)抗張積:印刷版を金型で抜き取り、テンシロン(クロスヘッド100kg使用)の引っ張り試験により測定した伸度と強度を掛け合わせた値である。
(4)膨潤率:印刷版を水に20℃で24時間浸漬させた後の重量増加率(%)を測定した。
(5)最小網点再現性: カバーフィルムを剥離した印刷版(感光性樹脂層厚み240μm)に、網点150線1%〜95%、ベタ画像を含む検査ネガをあて、365nmにおける照度17.5W/m2(Anderson&Vreeland社製露光機、ランプはFR20T12−BL−9−BPを使用)を用いて予備露光と表露光をおこないネガフィルムを除去し、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4重量%を含有する40℃の中性水でフロアの未露光樹脂が洗い切れるまで現像し、60℃で10分間乾燥したときに、飛びや欠けが無く再現された最小網点を求めた。
(6)微粒子の平均粒径の測定:
イ)試料の作製:得られた感光性樹脂印刷用原版をケミカルランプ(Anderson&Vreeland製露光機、ランプはフィリップス10Rを使用)で裏表10分ずつ露光し、カバーフィルムと粘着防止層を剥離し、硬化した感光層をウルトラミクロト-ムを用いて凍結状態で薄切片化し、乾燥後、走査型プローブ顕微鏡SPMを用いて、切片表面、すなわち内部構造を評価した。SPMはSPA300(Seiko Instruments社製,SPI3800Nシステム)を使用した。測定モードはDFMモードと行なった。
ロ)粒径の測定:東洋紡績(株)製画像処理装置イメージアナライザーV20を用い、位相差像をTOKS法自動二値化により、粒子部分を白色、その他を黒色とし、白色部分の円相当直径を求めて、粒子径分布や平均粒径を算出した。
なお、実施例における特性値は以下の測定方法によって得られた値である。
(1)現像時間:カバーフィルムを剥離した未露光の印刷版(感光性樹脂層厚み240μm)を、下記仕様のブラシを用いたブラシ式製現像機により、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4重量%を含有する40℃の中性水で現像したときに、フロアの未露光樹脂が洗い切れるまでに要した時間を測定した。
この時のブラシの仕様は下記の通りである。
毛質 : ナイロン(アズロン) 150μm
打クギ : SUS
植毛孔径 : φ25
植毛密度 : 120本/孔
植毛ピッチ: 6mm
台本 : メラミン樹脂合板
(2)押込み変位:カバーフィルムを剥離した印刷版の上に、直径10mm、重量 120gの鉄棒を載せ、30秒間で鉄棒が印刷版に食い込む変位量を測定した。
(3)抗張積:印刷版を金型で抜き取り、テンシロン(クロスヘッド100kg使用)の引っ張り試験により測定した伸度と強度を掛け合わせた値である。
(4)膨潤率:印刷版を水に20℃で24時間浸漬させた後の重量増加率(%)を測定した。
(5)最小網点再現性: カバーフィルムを剥離した印刷版(感光性樹脂層厚み240μm)に、網点150線1%〜95%、ベタ画像を含む検査ネガをあて、365nmにおける照度17.5W/m2(Anderson&Vreeland社製露光機、ランプはFR20T12−BL−9−BPを使用)を用いて予備露光と表露光をおこないネガフィルムを除去し、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4重量%を含有する40℃の中性水でフロアの未露光樹脂が洗い切れるまで現像し、60℃で10分間乾燥したときに、飛びや欠けが無く再現された最小網点を求めた。
(6)微粒子の平均粒径の測定:
イ)試料の作製:得られた感光性樹脂印刷用原版をケミカルランプ(Anderson&Vreeland製露光機、ランプはフィリップス10Rを使用)で裏表10分ずつ露光し、カバーフィルムと粘着防止層を剥離し、硬化した感光層をウルトラミクロト-ムを用いて凍結状態で薄切片化し、乾燥後、走査型プローブ顕微鏡SPMを用いて、切片表面、すなわち内部構造を評価した。SPMはSPA300(Seiko Instruments社製,SPI3800Nシステム)を使用した。測定モードはDFMモードと行なった。
ロ)粒径の測定:東洋紡績(株)製画像処理装置イメージアナライザーV20を用い、位相差像をTOKS法自動二値化により、粒子部分を白色、その他を黒色とし、白色部分の円相当直径を求めて、粒子径分布や平均粒径を算出した。
参考例1(親水性ポリマーの合成)
ヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製)119.0部、ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)62.0部、ポリテトラメチレングリコール(G−850、保土ヶ谷化学(株)製)29.0部及びジラウリル酸ジ−n−ブチル錫5.0部をテトラヒドロフラン300部に溶解し、この溶液を攪拌機の付いた1リットルフラスコに入れ、攪拌を続けながら65℃に加熱し2時間反応を続けた。これとは別の容器で末端にアミノ基を有するアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー(HycarATBN 1300×16、宇部興産(株)184.0部をテトラヒドロフラン270部に溶解した溶液を、上記の1リットルフラスコ中に室温下で攪拌しながら添加した。このポリマー溶液からテトラヒドロフランを減圧留去し、減圧乾燥して数平均分子量が6700のポリマーを得た。次に該ポリマー25部をテトラヒドロフラン33部に溶解した溶液に、水酸化リチウム0.6部、酢酸マグネシウム1.4部をイオン交換水42部に溶解した水溶液を室温下で撹拌しながら添加し、さらに30分間撹拌することによって、不揮発分が25%の親水性ポリマーを得た。
ヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製)119.0部、ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)62.0部、ポリテトラメチレングリコール(G−850、保土ヶ谷化学(株)製)29.0部及びジラウリル酸ジ−n−ブチル錫5.0部をテトラヒドロフラン300部に溶解し、この溶液を攪拌機の付いた1リットルフラスコに入れ、攪拌を続けながら65℃に加熱し2時間反応を続けた。これとは別の容器で末端にアミノ基を有するアクリロニトリルーブタジエンオリゴマー(HycarATBN 1300×16、宇部興産(株)184.0部をテトラヒドロフラン270部に溶解した溶液を、上記の1リットルフラスコ中に室温下で攪拌しながら添加した。このポリマー溶液からテトラヒドロフランを減圧留去し、減圧乾燥して数平均分子量が6700のポリマーを得た。次に該ポリマー25部をテトラヒドロフラン33部に溶解した溶液に、水酸化リチウム0.6部、酢酸マグネシウム1.4部をイオン交換水42部に溶解した水溶液を室温下で撹拌しながら添加し、さらに30分間撹拌することによって、不揮発分が25%の親水性ポリマーを得た。
実施例1
水分散ラテックス(α):アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503 不揮発分42% 日本ゼオン(株)製)20.4重量部、水分散ラテックス(β):ブタジエンラテックス(Nipol LX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)35.9重量部、光重合性界面活性剤であるオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート(ブレンマー50POEP−800B、日本油脂(株)製) 0.6重量部(感光性樹脂固形分として1.0重量部)、オリゴブタジエンアクリレート(ABU−2S 共栄社化学(株)製)9重量部、ラウリルメタクリレート(ライトエステルL 共栄社化学(株)製)3重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(ライトエステルTMP 共栄社化学(株)製)3重量部、光重合開始剤1.8重量部、親水性ポリマー(不揮発分25%)12重量部、共役ジエンオリゴマー(B2000 日本石油化学(株)製)9重量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部、をトルエン5重量部、とともに容器中で混合してから、次に加圧ニーダーを用いて105℃で混練し、その後トルエンと水を減圧除去することにより、感光性樹脂組成物を得た。
水分散ラテックス(α):アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503 不揮発分42% 日本ゼオン(株)製)20.4重量部、水分散ラテックス(β):ブタジエンラテックス(Nipol LX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)35.9重量部、光重合性界面活性剤であるオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート(ブレンマー50POEP−800B、日本油脂(株)製) 0.6重量部(感光性樹脂固形分として1.0重量部)、オリゴブタジエンアクリレート(ABU−2S 共栄社化学(株)製)9重量部、ラウリルメタクリレート(ライトエステルL 共栄社化学(株)製)3重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(ライトエステルTMP 共栄社化学(株)製)3重量部、光重合開始剤1.8重量部、親水性ポリマー(不揮発分25%)12重量部、共役ジエンオリゴマー(B2000 日本石油化学(株)製)9重量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部、をトルエン5重量部、とともに容器中で混合してから、次に加圧ニーダーを用いて105℃で混練し、その後トルエンと水を減圧除去することにより、感光性樹脂組成物を得た。
次に、得られた感光性樹脂組成物を厚さ170μmのスチール板上にポリエステル系接着層をコーテイングした支持体と、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に粘着防止層(ポリビニルアルコール)をコーテイングしたフィルムで挟み(接着層、粘着防止層が感光性樹脂組成物と接触するように)、ヒートプレス機で105℃、100kg/cm2の圧力で1分間加圧することにより、厚さ0.4mmの感光性樹脂積層体(感光性樹脂原版)を作製した。
得られた原版からカバーフィルムを剥離し、網点150線1%〜95%、ベタ画像を含む検査ネガをあて、365nmにおける照度17.5W/m2(Anderson&Vreeland社製製版機、ランプはFR20T12−BL−9−BPを使用)を用いて予備露光と表露光をおこないネガフィルムを除去し、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4重量%を含有する40℃の中性水でフロアの未露光樹脂が洗い切れるまで現像し、60℃で10分間乾燥した。
実施例2
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を、0.3重量部(感光性樹脂固形分として0.5重量部)に置きかえる以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を、0.3重量部(感光性樹脂固形分として0.5重量部)に置きかえる以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。
実施例3
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を、3重量部(感光性樹脂固形分として5.0重量部)に置きかえるは、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を、3重量部(感光性樹脂固形分として5.0重量部)に置きかえるは、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。
比較例1
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を0重量部(添加なし)に置き換える以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。このようにして得た感光性樹脂積層体の現像時間を測定したところ、実施例1と比べ、明らかに時間を要した。
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を0重量部(添加なし)に置き換える以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。このようにして得た感光性樹脂積層体の現像時間を測定したところ、実施例1と比べ、明らかに時間を要した。
比較例2
光重合性化合物として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を6重量部(感光性樹脂固形分として10.0重量部)に置き換える以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。このようにして得た感光性樹脂積層体は、樹脂が柔らかすぎるためにハンドリング性が悪かった。また、機械的強伸度特性が低いために印刷時に網点の欠損が起こりやすく、水膨潤率も高いために網点が太ってしまった。
光重合性化合物として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を6重量部(感光性樹脂固形分として10.0重量部)に置き換える以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。このようにして得た感光性樹脂積層体は、樹脂が柔らかすぎるためにハンドリング性が悪かった。また、機械的強伸度特性が低いために印刷時に網点の欠損が起こりやすく、水膨潤率も高いために網点が太ってしまった。
比較例3
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(PE-350、日本油脂(株)製) 0.6重量部(感光性樹脂固形分として1.0重量部)に置き換える以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。このようにして得た感光性樹脂積層体の現像時間を測定したところ、現像時間は短縮されなかった。
光重合性界面活性剤として実施例1のオクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート 0.6重量部を、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(PE-350、日本油脂(株)製) 0.6重量部(感光性樹脂固形分として1.0重量部)に置き換える以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を得た。このようにして得た感光性樹脂積層体の現像時間を測定したところ、現像時間は短縮されなかった。
以上、かかる構成よりなる本発明感光性樹脂組成物は、水系現像液で現像でき、且つ水性インキに対する耐性があり、画像再現性の良好なフレキソ印刷用原版に利用することができ、産業界に寄与すること大である。
Claims (3)
- 少なくとも水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、親水性重合体、光重合性化合物、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物において、光重合性化合物が一個の光重合性基を有する光重合性界面活性剤を含有することを特徴とするフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層より構成されることを特徴とする感光性樹脂印刷用原版。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007200520A JP2008058957A (ja) | 2006-08-02 | 2007-08-01 | 感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷用原版 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2006211037 | 2006-08-02 | ||
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010134014A (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-17 | Adeka Corp | フォトレジスト用反応性分散剤 |
US8492449B2 (en) * | 2010-03-25 | 2013-07-23 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Photosensitive resin composition, printing plate precursor and flexographic printing plate |
-
2007
- 2007-08-01 JP JP2007200520A patent/JP2008058957A/ja active Pending
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