JP2002072457A - 結合剤としてsis/sbs混合物を含有する、フレキソ印刷板を製造するための光重合性フレキソ印刷素子 - Google Patents

結合剤としてsis/sbs混合物を含有する、フレキソ印刷板を製造するための光重合性フレキソ印刷素子

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JP2002072457A JP2001132579A JP2001132579A JP2002072457A JP 2002072457 A JP2002072457 A JP 2002072457A JP 2001132579 A JP2001132579 A JP 2001132579A JP 2001132579 A JP2001132579 A JP 2001132579A JP 2002072457 A JP2002072457 A JP 2002072457A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過度の硬度および異方性を有さず、SBSゴ
ムの有利な特性を有するフレキソ印刷板を得るための、
光重合性組成物、光重合性フレキソ印刷素子、この素子
の使用法を提供する。 【解決手段】 所定の熱可塑性エラストマーSIS及び
SBSブロック共重合体の混合物を結合剤として含み、
更にエチレン性不飽和モノマー、可塑剤および光開始剤
を含む光重合性組成物を得た。また、光重合性層に上記
組成物が含まれる光重合性フレキソ印刷素子、およびこ
の種の光重合性フレキソ印刷素子をフレキソ印刷板の製
造に使用する方法を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結合剤としての熱
可塑性エラストマーSISブロック共重合体とSBSブ
ロック共重合体との混合物、エチレン性不飽和モノマ
ー、可塑剤、および光開始剤を含む、光重合性組成物に
関する。更に、本発明は光重合性層に上記光重合性組成
物を含む光重合性フレキソ印刷素子、およびフレキソ印
刷板を製造するための、光重合性フレキソ印刷素子の使
用法に関する。
【0002】
【従来の技術】一時期、熱可塑性エラストマーブロック
共重合体が光重合性フレキソ印刷素子の製造用に用いら
れていた。例えば、DE2215090号公報およびU
S4323636明細書には、結合剤、エチレン性不飽
和モノマーおよび光開始剤から構成され、ここで用いら
れる結合剤が、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリス
チレンブロック共重合体(SBS)か、ポリスチレン−
ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体(SI
S)のいずれかである光開始剤組成物が開示されてい
る。この種のブロック共重合体は、溶融押出により加工
されるのが有利であり、これにより複雑なキャスティン
グ法が回避される。更に、上記共重合体はいずれも安価
であり、容易に入手可能である。他の(共)重合体を結
合剤として使用することもたびたび提案されてきたが、
今日では有機媒体として開発可能な、ほぼ全ての市販の
光重合性フレキソ印刷素子が、熱可塑性エラストマーブ
ロック共重合体をバインダーとして含んでいる。
【0003】市販の光重合性フレキソ印刷素子の製造用
には、これまでSBS型またはSIS型のいずれかのブ
ロック共重合体のみが用いられていた。光重合性フレキ
ソ印刷素子の製造に使用可能なSISおよびSBSブロ
ック共重合体は、一般に相互に相溶性ではなく、分離す
る傾向がある。光重合性混合物は、この種の分離過程に
より曇りを生じ、高品質のフレキソ印刷板の製造用には
不適切である。
【0004】SISブロック共重合体またはSBSブロ
ック共重合体を基剤とするフレキソ印刷板は、それぞれ
非常に特徴的な利点と不都合点とを有する。SISゴム
は、SBSゴムに比較してより柔軟かつ可塑性である。
従って、SISゴムは比較的軟質のフレキソ印刷板の製
造において、非常に好適に用いられる。
【0005】しかしながら、SISゴムを基剤とするフ
レキソ印刷板は、オゾンに曝されると亀裂を生ずる傾向
がある。このため、オゾン保護用ワックス、例えば所定
のパラフィンまたはミクロワックスを組成に添加するの
が一般的である。この種のオゾン保護用ワックスから
は、フレキソ印刷板表面の無極性保護フィルムが形成さ
れ、特に水を基剤とする印刷インクを用いた印刷を行う
場合にはインク転移に不都合な影響を与えることがあ
る。更に、SISゴムによるフレキソ印刷板はSBSに
対して表面の粘性(べたつき)が大きく摩耗も大きい。
【0006】SBSゴムはオゾン保護ワックスを添加せ
ずに用いられる。従って、SBSによるフレキソ印刷板
では、特に水を基剤とする印刷インクを用いると、非常
に良好なインク転写が行われる。SBSゴムのフレキソ
印刷板の表面は、粘性が低く、高い摩耗抵抗を有し、表
面の粗い材料に印刷を行う場合にはこれが特に明確であ
る。しかしながらSBSゴムを含む印刷板は、硬度が高
いという不都合点を有する。柔軟なフレキソ印刷板を得
るためには、SISを基剤とする印刷板の場合よりも大
量の可塑剤が用いられる。しかしながら、組成中の可塑
剤を必要なだけ増加すれば、他の特性に悪影響を与える
ことは当然ながら避けられない。また、SBS印刷板が
異方性を有する方向に変化する傾向も有益ではない。こ
れは、溶融押出およびカレンダー処理による慣用の製造
法において、方向依存の、機械特性、光学特性および印
刷特性が得られたことを意味する。印刷板は印刷シリン
ダに常に同じ方向に挟持される訳ではないため、特に多
色印刷の場合に悪影響が生ずる。過度に大きな異方性
は、完全に許容限界を超える。
【0007】従って、過度の硬度及び異方性といった不
都合点を有さず、SBSゴムの利点を有するフレキソ印
刷板を得ることが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明はこ
の種のフレキソ印刷板の製造に用いられる光重合性フレ
キソ印刷素子を提供することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、本発明の
上記課題が、SISを含む混合物において所定のSBS
ゴムを使用することにより達成されることを見出した。
SISゴムとSBSゴムとは一般に非相溶性であるた
め、このことは極めて驚くべきことである。
【0010】すなわち、本発明は所定の熱可塑性エラス
トマーSIS及びSBSブロック共重合体の混合物を結
合剤として、更に、エチレン性不飽和モノマー、可塑剤
および光開始剤を含む光重合性組成物を提供するもので
ある。更に本発明は、光重合性層に上記組成物が含まれ
る光重合性フレキソ印刷素子、およびこの種の光重合性
フレキソ印刷素子をフレキソ印刷板の製造に使用する方
法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】使用されるSIS成分は、光重合
性フレキソ印刷素子の製造に好適に用いられる慣用の熱
可塑性エラストマーSISブロック共重合体である。こ
の重合体のポリスチレン含有率は、一般に40質量%未
満である。ポリスチレン含有率10〜35質量%のブロ
ック共重合体が好ましく用いられ、ポリスチレン含有率
10〜20質量%のブロック共重合体が特に好ましく用
いられる。SISブロック共重合体の見かけの分子量は
一般に80000〜300000、好ましくは1000
00〜250000である。本願で使用する、「見かけ
の分子量」という用語は、ポリスチレン標準を用いたゲ
ル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定された
平均分子量Mwを意味するものとする。SISブロック
共重合体は、直鎖状ブロック共重合体と放射状のブロッ
ク共重合体のいずれであってもよい。これには通常、A
−B−A型の三元ブロック共重合体を用いるが、A−B
型の二元ブロック共重合体、または複数のエラストマー
または熱可塑性ブロックを交互に有する、A−B−A−
B−A等の共重合体であってもよい。2種類以上の異な
るSISブロック共重合体の混合物を用いることも可能
である。市販のSISブロック共重合体はSI−2ブロ
ック成分を有することが多い。このSI−2ブロック成
分は、0〜40質量%であるのが好ましく、10〜30
質量%であるのが特に好ましい。
【0012】SISブロック共重合体として直鎖状ブロ
ック共重合体を用いることが好ましい。本発明による光
重合性組成物において、SISブロック共重合体を1種
類以上の熱可塑性エラストマーSBSブロック共重合体
を含む混合物として、SISブロック共重合体と相溶性
を有する形態で用いる。本発明において、相溶性とは光
重合性混合物がSBSおよびSISブロック共重合体、
および他の成分を含みつつ、化学線を散乱しない、透明
かつ曇りのない混合物とされることを意味するものであ
る。光重合性層における曇りや縞等は光重合工程に悪影
響を及ぼす。これにより、フレキソ印刷板が全く得られ
ないこと、または低品質品のみが得られることになる。
【0013】SBSブロック共重合体は、鎖状の三元ブ
ロック共重合体、二元ブロック共重合体、複数のエラス
トマーと熱可塑性の各ブロックを有する重合体、放射状
または疑似放射状ブロック共重合体、またはこれらの混
合物とされる。SBSブロック共重合体のポリスチレン
含有率は5〜25質量%とされ、これにより高いポリス
チレン含有率では、上述のようなSISブロック共重合
体を含む透明の混合物は得られない。SBSブロック共
重合体のポリスチレン含有率は、10〜25質量%であ
ると好ましく、15〜20質量%であると非常に好まし
い。SBSブロック共重合体の見かけの分子量は、一般
に50000〜300000である。SBSブロック共
重合体の見かけの分子量が100000〜300000
であると好ましく、SBSブロック共重合体の見かけの
分子量が200000〜250000であると特に好ま
しい。ポリスチレンブロックは、5000〜50000
の見かけの分子量を有する。ここで用いられるポリスチ
レンブロックの見かけの分子量は7000〜35000
の範囲であり、7000〜35000であると好まし
く、9000〜17000であると特に好ましい。ポリ
スチレンブロックの見かけの分子量は、上記のSISブ
ロック共重合体のポリスチレンブロックにほぼ対応する
ように選択されることが好ましい。ポリブタジエンブロ
ックにおけるブタジエン単位は、1,4−結合であって
も、1,2−結合であってもよい。本発明のSBSブロ
ック共重合体のビニル結合含有率は、5〜70質量%、
好ましくは35〜65質量%、特に好ましくは50〜6
0質量%である。適するSBSブロック共重合体は、例
えばEP−A696761号公報に記載されている。
【0014】本発明で使用されるSBSブロックは、一
般式(SB)x(B)yZで示される放射状または分岐
状のブロック共重合体であると好ましく、式中SとBは
通常のようにスチレンブロックおよびブタジエンブロッ
クを示し、Zは数個のブロックを相互に結合する多官能
性カップリング剤を示す。(SB)単位は通常、ブタジ
エンブロックを介してカップリング剤Zに結合する。式
中のXは1〜20の整数を意味する。適する放射状のS
BSブロック共重合体はy=0の対称の放射状ブロック
共重合体、例えば(SB)Zまたは(B)Zの重合
体である。しかしながら、(SB)及び(B)アームの
双方を有する放射状のブロック共重合体が好ましく用い
られる。特に好ましくは、一般式(SB)(B)
の重合体が用いられる。放射状ブロック共重合体につい
ては、例えばEP−A696761号公報に開示されて
おり、これらは購入可能である。
【0015】SBS/SISブロック共重合体の質量比
は70/30〜10/90である。上記ブロック共重合
体の割合が70/30を超過する場合、過度に硬く、脆
性のフレキソ印刷板が得られ、これは屈曲に際して破断
することがある。ブロック共重合体の割合が10/90
を下回る場合には、印刷板表面がべたつき、オゾン保護
ワックスの使用が必要となる。SBS/SIS割合は、
60/40〜40/60であるのが好ましい。
【0016】更に、本発明の組成物は公知の形態で重合
性化合物またはモノマーを含む。このモノマーは本発明
のバインダーと相溶性を有さなければならず、少なくと
も1種類の重合性のエチレン性不飽和二重結合を有する
ものである。適するモノマーは大気圧における沸点が1
00℃を超過し、分子量が3000g/mol以下、好
ましくは2000g/mol以下である。アクリル酸ま
たはメタアクリル酸と、単官能性または多官能性アルコ
ールとのエステルまたはアミド、アミン、アミノアルコ
ール、ヒドロキシエーテル、ヒドロキシエステル、スチ
レンまたは置換スチレン、フマル酸またはマレイン酸の
エステルまたはアリル化合物が、特に好ましいことがわ
かっている。適するモノマーの例は、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリラート、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリラート、1,9−ノナンジオールジア
クリラート、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、
フマル酸ジオクチルおよびN−ドデシルマレイミドであ
る。
【0017】適する光重合開始剤としては、特にベンゾ
インまたはベンゾイン誘導体、例えばα−メチルベンゾ
インまたはベンゾインエーテル、ベンジル誘導体、例え
ばベンジルケタール、酸化アシルアリールホスフィン、
アシルアリールホスフィン酸エステル、多核キノリンま
たはベンゾフェノンである。
【0018】本発明の光重合性組成物は、一般に、SI
Sブロック共重合体とSBSブロック共重合体とから構
成された、全成分の合計に対して通常50〜90質量%
の結合剤混合物を含む。60〜85質量%のバインダー
が好ましく使用される。重合性モノマーの使用量は、
4.9〜30質量%、好ましくは4.9〜20質量%で
ある。光開始剤の使用量は、0.1〜5質量%である。
【0019】更に、本発明で用される光重合性混合物
は、1種類以上の可塑剤を含むものである。異なる種類
の可塑剤の混合物を用いてもよい。可塑剤は所望の硬度
範囲を得るための実際の作用の他に、SISとSBSゴ
ムの相溶性を最適にするために有利に作用する。適する
可塑剤の例は、変性または非変性天然油及び樹脂、パラ
フィン性鉱油、並びにアルカン酸またはアリールカルボ
ン酸等の酸のアルキル、アルケニル、アリールアルキル
またはアリールアルケニルエステルである。更に、合成
オリゴマーまたは樹脂、例えばオリゴスチレン、オリゴ
マースチレン−ブタジエン共重合体、オリゴマー性α−
メチルスチレン−p−メチルスチレン共重合体、液体オ
リゴブタジエン、液体オリゴイソプレンまたは液体オリ
ゴマーアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好まし
く用いられる。この種のオリゴマーは、通常500〜5
000g/モルの分子量を有する。
【0020】非常に好ましく用いられる可塑剤はブタジ
エン油である。可塑剤の使用量は、光重合性混合物の全
成分合計に対して、一般に5〜40質量%とされ、8〜
35%であると好ましく、10〜30%であると特に好
ましい。
【0021】光重合性混合物は、更に慣用の助剤、特に
熱的に開始される重合を阻害する薬剤、染料、顔料、光
互変性添加剤、酸化防止剤または押出助剤を更に含んで
もよい。これらの使用量は、通常、光重合性組成物の全
成分の合計に対して10質量%未満とされる。
【0022】本発明の光重合性組成物は、光重合性フレ
キソ印刷素子の製造に用いられる。この種の光重合性フ
レキソ印刷素子は、寸法安定性基板上に設けられる光重
合性のレリーフ形成層と、更に必要に応じて接着層とを
含む。
【0023】本発明の光重合性フレキソ印刷素子はプレ
ートである。このために用いられる適当な寸法安定性基
板は、特に寸法安定性の基板フィルム、例えばポリエス
テルフィルム、特にポリエチレンテレフタラートフィル
ムまたはポリエチレンなフタラートフィルムである。こ
れらの基板フィルムの膜厚は、通常50〜500μm、
好ましくは75〜400μmであり、例えば約125μ
で用いられる。この基板層の下部に、軟質のエラストマ
ー下敷層を有してもよい。また、これらはフレキソスリ
ーブであってもよく、この場合に使用される基板は金属
またはプラスチック製の円錐形または円筒形の管とされ
る。
【0024】光重合性レリーフ形成層の厚さは、主に印
刷板の使用目的により決定される。従って、この厚さ
は、通常0.1〜7mm、好ましくは0.7〜6.5m
mとされる。同層の膜厚は、各場合の所望の適用におけ
る必要性に応じて当業者により選択される。
【0025】光重合性層は、同層に用いられる結合剤と
他の成分とを、適当な溶媒または溶媒混合物に公知方法
で溶解し、得られた溶液を基板上にキャストし、溶媒を
蒸発させることにより製造される。光重合性フレキソ印
刷素子は、公知形態での、高温下の溶融押出とカレンダ
リングにより製造されるのが好ましく、これにより、本
発明の特別の有用性が発揮される。すなわち、慣用のS
BSゴム含有組成を用いた場合には、上記方法によると
通常は異方性を有する生成物が得られるが、本発明のS
IS/SBS混合物を用いた場合、異方性を全く示さな
いか、または実質的に示さない生成物が得られる。
【0026】光重合性層は、複数の部分層から構成され
てもよい。これらの部分層は、同一、ほぼ同一、または
異なる材料の組成から構成可能である。部分層から構成
される光重合性層の製造は、例えばEP−A03626
41号公報に示された方法により行われる。
【0027】光重合性フレキソ印刷素子は、一般に、光
重合性層の上に施される保護フィルムにより、公知方法
で機械的損傷から保護されている。応用目的によって
は、必要に応じて、更に他の層を設けてもよい。
【0028】他の層の例は、光重合性層と保護フィルム
との間に設けられる被覆層(剥離層としても公知であ
る)である。この被覆層は、適当なポリアミドから構成
されることが多く、光重合性用の現像剤に可溶であり、
印刷板の使用前の保護層の剥離、およびイメージングの
ための写真原板の配置を単純化するものである。
【0029】他の例は、光重合性層上に施される、比較
的薄い、同様の光重合性上部層である(トップ層としも
公知である)。この種のトップ層は、例えばEP−A0
84851号公報に記載されている。この様な二層構造
を用いることにより、印刷板のフレキソ技術に典型的な
特性、例えば硬度または弾性に影響を与えずに、印刷板
表面のインク転写等の特性が改善される。このように、
表面特性と層特性とが相互に独立に改善され、最適な印
刷結果が得られる。
【0030】更に、IR融蝕性層について述べる。この
層は光重合性層上に、またはトップ層を用いる場合には
この上に施される。この様な層は通常、結合剤と、カー
ボンブラックを含む。これらは、IRレーザーを用いた
光重合性フレキソ印刷素子の直接的なデジタルイメージ
ングに作用する。この様な層の例はEP−A76740
7号またはEP−A654150号各公報に記載されて
いる。
【0031】本発明の光重合性フレキソ印刷素子は、フ
レキソ印刷板の製造に公知の形態で用いられる。フレキ
ソ印刷板の製造は、予備露光、用いる全ての保護層の剥
離、写真ネガを施すこと、化学線によるイメージ状の露
光、現像、乾燥、および必要に応じて後処理を含む古典
的方法によっても行うことができる。また、この方法を
ディジタルイメージングにより行ってもよい。このた
め、IR融蝕層を有する本発明の光重合性フレキソ印刷
素子が用いられる。このフレキソ印刷板の製造は、予備
露光、保護フィルムの剥離、IR融蝕層のイメージ状の
書き込み、化学線によるイメージ状の露光、現像、乾燥
及び必要に応じて後処理の各工程含む方法により行われ
る。これら2種類の方法の更なる詳細は当業者に公知で
あり、例えばEP−A992849号公報に開示されて
いる。
【0032】本発明の光重合性フレキソ印刷素子を用い
て得られるフレキソ印刷板は、SBSゴムを含むフレキ
ソ印刷板の典型的な利点、すなわちオゾン亀裂に対する
高い耐性、および高い耐摩耗性を有する。本発明の印刷
板は保護ワックスを用いずに使用可能である。更に、本
発明のフレキソ印刷板は、同量の可塑剤を用いた場合の
硬度が低い上、更に異方性を有さないため有効である。
【0033】以下に実施例を記載し、本発明を更に詳細
に説明するが、これらの実施例に本発明が限定されるも
のではない。
【0034】
【実施例】以下に用いる測定値を下表のように定義す
る。
【0035】実施例と比較例において、以下に記載の通
常の実験操作を行った。
【0036】A)光重合性混合物の調製 結合剤、エチレン性不飽和単量体、光開始剤、可塑剤及
び染料の混合物を、処理量30kg/時間の二軸押出器
(Werner & Pfleiderer ZSK 53)に、材料温度160〜
170℃で押出し、スロットダイから放出した。ダイか
ら放出された溶融体を2ロールカレンダーのロール間隙
に導入した。2つのロールを80℃に加熱した。
【0037】接着層で被覆された、125μmのポリエ
チレンテレフタラートフィルム(Mylar(登録商
標))を、上方カレンダーロール上に給送し、ポリアミ
ドから構成された剥離層で被覆された、125μmのポ
リエチレンテレフタラートフィルム(Mylar(登録
商標))を下方カレンダーロール上に給送した。 B)印刷クラッチ版の製造 一週間の保存時間の後、原料板をクラッチ版に加工し
た。以下の処理工程を実施した。
【0038】a.UV光を反転印刷物上に全面露光する
(FIII露光装置、BASF,35s)、 b.保護フィルムの剥離 c.nyloflex(登録商標)FARII試験フィ
ルム(BASF)の積層、 d.真空フィルムの存在下での主露光(FIII露光装
置、BASF、2分の工程を4〜18分)、 e.プレートのウォッシュアウト(CombiFFIス
ロー−フロー洗浄機、BASF、洗浄速度150mm/
分、洗浄液:nylosolv(登録商標)II、BA
SF、30℃、レリーフ深度1000μm)、 f.65℃にて3時間乾燥、 g.第二露光(UVA、FIII露光装置、BASF、
15分)、 h.UVC光による処理(FIII第二処理装置、BA
SF、15分)。
【0039】被検用クラッチ版を評価した。ポジティブ
試験素子(独立ドット:200μm、グリッド:55μ
m、2%濃度のスクリーンフィールド(60L/分))
がクラッチ版上に正しく形成される露光時間を評価し
た。全ポジティブ素子を正しく形成するまでの時間は、
露光下限(LEL: lower exposure limit)、すなわち正し
いイメージングのための最低露光継続時間として公知で
ある。
【0040】更に、ネガティブ素子、例えば400μm
ネガティブドットと200μの溝 (trench) を有する素
子を評価した。ネガティブドットの深さが70μm未満
であるか、溝の深さが500μm未満であると、正確な
インク転写が行われないことがある。これらのネガティ
ブ素子の少なくともいずれかがそれぞれ上述の限界を下
回る時間が露光上限(UEL: upper exposure limit)とし
て公知である。UELとLELとの差はいわゆる露光寛
容度(EL: exposure latitude)である。実際にフレキソ
印刷板を使用するためには、上記の露光寛容度が正でな
ければならない。負の露光寛容度では、微細なネガティ
ブ素子が結合してしまい、一方のポジティブ素子は重合
を完了しないままとされる。
【0041】以下の測定量、すなわちクラッチ硬度、異
方性因子及びオゾン亀裂に対する耐性も、被検クラッチ
版上で測定したものである。
【0042】[実施例1]感光性混合物を調製するため
に、表1に記載の成分を記載の使用量で用い、上述の一
般的な処理方法により、光重合性フレキソ印刷板を得
た。
【0043】
【表1】
【0044】極めて透明な光重合性フレキソ印刷素子を
製造した。この素子は、非常に良好にフレキソ印刷クラ
ッチに加工された。
【0045】測定値を表3に示す。
【0046】[実施例2]可塑剤のpolyoil 1
30を、医療用ホワイトオイルに変更し、実施例1と同
様の操作を行った。
【0047】測定値を表3に示す。
【0048】[比較例1]Kraton D−KX22
2を、Kraton D−KX225(鎖状SBSブロ
ック共重合体、ポリスチレン30質量%)に変更し、実
施例1と同様の操作を行った。
【0049】得られた光重合性フレキソ印刷素子は完全
に透明ではなく、負の露光寛容度を示した。
【0050】測定値を表3に示す。
【0051】[比較例2]Kraton D−KX22
2を、Kraton D−KX225(鎖状SBSブロ
ック共重合体、ポリスチレン30質量%)に、可塑剤の
polyoil130を医療用ホワイトオイルに変更
し、実施例1と同様の操作を行った。
【0052】光重合性フレキソ印刷素子は縞を有した。
得られたクラッチ版は濁りを有し、非常に形の悪い印刷
素子が得られたため、評価を行うことができなかった。
【0053】[比較例3]結合剤の使用をKraton
D−KX222(SBSブロック共重合体)のみと
し、実施例1の操作を行った。
【0054】大きな異方性を有し、屈曲により破断す
る、比較的硬いクラッチ版が得られた。
【0055】[比較例4]SBS/SISゴム混合割合
を80/20とし、実施例1に記載の操作を行った。
【0056】異方性は比較例3よりも非常に低下したも
のの、なおも観察された。亀裂形成割合は大幅に低減し
たが、プレートは依然、破断を生じた。
【0057】[実施例3]SBS/SIS混合割合を7
0/30とし、実施例1に記載の操作を行った。
【0058】プレートはもはや異方性を全く有さず、柔
軟であり、破断することはなかった。
【0059】[実施例4]SBS/SIS混合割合を1
0/90とし、実施例1に記載の操作を行った。
【0060】[比較例5]結合剤の使用をSISゴムの
みとし、実施例1に記載の操作を行った。
【0061】得られたプレートは、顕著なべたつきを有
し、長時間印刷に使用した後にはオゾン亀裂を示した。
【0062】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/032 G03F 7/032 Fターム(参考) 2H025 AA12 AA13 AB02 AC01 AD01 BC12 CB16 CB59 CC05 FA17 2H096 AA02 BA05 GA08 2H114 AA01 AA14 AA23 AA27 AA30 BA01 DA46 DA47 DA64 EA01 EA02 FA12 FA16 4J026 AA17 AA68 AA69 AC16 AC32 BA27 BA28 BA36 BA38 BB08 BB10 DB06 DB36 FA08 GA07 GA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤としての少なくとも1種類の、ス
    チレン含有率5〜25質量%の熱可塑性エラストマーS
    ISブロック共重合体、4.9〜30質量%の少なくと
    も1種類のエチレン性不飽和モノマー、5〜40質量%
    の少なくとも1種類の可塑剤、および0.1〜5質量%
    の少なくとも1種類の光開始剤または光開始剤組成物を
    少なくとも含む光重合性組成物であって、 この混合物が更に、スチレン含有率が5〜25質量%、
    ビニル結合含有率が35〜65%の、少なくとも1種類
    の熱可塑性エラストマーSBSブロック共重合体を含
    み、 SBSブロック共重合体/SISブロック共重合体質量
    割合が70/30〜10/90であり、 50〜90質量%の結合剤混合物がSISブロック共重
    合体とSBSブロック共重合体から構成されていること
    を特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 ビニル結合含有率が50〜60%であ
    る、請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 SBSブロック共重合体/SISブロッ
    ク共重合体の質量割合が60/40〜40/60であ
    る、請求項1に記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 可塑剤がポリブタジエン油である、請求
    項1または2に記載の光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 SISブロック共重合体が鎖状であり、
    SBSブロック共重合体が放射状の構造を有する、請求
    項1〜4のいずれかに記載の光重合性組成物。
  6. 【請求項6】 寸法安定な層基板と、この上に施された
    光重合性層とを少なくとも有し、前記光重合性層が請求
    項1〜3のいずれかに記載の光重合性組成物を含有す
    る、光重合性フレキソ印刷素子。
  7. 【請求項7】 フレキソ印刷板の製造のための、請求項
    6に記載の光重合性フレキソ印刷素子の使用法。
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